JP2002208401A - 正極活物質,その製造方法および非水電解液二次電池 - Google Patents

正極活物質,その製造方法および非水電解液二次電池

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Abstract

(57)【要約】 【課題】活物質粒径を微細化した上で球状度を改善する
ことにより電池特性を大幅に向上させることが可能な正
極活物質,その製造方法および非水電解液二次電池を提
供する。 【解決手段】一般式:Li(式中、Tは
遷移金属から選ばれる少なくとも1種の元素を示し、M
はMg,Al,Si,Ti,Zn,ZrおよびSnから
選択された少なくとも1種の元素を示し、x,yおよび
zはそれぞれ0.9≦x≦1.15、0.85≦y≦
1.00、0<z≦0.1を満足する数である)で実質
的に表されるLi含有遷移金属複合酸化物から成ること
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は非水電解液二次電池
に用いられる正極活物質,その製造方法およびその活物
質を用いた非水電解液二次電池に係り、特に活物質粒径
を微細化した上で球状度を改善することにより電池特性
を大幅に向上させることが可能な正極活物質,その製造
方法および非水電解液二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ノート型パーソナルコンピュー
タ、携帯型情報端末(PDA)、携帯電話などが急速に
普及し、モバイルコンピューティング化が進行してい
る。それに伴って、多機能化する携帯用電子機器などの
長時間稼動を可能にすることが望まれている。そこで、
携帯用電子機器をはじめとする各種電子機器の電源とし
て用いられる二次電池に対しては、小型・高容量化が強
く要求されるようになってきている。
【0003】このような要求を満たす二次電池として
は、例えばリチウム塩を含む非水電解液を使用したリチ
ウムイオン二次電池が知られている。リチウムイオン二
次電池では、LiCoOやLiNiOやLiMn
などのLi含有遷移金属複合酸化物が正極活物質と
して用いられている。負極には炭素系の材料が用いら
れ、かつ非水溶媒中にLiPFやLiBFなどのリ
チウム塩を溶解した非水電解液が用いられている。この
ようなリチウムイオン二次電池は、携帯用電子機器の電
源などとして多量に使用されている。
【0004】LiCoO,LiNiO,LiMn
などの正極活物質は、通常、酸化コバルトや酸化ニ
ッケルと炭酸リチウムとの混合物を大気中にて900℃
程度の温度で焼成して複合酸化物化することにより製造
されている。リチウムイオン二次電池においては、正極
活物質が電池性能などに大きく影響を及ぼす。そこで、
電池性能の向上や正極活物質の製造上の問題などを解決
するために、LiCoOやLiNiOなどに対する
種々の添加材料が提案されている。
【0005】例えば、特許第1989293号公報に
は、Sn,In,Al等の添加材料を添加させることに
より、サイクル特性などの電池特性を向上させることを
試行した例が開示されている。
【0006】一方、リチウムイオン二次電池のレート特
性、温度特性などを向上させるためには、正極活物質の
粒径は小さく、かつ粒子形状が球状であることが望まし
いという知見を本発明者らは得ている。特に、電池の低
温特性を高めるためには、正極活物質の粒径の微細化が
必須とされている。
【0007】ここで、正極活物質の粒径および形状は焼
成温度によって制御することが一般的である。具体的に
は、800℃程度の低温度で焼成することにより、小粒
径で球状の正極活物質が得られることが判明している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、低温焼
成した正極活物質は、反応が十分に進行しないことに基
づいて、二次電池の充放電特性などを低下させてしまう
という問題がある。これは、低温焼成によりLiCoO
などが十分に成長しないためである。したがって、十
分な電池特性を発揮し得る正極活物質を得ることは困難
であった。
【0009】一方、小粒径の正極活物質を得るための手
段として、粒径制御のための元素を添加する方法も試行
されている。例えば、現時点では未公開である特願平1
1−167526号明細書に記載されているように、特
に添加元素による粒径制御効果は高く、添加元素により
粒子成長が抑制されるため、高温度での焼成操作が可能
となり、結晶性が高く、粒度分布がシャープな正極活物
質も得られている。
【0010】しかしながら、添加元素成分を含有する正
極活物質を実際に二次電池に用いた場合には、ガスの発
生による電池内部の圧力上昇が起こり易く、電池缶の膨
張が引き起され、極端な場合には電池の圧力弁が作動し
て二次電池の破壊に繋がるという安全性が不十分である
という問題点もあった。
【0011】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであり、特に活物質粒子を微細化した上で粒子
形状を球状化することにより、充放電特性,温度特性,
レート特性などの電池特性を向上させると共に、電池内
圧力の上昇などを効果的に防止することが可能な正極活
物質,その製造方法および非水電解液二次電池を提供す
ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る正極活物質は、 一般式:Li ……(1) (式中、Tは遷移金属から選ばれる少なくとも1種の元
素を示し、MはMg,Al,Si,Ti,Zn,Zrお
よびSnから選択された少なくとも1種の元素を示し、
x,yおよびzはそれぞれ0.9≦x≦1.15、0.
85≦y≦1.00、0<z≦0.1を満足する数であ
る)で実質的に表されるLi含有遷移金属複合酸化物か
ら構成されることを特徴とする。
【0013】また本発明に係る他の正極活物質は、 一般式:Li1+y ……(2) (式中、TはMn,Co,Ni,Fe,V,Cr,Ti
から選択される少なくとも1種の元素を示し、MはM
g,Al,Si,Ti,Zn,ZrおよびSnから選択
された少なくとも1種の元素を示し、x,yおよびzは
それぞれ0.9≦x≦1.15、0.85≦y≦1.0
0、0<z≦0.2を満足する数である)で実質的に表
されるLi含有遷移金属複合酸化物から成ることを特徴
とする。
【0014】さらに、前記正極活物質が、 一般式:LiCo ……(3) (式中、MはMg,Al,Si,Ti,Zn,Zrおよ
びSnから選択された少なくとも1種の元素を示し、
x,yおよびzはそれぞれ0.9≦x≦1.15、0.
