JPH10202806A - 自己粘着性包装用フィルム - Google Patents
自己粘着性包装用フィルムInfo
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- JPH10202806A JPH10202806A JP770697A JP770697A JPH10202806A JP H10202806 A JPH10202806 A JP H10202806A JP 770697 A JP770697 A JP 770697A JP 770697 A JP770697 A JP 770697A JP H10202806 A JPH10202806 A JP H10202806A
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- JP
- Japan
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- film
- weight
- melting peak
- peak temperature
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- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 自己粘着性、耐熱性、透明性、のこ刃カッテ
ィング性、食品安全性、電子レンジ適性に優れ、しかも
使用済みのフィルムを焼却処理する際に有害ガスを発生
することのない自己粘着性包装用フィルムを提供する。 【解決手段】 少なくとも表面層、中間層及び表面層の
3層を有する積層構造をなす自己粘着性包装用フィルム
であって、前記表面層が、最高融解ピーク温度が145
℃以下の低結晶性ポリプロピレン系樹脂および最高融解
ピーク温度が150℃以上の高結晶性ポリプロピレン系
樹脂の合計で100重量部と、液状脂肪族炭化水素2〜
20重量部と、脂肪族多価アルコールの脂肪酸エステル
0.5〜8重量部とを含有するポリプロピレン系樹脂組
成物からなり、前記中間層が、最高融解ピーク温度が1
50℃以上のポリオレフィン系樹脂組成物からなる。
ィング性、食品安全性、電子レンジ適性に優れ、しかも
使用済みのフィルムを焼却処理する際に有害ガスを発生
することのない自己粘着性包装用フィルムを提供する。 【解決手段】 少なくとも表面層、中間層及び表面層の
3層を有する積層構造をなす自己粘着性包装用フィルム
であって、前記表面層が、最高融解ピーク温度が145
℃以下の低結晶性ポリプロピレン系樹脂および最高融解
ピーク温度が150℃以上の高結晶性ポリプロピレン系
樹脂の合計で100重量部と、液状脂肪族炭化水素2〜
20重量部と、脂肪族多価アルコールの脂肪酸エステル
0.5〜8重量部とを含有するポリプロピレン系樹脂組
成物からなり、前記中間層が、最高融解ピーク温度が1
50℃以上のポリオレフィン系樹脂組成物からなる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自己粘着性、耐熱
性、透明性、カッティング性、食品安全性、電子レンジ
適性に優れた業務用・家庭用ラップフィルムに適する自
己粘着性包装用フィルムに関する。
性、透明性、カッティング性、食品安全性、電子レンジ
適性に優れた業務用・家庭用ラップフィルムに適する自
己粘着性包装用フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、一般家庭あるいはレストラ
ン、ホテルなどにおいて、食品を容器に入れて密閉し食
品の乾燥や飛び出しを防止したり食品を電子レンジ加熱
する場合に、家庭用ラップフィルムが用いられている。
このラップフィルムとしては、ポリ塩化ビニリデンフィ
ルム(以下PVDCフィルムと略す)、軟質ポリ塩化ビ
ニルフィルム(以下PVCフィルムと略す)、低密度ポ
リエチレンフィルム(以下LDPEフィルムと略す)が
知られている。
ン、ホテルなどにおいて、食品を容器に入れて密閉し食
品の乾燥や飛び出しを防止したり食品を電子レンジ加熱
する場合に、家庭用ラップフィルムが用いられている。
このラップフィルムとしては、ポリ塩化ビニリデンフィ
ルム(以下PVDCフィルムと略す)、軟質ポリ塩化ビ
ニルフィルム(以下PVCフィルムと略す)、低密度ポ
リエチレンフィルム(以下LDPEフィルムと略す)が
知られている。
【0003】家庭用ラップフィルムに要求される特性
は、自己粘着性、のこ刃によるカッティング性、透明
性、強度が基本的なものであるが、電子レンジの普及に
より電子レンジ適性も求められるようになった。ここで
いう電子レンジ適性とは、電子レンジ加熱の際にフィル
ムに熱による収縮、破れ、融着、白化などが生じないこ
とを意味する。さらに、最近では、環境問題を背景とし
て廃棄された使用済みのフィルムを焼却処理する際に、
有害なガスを発生しないことが求められるようになって
いる。
は、自己粘着性、のこ刃によるカッティング性、透明
性、強度が基本的なものであるが、電子レンジの普及に
より電子レンジ適性も求められるようになった。ここで
いう電子レンジ適性とは、電子レンジ加熱の際にフィル
ムに熱による収縮、破れ、融着、白化などが生じないこ
とを意味する。さらに、最近では、環境問題を背景とし
て廃棄された使用済みのフィルムを焼却処理する際に、
有害なガスを発生しないことが求められるようになって
いる。
【0004】しかし、現在使用されている上述した家庭
用ラップフィルムには以下に示すようにそれぞれ問題が
ある。PVDCフィルムは、2軸延伸フィルムであるこ
とから、のこ刃によるフィルムのカッティング性に劣
り、のこ刃から外れた関係のない方向へ切れてしまう。
また、電子レンジ加熱に使用した場合に、熱による収縮
が起こりフィルムが破れる。さらに、廃棄されたフィル
ムを焼却処理する際に有害なガスを発生する。
用ラップフィルムには以下に示すようにそれぞれ問題が
ある。PVDCフィルムは、2軸延伸フィルムであるこ
とから、のこ刃によるフィルムのカッティング性に劣
り、のこ刃から外れた関係のない方向へ切れてしまう。
また、電子レンジ加熱に使用した場合に、熱による収縮
が起こりフィルムが破れる。さらに、廃棄されたフィル
ムを焼却処理する際に有害なガスを発生する。
【0005】PVCフィルムは、電子レンジ加熱に使用
した場合に、沸騰した水によりフィルムが白化する。ま
た、PVDCフィルムと同様に、フィルムを焼却処理す
