JP2018500536A - 複数の温度センサを使用するガスクロマトグラフィ(gc)カラムヒータ制御 - Google Patents

複数の温度センサを使用するガスクロマトグラフィ(gc)カラムヒータ制御 Download PDF

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Abstract

GCカラムを加熱するための装置が記述される。本装置は、第1の温度センサ及び第2の温度センサを含む。温度データを用いて、装置の加熱要素に与えられる電力を設定する。【選択図】図2A

Description

[関連出願の相互参照]
本出願は、発明者としてPaul Dryden他の名義で、2014年10月31日に出願された米国仮特許出願第62/073,394号の優先権を主張する。米国仮特許出願第62/073,394号の開示全体が特に引用することにより本明細書の一部をなすものとする。
GCシステムでは、化合物が分離カラム(「カラム」)の全長を横切るのに必要とされる時間の長さが、その保持時間として知られている。化合物の保持時間に寄与する1つの要因が、分離カラムの温度である。カラムの温度を分析ごとに正確に制御することは、特定の化合物、すなわち、被分析物のための保持時間の再現性を与えるのに有益である。さらに、サンプル被分析物がカラムの中を移動している間にカラム温度をプログラムで変更することにより、有利なことに、分析時間を短縮し、ピークの広がりを抑えることができる。
カラムの温度の正確な制御は、当然、GC測定の全体性能にとって重要である。多くのカラム温度制御システムにおいて、温度センサは、種々の理由のためカラムから離間して位置するので、実際のカラム温度を測定しない。カラム温度はその長さに沿って一定であることが望ましいが、カラム加熱システムは、完全に等温の環境は提供しない。GC装置のユーザにとって、GCカラムの長さに沿った熱勾配が小さいこと、及びカラムを通って移動する被分析物が、所望の保持特性を与える実効温度を受けることが重要である。
それゆえ、上記で論じられた既知のGCカラムヒータの少なくとも短所を克服する装置が必要とされている。
代表的な実施形態によれば、装置が、カラム加熱装置と、ガスクロマトグラフィカラムに隣接して配置される第1の温度センサと、カラム加熱装置内に、又はカラム加熱装置の上方に配置される第2の温度センサとを備える。ガスクロマトグラフィカラムの温度が、第1の温度センサ及び第2の温度センサからの温度データに基づいて変更される。
代表的な実施形態によれば、本装置は、カラム加熱装置の下方に配置される第1の断熱層と、第2の断熱層とを更に備える。第2の温度センサは、第2の断熱層の上方に、又は第2の断熱層内に、又は第2の断熱層の下方に配置される。
代表的な実施形態によれば、カラム加熱装置は、第1の基板と、第1の基板の上方に配置される加熱要素と、カラム加熱装置の上方に配置される第2の基板とを備える。第2の基板は第1の側及び第2の側を有する。第2の側は、この第2の側と接触しているガスクロマトグラフィカラムを有するように構成される。カラム加熱装置からの熱は、第2の基板を通して伝達され、第2の基板と接触しているガスクロマトグラフィカラムを実質的に均一に加熱する。
別の代表的な実施形態によれば、装置が、ガスクロマトグラフィカラムに隣接して配置される第1の温度センサと、カラム加熱装置内に、又はカラム加熱装置の上方に配置される第2の温度センサとを備える。ガスクロマトグラフィカラムの温度が、第1の温度センサ及び第2の温度センサからの温度データに基づいて変更される。また、本装置は、第1の温度センサ及び第2の温度センサからの温度データを受信するように構成されるコントローラを備える。電源が、コントローラから制御信号を受信し、カラム加熱装置への電力を調整するように構成される。
更に別の代表的な実施形態によれば、カラム加熱装置を制御するために、コントローラによって実行可能なプログラムを記憶する非一時的コンピュータ可読媒体が開示される。コンピュータ可読媒体は、第1の温度センサ及び第2の温度センサから温度データを受信するための受信コードセグメントと、温度データから加重平均を求めるための加重平均コードセグメントと、加重平均を現在の設定点と比較するための比較コードセグメントと、温度誤差を求めるための比例積分微分コードセグメントと、温度誤差から、加熱要素に印加する電力レベルを設定するための設定コードセグメントとを含む。
更に別の代表的な実施形態によれば、カラム加熱装置を制御するための装置が開示される。本装置は、第1の温度センサ及び第2の温度センサから温度データを受信するように構成されるコントローラを備える。コントローラは、プログラミング動作を実行するように更に構成される。プログラミング動作は、温度データから温度データの加重平均を求めることと、温度データの加重平均を現在の設定点温度と比較することと、温度データの加重平均と現在の設定点温度との比較から温度誤差を求めることと、求められた温度誤差に基づいて、加熱要素に印加する電力レベルを調整することとを含む。
本教示は、添付の図面とともに読まれるときに、以下の詳細な説明から最も良く理解される。それらの特徴は必ずしも縮尺通りに描かれていない。実用的なときはいつでも、類似の参照符号は類似の特徴を指している。
代表的な実施形態による、GCシステムの簡略化されたブロック図である。 代表的な実施形態による、カラム加熱装置の組立分解図である。 代表的な実施形態による、カラム加熱装置の組立分解図である。 代表的な実施形態による、カラム加熱装置の組立分解図である。 代表的な実施形態による、コントローラの簡略化されたブロック図である。 代表的な実施形態による、GCカラムの温度を制御する方法の流れ図である。
本明細書において用いられる用語は、特定の実施形態を説明することのみが目的であり、限定を意図していないことが理解される。定義される用語は、本教示の技術分野において一般に理解され受け入れられている定義済みの用語の技術的意味及び科学的意味に加えられる。
本明細書及び添付の特許請求の範囲において用いられるとき、「1つの(a、an)」及び「その(the)」という語は、別段の指定がない限り、単数及び複数の双方の指示対象を含む。このため、例えば「デバイス(a device)」は1つのデバイス及び複数のデバイスを含む。
本明細書及び添付の特許請求の範囲において用いられるとき、「実質的」又は「実質的に」という語は、その通常の意味に加えて、受け入れ可能な限界又は度合いの範囲内にあることを指す。例えば、「実質的にキャンセルされた」は、当業者であれば、そのキャンセルが受け入れ可能であると見なすことを意味する。
本明細書及び添付の特許請求の範囲において用いられるとき、「概ね」という語は、その通常の意味に加えて、当業者に受け入れ可能な限界又は量の範囲内にあることを指す。例えば、「概ね同じ」は、当業者であれば、比較される複数のアイテムを同じであると見なすことを意味する。
以下の詳細な説明において、本教示を十分に理解してもらうために、限定ではなく、説明のために、具体的な細部を開示する代表的な実施形態が記述される。例示的な実施形態の説明を分かりにくくするのを避けるために、既知のシステム、デバイス、材料、動作方法及び製造方法の説明は省略される場合がある。それにもかかわらず、当業者の理解の範囲内にあるシステム、デバイス、材料及び方法は、代表的な実施形態に従って用いることができる。
