JP2002178466A - 積層ラップフィルム - Google Patents

積層ラップフィルム

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JP2002178466A
JP2002178466A JP2000384369A JP2000384369A JP2002178466A JP 2002178466 A JP2002178466 A JP 2002178466A JP 2000384369 A JP2000384369 A JP 2000384369A JP 2000384369 A JP2000384369 A JP 2000384369A JP 2002178466 A JP2002178466 A JP 2002178466A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、剛性、密着性、カット性
に優れたポリオレフィン系ラップフィルムを提供するこ
と。 【解決手段】 アイオノマー樹脂または融点が1
55℃以上のプロピレン重合体を50重量%以上含有
し、かつ互いに異なる芯層および中間層、さらに最外面
にはプロピレン系重合体を含有する表面層が積層接着さ
れており、その表面層は、融点が155℃以上のプロピ
レン重合体0〜70重量%、融点が120〜150℃で
あるプロピレン・α−オレフィン共重合体20〜95重
量%、および炭化水素化合物5〜20重量%とから構成
されている積層ラップフィルムに関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品等の密着包装
用に好適なラップフィルムに関する。より詳細には、ポ
リオレフィン系の積層ラップフィルムに関する。
【0002】
【発明の背景】ラップフィルムは、食品を販売する時、
冷蔵庫や冷凍庫で保存する時、電子レンジで加熱する時
など、各種の用途に広範に利用されている。そのような
ラップフィルムには、広い温度領域で透明性、耐熱性、
密着性、柔軟性などの特性をバランスよく保持し、かつ
カット性にも優れていることが要求される。
【0003】従来、そのようなラップフィルムとして塩
化ビニリデン系樹脂製の延伸フィルムが製造され、それ
は透明性、耐熱性、密着性、柔軟性等の特性に優れ、ま
た使い勝手が良いことから広く使われてきた。しかし、
最近は環境保護の観点から、塩素を含有しないフィルム
が求められている。最近、ポリアミド樹脂層を芯層に
し、両表面をポリプロピレン樹脂層で被覆した延伸フィ
ルムが第2979663号特許に提案され、優れた物性
バランスを示しているが、一方食品包装用途への使用が
制限されているε−カプロラクタム(ナイロンのモノマ
ー成分)のフィルム表面へのブリードアウトが懸念され
ている。
【0004】そこで、ラップフィルムは、環境保護や食
品衛生性の点からも問題のないポリオレフィン系フィル
ムへと移行しつつある。例えば、低密度ポリエチレンを
ベースにして各種樹脂等を配合した単層フィルム、ポリ
プロピレンをベースにした層を芯層に配置した耐熱性多
層フィルムなどが開発されている。ところが、密着性、
剛性、カット性などの性能バランスを塩化ビニリデン系
樹脂フィルムと比較すると、なお改良の余地が残されて
いる。
【0005】一方、ラップフィルムの切断は、一般にカ
ートンボックスに装着されたノコギリ刃によって行われ
ているが、それによる引裂性を確保するためにフィルム
には延伸処理が施されている。しかしながら、ノコギリ
刃引裂性を高めるために延伸倍率を上げると、フィルム
は長手方向へと裂け易くなってしまう。そこで、特開2
000−202956号公報には、アイオノマー樹脂と
エチレン・α−オレフィン共重合体との共押出フィルム
が手裂性を改良できるとして提案されているが、耐熱性
の点では未だ十分とは言えない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、耐
熱性、剛性、カット性等の性能バランスを維持し、さら
に密着性を向上させたポリオレフィン系ラップフィルム
の提供を目的にする。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、芯
層(A)およびその少なくとも一方の面に設けられた中
間層(B)は、アイオノマー樹脂または融点が155℃
以上のプロピレン重合体を50重量%以上含有する樹脂
層であって、ここで芯層(A)と中間層(B)とは互い
に異なる樹脂層で形成されており、さらに最外面にはプ
ロピレン系重合体を含有する表面層(C)が積層接着さ
れたフィルムであって、その表面層(C)は、(a)融
点が155℃以上のプロピレン重合体が0〜70重量
%、(b)融点が120〜150℃であるプロピレン・
α−オレフィン共重合体が20〜95重量%、および
(c)40℃における動粘度が10〜10,000(m
/s)である炭化水素化合物が5〜20重量%とか
ら構成される積層ラップフィルムに関する(ここで