る際に有害なガスを発生する。
した場合に、沸騰した水によりフィルムが白化する。ま
た、PVDCフィルムと同様に、フィルムを焼却処理す
る際に有害なガスを発生する。
【0006】LDPEフィルムは、焼却処理時に有害な
ガスを発生するという欠点はない。しかし、LDPEフ
ィルムを電子レンジ加熱に使用した場合、内容物等の条
件によってはフィルムが軟化して破れてしまうことがあ
る。
ガスを発生するという欠点はない。しかし、LDPEフ
ィルムを電子レンジ加熱に使用した場合、内容物等の条
件によってはフィルムが軟化して破れてしまうことがあ
る。
【0007】このような背景から、ラップフィルムとし
て、エチレンとα−オレフィンとの共重合体フィルム;
ポリプロピレンフィルム;または両表面層がポリプロピ
レン系樹脂、中間層が脂肪族ナイロン樹脂よりなる積層
ラップフィルムを用いることが提案されている(例えば
特開昭58−217534号、特開昭55−13343
9号、特開昭52−84096号、特開平4−2491
50号など)。これらのフィルムは、LDPEフィルム
に比べ融点が高いので、電子レンジ適性に優れたフィル
ムとして期待されているが、現在すでに使用されている
フィルムに比べてカッティング性などに劣ることから実
用化されていない。
て、エチレンとα−オレフィンとの共重合体フィルム;
ポリプロピレンフィルム;または両表面層がポリプロピ
レン系樹脂、中間層が脂肪族ナイロン樹脂よりなる積層
ラップフィルムを用いることが提案されている(例えば
特開昭58−217534号、特開昭55−13343
9号、特開昭52−84096号、特開平4−2491
50号など)。これらのフィルムは、LDPEフィルム
に比べ融点が高いので、電子レンジ適性に優れたフィル
ムとして期待されているが、現在すでに使用されている
フィルムに比べてカッティング性などに劣ることから実
用化されていない。
【0008】上記のほかにも、耐熱性に優れ、引張破断
伸度が小さいという特徴を有する4−メチル−ペンテン
樹脂を用いたラップフィルムが提案されている。例え
ば、4−メチル−ペンテン樹脂に液状ブテン系重合体ま
たは液状飽和炭化水素を混合して粘着性などを付与した
フィルム;または片面もしくは両面にエチレンとプロピ
レンと炭素数4〜8のα−オレフィンとを含有するプロ
ピレン系共重合樹脂、芯層に4−メチル−ペンテン樹脂
を用いた積層フィルムが提案されている(例えば特開平
5−239291号、特開平7−165940号、特開
平6−23927号、特開平6−143516号な
ど)。しかし、樹脂成分が4−メチル−ペンテン樹脂の
みである場合には期待通りに粘着性を付与することが困
難であり、十分な粘着性を有するフィルムは未だに得ら
れていないのが現状である。また、片面または両面にエ
チレンとプロピレンと炭素数4〜8のα−オレフィンと
を含有するプロピレン系共重合樹脂、芯層に4−メチル
−ペンテン樹脂を用いた積層フィルムは、粘着性や柔軟
性は良好であるが、フィルムが低温で融着するという欠
点を有し、電子レンジ適性が不十分である。
伸度が小さいという特徴を有する4−メチル−ペンテン
樹脂を用いたラップフィルムが提案されている。例え
ば、4−メチル−ペンテン樹脂に液状ブテン系重合体ま
たは液状飽和炭化水素を混合して粘着性などを付与した
フィルム;または片面もしくは両面にエチレンとプロピ
レンと炭素数4〜8のα−オレフィンとを含有するプロ
ピレン系共重合樹脂、芯層に4−メチル−ペンテン樹脂
を用いた積層フィルムが提案されている(例えば特開平
5−239291号、特開平7−165940号、特開
平6−23927号、特開平6−143516号な
ど)。しかし、樹脂成分が4−メチル−ペンテン樹脂の
みである場合には期待通りに粘着性を付与することが困
難であり、十分な粘着性を有するフィルムは未だに得ら
れていないのが現状である。また、片面または両面にエ
チレンとプロピレンと炭素数4〜8のα−オレフィンと
を含有するプロピレン系共重合樹脂、芯層に4−メチル
−ペンテン樹脂を用いた積層フィルムは、粘着性や柔軟
性は良好であるが、フィルムが低温で融着するという欠
点を有し、電子レンジ適性が不十分である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、自己
粘着性、耐熱性、透明性、カッティング性、食品安全
性、電子レンジ適性に優れ、しかも使用済みのフィルム
を焼却処理する際に有害ガスを発生することのない自己
粘着性包装用フィルムを提供することにある。
粘着性、耐熱性、透明性、カッティング性、食品安全
性、電子レンジ適性に優れ、しかも使用済みのフィルム
を焼却処理する際に有害ガスを発生することのない自己
粘着性包装用フィルムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の自己粘着性包装
用フィルムは、少なくとも表面層、中間層及び表面層の
3層を有する積層構造をなす自己粘着性包装用フィルム
であって、前記表面層が、最高融解ピーク温度が145
℃以下の低結晶性ポリプロピレン系樹脂(a1成分)お
よび最高融解ピーク温度が150℃以上の高結晶性ポリ
プロピレン系樹脂(a2成分)の合計で100重量部
と、液状脂肪族炭化水素(a3成分)2〜20重量部
と、脂肪族多価アルコールの脂肪酸エステル(a4成
分)0.5〜8重量部とを含有するポリプロピレン系樹
脂組成物(A)からなり、前記中間層が、最高融解ピー
ク温度が150℃以上のポリオレフィン系樹脂組成物
(B)からなることを特徴とするものである。なお、本
発明において最高融解ピーク温度は、示差走査熱量計
(DSC)により測定された値である。
用フィルムは、少なくとも表面層、中間層及び表面層の
3層を有する積層構造をなす自己粘着性包装用フィルム
であって、前記表面層が、最高融解ピーク温度が145
℃以下の低結晶性ポリプロピレン系樹脂(a1成分)お
よび最高融解ピーク温度が150℃以上の高結晶性ポリ
プロピレン系樹脂(a2成分)の合計で100重量部
と、液状脂肪族炭化水素(a3成分)2〜20重量部
と、脂肪族多価アルコールの脂肪酸エステル(a4成
分)0.5〜8重量部とを含有するポリプロピレン系樹
脂組成物(A)からなり、前記中間層が、最高融解ピー
ク温度が150℃以上のポリオレフィン系樹脂組成物
(B)からなることを特徴とするものである。なお、本
発明において最高融解ピーク温度は、示差走査熱量計
