JP2003252687A - セラミックスと金属の気密接合構造及び該構造を有する装置部品 - Google Patents

セラミックスと金属の気密接合構造及び該構造を有する装置部品

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JP2003252687A
JP2003252687A JP2002052593A JP2002052593A JP2003252687A JP 2003252687 A JP2003252687 A JP 2003252687A JP 2002052593 A JP2002052593 A JP 2002052593A JP 2002052593 A JP2002052593 A JP 2002052593A JP 2003252687 A JP2003252687 A JP 2003252687A
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啓 柊平
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 通常のO−リングでは耐えられない200℃
を超えるような高温に曝される部分においても、大型の
セラミックス部材と金属の間を気密に接合することがで
きる、セラミックスと金属の気密接合構造を提供する。 【解決手段】 セラミックスのパイプAとパイプBで形
成された溝内に、Wリング2のような金属板の一端が挿
入され、その金属板の両平面と溝の間の空間にガラス3
が充填されることによって気密に接合されている。セラ
ミックスとガラスの熱膨張率の差が5×10−6/℃以
下である。この気密接合構造は、半導体製造装置や液晶
製造装置のチャンバーで使用される部品等の大型の装置
部品への適用が可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミックスと金
属の間を気密に接合する構造に関し、特に半導体又は液
晶製造装置においてO−リング等では耐えられない高温
に曝される部分での使用に適した気密接合構造に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】シリコンウエハ上でエッチングや成膜を
行う場合、反応制御性に優れた枚葉式の半導体製造装置
が一般に使用されている。半導体ウエハはセラミックス
製や金属製の保持体の表面上に載せて、そのまま静置し
たり、機械的に固定したり、又は保持体に内蔵した電極
に電圧を付加して静電力によってチャックしたりして、
保持体上に固定される。
【0003】保持された半導体ウエハは、CVD(Ch
emical Vapor Depossitio
n)、プラズマCVD等により成膜され、あるいはプラ
ズマエッチング等によってエッチングされるが、その際
の成膜速度やエッチング速度を均一に維持するために温
度が厳密に制御される。その厳密な温度制御のために、
保持体に内蔵したヒータによって保持体を加熱し、その
表面からの伝熱によって半導体ウエハを加熱するように
なっている。尚、保持体は絶縁性で且つ耐食性の高い材
料、例えばセラミックス等で構成される必要がある。
【0004】この反応を行う半導体製造装置のチャンバ
ーについては、高温下で反応ガスを流して圧力及び分圧
を厳密に制御する必要があるため、高温の箇所におい
て、大気圧、減圧あるいは真空状態を相互に完全に分離
する気密封止が要求される箇所が多い。
【0005】その場合、150℃以下の箇所は耐熱性の
ゴムを用いたO−リングでの封止が可能であるが、それ
以上の高温となる箇所ではO−リング封止は難しい。そ
のため、150℃以上の高温となる箇所では、耐熱性材
料からなる部材を延長して封止箇所を低温部に移し、そ
こでO−リング封止を行っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一般に、O−リングに
よる気密封止は簡便且つ安価で信頼性も高いが、O−リ
ングにはゴムや樹脂が用いられるため、耐熱性の材料を
用いても耐熱温度は精々200℃が上限である。ところ
が、半導体製造装置や液晶製造装置における成膜やエッ
チングは200℃以上の反応温度が必要なことが多く、
中でも成膜に用いるCVDやプラズマCVDでは500
〜800℃という高温が用いられることが多い。
【0007】そのため、半導体製造装置や液晶製造装置
