JP4654151B2 - 加熱素子 - Google Patents
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Description
さらに、カーボン製の給電端子部をアセンブリによって組み上げた後に保護層を形成する方法が提案されている(特許文献1、5等参照)。
さらに、ハロゲン系エッチングガスを用いる等のホウ化物を腐食する環境で使用される場合、最表層がホウ化物では、耐食性が乏しく、腐食され、短寿命となるという欠点があった。
このように、耐食層の空隙率が、7%以下とすることにより、より効果的に腐食ガスの透過を抑制することができる。
このように、耐食層の材質が、アルミニウム、イットリウム、シリコンのいずれか、またはこれらのいずれかの化合物であることにより、ハロゲン系エッチングガスや酸素等の腐食環境においても安定して使用することができる。
このように、耐食層が、CVD法、反応性スパッタ法、イオンプレーティング、溶射法、ゾルゲル法のいずれか、またはこれらを組み合わせた方法により、形成されたものであることによって、ガス透過率の低い耐食層を形成することができる。
このように、前記耐食層は、CVD法、反応性スパッタ法、イオンプレーティングのいずれかの方法によれば、空隙率の低い耐食層を形成することができるので、これらの方法のいずれかによって比較的薄い0.1μm以上20μm以下の厚さの層となるように形成することにより、低コストでガス透過率の低い耐食層を形成することができる。
このように、前記耐食層は、溶射法またはゾルゲル法により1μm以上100μm以下の厚さの層を形成したものであることにより、低コストでガス透過率の低い耐食層を形成することができる。
このように、前記保護層の材質が、窒化ホウ素、熱分解窒化ホウ素、窒化珪素、CVD窒化珪素、窒化アルミニウム、CVD窒化アルミニウムのいずれか、またはこれらを組み合せたものであることとすれば、ショートの原因となる金属を含まないこれらの絶縁性の材質とすることによって、高い絶縁性で導電層を保護でき、また、高温での使用による剥離や不純物の飛散がなく高純度が要求される加熱プロセスにも低コストで対応できる保護層となる。
このように導電層の材質が、熱分解炭素またはグラッシーカーボンであれば、高温まで加熱可能となり、加工も容易なためヒーターパターンを蛇行パターンとして、その幅や厚さ等を変えることにより、任意の温度傾斜をつけたり、熱環境に応じた発熱分布をもたせて均熱化したりすることも容易となる。
また、前記耐熱性基材は、一体物であって、複数の部品を組み合わせてアセンブリしたものではないので、コンパクトで製造コストが低い上、該耐熱性基材に形成された層は、使用によってクラックが入り難く長寿命である。
さらに、前記導電層は、上記のようにヒーターパターンと導電路と給電端子とが形成され、該ヒーターパターンと該導電路の表面が保護層で覆われ、一体的に形成されてなるものであるので、コンパクトで製造コストが低い上、該保護層は、使用によってクラックが入り難くなり長寿命となる。
このように耐熱性基材の材質がグラファイトであれば、材料が安価で複雑な形状でも加工が容易であるため、製造コストをさらに低くできる上、耐熱性も大きい。
このように誘電体層の材質が、窒化ホウ素、熱分解窒化ホウ素、窒化珪素、CVD窒化珪素、窒化アルミニウム、CVD窒化アルミニウムのいずれか、または、これらを組み合せたものであれば、絶縁性が高く、高温での使用による不純物の飛散がなく高純度が要求される加熱プロセスにも対応できる。
このように棒状部の長さを、10〜200mmとすることにより、端子部と加熱部が十分な距離をとることができるので、端子部を十分に低温化させることができ、より効果的に端子部の消耗を防ぐことができる。
このように、前記板状部の前記棒状部が突出する側の面にヒーターパターンが形成され、該板状部の反対側の面に被加熱物を保持する静電チャックパターンが形成されたものであれば、被加熱体を保持しつつ加熱することができるので効率よく加熱できるとともに高精度で位置を設定することができ、イオンインプラ、プラズマエッチング、スパッタリング等の被加熱体の位置精度が要求される場合に、より正確に所望の加熱プロセスを行うことができる。
さらに、加熱部と給電端子部が、棒状部に導電路が形成された導電部によって隔てられるものとすれば、給電端子部がプロセス中の高温ガスによって消耗し難くなりより長寿命となる。