添付の図面において示されるような、種々の要素の互いの関係を説明するために、「上方」、「下方」、「最上部」、「最下部」、「上側」及び「下側」等の相対語を用いることができる。これらの相対語は、図面において示される向きに加えて、デバイス及び/又は要素の異なる向きも包含することが意図される。例えば、デバイスが図面における見方に対して反転された場合、例えば、別の要素の「上方にある」と説明された要素は、その時点で、その要素の「下方に」存在することになる。同様に、デバイスが図面内の見方に対して90度だけ回転した場合、別の要素の「上方にある」又は「下方にある」と説明された要素は、今度は、この他方の要素に「隣接している」ことになり、「隣接している」は、この他方の要素に当接しているか、又はそれらの要素間に1つ若しくは複数の層、材料、構造等を有するかのいずれかを意味する。本明細書において用いられるとき、別の要素の「上に配置される」又は「下方に配置される」要素は、その要素が、この別の要素に「隣接している」ことを意味する。「直に隣接している」は、この別の要素に当接していることを意味する。
特定の代表的な実施形態は、ガスクロマトグラフィ(GC)カラム加熱アセンブリに向けられる。代表的な実施形態によれば、GCカラム加熱アセンブリは、ガスクロマトグラフィカラムに隣接して配置される第1の温度センサと、カラム加熱装置内、又はカラム加熱装置の上方に配置される第2の温度センサとを備える。ガスクロマトグラフィカラムの温度が、第1の温度センサ及び第2の温度センサからの温度データに基づいて変更される。また、そのシステムは、第1の温度センサ及び第2の温度センサから温度データを受信するように構成されるコントローラと、コントローラから制御信号を受信し、GCカラムの温度を実質的に所望の値に保持するために、カラム加熱装置への電力を調整するように構成される電源とを備える。
図1は、代表的な実施形態による、GCシステム100の簡略化されたブロック図である。GCシステム100の数多くの態様が、当業者に知られている。したがって、GCシステム100の或る特定の既知の構成要素の細部は省略される。或る特定の事例では、実現される場合がある既知の構成要素の代表的な例が言及されるが、例示のために提示されており、限定することは全く意図していない。
GCシステム100は、サンプル入口101を備える。サンプル入口101は、汚染物質トラップ102に流体的に結合される。汚染物質トラップ102はカラム103に流体的に結合され、カラム103は、ガスクロマトグラフィにおいて有用な様々のカラムのうちの1つとすることができる。一実施形態では、汚染物質トラップ102は、同時に出願された、同一所有者の米国特許出願第14/057,022号(2013年10月18日出願)において記述されるのと同様とすることができ、その開示は特に引用することにより本明細書の一部をなすものとする。汚染物質トラップ102は、サンプル入口101からのサンプル内の汚染物質を捕捉し、捕捉された汚染物質がカラム103に達するのを防ぐように構成されるマイクロ流体汚染物質トラップである。汚染物質トラップ102を含むことは単なる例示であり、本教示は、汚染物質トラップを備えないGCシステム、又は上記で引用されたばかりの出願において記述されるようなマイクロ流体汚染物質トラップを備えないGCシステムにおいて使用する場合も考えられることに留意されたい。
カラム103は化学サンプルの成分を分離する。カラム103は、1つの溶融シリカ又は金属管(図示せず)を備えるキャピラリカラムとすることができ、化学サンプルの成分を分離するために、管の内部がコーティングされているか、サンプル入口101からのサンプルと相互作用する粒子を充填されている。
カラム103は、代表的な実施形態に関連して以下で更に十分に説明されることになるカラム温度制御装置104と接触するように与えられる。カラム温度制御装置104によって、保持時間が制御され、一方、カラム103の加熱の均一性が比較的改善される。さらに、特定の実施形態では、カラム103は、比較的十分に冷却することができ、最終的に、既知のGCシステムに比べて被分析物の保持時間の再現性及び分析サイクル時間を改善することができる。カラム温度制御装置104のこれらの利点及び他の利点が、代表的な実施形態に関連して以下で更に十分に説明される。
カラム103は、検出器105に接続され、検出器105は、カラム103によって分離される成分の存在を、そして多くの場合にその量を検出する。一般的に、検出器105は、炎イオン化検出器(FID)、質量分析計検出器(MSD)、熱伝導度検出器(TCD)、電子捕獲検出器(ECD)、窒素リン検出器(NPD)、硫黄化学発光検出器(SCD)、窒素化学発光検出器(NCD)、パルス型炎光光度検出器(PFPD)、ヘリウムイオン化検出器(HID)又は炎光光度検出器(FPD)等の既知のGC検出器である。
また、GCシステム100は、コントローラ106及び電源107を備える。コントローラ106は、GCシステム100の複数のコントローラ(図示せず)のうちの1つとすることができるか、又はGCシステムの唯一のコントローラとすることができる。ここでは、カラム温度制御装置104によってカラム103の加熱を保持することに関するコントローラ106の機能が説明される。コントローラ106又は他のコントローラの他の機能は、本教示に関連しないので、説明されない。
一般的に、コントローラ106は、本明細書において論じられる種々の機能を実行するために数多くのやり方(例えば、専用のハードウェアを備える等)で実現することができる。「プロセッサ」はコントローラの1つの例であり、コントローラは、本明細書において論じられる種々の機能を実行するためにコンピュータ可読媒体(ソフトウェア(例えば、マイクロコード))を用いてプログラミングすることができる1つ又は複数のマイクロプロセッサを利用する。コントローラ106は、プロセッサを利用して、又は利用することなく実現することができ、幾つかの機能を実行する専用のハードウェアと、他の機能を実行するプロセッサ(例えば、1つ又は複数のプログラミングされたマイクロプロセッサ及び関連する回路)との組み合わせとして実現することもできる。本開示の種々の実施形態において利用することができるコントローラ構成要素の例は、限定はしないが、従来のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を含む。
種々の実施態様において、コントローラ106は1つ又は複数の記憶媒体(本明細書では包括的に「メモリ」と呼ばれ、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、プログラム可能リードオンリーメモリ(PROM)、電気的プログラム可能リードオンリーメモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラム可能リードオンリーメモリ(EEPROM)、ユニバーサルシリアルバス(USB)ドライブ、フロッピーディスク、コンパクトディスク、光ディスク、磁気テープ等の揮発性及び不揮発性コンピュータメモリ)に関連付けられる場合がある。幾つかの実施態様では、記憶媒体は、コントローラ106上で実行されるときに、本明細書において論じられる機能のうちの少なくとも幾つかを実行する1つ又は複数のプログラムで符号化される場合がある。種々の記憶媒体がコントローラ106内に固定される場合があるか、又は持ち運び可能な場合があり、本明細書において論じられる本教示の種々の態様を実現するために、その記憶媒体上に記憶された1つ又は複数のプログラムをプロセッサ又はコントローラにロードできるようにする。「プログラム」又は「コンピュータプログラム」という用語は、コントローラ106をプログラミングするために利用することができる任意のタイプのコンピュータコード(例えば、ソフトウェア又はマイクロコード)を指す一般的な意味において本明細書において使用される。
図3及び図4に関連して以下で更に十分に説明されるように、コントローラ106は、少なくとも2つの温度センサ(図1には示されない)からの温度データを受信するように構成され、また温度データに基づいて、電源107に制御信号を与えるように構成される。電源107は、幾つかの既知の電源のうちの1つであり、カラム103の温度を概ね所望の温度に保持するために、カラム温度制御装置104の電力を調整するように構成される。
