JP4846214B2 - 回転陽極型x線管 - Google Patents

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Description

本発明は、陽極ターゲットが回転する回転陽極型X線管に関する。
従来、この種の回転陽極型X線管は、X線を放出する電子管であって、X線診断装置やX線CT装置などの医療用診断装置に使用されている。そして、この回転陽極型X線管は、真空容器内で高速回転する陽極ターゲットに電子ビームを照射し、陽極ターゲットからX線を放出する構造になっている。
ここで、この回転陽極型X線管では、電子ビームが陽極ターゲットに照射されたときに発生するエネルギの一部がX線に変換されるに過ぎず、このエネルギの大部分が熱エネルギとなって陽極ターゲットの温度を上昇させる。このため、この陽極ターゲットに蓄えられた熱エネルギを効率的に外部に放出し冷却する必要がある。通常、この熱せられた陽極ターゲットを、真空容器への熱輻射によって冷却するが、この陽極ターゲットに蓄えられた熱エネルギの一部は、この陽極ターゲットを回転させる回転機構へと伝導する。
一方、この回転機構として液体金属潤滑すべり軸受を用いた場合には、すべり軸受面でのトルク損失によって回転機構自体が発熱する。一般に、液体金属潤滑材として液状のガリウム合金を使用するが、このガリウム合金は高温下で回転機構を構成する金属を侵食してしまう性質がある。したがって、この回転機構のすべり軸受面を適切な温度以下に保つ必要がある。
このため、この回転機構のトルク損失を低減したり、陽極ターゲットに接続されている継手部に適切な断熱機構を設けて陽極ターゲットからの熱伝導を低減したりしている。具体的には、この回転機構の内輪固定部を中空とし、外部から絶縁油等の冷却液を冷却管に流入させて、回転機構を冷却する構成が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
ところで、陽極ターゲットの冷却は大半が熱輻射であるが、この場合、冷却効率が表面絶対温度の4乗に比例するため、陽極ターゲットの冷却がある程度進んで表面温度が下がるに連れて冷却効率が低下してしまう。
そこで、回転機構へ伝導する熱量の分配を増加させて、陽極ターゲットを効率的に冷却する方法が考えられている。具体的に、この冷却方法は、回転機構として液体金属を用いたすべり軸受を使用していることにより、この回転機構の軸受面での熱抵抗がほとんど存在しない。しかしながら、この回転機構のすべり軸受面においても軸受面温度を適切な温度以下に保つ必要があるため、回転機構の冷却を大幅に強化する必要がある。
具体的には、固定軸の中空穴内に乱流を促進するような部材を配置しているが、中空穴の径が回転機構のすべり軸受の径に制限され、冷却液が回転機構から熱を奪うための熱伝達面を大きくできず、冷却率が制限されてしまう。また、小さな中空穴の内部に乱流を促進するような部材を配置した場合には、圧力損失が大きくなり、冷却液の流量が制限されてしまう。さらに、別の方法として中空穴を大きくし冷却率を向上しようとすると、回転機構のすべり軸受径が大きくなり、すべり軸受面でのトルク損失が大きくなるから、軸受自体の発熱が大幅に増大してしまう。
特許2983617号公報(第2−3頁、第1図−第2図)
そして、上述の回転陽極型X線管を備えたX線CT装置の大半は、ヘリカルスキャンモードが採用されている。ここで、ヘリカルスキャンモードとは、CT架台を1秒/1回転〜0.4秒/1回転程度の回転速度で回転しながら、回転陽極型X線管を10秒〜40秒程度の時間、連続的に曝射させるモードである。この場合、この回転陽極型X線管の陽極ターゲットには30kW〜60kW程度の高入力電子が衝突する。
この際、この陽極ターゲットは急激に加熱され、平均で1400℃もの高温となる。このため、次の撮影をするのに陽極ターゲットを十分に冷却する必要があるが、この冷却を陽極ターゲットの表面からの熱輻射のみに頼った場合には、長い待ち時間が要求される。さらに、回転機構への伝導冷却の配分を上げて陽極ターゲットの冷却率を上げようとした場合には、この回転機構の軸受面の温度が増大して損傷が発生し、しいては回転陽極型X線管の破損につながる。したがって、この回転陽極型X線管の安定した冷却が容易ではないという問題を有している。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、安定した冷却が容易にできる回転陽極型X線管を提供することを目的とする。
