JP2004363335A - 半導体あるいは液晶製造装置用保持体およびそれを搭載した半導体あるいは液晶製造装置 - Google Patents
半導体あるいは液晶製造装置用保持体およびそれを搭載した半導体あるいは液晶製造装置 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】セラミックスヒータの上に、Siを主成分とする保持部を備える構造にすれば、保持面の均熱性を向上させ、パーティクル等の発生を抑制することができる。更に、少なくとも被処理物保持面をコーティングすれば、耐久性を向上させることができる。このような保持体を半導体製造装置や液晶製造装置に搭載することにより、生産性や歩留りの良い半導体あるいは液晶製造装置を提供することができる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマCVD、減圧CVD、メタルCVD、絶縁膜CVD、イオン注入、エッチング、Low−K成膜、DEGAS装置などの半導体製造装置あるいは、液晶製造装置に使用される保持体、更にはそれを搭載した半導体あるいは液晶製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体あるいは液晶の製造工程では、被処理物である半導体基板あるいは液晶用ガラスに対して成膜処理やエッチング処理など様々な処理が行われる。このような半導体基板あるいは液晶用ガラスに対する処理を行う処理装置では、半導体基板あるいは液晶用ガラスを保持し、半導体基板あるいは液晶用ガラスを加熱するためのセラミックスヒータが用いられている。
【0003】
このような従来のセラミックスヒータは、例えば特開平4−78138号公報に開示されている。特開平4−78138号公報に開示されたセラミックスヒータは、抵抗発熱体が埋設され、容器内に設置され、ウェハー加熱面が設けられたセラミックス製のヒータ部と、このヒータ部のウェハー加熱面以外の面に設けられ、前記容器との間で気密性シールを形成する凸状支持部と、抵抗発熱体へと接続され、容器の内部空間へと実質的に露出しないように容器外へ取り出された電極とを有する。
【0004】
この発明では、それ以前のヒータである金属製のヒータで見られた汚染や、熱効率の悪さの改善が図られているが、半導体基板の温度分布については触れられていない。しかし、半導体基板の温度分布は、前記様々な処理を行う場合に、歩留りに密接な関係が生じるので重要である。そこで、例えば特開2001−118664号公報では、セラミック基板の温度を均一化することができるセラミックヒータが開示されている。この発明では、セラミック基板面の最高温度と最低温度の温度差は、数%以内であれば、実用に耐えるとされている。
【0005】
しかし、近年の半導体基板あるいは液晶用ガラスは大型化が進められている。例えば、半導体基板であるシリコン(Si)ウェハでは、その直径が8インチから12インチへと移行が進められている。また、液晶用ガラスでは、例えば1500mmx1800mmという非常に大型化が進められている。この半導体基板あるいは液晶用ガラスの大口径化に伴って、セラミックスヒータの被処理物保持面(加熱面)の温度分布は、±1.0%以内が必要とされるようになり、更には、±0.5%以内が望まれるようになってきた。
【0006】
セラミックスヒータの保持面の均熱性を向上させる方法として、熱伝導率の高いセラミックスを用いることがある。セラミックスの熱伝導率が高ければ、抵抗発熱体で発熱した熱が、セラミックスの内部を拡散しやすく、保持面の均熱性を高めることができる。
【0007】
抵抗発熱体を発熱させるには、通電するので、セラミックスは、電気的に絶縁体である必要がある。しかし、絶縁性のセラミックスで、熱伝導率の高いものは、限られており、例えば、熱伝導率2000W/mKのダイヤモンドや500W/mKのc−BN(立方晶型窒化ホウ素)等があるが、いずれも超高圧高温の条件でしか得られない材料であり、非常に高価で、製造可能な大きさにも限界があるので、本発明の目的とするセラミックスヒータには用いることができない。
【0008】
また、一般的に用いられるAl2O3、AlN、Si3N4、SiC等のセラミックスでは、均熱性を向上させるために、その厚みを厚くすればよいが、厚みを厚くすると昇温や降温の速度が遅くなり、いわゆるスループットを上げることができないので、生産性が悪くなるという問題があった。