85≦y≦1.00、0<z≦0.1を満足する数であ
る)で実質的に表されるLi含有遷移金属複合酸化物か
ら構成されることが好ましい。
【0015】また上記正極活物質が、遷移金属元素を含
有するとともに、Mg,Al,Si,Ti,Zn,Zr
およびSnから選択される少なくとも1種の金属元素を
上記遷移金属元素に対して10at%以下含有する粒子
から成ることが好ましい。さらに、前記Mg,Al,S
i,Ti,Zn,ZrおよびSnから選択される少なく
とも1種の金属元素が酸化物粒子として活物質組織内に
分散して存在し、その酸化物粒子の平均粒径が1.0μ
m以下であることが好ましい。
【0016】また、前記正極活物質粒子の長軸径に対す
る短軸径の比(アスペクト比)の平均値が0.5以上で
あることが好ましい。
【0017】また本発明に係る正極活物質の製造方法
は、遷移金属成分粉末に平均粒径が1.0nm〜1μm
であり、Mg,Al,Si,Ti,Zn,ZrおよびS
nから選択された少なくとも1種の金属の化合物微粒子
を上記遷移金属元素量に対して10at%以下の割合で
添加して原料混合体を調製し、この原料混合体を成形
後、焼成することを特徴とする。
【0018】さらに、本発明に係る非水電解液二次電池
は、遷移金属元素を含有するとともに、Mg,Al,S
i,Ti,Zn,ZrおよびSnから選択される少なく
とも1種の金属元素を上記遷移金属元素に対して10a
t%以下含有する粒子から成る正極活物質を含有する正
極と、前記正極とセパレータを介して配置された負極
と、前記正極、前記セパレータおよび前記負極を収納す
る電池容器と、前記電池容器内に充填された非水電解液
とを具備することを特徴とする。
【0019】本発明に係る正極活物質は、遷移金属元素
(以下、T成分という。)を含有するとともに、Mg,
Al,Si,Ti,Zn,ZrおよびSnから選択され
た少なくとも1種の金属元素(以下「M成分」いう。)
を上記遷移金属元素Tの含有量に対して10at%以下
と微量に含有するものである。これらのM成分元素は、
いずれも正極活物質の粒径を微細に制御し得る上に活物
質の球状度を高くすることが可能である。
【0020】上記M成分の含有量がT元素量に対して1
0at%を超えるように過大量添加するとM成分の触媒
作用が活性化されて非水電解液のガス化が促進されて電
池内圧の上昇を招くため好ましくない。上記M成分は、
極微量の添加で、その効果を十分に発揮できる。したが
ってM成分の含有量は、T成分量に対して10at%以
下と規定されるが、1at%以下が好ましく、さらには
0.1at%以下がより好ましい。
【0021】さらに上記M成分となる金属元素は活物質
組織内に偏析せずに均一に分散して存在することが電池
特性を高める上で好ましい。特にM成分が酸化物として
存在し、その酸化物の平均粒径が1.0μm以下である
ことが好ましい。このM成分の酸化物粒子の平均粒径が
1.0μmを超えるように粗大化すると、充放電特性や
温度特性などの電池特性が低下してしまう。そのため、
平均粒径は1.0μm以下と規定されるが、0.1μm
以下がより好ましく、さらには0.01μm以下がさら
に好ましい。
【0022】すなわち、極微量のM成分を含有する本発
明の正極活物質は、通常の条件下での焼成により粒径を
微細化することができる。さらに、シャープな粒度分布
が得られる。これらによって、充放電特性や温度特性な
どの電池特性を向上させることが可能となる。
【0023】その上で、上記したような効果をもたらす
M成分の含有量を極微量としていることから、電池内圧
の上昇を抑制することができる。上記M成分が存在する
場合のガス発生のメカニズムは十分には解明されていな
いが、M成分の触媒作用による電解液のガス化などが考
えられる。本発明ではM成分の含有量を極微量としてい
るため、M成分の触媒作用が抑えられ、これにより電解
液のガス化などを防ぐことが可能になると考えられる。
【0024】また本発明において、前記正極活物質粒子
の長軸径に対する短軸径の比(アスペクト比)の平均値
が0.5以上であることが望ましい。このアスペクト比
が0.5未満となるように正極活物質粒子形状が不定形
であったり、長桿状である場合には、活物質粒子の正極
への充填率が低くなり電池特性が低下してしまう。
【0025】このアスペクト比が0.5以上であれば正
極材組織内の空間的な全てのベクトル方向に対して粒子
の形状が球状の等方的構造を有し、正極への活物質粒子
の充填率が高まり、また粒子同士の接触状態も均一にな
るため電池特性が向上する。そのため活物質粒子の平均
アスペクト値は0.5以上と規定されるが、0.7以上
がより好ましく、さらに0.8以上が特に好ましい。
【0026】なお、上記正極活物質のアスペクト比など
の粒子形状は、図4(a),(b)に示すような方法に
より評価測定することができる。すなわち、正極活物質
を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察して視野内からラ
ンダムに20個の正極活物質粒子13を抽出し、各粒子
像の中心位置を求め、この中心を通る最長径を長軸径d
とする一方、この長軸と直交する方向の径を短軸径d
とし、各粒子の長軸径dに対する短軸径dの比を
アスペクト比とし、20個の粒子についてのアスペクト
比の平均値を算出して平均アスペクト比とした。
【0027】また、本発明において、正極活物質は、 一般式:Li ……(1) (式中、Tは遷移金属から選ばれる少なくとも1種の元
素を示し、MはMg,Al,Si,Ti,Zn,Zrお
よびSnから選択された少なくとも1種の元素を示し、
x,yおよびzはそれぞれ0.9≦x≦1.15、0.