本発明は、内部を真空保持する真空容器と、この真空容器の少なくとも一部を構成する略筒状の外側固定体と、この外側固定体内に回転可能に取り付けられ前記真空容器内に収容された内側回転体と、この内側回転体に取り付けられ前記真空容器内に収容され前記内側回転体の回転によって回転する陽極ターゲットとを具備し、前記外側固定体は、前記内側回転体を回転可能に支持する支持部、およびこの支持部の外側面に取り付けられこの支持部の熱伝導率以上の熱伝導率を有する冷却部を備えたものである。
そして、真空容器の少なくとも一部を外側固定体にて構成し、この外側固定体内に内側回転体を回転可能に取り付け、この内側回転体を真空容器内に収容させた。さらに、陽極ターゲットを内側回転体に取り付けて真空容器内に収容させた。また、外側固定体を、内側回転体を回転可能に支持する支持部、および、この支持部の熱伝導率以上の熱伝導率を有し外側固定体の外側面に取り付けた冷却部により構成した。この結果、陽極ターゲットから内側回転体および外側固定体への熱伝達配分が向上するとともに、外側固定体での熱抵抗が低減し、この外側固定体からの熱放出が効率良くなる。したがって、この外側固定体を冷却することにより、陽極ターゲットおよび内側回転体の安定した冷却が容易になる。
また、本発明は、内部を真空保持する真空容器と、この真空容器の少なくとも一部を構成する略筒状の外側固定体、この外側固定体内に回転可能に取り付けられ前記真空容器内および前記外側固定体内に収容された内側回転体、および、前記外側固定体の内側面と前記内側回転体の外側面との間に介在された液体金属潤滑材を備えたすべり軸受と、このすべり軸受の前記内側回転体に、前記外側固定体に挿通され前記内側回転体に伝熱する継手部を介して取り付けられ前記真空容器内に収容され前記内側回転体の回転によって回転する陽極ターゲットと、前記すべり軸受の前記外側固定体を冷却して前記液体金属潤滑材を所定温度以下に保つ冷却手段とを具備したものである。
そして、真空容器の少なくとも一部を構成する外側固定体内に内側回転体を、外側固定体に挿通された継手部を介して回転可能に取り付け、この内側回転体を真空容器内に収容させ、外側固定体の内側面と内側回転体の外側面との間に液体金属潤滑材を介在させた。さらに、陽極ターゲットを内側回転体に取り付けて真空容器内に収容させた。この結果、陽極ターゲットから継手部および液体金属潤滑材を介して内側回転体および外側固定体への熱伝達配分が向上し、この外側固定体からの熱放出が効率良くなる。したがって、この外側固定体を冷却手段によって冷却することにより、陽極ターゲットおよび内側回転体の安定した冷却が容易になり、液体金属潤滑材の温度を適切な所定温度以下に保ち、液体金属潤滑材による外側固定体および内側回転体の侵食を防止する。
本発明によれば、陽極ターゲットから内側回転体および外側固定体への熱伝達配分が向上するとともに、外側固定体での熱抵抗が低減し、この外側固定体からの熱放出が効率良くなるので、この外側固定体の冷却にて陽極ターゲットおよび内側回転体の安定した冷却を容易にできる。
また、本発明によれば、陽極ターゲットから内側回転体および外側固定体への熱伝達配分が向上し、この外側固定体からの熱放出が効率良くなるので、この外側固定体の冷却手段による冷却にて陽極ターゲットおよび内側回転体の安定した冷却を容易にでき、液体金属潤滑材の温度を適切な所定温度以下に保ち、液体金属潤滑材による外側固定体および内側回転体の侵食を防止できる。
以下、本発明の回転陽極型X線管の第1の実施の形態の構成を図面を参照して説明する。
図1において、1は回転陽極型X線管で、この回転陽極型X線管1は、X線を放出する回転陽極構体としての略円盤状の陽極ターゲット2を備えている。この陽極ターゲット2の裏面中央部には、略円筒状の継手部3の一端が連結されて固定されている。そして、この継手部3の他端には、軸受としての回転機構4が連結されている。この回転機構4は、液体金属潤滑を用いたすべり軸受である。