【0009】
また、セラミックスは、融点が非常に高いか融点を有さない材料もあるので、金属のように融解して鋳込んだり、ブロックを灼熱して圧延したりすることが困難である。従って、厚みを厚くしたり、直径を200mm以上と大きくしようとすれば、セラミックスのコストが飛躍的に上昇してしまうという問題もあった。更に、これらセラミックスは、脆性材料であるので、局所的に熱応力が加わると破壊するという問題もあった。
【0010】
更に、前記均熱性の他に、半導体あるいは液晶製造装置では、前記各種処理を行う際に、金属不純物のコンタミや粒子状のゴミ(パーティクル)が発生すれば、製造する半導体や液晶の品質に重大な悪影響をおよぼすので、前記コンタミやパーティクルの発生は極力抑えなければならないという問題もあった。
【0011】
【特許文献1】
特開平04−078138号公報
【特許文献2】
特開2001−118664号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものである。すなわち、本発明は、半導体ウェハあるいは液晶用ガラスの表面の均熱性を高め、コンタミやパーティクルの発生がほとんどなく、安価で生産効率の良い半導体あるいは液晶製造装置用保持体およびそれを搭載した半導体あるいは液晶製造装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の半導体あるいは液晶製造装置用保持体は、セラミックスヒータの上に、シリコン(Si)を主成分とする保持部を載置したことを特徴とする。また、本発明の半導体あるいは液晶製造装置用保持体は、前記Siを主成分とする保持部あるいは前記セラミックスヒータのいずれかまたは両方を支持する支持部を有することが好ましい。更に、少なくとも被処理物保持面がコーティングされていることが好ましい。更に、前記Siを主成分とする保持部を、電極として機能させてもよい。
【0014】
以上のような保持体が搭載された半導体あるいは液晶製造装置であることが好ましい。このような半導体あるいは液晶製造装置は、被処理物であるウェハや液晶用ガラスの表面の温度が従来のものより均一になり、コンタミやパーティクルの発生もほとんどないので、歩留りよく、品質の高い半導体あるいは液晶表示装置を製造することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
Siを主成分とする保持部(以後、Si保持部)は、Siを溶解して鋳込むことにより製造することができるので、大型化が容易であり、セラミックスなどに比べてコストも安価である。従って、Siを半導体あるいは液晶製造装置の保持体とすれば、保持面の均熱性を得ることが容易である。しかし、Siは、導電性であるため、Siの上に導電層を形成することができない。
【0016】
そこで、図1に示すように、セラミックスヒータ2の上に、Si保持部1を載置したものを前記保持体とすれば、被処理物wの表面の均熱性を大幅に向上することができ、しかも保持体のコストを安価にできることを見出した。更に、300℃以上の高温での耐熱性に優れている。特に、Siウェハーを処理する場合は、被処理物を汚染する心配がなくなる。
【0017】
Si保持部の被処理物保持面の平面度は500μm以下、面粗さはRaで3μm以下であれば、被処理物を均一に加熱することができ、被処理物表面の温度分布を±1.0%以下にすることができるので、好ましい。
【0018】
また、Si保持部の直径は、200mm以上であれば、大型の半導体ウェハや液晶用ガラスに対応でき、本発明の効果が顕著であるので好ましい。更に、厚みは、50mm以下にすることが望ましい。厚みを50mm以下にすれば、急速な昇温や降温が可能となり、また保持面の均熱性も向上するからである。
【0019】
また、本発明の保持体を設置した装置内を一度真空引きしてから使用する場合は、該保持体からのガスの発生により、真空引きの時間が長くなることを防ぐために、Si保持体の吸水率は0.01%以下であることが好ましい。吸水率が0.01%を超えると、真空引きに要する時間が長くなり、設備の稼動率が低下し、生産効率が悪くなる。
【0020】
Si保持部は、単結晶Siを用いれば、不純物が少ないものや熱伝導率が高いものが得られやすいので好ましい。また、多結晶Siを用いれば、劈開による破損の恐れが少なくなるので、信頼性の観点からは好ましく、引き上げ法等による単結晶化の工程が省略できるので、コストの観点からも多結晶の方が好ましい。
