JP3941542B2 - セラミックスと金属の気密接合構造及び該構造を有する装置部品 - Google Patents

セラミックスと金属の気密接合構造及び該構造を有する装置部品 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セラミックスと金属の間を気密に接合する構造に関し、特に半導体又は液晶製造装置においてO−リング等では耐えられない高温に曝される部分での使用に適した気密接合構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
シリコンウエハ上でエッチングや成膜を行う場合、反応制御性に優れた枚葉式の半導体製造装置が一般に使用されている。半導体ウエハはセラミックス製や金属製の保持体の表面上に載せて、そのまま静置したり、機械的に固定したり、又は保持体に内蔵した電極に電圧を付加して静電力によってチャックしたりして、保持体上に固定される。
【0003】
保持された半導体ウエハは、CVD(Chemical Vapor Depossition)、プラズマCVD等により成膜され、あるいはプラズマエッチング等によってエッチングされるが、その際の成膜速度やエッチング速度を均一に維持するために温度が厳密に制御される。その厳密な温度制御のために、保持体に内蔵したヒータによって保持体を加熱し、その表面からの伝熱によって半導体ウエハを加熱するようになっている。尚、保持体は絶縁性で且つ耐食性の高い材料、例えばセラミックス等で構成される必要がある。
【0004】
この反応を行う半導体製造装置のチャンバーについては、高温下で反応ガスを流して圧力及び分圧を厳密に制御する必要があるため、高温の箇所において、大気圧、減圧あるいは真空状態を相互に完全に分離する気密封止が要求される箇所が多い。
【0005】
その場合、150℃以下の箇所は耐熱性のゴムを用いたO−リングでの封止が可能であるが、それ以上の高温となる箇所ではO−リング封止は難しい。そのため、150℃以上の高温となる箇所では、耐熱性材料からなる部材を延長して封止箇所を低温部に移し、そこでO−リング封止を行っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、O−リングによる気密封止は簡便且つ安価で信頼性も高いが、O−リングにはゴムや樹脂が用いられるため、耐熱性の材料を用いても耐熱温度は精々200℃が上限である。ところが、半導体製造装置や液晶製造装置における成膜やエッチングは200℃以上の反応温度が必要なことが多く、中でも成膜に用いるCVDやプラズマCVDでは500〜800℃という高温が用いられることが多い。
【0007】
そのため、半導体製造装置や液晶製造装置のチャンバーでは、O−リングで気密封止を行うことを前提に設計を行うと、高温部から低温部まで耐熱素材を延長して封止箇所を移し、且つその封止箇所を水冷して200℃以下に維持する必要がある。その結果、高温部から低温部まで封止箇所を延長するための耐熱素材を内部に収めるチャンバーは、非常に無駄な空間を残した大型構造なものにならざるを得なかった。このような事情は半導体製造装置だけでなく、液晶製造装置においても同様であった。
【0008】
例えば、ウエハや液晶のような被処理物を保持して加熱する保持体は、保持部を500〜800℃に加熱する必要があるが、このような高温ではO−リング封止が不可能である。そこで、保持体に耐熱素材からなる300mm程度の長いシャフトの一端を取付け、シャフトの他端を水冷して200℃以下になる箇所でO−リング封止を行っていた。尚、このシャフト内には、保持部に内蔵したヒータに系外から電力を供給する引き出し線が収納されることが多い。
【0009】
そこで、半導体製造装置や液晶製造装置においては、そのチャンバーを小型化するために、O−リング封止が可能な200℃よりも遥かに高温の箇所において、信頼性の高い気密封止を行う技術が求められていた。この場合に必要とされる気密状態は、Heリークで少なくとも10−8Pa・m/s未満であり、更に望ましくは10−9Pa・m/s未満が求められている。
【0010】
一般に、電子部品においては、セラミックスと金属端子を接合したり、気密封止したりすることが行われている。具体的には、セラミックスをWメタライズした後にNiメッキやAuメッキして、Ag−Cu系のロウ材でロウ付けしたり、Ti−Cu−Ag等の活性金属を用いて接合したりして、セラミックスと金属を気密封止している。しかし、半導体製造装置や液晶製造装置においては、Cu、Ag、Auは極微量でも製品に対する不純物としても嫌われるため、封止用の材料としても全く使用することは許されない。
【0011】