85≦y≦1.00、0<z≦0.1を満足する数であ
る)で実質的に表されるLi含有遷移金属複合酸化物か
ら成る。
【0028】また、本発明の他の態様として、正極活物
質は、 一般式:Li1+y ……(2) (式中、TはMn,Co,Ni,Fe,V,Cr,Ti
から選択される少なくとも1種の元素を示し、MはM
g,Al,Si,Ti,Zn,ZrおよびSnから選択
された少なくとも1種の元素を示し、x,yおよびzは
それぞれ0.9≦x≦1.15、0.85≦y≦1.0
0、0<z≦0.2を満足する数である)で実質的に表
されるLi含有遷移金属複合酸化物から成る。
【0029】(1)式で表されるLi含有遷移金属複合
酸化物において、T元素としてはCo,Ni,Mn,F
e,Vなどの各種の遷移金属を用いることができる。極
微量のM成分による粒径の微細化は、特にT元素の少な
くとも一部としてCoを用いた場合により効果的に得ら
れる。
【0030】したがって、前記正極活物質を、 一般式:LiCo ……(3) (式中、MはMg,Al,Si,Ti,Zn,Zrおよ
びSnから選択された少なくとも1種の元素を示し、
x,yおよびzはそれぞれ0.9≦x≦1.15、0.
85≦y≦1.00、0<z≦0.1を満足する数であ
る)で実質的に表されるLi含有遷移金属複合酸化物か
ら構成することが、より好ましい。このようなLi含有
Co複合酸化物は、電池容量などの点からも好ましい正
極活物質である。
【0031】上記した一般式(1),(2),(3)に
おいて、xの値は0.9〜1.15の範囲、yの値は
0.85〜1.00の範囲とする。xおよびyの値が上
記した範囲を外れると、いずれの場合にも十分な電池容
量が得られない。
【0032】x/y比は1以上とすることが好ましい。
x/y<1であると十分な結晶性が得られないため、サ
イクル特性や電池容量が低下する。
【0033】また前記一般式(1),(3)において、
M成分の添加割合zは0<z≦0.1の範囲として規定
されるが、好ましくは0.00001≦z≦0.1の範
囲が望ましく、さらには0.0001≦z≦0.1の範
囲がより好ましい。
【0034】一方、前記一般式(2)において、M成分
の添加割合zは0<z≦0.2の範囲として規定される
が、好ましくは0.00002≦z≦0.2の範囲が望
ましく、さらには0.0002≦z≦0.2の範囲がよ
り好ましい。
【0035】上記M成分が全く含有されていない正極活
物質(z=0)では、大気中で温度約900℃に加熱す
るような通常の焼成法で原料を処理した場合、生成する
活物質の平均粒径は10μm以上と極めて粗大になって
しまう。このように粒径が粗大な正極活物質を電池に用
いた場合、常温での特性については、大きな問題はない
が、例えば−20℃程度の低温度で使用した場合には容
量が小さくなり温度特性が悪くなる。そのため、可及的
に平均粒径が小さい正極活物質とすることが電池特性を
向上させる上で重要である。
【0036】極微量のM成分を含むLi含有遷移金属複
合酸化物は、微量添加されたM成分に基づいて、通常の
条件下での焼成で粒径を微細化することができる。上記
(1)式で表されるLi含有遷移金属複合酸化物によれ
ば、各金属元素の出発原料(例えば酸化物や炭酸塩)を
所定の比率で混合した混合物を、例えば大気中、約90
0℃で焼成した場合においても、M成分の添加効果によ
り、例えば10μm以下という平均粒径(50%D値)
を実現することができる。Li含有遷移金属複合酸化物
(正極活物質)の平均粒径は3〜8μmの範囲とするこ
とがさらに好ましい。
【0037】一方、従来の正極活物質の粒子の立体形状
を、図5(b)に示すように、層を重ねる方向((00
3)ベクトル方向)、およびそれに垂直な方向((11
0)ベクトル方向)で表現する場合、正極活物質の基本
格子は六方晶系であるので、(003)ベクトル方向と
はc軸方向であり、(110)ベクトル方向とはa軸方
向を指す。
【0038】この場合、M成分を全く添加しないとき、
すなわちz=0の場合では、(110)ベクトル方向の
成長、すなわちc軸に垂直な方向の成長が支配的とな
り、塗布膜としたときc軸方向に著しく配向し易い扁平
粒子や不定形状の粒子が成形される。このような選択配
向が支配的になった粒子では正極活物質充填時の空間的
等方性が失われ、電池のレート特性が悪化してしまう。
【0039】そのため、本発明では粒子形状が空間的に
等方的に成長した球状の正極活物質を使用している。具
体的には正極活物質粒子の長軸径に対する短軸径の比
(アスペクト比)が平均値で0.5以上の球状の正極活
物質粒子を用いている。
【0040】上記のような微細性および球状度を有する
正極活物質を得るためには、本発明のようにM成分など
の添加元素を含有させる以外に、下記のような方法も試
行されているが、いずれの方法も電池特性の全てを満足
させるものではない。すなわち、Li/遷移金属配合比
(x/y)を1未満とした場合は、微細で球状の活物質
粒子は得られるが、前記の通り電池容量が十分ではな
い。一方、原料体を低温焼成する場合でも、微細で球状
の活物質粒子が得られるが、正極活物質の形成が不十分
となり、満足できる電池容量が得られない。
【0041】本発明方法によって作製した正極活物質
は、これまで困難とされてきたM元素添加組成において
も粒径微細化効果が得られ、電池特性が良好な正極活物
質を得ることができる。これは、合成時に結果として生
成される添加元素化合物が全ての空間領域に均一に分布
することになること、さらに、活物質粒子の形状が空間
的に等方的に成長した球状の活物質が得られたことによ
る。このような正極活物質の合成は、より微細な添加元
素材料を用いることにより可能となる。
【0042】ここで、より微細な添加元素材料とは、従
来用いてきた材料よりもさらに平均粒径が1nm〜1μ
mと小さいサブミクロン領域ないしナノサイズ領域の微
細粒子材料のことである。このような材料には乾式の粉
末微粒子材料または湿式のゾル微粒子材料とがあり、前
者はサブミクロンスケールまたはナノスケールで合成し
たり、あるいは微粉砕されたものであり、後者は水また
はそれ以外を分散媒とした金属化合物粒子から成るゾル
である。
【0043】上述したような微細な粒子材料を使用して
製造され、粒径を微細化するとともに球状化したLi含
