JP2002203662A - ヒータエレメント及び加熱装置並びに基板加熱装置 - Google Patents

ヒータエレメント及び加熱装置並びに基板加熱装置

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JP2002203662A
JP2002203662A JP2001040257A JP2001040257A JP2002203662A JP 2002203662 A JP2002203662 A JP 2002203662A JP 2001040257 A JP2001040257 A JP 2001040257A JP 2001040257 A JP2001040257 A JP 2001040257A JP 2002203662 A JP2002203662 A JP 2002203662A
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glass
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heating element
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JP2001040257A
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Makoto Nakao
誠 中尾
Tsuyoshi Watanabe
剛志 渡辺
Kazunori Shibukawa
和典 渋川
Katsuro Inoue
克郎 井上
Yoshihiko Murakami
嘉彦 村上
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Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造が容易で熱容量が小さく、温度変化に対
して強固な気密構造を有し、しかもメンテナンス性に優
れたヒータエレメントと、そのヒータエレメントを使用
した加熱装置、特に基板加熱装置を提供する。 【解決手段】 通電により発熱する導電性セラミックス
焼結体製の発熱体素子と、チャンバーの開口部を気密に
覆って前記発熱体素子をチャンバー内に取り付けるため
のセラミックス製の焼結体板と、一端が前記発熱体素子
に連結され他端が前記焼結体板を貫通して前記チャンバ
ー外に導出された導電性セラミックス焼結体製の給電用
電極棒とを備えるとともに、前記焼結体板と前記給電用
電極棒とはガラスまたはガラスセラミックスからなる封
着材で気密に封着したヒータエレメント。特に、排ガス
処理装置や基板加熱装置として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高温で使用される
セラミックス発熱体に関するものであり、さらに詳しく
は、例えば半導体ウエーハ、プリント基板、ガラス基板
等の基板加熱や、フロン等の排ガス処理に使用するセラ
ミックス発熱体の素子を備えたヒータエレメント及びそ
れを使用した加熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気炉や気体加熱用に使用する発熱体
(ヒータ)の要求性能としては、高温まで速やかに昇温
すること、高温酸化性雰囲気中、あるいは不活性雰囲気
中、真空雰囲気中等において高い安定性を示すこと、高
温での連続使用や繰り返しの昇降温に対する耐久性が優
れていること、取り扱いが容易でメンテナンス性に優れ
ていること等種々の要求性能がある。特に、高温酸化性
雰囲気中、あるいは高温不活性雰囲気中で使用できる発
熱体として、非金属のセラミックスを主体とするものが
用いられている。セラミックスを主体とする発熱体は、
例えば、半導体製造工程のドライエッチングガス雰囲気
中や、排ガス処理工程中の熱分解工程の加熱装置に使用
しても高温耐食性に優れているので、長時間の使用に耐
えうる発熱体である。
【0003】例えば、半導体ウエーハの製造において
は、CVD膜形成工程、エピタキシャル膜形成工程、酸
化膜形成工程等の熱処理を必要とする工程が数多く存在
しており、その為、各種の基板加熱装置が用いられてい
る。そして、これらの基板加熱装置は、この基板加熱装
置を構成する部材、例えば電極部材から、半導体ウエー
ハ等の基板の汚染源となる物資が揮発して半導体ウエー
ハ等の基板を汚染することがないよう、構成されてい
る。このような基板加熱装置として、従来、例えば図5
に示すように、ヒータ部101と電極104とチャンバ
ー106からなる基板加熱装置100が知られている。
図5に示す基板加熱装置100のヒータ部101では、
セラミックス製の凸状支持部103の内部にタングステ
ン、モリブデン等の金属からなる抵抗発熱体105が埋
設され、凸状の上面には基板加熱面101aが設けられ
ている。この凸状支持部103はチャンバー106内に
設置され、凸状支持部103の底部に設けられたフラン
ジ部103aと前記チャンバー106との間で気密性シ
ール部108を介して接合されている。また、前記抵抗
発熱体105には、電力供給用の電極104が接続され
ており、該電極104は前記チャンバー106の内部空
間へ露出しないように、前記チャンバー106外に設け
られている。
【0004】しかしながら、前記の基板加熱装置にあっ
ては、次のような問題点があった。 前記ヒータ部101は、ヒータ部の形状となるよう
にセラミックス粉末を成形し、この成形体中に予め金属
製抵抗発熱体105を埋め込み、これをホットアイソス
タティクプレス(HIP)により焼結して製造されるの
で、基板加熱装置の繰り返し使用中には、前記セラミッ
クスと前記金属製抵抗発熱体105との熱膨張係数の差
に起因したクラックが入りやすく、耐久性が不十分であ
る。
【0005】 前記ヒータ部101と前記凸状支持部
103とは、一体成形体をホットアイソスタティクプレ
スにより一体焼結して製造されため、製造が煩雑であ
る。 熱容量が大きく、急速な昇温、降温ができず、その
ため半導体ウエーハなどの基板の熱処理に長時間を要
し、生産性が低下する。 昇温する際に金属発熱体が高温になると蒸発し、こ
の蒸発成分が上記クラックからチャンバー106内に流
入して基板を汚染するので高性能なデバイスが得られな
い。
【0006】また、電気炉等の加熱装置の内部を加熱す