また、本発明者らの研究によれば、たとえ最外層に耐食性の層を施したとしても、これにガス透過性がある場合、腐食性ガスが透過して下層を腐食し、寿命を短くしてしまうことがあった。
本発明は、少なくとも、耐熱性の基材1と、該耐熱性基材上に形成されたヒーターパターン3aを有する導電層3と、該導電層上に形成された絶縁性の保護層4とを有する加熱素子10であって、少なくとも前記保護層4の上に窒素ガス透過率が1×10−2cm2/sec以下である耐食層4pを有するものである。
Q=(P1−P2)×V0/tにおいて、P1(atm)は、試料側容器34の初期内圧を表し、P2(atm)は、ガス透過後の試料側容器34の内圧を表す。V0(cm3)は、試料側容器34の内部容積を表す。t(sec)は、透過時間を表す。
Δp=p0−p1において、p0(atm)は、黒鉛板側容器33の圧力を表す。
耐食層4pの空隙率は、耐食層4pの構成成分で占められていない空隙の部分の割合をいい、空隙率の測定は成膜による重量増と顕微鏡観察によるボイド計測と厚さ測定により行うことができる。
例えば、CVD法、反応性スパッタ法、イオンプレーティングのいずれかの方法によれば、空隙率の低い耐食層を形成することができるので、これらの方法のいずれかによって比較的薄い0.1μm以上20μm以下の厚さの層となるように形成することにより、低コストでガス透過率の低い耐食層を形成することができる。
また、前記耐熱性基材1は、一体物であって、複数の部品を組み合わせてアセンブリしたものではないので、コンパクトで製造コストが低い上、該耐熱性基材1に形成された層は、使用によってクラックが入り難く長寿命である。
さらに、前記導電層3は、上記のようにヒーターパターン3aと導電路3bと給電端子3cとが形成され、該ヒーターパターン3aと該導電路3bの表面が保護層4で覆われ、一体的に形成されてなるものであるので、コンパクトで製造コストが低い上、該保護層4は、使用によってクラックが入り難くなり長寿命となる。
(実施例1)
図1のような、厚さ10mm外径250mmの板状部1aの片面の中央から、直径30mm長さ100mmの棒状部1bと、該棒状部1bの板状部1aとは反対側に直径60mm厚さ10mmの小さい円板で電源端子5に接続できる4つの直径6mmの穴を形成した先端部1cとが形成された一体物でカーボン製の耐熱性基材1を用意した。
さらに試料となる層32の成膜による重量増と顕微鏡観察によるボイド計測と厚さ測定から、窒化アルミニウム層の空隙率は2%であると計測され、十分に小さいものだった。
ここにCF4を導入し1x10−2Paとしたが200時間置いても変化無く加熱でき、高温・腐食性ガス環境下においても腐食ガスが透過し難いので、導電層、特に給電端子部の腐食による劣化を回避できることが確認された。
図2のように、厚さ10mm外径250mmの板状部1aの片面の両端部、2箇所に一対の直径20mm長さ50mmの棒状部1bと、該棒状部1bの板状部1aとは反対側にM10の深さ10mmメスネジ穴が形成されて電気的接続をネジにより行えるようにした先端部1cとが形成された一体物でカーボン製の耐熱性基材1を形成した。
さらに実施例1と同様に、試料の層の形成による重量増と顕微鏡観察によるボイド計測と厚さ測定を行い耐食層の空隙率を求めた。その結果、上記の表1に示すように、プラズマ溶射法により形成した10μmのイットリア層の空隙率は7%であり、大気熱CVD法により形成された2μmのイットリア層の空隙率は2%あると計測され、十分に小さいものだった。
ここにCF4を導入し1x10−2Paとしたが200時間置いても表面の消耗量は0.1μmと非常に小さく、高温・腐食性ガス環境下においても導電層の腐食による劣化を回避できることが確認された。
実施例2と同様の加熱素子10で、耐食層4pとして、プラズマ溶射法により30μmのイットリア層を形成した。
そして、実施例2と同様に、耐食層の窒素ガス透過率、空隙率を求めたところ、上記の表1に示すように、1x10−2cm2/sec、7%であり、ガス透過率が低く、空隙率が低いものであった。さらに、実施例2と同様に加熱実験およびCF4導入実験を行ったところ、実施例2とほぼ同様の結果が得られ、本発明の効果を奏することが確認された。
図4のように、厚さ10mm外径250mmの板状の基材21の表面の両端部に、M10の深さ10mmメスネジ穴が形成されて電気的接続をネジにより行えるようにした一体物でカーボン製の耐熱性基材21を形成した。M10のネジ部は0.4mm大き目にしておき、後に電気的接続をネジにより行えるようにした。
