JP2001328222A - 食品包装用フィルム - Google Patents

食品包装用フィルム

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JP2001328222A
JP2001328222A JP2000149548A JP2000149548A JP2001328222A JP 2001328222 A JP2001328222 A JP 2001328222A JP 2000149548 A JP2000149548 A JP 2000149548A JP 2000149548 A JP2000149548 A JP 2000149548A JP 2001328222 A JP2001328222 A JP 2001328222A
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resin
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polyethylene
polypropylene
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JP2000149548A
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English (en)
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Michiko Magai
美智子 真貝
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Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、カット性、耐冷凍性、自己粘着性、
引張特性、フィルム剥離性等に優れた食品包装用フィル
ムを提供する。 【解決手段】 ポリエチレン系樹脂100重量部に対し
て、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー15〜20
0重量部を混合してなる樹脂組成物を芯層とし、この芯
層の両面に、ポリプロピレン系樹脂100重量部に対し
て、数平均分子量が10,000〜50,000である
ポリイソブチレン0.5〜30重量部を混合してなる樹
脂組成物を被覆層とした3層から構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性、カット
性、耐冷凍性、自己粘着性、引張特性、フィルム剥離性
等に優れた食品包装用フィルムに関し、特には、家庭用
食品包装用ラップフィルム(以下、家庭用ラップフィル
ムという)として使用するのに適した食品包装用フィル
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、生鮮食品等の包装に利用される家
庭用ラップフィルムとしては、4−メチル−1−ペンテ
ン樹脂と液状飽和炭化水素からなるものが開示されてい
る(特開平7−165940号公報参照)。また、ポリ
塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVD
C)、ポリエチレン(PE)、ポリメチルペンテン樹脂
(TPX)等からなる単層フィルムや、ポリプロピレン
(PP)/ナイロン(NY)/ポリプロピレン、ポリエ
チレン/ポリプロピレン/ポリエチレン等の3層フィル
ムの家庭用ラップフィルムが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ポリ塩
化ビニル単層フィルムやポリ塩化ビニリデン単層フィル
ムは、耐寒強度が劣るという欠点があった。また、ポリ
エチレン単層フィルムは、融点が低いため、該フィルム
で包んだ油性の強い食品を電子レンジ等で長時間加熱す
ると、該フィルムに付着した油分によって小孔が開いた
り、該フィルム同士が融着して食器から剥がしづらく、
また、カット性には優れているが、その反面フィルムと
しての引張強度が低いため、包装時に破れる等の問題が
あった。
【0004】ポリメチルペンテン単層フィルムやポリプ
ロピレン/ナイロン/ポリプロピレン3層フィルム等
は、材料が高融点樹脂であるため、上記問題は解決され
ているが、自己粘着性が弱く、その改善のために、液状
ポリブテン、パラフィン系オイル等を粘着付与剤として
添加している。しかしながら、それにより、経時的にブ
ロッキング現象を起こすようになり、収納箱からフィル