具体的に、この回転機構4は、継手部3を周方向に向けて回転させることによって陽極ターゲット2を周方向に回転させる。そして、この回転機構4は、継手部3の他端に一端が同心状に連結されて固定された内側回転体としての内輪回転部分である回転シャフト5を有している。したがって、陽極ターゲット2は、継手部3を介して回転シャフト5に取り付けられている。言い換えると、この回転シャフト5は、回転機構4の内輪側を構成し、継手部3を介して陽極ターゲット2を回転可能に支持する内輪部品である。
さらに、この回転シャフト5は、管球としての軸体であって、外側固定体としての外輪固定部分である円筒状の固定シャフト6に同心状に回転可能に嵌合されて取り付けられている。ここで、これら回転シャフト5および固定シャフト6によって回転機構4が構成されている。また、これら回転シャフト5の外側面としての外周面と、固定シャフト6の内側面としての内周面との間には、液体金属潤滑材として図示しない液状のガリウム(Ga)合金が充填されて介在されている。
すなわち、この固定シャフト6は、回転支持体としての軸受外輪である外輪部品である。そして、この固定シャフト6は、回転シャフト5の長手寸法に略等しい長手寸法を有する円筒状の本体部11を有している。この本体部11の長手方向の一端縁には、回転シャフト5の一端を回転可能に係合保持する円環状の係止片部12が同心状に一体的に設けられている。この係止片部12は、本体部11の周方向に沿って形成され、この本体部11の内側面よりも中心軸方向に向けて突出している。さらに、この係止片部12には、継手部3が回転可能に挿通されている。したがって、この係止片部12は、継手部3の外径寸法より若干小さな内径寸法を有する挿通孔13が開口されている。
また、固定シャフト6の本体部11の長手方向の他端縁には、回転シャフト5の他端を回転可能に係合保持する円環状の保持片部14が同心状に一体的に設けられている。この保持片部14は、本体部11の周方向に沿って形成され、この本体部11の内側面よりも中心軸方向に向けて突出しているとともに、この本体部11の外側面よりも径方向に向けて突出している。すなわち、この保持片部14の幅方向の中央部に本体部11の他端が連結されている。そして、この保持片部14の中央部には、円形状の挿通開口15が同心状に設けられている。
さらに、回転機構4の回転シャフト5の基端側には、外部からの回転磁界によって回転する回転体21が同心状に連結されて固定されている。この回転体21は、この回転体21の回転が回転シャフト5および継手部3を介して陽極ターゲット2へと伝達されて、この陽極ターゲット2を回転させる。このとき、この陽極ターゲット2は、図示しない電子銃からの電子ビームの照射にて放射線としてのX線を放出させる。
また、回転体21は、固定シャフト6の保持片部14の挿通開口15に挿通されて回転シャフト5の他端面中央に一端面が同心状に連結されて固定された連結部22を備えている。この連結部22は、固定シャフト6の保持片部14の挿通開口15の内径寸法より小さな外径寸法を有する円柱状に形成されている。さらに、この連結部22の他端面には、外部からの回転磁界によって回転する略円筒状の回転部23の一端側が同心状に一体的に取り付けられている。この回転部23は、連結部22の外径寸法より大きな内径寸法を有する略円筒状に形成されており、一端側が閉塞されて連結部22の他端面に同心状に連結されている。
一方、陽極ターゲット2および回転機構4の回転シャフト5は、真空容器31および固定シャフト6内に収容されて配置されて真空保持されている。この真空容器31は、陽極ターゲット2を覆って、この陽極ターゲット2を真空に気密するターゲット側容器32を備えている。このターゲット側容器32は、陽極ターゲット2の径寸法より大きな内径寸法を有するとともに、この陽極ターゲット2の高さ寸法より大きな高さ寸法を有する中空円柱状に形成されている。
そして、このターゲット側容器32の軸方向に沿った一端面中央には、このターゲット側容器32を開口させる取付口33が設けられている。この取付口33は、ターゲット側容器32の一端面の中央部に同心状に設けられている。そして、この取付口33は、回転機構4の固定シャフト6の外径寸法に略等しい内径寸法を有している。すなわち、この取付口33には、ターゲット側容器32の一端側の内側面と固定シャフト6の一端面とが面一になるまで、この固定シャフト6の一端側が嵌合されて取り付けられて気密に連結されている。