さらに実施例1と同様に、試料の成膜による重量増と顕微鏡観察によるボイド計測と厚さ測定を行い耐食層の空隙率を求めたところ、上記の表1に示すように10%と大きい結果だった。
3…導電層、 3a…ヒーターパターン、 3b…導電路、 3c…給電端子、
4…保護層、 4p…耐食層、 5…電源端子、 6…静電チャックパターン、
10…加熱素子、 10a…加熱部、 10b…導電部、 10c…給電端子部。
Claims (13)
- 少なくとも、耐熱性の基材と、該耐熱性基材上に形成されたヒーターパターンを有する導電層と、該導電層上に形成された絶縁性の保護層とを有する加熱素子であって、少なくとも前記保護層の上に窒素ガス透過率が1×10−2cm2/sec以下である耐食層を有するものであり、
前記耐熱性基材は、少なくとも、ヒーターパターンが形成される板状部と、該板状部の片面から突出する導電路が形成される棒状部と、該棒状部の前記板状部とは反対端に位置し給電端子が形成される先端部とが形成された一体物であり、該耐熱性基材の表面に絶縁性の誘電体層が形成され、前記導電層は、該誘電体層上に形成され、前記保護層は、前記ヒーターパターンと前記導電路の表面を覆う一体的に形成されてなるものであることを特徴とする加熱素子。 - 前記耐食層の空隙率が、7%以下であることを特徴とする請求項1に記載の加熱素子。
- 前記耐食層の材質が、アルミニウム、イットリウム、シリコンのいずれか、またはこれらのいずれかの化合物であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の加熱素子。
- 前記耐食層の材質が、アルミナ、窒化アルミニウム、フッ化アルミニウム、イットリア、窒化イットリウム、フッ化イットリウム、酸化珪素、窒化珪素のいずれか、またはこれらを組み合わせたものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の加熱素子。
- 前記耐食層が、CVD法、反応性スパッタ法、イオンプレーティング、溶射法、ゾルゲル法のいずれか、またはこれらを組み合わせた方法により、形成されたものであることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の加熱素子。
- 前記耐食層は、CVD法、反応性スパッタ法、イオンプレーティングのいずれかにより、0.1μm以上20μm以下の厚さの層を形成したものであることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の加熱素子。
- 前記耐食層は、溶射法またはゾルゲル法により1μm以上100μm以下の厚さの層を形成したものであることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の加熱素子。
- 前記保護層の材質が、窒化ホウ素、熱分解窒化ホウ素、窒化珪素、CVD窒化珪素、窒化アルミニウム、CVD窒化アルミニウムのいずれか、またはこれらを組み合せたものであることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の加熱素子。
- 前記導電層の材質が、熱分解炭素またはグラッシーカーボンであることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の加熱素子。
- 前記耐熱性基材の材質が、グラファイトであることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載の加熱素子。
- 前記誘電体層の材質が、窒化ホウ素、熱分解窒化ホウ素、窒化珪素、CVD窒化珪素、窒化アルミニウム、CVD窒化アルミニウムのいずれか、またはこれらを組み合せたものであることを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれか一項に記載の加熱素子。
- 前記棒状部の長さが、10〜200mmであることを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれか一項に記載の加熱素子。
- 前記板状部の前記棒状部が突出する側の面にヒーターパターンが形成され、該板状部の反対側の面に被加熱物を保持する静電チャックパターンが形成されたものであることを特徴とする請求項1ないし請求項12のいずれか一項に記載の加熱素子。
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