【0021】
Si保持部の下に用いるセラミックスヒータは、導電性のセラミックスの場合には、電極を取り付けてセラミックス自体を発熱させてもよい。絶縁性のセラミックスの場合には、図1(a)に示すように、抵抗発熱体回路3をセラミックス中に埋設したものでもよいし、図1(b)に示すように、Si保持部を載置する面とは反対側の面5に抵抗発熱体回路3を形成してもよい。図1(b)のように表面に抵抗発熱体を形成する場合は、抵抗発熱体の保護と劣化防止のために、その上に絶縁性コーティングを施すことが好ましい。
【0022】
セラミックスヒータのセラミックスとしては、耐熱性の観点から、Al2O3、AlN、SiC、BN、Si3N4、サイアロンのうち少なくとも1種であることが望ましい。特に、AlNあるいはSiCは熱伝導率や耐食性に優れているので好ましい。中でもAlNは特に耐食性に優れているので好ましい。
【0023】
抵抗発熱体の材質は、W、Mo、Pt、Pd,Ag、Ni、Crから選ばれる少なくとも1種類を主成分とすることが望ましい。耐熱性の観点からは、WあるいはMoから選ばれる少なくとも1種類を主成分とすることが好ましく、Wは融点が高いので特に好ましい。また、耐食性の観点からは、Pt、Pd,Ag、Ni、Crから選ばれる少なくとも1種類を主成分とすることが好ましく、PtあるいはPdは特に耐食性に優れているので好ましい。
【0024】
このようなセラミックスヒータの上に、Si保持部を備えることにより、均熱性に優れ、コンタミやパーティクルの発生の少ない半導体あるいは液晶製造装置用保持体とすることができる。
【0025】
しかし、セラミックスヒータとSi保持部との間に、隙間が存在すると、セラミックスヒータで発生した熱が、Si保持部へ、有効に伝達できなくなる。そこで、セラミックスヒータをSi保持部に機械的に結合することが望ましい。機械的結合としては、ネジが簡便であるが、嵌め合せやバネを用いることもできる。バネの場合は、高温でのバネ定数が低下しにくいセラミックス製であることが好ましい。また、セラミックスヒータとSi保持部の熱膨張係数を合わせることにより、化学的に接着することもできる。接着すれば、セラミックスヒータとSi保持部との間の密着性が向上するので、セラミックスヒータで発生した熱が効率良くSi保持部へ伝達され、Si保持部の被処理物保持面の均熱性が向上する。
【0026】
以上のように、セラミックスヒータの上にSi保持部を備えた構造の保持体を、半導体あるいは液晶製造装置のチャンバー20内に直接搭載してもよい。しかし、該保持体をチャンバー20内に直接搭載すると、セラミックスヒータで発生した熱が、チャンバーにも伝わるので、熱効率が悪くなったり、チャンバーが過度に加熱されて不具合が発生することがあるので、支持部を設けることが好ましい。
【0027】
支持部は、Si保持部あるいはセラミックスヒータのいずれかの少なくとも一部を支持してもよいし、両方の少なくとも一部を支持してもよい。支持部6の具体的な一例を図2から図7に示す。図2に示すように、Si保持部1を支持部6で支持し、チャンバー20内に設置する。支持部6の内部に、給電用電極7や熱電対8を設置する。支持部6とチャンバー20は、図3や図4に示すようにO−リング9を介して気密封止してもよい。また、ボルト等で固定してもよい。
【0028】
支持部の半導体あるいは液晶製造装置と接する部分の温度は、セラミックスヒータの温度より低いことが望ましい。支持部と、Si保持部あるいはセラミックスヒータとは、必ずしも固定する必要はなく、支持部の上に、Si保持部あるいはセラミックスヒータを載置するだけでもよい。しかし、支持の信頼性を高めるためには、固定することが望ましい。
【0029】
固定する方法としては、ネジ、圧入、かしめ、埋込、バネあるいは弾性ボードなどによる機械的圧接を用いることができる。
【0030】
特に、腐食性ガスを使用する場合には、支持部内に設置される給電用電極7や熱電対8などを腐食性ガスによる腐食から防止するために、Si保持部あるいはセラミックスヒータと支持部とを気密シールすることが望ましい。気密シールの方法としては、部分溶着、ガラス接合、ロウ付け、嵌め合わせ、拡散接合、摩擦圧接、溶接などを用いれば、気密性の信頼性が向上する。特に部分溶着、ガラス接合、ロウ付け、嵌め合わせ、拡散接合の方法を用いれば、接合部の気密性は、Heリーク試験で、1.0x10−9Pa・m3/s以下にできるので好ましい。
