JP2002188745A - 電磁弁用ソレノイド - Google Patents
電磁弁用ソレノイドInfo
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Abstract
済性の良い電磁弁用ソレノイドを提供する。 【解決手段】 固定鉄心5、可動鉄心6及びボビン4の
中心孔4aの断面形状を長円または略長方形にすると共
に、該ボビン4に巻かれた断面が長円または略長方形の
コイル7の短軸側または短辺側の巻外径Wと、コイルの
内側の断面積Sと同じ断面積の仮想円柱鉄心の直径dと
の間に、d=(0.4〜0.8)Wの関係を持たせ、該
固定鉄心5及び可動鉄心6の断面における長軸または長
辺の長さaと短軸または短辺の長さbとの比率を、1.
3≦a/b≦3.0となるようにする。
Description
ドに関するものである。
孔に装着した固定鉄心、これらを囲む磁気枠、ボビンの
中心孔に摺動可能に挿入した可動鉄心、及びその復帰ば
ね等を有するソレノイド部と、複数のポート、これらの
ポートを連通させる通路中の弁座、上記可動鉄心により
駆動され上記弁座を開閉する弁体を有する弁部とを備え
た電磁弁は、特に例示するまでもなく既に知られてい
る。また、複数の電磁弁をマニホールドベースに連接し
て一括制御することも、特に例示するまでもなく既に知
られている。
たとき、電磁弁全体が大型で重くなるという問題が生じ
るため、個々の電磁弁のボディ幅を小さくし全体を小型
化することが最重要となる。しかし、全体を小型化する
ために電磁弁のボディ幅を小さくすると、ボディ内に収
容されている電磁弁の弁体を駆動するソレノイドの巻外
径が小さくなり、ソレノイドの巻外径が小さくなるとソ
レノイドの吸引力が減少し、電磁弁の弁体を駆動する駆
動力が低下するという新たな問題が生ずる。また、ソレ
ノイドの吸引力を増大させるためにコイルの巻数を増や
したり鉄心を大径化したりすると、ソレノイドの巻外径
が大きくなると共にコストが増大するといった問題があ
った。したがって、従来の電磁弁用ソレノイドは、小型
化及び吸引力増加に限界があった。
するに際し、個々の電磁弁のボディ幅を小さくする場合
でも、ボディ幅と直角方向の電磁弁の奥行には余裕があ
ることに着目し、電磁弁用ソレノイドにおける固定鉄心
及び可動鉄心の断面形状及びボビンの中心孔の形状に工
夫をこらすことにより、上記問題を解決できることを見
出し、しかも、それが上記余裕の範囲内で適切に対処で
きることを確かめ、本発明に至ったものである。
でありながら吸引力が大きく、しかも経済性の良い電磁
弁用ソレノイドを提供することにある。
め、本発明に係る電磁弁用ソレノイドは、コイルを巻い
たボビンと、該ボビンの中心孔に装着した固定鉄心と、
該ボビンの中心孔に摺動可能に挿入され該ボビンの中心
孔内に吸引力作用面を有し該コイルへの通電により吸引
される可動鉄心と、これらを囲む磁気枠とを有する電磁
弁用ソレノイドにおいて、上記固定鉄心、可動鉄心及び
ボビンの中心孔の断面形状を長円または略長方形にする
と共に、該ボビンに巻かれた断面が長円または略長方形
のコイルの短軸側または短辺側の巻外径Wと、コイルの
内側の断面積Sと同じ断面積の仮想円柱鉄心の直径dと
の間に、d=(0.4〜0.8)Wの関係を持たせ、上
記固定鉄心及び可動鉄心の断面における長軸または長辺
の長さaと短軸または短辺の長さbとの比率を、1.3
≦a/b≦3.0としたことを特徴とするものである。
コイルを巻いたボビンと、該ボビンの中心孔に装着した
固定鉄心と、該ボビンの中心孔に摺動可能に挿入され該
ボビンの中心孔内に吸引力作用面を有し該コイルへの通
電により吸引される可動鉄心と、これらを囲む磁気枠と
を有し、ボディ幅がボディ奥行より短い電磁弁用ソレノ
イドにおいて、ボビンに巻かれたコイルの巻外径Wと上
記仮想円柱鉄心の直径dとの関係が、d=(0.4〜
