JPH08111194A - 回転陽極型x線管及びその製造方法 - Google Patents

回転陽極型x線管及びその製造方法

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JPH08111194A
JPH08111194A JP6247373A JP24737394A JPH08111194A JP H08111194 A JPH08111194 A JP H08111194A JP 6247373 A JP6247373 A JP 6247373A JP 24737394 A JP24737394 A JP 24737394A JP H08111194 A JPH08111194 A JP H08111194A
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Hiroyuki Sugiura
弘行 杉浦
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明は、軸受構成部材や液体金属潤滑剤
から内蔵ガスを完全に放出させ得て、安定な軸受動作を
維持することができる回転陽極型X線管、及びその製造
方法を提供することを目的とする。 【構成】 この発明は、固定体15の中心部領域に形成
した潤滑剤収容室26から、潤滑剤漏出防止用の微小間
隙Gの外方領域において開口する細い通気孔28が穿設
されている回転陽極型X線管である。またその製造方法
は、潤滑剤収容室26及びすべり軸受部に液体金属潤滑
剤を供給したうえこれら組立体を真空容器19内に封入
し、その後真空容器内を排気する工程で、通気孔28の
開口28aを上方に位置させて排気をする工程を有する
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、回転陽極型X線管及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】回転陽極型X線管は、周知のように、軸
受部を有する回転体および固定体で円盤状の陽極ターゲ
ットを支え、真空容器外に配置したステータの電磁コイ
ルを付勢し高速回転させながら、陰極から放出した電子
ビームを陽極ターゲット面上に当ててX線を放射させ
る。軸受部は、ボールベアリングのようなころがり軸受
や、軸受面にらせん溝を形成するとともにガリウム(G
a)、又はガリウム−インジウム−錫(Ga−In−S
n)合金のような液体金属潤滑剤を軸受間隙に満たした
動圧式すべり軸受で構成される。後者のすべり軸受を用
いた例は、例えば特公昭60−21463号、特開昭6
0−97536号、特開昭60−117531号、特開
昭62−287555号、USP5068885号、U
SP5077776号、特開平2−227948号、或
いは特開平2−244545号の各公報等に開示されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記各公報に開示され
ている回転陽極型X線管では、らせん溝を有する動圧す
べり軸受部の相嵌合する軸受面が、例えば20マイクロ
メートル程度の微小な軸受間隙を保つように構成され、
らせん溝および軸受間隙に液体金属潤滑剤が充填され
る。この潤滑剤が軸受間隙の全体にくまなく行き渡たら
ないと、当然のことながら、すべり軸受の動圧が十分得
られず、安定な動圧すべり軸受の動作が維持できなくな
る。そして、極端な場合は軸受面同士がかじり合いを起
こし、回転不能状態や破損を引き起こすおそれがある。
このような不都合な現象を未然に防止し、長時間の動作
でも軸受部に必要十分な量の液体金属潤滑剤が循環等に
より供給されるようにするため、軸受部に連通する潤滑
剤収容室が設けられる。
【0004】ところで、X線管の組立時に、軸受構成部
材や潤滑剤から内蔵ガスを完全に放出させておかなけれ
ばならない。このガス放出が不十分であると、ガス気泡
とともに液体金属潤滑剤の一部がすべり軸受部から外部
に吹き出し真空容器内空間に飛散してしまう場合があ
る。このような現象が生じると、すべり軸受の長時間の
安定な動圧軸受作用が得られず、さらにX線管の真空容