さらに、真空容器31は、回転体21を覆って、この回転体21を真空に気密する回転側容器34を備えている。この回転側容器34は、回転体21の回転部23の外径寸法より大きな内径寸法を有するとともに、この回転体21の高さ寸法より大きな高さ寸法を有する有底円筒状に形成されている。そして、この回転側容器34の軸方向の一端側には、この回転側容器34の一端側を同心状に開口させる嵌合口35が設けられている。この嵌合口35は、回転機構4の固定シャフト6の保持片部14の外径寸法に略等しい内径寸法を有している。すなわち、この嵌合口35には、回転側容器34の一端面と固定シャフト6の保持片部14の一端側の一側面とが面一になるまで、この固定シャフト6の保持片部14が嵌合されて取り付けられて気密に連結されている。
したがって、真空容器31は、回転機構4の固定シャフト6を介して、この回転機構4の回転シャフト5と陽極ターゲット2と回転体21とのそれぞれを真空に気密保持する。よって、この回転機構4の固定シャフト6は、この固定シャフト6の外側面としての外周面を外部に露出させた状態で、ターゲット側容器32および回転側容器34とともに真空容器31の役割を果たすように構成されている。言い換えると、この固定シャフト6の外表面の全面、すなわちこの固定シャフト6の一部が非真空領域である非真空側に配置されている。
よって、この固定シャフト6は、真空容器31の一部を直接形成しつつ、この真空容器31のターゲット側容器32および回転側容器34のそれぞれを固定支持する。すなわち、この固定シャフト6は、真空容器31の少なくとも一部を構成している。このとき、固定シャフト6の内周面と回転シャフト5の外周面との間もまた、この固定シャフト6を介して真空容器31にて真空に気密保持されている。さらに、この真空容器31は、酸化防止のために陽極ターゲット2および回転機構4を真空に気密保持する。
そして、この真空容器31の回転側容器34の外側には、回転側容器34内に真空保持されている回転体21を回転駆動させる誘導磁界としての回転磁界を形成する磁界形成手段としての誘導電動機41が設置されている。この誘導電動機41は、回転体21を回転駆動させる駆動手段であって、非真空領域に配置されている。さらに、この誘導電動機41は、回転側容器34の外径寸法より大きな内径寸法を有する円筒状に形成されている。そして、この誘導電動機41は、この誘導電動機41内に真空容器31の回転側容器34が同心状に嵌合されて取り付けられている。
一方、回転機構4の固定シャフト6の外側には、この固定シャフト6の外周面を直接冷却することによって陽極ターゲット2を冷却する冷却手段としての冷却機構51が設けられている。この冷却機構51は、固定シャフト6の外周面を覆っており、この固定シャフト6の外周面より外側の非真空領域に配置されている。そして、この冷却機構51は、固定シャフト6の外側に同心状に配設された流動体ガイド部品としてのガイド部材である筒状のガイドプレート52を備えている。
このガイドプレート52は、固定シャフト6の本体部11の外径寸法より大きな内径寸法を有する円筒状のシャフト包囲部53を備えている。このシャフト包囲部53には、固定シャフト6が同心状に嵌合されて取り付けられている。すなわち、このシャフト包囲部53の内側面としての内周面と固定シャフト6の外周面との間には、冷媒としての流動液体である図示しない冷却液が流動して通過するための所定の間隙を介して冷却液流路54が設けられている。したがって、このシャフト包囲部53は、固定シャフト6の外周面に沿って通過する冷却液をガイドするための部品である。
また、このシャフト包囲部53の一端側には、真空容器31のターゲット側容器32の他側面を覆う円環状のターゲット包囲部55が一体的に連結されて取り付けられている。このターゲット包囲部55は、回転機構4の径方向に延出、言い換えるとシャフト包囲部53の一端側を同心状に拡開させた円環状に形成されている。したがって、このターゲット包囲部55とシャフト包囲部53との連結部分には、同心状に円弧状に湾曲した湾曲面部56が形成されている。また、このターゲット包囲部55の一側面とターゲット側容器32の他端面との間にも同様に、冷却液が通過する冷却液流路54が設けられている。