ムを引き出しづらくなるため、使い勝手が悪く、使用者
に不都合を与えてしまう。また、樹脂材料自体の価格が
高いので、製造するのにコストがかかる等の問題があっ
た。ポリエチレン/ポリプロピレン/ポリエチレン3層
フィルムは、外層に低融点のポリエチレンを使用してい
るため、電子レンジによる加熱時、フィルム同士が融着
してポリエチレン単層フィルムと同様の現象が発生す
る。また、耐熱性や引張強度を向上させるため、芯層の
ポリプロピレン層が厚くなり、カット性が著しく低下す
るという問題もあった。
【0005】そこで、本発明は、従来の家庭用ラップフ
ィルムが有する上記問題点を解決し、耐熱性、カット
性、耐冷凍性、自己粘着性、引張特性、フィルム剥離性
等に優れた食品包装用フィルムの提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するため、まず、食品包装用フィルムをその収納箱
のカット刃で、容易にカットするための樹脂として、ポ
リエチレン系樹脂に着目した。しかし、ポリエチレン系
樹脂単独からなるフィルムは、上記した問題点がある。
そこで、ポリエチレン系樹脂をフィルムの芯層として使
用し、さらに、ポリエチレン系樹脂よりも融点が高く、
電子レンジ加熱における上記問題点を解決できる樹脂か
らなる被覆層を設けることで、カット性の良好なフィル
ムが得られることを見い出した。
【0007】さらに、上記したフィルムの芯層がポリエ
チレン系樹脂単独では、食品包装用フィルムとして充分
な引張強度と引裂強度が得られず、使用する際にフィル
ムが破れたり、穴が開いたりする不具合が生じるが、こ
れにポリオレフィン系熱可塑性エラストマーであるポリ
プロピレンとエチレン−ブチレンゴム(以下、EBRと
いう)またはエチレン−プロピレンゴム(以下、EPR
という)との共重合ポリマーアロイを使用すると、食品
包装に必要な引張強度および引裂強度を得ることができ
ることを見い出した。また、上記ポリオレフィン系熱可
塑性エラストマーは、ポリプロピレンを含有するため、
ポリエチレン系樹脂単独からなる場合に比べ、耐熱温度
が高くなる。
【0008】一方、被覆層にはポリエチレン系樹脂より
も融点の高い樹脂を選択するが、フィルムの強度、耐熱
性、コスト、成形性の面において、融点が130℃以上
のポリプロピレン系樹脂が適切である。
【0009】しかし、ポリプロピレン系樹脂は、容器に
対する密着性が弱い。よって、自己粘着性を向上させる
ため、本発明者は、特定範囲の数平均分子量からなるポ
リイソブチレンを上記ポリプロピレン系樹脂に対し、特
定量を混合することで、必要とする自己粘着性が得ら
れ、従来の液状ポリブテンやパラフィン系オイルを添加
したフィルムで生じた不具合を防止できることを見い出
し、本発明の完成に至った。
【0010】すなわち、本発明は、ポリエチレン系樹脂
100重量部に対して、ポリオレフィン系熱可塑性エラ
ストマー15〜200重量部を混合してなる樹脂組成物
を芯層とし、この芯層の両面にポリプロピレン系樹脂1
00重量部に対して、数平均分子量が10,000〜5
0,000であるポリイソブチレンを0.5〜30重量
部混合してなる樹脂組成物を被覆層として積層した3層
構造を有する食品包装用フィルムである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の食品包装用フィル
ムについて詳細に説明する。本発明の食品包装用フィル
ムは、ポリエチレン系樹脂にポリオレフィン系熱可塑性
エラストマーを混合してなる樹脂組成物からなる芯層の
両面に、ポリプロピレン系樹脂にポリイソブチレンを混
合してなる被覆層を積層した3層構造を有するものであ
り、このような構成を採用したことにより、食品包装用
フィルムとして、特に家庭用ラップフィルムとして好適
な耐熱性、カット性、耐冷凍性、引張強度、引裂強度、
自己粘着性およびフィルム剥離性等が付与される。
【0012】芯層を構成するポリエチレン系樹脂として
は、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状
低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、エチレン
−酢酸ビニル共重合体等が挙げられ、これらの中では透
明性の点で、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエ
チレン、超低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル
