JP2002042811A - 非水系電解質二次電池用正極活物質および該正極活物質を用いた非水系電解質二次電池 - Google Patents

非水系電解質二次電池用正極活物質および該正極活物質を用いた非水系電解質二次電池

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JP2002042811A
JP2002042811A JP2000221819A JP2000221819A JP2002042811A JP 2002042811 A JP2002042811 A JP 2002042811A JP 2000221819 A JP2000221819 A JP 2000221819A JP 2000221819 A JP2000221819 A JP 2000221819A JP 2002042811 A JP2002042811 A JP 2002042811A
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particles
positive electrode
aqueous electrolyte
secondary battery
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Kazunobu Matsumoto
和順 松本
Tomio Tsujimura
富雄 辻村
Masanori Soma
正典 相馬
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高負荷時における放電容量に優れた非水系電
解質二次電池用正極活物質および該正極活物質を用いた
非水系電解質二次電池を提供する。 【解決手段】 一次粒子が凝集して形成される二次粒子
からなる非水系電解質二次電池用正極活物質であって、
前記一次粒子は、実質的に一般式LiCoO2で表され
るコバルト酸リチウムであり、二次粒子の外表面に表れ
る一次粒子の割合が、数で一次粒子全体の38%以上で
あり、かつ一次粒子の平均粒径が、0.4μm以上6μ
m以下の範囲内である。あるいは、隣接する一次粒子相
互の少なくとも一部が、焼結により接合していて、二次
粒子の平均粒径が4μm以上15μm以下の範囲内であ
り、二次粒子が球状あるいは楕円球状であることが好ま
しい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、負極にリチウム金
属、リチウム合金あるいはリチウムを吸蔵できるカーボ
ンなどを用いる非水系電解質二次電池に関し、特に、高
負荷時の放電容量を向上した非水系電解質二次電池用正
極活物質および該正極活物質を用いた非水系電解質二次
電池に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯電話やノート型パソコンなど
の携帯機器の普及に伴い、高いエネルギー密度を有し、
小型、軽量で、高い容量を持つ二次電池の開発が強く望
まれている。このような二次電池として、リチウム金
属、リチウム合金あるいはリチウムを吸蔵できるカーボ
ンを負極として用いるリチウムイオン二次電池があり、
研究開発が盛んに行われている。
【0003】その中で、コバルト酸リチウム(LiCo
2)を正極活物質に用いたリチウムイオン二次電池
は、4V級の高い電圧が得られるため、高いエネルギー
密度を持つ二次電池として広く応用が進んでいる。
【0004】通常、コバルト酸リチウム(LiCo
2)は、例えば炭酸リチウムなどのようなリチウム塩
と、例えば炭酸コバルトのようなコバルト化合物とを所
定量ずつ混合し、600℃〜1100℃の温度で焼成し
たり(特開平1−304664号公報)、または炭酸リ
チウムと平均粒径が2〜25μmの四三酸化コバルトと
を所定量ずつ混合し、800℃〜900℃の温度で焼成
して(特開平9−283144号公報)、得られる。
【0005】また、最近の一層の高容量化や大電流化の
要求に対して、正極活物質のタップ密度を上げること
や、正極活物質と混合するカーボンなどの導電剤の量を
