JP3663111B2 - 回転陽極型x線管 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は回転陽極型X線管に係わり、特に液体金属で潤滑される動圧式すべり軸受を備える回転陽極型X線管に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の動圧式すべり軸受を備える回転陽極型X線管およびそれを収容容器内に装着したX線管装置の構成について、その主要部を断面で示した図22を参照して説明する。同図中の符号141は回転陽極型X線管の真空容器で、この真空容器141の内部に電子ビームを放出する陰極140や円盤状回転陽極142などが配置され、この円盤状回転陽極142の陰極140と対向する領域にX線を放出する陽極ターゲット層143が設けられている。
【0003】
円盤状回転陽極142は、固定用ナット144で支持シャフト145に固定され、支持シャフト145は全体がほぼ円筒状に形成された回転体146に連結されている。回転体146は、外側円筒146a、中間円筒146bおよび有底の内側円筒146cの3層構造からなっており、中間円筒146bに支持シャフト145が連結されている。
【0004】
内側円筒146cの内側には、円柱状の固定体147が挿入されている。この固定体147の表面には、ヘリンボンパターンのらせん溝148が形成されており、これら固定体147と回転体146との間の動圧式すべり軸受部を含む間隙部分やらせん溝148内に、少なくとも動作中は液状である金属潤滑剤たとえばGa−In−Sn合金が供給されている。
【0005】
同図には示されていないが、固定体147の中心部分には、液体金属潤滑剤を収納する潤滑剤収容室が設けられている。そして、潤滑剤収容室と動圧式すべり軸受部との間には、複数個の横方向潤滑剤通路が放射状に設けられ、潤滑剤収容室に収納された液体金属潤滑剤がこれら潤滑剤通路を通して動圧式すべり軸受部に供給されるようになっている。
【0006】
動圧式すべり軸受を構成する回転体の内側円筒146cと固定体147とは、動作中に20μ程度の軸受間隙を保つように設定されている。軸受面を形成する内側円筒146cおよび固定体147には、例えばSKD−11(JIS規定)などの鉄合金工具鋼のような金属材料が使用されている。このSKD−11の熱伝導率は、室温で24W/m・Kと比較的小さい値である。
【0007】
固定体147の外周部には、上下方向にある間隔で2つの段部149、150が環状に形成されている。段部149、150において固定体147の外径が変化しており、いずれも円盤状回転陽極142と反対側に位置する下端側の方が小さくなっている。下方に位置する段部150の外周部分に突出部151が環状に形成され、突出部151の外側に、固定体147を囲んで金属リング152が配置されている。この金属リング152は、内周部分と外周部分にそれぞれ環状の突出部153、154が設けられている。固定体147の図の下方に位置する固定体外方端部147aは、真空容器141の外側まで伸び、回転陽極型X線管を収容容器155に固定する被固定部として利用される。
【0008】
真空容器141は、円盤状回転陽極142の主要部分を包囲する金属製の径大部141a、および、回転体146や固定体147の各主要部分を包囲する径小部141bから構成されている。この径小部141bは例えばガラスで形成され、その端部に薄肉金属のシールリング156が接合されている。シールリング156は、封着用金属リング152の外周部分の突出部154とその先端部分どうしが気密溶接されている。封着用金属リング152の内周部分の突出部153および固定体147の段部150に形成された突出部151も、先端部分どうしが気密溶接され、こうして固定体147は真空容器141と真空気密に封着されている。真空容器141の径小部141bの外側には、回転体146に回転力を与えるステータ157が配置されている。このステータ157は、鉄芯およびそれに巻かれたコイルを備えている。
【0009】
上記した構成の回転陽極型X線管は、その固定体端部147aが絶縁体で構成された壷状の保持部材158の中央底部に固定されている。この保持部材158は、その円筒部158bの開口端部が収容容器155に複数のボルト160で固定されている。また、保持部材158の中央底部には、透孔が設けられており、この部分に中央透孔159がある独楽(こま)状の金属リング158aが複数個のボルト161で固定されている。そして、金属リング158a中央の透孔159を固定体外方端部147aが貫通している。
【0010】
金属リング158aの外径は真空容器141の内側に向かってテーパ状に細くなり固定体外方端部147aと接する内周部分に環状の突出部162が形成されている。金属リング158aに固定体の外方端部147aを固定する場合、金属リング158aの突出部162の先端面と固定体147の段部150とが接触する。
【0011】
固定体外方端部147aは、その外周壁に形成された雄ねじに螺合するナット163で金属リング158aに締付け固定されている。ナット163を締付けた際、被固定部である固定体外方端部147aが図の下方に引っ張られ、突出部162の先端面と固定体147の段部160との接触が強固になり、回転陽極型X線管は保持部材168に固定される。
【0012】
回転陽極型X線管を収納する収容容器165の内側には、絶縁冷却油が充填され循環させられるとともに、X線を遮蔽する鉛の遮蔽部材164が配置されている。また、陽極ターゲット層143の横方向に位置する領域にX線を外部に取り出すためのX線放射窓165が設けられている。保持部材158の壷状部分158bや金属リング158aには絶縁冷却油を循環させるための循環用孔が設けられ、保持部材159の横方向に位置する収容容器155の部分に絶縁冷却油を導入する導入口166が設けられている。この導入口166から供給された絶縁冷却油は、矢印Yで示すように回転陽極型X線管の真空容器141と収容容器155との間隙を流れるようになっている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
従来の回転陽極型X線管の場合、回転陽極に発生する熱は、主にこの陽極から輻射で真空容器に達し、真空容器から絶縁冷却油に伝導され放散される。回転陽極が発生する熱の一部および動圧式すべり軸受の回転によって発生する自己発熱した熱は、たとえば陽極回転機構を構成する回転体に伝導し、回転体の外周面から一部が放散されるとともに、軸受を介して固定体に至り、さらに真空容器外に位置する固定体外方端部に至って管外に放散される。
【0014】
ところで、動圧式すべり軸受部分に供給されているGa合金等の液体金属潤滑剤は、非常に活性であり、軸受部分が高温になると、固定体や回転体の軸受面を構成する金属材料と反応する。その結果、金属間化合物層が軸受面上に堆積され、らせん溝の深さや軸受隙間が徐々に減少して回転特性を劣化させる場合がある。また、軸受部分が高温になると、各材料からガスが発生しやすくなり、発生したガス気泡とともに液体金属潤滑剤がガスにより軸受部分から押し出されて漏出する不都合も考えられる。
【0015】
そのため、固定体や回転体、軸受部分の温度上昇を抑えるために、例えば特開平7−130311号公報に開示されているように、固定体の芯部を高熱伝導材料で構成し、固定体に至る熱を固定体の芯部を通して真空容器外に放出させる構造が知られている。これは、主として溶融した銅を固定体の芯部に流し込んで高熱伝導体を形成するものである。そのため、固定体の製造が困難であるとともに、固定体の機械的強度が弱いものとなりやすいという問題がある。
【0016】
また、回転陽極型X線管の真空容器外に延長された固定体の外方端部に放熱フィンを取付けてこれに絶縁油を直接当てて冷却する構成や、固定体内部に設けた空洞に冷却媒体を導入して循環させ、冷却効率を高める構成等も知られている。
【0017】
上述のような固定体の外方端部を冷却する構成は、軸受部分から相当離れているため、十分な放熱効果が得られない傾向がある。また、固定体内部に冷却媒体を循環させる構成は、軸の内部にまで穴をあけるため固定体の機械的強度が低下する問題がある。