共重合体が好ましく、その中でもフィルムの耐熱性の点
で、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンが
より好ましく、カット性の点で、低密度ポリエチレンが
好ましい。本発明で使用するのに好適な低密度ポリエチ
レンは、MFR(メルトフローレート、ASTM−D1
238に準拠)が0.1〜15g/10分(温度190
℃、荷重2.16kg)、密度0.900〜0.930
g/cm 3のものであり、高圧法(1,000〜4,0
00atm)、ラジカル重合にて製造される。
【0013】本発明では、低密度ポリエチレンを芯層と
し、被覆層をポリプロピレン系樹脂とすることで、フィ
ルムのカット性、耐熱性の良好な食品包装用フィルムが
得られ、さらに、ポリプロピレン系樹脂の問題点である
耐冷凍性不足を補うことができる。
【0014】芯層を構成するポリエチレン系樹脂に混合
するポリオレフィン系熱可塑性エラストマーは、ポリプ
ロピレンとEBRまたはEPRとの共重合ポリマーアロ
イであり、MFRは0.1〜15g/10分(温度23
0℃、荷重2.16kg)である。この共重合ポリマー
アロイはプロピレンがEBRまたはEPRと重合段階で
直接共重合することによりポリマーアロイとなったもの
であり、1μm未満の大きさのEBRまたはEPR成分
がポリプロピレン中に微分散した海島型のミクロ相分離
型ポリマーアロイである。この共重合ポリマーアロイ
は、分子中に樹脂成分としてのポリプロピレンとゴム成
分としてのEBRまたはEPRが共存しているため、以
下の優れた特性を有している。
【0015】その第一は、ポリプロピレン成分が有する
耐熱性と、EBRまたはEPR成分が有する耐冷凍性を
同時に備えているため、食品包装用フィルムの使用可能
な温度範囲が、ポリエチレンまたはポリプロピレン系樹
脂の単独使用の場合に比べて広くなる。すなわち、食品
包装用フィルムの融点は、ポリプロピレン系樹脂成分に
依存するため140℃以上であり、芯層をポリエチレン
系樹脂単独で構成した場合には低下してしまう耐熱温度
を向上させることができる。一方、ガラス転移温度はE
BRまたはEPR成分に依存するため−30℃以下であ
り、優れた耐冷凍性を示し、被覆層のポリプロピレン系
樹脂による耐冷温度の低下を防ぐことができる。
【0016】第二には、EBRまたはEPR成分を有す
るため、ポリエチレン系樹脂単独では得られないフィル
ムの引張強度、伸び、引裂強度を得ることができる。ま
た、上記共重合ポリマーアロイはポリプロピレンとポリ
エチレンの両成分を含むので芯層と被覆層との層間剥離
が軽減され、十分な引張強度を得ることができる。
【0017】芯層を構成する樹脂組成物において、前記
ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーは、ポリエチレ
ン系樹脂100重量部に対して、15〜200重量部の
混合割合であり、好ましくは25〜200重量部、より
好ましくは25〜150重量部の範囲内である。この混
合割合が15重量部未満では、目的とする引張強度、伸
び、および耐熱性が得られず、逆に200重量部を超え
ると、カット性の低下につながり、家庭用ラップフィル
ムとしての機能を阻害する。
【0018】また、ポリオレフィン系熱可塑性エラスト
マー中におけるEBRまたはEPRの含有量は、50〜
80重量%(以下、wt%と表記する)の範囲が好まし
い。この範囲に入ると、EBRまたはEPRのゴム成分
の影響で、フィルムとして物性がより向上する。
【0019】芯層を形成する樹脂組成物には、モノグリ
セリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソ
ルビタン脂肪酸エステル、およびポリオキシエチレンア
ルキルエーテル等の界面活性剤を必要に応じて添加する
ことができる。これらの具体例としては、モノグリセリ
ンラウレート、モノグリセリンオレート、ポリグリセリ
ンラウレート、ポリグリセリンオレート、ソルビタンラ
ウレート、ソルビタンオレート、ポリオキシエチレンラ
ウリルエーテル等が挙げられる。また、成形加工時にお
ける熱酸化劣化を防止するために、ラジカル捕捉剤とし
て機能するフェノール系酸化防止剤や、過酸化物分解剤
として機能するリン系酸化防止剤を添加することもでき
る。
【0020】また、フィルムに柔軟性を与えるため、芯
層の樹脂組成物にフィルムのカット性を損なわない程度
で、直鎖状低密度ポリエチレンを添加することもでき
る。直鎖状低密度ポリエチエレンは、エチレンと炭素数