(DSC)により測定された値である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明についてさらに詳細
に説明する。本発明の自己粘着性包装用フィルムは、少
なくとも表面層、中間層及び表面層の3層を有する積層
構造をなしている。
に説明する。本発明の自己粘着性包装用フィルムは、少
なくとも表面層、中間層及び表面層の3層を有する積層
構造をなしている。
【0012】まず、本発明の自己粘着性包装用フィルム
の表面層に用いられる材料について説明する。この表面
層は、最高融解ピーク温度が145℃以下の低結晶性ポ
リプロピレン系樹脂(a1成分)および最高融解ピーク
温度が150℃以上の高結晶性ポリプロピレン系樹脂
(a2成分)の合計で100重量部と、液状脂肪族炭化
水素(a3成分)2〜20重量部と、脂肪族多価アルコ
ールの脂肪酸エステル(a4成分)0.5〜8重量部と
を含有するポリプロピレン系樹脂組成物(A)からなっ
ている。
の表面層に用いられる材料について説明する。この表面
層は、最高融解ピーク温度が145℃以下の低結晶性ポ
リプロピレン系樹脂(a1成分)および最高融解ピーク
温度が150℃以上の高結晶性ポリプロピレン系樹脂
(a2成分)の合計で100重量部と、液状脂肪族炭化
水素(a3成分)2〜20重量部と、脂肪族多価アルコ
ールの脂肪酸エステル(a4成分)0.5〜8重量部と
を含有するポリプロピレン系樹脂組成物(A)からなっ
ている。
【0013】本発明において、表面層に用いられるa1
成分である低結晶性ポリプロピレン系樹脂は、145℃
以下の最高融解ピーク温度を有するものである。最高融
解ピーク温度を145℃以下と規定したのは、145℃
を超えるとフィルムの剛性が増加する上に、後述する低
分子量の添加剤がフィルム表面へブリードする効果が不
十分になってフィルムの粘着性が低下するためである。
また、低結晶性プロピレン系樹脂の230℃におけるメ
ルトフローレート(MFR)は、0.5〜40g/10
分であることが好ましく、1〜30g/10分であるこ
とがより好ましい。これは、MFRが0.5未満では押
出成形性に劣り、逆に40を超えると加工安定性に劣る
ためである。このような低結晶性ポリプロピレン系樹脂
は、プロピレンと他のα−オレフィンとのコポリマーで
あることが好ましい。この場合、α−オレフィンとして
は、エチレン、ブテン、ヘキセンなどから選択される1
種または2種以上が用いられる。コポリマーはランダム
コポリマーでもブロックコポリマーでもよい。また、複
数種のコポリマーの混合物を用いてもよい。
成分である低結晶性ポリプロピレン系樹脂は、145℃
以下の最高融解ピーク温度を有するものである。最高融
解ピーク温度を145℃以下と規定したのは、145℃
を超えるとフィルムの剛性が増加する上に、後述する低
分子量の添加剤がフィルム表面へブリードする効果が不
十分になってフィルムの粘着性が低下するためである。
また、低結晶性プロピレン系樹脂の230℃におけるメ
ルトフローレート(MFR)は、0.5〜40g/10
分であることが好ましく、1〜30g/10分であるこ
とがより好ましい。これは、MFRが0.5未満では押
出成形性に劣り、逆に40を超えると加工安定性に劣る
ためである。このような低結晶性ポリプロピレン系樹脂
は、プロピレンと他のα−オレフィンとのコポリマーで
あることが好ましい。この場合、α−オレフィンとして
は、エチレン、ブテン、ヘキセンなどから選択される1
種または2種以上が用いられる。コポリマーはランダム
コポリマーでもブロックコポリマーでもよい。また、複
数種のコポリマーの混合物を用いてもよい。
【0014】本発明において、表面層に用いられるa2
成分である高結晶性ポリプロピレン系樹脂は、150℃
以上の最高融解ピーク温度を有するものである。このよ
うな高結晶性ポリプロピレン系樹脂は、積層フィルムに
剛性を与え、フィルム表面に耐熱性を付与することを目
的に用いられる。最高融解ピーク温度を150℃以上と
規定したのは、150℃未満では積層フィルムへの剛性
および耐熱性の付与という目的を達成できなくなるため
である。また、高結晶性プロピレン系樹脂の230℃に
おけるメルトフローレート(MFR)は、0.5〜40
g/10分であることが好ましく、1〜30g/10分
であることがより好ましい。これは、MFRが0.5未
満では押出成形性に劣り、逆に40を超えると加工安定
性に劣るためである。このような高結晶性ポリプロピレ
ン系樹脂は、剛性および耐熱性の付与という目的からは
プロピレンホモポリマーが好ましい。なお、プロピレン
と他のα−オレフィンとのコポリマーを用いることもで
きる。この場合、α−オレフィンとしては、エチレン、
ブテン、ヘキセンなどから選択される1種または2種以
上が用いられる。コポリマーはランダムコポリマーでも
ブロックコポリマーでもよい。
成分である高結晶性ポリプロピレン系樹脂は、150℃
以上の最高融解ピーク温度を有するものである。このよ
うな高結晶性ポリプロピレン系樹脂は、積層フィルムに
剛性を与え、フィルム表面に耐熱性を付与することを目
的に用いられる。最高融解ピーク温度を150℃以上と
規定したのは、150℃未満では積層フィルムへの剛性
および耐熱性の付与という目的を達成できなくなるため
である。また、高結晶性プロピレン系樹脂の230℃に
おけるメルトフローレート(MFR)は、0.5〜40
g/10分であることが好ましく、1〜30g/10分
であることがより好ましい。これは、MFRが0.5未
満では押出成形性に劣り、逆に40を超えると加工安定
性に劣るためである。このような高結晶性ポリプロピレ
ン系樹脂は、剛性および耐熱性の付与という目的からは
プロピレンホモポリマーが好ましい。なお、プロピレン
と他のα−オレフィンとのコポリマーを用いることもで
きる。この場合、α−オレフィンとしては、エチレン、
ブテン、ヘキセンなどから選択される1種または2種以
上が用いられる。コポリマーはランダムコポリマーでも
ブロックコポリマーでもよい。
【0015】表面層をなす組成物中における高結晶性ポ
リプロピレン系樹脂の含有量は、10〜60重量部であ
ることが好ましく、20〜40重量部であることがより
好ましい。これは、10重量部未満では表面層に耐熱性
を付与する効果が不十分になり、逆に60重量部を超え
ると表面層の耐熱性は向上するものの、表面層の剛性が
大きくなりすぎて、フィルムの粘着性や柔軟性が不十分
になるためである。
リプロピレン系樹脂の含有量は、10〜60重量部であ