有遷移金属複合酸化物(正極活物質)によれば、リチウ
ムイオン二次電池の充放電特性や温度特性などが向上す
る。特に、リチウムイオン二次電池の低温特性は正極活
物質の粒径に強く影響される。したがって、粒径を微細
化したLi含有遷移金属複合酸化物を使用することによ
って、低温(例えば−20℃)での電池容量を十分に維
持することが可能となる。これは装置の使用可能時間の
向上に大きく貢献する。
【0044】上述した正極活物質と共に混合して正極合
剤を形成する導電剤および結着剤としては、従来から非
水電解液二次電池用として用いられている、種々の材料
を使用することができる。導電剤としてはアセチレンブ
ラック、カーボンブラック、黒鉛などが用いられる。結
着剤としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレン−
プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、スチレン−
ブタジエンゴム(SBR)などが用いられる。
【0045】正極活物質、導電剤および結着剤の配合割
合は、正極活物質80〜95質量%、導電剤3〜20質
量%、結着剤2〜7質量%の範囲とすることが好まし
い。正極活物質、導電剤および結着剤を含む懸濁物を塗
布、乾燥させる集電体としては、例えばアルミニウム
箔、ステンレス箔、ニッケル箔などが用いられる。
【0046】セパレータ、負荷、非水電解液などの他の
電池構成要素についても、従来から非水電解液二次電池
用として使用されている種々の材料および構成を適用す
ることができる。例えば、セパレータとしては合成樹脂
製不織布、ポリエチレン製多孔質フィルム、ポリプロピ
レン製多孔質フィルムなどが用いられる。
【0047】負極は負極活物質と結着剤とを適当な溶媒
に懸濁し、この懸濁液を集電体に塗布、乾燥して薄板状
とすることにより作製される。負極活物質としては、リ
チウムイオンを吸蔵・放出することが可能な、熱分解炭
素類、ピッチ・コークス類、グラファイト類、ガラス状
炭素類、フェノール樹脂やフラン樹脂のような有機高分
子化合物の焼成体、炭素繊維、活性炭などの炭素材料、
または金属リチウム、Li−Al合金のようなリチウム
合金、ポリアセチレンやポリピロールのようなポリマー
などが用いられる。結着剤には正極と同様なものが用い
られる。
【0048】負極活物質と結着剤の配合割合は、負極活
物質90〜95質量%、結着剤2〜10%質量%の範囲
とすることが好ましい。負極活物質および結着剤を含む
懸濁物を塗布、乾燥させる集電体としては、例えば銅、
ステンレス、ニッケルなどの箔、メッシュ、パンチドメ
タル、ラスメタルなどが用いられる。
【0049】さらに、非水電解液は非水溶媒に電解質を
溶解することにより調製される。非水溶媒としては、例
えばリチウムイオン二次電池の溶媒として公知の各種非
水溶媒を用いることができる。非水電解液用の非水溶媒
は特に限定されるものではないが、例えばプロピレンカ
ーボネート、エチレンカーボネートなどと、ジメチルカ
ーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカー
ボネート、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエ
タン、1,2−ジエトキシエタン、エトキシメトキシエ
タンなどとの混合溶媒などが用いられる。
【0050】電解質としては、LiPF,LiB
,LiCiO,LiAsF,LiCFSO
などのリチウム塩が例示される。このような電解質の非
水溶媒に対する溶解量は0.5〜1.5mol/L(リ
ットル)の範囲とすることが好ましい。
【0051】図1は本発明の非水電解液二次電池をリチ
ウムイオン二次電池に適用した一実施形態の構造を一部
断面で示す図である。同図においては、1は例えばステ
ンレスからなる電池容器(電池缶)である。この電池容
器1の底部には絶縁体2が配置されている。電池容器1
の形状としては、例えば有底円筒状や有底角筒状などが
適用される。本発明は円筒形二次電池および角型二次電
池のいずれにも適用可能である。
【0052】電池容器1は負極端子を兼ねており、この
ような電池容器1内に発電要素として電極群3が収納さ
れている。電極群3は、正極4、セパレータ5および負
極6をこの順序で積層した帯状物を、負極6が外側に位
置するように、例えば渦巻き状に巻回した構造を有して
いる。電極群3は渦巻き型に限らず、正極4、セパレー
タ5および負極6をこの順序で複数積層したものであっ
てもよい。
【0053】電極群3が収納された電池容器1内には、
非水電解液が収容されている。電池容器1内の電極群3
の上方には、中央部が開口された絶縁紙7が載置されて
いる。電池容器1の上方開口部には絶縁封口板8が配置
されている。絶縁封口板8は、電池容器1の上端部付近
を内側にかしめ加工することによって、電池容器1に対
して液密に固定されている。
【0054】絶縁封口板8の中央部には、正極端子9が
嵌合されている。正極端子9には正極リード10の一端
が安全弁11を介して接続されている。正極リード10
の他端は、正極4に接続されている。負極6は図示しな
い負極リードを介して、負極端子である電池容器1に接
続されている。これによって、非水電解液二次電池とし
てのリチウムイオン二次電池12が構成されている。
【0055】上述したように本発明に係る正極活物質,
その製造方法および非水電解液二次電池によれば、正極
活物質の粒径の微細化および球状化さらにシャープな粒
度分布などに基づいて、優れた電池容量、充放電特性、
温度特性(特に低温特性)などが得られる。その上で、
電池内でのガス発生などを極力抑止することができるた
め、ガス発生に起因する電池内圧力の上昇を防止するこ
とが可能となり、二次電池の安全性や品質を高めること
ができる。
【0056】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施形態について以
下の実施例および比較例を参照して具体的に説明する。
【0057】実施例1〜2および比較例1 表1に示すように、LiCoM(但し、MはS
n,Al,Ti,Si,Zn,Zr,Mgのいずれか一
種のM元素)の組成を有し、このM元素の添加量zが,
0,(比較例1),0.001(実施例1)および0.