図2Aは、代表的な実施形態による、カラム温度制御装置200(「装置」と呼ばれる場合もある)の組立分解図を示す。とりわけ、本実施形態のカラム温度制御装置200は、本明細書に記載のGCシステム100におけるカラム温度制御装置104として使用する場合が考えられる。
カラム温度制御装置200は、表面207の上方に配置されるGCカラム202を有するように構成されるカラム加熱装置201を備える。GCカラム202は、図1の代表的な実施形態に関連して説明されたカラム103として使用することを意図する。
カラム温度制御装置200は更に、第1の温度センサ203及び第2の温度センサ204を備える。第1の温度センサ203は、第1のカラム加熱装置201内に配置される。代替的には、第1の温度センサ203は、第1のカラム加熱装置201の上方に配置される場合がある。第1の温度センサ203は、具体的には、図2Bの代表的な実施形態において後に説明され、そして、発明者としてSammye E. Traudt他の名義で、2014年9月13日に出願された、同一所有者の同時係属の米国仮特許出願第62/050,125号において記載されているように、カラム加熱装置201内に埋め込まれる。その特許出願の開示全体が引用することにより本明細書の一部をなすものとする。
図2Aは、第2の温度センサ204のための2つの異なる代表的な配置を示す。第1の断熱層205がカラム加熱装置201の下方に配置され、断熱層206が、GCカラム202及び第2の温度センサ204の上方に配置される。一実施形態では、第2の温度センサ204は、図に示されるように、GCカラム202の上方、断熱層206の下方に配置される場合がある。別の実施形態では、第2の温度センサ204は、断熱層206の上方に配置される場合がある。温度センサの場所は、従来技術のGCシステムにおいて取り込まれなかったリアルタイム温度勾配を反映するように設計される。
好ましくは、第1の温度センサ203及び第2の温度センサ204はいずれも、熱電対又は白金抵抗温度計(PRT)のようなデバイスである。第1の温度センサ203及び第2の温度センサ204は、熱環境の変化を検出するほど十分迅速に反応しなければならない。とりわけ、第1の温度センサ203は、カラム加熱装置内の比較的速い温度変化を追跡するコントローラにデータを与えなければならない。加熱要素の場所及び第2の温度センサ204に対するその相対位置によるが、第2の温度センサ204は、より緩やかな温度変化を受ける熱環境にある場合がある。その結果として、GCカラム環境内の温度変化は、第2の温度センサ204において検出する前に、第1の温度センサ203からの測定値に反映される場合がある。
第1の断熱層205及び第2の断熱層206は、GCシステムの性能を妨げることなく、十分な断熱を与えるのに適した材料から形成される。具体的には、第1の断熱層205及び第2の断熱層206は、約0.25インチ厚を有するガラス織物材料(glass fabric material)から形成され、それらの層が接触するカラム加熱装置201及びGCカラム202の外面に対する第1の断熱層205及び第2の断熱層206の共形性を改善するために、「ブランケット」として設けることができる。代替的には、第1の断熱層205及び第2の断熱層206は、限定はしないが、ガラス繊維(fiberglass)、ガラス布(glass cloth)、玄武岩等を含む、他のタイプの断熱材を含む場合がある。第1の断熱層205及び第2の断熱層206のために選択される材料は、一般に、GC実行後に十分に、かつ迅速に冷却できるようにしながら、GC実行中にカラム加熱装置201と周囲環境との間の十分な熱障壁を与える必要がある。
本開示においてより十分に説明されるように、第1の温度センサ203及び第2の温度センサ204は、コントローラ106にデータを与え、電源107によってカラム加熱装置201を含むカラム温度制御装置104に与えられる電力に関する判断が行われる。第1の温度センサ203及び第2の温度センサ204の両方からの温度値に基づいてカラム加熱装置201に与えられる電力を制御することによって、GCカラム202の温度を、既知の方法に比べて、より正確に制御することができる。とりわけ、カラム加熱装置201内、又はカラム加熱装置201上に第1の温度センサ203を配置することによって、カラム加熱装置201の温度についての比較的速いフィードバックをコントローラ106に与えることができる。一実施形態では、第1の温度センサ203はカラム加熱装置201と物理的に接触しており、カラム加熱装置201は、カラム加熱装置201内に収容される加熱要素213(図2Aには示されない)に印加される電力の変化に応答して、迅速な温度変化を助長するように設計される。対照的に、加熱要素213から相対的に離れているため、第2の温度センサ204は、より大きく熱的に分離される。その結果として、加熱要素の電力変調から生じる温度変化は、加熱要素と第2の温度センサ204との間にあるGCカラム202及び任意の介在層にわたって温度情報が流れたのちにのみ第2の温度センサ204によって検出されることになる。
さらに、GCカラム202及び第2の断熱層205の界面に第2の温度センサ204を配置することによって、カラム加熱装置201の加熱要素213(図2Aには示されない)からの熱が流れる表面207に隣接するGCカラムの側と反対にあるGCカラム202の側において温度を測定できるようになる。したがって、図2Aの代表的な実施形態において示されるように第1の温度センサ203及び第2の温度センサ204を配置することによって、カラム加熱装置201から、カラム加熱装置201から最も離れたGCカラム202の側への熱勾配のリアルタイムの指示が与えられる。図2Bは、カラム加熱装置201内の第1の温度センサ203の2つの代表的な場所を示す、カラム加熱装置201の組立分解図を示す。カラム加熱装置201は、実質的に平坦である第1の基板208を備える。オプションで、第1の基板208の上方にスペーサ層209が配置される。
スペーサ層209に凹部210が設けられ、幾つかの実施形態では、第1の温度センサ203を受け入れる。他の実施形態では、第1の温度センサ203は、介在層214と第2の基板215との間に位置することができる。GCカラム温度制御装置200内の他の場所に第1の温度センサ203を取り付けることによって、或る程度は便益が実現される場合があるが、加熱要素213に極めて近接して第1の温度センサ203を配置することが、ヒータ制御にとって有益である。
好ましくは、第1の温度センサ203は、GCカラム202と加熱要素213との間に配置される。具体的には、第1の温度センサ203は、介在層214と第2の基板215との間に配置することができる。代替的には、第1の温度センサ203は、「外側に」(すなわち、第1の基板208の下方、又は第2の基板215の上方に)配置することができる。
加熱要素213は、オプションの介在層212と、オプションの介在層214(以下では、介在層214と呼ばれる)との間に配置される。介在層212及び214は一般に、同じ材料から形成される。また、介在層212、214は、加熱要素213と第1の基板208及び第2の基板215との間の電気絶縁体としての役割を果たすように選択することもできる。第1の基板208と同様に、第2の基板215も実質的に平坦である。第2の基板215は、それと熱的に接触しているGCカラム(図2Bには示されない)を有するように構成される。具体的には、GCカラムは第2の基板215の表面207の上方に配置され、加熱要素213からの熱は、第2の基板215を通してGCカラムに伝達される。図2Bを再検討することから理解できるように、表面207は実質的に平坦である。