のチャンバーでは、O−リングで気密封止を行うことを
前提に設計を行うと、高温部から低温部まで耐熱素材を
延長して封止箇所を移し、且つその封止箇所を水冷して
200℃以下に維持する必要がある。その結果、高温部
から低温部まで封止箇所を延長するための耐熱素材を内
部に収めるチャンバーは、非常に無駄な空間を残した大
型構造なものにならざるを得なかった。このような事情
は半導体製造装置だけでなく、液晶製造装置においても
同様であった。
【0008】例えば、ウエハや液晶のような被処理物を
保持して加熱する保持体は、保持部を500〜800℃
に加熱する必要があるが、このような高温ではO−リン
グ封止が不可能である。そこで、保持体に耐熱素材から
なる300mm程度の長いシャフトの一端を取付け、シ
ャフトの他端を水冷して200℃以下になる箇所でO−
リング封止を行っていた。尚、このシャフト内には、保
持部に内蔵したヒータに系外から電力を供給する引き出
し線が収納されることが多い。
【0009】そこで、半導体製造装置や液晶製造装置に
おいては、そのチャンバーを小型化するために、O−リ
ング封止が可能な200℃よりも遥かに高温の箇所にお
いて、信頼性の高い気密封止を行う技術が求められてい
た。この場合に必要とされる気密状態は、Heリークで
少なくとも10−8Pa・m/s未満であり、更に望
ましくは10−9Pa・m/s未満が求められてい
る。
【0010】一般に、電子部品においては、セラミック
スと金属端子を接合したり、気密封止したりすることが
行われている。具体的には、セラミックスをWメタライ
ズした後にNiメッキやAuメッキして、Ag−Cu系
のロウ材でロウ付けしたり、Ti−Cu−Ag等の活性
金属を用いて接合したりして、セラミックスと金属を気
密封止している。しかし、半導体製造装置や液晶製造装
置においては、Cu、Ag、Auは極微量でも製品に対
する不純物としても嫌われるため、封止用の材料として
も全く使用することは許されない。
【0011】また、ガラス封止も用いられ、セラミック
スと金属の接合部をガラスで肉盛りしたり又はメニスカ
スを形成したりして接合がなされていた。しかしなが
ら、このようなガラス封止は、電子部品のような精々数
mmのリードフレーム接合や、数mm角程度のパッケー
ジ封止が限界であった。しかも、半導体製造装置や液晶
製造装置のチャンバーでは腐食ガスに対してガラスが剥
き出しになるため、ガラス封止の耐久性に問題があっ
た。
【0012】本発明は、このような従来の事情に鑑み、
O−リングでは耐えられない200℃を超えるような高
温に曝される部分においても、セラミックスと金属の間
を気密に接合することができ、特に半導体製造装置や液
晶製造装置のチャンバーで使用される部品等の大型の装
置部品への適用が可能な、セラミックスと金属の気密接
合構造を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明が提供するセラミックスと金属の気密接合構
造は、セラミックス部材に形成された溝内に金属板の一
端が挿入され、金属板の挿入部の少なくとも一部を包み
込むように溝内にガラスが充填されることによって、セ
ラミックス部材と金属板との間が気密に接合されている
ことを特徴とするものである。
【0014】また、本発明は、上記セラミックスと金属
の気密接合構造において、前記セラミックスとガラスの
熱膨張率の差が5×10−6/℃以下であることを特徴
とするものである。
【0015】更に、本発明においては、前記ガラスが結
晶化ガラスであることを特徴とする。前記セラミックス
部材は、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、
酸化アルミニウムから選ばれた材料で構成されることを
特徴とする。前記金属板は、タングステン若しくはモリ
ブデン、又はそれらの金属にメッキ処理を施した材料で
構成されることを特徴とする。
【0016】本発明は、上記したセラミックスと金属の
気密接合構造を有することを特徴とする半導体製造装置
用又は液晶製造装置用の部品を提供するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】半導体製造装置や液晶製造装置等
に用いることが可能な大型部品について、高温における
高信頼性の気密接合を行う場合、わずか一箇所でのリー
クも許されない。従って、小さな電子部品の接続の場合
と同様に、大型のセラミックス部材に金属板の端部を重