また、ガラス封止も用いられ、セラミックスと金属の接合部をガラスで肉盛りしたり又はメニスカスを形成したりして接合がなされていた。しかしながら、このようなガラス封止は、電子部品のような精々数mmのリードフレーム接合や、数mm角程度のパッケージ封止が限界であった。しかも、半導体製造装置や液晶製造装置のチャンバーでは腐食ガスに対してガラスが剥き出しになるため、ガラス封止の耐久性に問題があった。
【0012】
本発明は、このような従来の事情に鑑み、O−リングでは耐えられない200℃を超えるような高温に曝される部分においても、セラミックスと金属の間を気密に接合することができ、特に半導体製造装置や液晶製造装置のチャンバーで使用される部品等の大型の装置部品への適用が可能な、セラミックスと金属の気密接合構造を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明が提供するセラミックスと金属の気密接合構造は、外周部に溝を形成した筒状のセラミックス部材と、セラミックス部材の溝内に挿入されたリング状の金属板と、金属板の挿入部の少なくとも一部を包み込むように溝内に充填されたガラスとからなり、セラミックス部材と金属板との間が気密に接合されていることを特徴とするものである。
【0014】
また、本発明は、上記セラミックスと金属の気密接合構造において、前記セラミックスとガラスの熱膨張率の差が5×10−6/℃以下であることを特徴とするものである。
【0015】
更に、本発明においては、前記ガラスが結晶化ガラスであることを特徴とする。前記セラミックス部材は、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化アルミニウムから選ばれた材料で構成されることを特徴とする。前記金属板は、タングステン若しくはモリブデン、又はそれらの金属にメッキ処理を施した材料で構成されることを特徴とする。
【0016】
本発明は、上記したセラミックスと金属の気密接合構造を有することを特徴とする半導体製造装置用又は液晶製造装置用の部品を提供するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
半導体製造装置や液晶製造装置等に用いることが可能な大型部品について、高温における高信頼性の気密接合を行う場合、わずか一箇所でのリークも許されない。従って、小さな電子部品の接続の場合と同様に、大型のセラミックス部材に金属板の端部を重ねてガラスをその部分に肉盛りしたり、セラミックス部材に金属板の端を垂直にあてがってガラスでメニスカスを形成したりして接合しても、信頼性の高い気密接合を得ることは難しい。
【0018】
本発明においては、大型のセラミックス部材の一端外周部を研削して薄肉とし、その研削部分にリング状の金属板を挿入すると共に、金属板の挿入部の少なくとも一部が、好ましくは両平面、更には両側面や端面を含めた全表面が包み込まれるように、溝内にガラスを充填する。このようにして、外周部に溝を形成した筒状のセラミックス部材と、セラミックス部材の溝内に挿入されたリング状の金属板と、金属板の挿入部の少なくとも一部を包み込むように溝内に充填されたガラスとからなる信頼性の高い気密接合が達成できる。
【0019】
セラミックス部材に金属板の端を重ねてガラスを肉盛りした場合は、金属板に押し付けの力が働いたときはセラミックスの反作用で耐えることができるが、引っ張りの力が働いたときには、肉盛りされている全面ではなく、金属板とガラスの接合端部のラインに引き剥がしの力が集中するため、その部分から徐々にガラスにクラックが導入されて容易に破壊が進行する。
【0020】
また、セラミックス部材に金属板の端を垂直にあてがって、ガラスでメニスカスを形成して接合した場合は、金属板の平面に対して水平方向の応力には比較的強いが、垂直方向の力が加わったときには、ガラスのメニスカス端部の金属と接しているラインに引き剥がしの力が集中するため、その部分から徐々にガラスにクラックが導入されて容易に破壊が進行する。
【0021】
これに対して、本発明による気密接合の場合には、金属板の平面に対し水平方向の応力が働いたときには、挿入された金属板のガラスで包み込まれた全面で応力を受けるため破壊を受け難い。また、垂直方向に応力が掛かっても、その力は金属板の反対側にあるガラスと溝を形成しているセラミックスで受ける。ガラスやセラミックスは、引っ張り応力や引き剥がしの応力には弱く容易にクラックが進展しやすいが、圧縮応力に対しては一般に一桁以上高い強度を示す。このような作用によって、信頼性の高い気密接合が得られるものと考えられる。
【0022】