(a)、(b)および(c)の合計が100重量%にな
る)。
【0008】前記の芯層(A)は、アイオノマー樹脂を
50重量%以上含有する樹脂層であり、中間層(B)
は、融点が155℃以上のプロピレン重合体を50重量
%以上含有する樹脂層であることが好ましい。また、前
記の融点が155℃以上のプロピレン重合体を50重量
%以上含有する樹脂層は、各層を構成する樹脂成分を含
む樹脂組成物から形成することもできる。
【0009】そのような積層フィルムは、表面層(C)
/中間層(B)/芯層(A)/中間層(B)/表面層
(C)とからなる5層構造体であることが望ましい。ま
た、前記の芯層(A)および表面層(C)は、その厚み
がそれぞれ1〜4(μm)であり、中間層(B)の厚み
は0.1〜4(μm)であって、さらに表面層(C)中
の融点が155℃以上のプロピレン重合体の組成割合
(重量%)をX、中間層(B)中の融点が155℃以
上のプロピレン重合体の組成割合(重量%)をY、表
面層(C)の厚みをX、中間層(B)の厚みをY
した時に、次式(1)および(2)とからXおよびYを
求め、 X×Y/(X+Y)=X・・・・・・(1) Y×Y/(X+Y)=Y・・・・・・(2) X、Yおよび表面層(C)中の炭化水素化合物の組成割
合(重量%)Zとが次式(3) 15<X+Y-Z<60・・・・・・・・・(3) を満たすことが望ましい。
【0010】
【発明の具体的説明】本発明に係わる積層ラップフィル
ムは、芯層(A)、少なくともその一方の面に設けられ
た中間層(B)、および最外面に設けられた表面層
(C)とから構成され、各層が互いに接着された構造体
である。次に、本発明の各構成について具体的に説明す
る。
【0011】芯層(A)および中間層(B) 芯層(A)および中間層(B)は、アイオノマー樹脂ま
たは融点が155℃以上のプロピレン重合体を50重量
%以上、好ましくは60重量%以上、さらに好ましくは
80重量%以上含有する樹脂層である。アイオノマー樹
脂を前記の組成で用いるとカット性の良好な積層フィル
ムが得られるし、融点が155℃以上のプロピレン重合
体を同様に用いると耐熱性の良好な積層フィルムが得ら
れる。
【0012】ここで、芯層(A)と中間層(B)とは互
いに異なる樹脂層で形成されている。すなわち、芯層
(A)がアイオノマー樹脂を50重量%以上含有する樹
脂層の場合には、中間層(B)は融点が155℃以上の
プロピレン重合体を50重量%以上含有する樹脂層で形
成されている。逆に芯層(A)が融点155℃以上のプ
ロピレン重合体を50重量%以上含有する樹脂層で形成
されている場合には、中間層(B)はアイオノマー樹脂
を50重量%以上含有する樹脂層で形成されている。特
に、芯層(A)がアイオノマー樹脂を50重量%以上含
有する樹脂層である場合が好ましい。
【0013】ここで、アイオノマー樹脂は、エチレン・
不飽和カルボン酸共重合体、あるいはエチレン・不飽和
カルボン酸・不飽和カルボン酸エステル共重合体を金属
イオンで架橋(中和)した高分子金属塩である。不飽和
カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、フマ
ール酸、マレイン酸を例示することができ、不飽和カル
ボン酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸イソブ
チル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルを例示
することができる。好ましい共重合体の例として、エチ
レン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共
重合体、エチレン・メタクリル酸・メタクリル酸メチル
共重合体を挙げることができる。共重合体中の不飽和カ
ルボン酸の含量は、通常3〜20重量%、好ましくは8
〜12重量%である。
【0014】エチレン・不飽和カルボン酸共重合体、あ
るいはエチレン・不飽和カルボン酸・不飽和カルボン酸
エステル共重合体を架橋(中和)するために用いられて
いる金属イオンは、1〜3価の原子価を有する金属イオ
ン、特に、元素周期律表におけるI、II、III、I
VおよびVIII族の1〜3価の原子価を有する金属イ
オンが使われている。具体的には、ナトリウム、カリウ
ム、リチウム、銅、マグネシウム、カルシウム、鉛、
鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、アルミニウム等が挙げ
られ、特にリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシ
ウム、亜鉛が好ましい。これらの金属イオンによって、
共重合体中のカルボキシル基の10〜100モル%、好
ましくは20〜90モル%が中和されている。
【0015】アイオノマー樹脂は、ASTM D−12
38に準拠し、190℃、2.16kg荷重下で測定さ
れるメルトフロレート(MFR)値が、通常1〜30