ねてガラスをその部分に肉盛りしたり、セラミックス部
材に金属板の端を垂直にあてがってガラスでメニスカス
を形成したりして接合しても、信頼性の高い気密接合を
得ることは難しい。
【0018】本発明においては、大型のセラミックス部
材に溝を形成し、その溝の空間に金属板の一端を挿入す
ると共に、金属板の挿入部の少なくとも一部が、好まし
くは両平面、更には両側面や端面を含めた全表面が包み
込まれるように、溝の中をガラスで充填することによっ
て、信頼性の高い気密接合が達成できる。
【0019】セラミックス部材に金属板の端を重ねてガ
ラスを肉盛りした場合は、金属板に押し付けの力が働い
たときはセラミックスの反作用で耐えることができる
が、引っ張りの力が働いたときには、肉盛りされている
全面ではなく、金属板とガラスの接合端部のラインに引
き剥がしの力が集中するため、その部分から徐々にガラ
スにクラックが導入されて容易に破壊が進行する。
【0020】また、セラミックス部材に金属板の端を垂
直にあてがって、ガラスでメニスカスを形成して接合し
た場合は、金属板の平面に対して水平方向の応力には比
較的強いが、垂直方向の力が加わったときには、ガラス
のメニスカス端部の金属と接しているラインに引き剥が
しの力が集中するため、その部分から徐々にガラスにク
ラックが導入されて容易に破壊が進行する。
【0021】これに対して、本発明による気密接合の場
合には、金属板の平面に対し水平方向の応力が働いたと
きには、挿入された金属板のガラスで包み込まれた全面
で応力を受けるため破壊を受け難い。また、垂直方向に
応力が掛かっても、その力は金属板の反対側にあるガラ
スと溝を形成しているセラミックスで受ける。ガラスや
セラミックスは、引っ張り応力や引き剥がしの応力には
弱く容易にクラックが進展しやすいが、圧縮応力に対し
ては一般に一桁以上高い強度を示す。このような作用に
よって、信頼性の高い気密接合が得られるものと考えら
れる。
【0022】セラミックス部材やガラスは接合後の冷却
過程で熱収縮するが、その熱収縮量の差が大きいとガラ
スやセラミックスに掛かる熱応力が増大し、ガラスにク
ラックが入りやすくなる。熱収縮量の差による熱応力を
抑制して、気密封止の信頼性を高めるため、使用するセ
ラミックスとガラスの熱膨張率の差を5×10−6/℃
以下とすることが好ましい。
【0023】接合に用いるガラスとしては、従来から電
子部品等においてセラミックスや金属の接合に使用され
ている材料であって良いが、ガラスの強度を上げて更に
信頼性を上げるためには、結晶化ガラスを用いることが
好ましい。
【0024】セラミックス部材を構成するセラミックス
としては、耐熱性、耐食性、耐酸化性等を考慮すると、
窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化アル
ミニウムから選ばれた材料であることが好ましい。
【0025】金属板としては、耐熱性の高いこと、ガラ
スやセラミックスとの熱膨張率の差が小さいことが必要
であり、この点を考慮するとタングステン、モリブデン
であることが望ましい。また、耐食性や耐酸化性を高め
るために、それらの金属板にニッケル等のメッキ処理を
施すことが好ましい。
【0026】本発明の気密接合は、各種の大型の装置部
品に適用することができ、中でも半導体製造装置や液晶
製造装置等に用いる大型部品、例えば半導体ウエハを保
持するセラミックス製の保持体に適用して、反応チャン
バーとの間の気密封止を行うことができる。
【0027】
【実施例】実施例1 窒化アルミニウム粉末に、焼結助剤として0.5重量%
のイットリア(Y )とバインダを添加して分散混
合した後、スプレードライにより造粒した。この造粒粉
末を冷間静水圧プレス(CIP)により成形加工して、
焼結後の寸法が、外径100mm、内径80mm、長さ
50mmのパイプAと、外径100mm、内径90m
m、長さ10mmのパイプBになるように成形した。こ
れらの成形体を温度800℃の窒素ガス気流中で脱脂
し、温度1900℃で6時間焼結した。得られた焼結体
パイプA、Bの両端面をダイヤモンド砥粒で研磨した。
【0028】次に、図1に示すように、パイプAの一端
を外径90mmに研摩し、この一端小径部1に外径20
0mm、内径90mm、厚み1mmのドーナツ状のWリ
ング2を挿入し後、更にパイプBを差し込んだ。その
際、図2に示すように、パイプAとパイプBの間に形成