0007(実施例2)となるように、コバルト化合物原
料とリチウム化合物原料と平均粒径が1.0μm以下で
あるM成分の添加材料粉末とを配合して十分に混合した
後に、成形し、空気雰囲気中で900℃の温度で5時間
焼成することにより、それぞれLi含有遷移金属複合酸
化物粒子から成る正極活物質をそれぞれ調製した。各正
極活物質をCuKα線による粉末X線回折法により測定
したところ、LiCoOの回折パターンとほぼ一致す
る結果が得られた。
【0058】また、得られた複合酸化物の組成分析を以
下に示す要領で行ったところ、Li 1.05Co
と表1に示す組成を有していることが確認された。
なお、Coは試料を塩酸で分解し、EDTA溶液を添加
した後、亜鉛溶液を用いて逆滴定を行って定量した。L
iおよびM成分は、試料を塩酸で分解し、ICP測定を
行うことにより定量した。
【0059】また、調製した各正極活物質試料を0.5
gずつ採取して100mLの水中で撹拌し、さらに超音
波分散を100W,3minの条件で実施した。この懸
濁液について、LEEDS&NORTHRUP社製のM
ICROTRAC II PARTICLE−SIZE
ANALYZER TYPE7997−10を使用し
て粒度分布を測定し、これから各活物質の平均粒径(5
0%D値)をそれぞれ求めた。測定結果を下記表1に示
す。
【0060】
【表1】
【0061】上記表1に示す結果から明らかなように、
各種M成分の添加によって粒子成長抑制効果が現われて
いることが判明し、特にM成分としてSn,Zrの添加
が有効であることが確認できた。またM成分の添加量が
多い方がより有効に粒子成長が抑制されている。一方、
M成分を添加していない比較例1(z=0)において
は、平均粒径が13μm超となり、微細化効果が得られ
ていない。
【0062】また、各正極活物質粒子のSEM写真を画
像解析することにより、平均アスペクト値を求めたとこ
ろ、実施例1〜2では、0.81〜0.92と高く、立
体的にほぼ等方的な形状を有する一次粒子またはこの一
次粒子が集合した二次粒子から構成されており、その平
均粒径は3〜10μmと微細であった。一方、比較例1
では平均アスペクト比は0.46であり、不定形状の粒
子が多かった。
【0063】また、M成分の添加方法について、さらに
平均粒径が1nm〜1.0μmの微粒子を分散させた金
属化合物ゾルを所定比率で添加した場合についても同様
に処理を行った。この場合の金属化合物ゾルとは、M元
素金属化合物微粒子が水またはそれ以外の分散媒中に均
一に分散したコロイド溶液系を指す。また、この金属化
合物微粒子の平均粒径は好ましくは1nm〜0.5μm
が望ましく、さらには1nm〜0.3μmがより好まし
い範囲である。この結果、上記表1における実施例1a
〜実施例2aに示すように微細化効果が得られた。
【0064】さらに、M元素の添加については、金属化
合物を水またはそれ以外の溶媒に溶解し、金属イオンと
して分散させた溶液系での添加も同様に処理を行ったと
ころ、ゾルを使用した場合と同様な効果が得られた。
【0065】実施例3〜14および比較例2〜14 表2に示す組成となるように正極活物質の原料混合比を
それぞれ変化させた点、および表2に示すように活物質
の平均粒径を変化させた点以外は実施例1と同様な条件
で処理して、それぞれ正極活物質としての複合酸化物を
合成した。
【0066】本実施例品のように平均粒径が小さい活物
質微粒子を用いた場合、M成分の添加量を減少させても
局所的な組成においても均一な混合状態が実現する。し
かし、従来のような粒径の大きい活物質材料を使用した
場合、M成分の添加量を減少させるとローカルな組成に
偏りが生じ、結果として粒子成長抑制効果を享受できな
い活物質粒子が存在することになる。このため、M成分
の添加量を減少させていくにつれ、同じ組成においても
実施例と比較例とではそれらの粒径に差が生じることに
なる。
【0067】これら各実施例および比較例に係る複合酸
化物をCuKα線による粉末X線回折法により測定した
ところ、LiCoOの回折パターンとほぼ一致した。
また、得られた複合酸化物の組成分析および粒度分布
(平均粒径)の測定を実施例1と同様に実施した。これ
らの結果を表2に示す。
【0068】次に、得られた各複合酸化物を正極活物質
として用い、この正極活物質90質量%と導電剤として
グラファイト6質量%と結着剤としてポリフッ化ビニリ
デン4質量%とを混合して正極合剤を調製した。この正
極合剤をN−メチル−2−ピロリドンに分散させてスラ
リー状とし、これをアルミニウム箔に塗布し、乾燥させ
た。これをローラープレス機で圧縮成形した。得られた
圧縮成形体を所定のサイズに裁断することによって、シ
ート状の正極を得た。
【0069】次に、炭素材料93質量%と結着剤として
ポリフッ化ビニリデン7質量%とを混合して負極合剤を
調製した。この負極合剤を用いる以外は、正極と同様に
してシート状の負極を作製した。
【0070】上述したシート状の正極と微孔性ポリエチ
レンフィルムからなるセパレータとシート状の負極をこ
の順序で積層し、この積層物を負極が外側に位置するよ
うに渦巻き状に巻回することにより電極群を作製した。
この電極群にリードを取り付けて有底円筒状の電池容器
(電池缶)に収容した。さらに、電池容器内に非水電解
液を注入した後、これを封入することにより、図1に示
すような円筒形非水電解液二次電池を組み立てた。な
お、非水電解液は、エチレンカーボネート(EC)とメ
チルエチルカーボネート(MEC)の1:1混合溶媒
に、1mol/Lの濃度でLiPFを溶解して調製し
た。
【0071】このようにして作製した円筒形非水分解液
二次電池としてのリチウムイオン二次電池の低温特性と
電池内圧力を、以下のようにして測定、評価した。これ
らの測定結果を表2および図2、図3に示す。
【0072】低温特性は、20℃の環境の下で、1Aの
電流制限を設けて4.2Vの定電圧充電を5時間行い、
1時間の休止の後、2.7Vまで1Aで放電を行った。
この際の放電容量をCap(20)とする。次いで、1
時間の休止の後に、1Aの電流制限を設けて4.2Vの
定電圧充電を5時間行い、さらに−20℃まで温度を下
げて、1Aで放電を行った。この際の放電容量をCap
(−20)とする。これらの容量比(Cap(−20)
/Cap(20))を低温時の容量維持率とした。
【0073】電池内圧力は以下のようにして測定した。
なお、電池内圧力の測定に用いた電池は、予め圧力計を
取り付け、容器(缶)内部の圧力を測定できるようにし
た。20℃の環境の下で、1Aの電流制限を設けて4.