0.8)Wになるような断面積の鉄心にすると、電磁弁
用ソレノイドの固定鉄心と可動鉄心の間に働く吸引力を
大きく設計できることは、後述する計算により確認され
ている。
及び可動鉄心の断面形状は円よりも長円または略長方形
にしたほうが、同じ鉄心断面積であっても吸引力が大き
くなり、更に、上記固定鉄心及び可動鉄心の断面が長円
または略長方形の長軸または長辺の長さaと短軸または
短辺の長さbとの比率が、1.3≦a/b≦3.0とな
るようにすると、投下コストの割には大きな吸引力を得
られることが後述する計算等により確認された。
イドによれば、上述した構成により小型でありながら吸
引力が大きく、しかも経済性の良い電磁弁用ソレノイド
を提供することができる。
レノイドの一実施例を示す縦断正面図である。該実施例
における電磁弁用ソレノイド1は、弁2のボディ3の上
部に取り付けられ、該ボディ3と同じ幅と奥行とを有
し、コイル7を巻いたボビン4と、該ボビン4の中心孔
4aに装着した固定鉄心5と、該ボビン4の中心孔4a
に摺動可能に挿入され、該ボビン4の中心孔4a内に吸
引力作用面6aを有し、該コイル7への通電により固定
鉄心5に吸引される可動鉄心6と、これらを囲む磁気枠
8及び磁気プレート9(磁気枠と一体化できる)と、該
可動鉄心6の先端に固着されるキャップ11と、該キャ
ップ11及び磁気プレート9の間に装着される可動鉄心
6の復帰ばね12とを有している。
ィ幅よりもボディ奥行の方が長くなっており、該ボディ
3の上部側には、上記ボビン4、固定鉄心5、可動鉄心
6、これらを囲む磁気枠8及び磁気プレート9が設けら
れており、該弁2は、圧力流体の入力ポートP、出力ポ
ートA及び排出ポートR、これらのポートを連通させる
通路に互いに背向させて形設した、ポートPとA間の供
給弁座14及びポートAとR間の排出弁座15、これら
の弁座14,15を開閉させる弁体41,46、これら
の弁座の周囲の供給弁室16及び排出弁室17、並びに
弁室16と17を連通させる連通孔18,・・を備え、
弁体41,46を上記可動鉄心6により駆動するもので
あり、上記弁室16は上記キャップ11を固着した可動
鉄心6の先端部分を収納する大きさを有している。
ル7が巻かれるボビン筒部4bと該ボビン筒部4bの両
端に上記コイル7の上下端を覆うボビン鍔部4c,4d
とで構成されている。上記固定鉄心5は、その下端5a
が吸引力作用面になっており、その上端の鍔部5cがシ
ール材32を介してボビン鍔部4cの上面に載置され、
固定鉄心5は上記ボビン4に気密に取り付けられてい
る。上記磁気プレート6は、上記ボビン筒部4bの下端
から突出している可動鉄心6を取り囲む略ドーナツ形状
をなすと共に、上記ボディ3の上端面と上記ボビン鍔部
4dの下面との間にシール材33,34を介して気密に
設けられている。
心6,ボビン4、磁気プレート9を収納するケースを兼
ねており、断面U字状で上記ボディ3と同じ幅と奥行き
とを有し、その下端が環状の凹溝に装着されたシール部
材31を介して上記ボディ3の上部に気密に取り付けら
れており、このために上記固定鉄心5、ボビン4、磁気
プレート9は上記磁気枠8の上端とボディ3の上端との
間にサンドイッチ状に挟持されて固定される。
6aが吸引力作用面になっており、その下方先端部分に
凹部40を有し、該凹部40に上記供給弁座14を開閉
する供給弁体41が摺動可動に挿入され、該供給弁体4
1は凹部40の底面との間に縮設された第1弁ばね42
によって供給弁座14を閉鎖する方向に付勢され、キャ
ップ11の係止部11aに係止している。排出弁座15
を開閉する排出弁体46は、ばね座47との間に縮設し
た第2弁ばね48によって排出弁座15を閉鎖する方向
に付勢され、排出弁体46を駆動する押圧部材49の先
端は、連通孔18,・・を通って上記キャップ11の係