第1の基板208及び第2の基板215は、単一の層、又は同じ若しくは異なる材料の複数の層を備えることができる。以下で更に十分に説明されるように、カラム加熱装置201は、第2の基板215に接触しているGCカラムを実質的に均一に加熱する。
当業者によって理解されるべきであるように、物体の「熱質量」は、熱エネルギー(すなわち、熱)を蓄積する能力の指標である。したがって、比較的低い熱質量を有する材料は、比較的高い熱質量の材料より、温度を変更するのに必要とする熱が少ない。以下で更に十分に説明されるように、迅速に加熱及び冷却できるようにするために、カラム加熱装置201の第1の基板208及び第2の基板215のために選択される材料は比較的低い熱質量を有する。
熱質量(単位J/K)は、材料の比熱cと物体の質量mとの積である。便宜上、熱質量は、材料の密度ρと、表面積Aと、表面積に対して垂直な厚さtとの積として更に規定することができる。組み合わせると、熱質量は、
熱質量=(ρctA
と表すことができる。
カラム加熱装置201の表面積は、加熱されるカラムのサイズに基づいて一定であるので、ここで論じられる場合、表面積は定数と見なされる。残りの項が更に検討される。項ρcは、材料の体積熱容量としても知られており、材料固有の特性である。熱質量を最小化するために、この項は最小化されるべきである。代表的な実施形態では、第2の基板215、又は第1の基板208及び第2の基板215のための材料は、25℃において、約
Figure 2018500536
未満の体積熱容量を有する。
第2の基板215、又は第1の基板208及び第2の基板215のための材料の選択は、機械的剛性、低い熱勾配及び熱変形に対する耐性によって更に限度が設けられる。これらの限度は、第2の基板215、又は第1の基板208及び第2の基板215のために必要とされる材料の最小厚を決定する際に特に重要である。熱質量とともに、これらは完全に独立した特性ではないので、材料の選択は、それらの全てを考慮して行われる。最終的な目的は、より迅速に加熱及び冷却できるようにするために、第1の基板208及び第2の基板215の場合に相対的に低い熱質量を達成しながら、第2の基板215の面207にわたって低い熱勾配を達成することである。
第2の基板215、又は第1の基板208及び第2の基板215にわたる熱勾配は、基板の異なる部分が異なる熱環境にあることから生じる。例えば、加熱要素213は、完全に均質な熱プロファイルを有するわけではない。さらに、第1の基板208及び第2の基板215の外縁は通常、周囲温度環境に対して、より大きく曝露されることになる。したがって、第1の基板208及び第2の基板215にわたって熱勾配が存在する可能性がある。第1の基板及び第2の基板のための選択された材料が、熱流に対して低い耐性を有する、すなわち、高い熱伝導率kを有するときに、勾配は低減される。それゆえ、GCカラムと接触している面207が温度に関して実質的に均一であるように、特に第2の基板215の場合に比較的高い熱伝導率を有する材料を有することが望ましい。代表的な実施形態によれば、第2の基板215、又は第1の基板208及び第2の基板215のための材料は、25℃において約
Figure 2018500536
より高い熱伝導率を有する。
第1の基板208及び第2の基板215は、カラム加熱装置201のための機械的構造を与える。とりわけ、第1の基板208及び第2の基板215は、GCカラム202及び第2の温度センサ204だけでなく、カラム加熱装置201の種々の比較的軟質の構成要素に対して十分な支持を与える。有益なことに、第1の基板208及び第2の基板215のために選択される材料は、十分な支持を与えるほど十分に硬質である。材料の剛性は、その弾性率(又はヤング率)Eに関連付けられる。材料が高い弾性率を有する場合には、低い弾性率を有する材料と同じ剛性を与えるのに必要な材料が少ない(例えば、部品がより薄い)。それゆえ、十分な剛性を達成するのに必要とされる材料の(熱)質量が少ないように、高い弾性率を示す材料を有することが有益である。代表的な実施形態によれば、第1の基板208及び第2の基板215のための材料は、約100GPaより大きいヤング率を有する。剛性に加えて、第1の基板208及び第2の基板215は、加熱要素213を第2の基板215と接触させておくために、そして、GCカラム202を表面207と直接接触させておくか、又は表面207と間接的に(すなわち、GCカラム202と表面207との間の介在層(図示せず)と)接触させておくために、表面平坦性を維持しなければならない。平坦性に関する問題は、急速な温度変化からの変形又は「バックリング(buckling)」に起因して生じる場合がある。例えば、構成要素が非対称に冷却されるときのように、その構成要素内に大きな熱勾配が存在する場合には、構成要素の複数の部分が、他の部分が一定のままであろうとする一方で、熱膨張に起因して大きくなろうとする。最悪の場合、これは、バックリング又は破損を引き起こす可能性がある。
熱膨張に起因して機械的に変形する可能性は、高い熱伝導率k、低い熱膨張係数α又はその両方を有する材料を選択することによって最小化することができる。高い熱伝導率を有する材料は、材料内の大きな熱勾配の形成に耐える。低い熱膨張を有する材料は、著しい熱勾配下にあっても、あまり大きくならない。高い熱伝導率、低い熱膨張係数又はその両方を有する材料を選択することによって、バックリングへの十分な耐性を与えながら、より少ない材料(例えば、より薄い部品)を、それゆえ、より低い熱質量を使用できるようになる。代表的な実施形態によれば、第2の基板215、又は第1の基板208及び第2の基板215のための材料は、25℃において、約
Figure 2018500536
より大きい、熱伝導率と熱膨張係数との比を有する。
第2の基板215、又は第1の基板208及び第2の基板215のための材料の選択に関する別の検討事項は、材料の電気絶縁特性である。材料は、この機能を果たすために、積み重ねられたカラム加熱装置201内に更なる材料を追加しなければならないのを回避するために実質的に電気的に絶縁性であることが有益である。
最後に、約450℃より高い温度において、カラム加熱装置201内で有効である、第2の基板215、又は第1の基板208及び第2の基板215のための材料を選択することが重要である。
表1は、第2の基板215、又は第1の基板208及び第2の基板215のための材料を選択する際に考慮されるべき要因のうちの幾つかの要約を提示する。
Figure 2018500536
代表的な実施形態では、第2の基板215はシリコンを含む。一般に、第2の基板215を形成するシリコン層は、具体的には単結晶シリコン又は多結晶シリコンであり、約0.3mm〜1.5mmの厚さを有する。具体的には、第2の基板215は、約0.675mmの厚さを有する<1,0,0>シリコンを含む。代表的な実施形態では、第1の基板208は、具体的には、単結晶シリコン又は多結晶シリコンである。第1の基板208は、約0.675mmの厚さを有する<1,0,0>シリコンウェハを含むことができ、第2の基板215は、それぞれ約0.675mmの厚さを有する2つの<1,0,0>Siウェハを含む。第2の基板215のために2つのウェハを使用することにより、幾分改善された保持時間再現性が与えられる。とりわけ、第2の基板215は、特別な研磨又はドーピングを必要としない。第1の基板208は、第2の基板215と同じ材料から、同じ仕様で形成することができる。
第2の基板215、又は第1の基板208及び第2の基板215のためのシリコンの使用は例示にすぎないことに留意されたい。より一般的には、第2の基板215、又は第1の基板208及び第2の基板215のために選択される材料は、25℃において約
Figure 2018500536