したがって、このターゲット包囲部55は、ターゲット側容器32の他端面に沿って通過する冷却液をガイドするための部品である。すなわち、このターゲット包囲部55は、ターゲット側容器32を冷却して、より効果的に陽極ターゲット2および回転機構4を冷却させる。言い換えると、このターゲット包囲部55は、回転機構4の固定シャフト6の非真空領域で冷却される外周面までの熱抵抗を最小限に抑えるために形成されている。
次に、上記第1の実施の形態の回転陽極型X線管の作用について説明する。
まず、誘導電動機41にて回転磁界を誘導させて形成して、この回転磁界を回転体21に作用させて、この回転体21を回転駆動させる。
このとき、この回転体21の回転に伴って回転シャフト5および継手部3のそれぞれが回転して、この継手部3に連結されている陽極ターゲット2が回転する。
この状態で、この回転している陽極ターゲット2に、図示しない電子銃から電子ビームを照射させて、この陽極ターゲット2からX線を放出させる。
このとき、電子銃から陽極ターゲット2に電子ビームが照射されたときに発生するエネルギの一部がX線に変換されるが、このエネルギの大部分が熱エネルギとなって陽極ターゲット2の温度を上昇させてしまう。
ここで、この陽極ターゲット2に蓄えられた熱エネルギは、継手部3を介して回転シャフト5から固定シャフト6へと伝達される。
さらに、この陽極ターゲット2の回転に伴う回転機構4での固定シャフト6に対する回転シャフト5の回転によって、これら固定シャフト6の内周面と回転シャフト5の外周面との間であるすべり軸受面16でのトルク損失にて回転機構4自体が発熱する。
そこで、この固定シャフト6と冷却機構51のガイドプレート52と間の冷却液流路54に冷却液を流動させ、この固定シャフト6の外周面を直接冷却させて回転機構4を冷却するとともに、この回転機構4の冷却を介して陽極ターゲット2に蓄えられた熱エネルギを効率良く外部へと放出させ、これら陽極ターゲット2および回転機構4を効率良く冷却する。
上述したように、上記第1の実施の形態によれば、陽極ターゲット2を継手部3を介して回転させる回転シャフト5を固定シャフト6にて覆って回転支持する構成とした。この結果、この陽極ターゲット2に蓄えられる熱エネルギが継手部3を介して回転機構4へと効率良く伝達される。したがって、この陽極ターゲット2からの回転機構4の回転シャフト5および固定シャフト6への熱伝達配分が大幅に向上するから、この固定シャフト6の外周面からの外部への熱放出を効率良くできる。
また、この固定シャフト6の外周面を非真空領域に露出させ、この固定シャフト6の外周面と冷却機構51のガイドプレート52と間の冷却液流路54に冷却液を流動させて、この固定シャフト6の外周面を直接冷却させる構成とした。この結果、この固定シャフト6を介して回転シャフト5が効率良く冷却されるとともに、この固定シャフト6の冷却を介して陽極ターゲット2に蓄えられた熱エネルギを効率良く外部へと放出できる。
したがって、この陽極ターゲット2および回転機構4の安定した冷却を容易できるとともに、これら陽極ターゲット2および回転機構4の冷却効率をより向上できる。このとき、これら回転シャフト5と固定シャフト6との間に介在された液体金属潤滑材としての液状のガリウム合金が適切な温度以下に保たれるから、このガリウム合金による高温下での回転シャフト5および固定シャフト6の侵食を防止できる。同時に、回転機構4のすべり軸受面16での温度上昇によって生じる損傷を防止できるから、回転陽極型X線管1の破損をより確実に防止できる。
この結果、陽極ターゲット2から回転機構4への熱伝導配分を大幅に上げて冷却率を向上できるとともに、回転機構4から外部への熱放出を容易にできるから、この回転機構4を適切な温度以下で安定して使用できる回転陽極型X線管1を提供できる。このため、この回転陽極型X線管1をX線CT(Computerized Tomography:コンピュータ断層撮影)装置に用いることによって、一度撮影してから次に撮影するまでの待ち時間を短くできるから、速く連続した撮影がより速くできるようになる。
また、冷却機構51のガイドプレート52の一端側を拡開させてターゲット包囲部55とし、このターゲット包囲部55の一側面を真空容器31のターゲット側容器32の他端面に対向させて、これらターゲット包囲部55とターゲット側容器32との間に冷却液流路54を設けた。この結果、この冷却液流路54をより長くできるから、この冷却液流路54に流動される冷却液による回転機構4およびターゲット側容器32への接触面積が大きくなるので、これら陽極ターゲット2および回転機構4をより効率良く冷却できる。