止部11aに当接している。上記ばね座47は押さえ板
36により上記ボディ3からの飛出しが防止されている
と共に、環状の凹溝に装着されたシール材37により上
記ボディ3に気密に取り付けられている。なお、上記実
施例の弁2は3ポート弁となっているが、本発明の電磁
弁用ソレノイド1はこれに限定されるものではない。
ノイド1の固定鉄心5、可動鉄心6,ボビン4の分解斜
視図である。図2に示すように、本実施例に係る電磁弁
用ソレノイド1は、上記固定鉄心5及び可動鉄心6の断
面形状及び上記ボビンの中心孔の形状を長円にすると共
に該ボビンに巻かれた長円のコイルの短軸側の巻外径W
を上記ボディ幅に略等しい長さにしている。なお、上記
実施例では、上記固定鉄心5及び可動鉄心6の断面形状
及び上記ボビンの中心孔の形状を長円にしているが、必
ずしもこれに限定されるものではなく、上記固定鉄心5
及び可動鉄心6の断面形状及び上記ボビンの中心孔の形
状を略長方形にしても良いが、この場合、該ボビンに巻
かれた略長方形のコイルの短辺側の巻外径Wを上記ボデ
ィ幅に略等しい長さにする。
長円のコイルの短軸側の巻外径Wとコイルの内側の断面
積S(=πd2/4)と同じ断面積の仮想円柱鉄心の直
径dとの間に、d=(0.4〜0.8)Wの関係を持た
せ、上記固定鉄心及び可動鉄心の長円の長軸または該略
長方形の長辺の長さをa、上記固定鉄心及び可動鉄心の
断面における長軸の長さaと短軸の長さbとの比率を、
1.3≦a/b≦3.0となるようにしている。
ときは、第1弁ばね42の付勢力によって供給弁体41
が供給弁座14を閉鎖し、押圧部材49で押圧された排
出弁体46が排出弁座15を開放するので、ポートAと
Rが連通している(図1左半分参照)。コイル7に通電
すると、固定鉄心5が復帰ばね12の付勢力に抗して可
動鉄心6を吸引するので、供給弁体41が供給弁座14
を開放するとともに第2弁ばね48の付勢力により排出
弁体46が排出弁座15を閉鎖して、ポートPとAが連
通する(図1右半分参照)。
る。図3は、鉄心形状の最適化を計算により求めるため
に、本発明に係る電磁弁用ソレノイドのコイル形状パラ
メータを示した平面図であり、図4は図3のY−Y線断
面図、図5は長方形断面をもつコイルモデルを示す図で
ある。図3〜図4において、固定鉄心5及び可動鉄心6
の断面形状及びボビン4の中心孔4aの形状は長円をし
ており、ボビン4に巻かれた断面が長円(または略長方
形)のコイル7の短軸側及び長軸側の巻外径をそれぞれ
W及びLとし、該コイル7の高さをH、固定鉄心5と可
動鉄心6の距離をχとし、上記固定鉄心及び可動鉄心の
長円の短軸の長さをdnとし、上記巻外径Wを上記ボデ
ィ幅に略等しい長さにしている。
50は直径dの仮想円柱鉄心の断面であり、上記固定鉄
心5及び可動鉄心6は該仮想円柱鉄心を扁平に変形して
断面形状が長円の鉄心にしたものであり、したがって上
記固定鉄心5及び可動鉄心6の断面積Sは(πd2/
4)である。なお、磁気枠8やボビン筒部4bの板厚
は、その板厚がボディ幅に対しかなり小さいことと計算
を容易にするために省略してある。
5と可動鉄心6の間に働く吸引力Fは、コイル7の巻数
をN,コイル7を流れる電流をI、固定鉄心5及び可動
鉄心6の断面積をS、空気の透磁率をμ、固定鉄心5と
可動鉄心6の間の距離をχ、定数をKとし、該固定鉄心
5と可動鉄心6の間の距離χを一定とすると、 F=K(NI)2S ・・・・(1) (但
し、K=μ/2χ2) で表される。図3〜図4において、コイル7の短軸側
(または短辺側)の巻外径W及びコイル7の高さHを一
定とし、コイル7の長軸側(または長辺側)の巻外径L
を変数とすると、L>Wである。
ると、 N=(W−dn)H/2A2 ・・・・(2) で表される。また、コイルの抵抗値Rは、コイルの平均