(g/10分)、好ましくは3〜10(g/10分)の
範囲にあると、フィルム成形性および延伸性の点で望ま
しい。
【0016】また、融点が155℃以上のプロピレン重
合体は、プロピレンの単独重合体であっても、プロピレ
ンと少量のプロピレン以外のα−オレフィンとを共重合
させた重合体であってもよい。ここで、融点は、AST
M D−2117に準拠して測定される値であり、共重
合体については後述する表面層の項で説明する。このプ
ロピレン重合体は、ASTM D−1238に準拠し、
230℃、2.16kg荷重下で測定されるメルトフロ
ーレート(MFR)値が、それぞれ通常1〜50(g/
10分)、好ましくは5〜30(g/10分)の範囲に
あると、フィルム成形性および延伸性に優れている
【0017】各層は、アイオノマー樹脂または融点が1
55℃以上のプロピレン重合体を主体にして形成されて
いるが、残余の樹脂成分はそれらとの相溶性の良い樹脂
の中から選ばれる。例えば、アイオノマー樹脂以外の樹
脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン
・不飽和カルボン酸共重合体、エチレン・不飽和カルボ
ン酸エステル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体
を挙げることができる。また、融点が155℃以上のプ
ロピレン重合体以外の樹脂としては、できるだけ融点な
いし軟化点の高い重合体が好ましく、プロピレン共重合
体、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン等
のポリオレフィン系樹脂が望ましい。それらの樹脂は、
1種類でもよいし、2種類以上を組み合わせて使用して
もよい。
【0018】さらに、融点が155℃以上のプロピレン
重合体を50重量%以上含有する樹脂層は、各層を構成
する樹脂成分を含む樹脂組成物から形成されていてもよ
く、その場合にも融点が155℃以上のプロピレン重合
体を50重量%以上含有されるように各成分組成を調整
することが耐熱性を得る上で必要である。そのような樹
脂層は、フィルム成形時の不良品や耳部、端部等を回収
し、前記の組成になるように調整してから形成すること
ができ、接着性や機械的強度の向上、あるいは生産コス
トの低減を図ることができる。
【0019】表 面 層 (C) 表面層は、プロピレン系重合体を含有した樹脂組成物か
ら形成されており、次に記す(a)、(b)および
(c)の少なくとも3成分が所定の構成割合で含有され
ている。
【0020】(a)融点が155℃以上のプロピレン重
合体が0〜70重量%、好ましくは20〜60重量%、
より好ましくは30〜50重量%。 (b)融点が120〜150℃であるプロピレン・α−
オレフィン共重合体が20〜95重量%、好ましくは3
0〜65重量%、より好ましくは40〜60重量%。 (c)40℃における動粘度が10〜10,000(m
/s)である炭化水素化合物が5〜20重量%、好
ましくは6〜18重量%、より好ましくは6〜15重量
%。
【0021】ここで(a)、(b)および(c)の合計
量が100重量%になるように、各配合量が調整され
る。成分(a)および(b)は、耐熱性および粘着性の
付与に主に寄与しており、成分(c)は、主に粘着性の
付与に寄与している。
【0022】この融点が155℃以上のプロピレン重合
体は、前記の芯層(A)および中間層(B)で使用した
プロピレン重合体と同様のものである。また、融点が1
20〜150℃のプロピレン重合体は、プロピレンとα
−オレフィンとの共重合体である。
【0023】ここで、α−オレフィンとしては、エチレ
ン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オ
クテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセ
ン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコ
セン等の炭素数2〜20のオレフィンである。共重合体
の場合には、これらのα―オレフィンは、一種単独で用
いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
共重合体の例として、プロピレン・エチレン共重合体、
プロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体、プロピレ
ン・1−ブテン共重合体を挙げることができる。そのα
−オレフィンの含有量は、通常0.1〜30モル%、好
ましくは1〜20モル%の範囲であって、前記の融点を
示すように、α−オレフィンの含有量が調整されてい
る。そのような融点とα−オレフィン含有量とを有する
プロピレン系重合体は、表面層に耐熱性と優れた粘着性
とを付与することができる。
【0024】(a)および(b)のプロピレン系重合体
は、ASTM D−1238に準拠し、230℃、2.