【0018】
なお、動圧式すべり軸受部分の温度は、前述のように、回転陽極が発生する熱の一部および回転による軸受部分の自己発熱により、場所によって不均一になる。そのため、温度の高い部分では液体金属潤滑剤と軸受面との不所望な反応が進行してしまう場合がある。
【0019】
この発明は、上記した欠点を解決するもので、動圧式すべり軸受部分の温度の不均一化および温度上昇を抑え、製造が比較的容易で且つとくに固定体の機械的強度が高く、長期に亙り安定な回転特性を維持できる回転陽極型X線管を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するこの発明の一つは、固定体の上記真空容器外に露出している端部側から上記潤滑剤収容室を避けた位置に少なくとも1個の穴が中心軸方向に沿って形成され且つ穴内に固定体よりも熱伝導率の高い伝熱部材が挿入されて前記固定体と一体的に接合されている回転陽極型X線管である。
【0021】
上記の目的を達成する他の発明は、固定体には該固定体の上記真空容器外に露出している端部側から中心部に沿って穴が形成され該穴内に前記固定体よりも熱伝導率の高い伝熱部材が挿入されて前記固定体と一体的に接合されており、上記潤滑剤収容室は上記伝熱部材のまわりに該伝熱部材と並行して少なくとも1個形成されている回転陽極型X線管である。
【0022】
上記の目的を達成するさらに他の発明は、固定体には該固定体の上記真空容器外に露出している端部側から中心部に沿って穴が形成されこの穴内に固定体よりも熱伝導率の高い伝熱部材が挿入されて前記固定体と一体的に接合されており、上記潤滑剤収容室は上記伝熱部材のまわりに該伝熱部材と並行して少なくとも1個形成されている回転陽極型X線管である。
【0023】
上記の目的を達成するさらに他の発明は、上記固定体には該固定体の上記真空容器外に露出している端部側から冷却媒体を通す通路を有する冷却媒体流通部材が挿入されて一体的に接合されている回転陽極型X線管である。
【0024】
上記の目的を達成するさらに他の発明は、固定体の動圧式すべり軸受が設けられる第1部分が所定の第1材料で形成され、この固定体の第1部分よりも回転陽極から遠い側に位置する第2部分が第1材料よりも熱伝導率の大きい第2材料で形成され、且つ、第1部分および第2部分が一体的に接合されている回転陽極型X線管である。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、同一部分は同一符号であらわす。まず、図1乃至図3に示す実施例を説明する。なお、図2は図1の陽極回転体および固定体の部分を拡大して示しており、図3の(a)は図1および図2の3a−3aにおける回転体内側円筒および固定体の横断面図を示し、図3の(b)は同じく図1および図2の3b−3bにおける同じく横断面図を示している。
【0026】
これらの図において、符号11は回転陽極型X線管を構成する真空容器で、図1では、その一部だけが示されている。真空容器11内には、電子ビームを放出する陰極(図示せず)や円盤状回転陽極12などが配置されている。円盤状回転陽極12は、その大部分がモリブデンまたはモリブデン合金で構成され、陰極と対向する焦点領域にX線を放出するタングステンまたはレニウム−タングステン合金のような陽極ターゲット層13が設けられている。
【0027】
円盤状回転陽極12は、固定用のナット14で支持シャフト15に固定され、この支持シャフト15は回転機構の回転体16に連結されている。回転体16は、外側円筒16a、中間円筒16bおよび有底内側円筒16cの3層構造になっており、中間円筒16bが支持シャフト15と連結されている。内側円筒16cの下端開口部はスラストリング18がねじ止めされている。
【0028】
回転体の外側円筒16aは、外周面に熱輻射性を高める黒色膜が付着された銅で構成されている。中間円筒16bは、熱伝導率が非常に小さく且つ高温でも機械的強度の高い例えば50重量%の鉄と50重量%のニッケルとの合金(以下、TNF材と記す)で構成されている。また、有底内側円筒16cは、内周面が軸受面となるので、比較的高硬度で且つ液体潤滑剤で侵されにくい例えば鉄合金工具鋼のSKD−11(JIS規定)で構成されている。
【0029】
なお、TNF材は熱伝導率が約16(W/m・K)で非常に小さく、これを中間円筒16bに使用することにより、この中間円筒自体の熱伝達抑制効果とともに後述するその内側の断熱用間隙Gaの存在とも相俟って、回転陽極から軸受部分への熱伝達を小さく抑えることができる。またこのTNF材は、熱膨張率が約10×10−6/℃であり、内側円筒のSKD−11に近い値である。
【0030】
内側円筒16cと中間円筒16bとは、円盤状回転陽極12から熱伝導経路的に遠い同図のやや下方部分でろう接等により連結され、残りの部分すなわちこれら内側円筒16cの外周面と中間円筒16bとの間には断熱用の第1の間隙Gaが設けられている。
【0031】
また、中間円筒16bと外側円筒16aとは、円盤状回転陽極12に近い嵌合部分でろう接等により連結され、残りの部分すなわちこれら両円筒間の下方部分には断熱用の第2の間隙Gbが設けられている。
【0032】
内側円筒16cの外周壁の一部すなわち断熱用間隙Gaが設けられた部分の下端近くには、第1の段部T1が設けられている。この第1段部T1よりも上方に位置する内側円筒16cの第1部分Apは、第1段部T1よりも下方に位置する内側円筒16cの第2部分Aqよりも外径が小さく形成されている。
【0033】
そして、この固定体の外径の小さい第1部分Apの外周壁には、図3の(a)にも示すように、回転体用伝熱部材19が例えばろう付によって実質的に円筒状となるように接合されている。これら伝熱部材19の接合部を符号Bであらわしている。回転体用伝熱部材19の厚さは、その外周面と第2部分Aqの外周面が面一になる寸法に設定されている。この実施例において、回転体用伝熱部材19は、円筒状となる部材を円周方向に4分割した同じ大きさの円弧状板材を、隣接する板材どうしの間に所定の微小間隔gを持たせて配置している。そして、この回転体用伝熱部材19は、内側円筒16cよりも熱伝導率の大きい材料、たとえばタングステン焼結材料に銅を35重量%溶浸させた複合材料によって形成されている。
【0034】
内側円筒16cの内周面の一部、たとえば第1段部T1よりも下方に第2の段部T2が形成されている。この第2の段部T2よりも上方に位置する内側円筒16cの第2の部分Aqは、第2段部T2よりも下方に位置する内側円筒16cの第3部分Arよりも内径が小さく形成されている。
【0035】
さて、内側円筒16cの内側には、ほぼ円柱状の固定体17が挿入されている。固定体17の下方端部17aは、スラストリング18の中央開口部分を貫通し、封着用金属リング20に一部が固定されるとともに、さらに、真空容器11の外側まで伸びている。固定体17の下端部すなわち円盤状回転陽極12と反対側の外方端部17aは、この回転陽極型X線管を収容容器(図示せず)に固定する被固定部として利用される。固定体17は封着用金属リング20の内側に気密溶接され、封着用金属リング20の外側が、真空容器11に固定された薄肉金属のシールリング22と気密溶接され、固定体17は真空容器11に真空気密に封着されている。
【0036】
固定体17の外周面の一部には、2組のヘリンボンパターンのらせん溝23a、23bが形成され、回転体16と固定体17との間にラジアル方向の動圧式すべり軸受を形成している。上下のらせん溝23a、23bに挟まれた領域の固定体17の外周面には、液体金属潤滑剤の一部を貯蔵する凹部24が形成されている。回転体16の内側円筒16cと固定体17との間には、動作中に20μ程度の軸受間隙を含む隙間が保たれるようになっている。
【0037】
また、内側円筒16cの円盤状回転陽極12側の底面と、この底面に近接して対面する固定体17の上端面、および固定体17の第2段部T2の下面とこれに近接して対面するスラストリング18の上面にも、それぞれサークル状のヘリンボンパターンのらせん溝25a、25bが形成され、スラスト方向の動圧式すべり軸受が形成されている。