巻直径をB、コイルの単位長さ当た りの抵抗値をrとすると、R=πBNr ・・・・(3) で表される。 次に、消費電力をPとすると、P=I2R ・・・・(4) で表される。(1)式に(3)、(4)式を代入し、次
式を得る。 F=KN2I2S=KN2SP/R=KN2SP/πBNr =KNPS/πBr=K1NS/Br ・・・・(5) (但し、K1=KP/π、P=一定) (5)式に(2)式を代入し、次式を得る。 F=K1(W−dn)HS/2A2Br =K2(W−dn)S/A2Br ・・・・(6) (但し、K2=K1H/2、H=一定)
L>WでLを変数とすると、吸引力Fは、F=K2(W
−dn)S/A2Brで表すことができる。一方、コイ
ルの単位長さ当たりの抵抗rは、コイルの導電率をσ、
コイルの断面積をC、コイルの線径をAとすると、 r=1/σC=4/σπA2 ・・・・(7) で表されるから、(6)式に(7)式を代入し、次式を得る。 F=K2(W−dn)S/A2Br=K2σπ(W−dn)S/4B =K3(W−dn)S/B ・・・・(8) (但し、K3=K2σπ/4、σ=一定)
と吸引力及び仮想鉄心との関係を表すため、長円鉄心コ
イルを図5に示す長方形断面積をもつコイルモデルに置
き換える。図5には、固定鉄心及び可動鉄心を断面略長
方形とし、その短辺及び長辺の長さをそれぞれdn及び
yとし、ボビン4に巻かれた断面略長方形のコイル7の
短辺側の巻外径をWとし、平均巻長さuを示す導線を略
長方形の導線52で示した場合の、コイル寸法が示され
ている。固定鉄心及び可動鉄心は断面略長方形であるこ
とから、その断面積Sはdnとyの積であり、一方、固
定鉄心及び可動鉄心の断面積Sは一辺の長さがdの仮想
正方形断面の鉄心の断面積(d2)と等しいことから、
次式を得る。 S=ydn=d2 ・・・・(9) したがって、 y=d2/dn ・・・・(10) となる。
方形の鉄心5と断面略長方形の巻外径の中間位置にある
ことから、該導線52は断面略長方形となりその短辺及
び長辺の長さは、それぞれ(W+dn)/2及びd2/
dn+(W−dn)/2となる。したがって、平均巻長
さuは、 u=〔(W+dn)/2〕×2+〔d2/dn+(W−dn)/2〕×2 =W+dn+2d2/dn+(W−dn) =2〔W+d2/dn〕 ・・・・(11) 一方、コイルの平均巻直径がBの場合の平均巻長さu
は、u=πBとなるから、この式に(11)式を代入し
て、次式を得る。 B=u/π=2〔W+d2/dn〕/π ・・・・(12) (9)、(12)式を(8)式に代入し、次式を得る。 F=K4(W−dn)d2/〔W+d2/dn〕 ・・・・(13) (但し、K4=K3π/2)
d、dnを巻外径に対する比で表すと、次式を得る。 F/K=(1−dn)d2/〔1+d2/dn〕 ・・・・(14) (但し、0<dn<d<W=1、K=K4=一定)固定
鉄心及び可動鉄心を断面正方形または円とした場合、d
n=dであるから、(14)式は次のようになる。 F/K=(1−d)d2/〔1+d〕 ・・・・(15) (但し、0<d<W=1、K=K4=一定)(15)式
でdを0〜1の間で変化させると、d=0.618で吸
引力Fが最大となる。すなわち、(15)式のdは、コ
イルの巻外径Wを1とした場合のコイルの巻外径Wに対
する鉄心径の割合であるから、鉄心径dとコイルの巻外
径Wとの比率(d/W)が0.618になったときに吸
引力Fは最大となる。
ときの吸引力Fとd/W=0.618のときの最大吸引
力Fとの比率(すなわち、d/W=0.618のときの
最大吸引力Fに対するd/Wを0〜1の間で変化させた
ときの吸引力Fの割合)を求めると図6に示すグラフの
ようになる。図6のグラフから、最大吸引力に対する吸
引力Fの割合が75%以上を適正範囲とすると、鉄心径
dとコイルの巻外径Wとの比率(d/W)が0.4〜
0.8の範囲が設計に適した範囲と言える。すなわち、
鉄心径dとコイルの巻外径Wとの比率(d/W)を0.
