JP2021017902A - 電磁弁 - Google Patents

Abstract

【課題】有効巻数が多く且つばね定数の小さい復帰ばねを使用した電磁弁を提供する。【解決手段】電磁弁の電磁操作部２が、コイル１９が巻かれたボビン２０と、該ボビン２０のボビン孔２１の内部に収容された固定鉄心２２及び可動鉄心２３と、前記可動鉄心２３を初期位置に復帰させる復帰ばね２４と、前記電磁操作部２を覆う磁性カバー２６と、該磁性カバー２６と可動鉄心２３とを磁気結合する磁性プレート２５とを有し、前記固定鉄心２２の内部に、ばね収容孔３０が該固定鉄心２２を貫通するように形成され、該ばね収容孔３０の内部に前記復帰ばね２４が収容され、該復帰ばね２４の基端は前記磁性カバー２６に当接し、該復帰ばね２４の先端は前記可動鉄心２３に当接している。【選択図】図１

Description

本発明は、流路切換用の弁部材を有する主弁部と、前記弁部材を切り換え操作する電磁操作部とを有する電磁弁に関するものである。

流路切換用の弁部材を有する主弁部と、前記弁部材を切り換え操作する電磁操作部とを有する電磁弁は、特許文献１に開示されているように公知である。この電磁弁の前記電磁操作部は、コイルが巻かれた中空のボビンと、該ボビンの中心孔内に固定された固定鉄心と、前記中心孔内に変位自在に収容された可動鉄心と、該可動鉄心を初期位置に復帰させる復帰ばねとを有している。そして、前記コイルに通電すると、前記固定鉄心に発生する磁気力によって前記可動鉄心が該固定鉄心に吸引され、前記コイルへの通電を断つと、前記可動鉄心が前記復帰ばねによって初期位置に復帰し、該可動鉄心のこうした往復動作によって前記弁部材が切り換えられる。

前記電磁弁において、前記復帰ばねが設置されている場所は、通常、前記可動鉄心の先端に取り付けられたキャップと、前記ボビンの先端部との間であり、この場所にコイル状をした前記復帰ばねが、前記可動鉄心の先端部外周を取り囲むように配設されている。

ところが、このような公知の電磁弁は、前記ボビンの先端部からキャップまでの距離が短いため、長さの長い復帰ばね（有効巻数の多いばね）を使用することができない。そのため、有効巻数が少なく、従ってばね定数の大きい復帰ばねを使用しなければならず、その結果、前記復帰ばねによって可動鉄心に加わる荷重にばらつきが発生し、該可動鉄心の動作に悪影響を及ぼすおそれがあった。

一方、特許文献２には、固定鉄心の内部に形成した窪みと可動鉄心の端部との間に復帰ばねを配置した電磁弁が開示され、特許文献３には、可動鉄心に形成した窪みと磁性カバーとの間に復帰ばねを配置した電磁弁が開示されている。
しかしながら、前記特許文献２、３に開示された電磁弁は、前記窪みにより形成される復帰ばねの設置スペースが小さいため、長さの短い復帰ばね、つまり、有効巻数が少なく且つばね定数の大きい復帰ばねを使用しなければならず、前記特許文献１に記載された電磁弁と同様の問題を有している。

特許第４３１０５４８号公報 実公平２−５１６７号公報 実公平４−４３６５９号公報

本発明の技術的課題は、有効巻数が多く且つばね定数の小さい復帰ばねを使用することにより、該復帰ばねにより可動鉄心に作用する荷重のばらつきを抑えて該可動鉄心の動作安定性を高めた電磁弁を提供することにある。

前記課題を解決するため、本発明の電磁弁は、流路切換用の弁部材を有する主弁部と、前記弁部材を切り換え操作する電磁操作部とを有している。
前記電磁操作部は、コイルが巻かれたボビン、前記ボビンの内部を該ボビンの基端から先端まで貫通するボビン孔、前記ボビン孔の内部に、基端を前記ボビンの基端側に向けて固定的に収容された固定鉄心、前記ボビン孔の内部に、先端を前記ボビンの先端側に向けて該ボビン孔の軸線方向に変位自在なるように収容された可動鉄心、前記可動鉄心を前記固定鉄心から離反する初期位置に復帰させるコイル状をした復帰ばね、前記ボビンの基端と前記固定鉄心の基端とを覆うと共に、前記コイルを覆う磁性カバー、前記ボビンの先端部に前記磁性カバーと前記可動鉄心とを磁気結合するように配設され、前記可動鉄心が変位自在に嵌合するプレート孔を有する磁性プレート、を有しており、前記固定鉄心の内部には、ばね収容孔が前記軸線に沿って該固定鉄心を貫通するように形成され、該ばね収容孔の内部に前記復帰ばねが収容され、該復帰ばねの基端は前記磁性カバーに当接し、該復帰ばねの先端は前記可動鉄心に当接している。