より低い体積熱容量(ρc)と、25℃において約
Figure 2018500536
より高い熱伝導率(k)と、25℃において約
Figure 2018500536
より大きい、熱伝導率と熱膨張係数との比(k/α)と、約100GPaより高いヤング率(E)とを有するように選択される。
これらの物理的特性は、低い熱質量、機械的剛性、低い熱勾配及び変形への耐性を含む、幾つかの限度内でカラム加熱装置201のより迅速な加熱及び冷却を達成するために望ましい。表2は、或る材料範囲にわたってこれらの4つの特性を比較する。
Figure 2018500536
上記に基づいて、第2の基板215、又は第1の基板208及び第2の基板215のために選択される材料は、25℃において約
Figure 2018500536
より低い体積熱容量を有するべきである。それゆえ、銅、アルミナ、ニクロム、ステンレス鋼、ニッケル、サファイア、窒化シリコン、炭化タングステン、酸化ベリリウム、黄銅、青銅、アルミニウム黄銅、鉄及びベリリウムは、第2の基板215、又は第1の基板208及び第2の基板215のための好ましい材料ではない。
第2の基板215、又は第1の基板208及び第2の基板215のために選択される材料は、25℃において約
Figure 2018500536
より高い熱伝導率を有するべきである。この仕様は更に排除する。それゆえ、パイレックス(登録商標)ガラス、雲母、チタン、石英ガラス、ガリウムヒ素、ゲルマニウム、窒化ホウ素、酸化ジルコニウム、炭化ホウ素、インジウムリン、ニオブ、レニウム及びタンタルは、第2の基板215、又は第1の基板208及び第2の基板215のための好ましい材料ではない。
第2の基板215、又は第1の基板208及び第2の基板215のために選択される材料は更に、(25℃において)25℃において約
Figure 2018500536
より大きい、熱伝導率kと熱膨張係数αとの比を有するべきである。それゆえ、アルミニウム、マグネシウム、銀、亜鉛及び金は、第2の基板215、又は第1の基板208及び第2の基板215のための好ましい材料ではない。
第2の基板215、又は第1の基板208及び第2の基板215のために選択される材料は更に、約100GPaより高いヤング率を有するべきである。それゆえ、グラファイトは、第2の基板215、又は第1の基板208及び第2の基板215のための好ましい材料ではない。
上記の分析に基づいて、第2の基板215、又は第1の基板208及び第2の基板215のために使用することができる例示的な材料は、シリコン、窒化アルミニウム、ダイヤモンド、炭化シリコン、タングステン、モリブデン、タングステン合金(特に銅との合金)、モリブデン合金(特に銅との合金)及びその組み合わせを含む。
1つの代表的な実施形態では、加熱要素213は、介在層212と214との間に配置される。介在層212、214は、一般に、同じ材料から形成され、それぞれ、第2の比較的低い熱質量を有する。さらに、介在層212、214はそれぞれ、電気絶縁性の材料から形成される。とりわけ、第1の基板208及び第2の基板215が電気絶縁性である場合には、介在層212、214は省くことができる。しかしながら、介在層212、214の材料が、比較的高い温度において、導電性が高くなる可能性がある(例えば、シリコン)場合には、加熱要素と第1の基板208及び第2の基板215との間に電気絶縁体が必要とされる。したがって、第1の基板208及び第2の基板215がシリコンを含む代表的な実施形態では、介在層212、214が必要とされる場合がある。しかしながら、とりわけ、別の代表的な実施形態では、この絶縁機能を果たすために、介在層212、214を含むのではなく、加熱要素に面する第1の基板208及び第2の基板215の面をガラス又は他の誘電体の層でコーティングすることができる。
代表的な実施形態では、介在層212、214はそれぞれ、ケイ酸塩(フィロケイ酸塩)鉱物シートからなる雲母を含む。一般に、雲母材料は、X4−620(OH,F)であり、ただし、XはK、Na若しくはCaであるか、又は頻度は低いが、Ba、Rb若しくはCsであり、YはAl、Mg若しくはFeであるか、又は頻度は低いがMn、Cr、Ti、Li等であり、Zは主にSi又はAlであるが、Fe3+又はTiを含むこともできる。第1の介在層212及び第2の介在層214のための雲母の使用は、例示にすぎず、雲母に類似の熱質量、導電率、及び急速な温度変化に起因する機械的歪みへの耐性を有する他の材料も考えられる。例えば、ガラス繊維等の織布(fabrics)及び玄武岩が、所望の特性を与える。
加熱要素213は具体的には、ワイヤヒータ又はフォイルヒータ等の抵抗性加熱要素である。他のタイプの加熱要素も考えられる。加熱要素はかなり薄く、それゆえ、カラム加熱装置200の各層の所望の平坦性を実質的に妨げないことが有益であることは理解されたい。既知の薄膜製造方法によれば、当業者の理解し得る範囲内にあるそのような比較的薄い加熱要素が考えられる。
図2Cは、別の代表的な実施形態による、カラム加熱装置201の組立分解図を示す。カラム加熱装置201の多くの態様は、図2Bに関連して上記で説明されたカラム加熱装置201の態様と実質的に同じである。したがって、図2Bのカラム加熱装置201の特徴に共通している種々の特徴の多くの細部は繰り返されない。とりわけ、カラム加熱装置201の共通の要素の種々の特徴は同じである。例えば、同じ材料(例えば、シリコン)から形成されるとき、カラム加熱装置201の他の構成要素に対する第1の基板208及び第2の基板215の熱質量の相対的な大きさは、上記で説明されたのと同じである。
カラム加熱装置201は、その上方に配置された加熱要素213を有する第1の基板208を備える。しかしながら、とりわけ、図2Cのカラム加熱装置201は、上記でオプションであると言及された、スペーサ及び介在層209、212、214を備えない。
図2Cは、カラム加熱装置201の代替の実施形態における他の第1の温度センサの2つの代表的な場所を示す。一実施形態では、第1の温度センサ203は、第1の基板208の上方、加熱要素213の下方に配置される。別の実施形態では、第1の温度センサ203は、加熱要素213と第2の基板215との間に位置する。上記で言及されたように、GCカラム温度制御装置200内の他の場所に第1の温度センサ203を取り付けることによって、或る程度は便益が実現される場合があるが、加熱要素213に極めて近接して第1の温度センサ203を配置することが、ヒータ制御にとって有益である。
また、カラム加熱装置201は、加熱要素213の上方に配置される第2の基板215を備える。第2の基板215は、それと直接接触しているか、又は間接的に(すなわち、GCカラムと第2の基板215との間の介在層(図示せず)と)接触しているGCカラム(図2Cには示されない)を有するように構成される。具体的には、GCカラムは、第2の基板215の表面207の上方に配置され、加熱要素213からの熱は、図2Bの代表的な実施形態に関連して上記で説明されたように、第2の基板215を通して伝達される。第1の基板208及び第2の基板215は、同じ材料又は異なる材料の単一の層又は複数の層を備えることができる。上記の第2の基板215の熱分配を通して、装置201は、第2の基板215と接触しているGCカラムを実質的に均一に加熱する。
GCカラム温度制御装置200は、図2B及び図2Cに示されるように、加熱要素213を備えるカラム加熱装置201内に配置されるか、又は直接隣接して配置される第1の温度センサ203を備える。加熱要素213内に、又は加熱要素213に隣接して第1の温度センサ203を配置することによって、加熱要素213の温度についてのフィードバックを比較的速くコントローラ106に与えることができるようになる。さらに、GCカラムの加熱要素とは反対の側に第2の温度センサ204を配置することによって、リアルタイムの温度勾配が取り込まれる。