4〜0.8の範囲にすると、コイルの巻外径Wが同じ大
きさでも大きな吸引力を得られるので、電磁弁のボディ
幅に制限があってボビンに巻かれたコイルの巻外径Wを
ボディ幅に略等しい長さ以上に大きくできない場合で
も、設計に適した大きな吸引力が得られる。
d2/4であることから、鉄心径dとコイルの巻外径W
との比率(d/W)を0.4〜0.8の範囲に設計する
ことは、同じ大きさのコイルの巻外径Wに対し大きな吸
引力を得られる鉄心断面積の範囲を設計することでもあ
る。次に、鉄心径dとコイルの巻外径Wとの比率(d/
W)が0.4〜0.8の範囲に設計された仮想円柱鉄心
の鉄心断面積Sに対し、該鉄心断面積Sの大きさを一定
にしておいてその形状が長円になるように変化させ、ボ
ビンに巻かれた断面が長円のコイルの短軸側の巻外径W
を一定の長さ(ボディ幅に略等しい長さ)にした場合
に、吸引力の大きさを示す指標及び投下コストを考慮し
た吸引力の大きさを示す指標が鉄心断面の形状変化(断
面が長円の長軸aと短軸bとの比率a/bの変化)によ
りどのようになるかを計算により求めると、表1及び表
2に示すようになる。
心及び可動鉄心の断面が長円の長軸及び短軸の長さ、S
1は固定鉄心及び可動鉄心の断面積(mm2)、S2は
ボビンに巻かれたコイルの断面積(mm2)、NIはコ
イルの巻数Nとコイルに流れる電流Iとの積、βは上記
S1とS2との和(β=S1+S2)である。該固定鉄
心及び可動鉄心の断面積S1(mm2)は、鉄心径dと
コイルの巻外径Wとの比率(d/W)を0.4〜0.8
の範囲に設計した鉄心断面積であり、該鉄心断面積S1
は巻外径Wがボディ幅に略等しい長さにしていることか
ら実際のボディ幅の寸法から求められる実際の鉄心断面
積(mm2)であり、表1及び表2では該鉄心断面積S
1の大きさが45.4mm2及び91.6mm2の場合
で、該鉄心断面積S1を一定にして鉄心形状を変化させ
た場合の吸引力の大きさを示す指標及び投下コストを考
慮した吸引力の大きさを示す指標をそれぞれ計算してい
る。
記(1)式の左辺に示す吸引力Fを(1)式の右辺に示
す定数Kで除した値であり、該αは吸引力Fの大きさに
比例することから吸引力Fの大きさを示す数値であり、
固定鉄心及び可動鉄心の断面積S1が設計により与えら
れ、コイルの巻数Nとコイルに流れる電流Iとの積NI
が計算により求められると、(1)式よりα=F/K=
(NI)2S1となるから、αは計算により求めること
ができる。表1及び表2において、NO.1〜6の行
は、鉄心断面の形状を円から長円にすると共にその長円
の扁平度を変化させた場合の、すなわち長円における長
軸aと短軸bとの比a/bを変化させた場合の計算値を
それぞれ示している。
合、すなわち鉄心断面形状が円の場合を示しており、N
O.2〜6の行に行くにしたがって扁平度が大きい長円
になっており、表1及び表2から扁平度が大きい長円に
なるにしたがって吸引力Fの大きさを示す数値であるα
の値が大きくなって行くことがわかる。また、βは鉄心
断面積S1とコイル断面積S2との和(β=S1+
S2)であることから、βが大きくなればなるほど投下
コストが大きくなることは明らかであり、表1及び表2
から扁平度が大きい長円になるにしたがって投下コスト