器内空間に飛散した液体金属潤滑剤により、耐電圧性能
が著しく損なわれるという致命的な障害をもたらす。
【0005】この発明は、以上のような不都合を解消
し、X線管の組立て時、とくに排気工程で軸受構成部材
や液体金属潤滑剤から内蔵ガスを完全に放出させ得て、
X線管の完成後も液体金属潤滑剤の漏出がなく、安定な
軸受動作を維持することができる回転陽極型X線管、及
びその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、概略円柱状
の固定体の中心部領域に形成した潤滑剤収容室から、固
定体とこの固定体を取り巻く回転体の解放側端部との間
に構成される動圧すべり軸受部からの潤滑剤漏れ防止用
の微小間隙の外方領域に開口された細い通気孔が穿設さ
れている回転陽極型X線管である。
【0007】またその製造方法は、潤滑剤収容室及びす
べり軸受部に液体金属潤滑剤を供給したうえ、これら組
立体を真空容器内に封入し、その後真空容器内を排気す
る工程で、通気孔の開口を上方に位置させて排気をする
工程を有することを特徴とする。
【0008】
【作用】この発明によれば、排気工程で軸受構成部材や
液体金属潤滑剤から出るガスを、潤滑剤収容室から真空
容器の内部空間に通じる通気孔を通して確実に排出させ
ることができる。そしてこの排気工程及びX線管の完成
後も液体金属潤滑剤の真空容器内空間への漏出を防止で
き、したがって、安定な軸受動作を維持する回転陽極型
X線管を得ることができる。
【0009】
【実施例】以下その実施例を図面を参照して説明する。
なお同一部分は同一符号であらわす。重金属からなる円
盤状陽極ターゲット11が、概略有底円筒状の回転体1
2の一端に突設された回転軸13にナット14により一
体的に固定されている。回転体12は、鉄合金からなる
内側円筒12a、及び銅からなる外側円筒12bが二重
に嵌合固着されている。この回転体12の内側には、鉄
合金からなる概略円柱状の固定体15が挿入されてい
る。固定体15の図示下端部すなわち回転体の円筒状端
部12cに対応する部分には、外径が縮小された固定体
径小部15aが構成されている。そして回転体の円筒状
端部12cには、固定体径小部15aを近接して包囲
し、この端部12cを実質的に閉塞するスラストリング
16が複数個のボルトにより一体的に固着されている。
【0010】回転体12と固定体15との嵌合部分に
は、前述の各公報に示されるような動圧式のらせん溝す
べり軸受部が構成されている。すなわち、固定体15の
外周壁に、軸方向に所定間隔をおいてヘリンボン・パタ
ーンのらせん溝を有する2組のラジアルすべり軸受部2
2,23が構成されている。また、固定体15の図示上
端壁には、サークル状のヘリンボン・パターンらせん溝
を有する一方のスラストすべり軸受部24が構成されて
いる。また、スラストリング16の上面には、同様にサ
ークル状のヘリンボン・パターンらせん溝を有する他方
のスラストすべり軸受部25が構成されている。これら
回転体及び固定体の両軸受面は、動作時におよそ20〜
30μmの範囲の軸受間隙を保つようになっている。
【0011】スラストリング16には、固定体径小部1
5aのまわりを液体金属潤滑剤漏出防止用の微小間隙G
を保って取り巻く円筒部16aが一体的に設けられてい
る。さらにこのスラストリング16の下方には、同じく
潤滑剤漏出防止用の微小間隙Gを保って第1の潤滑剤ト
ラップリング17が固定され、その内側に第1の潤滑剤
トラップ空胴Saが構成されている。これらスラストリ
ング16、第1潤滑剤トラップリング17は、上述のよ
うに回転体12に一体的に固定されてこの回転体の開放
側端部を構成しており、そしてこの実施例では2箇所に
液体金属潤滑剤の外部漏出防止用の微小間隙Gを保って
固定体の径小部15aのまわりを取り巻いている。潤滑
剤漏出防止用の微小間隙Gは、すべり軸受部の軸受間隙
(20〜30μm)よりも大きく、200μm以下、よ
り好ましくは100μm以下の範囲の半径方向の寸法で
ある。間隙Gがこの寸法よりも大きいと、万一、すべり
軸受部から液体金属潤滑剤が出てきた場合、この部分か
ら真空容器内空間への漏出防止の効果が十分得られな