セラミックス部材やガラスは接合後の冷却過程で熱収縮するが、その熱収縮量の差が大きいとガラスやセラミックスに掛かる熱応力が増大し、ガラスにクラックが入りやすくなる。熱収縮量の差による熱応力を抑制して、気密封止の信頼性を高めるため、使用するセラミックスとガラスの熱膨張率の差を5×10−6/℃以下とすることが好ましい。
【0023】
接合に用いるガラスとしては、従来から電子部品等においてセラミックスや金属の接合に使用されている材料であって良いが、ガラスの強度を上げて更に信頼性を上げるためには、結晶化ガラスを用いることが好ましい。
【0024】
セラミックス部材を構成するセラミックスとしては、耐熱性、耐食性、耐酸化性等を考慮すると、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化アルミニウムから選ばれた材料であることが好ましい。
【0025】
金属板としては、耐熱性の高いこと、ガラスやセラミックスとの熱膨張率の差が小さいことが必要であり、この点を考慮するとタングステン、モリブデンであることが望ましい。また、耐食性や耐酸化性を高めるために、それらの金属板にニッケル等のメッキ処理を施すことが好ましい。
【0026】
本発明の気密接合は、各種の大型の装置部品に適用することができ、中でも半導体製造装置や液晶製造装置等に用いる大型部品、例えば半導体ウエハを保持するセラミックス製の保持体に適用して、反応チャンバーとの間の気密封止を行うことができる。
【0027】
【実施例】
実施例1
窒化アルミニウム粉末に、焼結助剤として0.5重量%のイットリア(Y)とバインダを添加して分散混合した後、スプレードライにより造粒した。この造粒粉末を冷間静水圧プレス(CIP)により成形加工して、焼結後の寸法が、外径100mm、内径80mm、長さ50mmのパイプAと、外径100mm、内径90mm、長さ10mmのパイプBになるように成形した。これらの成形体を温度800℃の窒素ガス気流中で脱脂し、温度1900℃で6時間焼結した。得られた焼結体パイプA、Bの両端面をダイヤモンド砥粒で研磨した。
【0028】
次に、図1に示すように、パイプAの一端を外径90mmに研摩し、この一端小径部1に外径200mm、内径90mm、厚み1mmのドーナツ状のWリング2を挿入し後、更にパイプBを差し込んだ。その際、図2に示すように、パイプAとパイプBの間に形成された溝の中に、Wリング2の両平面を包み込むようにガラス粉末を充填して900℃で溶融させ、ガラス3により封止した。使用したガラスは、軟化点が850℃で、熱膨張率が4.5×10−6/℃である。尚、窒化アルミニウムの熱膨張率は4.5×10−6/℃であり、カラスとの熱膨張率の差はゼロである。
【0029】
このようにして得られた部品の接合部について、800℃に加熱した状態で気密試験を実施したところ、Heリーク量は2.4×10−10Pa・m/sで、目標の10−8Pa・m/s未満を達成でき、全く問題無かった。
【0030】
比較例1
図3に示すように、実施例1と同じ方法で外径100mm、内径80mm、長さ50mmの窒化アルミニウム製のパイプAを作製し、このパイプAの一端部に外径200mm、内径100mm、厚み1mmのドーナツ状のWリング2を差し込んだ。次に、図4に示すように、実施例1と同じガラス粉末を用い、900℃で接合部にガラス3aのメニスカスを形成して封止した。
【0031】
得られた部品の接合部について、800℃に加熱した状態で気密試験を実施したところ、Heリーク量は2.0×10−6Pa・m/sであり、目標の10−8Pa・m/s未満を達成できなかった。
【0032】
比較例2
図5に示すように、実施例1と同じ方法で外径100mm、内径80mm、長さ50mmの窒化アルミニウム製のパイプAを作製し、このパイプAの一端部に外径200mm、内径100mm、厚み1mmのドーナツ状で、内周縁に内径100mmの円筒部5を直角方向に形成したMoリング4を差し込んだ。次に、図6に示すように、実施例1と同じガラス粉末を用いて肉盛りし、900℃で溶融させて封止した。
【0033】
得られた部品の接合部について、800℃に加熱した状態で気密試験を実施したところ、Heリーク量は5.5×10−7Pa・m/sであり、目標の10−8Pa・m/s未満を達成できなかった。
【0034】
実施例2
実施例1と同じ方法で、外径100mm、内径80mm、長さ50mmのパイプAと、外径100mm、内径90mm、長さ10mmのパイプBを作製した。封止用のガラスとして7.0×10−6/℃の熱膨張率のガラスを用いた以外は実施例1と同じ方法により、窒化アルミニウム製のパイプAとパイプBで形成した溝内にWリングを封止した。尚、窒化アルミニウムとカラスとの熱膨張率の差は2.5×10−6/℃である。
【0035】
得られた部品の接合部について、800℃に加熱した状態で気密試験を実施したところ、Heリーク量は6.7×10−10Pa・m/sで、目標の10−8Pa・m/s未満を達成でき、全く問題無かった。