図3は、代表的な実施形態による、コントローラ106の簡略化されたブロック図を示す。簡略化されたブロック図は、GCカラム、又はGCカラムの直近の周囲、又はその両方の温度を実質的に所望のレベルに維持するために、加熱要素213に与えられることになる要求電力を決定する際に有用であるコントローラ106の構成要素を示す。とりわけ、GCカラムの温度制御に関係しない他のハードウェア及びファームウェアを含む、コントローラ106の他の構成要素は、図示又は説明されない。
コントローラ106は、比例積分微分(PID)コントローラ301を含む。PIDコントローラ301は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又は他の類似のデバイス等の、ソフトウェア、マイクロコントローラ又はプログラマブル論理デバイス(PLD)において具現されることができる。PIDコントローラ301は、3つの別々の定数パラメータを伴うPIDコントローラアルゴリズムで具現され、多くの場合に、比例値、積分値及び微分値による3項制御と呼ばれる。そのアルゴリズムは、ソフトウェア、ファームウェア又は両方の組み合わせの形で与えられる。後に更に十分に説明されるように、プログラム(命令コード)の形のPIDコントローラアルゴリズムをメモリ302又は他のコンピュータ可読媒体に記憶することができ、そのアルゴリズムは、GCカラム(例えば、GCカラム202)を所望のレベルまで加熱するために、PIDコントローラ301に、電源のための設定点を決定させることができる。とりわけ、PIDコントローラ301がソフトウェアにおいて具現される代表的な実施形態では、それはメモリ302に記憶することができる。
また、コントローラ106は、数学処理構成要素又はアルゴリズム303を含み、その構成要素又はアルゴリズムは、第1の温度センサ203及び第2の温度センサ204から温度データを受信し、第1の温度センサ203又は第2の温度センサ204のいずれかが単独で提供できる値より、正確なカラム温度の改善された推定値を計算するように構成される。アルゴリズムブロック303は、具体的には、ハードウェア、ファームウェア若しくはソフトウェア、又はその組み合わせにおいて具現されるプロセッサを備える。代替的には、アルゴリズムブロック303は、抵抗器対等のアナログ回路を備える。好ましい実施形態では、そのアルゴリズムは、2つの温度センサの加重平均を求めるために使用される。第1の温度センサ及び第2の温度センサからのデータの加重平均を計算することは、第1の温度センサ203からの温度を値(X)と乗算し、第2の温度センサ204からの温度を値(1−X)と乗算することによって達成することができる。とりわけ、Xの値は、周囲遮断(ambient rejection)を最適化することによって決定され、後に更に十分に説明される。加重平均は、GCカラム202付近の温度の推定値を与え、Xの値を適切に選択することにより、この推定値は、第1の温度センサ203及び第2の温度センサ204からデータを連続して収集し、解釈することを通して時間枠内で実質的に正確であることが可能である。加重平均アルゴリズムが説明されるが、温度入力データを処理し、推定カラム温度を導出する他の手法も考えられる。
一般に、アルゴリズムブロック303は、或る範囲の条件にわたって実際のカラム温度にできる限り近い温度値を求めるように構成される。現実世界の状況において変化することになる1つの条件は周囲温度である。第1の温度センサ203及びGCカラム202における温度は、周囲温度が変化するのに応じて、異なるように変化する可能性がある。第1の温度センサ203の値のみを入力として使用するとき、PIDコントローラ301は、第1の温度センサ203の場所付近における周囲温度シフトの影響しか補償することができない。システム内の熱抵抗に起因して、行われる補償は、GCカラム202における周囲温度の影響を厳密には補償しない。この結果として、カラム温度が全体的にわずかに変化することになる。サンプルピークがカラムを横切るとき、それゆえ、わずかに異なる平均温度を受けることになり、結果として生じるピーク溶出時間はわずかにシフトすることになる。カラム温度変化は通常、周囲温度変化の分数になる。再現可能なピーク溶出時間を維持するために(それは最も容易な被分析物識別を可能にする)、この分数をできる限り小さくしておくことが最適である。「周囲遮断」は、周囲温度変化と実効カラム温度変化との間の関係を説明するために与えられる用語であり、周囲温度変化を、結果として生じるカラム温度変化で割ることによって与えられる。周囲遮断は、正又は負のいずれかとすることができる。いずれの場合でも、周囲遮断の絶対値を最大化することが望ましい。良好なGCシステム内の周囲遮断は通常、約100:1である。
第1の温度センサ203及び第2の温度センサ204の適切に選択された加重平均を使用することによって、実際のカラム温度がより良好に近似されるので、PIDコントローラ301は、カラムにおける周囲シフトをより正確に補償することができる。変動する周囲条件下でGCカラム202を通る化合物の溶出時間を通して実際のカラム温度を測定することによって、第2の温度センサ204を含むことが周囲遮断を改善する際にいかに有効であるかを判断することができる。
有益には、Xの値は、結果として、化合物保持に影響を及ぼさない周囲温度変動が生じるように選択される。実験的に、同じ公称GC条件(例えば、オーブン、入口、検出器温度及び圧力設定点)下で同じサンプルを繰り返し注入し、X及び周囲温度が変更されるときの保持時間又は保持指標のシフトを観測することによって、Xを実質的に最適化することができる。保持指標、すなわち、所与の被分析物のための保持の相対的な指標を用いて、実効カラム温度を決定することができる。周囲温度変化を実効カラム温度の変化で割ることによって、熱システムの周囲遮断が与えられる。
コントローラ106は、温度設定点モジュール304を備え、そのモジュールは、PIDコントローラ301に現在の電力設定点を与える。アルゴリズムブロック303は、最新の計算からの加重平均値をPIDコントローラ301に与える。PIDコントローラ301は、温度誤差を求めるために、温度設定点モジュール304からの設定点温度と、加重平均値との間の差を計算する。PIDコントローラアルゴリズムは、Pと温度誤差とを乗算したものを加算し、Iと第1の温度センサ203及び第2の温度センサ204から最後に温度データが受信されて以降の時間にわたる温度誤差の積分とを乗算したものを加算し、その後、Dと温度誤差の導関数とを乗算したものを加算する。温度誤差を計算し、最終的に、電源107によって加熱要素213に印加される電力の値を求めるのを繰り返すたびに、P、I及びDの有用な値を決定する種々の手段がある。
温度誤差は瞬時的な誤差であり、それゆえ、以前にどの値であったか、又は後にどの値になるかとは無関係である。しかしながら、積分は、ゾーンがオンに切り替えられた時点、又は温度が設定点付近にあった時点のような、特定の時点からの全ての温度誤差の連続的な和である。導関数は、現在の測定値と、先行する測定値のうちの1つ又は複数とに基づく。一実施形態では、導関数は、一定時間だけ離間して測定された、最新の温度誤差と先行する温度誤差との間の温度変化を、2つの温度誤差を求めた時間差で割った値とすることができる。しかしながら、雑音の影響を低減するために、導関数を計算する更に複雑な手段が必要とされる場合があり、本教示によって考えられる。とりわけ、導関数は、時間的にずれた2回の測定間の差から計算することができるが、この単純な技法は、あまりにも雑音の影響を受けやすい場合があり、望むほどの制御を与えない場合がある。導関数のための雑音の影響を受けにくい値を計算する数多くの既知の方法がある。例えば、複数のデータ点への関数の最小二乗当てはめを実行することができ、この関数から導関数を計算することができる。複数のデータ点が、現在の計算までの期間にわたる場合であっても、計算された導関数は、その期間内の特定の時点、例えば、その期間の中間の場合の推定値になる。有益には、導関数の推定は、少ない数のデータ点を用いて関数を当てはめることによって、又は最新の測定の時点に対応する時点において関数値を求めることによって、最新の温度測定の時点にできる限り近い時点に行われるべきである。