ることが好ましく、20〜40重量部であることがより
好ましい。これは、10重量部未満では表面層に耐熱性
を付与する効果が不十分になり、逆に60重量部を超え
ると表面層の耐熱性は向上するものの、表面層の剛性が
大きくなりすぎて、フィルムの粘着性や柔軟性が不十分
になるためである。
【0016】本発明において、表面層に添加剤として配
合されるa3成分である液状脂肪族炭化水素は粘着剤と
して作用し、フィルムに優れた粘着性を付与するもので
ある。液状脂肪族炭化水素の配合量はポリプロピレン系
樹脂の合計100重量部に対して2〜20重量部、好ま
しくは5〜15重量部である。これは、2重量部未満で
は表面層に十分な粘着性を付与することができず、逆に
20重量部を超えて添加すると過度のブリードによりフ
ィルムにベタツキが生じ、フィルムの風合いを損ねるた
めである。液状脂肪族炭化水素としては、流動パラフィ
ン、ミネラルオイル、白色鉱油などの飽和炭化水素;ポ
リブテン、ポリイソブチレンなどの不飽和炭化水素重合
体のいずれも用いてもよい。また、これらを単独で用い
てもよいし、2種以上混合して用いてもよい。これらの
脂肪族炭化水素の物性は特に制限されないが、通常、4
0℃における動粘度が5〜30000cSt、好ましく
は10〜20000cStの範囲のものが使用される。
合されるa3成分である液状脂肪族炭化水素は粘着剤と
して作用し、フィルムに優れた粘着性を付与するもので
ある。液状脂肪族炭化水素の配合量はポリプロピレン系
樹脂の合計100重量部に対して2〜20重量部、好ま
しくは5〜15重量部である。これは、2重量部未満で
は表面層に十分な粘着性を付与することができず、逆に
20重量部を超えて添加すると過度のブリードによりフ
ィルムにベタツキが生じ、フィルムの風合いを損ねるた
めである。液状脂肪族炭化水素としては、流動パラフィ
ン、ミネラルオイル、白色鉱油などの飽和炭化水素;ポ
リブテン、ポリイソブチレンなどの不飽和炭化水素重合
体のいずれも用いてもよい。また、これらを単独で用い
てもよいし、2種以上混合して用いてもよい。これらの
脂肪族炭化水素の物性は特に制限されないが、通常、4
0℃における動粘度が5〜30000cSt、好ましく
は10〜20000cStの範囲のものが使用される。
【0017】本発明において、表面層に他の添加剤とし
て配合されるa4成分である脂肪族多価アルコールの脂
肪酸エステルは、フィルムの自己粘着性を向上させると
ともに、フィルムに適度な剥離性を与える作用を有す
る。脂肪族多価アルコールの脂肪酸エステルの配合量
は、ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して0.5
〜8重量部であり、さらに1〜6重量部であることが好
ましい。エステルの添加量を上記のように規定したの
は、エステルの添加量が0.5重量部未満ではフィルム
の粘着性を向上させる効果が不十分であり、逆に8重量
部を超えるとフィルム表面へのブリードが激しくなり、
フィルムのベタツキや繰り出し不良などを生じるためで
ある。
て配合されるa4成分である脂肪族多価アルコールの脂
肪酸エステルは、フィルムの自己粘着性を向上させると
ともに、フィルムに適度な剥離性を与える作用を有す
る。脂肪族多価アルコールの脂肪酸エステルの配合量
は、ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して0.5
〜8重量部であり、さらに1〜6重量部であることが好
ましい。エステルの添加量を上記のように規定したの
は、エステルの添加量が0.5重量部未満ではフィルム
の粘着性を向上させる効果が不十分であり、逆に8重量
部を超えるとフィルム表面へのブリードが激しくなり、
フィルムのベタツキや繰り出し不良などを生じるためで
ある。
【0018】このエステルの原料となる脂肪族多価アル
コールとしてはグリセリン、ポリグリセリン、ソルビタ
ン、ペンタエリトリトール、プロピレングリコール、ポ
リエチレングリコールなどが挙げられる。また、脂肪酸
としては酢酸などの低級脂肪酸;炭素数8〜12の中鎖
脂肪酸;オレイン酸、リノール酸、ラウリン酸などの炭
素数12〜22の高級脂肪酸が挙げられる。本発明にお
いて用いられるエステルのうちグリセリンの脂肪酸エス
テルは(モノ、ジ又はトリ)グリセリドとして知られ、
次式(I)で表される。
コールとしてはグリセリン、ポリグリセリン、ソルビタ
ン、ペンタエリトリトール、プロピレングリコール、ポ
リエチレングリコールなどが挙げられる。また、脂肪酸
としては酢酸などの低級脂肪酸;炭素数8〜12の中鎖
脂肪酸;オレイン酸、リノール酸、ラウリン酸などの炭
素数12〜22の高級脂肪酸が挙げられる。本発明にお
いて用いられるエステルのうちグリセリンの脂肪酸エス
テルは(モノ、ジ又はトリ)グリセリドとして知られ、
次式(I)で表される。
【0019】
【化1】 (式中、R1 、R2 及びR3 はH又は炭素数が2〜22
のアシル基であり、少なくとも1つは炭素数が2〜22
のアシル基である。) 本発明において用いられるエステルをより具体的に示す
と、以下のようなものが挙げられる。例えば、グリセリ
ンオレートなどのモノグリセリド;グリセリンジアセト
モノオレート、グリセリンジアセトモノラウレート、グ
リセリンジアセトモノパルミテート、グリセリンモノア
セトモノパルミテート、グリセリンモノアセトモノオレ
ート、グリセリンモノアセトモノカプレートなどのアセ
チル化モノグリセリド;グリセリンモノアセトジオレー
ト、グリセリンモノアセトジラウレートなどのアセチル
化ジグリセリド;炭素数8〜12のアシル基を有する中
鎖脂肪酸トリグリセリド;ジグリセリンオレート、ジグ
リセリンラウレートなどのポリグリセリン脂肪酸エステ
ル;ペンタエリトリトールオレートなどのペンタエリト
リトール脂肪酸エステル;プロピレングリコールオレー
トなどのプロピレングリコール脂肪酸エステル;ポリエ
チレングリコールオレートなどポリエチレングリコール
脂肪酸エステルなどである。これらのうち、少なくとも
1つの高級脂肪酸エステルが導入されたアセチル化グリ
セリド、炭素数8〜12のアシル基を有する中鎖脂肪酸
トリグリセリド、及び少なくとも1つのアルコール性水
酸基を有するポリグリセリン脂肪酸エステルを用いるこ
とが特に好ましい。これらのエステルは、単独で使用し
てもよいし2種以上併用してもよい。
のアシル基であり、少なくとも1つは炭素数が2〜22