本発明において、前記可動鉄心は、該可動鉄心の内部を軸線方向に貫通する鉄心孔を有し、前記復帰ばねの先端は、前記可動鉄心の基端面に、該基端面に開口する前記鉄心孔の回りを取り囲むように当接していても良い。
この場合、前記鉄心孔は、前記可動鉄心の基端面に開口する小径部と、前記可動鉄心の先端面に開口する大径部とを有し、前記小径部の内径は、前記大径部の内径及び前記固定鉄心のばね収容孔の内径より小さいことが好ましい。

また、本発明においては、前記磁性カバーの前記復帰ばねが当接する部分に、凹状のばね座が該磁性カバーと一体に形成され、前記可動鉄心の前記復帰ばねが当接する部分に、凹状のばね座が該可動鉄心と一体に形成されていることが好ましい。

更に、本発明において、前記主弁部は、複数のポートを有する弁ボディと、該弁ボディの前記電磁操作部側を向く基端部に取り付けられたオリフィスと、該オリフィスと前記弁ボディとの間に形成された弁室とを有し、前記弁室には、前記ポートに連通する流路孔が開口し、該弁室の内部に、前記流路孔を開閉する前記弁部材が収容されており、前記オリフィスは、前記可動鉄心の先端部外周を取り囲む筒状のガイド部を有し、該ガイド部は、前記磁性プレートの内周に形成された凹溝内に嵌合しており、前記ガイド部の内径及び前記ボビン孔の内径は、前記磁性プレートのプレート孔の内径より小さい。

この場合、前記可動鉄心が初期位置にあるとき該可動鉄心の先端部が前記オリフィスのガイド部内に嵌合する軸線方向長さは、該可動鉄心のストロークより大きいことが好ましい。

本発明によれば、固定鉄心の内部に該固定鉄心を貫通するばね収容孔を形成し、該ばね収容孔内に復帰ばねを収容して、該復帰ばねの一端を磁性カバーに当接させると共に、該復帰ばねの他端を可動鉄心に当接させるようしたことにより、有効巻数が多く且つばね定数の小さい復帰ばねを使用することが可能になり、その結果、前記復帰ばねにより可動鉄心に加わる荷重のばらつきが抑えられ、該可動鉄心の動作安定性が向上した。

本発明に係る電磁弁の一実施形態を示す正面図である。 図１の電磁弁の右側面図である。 図１の電磁弁をＩＩＩ−ＩＩＩ線に沿って切断した断面図である。 図２の電磁弁をＩＶ−ＩＶ線に沿って切断した断面図である。

図１−図４に示す電磁弁は、３ポート弁であって、流体流路を切り換えるための弁部材８を有する主弁部１と、前記弁部材８を切り換え操作する電磁操作部２とを有し、これら主弁部１と電磁操作部２とが、軸線Ｌに沿って直列に連結されている。前記軸線Ｌは、ボビン２０の中央に形成されたボビン孔２１の中心を通る軸線である。
なお、以下の説明において、前記電磁弁を形成する各部材の「基端」とは、図１及び図２の上方側の端部のことであり、前記各部材の「先端」とは、図１及び図２の下方側の端部のことである。

前記主弁部１は、非磁性材製の弁ボディ３と、該弁ボディ３に取り付けられた非磁性材製のオリフィス４とを有している。
前記弁ボディ３は、矩形のブロック形をしていて、軸線Ｌ方向の第１端（先端）３ａ及び反対側の第２端（基端）３ｂを有し、該第２端３ｂに前記電磁操作部２が連結されている。また、該弁ボディ３の第２端３ｂには、円筒形をした弁孔５が、第１端３ａ側に向けて窪んだ形に形成されており、この弁孔５の内部に、円柱形をした前記オリフィス４が、Ｏリング６を介して取り付けられ、このオリフィス４の取り付けにより前記弁孔５の内部に、該オリフィス４と前記弁ボディ３とで囲まれた円形の弁室７が形成され、該弁室７の内部に前記弁部材８が収容されている。