減らして、実質的に正極活物質の量を増やすなどの対策
が必要となってきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
コバルト酸リチウム(LiCoO2)では、充填密度が
上がらなかったり、導電剤の量を減らすと、放電容量や
高負荷時の容量が低下するなどの問題があった。
【0007】このような問題を解決するために、コバル
ト酸リチウム(LiCoO2)の一次粒子が多数凝集し
て球状ないし楕円球状を形成した二次粒子からなる非水
系電解質二次電池用正極活物質が提案(Abstracts of 9
th International Meeting on Lithium Batteries, Pos
ter II thur56, 1998)されている。
【0008】確かにこの正極活物質は、タップ密度が高
く、通常の負荷における放電容量が高い優れた材料であ
るが、高負荷時における放電容量の改善は十分にはでき
ていなかった。
【0009】本発明者らは、この原因として、二次粒子
を構成している一次粒子同士が互いに密に接合している
結果、充電時および放電時において電解液が十分に二次
粒子内部に浸透せず、二次粒子内部の一次粒子において
リチウムイオンが、高負荷における電流に十分追随でき
なくなり、その結果、容量が向上しないという考えに至
った。
【0010】本発明の目的は、上記した従来の正極活物
質に関する問題点の解決を図り、高負荷時における放電
容量に優れた非水系電解質二次電池用正極活物質および
該正極活物質を用いた非水系電解質二次電池を提供する
ことである。
【0011】例えば特開平6−267539号公報や特
開平1−304664号公報、特開平6−243897
号公報のように、単に活物質の形状や、粒径を限定する
だけでは、二次粒子を構成する一次粒子が単に凝集して
いるに過ぎない場合があり、前記のような目的を達せら
れないことが多い。
【0012】また、例えば特開平9−129230号公
報のように、単に微小な一次粒子を圧縮して成型しただ
けでは、一次粒子相互は融合することがないので、十分
な電気伝導性は得られない。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、正極活物質の一次粒子の大きさ、形
状、また一次粒子が凝集した二次粒子の大きさ、形状、
一次粒子間の隙間などについてさらに鋭意検討を行った
結果、これらの因子を制御して得られる正極活物質を使
用することにより、高容量でかつ高負荷時放電容量の良
好な非水系電解質二次電池が得られることを見出し本発
明を完成するに至った。
【0014】すなわち、本発明の第1の実施態様では、
一次粒子が凝集して形成される二次粒子からなる非水系
電解質二次電池用正極活物質であって、前記一次粒子
は、実質的に一般式LiCoO2で表されるコバルト酸
リチウムであり、二次粒子の外表面に表れる一次粒子の
割合が、数で一次粒子全体の38%以上であり、かつ一
次粒子の平均粒径が、0.4μm以上6μm以下の範囲
内である。
【0015】前記一次粒子は、実質的に一般式LiCo
2で表されるコバルト酸リチウムの中のCoの1モル
%以上40モル%以下を、Ni、Mn、Al、Zn、M
g、Ca、Ti、Fe、Snの中から選ばれる1種以上
で置換してあってもよい。
【0016】また、隣接する一次粒子相互の少なくとも
一部が、焼結により接合していて、二次粒子の平均粒径
が4μm以上15μm以下の範囲内であり、二次粒子が
球状あるいは楕円球状であることが好ましい。
【0017】本発明の第2の実施態様では、第1の実施
態様に係る非水系電解質二次電池用正極活物質を用いた
非水系電解質二次電池である。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明に係る非水系電解質二次電
池用の正極活物質によれば、二次粒子を構成している一
次粒子の多くがその表面の一部を二次粒子表面に露出し
ているので、たとえ密な接合の結果として一次粒子間に
隙間がなくても、電解液は十分に一次粒子と接触するこ