のアシル基である。) 本発明において用いられるエステルをより具体的に示す
と、以下のようなものが挙げられる。例えば、グリセリ
ンオレートなどのモノグリセリド;グリセリンジアセト
モノオレート、グリセリンジアセトモノラウレート、グ
リセリンジアセトモノパルミテート、グリセリンモノア
セトモノパルミテート、グリセリンモノアセトモノオレ
ート、グリセリンモノアセトモノカプレートなどのアセ
チル化モノグリセリド;グリセリンモノアセトジオレー
ト、グリセリンモノアセトジラウレートなどのアセチル
化ジグリセリド;炭素数8〜12のアシル基を有する中
鎖脂肪酸トリグリセリド;ジグリセリンオレート、ジグ
リセリンラウレートなどのポリグリセリン脂肪酸エステ
ル;ペンタエリトリトールオレートなどのペンタエリト
リトール脂肪酸エステル;プロピレングリコールオレー
トなどのプロピレングリコール脂肪酸エステル;ポリエ
チレングリコールオレートなどポリエチレングリコール
脂肪酸エステルなどである。これらのうち、少なくとも
1つの高級脂肪酸エステルが導入されたアセチル化グリ
セリド、炭素数8〜12のアシル基を有する中鎖脂肪酸
トリグリセリド、及び少なくとも1つのアルコール性水
酸基を有するポリグリセリン脂肪酸エステルを用いるこ
とが特に好ましい。これらのエステルは、単独で使用し
てもよいし2種以上併用してもよい。
【0020】次に、本発明の自己粘着性包装用フィルム
の中間層に用いられる材料について説明する。この中間
層は最高融解ピーク温度が150℃以上のポリオレフィ
ン系樹脂組成物(B)からなっている。このようなポリ
オレフィン系樹脂組成物としては、例えばポリプロピレ
ン系樹脂(b1)100重量部および石油樹脂(b2)
5〜20重量部からなる組成物、または4−メチル−ペ
ンテン樹脂(b3)を含有する組成物が用いられる。
の中間層に用いられる材料について説明する。この中間
層は最高融解ピーク温度が150℃以上のポリオレフィ
ン系樹脂組成物(B)からなっている。このようなポリ
オレフィン系樹脂組成物としては、例えばポリプロピレ
ン系樹脂(b1)100重量部および石油樹脂(b2)
5〜20重量部からなる組成物、または4−メチル−ペ
ンテン樹脂(b3)を含有する組成物が用いられる。
【0021】上記のb1成分であるポリプロピレン系樹
脂は、最高融解ピーク温度が150℃以上であり、23
0℃におけるメルトフローレート(MFR)が0.1〜
40g/10分、好ましくは1〜30g/10分のもの
が用いられる。このポリプロピレン系樹脂は、剛性およ
び耐熱性の付与という目的からはプロピレンホモポリマ
ーが好ましい。なお、プロピレンと他のα−オレフィン
とのコポリマーを用いることもできる。この場合、α−
オレフィンとしては、エチレン、ブテン、ヘキセンなど
から選択される1種または2種以上が用いられる。コポ
リマーはランダムコポリマーでもブロックコポリマーで
もよい。
脂は、最高融解ピーク温度が150℃以上であり、23
0℃におけるメルトフローレート(MFR)が0.1〜
40g/10分、好ましくは1〜30g/10分のもの
が用いられる。このポリプロピレン系樹脂は、剛性およ
び耐熱性の付与という目的からはプロピレンホモポリマ
ーが好ましい。なお、プロピレンと他のα−オレフィン
とのコポリマーを用いることもできる。この場合、α−
オレフィンとしては、エチレン、ブテン、ヘキセンなど
から選択される1種または2種以上が用いられる。コポ
リマーはランダムコポリマーでもブロックコポリマーで
もよい。
【0022】上記のb2成分である石油樹脂とは、石油
の高温分解生成物であるオレフィン系またはジオレフィ
ン系の不飽和炭化水素を重合することにより得られる、
分子量500〜2000、軟化点70〜140℃の淡黄
色の熱可塑性樹脂である。特に、無色、無臭であり、安
定性に優れた脂環式水添飽和炭化水素樹脂を使用するこ
とが好ましい。石油樹脂は、フィルムに良好なカッティ
ング性を付与する作用を有する。
の高温分解生成物であるオレフィン系またはジオレフィ
ン系の不飽和炭化水素を重合することにより得られる、
分子量500〜2000、軟化点70〜140℃の淡黄
色の熱可塑性樹脂である。特に、無色、無臭であり、安
定性に優れた脂環式水添飽和炭化水素樹脂を使用するこ
とが好ましい。石油樹脂は、フィルムに良好なカッティ
ング性を付与する作用を有する。
【0023】一方、上記のb3成分である4−メチル−
ペンテン樹脂は、耐熱性、カッティング性、加工安定性
を満足するためには、融点が220〜240℃であり、
メルトフローレート(MFR)が1〜40g/10分
(JIS K7210準拠、2.16kg荷重、260
℃にて測定)のものが好ましい。4−メチル−1−ペン
テン樹脂は、4−メチル−1−ペンテンのホモポリマー
を用いてもよいし、4−メチル−1−ペンテンとその他
のα−オレフィンとのコポリマーを用いてもよい。この
場合、α−オレフィンとしては、エチレン、プロピレ
ン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどから
選択される1種または2種以上が用いられる。4−メチ
ル−ペンテン樹脂がα−オレフィンを含む場合、α−オ
レフィンの含有量は通常1〜10重量%程度である。こ
れらの4−メチル−ペンテン樹脂は、三井石油化学
(株)よりTPXの商品名で入手できる。
ペンテン樹脂は、耐熱性、カッティング性、加工安定性
を満足するためには、融点が220〜240℃であり、
メルトフローレート(MFR)が1〜40g/10分
(JIS K7210準拠、2.16kg荷重、260
℃にて測定)のものが好ましい。4−メチル−1−ペン
テン樹脂は、4−メチル−1−ペンテンのホモポリマー
を用いてもよいし、4−メチル−1−ペンテンとその他
のα−オレフィンとのコポリマーを用いてもよい。この
場合、α−オレフィンとしては、エチレン、プロピレ
ン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどから
選択される1種または2種以上が用いられる。4−メチ
ル−ペンテン樹脂がα−オレフィンを含む場合、α−オ
レフィンの含有量は通常1〜10重量%程度である。こ
れらの4−メチル−ペンテン樹脂は、三井石油化学
(株)よりTPXの商品名で入手できる。
【0024】本発明の包装用フィルムの厚みは、通常8
〜30μmに設定され、好ましくは10〜15μmであ
る。これは、フィルムの厚みが8μm未満ではフィルム
の強度や腰の低下によって、フィルムの取扱性が著しく