【0038】
相互に嵌合し且つ近接した部分に動圧式すべり軸受を構成する回転体の内側円筒16c、固定体17およびスラストリング18は、例えば前述のようなSKD−11で構成されている。
【0039】
固定体17の中心部分には、液体金属潤滑剤を収納する潤滑剤収容室26が回転中心軸Cの方向に沿って形成された穴によって構成されており、この潤滑剤収容室26の上端は固定体17の上端面において開口している。潤滑剤収容室26と固定体17の外周面に設けられた凹部24との間には、潤滑剤収容室26の延長方向と相違する方向に分岐する3個の横方向の潤滑剤通路27が約120度間隔で放射状に形成されている。
【0040】
なお、潤滑剤通路は、凹部24に通じる部分の限られず、各らせん溝の動作中の潤滑剤圧力が相対的に低くなる領域またはその近傍に開口するように適宜の位置に適宜の数を形成してもよい。そして、回転体16、固定体17、スラストリング18の相互間の軸受間隙を含む隙間やらせん溝23a、23b、さらに潤滑剤収容室26や潤滑剤通路27、24凹部には、少なくとも動作中は液状である金属潤滑剤たとえばGa−In−Sn合金が供給されている。こうして、X線管の動作中、潤滑剤収容室26に収納された液体金属潤滑剤は、その開口や潤滑剤通路、凹部等を経て動圧式すべり軸受部分に供給される。
【0041】
そこで、固定体17には、図3の(a)および同(b)にも示すように、予め、円盤状回転陽極12と反対側に位置する外方端部17aの先端面から中心軸Cの方向に沿って長さの相違する2組の穴、すなわち管軸方向に沿う長さの長い3個の第1組の穴28a、およびそれよりも短い長さの3個の第2組の穴28bが設けられ、これらの各組の穴28a、28bに、それぞれ第1組の固定体用伝熱部材29a、第2組の固定体用伝熱部材29bが各々密に嵌合され、且つ、各組の穴28a、28bの内面に例えばろう付により一体的に接合されている。これら伝熱部材29の接合部を同様に符号Bであらわしている。
【0042】
そして、各組の穴28a、28b、およびそれに挿入して接合された各組の伝熱部材29a、29bは、固定体中の潤滑剤収容室26を避けて中心軸Cから半径方向に変位した位置で且つ円周方向に約120度間隔に設けられている。しかも、第1組の穴28aおよび伝熱部材29aは、各潤滑剤通路27を避けた位置に設けられ、この潤滑剤通路27を越えてさらに円盤状回転陽極12の方の固定体端部近くまで伸びている。第2組の穴28bおよび伝熱部材29bは、円周方向の位置においては潤滑剤通路27の位置に対応するがこの潤滑剤通路27には届かないように、潤滑剤通路27の手前まで設けられている。
【0043】
第1組および第2組の穴28a、28bに嵌合される各固定体用伝熱部材29a、29bは、固定体17よりも熱伝導が良好な材料、たとえば銅(Cu)で形成されている。固定体17と銅とは熱膨張特性に相違があるが、この場合、銅の直径が小さく且つろう付されているため、熱応力差による実用上の問題は生じない。
【0044】
なお、固定体用伝熱部材29a、29bを形成する材料には、回転体用伝熱部材19と同様、タングステン焼結材料に銅を35重量%溶浸させた複合材料などを使用することもできる。タングステンと銅とはほとんど固溶し合わないため、タングステンに対する銅の重量比が増加すると、複合材料としての熱伝導特性や熱膨張特性は銅単体の特性に近づいていく。したがって、銅の重量比を調整すれば、回転体用伝熱部材19や固定体用伝熱部材29a、29bの熱膨張特性を、SKD11など軸受部分を構成する材料の熱膨張特性に近似させることができる。このような複合材料としては、たとえば(株)東芝製の電気接点材料「エルゴナイト」(商標)も適する。
【0045】
以上説明した回転陽極型X線管は、図22に示したように収容容器内に収容し、固定体外方端部17aの雄ねじ17bを保持部材の金具に通し、ナットにより締付けて固定し、X線管装置として動作に供することができる。なお、固定体外方端部17aを余分に長く形成しておき、その先端部に放熱フィンを取付けて放熱性を更に高めるようにしてもよい。或いはまた、各固定体用伝熱部材29a、29bを固定体外方端部17aの端面よりも余分に長く構成しておき、その先端部に放熱フィンを取付けたり、または絶縁冷却油を直接吹き付けるように構成して放熱性を更に高めてもよい。
【0046】
ここで、良好な熱伝導特性をもつ主な材料を軸受構成材料とともに図4の表に示す。この図4の表から明らかなように、伝熱部材に適する材料としては、熱伝導率が比較的高い銅がある。なお、銅は軸受を構成する材料たとえばSKD−11と熱膨張率が相違している。そのため、回転体用伝熱部材や固定体用伝熱部材に銅を用いると回転体や固定体の形状、寸法関係によっては、使用時(例えば約220℃)、あるいは、軸受部品の真空脱ガス時(例えば約750℃)に熱応力が高くなり、回転機構を構成する部品を変形させ、寸法不良の原因になる場合も考えられる。それに対して、タングステン65重量%、銅35重量%の複合材料を使用した場合は、熱膨張率がSKD−11の値に近く、部品の寸法不良が減少し、同時に、高い熱伝導効果が得られる。
【0047】
上記した構成によれば、各軸受け部分に比較的近接して配置された回転体内側円筒の外周面の回転体用伝熱部材や、固定体に設けた穴に挿入され一体的に接合された固定体用伝熱部材によって、軸受部分に伝わる熱や軸受部分で自己発生する熱による各軸受部分の温度が速やかに均一化されるようになる。そして、この軸受部分の熱を固定体の外方端部の方に効率よく伝達して真空容器外に放散させ、軸受部分の温度上昇を抑えることができる。とくに、回転体用伝熱部材および固定体用伝熱部材は、軸方向において少なくとも一部が重なり合う位置関係になっているため、軸受部分が実質的に高熱伝導材で挾持される形になり、軸受部分の温度の均一化、および外部への熱放散性が高くなる。
【0048】
その結果、らせん溝や軸受隙間の寸法変化が抑制され、長期に亙り安定な回転特性を維持できる回転陽極型X線管が得られる。また、真空容器外に位置する固定体外方端部を含む固定体は、一部の穴に固定体用伝熱部材が嵌合されているものの、固定体用伝熱部材に占める割合を小さく抑えることや、伝熱部材を固定体に一体的に固着することにより、固定体の機械的強度が十分維持される。
【0049】
図5に示す実施例は、回転体用伝熱部材19として、円周方向に12分割した円弧状板材を、回転体内側円筒16cの外周壁にろう接等により固着して実質的に円筒状としたものである。なお、図5は図3(a)に対応する位置の回転体内側円筒および固定体の横断面図であり、重複する説明は省略する。
【0050】
ここで、回転体用伝熱部材19の分割数を多くした場合の効果について説明する。回転体用伝熱部材19には、たとえばタングステン焼結材料に銅を35重量%溶浸させた複合材料が用いられる。このような複合材料の熱膨張率は、図4に示すように、低温では軸受部の構成材料であるSKD−11に近い値である。しかし、温度が上昇すると、伝熱部材の方がSKD−11よりも熱膨張率が僅かながら大きくなる。そのため、内側円筒16cに回転体用伝熱部材19をろう付する場合、あるいは、軸受組み立て部品として高温脱ガス処理をする場合などに熱応力が発生し、内側円筒16cの円筒構造部分が圧縮力を受けて変形することがある。
【0051】
このような変形は、通常、分割された回転体用伝熱部材19どうしの隙間Gaの谷部分に応力が集中して発生し、内側円筒16cの肉厚が薄いほど変形が起き易い。しかし、回転体用伝熱部材19の分割数が多くなると、回転体用伝熱部材19どうしの多数の隙間gの谷に熱応力が分散される。その結果、熱応力の過大な局部集中が緩和され、内側円筒16cの円筒構造部分の変形が抑制される。
【0052】
上記の実施形態では、回転体用伝熱部材19を円周方向に多分割した構造の例で説明している。しかし、回転体用伝熱部材19としては、断面が矩形のたとえば同一形状の角棒を内側円筒の外周面に等間隔に多数並べた構造、あるいは、円筒状構造の表面に多数のスリット状の溝を軸方向に等間隔に設けた構造などを用いることもできる。或いはまた、回転体内側円筒の直径が比較的小さい場合には、回転体用伝熱部材19を単一の円筒体で構成することもできる。