【0031】
気密シールを行う場合は、Si保持部あるいはセラミックスヒータの熱膨張係数と、支持部の熱膨張係数は、近いほど良いが、熱膨張係数の差が、6x10−6/℃以下である材質が好ましい。
【0032】
熱膨張係数の差が、6x10−6/℃を超えると、Si保持部あるいはセラミックスヒータと支持部の接合部付近にクラックなどが発生したり、接合時にクラックが発生しなくても、繰り返し使用しているうちに接合部に熱サイクルが加わり、割れやクラックが発生することがある。例えば、セラミックスヒータがAlNの場合、支持部の材質は、AlNが最も好適であるが、窒化珪素や炭化珪素あるいはムライト等が使用できる。Si保持部と接合する場合は、支持部の材質はSiが最適である。
【0033】
また、腐食性ガスを使用する場合は、Si保持部や支持部やこれらの接合部が、腐食性ガスに曝されるので、腐食する可能性がある。この腐食を防止するために、図6に示すように、少なくとも被処理物保持面を腐食性ガスに対する耐食性に優れたコーティング10を施すことが好ましい。コーティングとしては、Si、SiO2、SiC、AlN、ダイヤモンド状カーボン(DLC)、ダイヤモンド、サファイヤ(Al2O3)、フッ化アルミニウム、グラファイトが好ましい。
【0034】
また、図7に示すように、腐食性ガスに対する耐食性の高い部材11によって、Si保持部1とセラミックスヒータ2を覆ってもよい。このような部材としては、Si、SiO2、SiC、AlN、サファイヤ(Al2O3)、フッ化アルミニウム、グラファイトの他に、ガラス状カーボンを用いることができる。
【0035】
また、本発明のSi保持部は、導電性であるので、Si保持部を電極として用いることができる。例えば、プラズマを発生させるための高周波電極とすれば、従来の保持体のようにセラミックス基体の内部に抵抗発熱体とは別の高周波電極を設ける必要がなくなるので、保持体のコストを低減することができる。また、Si保持部を電極とした場合、給電用端子の取付位置の制約がないので、装置設計の自由度が上がるという利点もある。また、前記支持部を有する場合は、支持部もSiにすれば、支持部のチャンバー側の端部付近に給電用端子を設ければ、給電用のリード線を設ける必要がなくなるので、コスト低減を図ることができる。
【0036】
また、本発明の保持体を半導体装置に組み込んで、半導体ウェハを処理することができる。本発明の保持体は、ウェハ保持面の温度が均一であるので、ウェハの温度分布も従来より均一になるので、形成される膜や熱処理等に対して、安定した特性を得ることができる。
【0037】
また、本発明の保持体を液晶製造装置に組み込んで、液晶用ガラスを処理することができる。本発明の保持体は、液晶用ガラスの保持面の温度が均一であるので、液晶用ガラス表面の温度分布も従来より均一になるので、形成される膜や熱処理等に対して、安定した特性を得ることができる。
【0038】
【実施例】
実施例1
市販の直径400mm、厚み10mmの多結晶Si製のSi保持部を用意した。このSi保持部の被処理物保持面を研磨して、保持面の平面度を0.03mm、面粗度をRa0.1μmに仕上げた。このSi保持部の吸水率は、0.00%であった。また、このSi保持部のヤング率は159GPaであり、熱膨張係数(α)は2.6x10−6/℃、熱伝導率(κ)は168W/mKであった。
【0039】
また、Al2O3、AlN、SiC製のセラミックスヒータを用意した。各セラミックス焼結体にW製の発熱回路パターンを作製し、別のセラミックス焼結体を積層し、ホットプレスを用いて接合することにより、抵抗発熱体が埋設されたセラミックスヒータを得た。セラミックスヒータの外径は、350mmで、厚みは10mmに仕上げた。
【0040】
なお、前記各セラミックスのグリーンシートを作製し、Wペーストを用いて発熱体回路パターンをグリーンシート上に形成した後、他のグリーンシートを積層し、焼結する方法でも、抵抗発熱体が埋設されたセラミックスヒータを得ることができる。各セラミックスヒータの熱膨張係数(α)と熱伝導率(κ)を表1に示す。
【0041】
このセラミックスヒータ2を前記Si保持部1にセラミックス製のネジ(図示せず)を用いて固定した。更に、図3に示すように、Si保持部にSi多結晶製の支持部6をガラス接合した。このような保持体及び支持部を、半導体製造装置のチャンバー20内にボルトで固定した。支持部の底面とチャンバーとの間はO−リングを用いて気密シールした。