2Vの定電圧充電を5時間行い、85℃の環境に入れて
24時間放置した後、20℃の環境に戻して、電池の温
度が20℃になったときの内部圧力を測定した。
【0074】上記各実施例および比較例に係る正極活物
質の組成,平均粒径,低温時の容量維持率を下記表2に
示す。またM成分の添加割合zと活物質の平均粒径と容
量維持率との関係を図2に示す。
【0075】
【表2】
【0076】上記表2および図2に示す結果から明らか
なように、M成分としてのSnを添加しない場合(z=
0)には、活物質の平均粒径が粗大化し、低温時の容量
維持率が低下して電池の低温特性が悪化してしまう。
【0077】また、zが0.0001未満の範囲では、
比較例と較べて実施例の方がSnによる粒径微細化効果
が有効に得られており、さらに各実施例の方が容量維持
率Cap(−20)/Cap(20)が著しく改善され
ていることが確認できる。
【0078】また各実施例および比較例に係る活物質試
料について、エネルギー分散型X線分析法(EDX)を
用いて、構成元素の分布状態を測定した。なお、エネル
ギー分散型X線分析装置(EDX)としては日本電子デ
ータム株式会社製のJED−2140を用い、加速電圧
20kVの条件で電子ビームを試料上で二次元走査して
面分析を行った。面分析にはマッピング手法を用いて、
二次元画を多数の画素として信号をコンピュータ処理し
て、カラー化し成分分布を精密に表示させた。
【0079】図7および図8は、それぞれ実施例および
比較例に係る正極活物質のSEM観察組織図の上に、M
成分としてのSn元素の分布状態を示すEDXデータを
重ね合せた図である。
【0080】図7に示すように、各実施例に係る正極活
物質においては、M成分(Sn)の添加量を減少させて
も微細組織レベルにおいても均一な混合状態が得られて
いることが確認できた。一方、図8に示すように、比較
例においては、M成分(Sn)の添加量が減少するに伴
って、局部的に組成の偏りが存在することになり、粒子
成長が顕著な活物質も存在していることが判明した。
【0081】すなわち、各実施例においては、M元素の
添加量を減少させた場合においても、所望の平均粒径を
有する正極活物質を得ることが可能である。また、微細
なM元素原料を用いているために、各成分が混合した全
ての組成領域において均一な組成分布が成立する。した
がって、M元素成分の偏析が生じにくく、組織のマッピ
ングデータにおいてもM元素化合物の目立った凝集状態
は観察されない。
【0082】一方、従来の製法で作成した比較例の正極
活物質において、実施例と同様な微細化効果を得るため
には、全ての微小組織領域においてもM元素を存在させ
る必要がある。そのため、比較例においては、M元素の
添加量を必然的に増加させる必要があり、その結果、図
8に示すように活物質組織において局所的な組成の偏り
が存在することになり、組織内にM元素化合物の偏析・
凝集部14が存在することが確認できる。
【0083】前記のような容量維持率の改善効果が得ら
れた理由は以下のように考えられる。すなわち、上記の
EDX分析結果に示されるように、各実施例においては
Sn元素化合物の偏析が生じにくく、活物質の全ての組
織領域において均一な分散状態が得られたため、充放電
に伴うLiイオン移動に際してLiイオンの拡散経路の
大きな阻害因子が見かけ上低減したことによること、さ
らに、後述する理由で、基本的に粒子形状が空間的に成
長してアスペクト比が1に近い球状となることにより、
低温環境下でもLiイオン移動の自由度が保証されたた
めと考えられる。
【0084】また、前記LiCoSn組成の
正極活物質を使用した実施例および比較例に係る二次電
池における電池内圧力の測定結果を下記表3および図3
に示す。
【0085】
【表3】
【0086】図3に示す結果から明らかなように、実施
例に係る二次電池によれば活物質の全ての粒径範囲にお
いて比較例より電池缶内圧力が低くなっており、より安
全性に優れている。また活物質の平均粒径が近似する実
施例と比較例での電池缶内圧力の差を示す上記表3の結
果から、平均粒径が同一であっても、実施例に係る二次
電池の方が比較例に較べて圧力の上昇が少ない。
【0087】電池缶内圧力が増加すると電池缶が膨れ易
くなる。電池缶の膨れの度合いは、電池缶の材質や厚さ
を適宜好適に選定することによって防止することは可能
であるが、電池缶の耐圧仕様をより簡略化するために圧
力上昇が少ない活物質が望ましい。
【0088】本実施例に係る正極活物質によれば、所定
の粒径を、より少ないSn添加量で達成できることか
ら、電池缶内の圧力上昇をより効果的に防止することが
できる。
【0089】また表4に示すようにLiCoSn
なる組成を有するように原料粉末を配合し、温度7
50℃〜900℃で5時間焼成することにより、それぞ
れ比較例および実施例に係る正極活物質を調製した。得
られた各正極活物質についてX線回折により回折模様を
得て、この回折ピークの半価幅から正極活物質の結晶性
を評価した。
【0090】なお上記X線回折模様の測定は、理学電気
株式会社製のRINT2000を用いて実施した。また
X線線源としてCu−Kα1線(波長1.5405オン
グストローム)を用いて以下の機器条件で行った。管電
圧と電流は各々40kV、40mA、発散スリット0.