る場合には、図6に示すように、セラミックスヒーター
205を炉壁201の断熱壁202を貫通させて取付け
る複雑な構造の方法が採用されている(特開2000-20823
6 参照)。すなわち、炉壁201は断熱壁202と炉殻
203からなり、断熱壁202と炉殻203との間には
間隙204が形成されている。205は該断熱壁202
を貫通するように設けられた棒状のセラミックスヒータ
で、不定型の耐熱性絶縁材206を介して支持されてい
る。該セラミックスヒータ205の炉外側の端部には、
セラミックスファイバー209を巻き付け、耐熱性絶縁
材208により挟持し蓋板をボルト211により止着し
ている。また、セラミックスヒータ205の炉外側の端
部を覆うように炉殻203の外側に小室214を一体形
成し、該小室214内にブスバー218を支持し、該ブ
スバー218にボルト219を締付けることによって、
可撓性の導電ケーブル220の一端をクランプ金具21
2によってセラミックスヒータ205に接続している。
【0007】また、小室214にはブスバー218によ
って一端を固定された棒状の給電端子221がある。給
電端子221は小室214の隔壁を貫通して先端部が外
部に導出され、隔壁貫通部にはアルミナファイバー22
3と耐熱性絶縁材224とからなる絶縁性シール材22
5で密封されている。セラミックスヒータ205へは給
電端子221、ブスバー218、導電ケーブル220及
びクランプ金具212を介して電力が供給される。ま
た、230は小室214中へ不活性ガスを供給するため
に設けられた配管接続口で、ここから供給された不活性
ガスは導電ケーブル220等の電気抵抗発熱による温度
上昇を抑えながら、矢印に示すように炉壁の間隙204
に入り、炉殻203の温度上昇を抑えるとともに炉内雰
囲気を余熱するようになっている。
【0008】上記のように構成することにより、セラミ
ックスヒータ205は不定型の耐熱性絶縁材206やセ
ラミックスファイバー209等によって比較的ルーズに
炉壁201に支持されており、可撓性の導電ケーブル2
20に接続されているので、発熱によって高温になり熱
膨張しても破損することはない。また、セラミックスヒ
ータ205が比較的ルーズに炉壁201に支持されてい
ても、小室214を設けることにより炉内の気密が保た
れ、導電ケーブル220やブスバー218等の冷却も可
能とされている。しかしながらこのような方式では構造
がかなり複雑で、セラミックス発熱体が高温の腐食性雰
囲気に曝されて損傷した場合に、交換するのは容易なこ
とではない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
技術が有する問題点に鑑みてなされたものであり、その
ための具体的な技術的課題は、高温度領域での使用に耐
え、あらゆる使用雰囲気において耐久性に優れ、製造容
易であり、しかも、メンテナンスが容易なヒータエレメ
ント及び加熱装置を提供することを目的とする。さら
に、基板加熱装置用にあっては、熱容量が小さく、急速
な昇温、降温が可能となり、半導体ウエーハなどの基板
の熱処理に長時間を必要とせず、基板の熱処理の生産性
を向上させるのは勿論のこと、基板加熱装置を構成する
部材、例えば発熱体や電極部材から、半導体ウエーハ等
の基板の汚染源となる物資が揮発して半導体ウエーハ等
の基板を汚染することがないような基板加熱装置を提供
することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
解決のため鋭意検討した結果、セラミックス発熱体とセ
ラミックス製の焼結板体とを熱膨張差の小さな封着材を
使用して固定したヒータエレメントを構成し、そのヒー
タエレメントを加熱装置外壁にオーリング(Oリング)
を介して気密に取り付ける方法を採用した。このような
方法を採用すれば、セラミックス発熱体とセラミックス
製の焼結板体との固定は現場の実機のメンテナンスと切
り離して行うことができ、実機のメンテナンスはヒータ
エレメントをオーリング(Oリング)を介して気密に取
り付けるのみで良いので、作業が極めて簡単になり、安
価に短時間で交換することが可能となる。
【0011】即ち、請求項1に係る本発明のヒータエレ
メントは、少なくとも、通電により発熱する導電性のセ
ラミックス焼結体からなる発熱体素子と、チャンバーの
開口部を気密に覆って前記発熱体素子をチャンバー内に
取り付けるためのセラミックス製の焼結体板と、一端が
前記発熱体素子に連結され他端が前記焼結体板を貫通し
て前記チャンバー外に導出された導電性のセラミックス
焼結体からなる給電用電極棒とを備えるとともに、前記
焼結体板と前記給電用電極棒とはガラスまたはガラスセ
ラミックスからなる封着材で気密に封着されてなるヒー
タエレメントとした。
【0012】上記のように構成した本発明のヒータエレ
メントによれば、導電性のセラミックス焼結体からなる
電極棒をガラスあるいはガラスセラミックス製の封着材
を用いて、セラミックス製の焼結板体に封着することに
より、異種物質の複合体により形成されたものでないた
め、熱膨張係数の差に起因したクラック等が発生するこ
とがなく、しかも、熱容量が小さく、急速な昇温、降温
が可能となる。また、電極棒を導電性のセラミックス焼
結体で作製し、しかも電極棒の端部をチャンバーの外へ
出すことによって、金属汚染の問題を考慮する必要がな
くなる。また、加熱装置への取り付け方法は、オーリン
グを介して加熱装置外壁に気密に取り付けるだけなの
で、極めて簡単で短時間に作業することが可能となる。
【0013】本発明のヒータエレメントにおいては、前
記給電用電極棒、前記封着材、および前記封着材と前記
セラミックス製の焼結板体のそれぞれの熱膨張係数は、
一定の関係を有することが好ましい。即ち、前記給電用
電極棒と前記封着材との熱膨張係数の差が2×10―6
/℃以下、かつ、前記封着材と前記セラミックス製の焼
結板体の熱膨張係数の差が2×10―6/℃以下とする
のが好ましい。
【0014】前記給電用電極棒、前記焼結体板、および
と前記封着材のそれぞれの熱膨張係数が上記の関係を満
たすことにより、温度変化を与えた場合の熱応力が小さ
くなり、クラックや剥離等の発生が無くなって十分な気
密性が確保される。また十分な接合強度を容易に達成す
ることができ、耐久性に富んだ装置とすることができ
る。これらの範囲を外れると熱膨張の差による応力が大