4〜12のα−オレフィンとの共重合体であり、MFR
が0.1〜15g/10分(温度190℃、荷重2.1
6kg)、密度0.860〜0.930g/cm3であ
る。この直鎖状低密度ポリエチレンはチーグラーナッタ
系触媒もしくはシングルサイト系触媒を使用して製造さ
れ、特にはα−オレフィンの分布がより均一になるシン
グルサイト系触媒を使用して製造されたものが好まし
い。直鎖状低密度ポリエチレンの添加量は、芯層の樹脂
組成物100重量部に対して50重量部以下が好まし
い。
【0021】本発明の食品包装用フィルムでは、被覆層
にはポリプロピレン系樹脂を使用し、これによって食品
包装用フィルムに耐熱性を付与している。本発明におい
て、被覆層として使用するポリプロピレン系樹脂として
は、プロピレン単独重合体、プロピレンとエチレンおよ
び/またはブテンとの2元ランダム共重合体、プロピレ
ンとエチレンおよびブテンとの3元ランダム共重合体が
挙げられ、これらの樹脂を混合して使用してもよい。ポ
リプロピレン系樹脂のエチレンおよびブテンの含有量は
2〜30wt%の範囲が好ましい。この範囲に入ると、
フィルムとしての剛性、風合い、包装物への密着性、カ
ット性が向上し、さらに包装時のフィルムのまつわりつ
きが減少する。
【0022】被覆層を構成するポリプロピレン系樹脂に
混合するポリイソブチレンは、イソブチレンの単独重合
体であり、その物性値は、添加量または配合内容におい
て適宜定めることができる。しかし、経時的なブロッキ
ング現象を防いで目的とする自己粘着性を得るために
は、数平均分子量が10,000〜50,000の範囲
内であることが必要であり、好ましくは、10,000
〜40,000の範囲内である。この数平均分子量が1
0,000より少ないと経時的にブロッキング現象を起
こし、収納箱からフィルムを引き出せなくなる。逆に数
平均分子量が50,000を超えると粘着剤としての効
果がなくなり、目的とする自己粘着性が得られなくな
る。
【0023】被覆層を構成する樹脂組成物において、前
記ポリイソブチレンは、ポリプロピレン系樹脂100重
量部に対して0.5〜30重量部の範囲の混合割合であ
り、好ましくは0.5〜20重量部の範囲内である。こ
の混合割合が0.5重量部未満であると、安定的な自己
粘着性が得られず、逆に30重量部を超えると自己粘着
性が過剰になり、収納箱からフィルムが引き出せなくな
ったり、あるいは使用時にフィルム同士が密着してまつ
わりつきが生じてしまう。
【0024】被覆層を形成するポリプロピレン系樹脂に
は、フィルムのこし及びカット性を向上させるため、フ
ィルムに柔軟性を付与するため、ポリオレフィン系熱可
塑性エラストマーおよび/またはポリエチレン系樹脂を
添加してもよい。該ポリオレフィン系熱可塑性エラスト
マーとしては、EPRをポリプロピレン系樹脂中に微分
散した海島型のミクロ相分離型ポリマーアロイ、または
ポリエチレンとポリプロピレンのブレンド品が好適であ
る。ポリプロピレン系樹脂にポリオレフィン系熱可塑性
エラストマーを添加する場合、ポリプロピレン系樹脂1
00重量部に対してポリオレフィン系熱可塑性エラスト
マーは70重量部以下が好ましい。また、使用するポリ
エチレン系樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等
が挙げられ、これらの中では、引張強度、引裂強度、お
よび混合状態、フィルムの外観の点においては、芯層で
使用する直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。さら
に、ポリエチレン系樹脂の添加量は、耐熱性を向上させ
る目的でポリプロピレン系樹脂100重量部に対し、2
0重量部未満が好ましい。
【0025】被覆層を構成するポリプロピレン系樹脂に
は、剥離性、防曇性等を付与するために、モノグリセリ
ン脂肪酸エステル、アセチル化モノグリセリン脂肪酸エ
ステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂
肪酸エステルおよびポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル等の界面活性剤を添加することができる。これらの具
体例としては、モノグリセリンラウレート、モノグリセ
リンオレート、モノグリセリンモノアセトモノラウレー
ト、モノグリセリンモノアセトモノオレート、モノグリ
セリンジアセトモノラウレート、ポリグリセリンラウレ
ート、ポリグリセリンオレート、ソルビタンラウレー
ト、ソルビタンオレート、ポリオキシエチレンラウリル