また、前記弁ボディ３は、不図示のマニホールドに取り付けるための取付面３ｃを側面に有しており、該取付面３ｃに、供給ポートＰと出力ポートＡと排出ポートＲとが、前記第１端３ａ側から第２端３ｂ側に向けて一列に並んだ状態に設けられると共に、ガスケット９が取り付けられている。

前記弁室７の内部には、第１流路孔１１と、第２流路孔１２と、第３流路孔１３とが開口している。このうち、前記第１流路孔１１と第２流路孔１２とは、前記軸線Ｌ上の相対する位置にあって、前記第１流路孔１１は前記弁ボディ３に形成され、前記第２流路孔１２は前記オリフィス４に形成されている。そして、前記第１流路孔１１は、弁ボディ３の内部の連通孔１１ａによって前記供給ポートＰに連通し、前記第２流路孔１２は、前記オリフィス４及び弁ボディ３の内部の連通孔１２ａによって前記排出ポートＲに連通している。また、前記第３流路孔１３は、前記弁室７の側面に形成され、前記弁ボディ３の内部の連通孔１３ａによって前記出力ポートＡに連通している。

前記弁部材８は、ゴム又は合成ゴムからなる短円柱状をした部材であって、円筒状をした合成樹脂製の弁ホルダ１４内に嵌着されることにより該弁ホルダ１４に保持され、該弁部材８と前記弁ボディ３との間に介設された弁復帰ばね１５によって前記第２流路孔１２側に向けて常時押圧されている。

前記弁ホルダ１４には、互いに平行する一対のプッシュロッド１４ａ，１４ａが該弁ホルダ１４と一体に形成されている。該プッシュロッド１４ａ，１４ａは、前記オリフィス４に形成されたロッド孔１６内を、電磁操作部２側に向けて軸線Ｌと平行に延びており、該プッシュロッド１４ａ，１４ａの基端は、前記オリフィス４から前記電磁操作部２側に突出し、可動鉄心２３の先端に当接している。

前記電磁操作部２は、コイル１９が巻かれた非磁性材製で中空の前記ボビン２０と、該ボビン２０の中央部を該ボビン２０の基端から先端まで軸線Ｌ方向に貫通する前記ボビン孔２１と、該ボビン孔２１の内部に、基端を前記ボビン２０の基端側に向けて固定的に収容された固定鉄心２２と、前記ボビン孔２１の内部に、先端を前記ボビン２０の先端側に向けて該ボビン孔２１の軸線Ｌ方向に変位自在なるように収容された前記可動鉄心２３と、該可動鉄心２３を前記固定鉄心２２から離反した初期位置（図３、図４の位置）に復帰させるコイル状をした復帰ばね２４と、前記ボビン２０の先端部に配設された磁性プレート２５と、前記電磁操作部２全体を覆う中空の磁性カバー２６とを有している。

前記ボビン２０は、外周に前記コイル１９が巻かれた円筒状のボビン本体２０ａと、このボビン本体２０ａの先端に形成された第１フランジ２０ｂと、該ボビン本体２０ａの基端に形成された第２フランジ２０ｃとを有している。前記第２フランジ２０ｃは、シール部材２７を介して前記磁性カバー２６の天板２６ａの内面に当接しており、前記第１フランジ２０ｂは、シール部材２８を介して前記磁性プレート２５の基端面に当接している。また、前記第１フランジ２０ｂの側面からは、前記コイル１９に電気的に導通する一対のコイル端子２９が側方に突出している。

前記固定鉄心２２は、鉄等の磁性材により円柱状に形成されたもので、均一直径を有する鉄心本体２２ａと、該鉄心本体２２ａの基端に形成された固定用フランジ２２ｂとを有しており、該固定用フランジ２２ｂの直径は前記鉄心本体２２ａの直径より大きい。そして、前記固定用フランジ２２ｂを、前記ボビン２０の第２フランジ２０ｃの内周に形成された凹段部２０ｄ内に嵌合して、該凹段部２０ｄの底部と前記磁性カバー２６の天板２６ａとの間に挟持させることにより、前記固定鉄心２２が前記ボビン２０のボビン孔２１内に固定されている。