なお、図2に示す第2の実施の形態のように、回転機構4の固定シャフト6内に、この固定シャフト6の周方向に沿って長手方向に向けて螺旋状に巻回した空間としての冷却液流路54を形成して、この冷却液流路54に冷却液を流動させて内部から固定シャフト6を冷却する冷却機構51とすることもできる。この場合、この冷却機構51の冷却液流路54は、固定シャフト6内に二重に巻回されて構成された螺旋管である。そして、これら二重の冷却液流路54は、固定シャフト6の外周面および内周面のそれぞれから等間隔に離間した位置のそれぞれに形成されている。さらに、これら冷却液流路54は、固定シャフト6の本体部11の長手方向の略全体に亘って設けられている。ここで、これら冷却液流路54内は、非真空領域である。さらに、固定シャフト6の他端側の挿通開口15の開口外縁には、真空容器31の回転側容器34の嵌合口35の開口周縁が嵌合される段状の嵌合段部61が周方向に亘って設けられている。
この結果、この固定シャフト6内に設けた冷却液流路54内に冷却液を流動させることによって、この固定シャフト6と回転シャフト5との間のトルク損失による発熱や、陽極ターゲット2に蓄えられた熱エネルギを効率良く外部へと放出できるから、上記第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。ここで、固定シャフト6を真空容器31内に独立して配置できるが、上述のように固定シャフト6の外周面を真空容器31とともに陽極ターゲット2を真空にする構造とすることによって、これら固定シャフト6および真空容器31の構成を大幅に簡略化できるとともに、この固定シャフト6の外周面が非真空領域であるため、外部での空気の対流や熱伝導による副次的な冷却効果を期待できる。
さらに、図3に示す第3の実施の形態のように、固定シャフト6を二重構造にして各層の熱伝導率を変化させることもできる。この場合、この固定シャフト6は、この固定シャフト6の内側に位置し回転シャフト5を回転可能に支持する軸受面構成部分としての内側支持部62と、この内側支持部62の外側に一体的に取り付けられ円筒状の冷却部としての冷却部分である外側冷却部63とによる二重構造とされている。ここで、内側支持部62はすべり軸受面16を構成する部材であり、外側冷却部63は非真空領域で冷却される部材である。
そして、内側支持部62は、固定シャフト6の本体部11の内側と係止片部12の内側と保持片部14とのそれぞれを構成している。一方、外側冷却部63は、固定シャフト6の本体部11の外側と係止片部12の外側とのそれぞれを構成しており、外周面が非真空領域に露出されている。また、これら内側支持部62および外側冷却部63のそれぞれは、略等しい厚み寸法を有している。さらに、この外側冷却部63の一端側は、真空容器31のターゲット側容器32の取付口33に嵌合されて連結されている。
ここで、この外側冷却部63は、内側支持部62の熱伝導率よりも熱伝導率が大きな部材にて形成されている。言い換えると、この外側冷却部63の熱伝導率が、内側支持部62の熱伝導率に等しいか大きくされている。すなわち、この外側冷却部63は、内側支持部62の熱伝導率以上の熱伝導率を有している。具体的に、この内側支持部62としては、例えばモリブデン(Mo)が使用されている。また、外側冷却部63としては、例えば銅(Cu)が使用されている。そして、これら内側支持部62と外側冷却部63とは、ろうづけや拡散接合などの熱抵抗を発生させない方法にて熱的に密着されて結合されて連結されている。したがって、外側冷却部63での熱抵抗が低減するから、陽極ターゲット2および回転機構4をより効果的に冷却できる。
この結果、固定シャフト6の外側冷却部63とガイドプレート52との間の冷却液流路54に冷却液を流動させることによって、この固定シャフト6と回転シャフト5との間のトルク損失による発熱や、陽極ターゲット2に蓄えられた熱エネルギの効率良く外部へと放出できるから、上記第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。さらに、固定シャフト6を内側支持部62と外側冷却部63との二層構造とし、この二層構造の外側に位置する外側冷却部63の熱伝導率を、内側に位置する内側支持部62の熱伝導率よりも大きくしたことによって、この外側冷却部63での熱抵抗が低減するから、陽極ターゲット2および回転機構4をより効果的に冷却できる。