5°、散乱スリット0.5°、受光スリット幅0.15
mm、さらにモノクロメーターを使用した。測定は走査
速度2°/分、走査ステップ0.01°で走査軸は2θ
/θの条件で行った。また半価幅は2θ軸で表記した回
折模様の測定値からバックグラウンドを引き、回折ピー
ク強度(h)の半分の高さ(h/2)のピーク幅とし
た。そして、(104)面に由来する2θ=45.4°
±0.1°の半価幅をもって正極活物質の結晶性を評価
した。
【0091】上記測定評価結果を下記表4に示す。
【0092】
【表4】
【0093】上記表4に示す結果から明らかなように、
Sn成分を添加していない(z=0)比較例Iの場合で
は、活物質の平均粒径を得るためには、必然的に低温度
焼成を実施する必要があり、そのため活物質の結晶性は
低下し、実用に供することは困難であった。
【0094】一方、実施例に係る活物質の(104)面
半価幅は、比較例IIの従来品よりも狭く、結晶性が良
好であることが判明した。この結果は、添加物が結晶性
の擾乱因子となっているためであり、本実施例の方がよ
り少ないSn添加量でも、目的の粒径を達成できること
を明示している。
【0095】また、前記した実施例および比較例に係る
正極活物質の組織内における添加元素化合物の分布状態
を把握するために、EDX分析装置を用いて観察を行っ
た。このEDX分析は、任意の観察視野において含有さ
れている元素を2次元平面でマッピングして実施され
る。そして、添加した元素の化合物が偏析していれば、
その偏析度合いに応じた大きさの画像として表示され
る。
【0096】上記実施例および比較例のうち、特に表4
に示す実施例および比較例IIについてのEDX分析図
をそれぞれ図7および図8に示す。さらに、図2,表2
〜4に示す結果から総合的に考察すると、所望の平均粒
径の活物質を得ようとする場合において、実施例の方が
より少ないM元素成分の添加量で達成できることが判明
する。このような結果を踏まえて、M元素成分を同じ添
加量で含有させた場合、実施例においては、いずれの組
成領域においても均一な混合状態が実現できる。そのた
め、実施例ではSn成分の粗大な偏析は観察されない。
【0097】一方、比較例においては、比較的に粗大な
Sn成分原料を用いているため、その添加量を減少させ
ると微小領域における組成にアンバランスが生じる。そ
の結果、活物質の微細化効果を享受できない粒子が存在
してくることになり、活物質粒子の平均粒径が増大化す
ることになる。
【0098】また、前記のように調製した各実施例およ
び比較例に係る正極活物質を用いて製造した二次電池の
放電レート特性を下記の手順で測定した。すなわち、放
電電流値は、1Cと3Cの二通りとし、1Cでの放電容
量Cap(1C)と3Cでの放電容量Cap(3C)の
比を測定した。なお、Cは放電率で、時間率(h)の逆
数、つまりC=1/hで表される。なお基準放電電流
は、公称容量を定めた時間率(h)で除したものであ
り、例えば、1Cは、公称容量を1時間で放電させるた
めの放電率である。ここでは、便宜的に、1時間で放電
を終了する放電電流を1Cとした。よって、3Cは1C
の放電電流の3倍の電流値である。
【0099】また、各正極活物質粒子の短軸径/長軸径
の比(アスペクト比)を、図4に示す手法で測定し、こ
のアスペクト比とレート容量維持率との関係を図6に示
す。
【0100】図6に示す結果から明らかなように、Sn
成分を添加しない(z=0)比較例Iにおいては、(1
10)ベクトル方向の成長、すなわちc軸に垂直な方向
の成長が支配的となり、粒子形状は六角板状または扁平
な饅頭型となり、アスペクト比は小さくなる。このよう
な場合、塗布膜作製時にc軸方向に著しい選択配向を生
じる。このとき正極活物質の充填時における空間的な等
方性が失われ、電池のレート特性が悪化してしまう。ま
た、同じ添加量でも実施例の方が、レート特性が優れて
いるのは、形状制御効果がより有効に働いたためであ
る。
【0101】つまり、正極活物質粒子の平均アスペクト
比が1に近く、各粒子が球状の等方的構造を備えること
により、正極活物質粒子を電極に充填する際、配向性が
空間的に相殺され、c軸方向に選択的に配向した従来の
結晶構造に比べLiイオンの拡散移動度が増大したため
である。さらに、均一な組成分布の実現によりLiイオ
ン拡散経路が閉塞されなかったために、レート特性が大
幅に向上したものと考えられる。
【0102】以上のように、本実施例に係る正極活物質
は、サブミクロンスケールのより微細な材料を均一に添
加して製造されているため、これまでは実現が困難とさ
れてきた組成においても、添加成分による粒径微細化効
果が得られ、活物質粒子の成長を抑制することを可能に
した。これにより、低温環境下における電池特性が著し
く改善できた。
【0103】しかも本実施例の活物質では基本的な粒子
の形状が空間的に等方的に成長した球状度が高い形状が
得られている。粒子の形状を球形の等方的構造とするこ
とにより、正極活物質の充填時の方向が全ての空間的方
向にランダムとなるため、一定の方向、すなわち、層を
重ねるc軸方向に選択的に配向した従来の結晶構造に比
べ、充放電に伴うLiの移動における拡散抵抗を最小限
に抑えることが可能となり、電池の温度特性が改善さ
れ、さらにレート特性が飛躍的に向上した。
【0104】これらの原因は、微細な原料を用いること
で、活物質の全組織において局所的な偏析がない均一な
分布を有する正極活物質の合成が可能となったことに由
来している。以上のことから本実施例では従来品と比較
してリチウムイオン二次電池の温度特性およびレート特
性を同時に満足させることが可能なリチウムイオン二次
電池を提供することが可能になる。
【0105】
【発明の効果】以上説明の通り本発明に係る正極活物
質,その製造方法および非水電解液二次電池によれば、
正極活物質の粒径の微細化および球状化さらにシャープ
な粒度分布などに基づいて、優れた電池容量、充放電特
性、温度特性(特に低温特性)などが得られる。その上