【0053】
次に、図6に示す実施例を説明する。図示しない円盤状回転陽極が固定された支持シャフト15は回転体54に連結されている。この回転体54は、前述の実施例と同様に、外側円筒54a、中間円筒54bおよび有底内側円筒54cの3層円筒状構造で構成されている。内側円筒54cの下端開口にはスラストリング59がねじ止めされている。
【0054】
回転体の外側円筒54aは、前述の実施例と同様に、外周面に黒色膜が付着された銅で構成され、中間円筒54bはTNF材で構成され、有底内側円筒54cおよびスラストリング59はSKD−11で構成されている。
【0055】
内側円筒54cの外周面の一部に段部T1が設けられている。内側円筒54cは、段部T1の上方部分Apの方が、段部T1の下方部分Aqよりも外径が小さく形成され、外径の小さい上方部分Apの外周面に円筒又は複数個に分割した厚肉の回転体用伝熱部材56がろう接等により一体接合されている。
【0056】
回転体用伝熱部材56の半径方向の厚さは、その外周面と下方部分Aqの外周面が面一になる寸法に設定されている。回転体用伝熱部材56は、内側円筒54cよりも熱伝導率が大きい材料、たとえばタングステン焼結材料に銅を溶浸させた複合材料(例えば、タングステン60重量%、銅40重量%)によって形成されている。
【0057】
また、段部T1よりも下方の内側円筒54cの内周面の一部に段部T2が設けられている。内側円筒54cは、段部T2の上方部分Aqの方が、段部T2の下方部分Arよりも内径が小さくなっている。そして、内側円筒54cの内部空間に、狭い軸受間隙を保って固定体55が嵌め込まれている。
【0058】
固定体55は、回転体54の内側円筒54cの空間に合わせて、外径が小さい第1径小部55w、第1径小部55wよりも外径が大きい径大部55x、および径大部55xよりも外径が小さい第2径小部55yなどから構成されている。第1径小部55wと径大部55xとの境界、および、径大部55xと第2径小部55yとの境界に、それぞれ段部Z1、Z2が形成されている。
【0059】
そこで、固定体55には、固定体外方端部55bの端面から径大部55xの部分まで、予め、中心軸Cの部分に軸方向に沿って内径の比較的大きい穴55aが設けられ、その穴55aに固定体用伝熱部材57が密に嵌合され、例えばろう付により接合されている。固定体用伝熱部材57は、固定体55よりも熱伝導率が大きい材料、たとえばタングステン焼結材料に銅を溶浸させた複合材料(タングステン65重量%、銅35重量%)で形成されている。
【0060】
固定体55の第1径小部55wの側面には、上下の2つの領域にヘリンボンパターンのらせん溝58a、58bが形成され、回転体54との間にラジアル方向の動圧式すべり軸受を形成している。内側円筒54cの段部T1と対向する段部Z1、および、回転体54の下端部にねじ止めされるとともに段部Z2の面に接するスラストリング59の上面にも、それぞれサークル状のヘリンボンパターンらせん溝60a、60bが形成され、回転体54との間にスラスト方向の動圧式すべり軸受を形成している。この実施例は、各動圧式すべり軸受部の直径を、図1および図2に示した実施例に比べて小さく構成し、それによってX線管の回転動作時の軸受抵抗が小さくなるようにして、より高速回転で動作させるのに適するものである。
【0061】
固定体55の中心部分には、液体金属潤滑剤を収納する潤滑剤収容室61が中心軸Cの方向に沿って設けられている。潤滑剤収容室61に上端は、固定体55の上端面に開口し、潤滑剤収容室61と動圧式すべり軸受との間には、潤滑剤収容室61から分岐した横方向潤滑剤通路62が固定体55の放射状に設けられている。潤滑剤収容室61に収納された液体金属潤滑剤は、上端の開口や潤滑剤通路62を経て動圧式すべり軸受部に供給されるようになっている。
【0062】
なお、スラストリング59の下方には、液体金属潤滑剤が真空空間側に漏れないように、回転部分に連結された第1トラップリング63および固定部分に連結された第2トラップリング64が設けられ、第2トラップリング64は封着用金属リング65に固定されている。なお、固定体外方端部55bの外周壁には、締付け固定用の雄ねじ55cが形成されている。
【0063】
上記した構成によれば、回転体54の内側円筒54cに回転体用伝熱部材56が接合され、また、固定体55の端面に設けられた穴に固定体用伝熱部材57が接合され、これら回転体用伝熱部材56や固定体用伝熱部材57を、熱伝導の良好な材料、たとえばタングステン焼結材料に銅を溶浸させた複合材料で形成している。
【0064】
したがって、回転体に伝導する熱や軸受部分で発生する熱は、各軸受け部分間で速やかに分散されて温度が均一化されるようになるとともに、固定体55などを通して管外に効率よく放散されて、軸受部分の温度上昇が抑えられる。また、真空容器外に延長された固定体外方端部に形成された穴に、固定体用伝熱部材が挿入されているものの、固定体外方端部占める固定体用伝熱部材の横断面積の割合を小さく抑えることや、ろう接等で一体結合することにより、固定体の機械的強度は十分維持される。
【0065】
なお、複合材料を形成するタングステンと銅はほとんど固溶し合わない。そのため、タングステンに対する銅の重量比が増加すれば、複合材料としての熱伝導特性や熱膨張特性は銅単体の特性に近づいていく。したがって、銅の重量比を調整すれば、回転体用伝熱部材や固定体用伝熱部材の熱膨張特性を、SKD−11など軸受部分の材料の熱膨張特性に近づけることができる。
【0066】
たとえば、タングステン65重量%、銅35重量%の複合材料を用いた場合、熱膨張率がSKD11に近い値となり、回転体の内側円筒54cと回転体用伝熱部材56の接合部分、および、固定体55と固定体用伝熱部材57との接合部分に発生する熱応力が小さくなり、熱膨張率の相違による部品の変形などが防止され、同時に、高い熱伝導効果が得られる。
【0067】
ここで、固定体55の外方端部55bにおける高熱伝導効果について説明する。たとえば図6において、固定体用伝熱部材57の外径D2を固定体55の隣接部分の外径D1の1/2とし、固定体55の熱伝導率をk1(SKD11の場合、24W/m・K)、その横断面積をS1、固定体用伝熱部材57の熱伝導率をk2(=240W/m・K)、その横断面積をS2とすると、固定体55の外方端部55bにおける有効熱伝導率kは、
Figure 0003663111
となる。
【0068】
式(1)をk1やk2の値を使って計算すると、k=78W/m・Kとなり、固定体用伝熱部材57を設けた場合は、これを設けない場合の約3.3倍の冷却効果が得られる。
【0069】
次に、軸受部における熱伝導効果について説明する。図6において、回転体用伝熱部材56や固定体用伝熱部材57がなく、これらの部分も内側円筒54cと同じ材料で形成されているとした場合、その熱伝導は、内側円筒54cと同じ外径D3のSKD11(熱伝導率k1=24W/m・K)の中実円柱として計算される。また、内側円筒54cの外周部に回転体用伝熱部材56を設けた構造(図6)の場合は、たとえば、内側円筒54cの外周部に内径がD2(=0.6×D3)で、外径がD3の回転体用伝熱部材(熱伝導率k2=240W/m・K)が接合されているとして計算される。
【0070】
このとき、回転体用伝熱部材56が接合されている場合の有効熱伝導率kは、固定体の場合と同様に、
k=(k2・(D32−D22 )+k1・D22 )/D32 ……(2)
となる。
【0071】
式(2)のkの値を計算すると、k=162W/m・Kとなる。この値は、軸受部の材質を全てモリブデン(k=147W/m・K)に替えた場合よりも高い熱伝達効果および放熱効果が得られる。したがって、各軸受部分の温度の均一化がより効率的になされる。
【0072】
また、2種の材料を組み合わせた場合に、それぞれの材料に高温時に発生する熱応力σは、ヤング率をE、2種の材料の熱膨張率差を△α、常温との温度差を△Tとすると、σ=E・△α・△Tで表わされる。
【0073】