加熱要素213に与えるために、PIDコントローラ301が電源107のための新たな電力レベルを求めると、電源107は新たな電力レベルを印加する。その後、更なるデータが第1の温度センサ及び第2の温度センサから収集され、そのプロセスが繰り返される。一般に、そのプロセスは、次の測定を開始する前に繰り返される。具体的には、繰り返し間の間隔(温度測定間の経過時間)は、熱ゾーンの熱応答の速度に匹敵するほど十分に短い必要がある。既知のように、熱応答は、印加電力が変化する時点と、この変化が第1の温度センサ203及び第2の温度センサ204において検知された時点との間の遅延を表す。熱応答は、とりわけ、ヒータとセンサとの間の熱抵抗と、システムに関連付けられる種々の熱質量とを組み合わせた影響から生じる。高速システムは、低い熱抵抗又は低い熱質量、又はその両方を有することになる。
温度が測定されるたびに、PID計算が実行され、ヒータ電力がこの新たな値に調整される。当然、これは全てアナログ回路において行うことができ、その場合、全てが、離散的ではなく、連続しており、間隔は存在しない。
図4は、代表的な実施形態による、GCカラムの温度を制御する方法400の流れ図を示す。方法400は具体的には、図1〜図3に関連して上記で説明された実施形態に関連して実施される。とりわけ、方法400は、コントローラ106のハードウェア、ソフトウェア又はファームウェアを通して複数の方法で実行することができる。代表的な実施形態では、プログラムを記憶する非一時的コンピュータ可読媒体が、コントローラ内(例えば、メモリ302内)に設けられる。このプログラムは、その方法を達成するためのコードを含む。以下の方法のそれぞれの部分において、コードの異なる態様が開示される。そのようなコードは、当業者によって容易に決定され、本実施形態の説明を明確にするために繰り返されない。
ステップS401では、その方法は温度を測定することを含む。上記で言及されたように、温度測定は第1の温度センサ203及び第2の温度センサ204によって行われる。第1の温度センサ203及び第2の温度センサ204から温度データを受信するために、コンピュータ可読媒体内に受信コードセグメントが設けられる。
ステップS402では、上記で説明されたように、コントローラ106においてカラム温度推定値が求められる。好ましい実施形態では、温度データから加重平均温度を求めるために、コンピュータ可読媒体内に加重平均コードセグメントが設けられる。
ステップS403では、コントローラ106において、カラム温度推定値と現在の設定点との間の比較が行われる。カラム温度推定値と、現在の設定点温度とを比較するために、コンピュータ可読媒体内に比較コードセグメントが設けられる。この比較に基づいて、PIDコントローラ301において温度誤差が求められる。温度誤差を求めるためにコンピュータ可読媒体内に比例積分微分コードセグメントが設けられる。
ステップS404では、上記で説明されたように、PIDアルゴリズムが、加熱要素213に印加する必要がある新たな電力レベルを求める。温度誤差から加熱要素に印加する電力レベルを設定するために、コンピュータ可読媒体内に設定コードセグメントが設けられる。
ステップS405では、上記で説明されたように、PIDコントローラからの電力レベル入力に基づいて、電源107は、加熱要素213に印加される電力レベルを調整する。温度誤差に基づいて加熱要素213に印加する電力レベルを調整するために、コンピュータ可読媒体内に調整コードセグメントが設けられる。
図示されるように、そのプロセスはS401において開始して繰り返される。言及されたように、これは、熱ゾーンがいかに速く応答するかによって決まる。具体的には、代表的な実施形態の熱ゾーンは、毎秒50回サービスサイクルが実施される。既知のように、サービスサイクル実施は、温度データを用いてPIDコントローラ301においてPID計算を実行することと、上記のGCシステム100内のカラム温度制御装置104に与えられる電力を変更するために電源107に制御信号を与えることとを含む。
本開示の観点から、本教示を踏まえて、それらの方法及びデバイスを実現できることに留意されたい。さらに、種々の構成要素、材料、構造及びパラメータは説明及び例示としてのみ含まれており、制限する意味は全くない。本開示の観点から、本教示は、添付の特許請求の範囲内にとどまりながら、他の適用例において実現することができ、これらの適用例を実現するために必要とされる構成要素、材料、構造及び装置を決定することができる。
例示的な実施形態
ここで開示されている主題により提供される例示的な実施形態は、特許請求の範囲及び以下の実施形態を含むが、これらに限定されない。
A1.ガスクロマトグラフィカラム温度制御装置であって、
カラム加熱装置と、
カラム加熱装置内に、又はカラム加熱装置に直接隣接して位置する第1の温度センサと、
カラム加熱装置の上方に配置される第2の温度センサと、
第1の温度センサと第2の温度センサとの間に配置されるガスクロマトグラフィカラムとを備え、ガスクロマトグラフィカラムの温度は、第1の温度センサ及び第2の温度センサからの温度データに基づいて変更される、ガスクロマトグラフィカラム温度制御装置。
A2.カラム加熱装置の下方に配置される第1の断熱層と、第2の断熱層とを更に備え、第2の温度センサは第2の断熱層の上方に、第2の断熱層内に、又は第2の断熱層の下方に配置される、実施形態A1に記載の装置。
A3.カラム加熱装置は、第1の基板と、第1の基板の上方に配置される加熱要素と、カラム加熱要素の上方に配置される第2の基板とを備え、第2の基板は第1の側及び第2の側を有し、第2の側は、この第2の側と接触しているガスクロマトグラフィカラムを有するように構成され、カラム加熱装置からの熱は第2の基板を通して伝達され、第2の基板に接触しているガスクロマトグラフィカラムを実質的に均一に加熱する、先行する実施形態のいずれかに記載の装置。
A4.第2の基板はシリコンを含む、先行する実施形態のいずれかに記載の装置。
A5.第2の基板は単結晶シリコン又は多結晶シリコンを含む、先行する実施形態のいずれかに記載の装置。
A6.第1の基板はシリコンを含む、先行する実施形態のいずれかに記載の装置。
A7.第1の基板は単結晶シリコン又は多結晶シリコンを含む、先行する実施形態のいずれかに記載の装置。
A8.第2の基板は、25℃において
Figure 2018500536
より低い体積熱容量と、25℃において
Figure 2018500536
より高い熱伝導率と、25℃において約
Figure 2018500536
より大きい、熱伝導率と熱膨張係数との比と、100GPaより高い機械的剛性とを有する、先行する実施形態のいずれかに記載の装置。
A9.第2の基板は、窒化アルミニウム、ダイヤモンド、炭化シリコン、タングステン、モリブデン、タングステン合金、モリブデン合金又はその組み合わせのうちの1つを含む、先行する実施形態のいずれかに記載の装置。
A10.加熱要素と第1の基板との間に配置されるスペーサ層を更に備え、層は、第1の温度センサを受け入れ、加熱要素に隣接して第1の温度センサを保持するように構成される、先行する実施形態のいずれかに記載の装置。
B1.温度制御システムであって、
ガスクロマトグラフィカラムに隣接して配置される第1の温度センサと、