きくなり、クラックや剥離が生じ易くなり、特に熱サイ
クル試験を行った場合、短時間にリークが発生する虞が
ある。
【0015】また、本発明のヒータエレメントにおい
て、前記給電用電極棒は、特定の導電性セラミックス焼
結体で形成するのが好ましい。即ち、前記給電用電極棒
の材質としては、炭化珪素、二珪化モリブデン、ジルコ
ニア、ランタンクロマイトからなる群から選ばれた少な
くとも1種を主成分とするものを使用して形成するのが
好ましい。ここに、「主成分」とは、これらのセラミッ
クスを50重量%以上、好ましくは80重量%以上含有
することを意味する。前記給電用電極棒の材質を、上記
のような導電性セラミックス製とすれば、高熱伝導性、
耐熱性、焼結性などの点において好ましく、更に、接合
する焼結体板や封着材との関係において、熱膨張係数が
前記の範囲内にあるものを容易に選択することができる
からである。
【0016】更に、本発明のヒータエレメントにおい
て、前記焼結体板は、特定のセラミックスで形成するの
が好ましい。即ち前記焼結体板の材質としては、窒化珪
素、窒化アルミニウム、ムライト、アルミナ、コージュ
エライト、サイアロン、マグネシア、ジルコン、フォル
ステライト、ステアライトからなる群から選ばれた少な
くとも1種を主成分とするもので形成するのが好まし
い。ここに、「主成分」とは、これらのセラミックスを
50重量%以上、好ましくは80重量%以上含有するこ
とを意味する。前記焼結体板の材質を、上記のようなセ
ラミックスとすれば、耐熱性、焼結性などの点において
好ましく、更に、接合する焼結体板や封着材との関係に
おいて、熱膨張係数が前記の範囲内にあるものを容易に
選択することができるからである。
【0017】更に、本発明のヒータエレメントにおい
て、前記のガラスまたはガラスセラミックス(結晶化ガ
ラス)からなる封着材は、特定のセラミックスで形成さ
れているのが好ましい。即ち、前記のガラスまたはガラ
スセラミックスからなる封着材は、アルミノ珪酸ガラ
ス、バリウムホウ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス、ソーダ
バリウム珪酸ガラス、鉛ホウ珪酸ガラス、酸化亜鉛−酸
化硼素―シリカガラスセラミックス、亜鉛ホウケイ酸ガ
ラス、ソーダ石英ガラス、酸化イットリウム−酸化アル
ミニウム−シリカガラスからなる群から選ばれた少なく
とも1種で形成するのが好ましい。前記の封着材を、上
記のようなガラスまたはガラスセラミックスとすれば、
軟化点が高く、更に、接合する焼結体板や封着材との関
係において、熱膨張係数が前記の範囲内にあるものを容
易に選択することができるからである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、添付の図面を参照して本
発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、
この実施形態は本発明の要旨を説明するためのものであ
り、特に限定のない限り本発明を限定するものではな
い。
【0019】本発明に係わるヒータエレメントの一実施
形態を図1に示す。図1においてヒータエレメント20
は、例えば金属アルミニウム製のチャンバー1と、この
チャンバー1内に配設される導電性セラミックス焼結体
からなる発熱体素子2と、前記チャンバー1の開口部を
気密に覆う焼結体板3と、一端が前記発熱体素子2に連
結され、他端が前記焼結体板3を貫通して前記チャンバ
ー1の外に導出された導電性セラミックス焼結体からな
る給電用電極棒4を備えている。
【0020】前記導電性セラミックス焼結体製の発熱体
素子2と、前記導電性セラミックス焼結体からなる給電
用電極棒4とは、接合層5を介して連結されているか、
または、セラミックス製ナット、ワッシャー等を用いて
機械的に連結されている。この発熱体素子2の材質とし
ては、例えば炭化珪素、二珪化モリブデン、ジルコニ
ア、ランタンクロマイト等を例示することができるが、
なかでも炭化珪素が好適に使用される即ち、発熱体素子
2と給電用電極棒4とが共に炭化珪素で形成されている
場合には、特願平11-154336 に開示されているように、
Siを含む接合剤を用いて接合すれば、ヒータエレメン
トを酸化雰囲気中、不活性雰囲気中、還元雰囲気中のす
べての雰囲気において好適に使用することができる。炭
化珪素としては、高純度で金属汚染の原因とならない例
えば特許第2726694号公報に記載された、常温下
での熱伝導率が120W/m・K以上で、輻射率が0.
75以上である導電性炭化珪素材料が好適に使用され
る。
【0021】前記給電用電極棒4は、ガラスあるいはガ
ラスセラミックスからなる封着材12を介して、焼結体
板3と気密に封着されている。十分な気密性、接合強度
を得るためには、前記焼結体板3と上記封着材12との
熱膨張係数の差が2×10-6/℃以下の範囲であり、か
つ、前記給電用電極棒4と上記封着材12との熱膨張係
数の差が2×10-6/℃以下の範囲であるのが好まし
い。より好ましくは給電用電極棒4と焼結体板3との熱
膨張係数の差が1×10-6/℃以下の範囲であり、かつ
給電用電極棒4と上記ガラスあるいはガラスセラミック
ス製の封着材12との熱膨張係数の差が0.5×2×1
-6/℃以下の範囲であるのが良い。これらの範囲を外
れると、クラックや剥離が生じやすくなり、特に熱サイ
クルを繰り返した場合に、短時間にリークが発生する虞
がある。
【0022】前記給電用電極棒4の材質としては、炭化
珪素(熱膨張係数:4.0×10-6/℃)、二珪化モリ
ブデン(熱膨張係数:7.5×10-6/℃)、ジルコニ
ア(熱膨張係数:9.2×10-6/℃)、ランタンクロ
マイト(熱膨張係数:9.7×10-6/℃)からなる群
から選ばれた少なくとも1種を主成分とするものである
ことが、高熱伝導性、耐熱性、焼結性などの点において
好ましい。
【0023】また、前記焼結体板3の材質としては、窒
化珪素(熱膨張係数:3.0〜3.7×10-6/℃)、
窒化アルミニウム(熱膨張係数:3.9〜4.4×10
-6/℃)、ムライト(熱膨張係数:3.7〜5.0×1
-6/℃)、アルミナ(熱膨張係数:7.5〜8.1×
10-6/℃)、コージュエライト(熱膨張係数:2.8
×10-6/℃)、サイアロン(熱膨張係数:3.0〜
3.4×10-6/℃)、マグネシア(熱膨張係数:11
×10-6/℃)、ジルコン(熱膨張係数:2.5〜4.