い。
【0012】固定体径小部15aには、封止用補助リン
グ18が気密溶接され、これに真空容器19の封着用金
属リング20が気密溶接されている。補助リング18に
は、液体金属潤滑剤の外部漏出を防止するための第2の
潤滑剤トラップリング21が固着され、その内側に第2
の潤滑剤トラップ空胴Sbが構成されている。こうし
て、万が一にも、微小間隙Gを経て液体金属潤滑剤が漏
出した場合は、これらトラップリングに潤滑剤が捕捉さ
れて真空容器の内部空間には漏出、飛散しないようにな
っている。なお、真空容器19は、陽極ターゲット11
を取り巻く径大な金属容器部19a、回転体及び固定体
を包囲する径小なガラス容器部19b、その所定位置に
気密接合されたベリリウム製のX線放射窓19d、及び
陰極側のガラス容器部19cを有している。
【0013】固定体15にはその中心部が軸方向に沿っ
てくり抜かれた穴からなる潤滑剤収容室26が設けられ
ている。この潤滑剤収容室26の図示上端開口26a
は、図示上部のスラストすべり軸受部24の内側中心部
に位置し、このスラスト軸受部に連通している。また、
この固定体15には、その中間部外周壁が削られて中間
径小部15bが形成され、潤滑剤収容室26からこの径
小部15bに通じる4つの放射方向通路27が90度間
隔で対称的に形成されている。それによって、潤滑剤収
容室26は放射方向通路27を経て径小部15bによる
円周状空間Scに通じ、さらにそれを経て図示上下にあ
る2組のラジアル軸受部22,23に連通じている。な
お、放射方向通路27及び中間径小部15bは、潤滑剤
収容室の機能を兼ねている。
【0014】そこで、潤滑剤収容室26の図示下端部2
6aから、固定体径小部15aとスラストリング円筒部
16a、及び第1潤滑剤トラップリング17との嵌合部
に構成されている潤滑剤漏出防止用の微小間隙Gの外方
領域にあって、真空容器内空間に通じる第2潤滑剤トラ
ップ空胴Sbに開口するように、斜め方向に直径が1.
5mm程度の細い通気孔28が穿設されている。そし
て、この通気孔28の内部に、図3に示すロッド29が
挿入されている。このロッド29は、モリブデンや銅、
或いは鉄合金のような、液体金属潤滑剤でよく濡れる材
料で形成され、通気孔28にほぼ密に嵌合する外径寸法
になっている。また、外周壁の一部がわずかに面取りさ
れて切欠き部29aが形成され、さらに一端側にスリッ
ト29bが形成されている。なおロッド29は、任意の
材料を芯としてその表面部に液体金属潤滑剤でよく濡れ
る被膜が付着されたものであってもよい。
【0015】通気孔28にロッド29を挿入する組立て
手順は、第2潤滑剤トラップリング21を有する補助リ
ング18を固定体径小部15aに溶接する前に、ロッド
29を通気孔28の開口28aから挿入する。この場
合、ロッド29のスリット29bは予め少し拡大してこ
のロッドの端部の外径を通気孔の内径よりも大きくして
おき、このロッド29を通気孔28に完全に挿入した状
態できつく固定できるようにしてある。そして、補助リ
ング18を固定体径小部15aの外周に嵌合したうえ、
溶接部Bを気密に溶接する。なお、通気孔の開口28a
が補助リング18で完全に密閉されずに、わずかな通気
用の隙間が残るように補助リング18を嵌合する。これ
によって、通気孔28の内壁面とロッドの切欠き部29
aの壁面とで規定される狭い通路ができている。なお、
通気孔28の内径をきわめて小さい寸法に加工できれ
ば、ロッドの挿入は不要である。
【0016】潤滑剤収容室26や放射方向通路27、中
間径小部15bによる空間Sc、各軸受部のらせん溝及
び軸受間隙に、Ga合金のような液体金属潤滑剤Lを供
給する。この潤滑剤Lの充填量は、各軸受部のらせん溝
や軸受間隙、潤滑剤収容室、放射方向通路、および径小
部による空間Scを含む内部空間容積のおよそ50%の
体積に相当する量である。それによって、潤滑剤Lは、
図1のように陽極ターゲット11を上方に向けて静置し
た場合に、符号Hで示すように潤滑剤収容室26及び放
射方向通路27の途中まで満たされるが、らせん溝や軸
受間隙には必要十分供給される。なお、この潤滑剤Lの