された溝の中に、Wリング2の両平面を包み込むように
ガラス粉末を充填して900℃で溶融させ、ガラス3に
より封止した。使用したガラスは、軟化点が850℃
で、熱膨張率が4.5×10−6/℃である。尚、窒化
アルミニウムの熱膨張率は4.5×10−6/℃であ
り、カラスとの熱膨張率の差はゼロである。
【0029】このようにして得られた部品の接合部につ
いて、800℃に加熱した状態で気密試験を実施したと
ころ、Heリーク量は2.4×10−10Pa・m
sで、目標の10−8Pa・m/s未満を達成でき、
全く問題無かった。
【0030】比較例1 図3に示すように、実施例1と同じ方法で外径100m
m、内径80mm、長さ50mmの窒化アルミニウム製
のパイプAを作製し、このパイプAの一端部に外径20
0mm、内径100mm、厚み1mmのドーナツ状のW
リング2を差し込んだ。次に、図4に示すように、実施
例1と同じガラス粉末を用い、900℃で接合部にガラ
ス3aのメニスカスを形成して封止した。
【0031】得られた部品の接合部について、800℃
に加熱した状態で気密試験を実施したところ、Heリー
ク量は2.0×10−6Pa・m/sであり、目標の
10 −8Pa・m/s未満を達成できなかった。
【0032】比較例2 図5に示すように、実施例1と同じ方法で外径100m
m、内径80mm、長さ50mmの窒化アルミニウム製
のパイプAを作製し、このパイプAの一端部に外径20
0mm、内径100mm、厚み1mmのドーナツ状で、
内周縁に内径100mmの円筒部5を直角方向に形成し
たMoリング4を差し込んだ。次に、図6に示すよう
に、実施例1と同じガラス粉末を用いて肉盛りし、90
0℃で溶融させて封止した。
【0033】得られた部品の接合部について、800℃
に加熱した状態で気密試験を実施したところ、Heリー
ク量は5.5×10−7Pa・m/sであり、目標の
10 −8Pa・m/s未満を達成できなかった。
【0034】実施例2 実施例1と同じ方法で、外径100mm、内径80m
m、長さ50mmのパイプAと、外径100mm、内径
90mm、長さ10mmのパイプBを作製した。封止用
のガラスとして7.0×10−6/℃の熱膨張率のガラ
スを用いた以外は実施例1と同じ方法により、窒化アル
ミニウム製のパイプAとパイプBで形成した溝内にWリ
ングを封止した。尚、窒化アルミニウムとカラスとの熱
膨張率の差は2.5×10−6/℃である。
【0035】得られた部品の接合部について、800℃
に加熱した状態で気密試験を実施したところ、Heリー
ク量は6.7×10−10Pa・m/sで、目標の1
Pa・m/s未満を達成でき、全く問題無かっ
た。
【0036】実施例3 実施例1と同じ方法で、外径100mm、内径80m
m、長さ50mmのパイプAと、外径100mm、内径
90mm、長さ10mmのパイプBを作製した。封止用
のガラスとして9.0×10−6/℃の熱膨張率のガラ
スを用いた以外は実施例1と同じ方法により、窒化アル
ミニウム製のパイプAとパイプBで形成した溝内にWリ
ングを封止した。尚、窒化アルミニウムとカラスとの熱
膨張率の差は4.5×10−6/℃である。
【0037】得られた部品の接合部について、800℃
に加熱した状態で気密試験を実施したところ、Heリー
ク量は9.5×10−10Pa・m/sで、目標の1
Pa・m/s未満を達成でき、全く問題無かっ
た。
【0038】実施例4 実施例1と同じ方法で、外径100mm、内径80m
m、長さ50mmのパイプAと、外径100mm、内径
90mm、長さ10mmのパイプBを作製した。封止用
のガラスとして10.0×10−6/℃の熱膨張率のガ
ラスを用いた以外は実施例1と同じ方法により、窒化ア
ルミニウム製のパイプAとパイプBで形成した溝内にW
リングを封止した。尚、窒化アルミニウムとカラスとの
熱膨張率の差は5.5×10−6/℃である。
【0039】得られた部品の接合部について、800℃
に加熱した状態で気密試験を実施したところ、Heリー
ク量は5.5×10−9Pa・m/sで、目標の10
−8Pa・m/s未満を達成することができた。
【0040】実施例5 実施例1と同じ方法で、外径100mm、内径80m
m、長さ50mmのパイプAと、外径100mm、内径
90mm、長さ10mmのパイプBを作製した。封止用
のガラスとして12.0×10−6/℃の熱膨張率のガ
ラスを用いた以外は実施例1と同じ方法により、窒化ア
ルミニウム製のパイプAとパイプBで形成した溝内にW