前記固定鉄心２２の内部には、一定内径を有する円形のばね収容孔３０が、前記軸線Ｌに沿って該可動鉄心２３を基端から先端まで貫通するように形成され、該ばね収容孔３０の内部に前記復帰ばね２４が収容されている。前記復帰ばね２４の基端は、前記磁性カバー２６の天板２６ａの内面に該天板２６ａと一体に形成された凹状のばね座３１に当接し、前記復帰ばね２４の先端は、前記可動鉄心２３の基端面に該可動鉄心２３と一体に形成された凹状のばね座３２に当接している。
このように、前記復帰ばね２４の端部を前記磁性カバー２６及び可動鉄心２３に形成したばね座３１，３２に当接させることにより、該復帰ばね２４の横ずれが抑制され、該復帰ばね２４が前記固定鉄心２２のばね収容孔３０の側壁に接触するのが防止される。

前記可動鉄心２３は、鉄等の磁性材により一定の直径を有する円柱状に形成されている。該可動鉄心２３の直径は、前記固定鉄心２２の鉄心本体２２ａの直径と同じか又はそれより僅かに小さく、また、前記ボビン２０のボビン孔２１の内径よりも僅かに小さい。

前記可動鉄心２３の内部には、鉄心孔３３が該可動鉄心２３を軸線Ｌ方向に貫通するように形成されている。該鉄心孔３３は、前記可動鉄心２３の基端面に開口する小径部３３ａと、前記可動鉄心２３の先端面に開口する大径部３３ｂとを有しており、前記小径部３３ａの内径は前記大径部３３ｂの内径より小さく、前記大径部３３ｂの内径は、前記固定鉄心２２のばね収容孔３０の内径とほぼ同径である。また、前記小径部３３ａの内径は、前記復帰ばね２４の内径よりも小さい。従って、前記可動鉄心２３の基端面の前記ばね座３２は、該基端面に開口する前記小径部３３ａの回りを取り囲むように形成されており、前記復帰ばね２４の先端部も、前記可動鉄心２３の基端面に、前記鉄心孔３３の小径部３３ａの回りを取り囲むように当接していることになる。
なお、前記鉄心孔３３の前記小径部３３ａの軸線方向長さは、前記大径部３３ｂの軸線方向長さより小さく、それらの比は１／２−１／８程度であることが好ましい。
しかし、前記鉄心孔３３は、前記小径部３３ａのみであっても構わない。即ち、前記可動鉄心２３の内部には、前記小径部３３ａと同径の鉄心孔３３が該可動鉄心２３を貫通するように形成されていても良い。

このように、前記固定鉄心２２の内部にばね収容孔３０を該固定鉄心２２を貫通するように形成し、該ばね収容孔３０の内部に前記復帰ばね２４を収容したことにより、公知の電磁弁に比べ、長さの長い復帰ばね２４、即ち、有効巻数が多く且つばね定数の小さい復帰ばね２４を使用することが可能になり、その結果、前記復帰ばね２４により前記可動鉄心２３に作用する荷重のばらつきが少なくなるため、前記可動鉄心２３の動作精度が向上する。
しかも、前記可動鉄心２３は、前記鉄心孔３３を形成することにより軽量化されているため、耐振動性や耐衝撃性も同時に向上する。
また、前記固定鉄心２２もばね収容孔３０の形成により軽量化されているため、前記可動鉄心２３の軽量化と相俟って、電磁弁全体が軽量化されると共に、材料節減の効果も得られる。

前記磁性プレート２５は、前記磁性カバー２６と前記可動鉄心２３とを磁気結合させるための部材あって、鉄等の磁性材により平面視形状が矩形状をなすように形成され、その中央に円形のプレート孔３４を有しており、該プレート孔３４の内部に、前記可動鉄心２３が軸線Ｌ方向に変位自在なるよう嵌合している。

前記磁性プレート２５の内周部には、筒部３５が該磁性プレート２５の基端面側に突出した状態に形成されている。該筒部３５は、前記プレート孔３４の内周面と前記可動鉄心２３の外周面との対向面積を軸線Ｌ方向に拡大するためのものである。
また、前記磁性プレート２５の先端部側の内周には、環状の凹溝３６が形成され、該凹溝３６の内部に、前記オリフィス４に形成された筒状のガイド部４ａが嵌合し、該ガイド部４ａの内部に、前記可動鉄心２３の先端部が軸線Ｌ方向に変位自在なるように嵌合している。