の大きさを示す数値であるβの値が大きくなって行くこ
とがわかる。したがって、表1及び表2に示すα及びβ
の計算値から、鉄心断面形状は円よりも長円にした方が
吸引力が大きくなり、しかも扁平度が大きい長円になる
にしたがって吸引力が増大して行くが、扁平度が大きい
長円になるにしたがって投下コストの大きさを示す数値
であるβの値も大きくなって行くことがわかる。
1〜β6は、それぞれNO.1〜6の行におけるα及び
βの値であり、xはNO.1〜6の行におけるαの値α
1〜α6をそれぞれNO.1の行におけるαの値α1で
除した値であり、yはNO.1〜6の行におけるβの値
β1〜β6をそれぞれNO.1の行におけるβの値β 1
で除した値である。そして、xはNO.1〜6の行にお
けるαの値α1〜α6を基準となるNO.1の行に示す
仮想円柱鉄心のαの値α1で除した値であり基準となる
仮想円柱鉄心の吸引力に対する長円になった場合の吸引
力の大きさの割合を示す数値であることから吸引力の大
きさを示す指標と言うことができ、表1及び表2から扁
平度が大きい長円になるにしたがってxの値が大きくな
って行くことがわかる。
値β1〜β6を基準となるNO.1の行に示す仮想円柱
鉄心のβの値β1で除した値であり基準となる仮想円柱
鉄心の投下コストの大きさに対する長円になった場合の
投下コストの大きさの割合を示す数値であることから投
下コストの大きさを示す指標と言うことができ、表1及
び表2から扁平度が大きい長円になるにしたがってyの
値が大きくなって行くことがわかる。
円になるにしたがってx及びyの値が大きくなってお
り、したがって扁平度が大きい長円になるにしたがって
基準となる仮想円柱鉄心に対し吸引力は増大して行くが
投下コストも増大して行くことがわかる。したがって、
投下コストの増大を避けながら大きな吸引力を得られる
最適な鉄心形状を設計上得ることができるかどうかを検
討するために、投下コストを考慮した吸引力の指標を考
えてみる。
は投下コストの大きさを示す指標であるが、指標の重要
性としては吸引力の大きさを示す指標xのほうが投下コ
ストの大きさを示す指標yより重要である。そこで、指
標の重要性の重み付けを加えるために、吸引力の大きさ
を示す指標xを2乗してその値と投下コストの大きさを
示す指標yとの比率を求めたものが表1及び表2におけ
るx2/yである。
の比率a/bをNO.1〜6の行に示すように変化させ
た場合に、上記計算で求めたx2/yの値もNO.1〜
6の行に示すように変化しているが、該x2/yの値が
基準となるNO.1の行に示す仮想円柱鉄心のときのx
2/yの値(x2/y=1)からどの程度変化している
かを明確にするためにその差を取ったのが表1及び表2
における(x2/y−1)である。(x2/y−1)は
指標の重要性の重み付けを加えながら投下コスト対する
吸引力の大きさの割合を示しているから、投下コストを
考慮した吸引力の指標ということができ、(x2/y−
1)の値が大きいほど投下コストの割には大きな吸引力
が得られることを示している。
と(x2/y−1)の関係をそれぞれグラフにしたもの
が図7及び図8である。すなわち、図7及び図8は、断
面長円鉄心の断面積S1を一定の大きさ(S1=45.