16kg荷重下で測定されるメルトフローレート(MF
R)値が、それぞれ通常1〜50(g/10分)、好ま
しくは5〜30(g/10分)の範囲にあると、フィル
ム成形性および延伸性に優れている。
【0025】一方、炭化水素化合物は、JIS K22
83に準拠して測定される40℃におけるに動粘度が、
通常10〜10,000(mm/s)、好ましくは5
0〜3,000(mm/s)であって、かつプロピレ
ン系重合体との相溶性のよい炭化水素化合物である。そ
の例として流動パラフィン、液状テルペン樹脂、および
液状ポリブテンからなる群から選ばれる少なくとも1種
の化合物を挙げることができ、特に流動パラフィンが好
ましい。その炭化水素化合物は、一種単独で用いてもよ
いし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。表面層を
構成する樹脂組成物中に含有されている炭化水素化合物
は、フィルム成形性および適度の粘着性付与に有効であ
る。
【0026】(a)、(b)および(c)の各成分が、
前記した融点や動粘度を有し、また前記の数値範囲で構
成されていると、積層フィルムは、ラップフィルムに必
要な耐熱性を有し、かつ適度の粘着性を示し、またフィ
ルム表面のべたつきを避けることができる。
【0027】表面層(B)を構成する樹脂は、前記の各
成分を所定の配合割合で混合し、次いで溶融混練する方
法で均一な組成物を得ることができる。各成分の混合
は、あらかじめ行なって組成物を調製しておいてもよい
し、フィルム成形時に直接押出機中で行なってもよい。
【0028】積層ラップフィルム 本発明に係わる積層ラップフィルムは、前記した芯層
(A)、その少なくとも一方の面に設けられた中間層
(B)、および最外面に設けられた表面層(C)とが積
層されたフィルムであって、各層は前記した樹脂ないし
組成物から構成されているので各層間は強固に接着さ
れ、一体化している。
【0029】具体的な層構成としては、次に示す4ない
し5層構造を示すことができる。 表面層(C)/中間層(B)/芯層(A)/表面層
(C) 表面層(C)/中間層(B)/芯層(A)/中間層
(B)/表面層(C) これらの構造の中でも、対称構造をとる5層フィルムが
好ましい。
【0030】さらに、必要に応じて別の樹脂層を層間に
介在させてもよい。その変形例として、表面層(C)と
中間層(B)との間、あるいは表面層(C)と芯層
(A)との間に、接着性や機械的強度を向上させるため
の介在層を設けることも可能である。
【0031】各層の厚み構成も、ラップフィルムの性能
を考慮する上で重要な要素である。芯層(A)および表
面層(C)は、その厚みがそれぞれ1〜4(μm)の範
囲が好ましく、中間層(B)の厚みは0.1〜4(μ
m)の範囲が好ましく、さらに、各層の合計が、7〜1
1(μm)の範囲にあることが望ましい。
【0032】また同時に、表面層(C)中の融点が15
5℃以上のプロピレン重合体の組成割合(重量%)をX
、中間層(B)中の融点が155℃以上のプロピレン
重合体の組成割合(重量%)をY、表面層(C)の厚
みをX、中間層(B)の厚みをYとした時に、次式
(1)および(2)とからXおよびYを求め、 X×Y/(X+Y)=X・・・・・・(1) Y×Y/(X+Y)=Y・・・・・・(2) X、Yおよび表面層(C)中の炭化水素化合物の含有割
合(重量%)Zとが次式(3) 15<X+Y-Z<60・・・・・・・・・(3) を満たすことが望ましい。
【0033】積層フィルムがこのような厚み構成をとる
と、フィルムのノコギリ刃カット性が良好であり、同時
に良好な耐熱性と粘着性を示し、またフィルムには適度
の腰がある。
【0034】このような積層フィルムは、一般に共押出
成形法によって良好にフィルム成形することができ、例
えば、多層Tダイフィルム成形法あるいは多層インフレ
ーション成形法を採用し、その後必要に応じて延伸工程
を加えることによって、目的の厚さに調整することがで
きる。なお、フィルム成形に先立って各原料樹脂には、
本発明の目的を損なわない範囲で、酸化防止剤、耐熱安
定剤、界面活性剤、スリップ剤、核剤、顔料、染料、充
填剤、粘着付与剤などの各種添加剤を配合することがで
きる。
【0035】
【実施例】次に実施例を通して本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はそれらの実施例によって何ら限定
されるものではない。
【0036】まず、成形したフィルムの性能を次に記す
方法で測定し、その結果に基づいて評価を行った。
【0037】(1)繰出し性 紙管に巻いたフィルムを紙製カートンボックスに収め、