8×10-6/℃)、フォルステライト(熱膨張係数:1
0.5×10-6/℃)、ステアライト(熱膨張係数:
7.8×10-6/℃)からなる群から選ばれた少なくと
も1種を主成分とするものであることが、耐熱性、焼結
性などの点において好ましい。
【0024】封着材12を形成するガラスあるいはガラ
スセラミックスの材質としては、前記給電用電極棒4と
前記焼結体板3とを気密に封着できることは勿論のこ
と、発熱体素子2の通電時に温度が上昇するため、耐熱
性を備えていることが必要であり、軟化点は400℃以
上、好ましくは600℃以上であるのが好ましい。この
ような封着材12用のガラスあるいはガラスセラミック
スとしては、例えば、アルミノ珪酸ガラス(熱膨張係
数:4〜7×10-6/℃)、バリウムホウ珪酸ガラス
(熱膨張係数:5×10-6/℃)、ホウ珪酸ガラス(熱
膨張係数:3〜5×10-6/℃)、ソーダバリウム珪酸
ガラス(熱膨張係数:5×10-6/℃)、鉛ホウ珪酸ガ
ラス(熱膨張係数:5×10-6/℃)、酸化亜鉛−酸化
硼素−シリカガラスセラミックス(熱膨張係数:3〜7
×10-6/℃)、亜鉛ホウケイ酸ガラス(熱膨張係数:
7×10-6/℃)、ソーダ石英ガラス(熱膨張係数:9
×10-6/℃)、酸化イットリウム−酸化アルミニウム
−シリカガラス(熱膨張係数:4〜6×10-6/℃)等
を例示することができる。なかでも、強度に優れること
から、酸化亜鉛(ZnO)を20〜70重量%、酸化ホ
ウ素(B23)を20〜35重量%含有する酸化亜鉛−
酸化硼素−シリカ系ガラスセラミックス(熱膨張係数:
3.5〜6.5×10-6/℃)を好適に例示することが
できる。
【0025】そして、前記のような材質で形成された給
電用電極棒4と、前記のような材質で形成された焼結体
板3、及び前記のような材質で形成された封着材12の
うちから、前記給電用電極棒4と焼結体板3との熱膨張
係数の差が2×10-6/℃以下、より好ましくは1×1
-6/℃以下の範囲とし、かつ、前記焼結体板3及び給
電用電極棒4と上記封着材12との熱膨張係数の差が2
×10-6/℃以下、より好ましくは0.5×10-6/℃
以下となるように選択するのが好ましい。
【0026】上述の封着は、酸素を含有する雰囲気中あ
るいは不活性ガス雰囲気中で行うことが好適であり、さ
らには、酸素中、窒素中、アルゴン中、もしくはこれら
の混合雰囲気中がより好適に使用できる。真空中あるい
は還元雰囲気中で行った場合、ガラスもしくはガラスセ
ラミックスが還元される等不具合が生じ、十分な気密性
を得る事ができない虞がある。ガラスもしくはガラスセ
ラミックスを用いて封着する場合の温度は軟化点に関連
し、封着処理温度は400〜1200℃の範囲が好まし
い。封着処理温度が400℃以下の場合、ガラスの流動
性が不十分であり、一方、封着処理温度が1200℃以
上となると発泡が生じやすく、気密を得ることが困難と
なる。より好ましくはガラスもしくはガラスセラミック
スの封着処理温度は500〜1100℃の範囲である。
【0027】封着する際、前記給電用電極棒4及び焼結
体板3に特別な前処理を行わなくても十分な気密性を得
る事ができる。しかし、前記給電用電極棒4が炭化珪
素、二珪化モリブデン等の非酸化物から形成されている
場合には、ガラスもしくはガラスセラミックスとの塗れ
性が悪く、気密性は得られるものの強度が不十分となる
場合がある。そのため、前記給電用電極棒4が非酸化物
で形成されている場合は、酸化雰囲気中、例えば600
〜1300℃で熱処理して給電用電極棒4の表層に酸化
物層を形成させ、その後に封着を行うと、ガラスあるい
はガラスセラミックスとの濡れ性が改善され、また酸化
物層とガラスあるいはガラスセラミックスが化学的に反
応・結合し、強固な接合が得られるので好ましい。ま
た、焼結体板3が非酸化物から形成されている場合も上
記と同様、酸化雰囲気中で熱処理し、焼結体板3の表層
に酸化物層を形成させ、その後に封着することにより、
強固な接合を得ることができる。
【0028】前記の給電用電極棒4の端部はチャンバー
1の外部に導出させる。導出された給電用電極棒4は、
該給電用電極棒4の熱膨張係数に近似した熱膨張係数を
有する給電用の金属電極部7と電気的に接続され、供給
電力の増減を行い、ヒータエレメント20の温度制御が
できるようになっている。加熱時、発熱体素子2の発熱
が給電用電極棒4に伝導し、また給電用電極棒4自身が
発熱することによって、給電用電極棒4の端部が高温と
なる。そのため、給電用金属電極も高温となる。しか
し、この実施形態に係る基板加熱装置では、給電用電極
棒4の端部をチャンバー1の外へ導出することによっ
て、金属電極部7からの金属蒸発に起因した金属汚染の
問題を考慮する必要がなくなる。また、チャンバー1外
に導出された給電用の金属電極部7を水冷、空冷などの
手段で強制的に冷却することができ、そのため給電用電
極棒4と給電用の金属電極7とを容易に接続でき、しか
も該接合部の耐久性を飛躍的に改善させることができ
る。
【0029】次に、前述のヒータエレメント20を使用
した加熱装置について説明する。前述のヒータエレメン
ト20を利用した加熱装置は特に制限はなく、加熱室を
有する全ての加熱装置に適用できる。例えば、ガス加熱
装置や基板加熱装置が挙げられる。本発明のヒータエレ
メントは、特に、高温で腐食環境を使用する加熱装置に
有効である。ガス加熱装置を例に取れば、内部をガスが
流れる管状の加熱用のチャンバーに穴を開け、本発明の
ヒータエレメントの発熱素子部を加熱用のチャンバー内
に挿入し、チャンバー外壁にヒータエレメントの焼結板
体をOリングを使用して気密にボルト締めして取り付け
る。高温、腐食性のガスにより発熱素子が劣化してきた
ならば、このヒータエレメントごと交換すればよい。ヒ