リングを封止した。尚、窒化アルミニウムとカラスとの
熱膨張率の差は7.5×10−6/℃である。
【0041】得られた部品の接合部について、800℃
に加熱した状態で気密試験を実施したところ、Heリー
ク量は9.7×10−9Pa・m/sで、目標の10
−8Pa・m/s未満を達成することができた。
【0042】実施例6 実施例1と同じ方法で、外径100mm、内径80m
m、長さ50mmのパイプAと、外径100mm、内径
90mm、長さ10mmのパイプBを作製した。封止用
のガラスとして12.0×10−6/℃の熱膨張率の結
晶化ガラスを用いた以外は実施例1と同じ方法により、
窒化アルミニウム製のパイプAとパイプBで形成した溝
内にWリングを封止した。尚、窒化アルミニウムと結晶
化カラスとの熱膨張率の差は7.5×10−6/℃であ
る。
【0043】得られた部品の接合部について、800℃
に加熱した状態で気密試験を実施したところ、Heリー
ク量は5.6×10−10Pa・m/sで、目標の1
Pa・m/s未満を達成することができ、全く
問題無かった。
【0044】実施例7 窒化ケイ素粉末に、焼結助剤として3重量%のイットリ
ア(Y)と2重量%のアルミナ(Al)を
加え、更にバインダを添加して分散混合し、スプレード
ライにより造粒した。この造粒粉末の成形体を温度80
0℃の窒素ガス気流中で脱脂し、窒素気流中において温
度1650℃で4時間焼結した。得られた焼結体パイプ
の両端面をダイヤモンド砥粒で研磨した。
【0045】このようにして得られた窒化ケイ素製で、
外径100mm、内径80mm、長さ50mmのパイプ
Aと、外径100mm、内径90mm、長さ10mmの
パイプBを用いた以外は実施例1と同じ方法により、窒
化ケイ素製のパイプAとパイプBで形成した溝内にWリ
ングを封止した。尚、窒化ケイ素の熱膨張率は3.5×
10−6/℃であり、カラスとの熱膨張率の差は1×1
−6/℃である。
【0046】得られた部品の接合部について、800℃
に加熱した状態で気密試験を実施したところ、Heリー
ク量は5.3×10−10Pa・m/sで、目標の1
Pa・m/s未満を達成することができ、全く
問題無かった。
【0047】実施例8 炭化ケイ素粉末に、焼結助剤として2重量%の炭化ホウ
素(BC)と1重量%のカーボン(C)を加え、更に
バインダを添加して分散混合し、スプレードライにより
造粒した。この造粒粉末の成形体を温度800℃のアル
ゴンガス気流中で脱脂し、アルゴンガス気流中において
温度200℃で7時間燒結した。得られた焼結体パイプ
の両端面をダイヤモンド砥粒で研磨した。
【0048】このようにして得られた炭化ケイ素製で、
外径100mm、内径80mm、長さ50mmのパイプ
Aと、外径100mm、内径90mm、長さ10mmの
パイプBを用いた以外は実施例1と同じ方法により、炭
化ケイ素製のパイプAとパイプBで形成した溝内にWリ
ングを封止した。尚、炭化ケイ素の熱膨張率は3.5×
10−6/℃であり、カラスとの熱膨張率の差は1×1
−6/℃である。
【0049】得られた部品の接合部について、800℃
に加熱した状態で気密試験を実施したところ、Heリー
ク量は4.8×10−10Pa・m/sで、目標の1
Pa・m/s未満を達成することができ、全く
問題無かった。
【0050】実施例9 酸化アルミニウム粉末に、焼結助剤として2重量%のマ
グネシア(MgO)を加え、更にバインダを添加して分
散混合して、スプレードライにより造粒した。この造粒
粉末の成形体を温度700℃の大気ガス気流中で脱脂
し、大気中温度1500℃で3時間焼結した。得られた
焼結体パイプの両端面をダイヤモンド砥粒で研磨した。
【0051】このようにして得られた酸化アルミニウム
製で、外径100mm、内径80mm、長さ50mmの
パイプAと、外径100mm、内径90mm、長さ10
mmのパイプBを用いた以外は実施例1と同じ方法によ
り、酸化アルミニウム製のパイプAとパイプBで形成し
た溝内にWリングを封止した。尚、酸化アルミニウムの
熱膨張率は7.5×10−6/℃であり、カラスとの熱
膨張率の差は3×10 −6/℃である。
【0052】得られた部品の接合部について、800℃
に加熱した状態で気密試験を実施したところ、Heリー
ク量は8.8×10−10Pa・m/sで、目標の1
Pa・m/s未満を達成することができ、全く
問題無かった。
【0053】実施例10 実施例1と同じ方法により、窒化アルミニウム製で、外