充填量は、上記内部空間容積のおよそ80%未満の体積
とすることが望ましい。
【0017】このように組立てた回転陽極構体や陰極構
体30を、真空容器19の内部の所定位置に組込み、封
止用補助リング18と真空容器の封着用金属リング20
とを気密溶接する。そしてその後、X線管球の排気工程
に移る。この排気工程では、まず図4に示すように、固
定体径小部15aを上方に位置させ、真空容器の金属容
器部19aの陰極側の所定位置に接続した金属排気管3
1を図示しない真空ポンプに接続して排気をする。この
工程では、X線管を室温状態で、しかも陽極ターゲット
を回転させずに排気をする。この状態では、陽極ターゲ
ットの自重によって、上方のスラスト軸受部25には軸
受間隙がほとんど生じないで、回転体と固定体とはこの
軸受面で密着している。しかしながら、潤滑剤は、その
喫水線Hが横方向通路27を塞がない状態になる。した
がって、横方向通路27、潤滑剤収容室26の上方に位
置する部分、及びそれから延びる通気孔28は、潤滑剤
で塞がれず、内部で発生するガスを能率よく通過させ、
排出させる。そのため、軸受部や潤滑剤収容室等から発
生するガス気泡は、潤滑剤の漏出をもたらさずに、通気
孔28を通して能率良く排気される。
【0018】なお、この工程で陽極ターゲットを回転さ
せない理由は、上述のように、上方のスラスト軸受部の
軸受面が密着しているので、陽極ターゲットを回転させ
ようとすると軸受面の大きい摩擦や噛み付きが生じてス
ムースな回転できないことと、破損を生じるおそれがあ
るからである。
【0019】次に、同じ排気工程において、図5に示す
ように、通気孔28の開口が潤滑剤収容室26に対して
上方に位置する状態で、X線管の回転軸を水平又は斜め
に横倒しし、同じく室温状態で陽極ターゲットを回転さ
せずに排気をする。この工程では、潤滑剤の喫水線Hが
ほぼ回転中心軸の付近になって潤滑剤収容室26を完全
に塞がない状態になるので、図4の状態では十分排出で
きなかった部分からの発生ガスを、やはり潤滑剤の漏出
を伴わずに排気することができる。そしてX線管を横倒
しすることによって、内部の潤滑剤はさらに他のらせん
溝や軸受間隙に行き渡る。
【0020】なお、陽極ターゲットの重量が比較的軽い
場合には、常温でのこの横倒し排気工程で、回転体12
が位置する真空容器の外周に配置したステータコイル3
2に交番電流を流し、回転磁界により回転体12を徐々
に回転させて排気を続けてもよい。それにより、潤滑剤
Lは、すべての軸受部にゆきわたり、軸受面を濡らす。
回転数を徐々に上げて行けば、軸受面の噛み付きも起こ
らず、安定した潤滑性能が得られる。陽極ターゲットを
例えば3000rpm程度で連続回転させながら排気を
続ける。
【0021】ところで、陽極ターゲットを回転させる場
合には、ステータコイルの過熱を予防する必要があるた
め、外部加熱によりX線管の各部を例えば300℃以上
の温度に上昇させてガス出ししながら排気をすることは
困難である。そのため、ステータコイルを配置しない
で、例えば外部加熱により各部を例えば400℃以上の
温度に上昇させて排気を続けることが望ましい。それに
よって、軸受部やその他の各部からの発生を除くことが
できる。
【0022】一方、この横倒し排気工程で、外部加熱源
による高温加熱をせずに、陽極ターゲットを回転ながら
陰極構体から電子ビームを放出してターゲットを衝撃
し、陽極構造体の各部を高温に維持しながら排気を続け
てもよい。
【0023】但し、陽極ターゲットの重量が相当に重い
X線管では、この横倒しでの排気工程でも陽極ターゲッ
トを回転させることは困難な場合がある。その理由は、
陽極ターゲットの自重で密着している軸受面、とくにラ
ジアル軸受面のある領域は強く密着していて潤滑剤が介
在していない領域が存在し、その状態で無理に陽極ター
ゲットを回転させると、その部分で強い摩擦や噛み付き
が起こり、損傷を起こす場合があるからである。このよ
うなX線管において、室温状態での横倒し排気を行った
後、再び図4に示すような直立にして室温状態で排気を
続けながら、配置したステータコイルに通電して陽極タ
ーゲットを徐々に回転させる。上方に位置するスラスト