ータエレメントの交換は、ボルト締めだけなので、短時
間に極めて簡単に交換することができる。
【0030】加熱装置の他の例として、基板加熱装置を
取り上げて説明する。基板加熱装置は、加熱チャンバー
内に半導体基板等を載置するための基板支持板が配置さ
れ、この基板支持板の裏側にヒータを配置して基板を加
熱するような構造となっている。したがって、基板加熱
装置で使用する発熱体素子は、基板支持板に並列配置さ
れた平面状の発熱体素子を使用するのが好ましい。平面
状の発熱体素子を使用すれば、基板支持板を均等に加熱
することができ、基板の平面的な温度分布を均一に保つ
ことが可能となる。基板加熱装置においては、平面状の
発熱体素子を使用する以外は、ヒータエレメントの構造
は先のガス加熱装置の場合と同様でよい。基板加熱装置
へのヒータエレメントの取付方法も、先のガス加熱装置
の場合と同様で良い。高温、腐食性のガスにより発熱素
子が劣化してきたならば、このヒータエレメントごと交
換すれば良い。ヒータエレメントの交換は、ボルト締め
だけなので、短時間に極めて簡単に交換することができ
る。
【0031】
【実施例】以下、本発明の実施例と比較例を掲げ、本発
明を具体的に説明する。 (実施例1)図1に示した構造のヒータエレメントを作
製した。発熱体素子2と給電用電極棒4の材質は、常温
下での熱伝導率が175W/m・Kで、かつ、輻射率が
0.9の導電性炭化珪素焼結体を用いた。発熱体素子2
は、放電加工により厚みが3mm、幅が6mmの帯状の
発熱体が図1のように屈曲形状に形成されたものであ
る。発熱体素子全体の高さは200mm、幅は46mm
で、屈曲部分の長さは100mmとした。給電用電極棒
4の形状は直径6mm、長さ100mmの棒状とした。
焼結体板3の材質としては、窒化アルミニウム(住友大
阪セメント(株)製)を用いた。焼結体板3の直径は1
00mm、厚さ6mmとし、給電用電極棒4の貫通穴の
直径を8mmとした。給電用電極棒4,4は中心から1
8mmの位置に配置した。金属電極部7の材質は、コバ
ールとした。
【0032】発熱体素子2と給電用電極棒4の接合体
を、以下のようにして得た。珪素粉末0.7gとモリブ
デン粉末0.3gを秤量し、アクリル樹脂を溶解したα
−テルピネオールを加えて混合した後、発熱体素子2と
給電用電極棒4の接合面に塗付した。次いで発熱体素子
2と給電用電極棒4を所定の形状に組み立て、350℃
にて20分間脱脂を行い、大気圧下1500℃で30分
間熱処理することにより接合した。一方、封着材12用
のガラスセラミックスを下記のようにして作製した。酸
化亜鉛(ZnO)60gと酸化硼素(B23)25gと
シリカ(SiO2 )15gを自動乳鉢にて混合後、16
80℃の電気炉にて白金ルツボを用いて溶融した。溶融
後、水中に投下して急冷し、ガラスを得た。得られたガ
ラスは遊星ミルにてエタノール中で粉砕し、300メッ
シュ以下になるまで粉砕した。粉砕後、乾燥して組成A
の封着材(粉末、軟化点650℃)を得た。
【0033】発熱体素子2に接合された給電用電極棒4
と、焼結体板3とを下記のようにして封着した。カーボ
ン治具を用い、発熱体素子2に接合された給電用電極棒
4と、焼結体板3とをそれぞれ所定の位置に配設した。
配設後、前記封着材を給電用電極棒4と焼結体板3との
隙間に入れ、窒素雰囲気中にて速度10℃/minで9
00℃まで昇温し、900℃で30分間保持した後、速
度10℃/minにて室温まで冷却した。一方、給電用
電極棒4の端部に金属製電極部7をコバール製のボルト
17を用いて連結した。
【0034】上記のようにして製作したヒータエレメン
トについて、封着部の気密性と封着部の接合強度を評価
した。 「封着部の気密性の評価」給電用電極棒4とセラミック
ス製の焼結体板3との封着部の気密性を以下のようにし
て評価した。空気中で発熱体素子2部分の温度が110
0℃になるまで出力を調整しながら10℃/minの速
度にて昇温し、1100℃に到達後、30分間保持し、
10℃/minの速度にて室温まで降温する熱負荷サイ
クルを所定回数負荷した。負荷終了後、ヘリウムリーク
ディテクタ(日本真空技術(株)製モデルDLMS−3
3)を用いて気密性を評価した。その結果を表1に示し
た。評価基準は次のとおりである。 ○印……500サイクル後にリークなし、 △印……200サイクル後にリークあり、 ×印……10サイクル後にリークあり。
【0035】「封着部の接合強度の評価」別途、図2に
示す試験片(給電用電極棒4と焼結体板3との前記封着
材を用いて接合された接合体。寸法は前記ヒータエレメ
ント20における場合と同一)を作製し、強度測定装置
(インストロン(株)製、インストロンMZ-401)を用い
て給電用電極棒4と焼結体板3との間のガラスセラミッ
クスの破壊強度を室温、400℃にて測定した。その結
果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】(実施例2)実施例1と同様な操作を行っ
て、図1に示す構造のヒータエレメントを作製した。た
だし、発熱体素子2と給電用電極棒4との接合体を製作
後、1300℃にて1時間空気中で酸化処理して表面に
酸化膜を形成した。一方、焼結体板3も900℃にて1
時間空気中で酸化処理し、表面に酸化膜を形成し、その
後にこれらをガラス封着した。得られた基板加熱装置に
ついて実施例1と同様の性能評価をした。結果を表1に
示す。
【0038】(実施例3)焼結体板3の材質をムライト
に変え、このムライトからなる焼結体板3に対しては酸
化処理は施さなかった以外は、実施例2と同様な操作を
行って、図1に示す構造の基板加熱装置を作製した。得
られた基板加熱装置について実施例1と同様の性能評価
をした。結果を表1に示す。