4mm2及びS1=91.6mm2)にした状態で長円
の長軸aと短軸bとの比率a/bを変化させた場合の、
投下コストを考慮した吸引力の指標(x 2/y−1)を
示している図と言える。図7及び図8を見ると、(x2
/y−1)の値は長円の長軸aと短軸bとの比率a/b
の変化に対し30%付近をピークに山形に変化し、a/
bが1.3≦a/b≦3.0の範囲では(x2/y−
1)の値は20%以上となるが、a/bが1.3より小
さかったりあるいはa/bが3.0より大きいと(x2
/y−1)の値は20%より小さい値となることから、
投下コストの割に大きな吸引力を得るためにはa/bが
1.3≦a/b≦3.0の範囲になるように設計するの
が適している。
の別の実施例を示す縦断正面図である。図9に示す実施
例は、図1に示す実施例に比して、可動鉄心6を案内す
る金属案内管61を設けていることと、固定鉄心5が挿
入される中心孔を有する環状の磁気補助板62をボビン
鍔部4cと磁気枠8との間に設けている点で相違し、そ
のほかの構成は基本的に図1に示す実施例と同じであ
る。
4a内に設けられると共に、その上端は固定鉄心5の外
周に設けた環状溝63に装着できるように折り曲げられ
ており、該折り曲げ箇所で固定鉄心5の環状溝63に図
の64で示すように溶接されている。該金属案内管61
の下端は外方に折り曲げられて鍔部65を構成し、該鍔
部65とボビン鍔部4dとの間には磁気プレート9が設
けられ、該鍔部65とボディ3の上端面との間には環状
の凹溝に装着されたシール材33が設けられている。
ドの更に別の実施例を示す縦断正面図である。図10に
示す実施例は、図1に示す実施例に比して、固定鉄心5
の上方に可動鉄心6を設けている点、固定鉄心5に可動
鉄心6に連結した押棒70が通る貫通孔71を設けてい
る点、固定鉄心5の上端にボビン鍔部4cの上面に載置
される鍔部5cを設けないで、その代わりに可動鉄心6
が挿入される中心孔を有する環状の磁気補助板62をボ
ビン鍔部4cと磁気枠8との間に設けている点、磁気枠
8の上端の可動鉄心6が衝突する箇所に弾性を有するク
ッション72を設けている点、本発明の電磁弁用ソレノ
イドにより駆動される弁体を5つのポートを有するスプ
ール弁の弁体74とした点、ボディ3にエンドプレート
73を設け、該エンドプレート73と弁体74との間に
復帰バネ75を設けた点、該復帰バネ75により弁体7
4及び押し棒70を介して可動鉄心6を上方位置に復帰
させ、コイル7への通電による吸引力により可動鉄心6
を下方位置に移動させている点で相違し、そのほかの構
成は基本的に図1に示す実施例と同じである。
ば、小型でありながら吸引力が大きく、しかも経済性の
良い電磁弁用ソレノイドを提供することができる。
示す縦断正面図である。
心、可動鉄心,ボビンの分解斜視図である。
本発明に係る電磁弁用ソレノイドのコイル形状パラメー
タを示した平面図である。
る。
/W)を変化させた場合の吸引力の最大吸引力に対する
割合を示す図である。
1=45.4mm2)にした状態で長円の長軸aと短軸
bとの比率a/bを変化させた場合の、投下コストを考
慮した吸引力の指標(x2/y−1)を示す図である。
1=91.6mm2)にした状態で長円の長軸aと短軸
bとの比率a/bを変化させた場合の、投下コストを考
慮した吸引力の指標(x2/y−1)を示す図である。
を示す縦断正面図である。
実施例を示す縦断正面図である。
Claims (1)
- 【請求項1】コイルを巻いたボビンと、該ボビンの中心
孔に装着した固定鉄心と、該ボビンの中心孔に摺動可能
に挿入され該ボビンの中心孔内に吸引力作用面を有し該
コイルへの通電により吸引される可動鉄心と、これらを
囲む磁気枠とを有する電磁弁用ソレノイドにおいて、 上記固定鉄心、可動鉄心及びボビンの中心孔の断面形状
を長円または略長方形にすると共に、 該ボビンに巻かれた断面が長円または略長方形のコイル
の短軸側または短辺側の巻外径Wと、コイルの内側の断
面積Sと同じ断面積の仮想円柱鉄心の直径dとの間に、
d=(0.4〜0.8)Wの関係を持たせ、 上記固定鉄心及び可動鉄心の断面における長軸または長
辺の長さaと短軸または短辺の長さbとの比率を、1.
3≦a/b≦3.0とした、ことを特徴とする電磁弁用
ソレノイド。
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