低下し、逆に30μmを超えるとカッティング性や包装
適性が損なわれるためである。このうち中間層の厚み
は、フィルム全厚みの20〜85%であることが好まし
い。これは、全厚みの20%未満では電子レンジ適性や
カッティング性が劣り、逆に85%を超えるとフィルム
の柔軟性が不良となるためである。
〜30μmに設定され、好ましくは10〜15μmであ
る。これは、フィルムの厚みが8μm未満ではフィルム
の強度や腰の低下によって、フィルムの取扱性が著しく
低下し、逆に30μmを超えるとカッティング性や包装
適性が損なわれるためである。このうち中間層の厚み
は、フィルム全厚みの20〜85%であることが好まし
い。これは、全厚みの20%未満では電子レンジ適性や
カッティング性が劣り、逆に85%を超えるとフィルム
の柔軟性が不良となるためである。
【0025】本発明の包装用フィルムを製造するには、
上記の中間層樹脂及び表面層樹脂組成物を複数の押出機
を用いてT−ダイキャスト成形またはインフレーション
成形により共押出して積層成形するなどの公知の方法を
用いることができる。特に、T−ダイキャスト成形によ
る共押出成形法は、平滑性に優れたフィルム表面を得る
ことができる点で好ましい。
上記の中間層樹脂及び表面層樹脂組成物を複数の押出機
を用いてT−ダイキャスト成形またはインフレーション
成形により共押出して積層成形するなどの公知の方法を
用いることができる。特に、T−ダイキャスト成形によ
る共押出成形法は、平滑性に優れたフィルム表面を得る
ことができる点で好ましい。
【0026】本発明の自己粘着性包装用フィルムは、両
表面層のポリプロピレン系樹脂組成物が特定のポリプロ
ピレン系樹脂(a1およびa2成分)を主成分とし、添
加剤して液状脂肪族炭化水素(a3成分)および脂肪族
多価アルコールの脂肪酸エステル(a4成分)を含有し
ているため、自己粘着性と柔軟な風合いを与えるととも
に電子レンジ加熱しても融着を防止でき、しかも中間層
のポリオレフィン系樹脂組成物がポリプロピレン系樹脂
(b1成分)および石油樹脂(b2成分)の組成物また
は4−メチル−ペンテン樹脂(b3成分)からなってい
るので、耐熱性およびカッティング性に優れている。し
たがって、本発明の自己粘着性包装用フィルムは、家庭
用ラップフィルムとして好適に使用できる。
表面層のポリプロピレン系樹脂組成物が特定のポリプロ
ピレン系樹脂(a1およびa2成分)を主成分とし、添
加剤して液状脂肪族炭化水素(a3成分)および脂肪族
多価アルコールの脂肪酸エステル(a4成分)を含有し
ているため、自己粘着性と柔軟な風合いを与えるととも
に電子レンジ加熱しても融着を防止でき、しかも中間層
のポリオレフィン系樹脂組成物がポリプロピレン系樹脂
(b1成分)および石油樹脂(b2成分)の組成物また
は4−メチル−ペンテン樹脂(b3成分)からなってい
るので、耐熱性およびカッティング性に優れている。し
たがって、本発明の自己粘着性包装用フィルムは、家庭
用ラップフィルムとして好適に使用できる。
【0027】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し本発明の内容
をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に記
載された事項によってのみ限定されるものではない。な
お、以下の実施例及び比較例において用いられた樹脂の
メルトフローレート(MFR)及び最高融解ピーク温度
と融解熱量は以下の方法により求めた。
をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に記
載された事項によってのみ限定されるものではない。な
お、以下の実施例及び比較例において用いられた樹脂の
メルトフローレート(MFR)及び最高融解ピーク温度
と融解熱量は以下の方法により求めた。
【0028】MFR:JIS K7210(A法)に準
じて、ポリプロピレン系樹脂は230℃、4−メチル−
ペンテン樹脂は260℃、2.16kg荷重にて測定し
た。 最高融解ピーク温度:パーキンエルマー社製の示差走査
熱量計(DSC7型)を用い、JIS K7121に準
じて測定した。
じて、ポリプロピレン系樹脂は230℃、4−メチル−
ペンテン樹脂は260℃、2.16kg荷重にて測定し
た。 最高融解ピーク温度:パーキンエルマー社製の示差走査
熱量計(DSC7型)を用い、JIS K7121に準
じて測定した。
【0029】実施例1 表面層の材料として(a1)最高融解ピーク温度が13
8℃、MFRが8g/10分のエチレン−プロピレンラ
ンダム共重合体80重量部および(a2)最高融解ピー
ク温度が156℃、MFRが7g/10分のプロピレン
ホモポリマー20重量部と、(a3)液状ポリブテン
(平均分子量750、40℃における動粘度2300c
St)15重量部と、(a4)ジグリセリンラウレート
3重量部とを配合したポリプロピレン系樹脂組成物を用
意した。
8℃、MFRが8g/10分のエチレン−プロピレンラ
ンダム共重合体80重量部および(a2)最高融解ピー
ク温度が156℃、MFRが7g/10分のプロピレン
ホモポリマー20重量部と、(a3)液状ポリブテン
(平均分子量750、40℃における動粘度2300c
St)15重量部と、(a4)ジグリセリンラウレート
3重量部とを配合したポリプロピレン系樹脂組成物を用
意した。
【0030】また、中間層の材料として(b1)最高融
解ピーク温度が164℃、MFRが35g/10分のプ
ロピレンホモポリマー85重量部と、(b2)石油樹脂
(軟化点140℃)15重量部とを配合したポリオレフ
ィン系樹脂組成物を用意した。
解ピーク温度が164℃、MFRが35g/10分のプ
ロピレンホモポリマー85重量部と、(b2)石油樹脂
(軟化点140℃)15重量部とを配合したポリオレフ
ィン系樹脂組成物を用意した。
【0031】表面層用の樹脂組成物を口径が55mm、
L/Dが32の押出機を用いて250℃にて溶融混練
し、中間層用の樹脂組成物を口径が65mm、L/Dが
32の押出機を用いて250℃にて溶融混練し、3層T
−ダイ(ダイス温度:260℃)に導き、2つの表面層
が各々3.7μm、中間層が3.6μm、フィルムの全
厚みが11μmとなるよう共押出し、冷却ロールで冷却
し、幅300mmにスリットして3層フィルムを得た。
L/Dが32の押出機を用いて250℃にて溶融混練
し、中間層用の樹脂組成物を口径が65mm、L/Dが