【0039】(実施例4)実施例1と同様な操作を行っ
て、図1に示す構造のヒータエレメントを作製した。た
だし、封着材の組成Aを酸化亜鉛(ZnO)30gと酸
化硼素(B23)50gとシリカ(SiO2 )20g
(粉末、軟化点570℃)からなる組成Bに変更した。
得られたヒータエレメントについて実施例1と同様の性
能評価をした。結果を表1に示す。
【0040】(実施例5)実施例1と同様な操作を行っ
て、図1に示す構造のヒータエレメントを作製した。た
だし、発熱体素子2と電極棒4の材質を二珪化モリブデ
ンに、焼結体板3の材質をステアタイトに変更した。ま
た、封着ガラスセラミックの組成Aを、SiO2 (7
2.5重量%)−Al23(2重量%)−[ MgO+C
aO+BaO](12重量%)−[ Na2O+K2O ]
(13.5重量%)の組成Cを有するソーダ石灰ガラス
(旭硝子(株)製、Asahi AS、軟化点700〜750
℃)に変更した。さらに、発熱体素子2と電極棒4とは
二珪化モリブデン製のネジを用いて機械的に連結した。
得られたヒータエレメントについて実施例1と同様の性
能評価をした。結果を表1に示す。
【0041】(実施例6)実施例1と同様な操作を行っ
て、図1に示す構造のヒータエレメントを作製した。た
だし、焼結体板3の材質を窒化珪素に変更した。また、
封着ガラスセラミックの組成Aを、SiO2 (49重量
%)−Al23(10重量%)−[ MgO+CaO+B
aO ](25重量%)−[ Na2O+K2O ](0.1重
量%)の組成Dを有するバリウム硼珪酸ガラス(コーニ
ング(株)製、Corning 7059、軟化点840℃)に変更
した。得られたヒータエレメントについて実施例1と同
様の性能評価をした。結果を表1に示す。
【0042】(実施例7)実施例1と同様な操作を行っ
て、図1に示す構造の基板加熱装置を作製した。ただ
し、発熱体素子2と電極棒4の材質をランタンクロマイ
トに変更し、焼結体板3の材質をフォルステライトに変
更した。また、封着ガラスセラミックの組成Aを、Si
2 (72.5重量%)−Al23(2重量%)−[ M
gO+CaO+BaO ](12重量%)−[ Na2O+
2O ](13.5重量%)の組成Cを有するソーダ石
灰ガラス(旭硝子(株)製、Asahi AS、軟化点700〜
750℃)に変更した。さらに、発熱体素子2と電極棒
4とはランタンクロマイト製のネジを用いて機械的に連
結した。得られたヒータエレメントについて実施例1と
同様の性能評価をした。結果を表1に示す。
【0043】(実施例8)実施例1と同様な操作を行っ
て、図1に示す構造のヒータエレメントを作製した。た
だし、発熱体素子2と電極棒4の材質をジルコニアに変
更した。また、発熱体素子2と電極棒4とはジルコニア
製のネジを用いて機械的に連結した。得られたヒータエ
レメントについて実施例1と同様の性能評価をした。結
果を表1に示す。
【0044】(比較例)給電用電極棒4と焼結体板3を
Oリング(デュポン(株)製、カルレッツ)によって気
密に連結した以外は、実施例1と同様のヒータエレメン
トを作製した。得られたヒータエレメントについて実施
例1と同様にして封着部の気密性を評価した。結果を表
1に示す。
【0045】表1から明らかなように、電極棒と焼結体
板とをガラスあるいはガラスセラミックスからなる封着
材で封着すれば、加熱した際の熱応力が小さいので機密
性が保たれ、高い接合強度が得られる。特に実施例1〜
実施例7では、電極棒と封着材との間の熱膨張係数差及
び焼結体板と封着材との間の熱膨張係数差が共に2×1
―6/℃以下と小さいので、500サイクルの熱サイ
クルを与えても気密性は少しも劣化していない。実施例
8では電極棒と封着材との間の熱膨張係数差が5.7×
10―6/℃と大きいため、耐用熱サイクル回数が20
0回にやや低下している。
【0046】(実施例9)図3に示す構造の廃ガス処理
用の加熱装置を作製した。この廃ガス処理用の加熱装置
は、フロンを含有する産業廃棄物の処理や、プラスチッ
ク類を焼却する際に出る有害ガスを熱分解して処理する
ための装置に使用される。この廃ガス処理用の加熱装置
に導入された廃ガスは約450℃〜650℃に加熱され
て熱分解し、さらに改質装置で900℃〜1100℃で
水蒸気と反応させて脱ハロゲン化し、ガススクラバーで
アルカリ水を噴霧して洗浄されて無害化処理される。
【0047】図3に示すようにこの廃ガス処理用の加熱
装置40は、管状の加熱用チャンバー41内を加熱すべ
き廃ガスが流れ、このガス流の中にセラミックス焼結体
製の発熱体素子2が配置されている。発熱体素子2は本
発明になるヒーターエレメント20に組み込まれて、廃
ガス加熱装置40のチャンバー41に取り付けられてい
る。すなわち、発熱体素子2は給電用電極棒4と一体成
形されており、給電用電極棒4は封着材を介して焼結体
板3に気密に封着されており、発熱体素子2をチャンバ
ーの開口部から挿入して焼結体板3がチャンバー41の
外壁にOリング11を使用して気密に取り付けられてい
る。ヒータエレメント2と給電用電極棒4の材質は、常
温下での熱伝導率が175W/m・Kで、かつ、輻射率
が0.9の導電性炭化珪素焼結体を用いた。封着材には
熱膨張係数が3.5×10-6/℃の酸化亜鉛−酸化硼素
系のガラスを使用した。金属電極部7を電源に接続して
電力を供給すれば、発熱体素子2が発熱して廃ガスの加
熱を連続して行うことができる。
【0048】このような構成の廃ガス処理用の加熱装置
とすれば、発熱体素子2は導電性のセラミックス焼結体
からなっているので、高温の廃ガスに対してかなりの耐
食性を有している。また、長時間運転した末に発熱体素
子2が損傷してきた場合には、予め別途準備しておいた
ヒータユニット20ごと交換すれば良い。ヒータユニッ