【0042】
このように設置した後、チャンバー内を真空にした。真空引きは、5分間で1.3Pa(0.01torr)に到達した。更に真空引きを行いながら,Arを流してチャンバー内を13.3kPa(100torr)の減圧にして、前記抵抗発熱体に200Vの電力を供給して、保持面を800℃に加熱した。
【0043】
保持面の均熱性をウェハ温度計を用いて測定した。また、この保持体を室温から800℃まで昇降温を500回繰り返すヒートサイクル試験した。均熱性の測定結果と10個の保持体を用いたヒートサイクル試験でクラックやパーティクルの発生などの問題があった保持体の数を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
表1から、いずれのセラミックスヒータを用いても、均熱性が±0.5%以内であり、ヒートサイクル試験で10個中10個ともクラックやパーティクルの発生がないことが判る。また、比較として、円盤状のステンレスヒータを用いた場合は、ヒートサイクル試験で、10個中8個の保持体で、Si保持体とステンレスヒータの連結部分においてSi保持部にクラックが発生した。また、均熱性も±3.0%と極端に悪かった。これらのことより、Si保持部あるいはセラミックスヒータと支持部との熱膨張係数の差は、6x10−6/℃以下であると、ヒートサイクル試験でクラックなどの問題の発生が抑えられることが判る。
【0046】
実施例2
抵抗発熱体の材質をMoにしたこと以外は、実施例1と同様に保持体を作製し、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表2に示す。なお、真空引きの時間は、実施例1と同じ5分間であった。
【0047】
【表2】
【0048】
実施例3
実施例1と同じSi保持体とセラミックスヒータを用いた。実施例1と同様に支持部を接合した後、被処理物保持面及び接合部を含む全面に、SiO2を30μmの厚さに溶射によりコーティングした。これを実施例1と同様にチャンバー内に設置し、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表3に示す。なお、真空引きの時間は、実施例1と同じ5分間であった。
【0049】
【表3】
【0050】
実施例4
Si保持部の大きさを表4に示す直径で、厚さ20mmとし、セラミックスヒータの外径をSi保持部の直径より50mm小さくした以外は、実施例3と同様にして、図6に示す形状の保持体を作成した。実施例1と同様に800℃での均熱性評価とヒートサイクル試験を行った。その結果を表4に示す。なお、1.3Paまでの真空引きに要した時間は、5分間であった。
【0051】
【表4】
【0052】
保持体の直径が小さくなれば、均熱性が向上することが判る。
【0053】
実施例5
Si保持部の大きさを直径400mmで、表5に示す厚さとした以外は、実施例3と同様にして、図6に示す形状の保持体を作成した。実施例1と同様に800℃での均熱性評価とヒートサイクル試験を行った。また、800℃に到達するまでの時間も測定した。その結果を表5に示す。なお、1.3Paまでの真空引きに要した時間は、5分間であった。
【0054】
【表5】
【0055】
表5より、Si保持部の厚みが厚くなると、均熱性は向上するが、投入電力が同じであれば、800℃に到達するまでの時間が、長くなるので、生産性が悪くなる。従って、Si保持部の厚みは、50mm以下が好ましいことが判る。
【0056】
実施例6
実施例1で用いたのと同じSi保持部ならびにAlNセラミックスヒータを用意した。Si保持部の保持面の平面度及び面粗度を表6に示すように仕上げた。これらのSi保持部とAlNセラミックスヒータを用いて、実施例3と同様に図6の形状に仕上げた。これらの保持体を実施例1と同様に、800℃での均熱性評価とヒートサイクル試験を行った。その結果を表6に示す。なお、真空引きは、実施例1と同様5分間で1.3Pa(0.01torr)に到達した。
【0057】
【表6】
【0058】
表6より、保持面の平面度を0.5mm以下にすれば、保持面の均熱性を±0.5%以下にすることができることが判る。また、保持面の面粗さを3μm(Ra)にすれば、保持面の均熱性を±1.0%以下にすることができることが判る。
【0059】
実施例7