軸受部のらせん溝及び軸受間隙には、上述の横倒し排気
の工程で潤滑剤がある程度供給されているので、回転開
始はスムーズに行われる。この直立状態での回転させな
がらの排気によって、潤滑剤が各部に行き渡り、且つ発
生するガスを潤滑剤漏出を伴わずに排気することができ
る。
【0024】また、この直立状態での排気工程で、外部
加熱により各部を例えば400℃以上の温度に上昇させ
て排気をしてもよい。この場合は、ステータコイルを配
置しない。この過程でも、軸受部や潤滑剤収容室等から
発生するガス気泡は、通気孔28を通して能率良く排気
される。このように排気をすることにより、とくに潤滑
剤収容室に発生又はここに至るガス気泡は、スラストリ
ング円筒部16aと固定体径小部15aとの間の狭い間
隙Gを通らずに、通気孔28を経て直接的に真空容器内
空間に導かれ、真空ポンプにより排気される。したがっ
て、軸受部にある潤滑剤の漏出を伴わずにガスだけを能
率よく排出させることができる。
【0025】さらに、この直立状態で、陽極ターゲット
を回転させながら陰極構体から電子ビームを放出して陽
極ターゲットを衝撃し、陽極構造体の各部を高温に維持
しながら排気を続けてもよい。
【0026】また次に、図5に示すように横倒し状態に
して、非回転での外部加熱、又は回転での陽極ターゲッ
トへの電子衝撃により、各部を高温にしながら排気をし
て、ガス放出をより完全に行うことが有効である。
【0027】以上述べた各工程を、必要に応じて適当に
組合わせて排気をすることができる。それによって、X
線管の真空容器や内部の構成部材からのガス出し排気、
及び潤滑剤の必要部分への供給を促進できる。なおとく
に、陽極ターゲットに電子ビームを衝撃差せながら排気
をする工程では、ベリリウム製のX線放射窓及びその気
密接合部を保護するため、X線放射窓の部分を局部的に
冷却しながら排気をすることが望ましい。
【0028】この排気工程の最終段階で、排気管31を
封止切りし、適当なエージングを行い、X線管を完成す
る。排気工程において、軸受構成部材及び潤滑剤から内
蔵ガスを十分取り除いておけば、完成したX線管の動作
時にガス放出が起こらず、したがってまた潤滑剤がガス
により押出されて漏出する現象も未然に防止される。こ
うして、信頼性の高いX線管が得られる。
【0029】ところで、排気工程や、その後の任意の方
向の設置状態でのエージング工程等を経るなかで、潤滑
剤収容室から通気孔に到達する潤滑剤は、通気孔の内
壁、或いは、ロッドがある場合にはこのロッドの表面に
付着して徐々に反応が進行し、反応物の堆積で通気孔が
密閉される。それによって、X線管の動作中には、潤滑
剤収容室から通気孔を経て液体金属潤滑剤が直接漏出す
ることが確実に防止されることも期待できる。
【0030】なお、固定体と回転体の開放側端部との間
に構成される潤滑剤漏れ防止用微小間隙Gは、軸方向に
わたって1箇所又は2箇所以上設けられた構造であって
もよい。その場合、通気孔の開口28aとこの開口に最
も近い動圧すべり軸受部25との間に少なくとも1箇所
の潤滑剤漏れ防止用微小間隙Gが存在することが必要で
ある。それによって、すべり軸受部からの潤滑剤漏出を
より一層確実に抑制することができる。
【0031】なおまた、金属潤滑剤は、Ga、Ga−I
n合金、あるいはGa−In−Sn合金のようなGaを
主体とするものが使用できるが、それに限らず、例えば
ビスマス(Bi)を相対的に多く含むBi−In−Pb
−Sn合金、あるいはInを相対的に多く含むIn−B
i合金、又はIn−Bi−Sn合金を使用し得る。これ
らは融点が室温以上であるので、陽極ターゲットを回転
させる前に金属潤滑剤をその融点以上の温度に予熱した
うえで回転させることが望ましい。
【0032】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
排気工程で軸受構成部材や液体金属潤滑剤から出るガス
を、潤滑剤収容室から真空容器の内部空間に通じる通気
孔を通じ、潤滑剤の漏出を伴わずに排出させることがで
きる。したがって、安定な軸受動作を維持でるととも
に、管内放電等の不所望な現象の発生がほとんどない回