エーテル等が挙げられる。また、芯層と同様にフェノー
ル系酸化防止剤やリン系酸化防止剤を添加することもで
きる。
【0026】本発明の食品包装用フィルムの厚さは、フ
ィルムとしての物性、カット性、耐熱性の点で、5〜3
0μmの範囲が好ましく、特には8〜20μmの範囲内
がより好ましい。また、芯層の厚さは3〜15μmの範
囲が好ましく、被覆層の厚さは少なくとも1μm以上と
することが好ましい。
【0027】本発明の食品包装用ラップフィルムの製造
方法は、特に限定されないが、例えば上記組成物の各成
分を、押出機に供給して溶融混練した後、T−ダイ、イ
ンフレーション等により製膜する公知の製膜方法が挙げ
られる。また、フィルムの表面にコロナ処理を施しても
よい。具体的に1つの製造方法を挙げると、3台の押出
機を使用して、芯層とその両面の被覆層を構成する前記
各樹脂組成物を、3層Tダイスからそれぞれ所定の層厚
が得られるように、180〜240℃で共押し出しし、
この溶融樹脂フィルムを20〜50℃の冷却ロールで冷
却しながらフィルムを成形する。
【0028】
【実施例】次に、本発明の食品包装用フィルムについて
具体的に説明する。 (実施例1〜12、比較例1〜5)下記表1および表2
に示した組成(表1中の混合量は重量部を示す)で、芯
層とその両面の被覆層からなる3層フィルムを多層Tダ
イ法により製造した。すなわち、3台の押出機を使用し
て、溶融樹脂を3層Tダイスから芯層と被覆層の厚さが
表1に示した値になるように230℃で共押し出しし、
この溶融樹脂フィルムを巻き取機にて厚さ11μm、幅
300mmで巻き取った。各層で使用した樹脂の明細は
下記の通りである。
【0029】[芯層] ・低密度ポリエチレン;NUC−8160(日本ユニカ
ー社製、商品名、MFR2.5g/10分、ガラス転移
温度−50℃) ・ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー;Adfle
x X−500F(モンテル・エスケイディー・サンラ
イズ社製、商品名、EBR含有量70wt%、MFR
9.0g/10分、ガラス転移温度−40℃) ・直鎖状低密度ポリエチレン;AFFINITY EG
8200(ダウケミカル日本社製、商品名、エチレン−
オクテン共重合体、オクテン含有量22wt%、MFR
5.0g/10分、ガラス転移温度−49℃)
【0030】[被覆層] ・ポリプロピレン系樹脂;プロピレン−エチレン共重合
体;住友ノーブレンW−151(住友化学工業社製、商
品名、MFR7.6g/10分、ガラス転移温度−24
℃) ・ポリイソブチレン−1;ハイモール5.5H(日本石
油化学工業株式会社製、商品名、数平均分子量20,0
00) ・ポリイソブチレン−2;日石ポリブテンHV−100
F(日本石油化学社製、商品名、数平均分子量980) ・ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー;Adfle
x X−500F(同前) ・直鎖状低密度ポリエチレン;AFFINITY EG
8200(同前)
【0031】得られたフィルムについて、下記の方法で
各物性を測定、評価し、その結果を表3および表4に示
した。なお、MFRは、ASTM−D1238に準じて
測定し、ガラス転移温度は、JIS K7121に準じ
て測定した。
【0032】[引張特性] ・破断強度;JIS K7127に準じて、引張速度2
00m/分で測定した。この値は縦方向40N/mm2
以上70N/mm2以下、横方向が15N/mm 2以上4
0N/mm2以下であれば実用上好適である。 ・伸び率;JIS K7127に準じて、引張速度20
0m/分で測定した。この値は縦方向が90%以上20
0%以下、横方向が550%以上750%以下であれば
実用上好適である。 ・引裂強度;JIS K7128−3に準じて、引張速
度200m/分で測定した。この値は縦方向が140N
/mm2以上200N/mm2以下、横方向が40N/m
2以上80N/mm2以下であれば実用上好適である。
【0033】[自己粘着性] ・自己粘着性;厚さが100μm以下のプラスチックシ
ートを支持体として、サンプルフィルムに接着する。ア
セトンで洗浄した長さ100mm、幅50mmのガラス
板に、上記サンプルフィルムを密着させる。密着面積は
フィルム部分が幅35mm、長さ35mmとなるように
する。フィルムとガラス板の重なった部分に200g/
cm2の荷重を30秒かける。ガラス板部分と、支持体
部分をテンシロンのチャックで固定し、20mm/分の
速度で引き剥がす。その時のせん断剥離の大きさを自己