【0036】
実施例3
実施例1と同じ方法で、外径100mm、内径80mm、長さ50mmのパイプAと、外径100mm、内径90mm、長さ10mmのパイプBを作製した。封止用のガラスとして9.0×10−6/℃の熱膨張率のガラスを用いた以外は実施例1と同じ方法により、窒化アルミニウム製のパイプAとパイプBで形成した溝内にWリングを封止した。尚、窒化アルミニウムとカラスとの熱膨張率の差は4.5×10−6/℃である。
【0037】
得られた部品の接合部について、800℃に加熱した状態で気密試験を実施したところ、Heリーク量は9.5×10−10Pa・m/sで、目標の10−8Pa・m/s未満を達成でき、全く問題無かった。
【0038】
実施例4
実施例1と同じ方法で、外径100mm、内径80mm、長さ50mmのパイプAと、外径100mm、内径90mm、長さ10mmのパイプBを作製した。封止用のガラスとして10.0×10−6/℃の熱膨張率のガラスを用いた以外は実施例1と同じ方法により、窒化アルミニウム製のパイプAとパイプBで形成した溝内にWリングを封止した。尚、窒化アルミニウムとカラスとの熱膨張率の差は5.5×10−6/℃である。
【0039】
得られた部品の接合部について、800℃に加熱した状態で気密試験を実施したところ、Heリーク量は5.5×10−9Pa・m/sで、目標の10−8Pa・m/s未満を達成することができた。
【0040】
実施例5
実施例1と同じ方法で、外径100mm、内径80mm、長さ50mmのパイプAと、外径100mm、内径90mm、長さ10mmのパイプBを作製した。封止用のガラスとして12.0×10−6/℃の熱膨張率のガラスを用いた以外は実施例1と同じ方法により、窒化アルミニウム製のパイプAとパイプBで形成した溝内にWリングを封止した。尚、窒化アルミニウムとカラスとの熱膨張率の差は7.5×10−6/℃である。
【0041】
得られた部品の接合部について、800℃に加熱した状態で気密試験を実施したところ、Heリーク量は9.7×10−9Pa・m/sで、目標の10−8Pa・m/s未満を達成することができた。
【0042】
実施例6
実施例1と同じ方法で、外径100mm、内径80mm、長さ50mmのパイプAと、外径100mm、内径90mm、長さ10mmのパイプBを作製した。封止用のガラスとして12.0×10−6/℃の熱膨張率の結晶化ガラスを用いた以外は実施例1と同じ方法により、窒化アルミニウム製のパイプAとパイプBで形成した溝内にWリングを封止した。尚、窒化アルミニウムと結晶化カラスとの熱膨張率の差は7.5×10−6/℃である。
【0043】
得られた部品の接合部について、800℃に加熱した状態で気密試験を実施したところ、Heリーク量は5.6×10−10Pa・m/sで、目標の10−8Pa・m/s未満を達成することができ、全く問題無かった。
【0044】
実施例7
窒化ケイ素粉末に、焼結助剤として3重量%のイットリア(Y)と2重量%のアルミナ(Al)を加え、更にバインダを添加して分散混合し、スプレードライにより造粒した。この造粒粉末の成形体を温度800℃の窒素ガス気流中で脱脂し、窒素気流中において温度1650℃で4時間焼結した。得られた焼結体パイプの両端面をダイヤモンド砥粒で研磨した。
【0045】
このようにして得られた窒化ケイ素製で、外径100mm、内径80mm、長さ50mmのパイプAと、外径100mm、内径90mm、長さ10mmのパイプBを用いた以外は実施例1と同じ方法により、窒化ケイ素製のパイプAとパイプBで形成した溝内にWリングを封止した。尚、窒化ケイ素の熱膨張率は3.5×10−6/℃であり、カラスとの熱膨張率の差は1×10−6/℃である。
【0046】
得られた部品の接合部について、800℃に加熱した状態で気密試験を実施したところ、Heリーク量は5.3×10−10Pa・m/sで、目標の10−8Pa・m/s未満を達成することができ、全く問題無かった。
【0047】
実施例8
炭化ケイ素粉末に、焼結助剤として2重量%の炭化ホウ素(BC)と1重量%のカーボン(C)を加え、更にバインダを添加して分散混合し、スプレードライにより造粒した。この造粒粉末の成形体を温度800℃のアルゴンガス気流中で脱脂し、アルゴンガス気流中において温度200℃で7時間燒結した。得られた焼結体パイプの両端面をダイヤモンド砥粒で研磨した。
【0048】
このようにして得られた炭化ケイ素製で、外径100mm、内径80mm、長さ50mmのパイプAと、外径100mm、内径90mm、長さ10mmのパイプBを用いた以外は実施例1と同じ方法により、炭化ケイ素製のパイプAとパイプBで形成した溝内にWリングを封止した。尚、炭化ケイ素の熱膨張率は3.5×10−6/℃であり、カラスとの熱膨張率の差は1×10−6/℃である。