前記ガイド部４ａは、前記オリフィス４の基端面に、前記ボビン２０のボビン孔２１と同軸上に位置するように形成されたもので、このガイド部４ａの軸線Ｌ方向の高さは、前記凹溝３６の深さより大きい。

前記ガイド部４ａの内径Ｄ１及び前記ボビン孔２１の内径Ｄ２は、前記プレート孔３４の内径Ｄ３より小さい。従って、前記ガイド部４ａの内周面と前記可動鉄心２３の外周面との間のギャップＧ１、及び、前記ボビン孔２１の内周面と前記可動鉄心２３の外周面との間のギャップＧ２は、前記プレート孔３４の内周面と前記可動鉄心２３の外周面との間のギャップＧ３より小さい。しかし、前記ガイド部４ａの内径Ｄ１と前記ボビン孔２１の内径Ｄ２とは、互いに同径であっても、若干異なっていても構わない。
また、前記可動鉄心２３が前記固定鉄心２２から離反した初期位置にある際に、該可動鉄心２３の先端部が前記オリフィス４のガイド部４ａ内に嵌合する軸線Ｌ方向長さＹは、該可動鉄心２３のストロークＸより大きい。

前記磁性カバー２６は、鉄等の磁性材によって四角い箱形に形成されたもので、前記ボビン２０の基端と前記固定鉄心２２の基端とを覆う天板２６ａと、前記コイル１９及び磁性プレート２５の側面全周を覆う前後の側板２６ｂ，２６ｂ及び左右の側板２６ｃ，２６ｃを有している。前記左右の側板２６ｃ，２６ｃの先端には係止部２６ｄがそれぞれ形成され、該係止部２６ｄが、前記弁ボディ３の基端部側面に形成された係止凹部３７内に折り込まれて係止しており、これにより、前記電磁操作部２が前記主弁部１に連結されている。このとき、前記弁ボディ３の基端部が前記磁性プレート２５の先端面に当接し、該磁性プレート２５と前記オリフィス４との間に介在するＯリング３８により、前記主弁部１と電磁操作部２との接合部がシールされている。
なお、前記磁性カバー２６は、鉄板を箱形に折り曲げることによって形成されているが、鉄板を深絞り加工することによって箱形に形成したものであっても良い。

前記構成を有する電磁弁において、図３及び図４に示すように前記コイル１９が非通電の状態にあるとき、前記可動鉄心２３は、前記復帰ばね２４のばね力で前記固定鉄心２２から離反した初期位置を占めている。このとき、前記可動鉄心２３によりプッシュロッド１４ａ，１４ａが押され、前記弁部材８が第１流路孔１１を閉鎖して前記第２流路孔１２を開放するため、前記供給ポートＰが遮断され、前記出力ポートＡと排出ポートＲとが連通している。

この状態から前記コイル１９に通電すると、前記固定鉄心２２及び可動鉄心２３と前記磁性カバー２６及び磁性プレート２５とによって磁気回路が形成されるため、前記可動鉄心２３が、前記復帰ばね２４を圧縮しながら前記固定鉄心２２に吸引される。これにより前記弁部材８が、前記弁復帰ばね１５により第２流路孔１２に向けて押され、前記第１流路孔１１を開放して前記第２流路孔１２を閉鎖するため、前記供給ポートＰと前記出力ポートＡとが連通し、前記排出ポートＲが遮断される。

このとき、前記電磁弁においては、前記ガイド部４ａの内径Ｄ１及びボビン孔２１の内径Ｄ２が、前記磁性プレート２５のプレート孔３４の内径Ｄ３より小さいため、前記可動鉄心２３のガイドは前記ガイド部４ａとボビン２０とによって行われ、該可動鉄心２３が前記磁性プレート２５に接触することがない。このため、前記可動鉄心２３と磁性プレート２５との接触による摺動抵抗の増大や作動電圧の増大等が発生しない。

また、前記可動鉄心２３が初期位置にあるとき該可動鉄心２３の先端部が前記オリフィス４のガイド部４ａ内に嵌合する軸線Ｌ方向長さＹは、該可動鉄心２３のストロークＸより大きいため、前記可動鉄心２３がどのような動作位置にあっても、該可動鉄心２３の先端は常に前記ガイド部４ａ内に嵌合し、このガイド部４ａによってガイドされる。このため、前記可動鉄心２３の動作は非常に安定的に行われる。