径100mm、内径80mm、長さ50mmのパイプA
と、外径100mm、内径90mm、長さ10mmのパ
イプBを作製した。Wリングの表面にNiメッキを2μ
m施した以外は実施例1と同じ方法により、窒化アルミ
ニウム製のパイプAとパイプBで形成した溝内にWリン
グを封止した。
【0054】得られた部品の接合部について、800℃
に加熱した状態で気密試験を実施したところ、Heリー
ク量は1.5×10−10Pa・m/sで、目標の1
Pa・m/s未満を達成することができ、全く
問題無かった。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、O−リングでは耐えら
れない200℃を超えるような高温に曝される部分にお
いても、大型のセラミックス部材と金属板の間で信頼性
の高い気密封止が得られる気密接合構造を提供すること
ができる。このセラミックスと金属の気密接合構造は、
大型の装置部品、特に半導体製造装置や液晶製造装置等
で使用される部品に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1による気密接合に用いる各部
材を示す要部の断面図である。
【図2】本発明の実施例1による気密接合構造を示す要
部の断面図である。
【図3】比較例1の気密接合に用いる各部材を示す要部
の断面図である。
【図4】比較例1による気密接合構造を示す要部の断面
図である。
【図5】比較例2による気密接合に用いる各部材を示す
要部の断面図である。
【図6】比較例2による気密接合構造を示す要部の断面
図である。
【符号の説明】
A、B パイプ 1 一端小径部 2 Wリング 3、3a、3b ガラス 4 Moリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 仲田 博彦 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住友 電気工業株式会社伊丹製作所内 Fターム(参考) 4G026 BA03 BA14 BA16 BA17 BB21 BC02 BD02 BF02 BF31 BG02 BG30 BH06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックス部材に形成された溝内に金
    属板の一端が挿入され、金属板の挿入部の少なくとも一
    部を包み込むように溝内にガラスが充填されることによ
    って、セラミックス部材と金属板との間が気密に接合さ
    れていることを特徴とするセラミックスと金属の気密接
    合構造。
  2. 【請求項2】 前記セラミックスとガラスの熱膨張率の
    差が5×10−6/℃以下であることを特徴とする、請
    求項1に記載のセラミックスと金属の気密接合構造。
  3. 【請求項3】 前記ガラスが結晶化ガラスであることを
    特徴とする、請求項1又は2に記載のセラミックスと金
    属の気密接合構造。
  4. 【請求項4】 前記セラミックス部材が窒化アルミニウ
    ム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化アルミニウムから選
    ばれた材料で構成されることを特徴とする、請求項1〜
    3のいずれかに記載のセラミックスと金属の気密接合構
    造。
  5. 【請求項5】 前記金属板がタングステン若しくはモリ
    ブデン、又はそれらの金属にメッキ処理を施した材料で
    構成されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか
    に記載のセラミックスと金属の気密接合構造。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5に記載の気密接合構造を有
    することを特徴とする半導体製造装置用又は液晶製造装
    置用の部品。
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JP2019023158A (ja) * 2012-03-22 2019-02-14 サン−ゴバン セラミックス アンド プラスティクス,インコーポレイティド 長尺チューブ構造体

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