【0049】
得られた部品の接合部について、800℃に加熱した状態で気密試験を実施したところ、Heリーク量は4.8×10−10Pa・m/sで、目標の10−8Pa・m/s未満を達成することができ、全く問題無かった。
【0050】
実施例9
酸化アルミニウム粉末に、焼結助剤として2重量%のマグネシア(MgO)を加え、更にバインダを添加して分散混合して、スプレードライにより造粒した。この造粒粉末の成形体を温度700℃の大気ガス気流中で脱脂し、大気中温度1500℃で3時間焼結した。得られた焼結体パイプの両端面をダイヤモンド砥粒で研磨した。
【0051】
このようにして得られた酸化アルミニウム製で、外径100mm、内径80mm、長さ50mmのパイプAと、外径100mm、内径90mm、長さ10mmのパイプBを用いた以外は実施例1と同じ方法により、酸化アルミニウム製のパイプAとパイプBで形成した溝内にWリングを封止した。尚、酸化アルミニウムの熱膨張率は7.5×10−6/℃であり、カラスとの熱膨張率の差は3×10−6/℃である。
【0052】
得られた部品の接合部について、800℃に加熱した状態で気密試験を実施したところ、Heリーク量は8.8×10−10Pa・m/sで、目標の10−8Pa・m/s未満を達成することができ、全く問題無かった。
【0053】
実施例10
実施例1と同じ方法により、窒化アルミニウム製で、外径100mm、内径80mm、長さ50mmのパイプAと、外径100mm、内径90mm、長さ10mmのパイプBを作製した。Wリングの表面にNiメッキを2μm施した以外は実施例1と同じ方法により、窒化アルミニウム製のパイプAとパイプBで形成した溝内にWリングを封止した。
【0054】
得られた部品の接合部について、800℃に加熱した状態で気密試験を実施したところ、Heリーク量は1.5×10−10Pa・m/sで、目標の10−8Pa・m/s未満を達成することができ、全く問題無かった。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、O−リングでは耐えられない200℃を超えるような高温に曝される部分においても、大型のセラミックス部材と金属板の間で信頼性の高い気密封止が得られる気密接合構造を提供することができる。このセラミックスと金属の気密接合構造は、大型の装置部品、特に半導体製造装置や液晶製造装置等で使用される部品に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1による気密接合に用いる各部材を示す要部の断面図である。
【図2】本発明の実施例1による気密接合構造を示す要部の断面図である。
【図3】比較例1の気密接合に用いる各部材を示す要部の断面図である。
【図4】比較例1による気密接合構造を示す要部の断面図である。
【図5】比較例2による気密接合に用いる各部材を示す要部の断面図である。
【図6】比較例2による気密接合構造を示す要部の断面図である。
【符号の説明】
A、B パイプ
1 一端小径部
2 Wリング
3、3a、3b ガラス
4 Moリング

Claims (6)

  1. 外周部に溝を形成した筒状のセラミックス部材と、セラミックス部材の溝内に挿入されたリング状の金属板と、金属板の挿入部の少なくとも一部を包み込むように溝内に充填されたガラスとからなり、セラミックス部材と金属板との間が気密に接合されていることを特徴とするセラミックスと金属の気密接合構造。
  2. 前記セラミックスとガラスの熱膨張率の差が5×10−6/℃以下であることを特徴とする、請求項1に記載のセラミックスと金属の気密接合構造。
  3. 前記ガラスが結晶化ガラスであることを特徴とする、請求項1又は2に記載のセラミックスと金属の気密接合構造。
  4. 前記セラミックス部材が窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化アルミニウムから選ばれた材料で構成されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のセラミックスと金属の気密接合構造。
  5. 前記金属板がタングステン若しくはモリブデン、又はそれらの金属にメッキ処理を施した材料で構成されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のセラミックスと金属の気密接合構造。
  6. 請求項1〜5に記載の気密接合構造を有することを特徴とする半導体製造装置用又は液晶製造装置用の部品。
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