表面の面粗度(Rmax)を変えることにより、吸水率が0.01%と0.03%で、直径400mm、厚さ10mmのSi保持部を得た。これらのSi保持部とAlNセラミックスヒータを用いて、実施例3と同様に図6の形状の保持体を作製した。実施例3と同様に800℃での均熱性評価とヒートサイクル試験を行った。
【0060】
その結果、吸水率0.01%のSi保持部を用いたサンプル(No.24)では、1.3Paまで真空引きするのに30分必要であった。また、吸水率0.03%のもの(No.25)では、1時間必要であった。吸水率が大きくなるほど、Si保持部からガスが発生しやすくなるので、真空引きに要する時間が長くなることが判った。
【0061】
また、800℃での均熱性は、どちらも±0.6%であり、吸水率0.00%の場合よりは、均熱性に劣っていた。ヒートサイクル試験では、どちらも、10個中10個にクラックやパーティクルの発生はなかった。
【0062】
実施例8
実施例3で用いたのと同じSi保持部とAlNセラミックスヒータを用いて、図6の形状に仕上げた。ただし、コーティング材質を表7に示すものにした。コーティング手段は全て溶射で行った。
【0063】
これらの保持体を、チャンバー内に設置し、保持体を500℃に加熱した状態で、腐食性ガス(CHF3:O2=4:1)を1時間供給した。その結果、Si保持部と支持部とのガラス接合部が、腐食(エッチング)されていた。そのエッチング深さを表7に示す。なお、表7において、コーティング欄が“−”は、コーティングしていないことを示す。
【0064】
【表7】
【0065】
表7から判るように、コーティングを施すことによって、エッチングされにくくなるが、AlF3やDLC(ダイヤモンド状カーボン)やダイヤモンドのように耐食性の高い材質をコーティングした方が、耐食性は向上する。また、実施例3と同様に、800℃での均熱性評価とヒートサイクル試験を行ったところ、均熱性は、いずれも±0.5%以下であり、10個の保持体をヒートサイクル試験して、10個全ての保持体に剥離やクラックは発生しなかった。
【0066】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、セラミックスヒータの上に、Siを主成分とする保持部を備えた構造の保持体にすれば、保持面の均熱性を高め、パーティクルなどの発生を抑制することができる。前記セラミックスヒータあるいはSi保持部を支持する支持部を有することが好ましい。更に、少なくとも被処理物保持面をコーティングすれば、耐久性を向上させることができる。このような保持体を半導体製造装置や液晶製造装置に搭載することにより、生産性や歩留りの良い半導体あるいは液晶製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の保持体の断面構造の一例を示す。
【図2】本発明の保持体の断面構造の他の一例を示す。
【図3】本発明の保持体の断面構造の他の一例を示す。
【図4】本発明の保持体の断面構造の他の一例を示す。
【図5】本発明の保持体の断面構造の他の一例を示す。
【図6】本発明の保持体の断面構造の他の一例を示す。
【図7】本発明の保持体の断面構造の他の一例を示す。
【符号の説明】
1 Si保持部
2 セラミックスヒータ
3 発熱体回路
4 被処理物保持面
5 ヒータ面
6 支持部
7 電極
8 熱電対
9 O−リング
10 コーティング
20 チャンバー
Claims (5)
- セラミックスヒータの上に、シリコンを主成分とする保持部を備えたことを特徴とする半導体あるいは液晶製造装置用保持体。
- 前記シリコンを主成分とする保持部あるいは前記セラミックスヒータのいずれかまたは両方を支持する支持部を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体あるいは液晶製造装置用保持体。
- 少なくとも被処理物保持面がコーティングされていることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の半導体あるいは液晶製造装置用保持体。
- 前記シリコンを主成分とする保持部が、電極として機能することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の半導体あるいは液晶製造装置用保持体。
- 請求項1乃至4のいずれかの保持体が搭載されたことを特徴とする半導体あるいは液晶製造装置。
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