図6の構造で、使用時の温度である約220℃(△T=200℃)、軸受の真空脱ガス処理時の温度である750℃(△T=730℃)の場合について、上記のσが、各温度での材料の引張り強度よりも小さければ、熱変形が発生する問題は生じない。そのために、△αが十分小さくなる材料の組み合わせを選択することが必要となる。たとえば、軸受材料がSKD11の場合は、接合する高熱伝導材料として、タングステン65重量%、銅35重量%の複合材料を選択することにより、熱変形の問題を解決できる。
【0074】
図7に示す実施例は、図6に示した実施例と類似した構造において、回転体用伝熱部材56を固定体径大部55xの近くまで延長して固定し、また、固定体用伝熱部材57を固定体径大部55xの内側まで延長して設けたものである。なお、図6と同一部分は同一符号であらわし、重複する説明を省略する。
【0075】
この実施例によれば、固定体の機械的強度をほとんど損なうことなく、図6の場合よりも軸受部分の放熱性をさらに高めることができる。
【0076】
図8に示す実施例は、図7に示した実施例と類似した構造において、固定体用伝熱部材57を固定体径大部55xの内側を通過して回転体用伝熱部材56の図示下方側の一部の内側領域まで延長して設けたものである。これによって、回転体用伝熱部材56と固定体用伝熱部材57とは、軸方向に沿う距離Loにわたって実質的に重複して位置するようになっている。なお、図7と同一部分は同一符号であらわし、重複する説明を省略する。
【0077】
この実施例によれば、回転体用伝熱部材56と固定体用伝熱部材57とが一部で実質的に重複するようになっているため、図7の場合よりも軸受部分の温度の均一化および放熱性をさらに高めることができ、且つ固定体の機械的強度もほとんど損なうことがない。
【0078】
次に、図9乃至図11に示す実施例を説明する。図示しない円盤状回転陽極が固着された支持シャフト15は、回転体76の中間円筒76bに連結されている。回転体76は、外側円筒76a、中間円筒76bおよび有底内側円筒76cの3層構造になっており、内側円筒76cの下端開口にはスラストリング78がねじ止めされている。
【0079】
回転体の外側円筒76aは、前述の実施例と同様に、外周面に黒色膜が付着された銅で構成され、中間円筒76bはTNF材で構成され、有底内側円筒76cおよびスラストリング78はSKD−11で構成されている。
【0080】
回転体内側円筒76cの外周面の一部、たとえば中間円筒76bとの間に断熱間隙Gaが設けられている領域に、第1段部T1が設けられている。第1段部T1よりも上方に位置する内側円筒76cの第1部分Apは、第1段部T1よりも下方に位置する内側円筒76cの第2部分Aqよりも外径が小さく形成されている。外径の小さい第1部分Apの外周部分に、回転体用伝熱部材79がろう付によって実質的に円筒状に接合されている。回転体用伝熱部材79の厚さは、その外周面と第2部分Aqの外周面が面一になる寸法に設定されている。なお、回転体用伝熱部材79は、内側円筒76cよりも熱伝導が良好な材料、たとえばタングステン焼結材料に銅を35重量%溶浸させた複合材料で形成されている。
【0081】
回転体内側円筒76cの内周面の一部、たとえば第1段部T1よりも下方には、第2段部T2が形成されている。第2段部T2よりも上方に位置する内側円筒76cの第2部分Aqは、第2段部T2よりも下方に位置する内側円筒76cの第3部分Arよりも内径が小さく形成されている。
【0082】
そして、回転体内側円筒76cの内側には、動作中に20μ程度の軸受間隙を保つようにほぼ円柱状の固定体77が挿入されている。固定体77の下方部分はスラストリング78の中央孔を貫通し、封着用金属リング80に一部が固定され、さらに、固定体外方端部77aが真空容器71の外側まで伸びている。この固定体外方端部77aは、外周壁に締付け固定用の雄ねじ77bを有し、この回転陽極型X線管を収容容器(図示せず)に固定する被固定部として利用される。封着用金属リング80は、真空容器71に一端が固定された薄肉金属のシールリング82と気密溶接され、同時に、固定体77と気密溶接されている。
【0083】
そこで、真空容器外に位置する固定体外方端部77aの下端面からその中心部分に中心軸Cの方向に沿って比較的内径の大きい穴Hが予め形成されている。この穴Hの上端は固定体77の上端面の近くまで伸びている。
【0084】
固定体77の外周面には、2組のらせん溝83a、83bが形成され、ラジアル方向の動圧式すべり軸受が形成されている。これら2組のらせん溝83a、83bに挟まれた領域の固定体77の外周面に、液体金属潤滑剤の一部を貯蔵する凹部84が形成されている。また、内側円筒76cの回転陽極側の底面と接する固定体77の上端面、およびスラストリング78の上面にもそれぞれらせん溝85a、85bが形成され、スラスト方向の動圧式すべり軸受が形成されている。
【0085】
また、固定体77の中心部に形成された穴Hを避けたまわりには、内部に液体金属潤滑剤を収容する潤滑剤収容室86が軸方向に沿い且つ円周方向に90度間隔で4個形成されている。これら潤滑剤収容室86の上端は固定体77の上端面に開口している。潤滑剤収容室86の下端には、らせん溝83bよりも下方に位置する部分のらせん溝の端部および軸受間隙へと通じる4個の第1潤滑剤通路90aが分岐して放射状に形成されている。さらに、潤滑剤収容室86と固定体77の外周面に設けられた凹部84との間にも、固定体77の4個の第2潤滑剤通路90bが放射状に形成されている。さらにまた、潤滑剤収容室86と固定体77の上端面に開口95を持つ小さい孔と連結して4個の第3潤滑剤通路90cが固定体77の穴Hのない部分を横方向に貫通するように放射状に形成されている。なお、4個の潤滑剤収容室86は、固定体77の上端面のサークル状ヘリンボンパターンらせん溝85aの外周領域に開口し、中央の開口95はらせん溝85aのない中心軸部分に位置している。
【0086】
これら潤滑剤収容室86や、各潤滑剤通路、回転体76と固定体77の軸受間隙部分、凹部84、らせん溝83a、83b内には、動作中に液状である金属潤滑剤たとえばGa−In−Sn合金が供給されている。
【0087】
そして、上記した構成の固定体77の穴Hの内部には、図11に示すように、固定体用伝熱部材91が挿入され、穴Hの内面に例えばろう接によって一体的に接合されている。固定体用伝熱部材91には、固定体77よりも熱伝導率の高い例えばタングステン65重量%、銅35重量%の複合材料などが使用される。
【0088】
上記した構成によれば、熱伝導率が高く且つボリウムの大きい固定体用伝熱部材91が固定体77の中心部の穴に密に嵌合され、ろう接等により一体的に接合されている。しかも、回転体用用伝熱部材76cと固定体用伝熱部材91とは、軸方向に沿って比較的長い距離にわたって実質的に重複した形で位置している。このため、各軸受部分の温度の均一化および固定体を通して良好な熱伝達特性が得られ。こうして、軸受部分の熱は効率よく管外に放散され、軸受部分の温度上昇が抑えられる。また、固定体77の穴に固定体用伝熱部材91が密に嵌合され固着される構造であるため、固定体77の機械的強度も十分維持される。
【0089】
次に、図12および図13に示す実施例を、図9乃至図11と同一部分は同一符号であらわし、重複を避けて説明する。この実施例は、固定体77の中心部分に設けられた穴Hの内部に、内側円筒76cよりも良好な熱伝導材料、たとえばタングステン65重量%、銅35重量%の複合材料などで形成された固定体用伝熱部材101が挿入され、穴Hの内面に例えばろう付により一体的に接合されている。固定体用伝熱部材101には、その中心部分に冷媒通路101aが中心軸Cの方向に沿って設けられ、また、外周部分にはらせん状に冷媒通路101bが設けられている。
【0090】
両冷媒通路101a、101bは、図の上端側で連結され、真空容器71外に位置する雄ねじ77bを有する固定体端部77aのさらに図示下端部に位置する両冷媒通路端には、絶縁油等の冷却媒体を導入する導入パイプ102a、冷却媒体を導出する導出パイプ102bがそれぞれ設けられている。
【0091】