粘着力とした。この値は1.5kgを超えると好適であ
る。
【0034】[カット性] ・カット性;幅300mm、長さ20mのサンプルを家
庭用ラップフィルムの収納箱に入れ専用の治具にて固定
する。フィルムをカット刃に当たらないように50cm
引き出し、カットするための引き出し角度が30°にな
るようにセットする。テンシロンにてラップフィルムを
200mm/分の速度で引張り、カットされた時の荷重
を測定する。この値は5.0N以上9.5N以下であれ
ば実用上好適である。
【0035】[フィルム剥離性(家庭用ラップフィルム
の収納箱からの引き出し易さ)] ・剥離性;幅300mm、長さ20mに小巻したものを
サンプルとする。ラップフィルムの引き出す部分を測定
サンプルと同じ幅の厚紙で固定する。ラップフィルム本
体は引き出しに支障が無いように固定する。テンシロン
にて、ラップフィルムを挟んだ厚紙部分をチャックで固
定し、ラップフィルムを500mm/分の速度で引き出
す。500mm引き出すまでの平均荷重を測定する。こ
の値は10g以上40g以下であれば実用上好適であ
る。
【0036】[耐冷凍性] ・柔軟温度;JIS K6734に準じて測定した。こ
の値は−30℃以上−5℃以下であれば実用上好適であ
る。 ・耐寒落球試験;内径76mm、外径85mmの丸筒に
フィルムを張設、固定した試験片を3個用意し、これら
を−20℃の雰囲気下に24時間放置後、その雰囲気下
で、重さ40gの鉄球(直径約2.3cm)を30cm
の高さからフィルムの中央部に落下させフィルムの破壊
の有無を調べた。3個の試験片全て穴が開かなかった場
合を“〇”、3個のうち1個でも穴が開いた場合を
“×”と評価した。
【0037】[耐熱性] ・耐熱温度;東京都試験方法に準じて測定した。この値
は、縦方向140℃以上、横方向130℃以上であれば
実用上好適である。 ・レンジテスト;直径15cmの皿に市販のレトルト食
品ミートボールを150g載せ、ラップフィルム30c
m×20cmにカットしたもので覆う。電子レンジ(1
00V、500W)にて2分間加熱後、穴、破れの有無
の確認を行う。2回テストを行い、2回とも穴が開かな
かったものを“〇”、1回でも穴が開いたものを“×”
と評価した。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】[評価の結果]表3および表4から明らか
なように、本発明に係る実施例のフィルムは、全てに亘
って優れた特性を示した。これに対して比較例のフィル
ムは、いずれかの特性において劣っており、本発明のフ
ィルムに比べて劣っていた。
【0043】
【発明の効果】本発明の食品包装用フィルムは、耐熱
性、カット性、耐冷凍性、自己粘着性、引張特性、フィ
ルム剥離性等の種々の特性に優れており、特に家庭用ラ
ップフィルムとして好適で、その産業上の利用価値は極
めて高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 23/20 C08L 23/20 Fターム(参考) 3E086 AD13 BA04 BA15 BB41 BB42 BB58 CA01 4F100 AK03A AK04A AK06 AK07B AK07C AK28B AK28C AK63 AK64 AL05A AL05B AL05C AL09A BA03 BA06 BA10B BA10C BA16 GB23 JA07B JA07C JB16A JJ03 JJ04 JK02 JL05 JL13 JL14 YY00A YY00B YY00C 4J002 BB02W BB03W BB05Y BB051 BB06W BB111 BB12X BB121 BB15Z BB151 BB172 BP02Z FD070 FD310 GG02

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエチレン系樹脂100重量部に対し
    て、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー15〜20
    0重量部を混合してなる樹脂組成物を芯層とし、この芯
    層の両面に、ポリプロピレン系樹脂100重量部に対し
    て、数平均分子量が10,000〜50,000である
    ポリイソブチレン0.5〜30重量部を混合してなる樹
    脂組成物を被覆層とした3層からなることを特徴とする
    食品包装用フィルム。
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