フィルム中央部をつかんで引き出した。この際、紙管が
カートンボックスから飛び出した場合を×、飛び出さな
かった場合を○とした。
【0038】(2)ノコギリ刃カット性 紙管に巻いたフィルムをカートンボックスに収納し、カ
ートンボックス上端に装着した鋸刃を用いて切断テスト
を実施した。10回の切断テストで生じた縦裂け等のカ
ット不良回数が、0回の時を◎、1〜2回の時を○、3
〜4回の時を△、5回以上の時を×とした。
【0039】(3)耐縦裂性 フィルムをMD方向に両手で引き裂いた。その時、容易
に引き裂けるものを×、引き裂き難いものを△、引き裂
けないものを○とした。
【0040】(4)粘着性 ラップフィルムの片面にポリプロピレン製粘着テープ
(株式会社ケイユー製ケイユーテープ)を裏貼りしてか
ら、25mm×70mmの試験片に切り出す。切り出し
た試験片2枚のラップフィルム側を20mm重ね合わ
せ、10kgの荷重を1分間加える。荷重後、速やかに
引張り試験機を用いてせん断剥離強度を測定し、粘着性
の程度が非常に良好なものを◎、良好なものを○、やや
良好なものを△、良くないものを×で示した。
【0041】(5)耐熱性(平成六年東京都条例第百十
号に準ずる。) 幅30mm、長さ140mmの短冊状に切り出したフィ
ルムの上下25mmの位置に紙をあて、10gの重りを
吊り下げる。この試料をエアーオーブン中に入れて5℃
刻みで昇温しながら、一時間保持してもフィルムが切れ
ない最高雰囲気温度を測定し、耐熱温度(℃)として示
した。
【0042】次に、積層ラップフィルムの製造に使用し
た原料を記す。なお、融点はASTM D−2117、
軟化点温度はASTM D−1525に準拠して測定し
た。
【0043】(1)アイオノマー樹脂 エチレン単位とメタクリル酸単位とを含む共重合体のZ
n塩 三井・デュポン ポリケミカル(株)製品、商品名ハイ
ミラン H1557 MFR=5(g/10分)、融点=95℃、軟化点=6
9℃
【0044】(2)ポリプロピレン (表1〜表3では、ポリプロピレン(1)として示し
た) プロピレン単独重合体 (株)グランドポリマー製品、商品名グランドポリプロ
J106WB MFR=20(g/10分)、融点=158℃、軟化点
=155℃
【0045】(3)プロピレン共重合体 (表1〜表3では、プロピレン共重合体(1)として示
した) プロピレン・エチレン・1−ブテン三元共重合体 (株)グランドポリマー製品、商品名グランドポリプロ
CX−50 MFR=20(g/10分)、融点=138℃、軟化点
=117℃
【0046】(4)プロピレン共重合体 (表1〜表3では、プロピレン共重合体(2)として示
した) プロピレン・1−ブテン共重合体(1−ブテン含有量=
20モル%) 三井化学(株)製品、商品名タフマー XR107T MFR=7.0(g/10分)、融点=130℃、軟化
点=91℃
【0047】(5)炭化水素化合物 流動パラフィン エッソ(株)製品、商品名クリストール J352 40℃における動粘度=71(mm/s)
【0048】(実施例1〜8)500mm幅で3種5層
共押出しTダイ成形機を用いて、表1に示した樹脂組成
で、ダイ温度220℃、チルロール温度20℃、引き取
り速度5〜20m/sの条件で製膜し、表面層(C)/
中間層(B)/芯層(A)/中間層(B)/表面層
(C)の構造を持った3種5層のフィルムを得た。得ら
れたフィルムの繰出し性、ノコギリ刃カット性、耐縦裂
性、粘着性、耐熱温度を調べ、その評価結果を表1に併
せて記した。
【0049】(実施例9〜18)表面層(C)、中間層
(B)、および芯層(A)を構成する樹脂組成を表2に
記載したように調製し、実施例1と同様の成形条件で5
層フィルムを製造した。得られたフィルムの繰出し性、
ノコギリ刃カット性、耐縦裂性、粘着性、耐熱温度を調
べ、その評価結果を表2に併せて記した。
【0050】(比較例1〜7)表面層(C)、中間層
(B)、および芯層(A)を構成する樹脂組成を表3に
記載したように調製し、実施例1と同様の成形条件で5
層フィルムを製造した。得られたフィルムの繰出し性、
鋸刃カット性、耐縦裂性、粘着性、耐熱温度を調べ、評
価結果を表3に併せて記した。
【0051】
【発明の効果】本発明に係わる積層ラップフィルムは、
透明性、剛性、密着性、耐縦裂性、カット性に優れてお
り、その上耐熱性が一層向上しており、かつそれらの物
性間にバランスがとれている。従って、この積層フィル
ムは、食品をはじめとする各種物品のラッピングフィル