上記した構成において導入パイプ102aから冷却媒体が導入される。冷却媒体は、冷媒通路101aを通り、その後、固定体77の穴Hの内面と固定体用伝熱部材101との間に形成された軸受部に近いらせん状冷媒通路101bを通り、導出パイプ102bから外部へと導出される。このとき、軸受部分の熱は、固定体用伝熱部材101自体で外部に放散されるとともに、冷媒通路を通る冷却媒体によっても放散される。そのため、軸受部分の温度上昇が一層抑制される。また、固定体77の穴に固定体用伝熱部材101が密に嵌合されて一体的に接合された構造であるため、固定体77の機械的強度も十分維持される。
【0092】
なお、固定体77の穴Hに挿入する前の固定体用伝熱部材101は、予め、図13のように加工しておく。すなわち、固定体用伝熱部材101は、中心部分に軸方向に直線状の冷媒通路101aが形成され、外周部分にらせん状の冷媒通路101bが形成されている。なお、固定体用伝熱部材101は、固定体77と同様の材質のもので構成してもよい。
図14に示す実施例は、図12および図13に示した実施例と類似した構造において、冷媒通路を有する固定体用伝熱部材101を固定体の外方端部分と一体化したものである。なお、図12および図13と同一部分は同一符号であらわし、重複する説明を省略する。
【0093】
この実施例における固定体用伝熱部材101は、予め固定体77に開けられた穴Hの内部に挿入される部分と、固定体外方端部77aとなる部分とが一体物で構成され、スラストリング78の内側部分の位置に直径が変えられた段部が設けられている。そして、この段部から図の上側径小部分の外周壁に、らせん状の冷媒通路101bが形成されている。固定体外方端部77aの部分には、らせん状冷媒通路101bに通じる直線状の冷媒通路101c、および中心部分の直線状冷媒通路101aが平行に形成されている。
【0094】
この固定体用伝熱部材101は、固定体77の穴Hの内部に径小部が密に挿入されるとともにスラストリング78の内側部分の下端面に段部の面が突き当てられ、例えばろう接或いは摩擦圧接等により固定体77と一体的に接合される。なお、段部の接合面115cは、摩擦圧接により高温での接合強度を十分高め、固定体外方端部77aによりこのX線管を収容容器に安定して固定できるようにすることが望ましい。
【0095】
この実施例によれば、軸受部分の熱を固定体用伝熱部材101により一層効率よく外部に放散させることができ、且つ機械的強度を十分維持することができる。とくに、軸受部分から離れている固定体外方端部77aに形成された冷媒通路101a,101cは直線状であるため、冷媒の流通抵抗が小さくなり、冷媒による放熱作用が増強される利点がある。
【0096】
図15に示す実施例は、図7に示した実施例と類似した構造において、回転体用伝熱部材として冷媒循環通路101a,101bを有する円柱状伝熱部材101を固定体の穴55aに挿入し、例えばろう接により接合したものである。そして、円柱状伝熱部材101の上端は、固定体径大部55xの内側領域、すなわち回転体用伝熱部材56に比較的近接した位置まで延長して固定されている。なお、図7と同一部分は同一符号であらわし、重複する説明を省略する。
この実施例によれば、固定体の機械的強度をほとんど損なうことなく、軸受部分の熱放熱性を高めることができる。
【0097】
次に図16に示す実施例を説明する。図示しない円盤状回転陽極が固定された支持シャフト15は回転体114に結合されている。回転体114は、たとえば外側円筒114a、中間円筒114b、および有底内側円筒114cの3層構造である。回転体の外側円筒114aは、前述の実施例と同様に、外周面に黒色膜が付着された銅で構成され、中間円筒114bはTNF材で構成され、有底内側円筒114cはSKD−11で構成されている。
【0098】
そして、回転体114の内部空間には、狭い軸受間隙を保って円柱状の固定体115が嵌め込まれている。この固定体115は、図示しない回転陽極側に位置する第1固定体部分115a、および、第1固定体部分115aよりも図示下端側のやや径小な第2固定体部分115bの2つの部分から構成されている。第1固定体部分115aは軸受に適したSKD11などの材料で形成され、第2固定体部分115bは、SKD11よりも熱伝導率が高い、たとえば炭素を0.5%含む低炭素鋼などで形成されている。この第2固定体部分115bは、外方端部を有し、その外周壁に雄ねじ115dが形成されている。
【0099】
第1固定体部分115aには、回転体114の下端開口部にねじ止めされるスラストリング116の上面に沿って段部Sが形成されている。第1固定体部分115aと第2固定体部分115bとは、スラストリング116の内側部分に位置する接合面115cおいて、摩擦圧接等の高温圧接、フラッシュ溶接等の突合わせ抵抗溶接、またはろう付などの方法で接合されている。
【0100】
固定体115の第1固定体部分115aには、上下の2つの領域にらせん溝117a、117bが設けられ、回転体114との間にラジアル方向の動圧式すべり軸受を形成している。第1固定体部分115aの内側円筒114cと対向する上端面、および、段部Sの面に接するスラストリング116の上面には、それぞれらせん溝118a、118bが形成され、回転体114との間にスラスト方向の動圧式すべり軸受を形成している。
【0101】
また、固定体115の第1固定体部分115aの中心部分には、その上端面から中心軸Cの方向に沿って、液体金属潤滑剤を収納する潤滑剤収容室119が設けられている。潤滑剤収容室119と動圧式すべり軸受との間には、たとえば4個の潤滑剤通路120が90°間隔に放射状に分岐して設けられ、潤滑剤収容室119に収納された液体金属潤滑剤が潤滑剤通路120などを通して動圧式すべり軸受部に供給されるようになっている。
【0102】
スラストリング116の図の下方には、液体金属潤滑剤が真空側に漏れないように、回転部分に連結された第1トラップリング121および固定部分に連結された第2トラップリング122が、それぞれ固定体115の第2固定体部分115bを囲んで環状に設けられている。第2トラップリング122は金属リング123に固定されている。固定体115の第2固定体部分115bは金属リング123の部分に気密溶接されるとともにさらにその外方まで伸びている。
【0103】
この実施例によれば、ラジアル方向の動圧式すべり軸受およびスラスト方向の動圧式すべり軸受は、固定体115の第1固定体部分115aに設けられている。第1固定体部分115aはSKD11などで形成されているため回転特性のよい動圧式すべり軸受が構成される。また、第2固定体部分115bは熱伝導率の高い低炭素鋼で形成している。このため、良好な放熱特性が得られ、軸受部分の温度上昇が抑えられる。
【0104】
なお、固定体115が受ける機械的荷重が比較的小さい場合は、第2固定体部分115bを形成する材料として純鉄を利用することもできる。純鉄を利用した場合は、低炭素鋼を利用した場合よりも軸受部分の大きな温度低減効果が得られる。
【0105】
図17に示す実施例は、図16に示した実施例と類似した構造において、固定体115の外方端部115bの側に内径の大きい穴131をスラストリング116の上端部に対応する位置まで予め形成し、この穴131に固定体115よりも高い熱伝導率をもつ材料で形成された円柱状の固定体用伝熱部材132を密に嵌め込み、穴131の内面にろう接等により一体接合したものである。なお、図16と同一部分は同一符号であらわし、重複する説明を省略する。この実施例によれば、比較的簡単な構造で、軸受部分の良好な熱放散性が得られる。
【0106】
なお、固定体用伝熱部材132としては、低炭素鋼や、純鉄の他、ニッケル、ニッケル合金、銅、銅合金、モリブデン、モリブデン合金、タンタル、タンタル合金、タングステン、タングステン合金の中から任意の材料を選ぶことができる。たとえば銅を使用した場合、銅は熱伝導度が高いため、軸受部分のより大きい温度低減効果が得られる。
【0107】
図18に示す実施例は、図16に示した実施例と類似した構造において、固定体115の主要部に接合した別材料製の固定体外方端部115bに内径の大きい穴131をスラストリング116に対応する位置まで予め形成し、この穴131に固定体外方端部115bよりもさらに高い熱伝導率を持つ材料で形成された円柱状の固定体用伝熱部材132を密に嵌め込み、穴131の内面にろう接等により一体接合したものである。なお、図16と同一部分は同一符号であらわし、重複する説明を省略する。