ト20の交換は、例えばボルト(図示省略)を使用し
て、Oリング11を介して気密に締め付けるだけの極め
て単純な作業で行うことができるので、作業時間を大幅
に短縮することができた。
【0049】(実施例10)図4に示す構造の基板加熱
装置を作製した。平面状の発熱体素子2と給電用電極棒
4の材質は、常温下での熱伝導率が175W/m・K
で、かつ、輻射率が0.9の導電性炭化珪素焼結体を用
いた。発熱体素子2の形状は、厚みが3mm、直径が2
40mmであり、発熱体素子2の幅は内週部中央で24
mmとし、徐々に小さくして外周部の一番外側では6m
mとした。給電用電極棒4の形状は直径6mm、長さ3
00mmの棒状とした。焼結体板3の材質としては、窒
化アルミニウム(住友大阪セメント(株)製)を用い
た。焼結体板3の直径は100mm、厚さ6mmとし、
給電用電極棒4の貫通穴の直径を8mmとした。基板支
持板10及び脚13は透明石英製とし、ヒータケース6
は不透明石英製とした。給電用電極棒4,4は中心から
18mmの位置に配置した。金属電極部7の材質は、コ
バールとした。
【0050】発熱体素子2と給電用電極棒4の接合体
を、以下のようにして得た。珪素粉末とモリブデン粉末
を使用して、アクリル樹脂を溶解したα−テルピネオー
ルを加えて混合した接合剤を、発熱体素子2と給電用電
極棒4の接合面に塗付した。次いで発熱体素子2と給電
用電極棒4を所定の形状に組み立て、350℃にて20
分間脱脂を行い、大気圧下1500℃で30分間熱処理
することにより接合した。一方、封着材12としては軟
化点650℃のZnO−B23−SiO2 系のガラスセ
ラミックスを使用した。
【0051】発熱体素子2に接合された給電用電極棒4
と、焼結体板3とを下記のようにして封着してヒーター
エレメント20を得た。先ず、カーボン治具を用い、発
熱体素子2に接合された給電用電極棒4と、焼結体板3
とをそれぞれ所定の位置に配設した。配設後、前記封着
材を給電用電極棒4と焼結体板3との隙間に入れ、窒素
雰囲気中にて速度10℃/minで900℃まで昇温
し、900℃で30分間保持した後、速度10℃/mi
nにて室温まで冷却した。一方、給電用電極棒4の端部
に金属製電極部7をコバール製ボルトを用いて連結し
た。
【0052】上記のようにして製作したヒーターエレメ
ント20を基板加熱装置の基板支持板10の裏面に組み
込み、焼結体板3をOリング11を介してチャンバー1
の外壁にボルト17を使用して気密に取り付けて、基板
加熱装置30を完成させた。この基板加熱装置につい
て、封着部の気密性と封着部の接合強度を評価した。
「封着部の気密性の評価」基板支持板10上にシリコン
ウエハ8を載置し、金属電極部7に供給電源を接続し、
出力を調整しながら10℃/minの速度にて750℃
(ウエハ温度)まで昇温し、750℃に到達後、30分
間保持し、10℃/minの速度にて室温まで降温する
熱負荷サイクルを所定回数負荷した。負荷終了後、ヘリ
ウムリークディテクタ(日本真空技術(株)製モデルD
LMS−33)を用いて気密性を評価した。その結果、
500サイクル後にもリークは少しも認められなかっ
た。
【0053】「封着部の接合強度の評価」上記の気密性
評価終了後、強度測定装置(インストロン(株)製、イ
ンストロンMZ-401)を用いて給電用電極棒4と焼結体板
3との間のガラスセラミックスの破壊強度を室温および
400℃にて測定したところ、室温では124MPa、
400℃では105MPaと十分な強度を有していた。
【0054】このような構成の基板加熱装置とすれば、
発熱体素子2は導電性のセラミックス焼結体からなって
いるので、高温の反応ガスに対して耐食性を有している
ので装置寿命が長い。また、長時間運転した末に発熱体
素子2が損傷してきた場合には、予め別途準備しておい
たヒータユニット20ごと交換すれば良い。ヒータユニ
ット20の交換は、例えばボルト17を使用して、Oリ
ング11を介して気密に締め付けるだけの極めて単純な
作業で行うことができるので、作業時間を大幅に短縮す
ることができた。
【0055】
【発明の効果】以上のように、本発明のヒータエレメン
トは発熱体素子と給電用電極棒とを導電性セラミックス
焼結体で形成し、給電用電極棒の端部をチャンバー外へ
導出したため、発熱部が導電性セラミックスにより単に
形成加工され、異種物質の複合により形成されたもので
ないため、熱膨張係数の差に起因したクラック等が発生
することがなく耐久性に優れ、更にHIP等の装置を使
用しないため製造容易である。しかも、加熱装置への取
り付けは、Oリングを介してボルト締めするだけ出よ
く、簡単で短時間の作業で行うことができる。さらに熱
容量が小さくて急速な昇温、降温が可能となり、そのた
め半導体ウエーハなどの基板の熱処理の場合には長時間
を必要とせず、基板の熱処理の生産性を大幅に向上させ
ることが可能となることは勿論のこと、基板加熱装置を
構成する部材、例えば電極部材等から、半導体ウエーハ
等の基板の汚染源となる物資が揮発して半導体ウエーハ
等の基板を汚染することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のヒータエレメントの構造を説明する
断面図である。
【図2】 電極棒と焼結体板の接合強度を測定するため
の試験片の平面図及び断面図である。
【図3】 実施例9に示す廃ガス処理用の加熱装置の構
造を説明する断面図である。
【図4】 実施例10に示す基板加熱装置の構造を説明
する断面図である。
【図5】 従来技術における基板加熱装置の構造を説明
する断面図である。
【図6】 従来技術における加熱装置にセラミックスヒ
ータを取り付ける方法に一例を示す図である。
【符号の説明】
1,106・・・・・・チャンバー、2・・・・・・発熱体素子、3