とが可能となり、さらに一次粒子は適度な大きさである
ため、リチウムイオンが結晶内部を拡散移動する抵抗も
大きくならず、高負荷における放電容量維持を良好にで
きる。
【0019】本発明において、二次粒子の外表面に表れ
る一次粒子の割合が、数で一次粒子全体の38%以上と
した理由は、それ以下では、二次粒子内部に存在する一
次粒子の割合が増加して、十分に電解液が一次粒子と接
触しない恐れがあるからである。なお、全て(数で10
0%)の一次粒子が、二次粒子の外表面に表れていても
よい。
【0020】また、一次粒子の平均粒径を、0.4μm
以上6μm以下の範囲内とした理由は、0.4μm未満
では、電解液の分解反応が促進され、二次電池の安全性
に支障が出てきて、一方6μmを超えると、高負荷時の
放電容量が低下するからである。この点に関しては、
0.4μm以上5μm以下の範囲内とすることがさらに
好ましい。
【0021】さらに、二次粒子の平均粒径を4μm以上
15μm以下の範囲内とした理由は、4μm未満ではタ
ップ密度が上がらず、また導電性を付与するために必要
な導電剤の量が増加し、また15μmを超えると、二次
粒子内部に十分電解液が浸透せず、たとえ一次粒子の平
均粒径が本発明の範囲内であっても、高負荷時の放電容
量が低下するからである。この点に関しては、4μm以
上10μm以下の範囲内とすることがさらに好ましい。
【0022】二次粒子の形状を、球状あるいは楕円球状
とした理由は、これら以外の不定形の形状とした場合、
十分なタップ密度を得られず、放電容量が劣るからであ
る。
【0023】また、小結晶の一次粒子自体は微粒である
が、それらの少なくとも一部が焼結により相互に接合し
て、球状あるいは楕円球状の二次粒子からなる正極活物
質を形成している。これにより、電気伝導性を向上させ
ることができ、必要な導電剤の量を減らすことが可能と
なる。
【0024】本発明では、一次粒子が全体的に密に接合
する結果、一次粒子間に隙間が無い場合をも含むが、一
次粒子の一部が焼結で接合して、適度な隙間が残るのが
望ましい。
【0025】以下実施例に基づき、詳細に本発明を説明
する。
【0026】(実施例1)粒度分布1.0〜6.0μm
程度の一次粒子が凝集して形成され、ほぼ球状で平均粒
径が10μmである二次粒子からなる塩基性炭酸コバル
ト(住友金属鉱山(株)製)と、平均粒径3μmの炭酸
リチウム(本荘ケミカル(株)製)を所定量混合した
後、空気中950℃で10時間焼成して、コバルト酸リ
チウムの二次粒子を得た。得られたコバルト酸リチウム
の二次粒子は、原料の塩基性炭酸コバルトと同様で、ほ
ぼ球状で平均粒径は変化がなかった。この中から、少量
を抜き取り、走査型電子顕微鏡(SEM)で、3500
倍で観察したところ、粒度分布1.0〜6.0μm程度
の一次粒子が多数凝集したほぼ球状の二次粒子であっ
た。
【0027】さらに、二次粒子の平均粒径とそれを構成
している一次粒子の平均粒径との関係を詳細に検討した
結果、個々の二次粒子によって割合はばらつくものの、
それぞれの二次粒子を構成している一次粒子のうち38
〜96%の一次粒子の表面の一部が図1のSEM写真に
示すように、二次粒子表面に露出していることが分かっ
た。次に、SEMの倍率を15000倍にして観察した
ところ、二次粒子を構成している一次粒子相互は、それ
ぞれ一部が焼結により接合していることが確認できた。
【0028】図2に示すように、得られたコバルト酸リ
チウムを正極活物質として用いて二次電池を組み、充放
電容量を測定した。
【0029】前記コバルト酸リチウムの正極活物質とア
セチレンブラックおよびポリフッ化ビニルデン(PVD
F)を90:7:3の重量比で秤取り、これらをN−メ
チルピロリドン(NPM)中で混合して、アルミ箔に塗
布後、乾燥した。塗布量は、アルミ箔を除いた正極5の
厚みが、塗布後、50μmになるように調整した。ここ
から直径10mmのディスク状に切り出して正極缶6と
し、負極缶1に接続する負極2には、直径16mm、厚
さ1mmのリチウム金属を用い、電解液には、1MのL
iPF6を支持塩とするエチレンカーボネート(EC)