なお、上記第3の実施の形態では、固定シャフト6を内側支持部62と外側冷却部63との二層構造としたが、この固定シャフト6の最も外側に位置する外側冷却部63での熱抵抗が低減し、陽極ターゲット2および回転機構4を効果的に冷却できれば、この固定シャフト6を二層以上の部材にて構成してもよい。
さらに、上記各実施の形態では、回転体21を陽極ターゲット2の反対側に位置させて取り付けているが、この回転体21を陽極ターゲット2側に位置させて取り付けてもよい。そして、この陽極ターゲット2を回転機構4の重心内に位置させて配置することも可能であり、このような配置関係に対しては、回転陽極型X線管1の装置レイアウトや、この回転陽極型X線管1の大きさに基づいてどのように構成してもよい。
また、継手部3を陽極ターゲット2あるいは回転シャフト5に対して一体に成形してもよく、これら陽極ターゲット2、継手部3および回転シャフト5はどのような形状であってもよい。さらに、固定シャフト6を冷却する冷却機構51の構成については、この固定シャフト6を冷却できる構成であれば、上記各実施の形態以外の構成、例えばフィンや乱流促進体を設けるなどの種々の冷却機構51であっても、対応させて用いることができる。
本発明の回転陽極型X線管の第1の実施の形態を示す説明断面図である。 本発明の第2の実施の形態の回転陽極型X線管を示す説明断面図である。 本発明の第3の実施の形態の回転陽極型X線管を示す説明断面図である。
1 回転陽極型X線管
2 陽極ターゲット
継手部
4 すべり軸受である回転機構
5 内側回転体としての回転シャフト
6 外側固定体としての固定シャフト
31 真空容器
51 冷却手段としての冷却機構
52 ガイド部材としてのガイドプレート
54 空間としての冷却液流路
62 支持部としての内側支持部
63 冷却部としての外側冷却部

Claims (6)

  1. 内部を真空保持する真空容器と、
    この真空容器の少なくとも一部を構成する略筒状の外側固定体と、
    この外側固定体内に回転可能に取り付けられ前記真空容器内に収容された内側回転体と、
    この内側回転体に取り付けられ前記真空容器内に収容され前記内側回転体の回転によって回転する陽極ターゲットとを具備し、
    前記外側固定体は、前記内側回転体を回転可能に支持する支持部、およびこの支持部の外側面に取り付けられこの支持部の熱伝導率以上の熱伝導率を有する冷却部を備えた
    ことを特徴とした回転陽極型X線管。
  2. 外側固定体を冷却する冷却手段を具備した
    ことを特徴とした請求項1記載の回転陽極型X線管。
  3. 内部を真空保持する真空容器と、
    この真空容器の少なくとも一部を構成する略筒状の外側固定体、この外側固定体内に回転可能に取り付けられ前記真空容器内および前記外側固定体内に収容された内側回転体、および、前記外側固定体の内側面と前記内側回転体の外側面との間に介在された液体金属潤滑材を備えたすべり軸受と、
    このすべり軸受の前記内側回転体に、前記外側固定体に挿通され前記内側回転体に伝熱する継手部を介して取り付けられ前記真空容器内に収容され前記内側回転体の回転によって回転する陽極ターゲットと、
    前記すべり軸受の前記外側固定体を冷却して前記液体金属潤滑材を所定温度以下に保つ冷却手段と
    を具備したことを特徴とした回転陽極型X線管。
  4. 外側固定体は、内側回転体を回転可能に支持する支持部、およびこの支持部の外側面に取り付けられこの支持部の熱伝導率以上の熱伝導率を有する冷却部を備えた
    ことを特徴とした請求項3記載の回転陽極型X線管。
  5. 冷却手段は、外側固定体の外側面を間隙を介して覆うガイド部材を備え、このガイド部材と前記外側固定体の外側面との間に冷媒を通過させてこの外側固定体を冷却する
    ことを特徴とした請求項2ないし4いずれか記載の回転陽極型X線管。
  6. 冷却手段は、外側固定体に設けられた空間を備え、この空間に冷媒を通過させて前記外側固定体を冷却する
    ことを特徴とした請求項2ないし4いずれか記載の回転陽極型X線管。
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