32の押出機を用いて250℃にて溶融混練し、3層T
−ダイ(ダイス温度:260℃)に導き、2つの表面層
が各々3.7μm、中間層が3.6μm、フィルムの全
厚みが11μmとなるよう共押出し、冷却ロールで冷却
し、幅300mmにスリットして3層フィルムを得た。
【0032】実施例2 中間層の材料として(b3)最高融解ピーク温度が23
3℃、MFRが36g/10分の4−メチル−ペンテン
樹脂を用い、中間層の押出温度およびダイス温度を28
0℃に変更した以外は、実施例1と同様にして3層フィ
ルムを得た。
3℃、MFRが36g/10分の4−メチル−ペンテン
樹脂を用い、中間層の押出温度およびダイス温度を28
0℃に変更した以外は、実施例1と同様にして3層フィ
ルムを得た。
【0033】実施例3 表面層の添加剤として(a4)グリセリンジアセトモノ
ラウレートを用い、中間層の材料として(b3)最高融
解ピーク温度が225℃、MFRが4g/10分の4−
メチル−ペンテン樹脂を用いた以外は、実施例2と同様
にして3層フィルムを得た。
ラウレートを用い、中間層の材料として(b3)最高融
解ピーク温度が225℃、MFRが4g/10分の4−
メチル−ペンテン樹脂を用いた以外は、実施例2と同様
にして3層フィルムを得た。
【0034】実施例4 表面層の樹脂として(a1)最高融解ピーク温度が13
4℃、MFRが6g/10分のエチレン−プロピレン−
ブテン三元共重合体を用いた以外は、実施例3と同様に
して3層フィルムを得た。
4℃、MFRが6g/10分のエチレン−プロピレン−
ブテン三元共重合体を用いた以外は、実施例3と同様に
して3層フィルムを得た。
【0035】実施例5 表面層の樹脂として(a1)最高融解ピーク温度が13
4℃、MFRが2g/10分のエチレン−プロピレンブ
ロック共重合体を用いた以外は、実施例3と同様にして
3層フィルムを得た。
4℃、MFRが2g/10分のエチレン−プロピレンブ
ロック共重合体を用いた以外は、実施例3と同様にして
3層フィルムを得た。
【0036】実施例6 表面層の添加剤として(a4)中鎖脂肪酸トリグリセラ
イドを用いた以外は、実施例3と同様にして3層フィル
ムを得た。
イドを用いた以外は、実施例3と同様にして3層フィル
ムを得た。
【0037】実施例7 表面層の樹脂として(a2)最高融解ピーク温度が16
6℃、MFRが3g/10分のプロピレン単独重合体を
用いた以外は、実施例3と同様にして3層フィルムを得
た。
6℃、MFRが3g/10分のプロピレン単独重合体を
用いた以外は、実施例3と同様にして3層フィルムを得
た。
【0038】参考例1及び2 市販のポリエチレン系樹脂ラップフィルム(参考例
1)、及び市販のPVDC系ラップフィルム(参考例
2)を使用した。
1)、及び市販のPVDC系ラップフィルム(参考例
2)を使用した。
【0039】比較例1 中間層の材料のうち(b2)石油樹脂を添加しなかった
以外は、実施例1と同様にして3層フィルムを得た。
以外は、実施例1と同様にして3層フィルムを得た。
【0040】比較例2 中間層の材料として(b1)最高融解ピーク温度が13
4℃、MFRが4g/10分のエチレン−プロピレンラ
ンダム共重合体のみを用いた以外は、実施例1と同様に
して3層フィルムを得た。
4℃、MFRが4g/10分のエチレン−プロピレンラ
ンダム共重合体のみを用いた以外は、実施例1と同様に
して3層フィルムを得た。
【0041】比較例3 表面層の樹脂として最高融解ピーク温度が138℃、M
FRが8g/10分であるエチレン−プロピレンランダ
ム共重合体100重量部を用いた以外は、実施例3と同
様にして3層フィルムを得た。
FRが8g/10分であるエチレン−プロピレンランダ
ム共重合体100重量部を用いた以外は、実施例3と同
様にして3層フィルムを得た。
【0042】比較例4 表面層の樹脂として最高融解ピーク温度が156℃、M
FRが7g/10分であるプロピレンホモポリマー10
0重量部を用いた以外は、実施例3と同様にして3層フ
ィルムを得た。
FRが7g/10分であるプロピレンホモポリマー10
0重量部を用いた以外は、実施例3と同様にして3層フ
ィルムを得た。
【0043】上記の実施例1〜7、参考例1、2及び比
較例1〜4のフィルムについて、以下のような方法で各
種の物性を測定・評価した。 1)ヘイズ:JIS K7105に準じて測定した。
較例1〜4のフィルムについて、以下のような方法で各
種の物性を測定・評価した。 1)ヘイズ:JIS K7105に準じて測定した。
【0044】2)耐熱温度:東京都条例1072号「ラ
ップフィルムの品質表示」に従い、幅30mm、長さ1
40mmの短冊状フィルム片の上下25mmに厚紙をあ
て、下部に10gの重りを下げる。この試験片を熱風循
環オーブン中につり下げ、1時間毎に5℃刻みで昇温
し、試験片が切断されない最高雰囲気温度を測定した。
ップフィルムの品質表示」に従い、幅30mm、長さ1
40mmの短冊状フィルム片の上下25mmに厚紙をあ
て、下部に10gの重りを下げる。この試験片を熱風循
環オーブン中につり下げ、1時間毎に5℃刻みで昇温
し、試験片が切断されない最高雰囲気温度を測定した。
【0045】3)カッティング性:幅30cm、長さ2
0mのフィルムを巻き取り、これをのこ刃付き化粧箱に
入れ、のこ刃でフィルムを切断した際の状態をLDPE
製市販ラップフィルムを標準とし官能にてカッティング
性を評価した。評価基準は以下の通りである。
0mのフィルムを巻き取り、これをのこ刃付き化粧箱に
入れ、のこ刃でフィルムを切断した際の状態をLDPE
製市販ラップフィルムを標準とし官能にてカッティング
性を評価した。評価基準は以下の通りである。
【0046】 ○:のこ刃に沿って抵抗なくカッティング可能である。 △:カッティング可能であるが、抵抗が大きい。 ×:カッティング不可能であり、抵抗が大きく化粧箱が
変形する。
変形する。
【0047】4)電子レンジ適性:冷凍からあげ(鶏
肉、約20g)を150mm×150mmのラップフィ
ルムで包み、定格高周波出力500Wの電子レンジを用
いて3分間加熱調理を行い、加熱後のフィルムの穴あき
などの状態を観察した。評価基準は以下の通りである。
肉、約20g)を150mm×150mmのラップフィ
ルムで包み、定格高周波出力500Wの電子レンジを用
いて3分間加熱調理を行い、加熱後のフィルムの穴あき
などの状態を観察した。評価基準は以下の通りである。