と1,2ジメトキシエタン(DME)の等量混合溶液を
用いた。セパレータ3には、膜厚25μmのポリエチレ
ン多孔膜を用いた。Ar雰囲気中で露点が−80℃に制
御されたグローブボックス中で、正極缶6と負極缶1の
間にガスケット4を挟み、2032型コイン電池を組み
立てた。図中に電解液を示していないが、電解液は電池
内部の空隙に存在する。
【0030】充電電流密度0.5mA/cm2でカット
オフ電圧4.3Vまで充電した後、2時間放置し、放電
電流密度4.0mA/cm2で3.0Vまで放電したと
きの放電容量Q4と、同じ条件で充電した二次電池を同
様に2時間放置し、放電電流密度0.5mA/cm2
3.0Vまで放電したときの放電容量Q05と、Q05
に対するQ4の割合の百分率をそれぞれ表1に示した。
【0031】(実施例2)粒度分布0.4〜2μm程度
の一次粒子が凝集して形成され、ほぼ球状で平均粒径が
4μmである二次粒子からなる塩基性炭酸コバルト(住
友金属鉱山(株)製)と、平均粒径3μmの炭酸リチウ
ム(本荘ケミカル(株)製)を所定量混合した後、空気
中900℃で10時間焼成して、コバルト酸リチウムの
二次粒子を得た。得られたコバルト酸リチウムの二次粒
子は、原料の塩基性炭酸コバルトと同様で、ほぼ球状で
平均粒径は変化がなかった。この中から、少量を抜き取
り、実施例1と同様にSEMで観察したところ、粒度分
布0.4〜2μm程度の一次粒子が多数凝集したほぼ球
状の二次粒子であった。
【0032】実施例1と同様に観察したところ、それぞ
れの二次粒子を構成している一次粒子のうち38〜66
%の一次粒子の表面の一部が、二次粒子表面に露出して
いること、および、二次粒子を構成している一次粒子相
互は、それぞれ一部が焼結により接合していることが確
認できた。
【0033】得られたコバルト酸リチウムを正極活物質
として用いて二次電池を組み、実施例1と同様な方法で
電池特性を測定した。放電容量Q4と、放電容量Q05
と、Q05に対するQ4の割合の百分率をそれぞれ表1
に示した。
【0034】(実施例3)粒度分布2.0〜6.0μm
程度の一次粒子が凝集して形成され、ほぼ球状で平均粒
径が15μmである二次粒子からなる塩基性炭酸コバル
ト(住友金属鉱山(株)製)と、平均粒径3μmの炭酸
リチウム(本荘ケミカル(株)製)を所定量混合した
後、空気中980℃で10時間焼成して、コバルト酸リ
チウムの二次粒子を得た。得られたコバルト酸リチウム
の二次粒子は、原料の塩基性炭酸コバルトと同様で、ほ
ぼ球状で平均粒径は変化がなかった。この中から、少量
を抜き取り、実施例1と同様にSEMで観察したとこ
ろ、粒度分布2.0〜6.0μm程度の一次粒子が多数
凝集したほぼ球状の二次粒子であった。
【0035】実施例1と同様に観察したところ、それぞ
れの二次粒子を構成している一次粒子のうち42〜85
%の一次粒子の表面の一部が、二次粒子表面に露出して
いること、および、二次粒子を構成している一次粒子相
互は、それぞれ一部が焼結により接合していることが確
認できた。
【0036】得られたコバルト酸リチウムを正極活物質
として用いて二次電池を組み、実施例1と同様な方法で
電池特性を測定した。放電容量Q4と、放電容量Q05
と、Q05に対するQ4の割合の百分率をそれぞれ表1
に示した。
【0037】なお、本発明における非水系電解質二次電
池用正極活物質は、リチウムとコバルトを主成分とした
実質的に一般式LiCoO2で表されるコバルト酸リチ
ウムからなるが、結晶の安定性や電気伝導性の向上、あ
るいは安価とすることを目的として、他の金属でCoの
一部を置換した材料、具体的にはCoの1モル%以上4
0モル%以下をNi、Mn、Al、Zn、Mg、Ca、
Ti、Fe、Snの中から選ばれる1種以上で置換した
正極活物質でも本発明の実施態様をとれば、高負荷特性
を改善する効果が得られる。
【0038】(比較例1)粒度分布5〜10μm程度の
一次粒子が凝集して形成され、ほぼ球状で平均粒径が1
0μmである二次粒子からなる塩基性炭酸コバルト(住
友金属鉱山(株)製)と、平均粒径3μmの炭酸リチウ