【0108】
この実施例において、固定体115の回転陽極側に位置する第1固定体部分115aがSKD11などで形成され、第2固定体部分115bが炭素を0.5%含む低炭素鋼などで形成され、さらに、固定体用伝熱部材132が銅又は銅合金で形成されている。それによって、第2固定体部分115bによる軸受部の温度低減効果、および、第2固定体部分115bに嵌め込まれた固定体用伝熱部材132による温度低減効果により、軸受部分のより大きな温度低減効果が得られる。
図19に示す実施例は、図16に示した実施例と類似した構造において、第1固定体部分115aの内部に例えば4個の棒状の高熱伝導材129aを挿入して一体接合したものである。なお、図16と同一部分は同一符号であらわし、重複する説明を省略する。
【0109】
この実施例において、4個の棒状の高熱伝導材129aは、固定体の中心部分に形成した潤滑剤収容室119や各放射状通路120を避けた位置に設けられ、且つ上端部は固定体の上端面の近傍まで延長され、下端は第2固定体部分115bの上端接合面115cに伝熱的に接合されている。これによって、各軸受部分の熱が速やかに分散されるとともに固定体外方端部115bの方に効率よく伝導され、放熱される。
【0110】
なお、図16乃至図19に示した実施例において、回転体の内側円筒114の外周壁に、図1乃至図3に示した実施例等と同様の回転体用伝熱部材を接合した構成にしてもよい。
【0111】
図20および図21に示す実施例は、図1乃至図3に示した実施例と類似した構造において、軸受部分を構成する固定体17の内部に円筒状部115eを有する固定体用伝熱材115を一体接合したものである。なお、図1乃至図3と同一部分は同一符号であらわし、重複する説明を省略する。
【0112】
この実施例において、固定体用伝熱材115は、その円筒状部115eが回転体用伝熱部材19の下部と軸方向に沿った距離Loにわたって重複している。また、固定体の中心部分に形成した潤滑剤収容室119や各放射状通路120を避けた位置に設けられている。これによって、軸受部分の温度の均一化およびすぐれた熱放散性が得られる。
【0113】
以上説明した各実施例によれば、軸受部の温度が均一化され且つ温度上昇が抑制され、軸受面を構成する部材と液体金属潤滑剤との不所望な反応や、らせん溝或いは軸受隙間の寸法変化、ガス放出、潤滑剤の漏出が抑制され、高負荷の陽極ターゲット入力に対し長時間に亙り安定した回転特性が維持される。また、軸受に伝わる熱および軸受部分で発生する熱も速やかに管外に放散され、軸受部分の温度上昇が抑えられる。したがって、軸受面が液体金属潤滑材と反応してらせん溝や軸受間隙の寸法が変化してしまうことが抑制され、長期に亙り安定した回転特性が維持される。また、比較的高速回転に適応可能となる。
【0114】
なおとくに、固定体の外方端面から穴を形成し、その穴に固定体用伝熱部材を嵌合し接合する構成は、製造が容易であり、高品質で安価に製造できる。また、製造時の排気工程や軸受構造部分の脱ガス工程などに有効に機能する潤滑剤収容室用や潤滑剤通路用の穴を避けた位置に固定体用伝熱部材を配置できる。なおまた、固定体部分に配置される固定体用伝熱部材の外径を、固定体用伝熱部材を囲む部分の固定体の外径の1/2以下に選べば、固定体の機械的強度が低下するようなこともほとんどなく、より望ましい。
【0115】
なお、上記の各実施形態では、固定体用伝熱部材や回転体用伝熱部材、固定体の端部を、銅、あるいはタングステン65重量%、銅35重量%の複合材料などで形成している。しかし、軸受材料として他のスチール材を使用した場合は、熱膨張率が9〜13×10−6/℃の範囲内にあるため、銅の重量比率を20%から50%の範囲内で選べば、タングステンと銅の複合材を使用することができる。
【0116】
また、複合材料としては、モリブデンおよびモリブデン合金、タンタル、タンタル合金、タングステン、タングステン合金、タングステンカーバイドの少なくとも一つを含む焼結材料の空孔部に、銅および銀の少なくとも1つを含む金属材料を含浸させた構成、あるいは、銅および銀の少なくとも一つを含む金属中に、この金属と固溶体を形成しないセラミクス材料を分散させた構成、あるいは、銅および銀の少なくとも一つの金属材料とグラファイトとを組み合わせた構成なども使用できる。
【0117】
また、複合材料でなく、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、銀合金、炭素繊維強化炭素複合材料(C/C材)のうちの少なくとも1つからなる材料を使用することもできる。なお、伝熱部材は、いずれの構成を用いる場合でも、良好な熱伝導を実現するために、熱伝導率が常温で100W/m・K以上であることが望ましい。
【0118】
また、上記の一部の実施形態では、回転体を構成する内側円筒の外周部分に回転体用伝熱部材を接合し、同時に、固定体端部の穴に固定体用伝熱部材を接合している。この場合、回転体用伝熱部材か固定体用伝熱部材のいずれか一方だけを設ける構造にすることもできる。しかし、その両方を設けた方がより大きな熱放出効果が得られることは既に述べた通りである。
【0119】
また、上記した実施形態では、軸受は固定体の片側端部のみで支持されたいわゆる片持ち支持軸受構造に関して説明したが、それに限らず、固定体の両端部がともに例えば真空容器に支持されたいわゆる両持ちの支持軸受構造にも適用できる。
【0120】
また、上記の実施形態では、回転体を構成する内側円筒の外周部分に回転体用伝熱部材を接合する場合、あるいは、固定体の穴に固定体用伝熱部材を接合する場合、主としてろう付等で接合している。しかし、ろう付等に限らず、摩擦圧接や拡散接合、溶接半田付け、接着剤による接着、或いは部分的に上記の適当な接合方法を組合わせて用いることもできる。
【0121】
【発明の効果】
この発明によれば、動圧式すべり軸受部分の温度の均一化が得られるとともに温度上昇を抑え、長期に亙り安定した回転特性を維持できる回転陽極型X線管を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を説明するための縦断面図である。
【図2】図1の要部拡大縦断面図である。
【図3】図2の要部横縦断面図である。
【図4】本発明を含むX線管の軸受部に使用される材料の特性を比較する表形式の図である。
【図5】本発明の他の実施例を説明する横断面図である。
【図6】本発明のさらに他の実施例を説明する要部縦断面図である。
【図7】本発明のさらに他の実施例を説明する要部縦断面図である。
【図8】本発明のさらに他の実施例を説明する要部縦断面図である。
【図9】本発明のさらに他の実施例を説明する要部縦断面図である。
【図10】図9の固定体の上面図である。
【図11】本発明のさらに他の実施例を説明する要部縦断面図である。
【図12】本発明のさらに他の実施例を説明する要部縦断面図である。
【図13】図12の要部を示す側面図である。
【図14】本発明のさらに他の実施例を説明する要部縦断面図である。
【図15】本発明のさらに他の実施例を説明する要部縦断面図である。
【図16】本発明のさらに他の実施例を説明する要部縦断面図である。
【図17】本発明のさらに他の実施例を説明する要部縦断面図である。
【図18】本発明のさらに他の実施例を説明する要部縦断面図である。
【図19】本発明のさらに他の実施例を説明する要部縦断面図である。
【図20】本発明のさらに他の実施例を説明する要部縦断面図である。
【図21】図20の要部斜視図である。
【図22】一般的な回転陽極型X線管およびX線管装置を説明する要部縦断面図である。
【符号の説明】
11…真空容器
12…円盤状回転陽極
13…陽極ターゲット層
14…固定用ナット
15…支持シャフト
16…回転体
17…固定体
18…スラストリング
19…回転体用伝熱部材
20…金属リング
22…シールリング
23a、23b…らせん溝
24…固定体の凹部