【0048】 ○:収縮や穴あきなどの外観上の変化なし。 △:収縮及び小さい穴あきが生じる。 ×:フィルムが溶けて大きな穴があく。
【0049】5)粘着性:直径7cm、高さ7cmの円
柱型のポリプロピレン製プラスチック容器を30cm×
30cmのラップフィルムで包み目が上部になるように
包み、5℃の恒温槽中に放置し、24時間後の包装状態
を観察し粘着性を評価した。評価基準は以下の通りであ
る。
柱型のポリプロピレン製プラスチック容器を30cm×
30cmのラップフィルムで包み目が上部になるように
包み、5℃の恒温槽中に放置し、24時間後の包装状態
を観察し粘着性を評価した。評価基準は以下の通りであ
る。
【0050】 ○:包み目の密着が良好である。 △:包み目がやや剥がれている。 ×:フィルムが剥がれ、膨らんでいる。 これらの測定・評価の結果を下記表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の自己粘着性
包装用フィルムは、透明性、のこ刃カッティング性、耐
熱性、自己粘着性及び食品安全性に優れており、食品を
包装して保存に供したり、電子レンジで加熱したりする
際にラップフィルムとして好適に用いることができる。
また、使用後のフィルムを焼却処理する際に塩化水素な
どの有毒ガスを発生しないため環境適性にも優れてい
る。
包装用フィルムは、透明性、のこ刃カッティング性、耐
熱性、自己粘着性及び食品安全性に優れており、食品を
包装して保存に供したり、電子レンジで加熱したりする
際にラップフィルムとして好適に用いることができる。
また、使用後のフィルムを焼却処理する際に塩化水素な
どの有毒ガスを発生しないため環境適性にも優れてい
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 少なくとも表面層、中間層及び表面層の
3層を有する積層構造をなす自己粘着性包装用フィルム
であって、前記表面層が、最高融解ピーク温度が145
℃以下の低結晶性ポリプロピレン系樹脂および最高融解
ピーク温度が150℃以上の高結晶性ポリプロピレン系
樹脂の合計で100重量部と、液状脂肪族炭化水素2〜
20重量部と、脂肪族多価アルコールの脂肪酸エステル
0.5〜8重量部とを含有するポリプロピレン系樹脂組
成物からなり、前記中間層が、最高融解ピーク温度が1
50℃以上のポリオレフィン系樹脂組成物からなること
を特徴とする自己粘着性包装用フィルム。 - 【請求項2】 前記表面層を構成する最高融解ピーク温
度が150℃以上の高結晶性ポリプロピレン系樹脂の含
有量が10〜60重量部であることを特徴とする請求項
1記載の自己粘着性包装用フィルム。 - 【請求項3】 前記中間層を構成するポリオレフィン系
樹脂組成物が、ポリプロピレン系樹脂100重量部、お
よび石油樹脂5〜20重量部からなる組成物であること
を特徴とする請求項1記載の自己粘着性包装用フィル
ム。 - 【請求項4】 前記中間層を構成するポリオレフィン系
樹脂組成物が、4−メチル−ペンテン樹脂を含有するも
のであることを特徴とする請求項1記載の自己粘着性包
装用フィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP770697A JPH10202806A (ja) | 1997-01-20 | 1997-01-20 | 自己粘着性包装用フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP770697A JPH10202806A (ja) | 1997-01-20 | 1997-01-20 | 自己粘着性包装用フィルム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10202806A true JPH10202806A (ja) | 1998-08-04 |
Family
ID=11673200
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP770697A Pending JPH10202806A (ja) | 1997-01-20 | 1997-01-20 | 自己粘着性包装用フィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10202806A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002178466A (ja) * | 2000-12-18 | 2002-06-26 | Mitsui Chemicals Inc | 積層ラップフィルム |
JP2002178465A (ja) * | 2000-12-18 | 2002-06-26 | Mitsui Chemicals Inc | 積層ラップフィルム |
JP2002210873A (ja) * | 2001-01-16 | 2002-07-31 | Shin Etsu Polymer Co Ltd | 食品包装用フィルム |
WO2004020195A1 (ja) * | 2002-08-29 | 2004-03-11 | Asahi Kasei Life & Living Corporation | ポリプロピレン系ラップフィルム |
JP2004307522A (ja) * | 2002-03-12 | 2004-11-04 | Sumitomo Chem Co Ltd | 熱収縮フィルム用ポリプロピレン系樹脂組成物、その樹脂組成物の製造方法および熱収縮フィルム |
US6905760B1 (en) | 2002-08-29 | 2005-06-14 | Asahi Kasei Life And Living Corporation | Polypropylene-based wrap film |
JP2008068564A (ja) * | 2006-09-15 | 2008-03-27 | Dainippon Ink & Chem Inc | 表面保護フィルム |
JP2021088616A (ja) * | 2019-12-02 | 2021-06-10 | 東洋製罐グループホールディングス株式会社 | プロピレン系樹脂のマスターバッチ |
-
1997
- 1997-01-20 JP JP770697A patent/JPH10202806A/ja active Pending
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