なお、図示した実施形態は３ポート弁であるが、本発明は２ポート弁にも適用することができる。

１ 主弁部
２ 電磁操作部
３ 弁ボディ
４ オリフィス
４ａ ガイド部
７ 弁室
８ 弁部材
１１，１２，１３ 流路孔
１９ コイル
２０ ボビン
２１ ボビン孔
２２ 固定鉄心
２３ 可動鉄心
２４ 復帰ばね
２５ 磁性プレート
２６ 磁性カバー
３０ ばね収容孔
３１ ばね座
３２ ばね座
３３ 鉄心孔
３３ａ 小径部
３３ｂ 大径部
３４ プレート孔
３６ 凹溝
Ｌ 軸線
Ｐ 供給ポート
Ａ 出力ポート
Ｒ 排出ポート
Ｄ１，Ｄ２，Ｄ３ 内径
Ｘ ストローク
Ｙ 長さ

Claims (6)

1. 流路切換用の弁部材を有する主弁部と、前記弁部材を切り換え操作する電磁操作部とを有し、
   前記電磁操作部は、
   コイルが巻かれたボビン、
   前記ボビンの内部を該ボビンの基端から先端まで貫通するボビン孔、
   前記ボビン孔の内部に、基端を前記ボビンの基端側に向けて固定的に収容された固 定鉄心、
   前記ボビン孔の内部に、先端を前記ボビンの先端側に向けて該ボビン孔の軸線方向 に変位自在なるように収容された可動鉄心、
   前記可動鉄心を前記固定鉄心から離反する初期位置に復帰させるコイル状をした復 帰ばね、
   前記ボビンの基端と前記固定鉄心の基端とを覆うと共に、前記コイルを覆う磁性カ バー、
   前記ボビンの先端部に前記磁性カバーと前記可動鉄心とを磁気結合するように配設 され、前記可動鉄心が変位自在に嵌合するプレート孔を有する磁性プレート、
   を有し、
   前記固定鉄心の内部には、ばね収容孔が前記軸線に沿って該固定鉄心を貫通するように形成され、該ばね収容孔の内部に前記復帰ばねが収容され、該復帰ばねの基端は前記磁性カバーに当接し、該復帰ばねの先端は前記可動鉄心に当接している、
   ことを特徴とする電磁弁。
2. 前記可動鉄心は、該可動鉄心の内部を軸線方向に貫通する鉄心孔を有し、
   前記復帰ばねの先端は、前記可動鉄心の基端面に、該基端面に開口する前記鉄心孔の回りを取り囲むように当接している、
   ことを特徴とする請求項１に記載の電磁弁。
3. 前記鉄心孔は、前記可動鉄心の基端面に開口する小径部と、前記可動鉄心の先端面に開口する大径部とを有し、前記小径部の内径は、前記大径部の内径及び前記固定鉄心のばね収容孔の内径より小さいことを特徴とする請求項２に記載の電磁弁。
4. 前記磁性カバーの前記復帰ばねが当接する部分に、凹状のばね座が該磁性カバーと一体に形成され、前記可動鉄心の前記復帰ばねが当接する部分に、凹状のばね座が該可動鉄心と一体に形成されていることを特徴とする請求項１に記載の電磁弁。
5. 前記主弁部は、複数のポートを有する弁ボディと、該弁ボディの前記電磁操作部側を向く基端部に取り付けられたオリフィスと、該オリフィスと前記弁ボディとの間に形成された弁室とを有し、
   前記弁室には、前記ポートに連通する流路孔が開口し、該弁室の内部に、前記流路孔を開閉する前記弁部材が収容されており、
   前記オリフィスは、前記可動鉄心の先端部外周を取り囲む筒状のガイド部を有し、該ガイド部は、前記磁性プレートの内周に形成された凹溝内に嵌合しており、
   前記ガイド部の内径及び前記ボビン孔の内径は、前記磁性プレートのプレート孔の内径より小さい、
   ことを特徴とする請求項１に記載の電磁弁。
6. 前記可動鉄心が初期位置にあるとき該可動鉄心の先端部が前記オリフィスのガイド部内に嵌合する軸線方向長さは、該可動鉄心のストロークより大きいことを特徴とする請求項５に記載の電磁弁。

Images