25a、25b…らせん溝
26…潤滑剤収容室
27…潤滑剤通路
28a…第1の穴
28a…第2の穴
29a…第1の固定体用伝熱部材
29a…第2の固定体用伝熱部材
Ga,Gb…断熱用の間隙

Claims (18)

  1. 電子ビームの照射によりX線を放出する円盤状回転陽極と、この回転陽極が機械的に連結されたほぼ円筒状の回転体と、この回転体の内側に挿入されるとともに中心軸方向に沿って形成された潤滑剤収容室を有するほぼ円柱状の固定体と、これら回転体および固定体の間に構成され少なくとも動作中は液状である金属潤滑剤が供給された動圧式すべり軸受と、前記回転陽極、回転体および固定体の一部を内部に収容する真空容器とを具備した回転陽極型X線管において、
    上記固定体には該固定体の上記真空容器外に露出している端部側から上記潤滑剤収容室を避けた位置に少なくとも1個の穴が中心軸方向に沿って形成され且つ該穴内に前記固定体よりも熱伝導率の高い伝熱部材が挿入されて前記固定体と一体的に接合されていることを特徴とする回転陽極型X線管。
  2. 上記穴およびそれに挿入された伝熱部材は、複数対備えるとともに上記固定体の中心軸の方向に沿って並行して設けられている請求項1記載の回転陽極型X線管。
  3. 上記穴およびそれに挿入された伝熱部材は、上記固定体の中心軸のまわりにほぼ等間隔に設けられている請求項2記載の回転陽極型X線管。
  4. 上記固定体は、上記潤滑剤収容室から横方向に伸びて上記回転体と固定体との間の隙間に通じる潤滑剤通路を更に有し、上記穴およびそれに挿入された伝熱部材は、上記固定体の潤滑剤通路を越えて回転陽極側端部近くまで伸びている請求項1記載の回転陽極型X線管。
  5. 上記穴およびそれに挿入された伝熱部材は複数対備え、これら穴および伝熱部材は上記固定体の横方向に伸びる潤滑剤通路を越えて回転陽極側端部近くまで伸びている長い構造のものと、前記潤滑剤通路を越えない短い構造のものとが混在している請求項記載の回転陽極型X線管。
  6. 電子ビームの照射によりX線を放出する円盤状回転陽極と、この回転陽極が機械的に連結されたほぼ円筒状の回転体と、この回転体の内側に挿入されるとともに中心軸方向に沿って形成された潤滑剤収容室を有するほぼ円柱状の固定体と、これら回転体および固定体の間に構成され少なくとも動作中は液状である金属潤滑剤が供給された動圧式すべり軸受と、前記回転陽極、回転体および固定体の一部を内部に収容する真空容器とを具備した回転陽極型X線管において、
    上記固定体には該固定体の上記真空容器外に露出している端部側から中心部に沿って穴が形成され該穴内に前記固定体よりも熱伝導率の高い伝熱部材が挿入されて前記固定体と一体的に接合されており、上記潤滑剤収容室は上記伝熱部材のまわりに該伝熱部材と並行して少なくとも1個形成されていることを特徴とする回転陽極型X線管。
  7. 上記固定体には、上記潤滑剤収容室から横方向に伸びて上記回転体と固定体との間の隙間に通じる潤滑剤通路を更に有している請求項6記載の回転陽極型X線管。
  8. 上記固定体には、スラスト方向の動圧式すべり軸受を構成するためのサークル状らせん溝が中心軸に対して垂直な面に形成されており、上記潤滑剤収容室から伸びて上記サークル状らせん溝の内側領域または外側領域の一部に開口するすくなくとも1個の潤滑剤通路を更に有している請求項6記載の回転陽極型X線管。
  9. 電子ビームの照射によりX線を放出する円盤状回転陽極と、この回転陽極が機械的に連結されたほぼ円筒状の回転体と、この回転体の内側に挿入されたほぼ円柱状の固定体と、これら回転体および固定体の間に構成され少なくとも動作中は液状である金属潤滑剤が供給された動圧式すべり軸受と、前記回転陽極、回転体および固定体の一部を内部に収容する真空容器とを具備した回転陽極型X線管において、
    上記回転体は複数の円筒状構造体によって構成され、且つ、前記複数の円筒状構造体のうち、上記固定体との間に動圧式すべり軸受を構成する内側円筒状構造体の外周壁に、前記内側円筒状構造体よりも熱伝導率の高い伝熱部材が実質的に円筒状に接合されていることを特徴とする回転陽極型X線管。
  10. 上記内側円筒状構造体の外周壁に接合された伝熱部材と、上記内側円筒状構造体のまわりに配置されて上記回転陽極が機械的に固定された円筒状構造体との間に、断熱用の間隙が設けられている請求項9記載の回転陽極型X線管。
  11. 上記内側円筒状構造体の外周壁に接合された伝熱部材は、前記内側円筒状構造体外周壁の円周方向に所定間隔で配置された複数の部材で構成されている請求項9記載の回転陽極型X線管。
  12. 電子ビームの照射によりX線を放出する円盤状回転陽極と、この回転陽極が機械的に連結されたほぼ円筒状の回転体と、この回転体の内側に挿入されるとともに中心軸方向に沿って形成された潤滑剤収容室を有するほぼ円柱状の固定体と、これら回転体および固定体の間に構成され少なくとも動作中は液状である金属潤滑剤が供給された動圧式すべり軸受と、前記回転陽極、回転体および固定体の一部を内部に収容する真空容器とを具備した回転陽極型X線管において、
    上記固定体には該固定体の上記真空容器外に露出している端部側から上記潤滑剤収容室を避けた位置に少なくとも1個の穴が形成され該穴内に前記固定体よりも熱伝導率の高い伝熱部材が挿入されて前記固定体と一体的に接合されており、
    上記回転体は複数の円筒状構造体によって構成され、且つ、前記複数の円筒状構造体のうち、上記固定体との間に動圧式すべり軸受を構成する内側円筒状構造体の外周壁に、前記内側円筒状構造体よりも熱伝導率の高い伝熱部材が実質的に円筒状に接合されていることを特徴とする回転陽極型X線管。
  13. 上記固定体に設けられた少なくとも1個の固定体用伝熱部材と、上記回転体の内側円筒状構造体に設けられた回転体用伝熱部材とは、中心軸方向における相対的な位置が、少なくとも一部で重複している請求項12記載の回転陽極型X線管。
  14. 電子ビームの照射によりX線を放出する円盤状回転陽極と、この回転陽極が機械的に連結されたほぼ円筒状の回転体と、この回転体の内側に挿入されたほぼ円柱状の固定体と、これら回転体および固定体の間に構成され少なくとも動作中は液状である金属潤滑剤が供給された動圧式すべり軸受と、前記回転陽極、回転体および固定体の一部を内部に収容する真空容器とを具備した回転陽極型X線管において、
    上記固定体には該固定体の上記真空容器外に露出している端部側から冷却媒体を通す通路を有する固定体用伝熱部材が挿入されて一体的に接合されていると共に前記固定体用伝熱部材は封着用金属リングを介し前記真空容器に気密溶接されていることを特徴とする回転陽極型X線管。
  15. 上記固定体用伝熱部材は、上記穴が形成された固定体よりも熱伝導率の高い材料で構成されている請求項14記載の回転陽極型X線管。
  16. 上記冷却媒体を通す通路は、固定体用伝熱部材の中心部に直線状に、側面にらせん状にそれぞれ形成され、且つ前記直線状冷却媒体通路およびらせん状冷却媒体通路が奥端部で連結されている請求項14記載の回転陽極型X線管。
  17. 電子ビームの照射によりX線を放出する円盤状回転陽極と、この回転陽極が機械的に連結されたほぼ円筒状の回転体と、この回転体の内側に挿入されたほぼ円柱状の固定体と、これら回転体および固定体の間に構成され少なくとも動作中は液状である金属潤滑剤が供給された動圧式すべり軸受と、前記回転陽極、回転体および固定体の一部を内部に収容する真空容器とを具備した回転陽極型X線管において、
    上記固定体の前記動圧式すべり軸受が設けられる第1部分が所定の第1材料で形成され、前記固定体の前記第1部分よりも前記回転陽極から遠い側に位置する第2部分が前記第1材料よりも熱伝導率の大きい第2材料で形成され、且つこれら第1部分および第2部分が一体的に接合されていることを特徴とする回転陽極型X線管。
  18. 上記第2部分に端面側から穴が形成され、この穴内に前記第2部分の材料よりも熱伝導率の大きい伝熱部材が挿入されている請求項17記載の回転陽極型X線管。
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