で、電池内でのガス発生などを極力抑止することが可能
となり、二次電池の安全性や品質を高めることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る非水電解液二次電池の一実施例と
してのリチウムイオン二次電池の構造を示す半断面図。
【図2】正極活物質の平均粒径とM成分含有量と低温時
の容量維持率との関係を示すグラフ。
【図3】正極活物質の平均粒径とM成分含有量と電池缶
内圧力との関係を示すグラフ。
【図4】(a),(b)はそれぞれ実施例および比較例
に係る正極活物質のアスペクト比を評価する方法を示す
模式図。
【図5】(a),(b)はそれぞれ実施例および比較例
に係る正極活物質の粒子形状を示す図。
【図6】正極活物質粒子のアスペクト比とレート容量維
持率との関係を示すグラフ。
【図7】実施例に係る正極活物質のSEM観察組織図の
上に、M成分としてのSn元素の分布状態を示すEDX
データを重ね合せた図。
【図8】比較例に係る正極活物質のSEM観察組織図の
上に、M成分としてのSn元素の分布状態を示すEDX
データを重ね合せた図。
【符号の説明】
1 電池容器(電池缶) 2 絶縁体 3 電極群 4 正極 5 セパレータ 6 負極 7 絶縁紙 8 絶縁封口板 9 正極端子 10 正極リード 11 安全弁 12 非水電解液二次電池(リチウムイオン二次電池) 13 正極活物質粒子 14 偏析・凝集部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 雨宮 一樹 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 白川 康博 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 Fターム(参考) 5H029 AJ02 AJ03 AJ12 AJ14 AK03 AL06 AL07 AL08 AL12 AL16 AM02 AM03 AM04 AM05 AM07 BJ02 BJ14 CJ02 CJ06 CJ08 DJ16 HJ01 HJ02 HJ04 HJ05 5H050 AA02 AA05 AA06 AA08 AA15 AA19 BA17 CA08 CA09 CB07 FA17 GA02 GA08 GA10 HA01 HA02 HA04 HA05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式:Li(式中、T
    は遷移金属から選ばれる少なくとも1種の元素を示し、
    MはMg,Al,Si,Ti,Zn,ZrおよびSnか
    ら選択された少なくとも1種の元素を示し、x,yおよ
    びzはそれぞれ0.9≦x≦1.15、0.85≦y≦
    1.00、0<z≦0.1を満足する数である)で実質
    的に表されるLi含有遷移金属複合酸化物から成ること
    を特徴とする正極活物質。
  2. 【請求項2】 一般式:Li1+y(式
    中、TはMn,Co,Ni,Fe,V,Cr,Tiから
    選択される少なくとも1種の元素を示し、MはMg,A
    l,Si,Ti,Zn,ZrおよびSnから選択された
    少なくとも1種の元素を示し、x,yおよびzはそれぞ
    れ0.9≦x≦1.15、0.85≦y≦1.00、0
    <z≦0.2を満足する数である)で実質的に表される
    Li含有遷移金属複合酸化物から成ることを特徴とする
    正極活物質。
  3. 【請求項3】 前記正極活物質が、一般式:LiCo
    (式中、MはMg,Al,Si,Ti,Z
    n,ZrおよびSnから選択された少なくとも1種の元
    素を示し、x,yおよびzはそれぞれ0.9≦x≦1.
    15、0.85≦y≦1.00、0<z≦0.1を満足
    する数である)で実質的に表されるLi含有遷移金属複
    合酸化物から成ることを特徴とする請求項1記載の正極
    活物質。
  4. 【請求項4】 遷移金属元素を含有するとともに、M
    g,Al,Si,Ti,Zn,ZrおよびSnから選択
    される少なくとも1種の金属元素を上記遷移金属元素に
    対して10at%以下含有する粒子から成ることを特徴
    とする請求項1または2記載の正極活物質。
  5. 【請求項5】 前記Mg,Al,Si,Ti,Zn,Z
    rおよびSnから選択される少なくとも1種の金属元素
    が酸化物粒子として活物質組織内に分散して存在し、そ
    の酸化物粒子の平均粒径が1.0μm以下であることを
    特徴とする請求項4記載の正極活物質。
  6. 【請求項6】 前記正極活物質粒子の長軸径に対する短
    軸径の比(アスペクト比)の平均値が0.5以上である
    ことを特徴とする請求項4記載の正極活物質。
  7. 【請求項7】 遷移金属成分粉末に平均粒径が1.0n
    m〜1μmであり、Mg,Al,Si,Ti,Zn,Z
    rおよびSnから選択された少なくとも1種の金属化合
    物微粒子を上記遷移金属元素量に対して10at%以下
    の割合で添加して原料混合体を調製し、この原料混合体
    を成形後、焼成することを特徴とする正極活物質の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 遷移金属元素を含有するとともに、M
    g,Al,Si,Ti,Zn,ZrおよびSnから選択
    される少なくとも1種の金属元素を上記遷移金属元素に
    対して10at%以下含有する粒子から成る正極活物質
    を含有する正極と、前記正極とセパレータを介して配置
    された負極と、前記正極、前記セパレータおよび前記負
    極を収納する電池容器と、前記電池容器内に充填された
    非水電解液とを具備することを特徴とする非水電解液二
    次電池。
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