ム(本荘ケミカル(株)製)を所定量混合した後、空気
中1000℃で10時間焼成して、コバルト酸リチウム
の二次粒子を得た。得られたコバルト酸リチウムの二次
粒子は、原料の塩基性炭酸コバルトと同様で、ほぼ球状
で平均粒径は変化がなかった。この中から、少量を抜き
取り、実施例1と同様にSEMで観察したところ、粒度
分布5〜10μm程度の一次粒子が多数凝集したほぼ球
状の二次粒子であった。
【0039】実施例1と同様に観察したSEM写真を図
3に示す。それぞれの二次粒子を構成している一次粒子
のうち72〜100%の一次粒子の表面の一部が、二次
粒子表面に露出していること、および、二次粒子を構成
している一次粒子相互は、それぞれ一部が焼結により接
合していることが確認できた。
【0040】得られたコバルト酸リチウムを正極活物質
として用いて二次電池を組み、実施例1と同様な方法で
電池特性を測定した。放電容量Q4と、放電容量Q05
と、Q05に対するQ4の割合の百分率をそれぞれ表1
に示した。
【0041】(比較例2)粒度分布0.4〜1.0μm
程度の一次粒子が凝集して形成され、ほぼ球状で平均粒
径が10μmである二次粒子からなる塩基性炭酸コバル
ト(住友金属鉱山(株)製)と、平均粒径3μmの炭酸
リチウム(本荘ケミカル(株)製)を所定量混合した
後、空気中850℃で10時間焼成して、コバルト酸リ
チウムの二次粒子を得た。得られたコバルト酸リチウム
の二次粒子は、原料の塩基性炭酸コバルトと同様で、ほ
ぼ球状で平均粒径は変化がなかった。この中から、少量
を抜き取り、実施例1と同様にSEMで観察したとこ
ろ、粒度分布0.4〜1.0μm程度の一次粒子が多数
凝集したほぼ球状の二次粒子であった。
【0042】実施例1と同様に観察したところ、それぞ
れの二次粒子を構成している一次粒子のうち8〜38%
の一次粒子の表面の一部が、二次粒子表面に露出してい
ること、および、二次粒子を構成している一次粒子相互
は、それぞれ一部が焼結により接合していることが確認
できた。
【0043】得られたコバルト酸リチウムを正極活物質
として用いて二次電池を組み、実施例1と同様な方法で
電池特性を測定した。放電容量Q4と、放電容量Q05
と、Q05に対するQ4の割合の百分率をそれぞれ表1
に示した。
【0044】(比較例3)粒度分布0.4〜6.0μm
程度の一次粒子が凝集して形成され、ほぼ球状で平均粒
径が16μmである二次粒子からなるオキシ水酸化コバ
ルト(住友金属鉱山(株)製)と、平均粒径3μmの炭
酸リチウム(本荘ケミカル(株)製)を所定量混合した
後、空気中950℃で10時間焼成して、コバルト酸リ
チウムの二次粒子を得た。得られたコバルト酸リチウム
の二次粒子は、原料のオキシ水酸化コバルトと同様で、
ほぼ球状で平均粒径は変化がなかった。この中から、少
量を抜き取り、実施例1と同様にSEMで観察したとこ
ろ、粒度分布0.4〜6.0μm程度の一次粒子が多数
凝集したほぼ球状の二次粒子であった。
【0045】実施例1と同様に観察したところ、それぞ
れの二次粒子を構成している一次粒子のうち11〜72
%の一次粒子の表面の一部が、二次粒子表面に露出して
いること、および、二次粒子を構成している一次粒子相
互は、それぞれ一部が焼結により接合していることが確
認できた。
【0046】得られたコバルト酸リチウムを正極活物質
として用いて二次電池を組み、実施例1と同様な方法で
電池特性を測定した。放電容量Q4と、放電容量Q05
と、Q05に対するQ4の割合の百分率をそれぞれ表1
に示した。
【0047】
【表1】
【0048】以上の実施例と比較例から明らかなよう
に、本発明による非水系電解質二次電池用正極活物質
は、コバルト酸リチウムの一次粒子が多数凝集した二次
粒子からなり、かつそれぞれの二次粒子を構成している
一次粒子のうち、38%以上の一次粒子の表面の一部
が、二次粒子の外表面を形成し、かつ一次粒子の平均粒
径が0.4μm以上6μm以下の範囲内であることか
ら、一次粒子の隅々にまで電解液が十分接触し、かつ、
一次粒子の大きさが適度であることから、リチウムが結
晶内部を拡散移動するときの抵抗が小さいので、高負荷