カラム加熱装置内に、又はカラム加熱装置の上方に配置される第2の温度センサと、
第1の温度センサ及び第2の温度センサから温度データを受信し、第1の温度センサ及び第2の温度センサからの温度データに基づいて、制御信号を出力するように構成されるコントローラと、
コントローラから制御信号を受信し、カラム加熱装置への電力を調整してガスクロマトグラフィカラムの温度を変更するように構成される電源と、
を備える、温度制御システム。
B2.コントローラは比例積分微分(PID)コントローラを含む、実施形態B1に記載のシステム。
B3.PIDコントローラは、第1の温度センサからの温度データに基づいて、第1のPID計算を達成し、第2の温度センサからの温度データに基づいて、第2のPID計算を達成するように構成される、実施形態B1又はB2に記載のシステム。
B4.第2のPID計算は、第1のPID計算を計算し、変更するために使用される、実施形態B1、B2又はB3に記載のシステム。
B5.変更された第1のPID計算に基づく制御信号が電源に与えられる、実施形態B1〜B4のいずれかに記載のシステム。
B6.PIDコントローラは、第1の温度センサ及び第2の温度センサからの温度データの加重平均に基づいてPID計算を達成するように構成される、実施形態B1〜B5のいずれかに記載のシステム。
C1.カラム加熱装置を制御するためのシステムであって、装置は、第1の温度センサ及び第2の温度センサから温度データを受信するように構成されるコントローラを備え、コントローラは、
温度データから推定カラム温度を求めることと、
推定カラム温度を現在の設定点温度と比較することと、
推定カラム温度と現在の設定点温度との比較から温度誤差を求めることと、
求められた温度誤差に基づいて、加熱要素に印加する電力レベルを調整することと、
を含む、プログラミング動作を実行するように更に構成される、カラム加熱装置を制御するためのシステム。
C2.推定カラム温度は、第1の温度センサ及び第2の温度センサの両方からのデータを用いて計算される、実施形態C1に記載のシステム。
C3.第1の温度センサは、第2の温度センサより、加熱要素の近くに位置する、実施形態C1又はC2に記載のシステム。
C4.現在の設定点温度は、ガスクロマトグラフィカラムの所望の温度の関数である、実施形態C1、C2又はC3に記載のシステム。

Claims (20)

  1. ガスクロマトグラフィカラム温度制御装置であって、
    カラム加熱装置と、
    前記カラム加熱装置内に、又は該カラム加熱装置に直接隣接して位置する第1の温度センサと、
    前記カラム加熱装置の上方に配置される第2の温度センサと、
    前記第1の温度センサと前記第2の温度センサとの間に配置されるガスクロマトグラフィカラムとを備え、該ガスクロマトグラフィカラムの温度は、前記第1の温度センサ及び前記第2の温度センサからの温度データに基づいて変更される、ガスクロマトグラフィカラム温度制御装置。
  2. 前記カラム加熱装置の下方に配置される第1の断熱層と、第2の断熱層とを更に備え、前記第2の温度センサは前記第2の断熱層の上方に、該第2の断熱層内に、又は該第2の断熱層の下方に配置される、請求項1に記載の装置。
  3. 前記カラム加熱装置は、第1の基板と、該第1の基板の上方に配置される加熱要素と、該カラム加熱要素の上方に配置される第2の基板とを備え、前記第2の基板は第1の側及び第2の側を有し、前記第2の側は、該第2の側と接触している前記ガスクロマトグラフィカラムを有するように構成され、前記カラム加熱装置からの熱は前記第2の基板を通して伝達され、前記第2の基板に接触している前記ガスクロマトグラフィカラムを実質的に均一に加熱する、請求項1に記載の装置。
  4. 前記第2の基板はシリコンを含む、請求項3に記載の装置。
  5. 前記第2の基板は単結晶シリコン又は多結晶シリコンを含む、請求項3に記載の装置。
  6. 前記第1の基板はシリコンを含む、請求項3に記載の装置。
  7. 前記第1の基板は単結晶シリコン又は多結晶シリコンを含む、請求項3に記載の装置。
  8. 前記第2の基板は、25℃において
    Figure 2018500536
    より低い体積熱容量と、25℃において
    Figure 2018500536
    より高い熱伝導率と、25℃において約
    Figure 2018500536
    より大きい、熱伝導率と熱膨張係数との比と、100GPaより高い機械的剛性とを有する、請求項3に記載の装置。
  9. 前記第2の基板は、窒化アルミニウム、ダイヤモンド、炭化シリコン、タングステン、モリブデン、タングステン合金、モリブデン合金又はその組み合わせのうちの1つを含む、請求項3に記載の装置。
  10. 前記加熱要素と前記第1の基板との間に配置されるスペーサ層を更に備え、前記層は、前記第1の温度センサを受け入れ、前記加熱要素に隣接して前記第1の温度センサを保持するように構成される、請求項3に記載の装置。
  11. 温度制御システムであって、
    ガスクロマトグラフィカラムに隣接して配置される第1の温度センサと、
    前記カラム加熱装置内に、又は前記カラム加熱装置の上方に配置される第2の温度センサと、
    前記第1の温度センサ及び前記第2の温度センサから温度データを受信し、前記第1の温度センサ及び前記第2の温度センサからの前記温度データに基づいて、制御信号を出力するように構成されるコントローラと、
    前記コントローラから制御信号を受信し、前記カラム加熱装置への電力を調整して前記ガスクロマトグラフィカラムの前記温度を変更するように構成される電源と
    を備える、温度制御システム。
  12. 前記コントローラは比例積分微分(PID)コントローラを含む、請求項8に記載のシステム。
  13. 前記PIDコントローラは、前記第1の温度センサからの前記温度データに基づいて、第1のPID計算を達成し、前記第2の温度センサからの前記温度データに基づいて、第2のPID計算を達成するように構成される、請求項9に記載のシステム。
  14. 前記第2のPID計算は、前記第1のPID計算を計算し、変更するために使用される、請求項10に記載のシステム。
  15. 前記変更された第1のPID計算に基づく制御信号が前記電源に与えられる、請求項11に記載のシステム。
  16. 前記PIDコントローラは、前記第1の温度センサ及び前記第2の温度センサからの温度データの加重平均に基づいてPID計算を達成するように構成される、請求項9に記載のシステム。
  17. カラム加熱装置を制御するためのシステムであって、前記装置は、第1の温度センサ及び第2の温度センサから温度データを受信するように構成されるコントローラを備え、該コントローラは、
    前記温度データから推定カラム温度を求めることと、
    前記推定カラム温度を現在の設定点温度と比較することと、
    前記推定カラム温度と前記現在の設定点温度との前記比較から温度誤差を求めることと、
    前記求められた温度誤差に基づいて、加熱要素に印加する電力レベルを調整することと
    を含む、プログラミング動作を実行するように更に構成される、カラム加熱装置を制御するためのシステム。
  18. 前記推定カラム温度は、前記第1の温度センサ及び前記第2の温度センサの両方からのデータを用いて計算される、請求項17に記載のシステム。
  19. 前記第1の温度センサは、前記第2の温度センサより、前記加熱要素の近くに位置する、請求項17に記載のシステム。
  20. 前記現在の設定点温度は、ガスクロマトグラフィカラムの所望の温度の関数である、請求項17に記載のシステム。
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