転陽極型X線管を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す要部縦断面図。
【図2】図1の一部拡大図。
【図3】図1の要部を示す斜視図。
【図4】図1のものの排気工程での状態を示す側面図。
【図5】同じく排気工程における状態を示す正面図。
【符号の説明】
11…陽極ターゲット 12…回転体 15…固定体 16…スラストリング 19…真空容器 22〜25…すべり軸受部 26…潤滑剤収容室 28…通気孔 29…ロッド G…潤滑剤漏出防止用の微小間隙 L…液体金属潤滑剤
フロントページの続き (72)発明者 北見 隆幸 栃木県大田原市下石上1385番の1 株式会 社東芝那須電子管工場内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空容器と、この真空容器の一部に機械
    的に支持されるとともに前記真空容器内に突出して設け
    られた概略円柱状の固定体と、この固定体の外周に微小
    な軸受間隙を保って嵌合され且つ一端部側に陽極ターゲ
    ットが固定された概略円筒状の回転体と、これら固定体
    及び回転体の嵌合部に設けられたらせん溝を有する動圧
    式すべり軸受部と、上記固定体の中心部領域に回転軸方
    向に沿って形成され且つ上記すべり軸受部に連通する潤
    滑剤収容室と、この潤滑剤収容室及びすべり軸受部に供
    給された液体金属潤滑剤とを具備する回転陽極型X線管
    において、上記固定体に、上記潤滑剤収容室から、前記
    固定体と該固定体を取り巻く回転体の開放側端部との間
    に構成される上記軸受部からの潤滑剤漏れ防止用微小間
    隙の外方領域に開口された細い通気孔が穿設されている
    ことを特徴とする回転陽極型X線管。
  2. 【請求項2】 通気孔の内部に、狭い通路を規定するた
    めの液体金属潤滑剤で濡れる表面状態を有するロッドが
    挿入されている請求項1記載の回転陽極型X線管。
  3. 【請求項3】 液体金属潤滑剤の供給量は、真空容器の
    空間に最も近いすべり軸受から内部の空間及び潤滑剤収
    容室の容積の80%以下の体積である請求項1記載の回
    転陽極型X線管。
  4. 【請求項4】 概略円柱状の固定体と、この固定体の外
    周に微小な軸受間隙を保って嵌合され且つ一端部側に陽
    極ターゲットが固定された概略円筒状の回転体と、これ
    ら固定体及び回転体の嵌合部に設けられたらせん溝を有
    する動圧式すべり軸受部と、上記固定体の中心部領域に
    回転軸方向に沿って形成され且つ上記すべり軸受部に連
    通する潤滑剤収容室と、上記潤滑剤収容室から前記固定
    体と該固定体を取り巻く回転体の開放側端部との間に構
    成される上記軸受部からの潤滑剤漏れ防止用微小間隙の
    外方領域に開口された細い通気孔とを構成し、前記潤滑
    剤収容室及びすべり軸受部に液体金属潤滑剤を供給し、
    その後これら組立体を真空容器内に封入し、その後前記
    真空容器内を排気する回転陽極型X線管の製造方法にお
    いて、 上記排気工程は、上記通気孔の開口を上方に位置させて
    排気をする工程を有することを特徴とする回転陽極型X
    線管の製造方法。
  5. 【請求項5】 排気工程は、通気孔の開口を上方に位置
    させて排気をし、その後、陽極回転中心軸を水平又は斜
    めにして排気をする工程を有する請求項4記載の回転陽
    極型X線管の製造方法。
  6. 【請求項6】 外部加熱又は陽極ターゲットに電子ビー
    ムを衝突させることにより軸受構成部材の温度を上げて
    排気をする請求項5記載の回転陽極型X線管の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 陽極ターゲットを回転させながら排気を
    する請求項5又は請求項6記載の回転陽極型X線管の製
    造方法。
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