における放電容量が大きく向上する。
【0049】また、二次粒子は4〜15μmのほぼ球状
であることから、タップ密度も高く、また、正極作製時
の塗布性にも優れている。さらに、一次粒子が互いに一
部焼結して接合しているので、一次粒子間の電気抵抗が
低く、また、正極を作製する際に、二次粒子がつぶれる
ことが無いので、集電体から一次粒子が脱落することが
無い。
【0050】
【発明の効果】以上、述べたとおり、本発明に係る非水
系電解質二次電池用正極活物質およびその非水系電解質
二次電池は、放電容量、高負荷特性を向上させることが
可能となり、これにより優れた非水系電解質二次電池を
作製することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られたコバルト酸リチウムの走
査型電子顕微鏡による粒子表面の写真である(写真下部
のバーは10μmを表す)。
【図2】 2032型コイン電池の一部切欠斜視図であ
る。
【図3】 比較例1で得られた二次粒子の走査型電子顕
微鏡による粒子表面の写真である(写真下部のバーは1
0μmを表す)。
【符号の説明】
1 負極缶 2 リチウム金属ペレット 3 セパレータ 4 ガスケット 5 正極ペレット 6 正極缶
フロントページの続き (72)発明者 相馬 正典 千葉県市川市中国分3−18−5 住友金属 鉱山株式会社中央研究所内 Fターム(参考) 4G048 AA04 AA05 AC06 AD04 5H029 AJ03 AK03 AL06 AL08 AL12 AM03 AM04 AM05 AM07 BJ03 BJ16 CJ02 DJ13 DJ16 HJ01 HJ02 HJ05 5H050 AA08 BA17 CA08 CB07 CB09 CB12 EA10 EA23 EA24 FA14 FA17 GA02 HA01 HA02 HA05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一次粒子が凝集して形成される二次粒子
    からなる非水系電解質二次電池用正極活物質であって、
    前記一次粒子は、実質的に一般式LiCoO 2で表され
    るコバルト酸リチウムであり、二次粒子の外表面に表れ
    る一次粒子の割合が、数で一次粒子全体の38%以上で
    あり、かつ一次粒子の平均粒径が、0.4μm以上6μ
    m以下の範囲内であることを特徴とする非水系電解質二
    次電池用正極活物質。
  2. 【請求項2】 一次粒子が凝集して形成される二次粒子
    からなる非水系電解質二次電池用正極活物質であって、
    前記一次粒子は、実質的に一般式LiCoO 2で表され
    るコバルト酸リチウムの中のCoの1モル%以上40モ
    ル%以下を、Ni、Mn、Al、Zn、Mg、Ca、T
    i、Fe、Snの中から選ばれる1種以上で置換してあ
    り、二次粒子の外表面に表れる一次粒子の割合が、数で
    一次粒子全体の38%以上であり、かつ一次粒子の平均
    粒径が、0.4μm以上6μm以下の範囲内であること
    を特徴とする非水系電解質二次電池用正極活物質。
  3. 【請求項3】 隣接する一次粒子相互の少なくとも一部
    が、焼結により接合していることを特徴とする請求項1
    または2に記載の非水系電解質二次電池用正極活物質。
  4. 【請求項4】 二次粒子の平均粒径が4μm以上15μ
    m以下の範囲内であることを特徴とする請求項1または
    2に記載の非水系電解質二次電池用正極活物質。
  5. 【請求項5】 二次粒子が球状あるいは楕円球状である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の非水系電解
    質二次電池用正極活物質。
  6. 【請求項6】 請求項1から5のいずれかに記載の非水
    系電解質二次電池用正極活物質を用いたことを特徴とす
    る非水系電解質二次電池。
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