ムとして好適に使用することができる。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 65/00 C08L 65/00 91/00 91/00 Fターム(参考) 3E086 AB01 AD13 BA04 BA15 BB41 BB59 BB90 CA01 4F071 AA14X AA20 AA20X AA21X AA71 AA84 AE04 AF21 AF30 AF45 AF53 AF58 AH04 BA01 BB06 BC01 BC02 4F100 AH01D AH01E AK07A AK07B AK07C AK07D AK07E AK09D AK09E AK64 AK65 AK66D AK66E AK67 AK70A AK70B AK70C BA05 BA07 BA10D BA10E EH20 GB23 JA04A JA04B JA04C JA04D JA04E JA06D JA06E JJ03 JK01 JK13 YY00A YY00B YY00C YY00D YY00E 4J002 AE05Y BB12W BB14X BB15X BK00Y CE00Y FD02Y FD20Y GF00 GG02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芯層(A)およびその少なくとも一方の面
    に設けられた中間層(B)は、アイオノマー樹脂または
    融点が155℃以上のプロピレン重合体を50重量%以
    上含有する樹脂層であって、ここで芯層(A)と中間層
    (B)とは互いに異なる樹脂層で形成されており、さら
    に最外面にはプロピレン系重合体を含有する表面層
    (C)が積層接着されたフィルムであって、その表面層
    (C)は、(a)融点が155℃以上のプロピレン重合
    体が0〜70重量%、(b)融点が120〜150℃で
    あるプロピレン・α−オレフィン共重合体が20〜95
    重量%、および(c)40℃における動粘度が10〜1
    0,000(mm/s)である炭化水素化合物が5〜
    20重量%とから構成され、ここで(a)、(b)およ
    び(c)の合計が100重量%になることを特徴とする
    積層ラップフィルム。
  2. 【請求項2】前記の芯層(A)が、アイオノマー樹脂を
    50重量%以上含有する樹脂層であり、中間層(B)
    が、融点が155℃以上のプロピレン重合体を50重量
    %以上含有する樹脂層であることを特徴とする請求項1
    に記載の積層ラップフィルム。
  3. 【請求項3】前記の融点が155℃以上のプロピレン重
    合体を50重量%以上含有する樹脂層が、各層を構成す
    る樹脂成分を含む樹脂組成物から形成されていることを
    特徴とする請求項1または2に記載の積層ラップフィル
    ム。
  4. 【請求項4】前記の積層されたフィルムが、表面層
    (C)/中間層(B)/芯層(A)/中間層(B)/表
    面層(C)とからなる5層構造体であることを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれかに記載の積層ラップフィル
    ム。
  5. 【請求項5】前記の芯層(A)および表面層(C)は、
    その厚みがそれぞれ1〜4(μm)であり、中間層
    (B)の厚みは0.1〜4(μm)であって、かつ各層
    の合計が7〜11(μm)であり、さらに表面層(C)
    中の融点が155℃以上のプロピレン重合体の組成割合
    (重量%)をX、中間層(B)中の融点が155℃以
    上のプロピレン重合体の組成割合(重量%)をY、表
    面層(C)の厚みをX、中間層(B)の厚みをY
    した時に、次式(1)および(2)とからXおよびYを
    求め、 X×Y/(X+Y)=X・・・・・・(1) Y×Y/(X+Y)=Y・・・・・・(2) X、Yおよび表面層(C)中の炭化水素化合物の組成割
    合(重量%)Zとが次式(3) 15<X+Y-Z<60・・・・・・・・・(3) を満たすことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記
    載の積層ラップフィルム。
  6. 【請求項6】前記の炭化水素化合物が、流動パラフィ
    ン、液状テルペン、液状ポリブテンからなる群から選ば
    れる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請
    求項1〜5のいずれかに記載の積層ラップフィルム。
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