・・・・・・焼結体板、4,104・・・・・・給電用電極棒、5・・
・・・・接合層、6・・・・・・ヒータケース、7・・・・・・金属電極
部、8・・・・・・基板、10・・・・・・基板支持板、11・・・・・・
Oリング、12・・・・・・封着材、15,115・・・・・・熱電
対、20・・・・・・ヒータエレメント、30,100・・・・・・
基板加熱装置、40・・・・・・廃ガス処理用の加熱装置、1
01・・・・・・ヒータ部、103・・・・・・凸状支持部、105
・・・・・・抵抗発熱体、108・・・・・・気密性シール部、20
3・・・・・・炉殻、205・・・・・・セラミックスヒータ、20
6・・・・・・耐熱性絶縁材、208,224・・・・・・耐熱性絶
縁材、209,223・・・・・・アルミナファイバー、22
1・・・・・・給電端子、225・・・・・・絶縁性シール材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渋川 和典 千葉県市川市二俣新町22−1 住友大阪セ メント株式会社新材料事業部内 (72)発明者 井上 克郎 千葉県市川市二俣新町22−1 住友大阪セ メント株式会社新材料事業部内 (72)発明者 村上 嘉彦 千葉県市川市二俣新町22−1 住友大阪セ メント株式会社新材料事業部内 Fターム(参考) 3K092 PP09 QA01 QB03 QB04 QB12 QB13 QB24 QB45 QB74 QC02 QC13 QC18 QC38 RA05 RC02 VV03 VV40 5F046 KA04

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、通電により発熱する導電性
    セラミックス焼結体製の発熱体素子と、チャンバーの開
    口部を気密に覆って前記発熱体素子をチャンバー内に取
    り付けるためのセラミックス製の焼結体板と、一端が前
    記発熱体素子に連結され他端が前記焼結体板を貫通して
    前記チャンバー外に導出された導電性セラミックス焼結
    体製の給電用電極棒とを備えるとともに、前記焼結体板
    と前記給電用電極棒とはガラスまたはガラスセラミック
    スからなる封着材で気密に封着されてなることを特徴と
    するヒータエレメント。
  2. 【請求項2】 前記給電用電極棒と前記封着材との熱膨
    張係数の差が2×10-6/℃以下であり、かつ、前記セ
    ラミックス製の焼結体板と前記封着材との熱膨張係数の
    差が2×10-6/℃以下であることを特徴とする請求項
    1又は請求項2に記載のヒータエレメント。
  3. 【請求項3】 前記発熱体素子と前記給電用電極棒と
    が、接合剤による連結又は機械的連結により予め一体成
    形されてなることを特徴とする請求項1又は請求項2に
    記載のヒータエレメント。
  4. 【請求項4】 前記発熱体素子と前記給電用電極棒と
    が、同一材料にて予め一体成形されてなることを特徴と
    する請求項1又は請求項2に記載のヒータエレメント。
  5. 【請求項5】 前記給電用電極棒の材質が、炭化珪素、
    二珪化モリブデン、ジルコニア、ランタンクロマイトか
    らなる群から選ばれた少なくとも1種を主成分とするも
    のであることを特徴とする請求項1から請求項4のいず
    れか1項に記載のヒータエレメント。
  6. 【請求項6】 前記セラミックス製の焼結体板の材質
    が、窒化珪素、窒化アルミニウム、ムライト、アルミ
    ナ、コージュエライト、サイアロン、マグネシア、ジル
    コン、フォルステライト、ステアライトからなる群から
    選ばれた少なくとも1種を主成分とするものであること
    を特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記
    載のヒータエレメント。
  7. 【請求項7】 前記封着材が、アルミノ珪酸ガラス、バ
    リウムホウ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス、ソーダバリウ
    ム珪酸ガラス、鉛ホウ珪酸ガラス、酸化亜鉛−酸化硼素
    −シリカガラスセラミックス、亜鉛ホウケイ酸ガラス、
    ソーダ石英ガラス、酸化イットリウム−酸化アルミニウ
    ム−シリカガラスからなる群から選ばれた少なくとも1
    種であることを特徴とする請求項1から請求項6のいず
    れか1項に記載のヒータエレメント。
  8. 【請求項8】 少なくとも加熱用のチャンバーと該チャ
    ンバー内に配置された加熱用の発熱体を具備し、該発熱
    体として請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の
    ヒータエレメントを用いた加熱装置であって、前記セラ
    ミックス製の焼結板がオーリング(Oリング)を介して
    加熱装置本体チャンバーの外壁に気密に取り付けられて
    いることを特徴とする加熱装置。
  9. 【請求項9】 少なくとも加熱用のチャンバーと、該チ
    ャンバー内に配置された基板支持台と、該基板支持台の
    裏面に配置された平板状の発熱体とを具備し、該平板状
    の発熱体として請求項1から請求項7のいずれか1項に
    記載のヒータエレメントを用いた基板加熱装置であっ
    て、前記セラミックス製の焼結板がオーリング(Oリン
    グ)を介して基板加熱装置本体チャンバーの外壁に気密
    に取り付けられていることを特徴とする基板加熱装置。
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