JP2002151266A - 赤色有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

赤色有機エレクトロルミネッセンス素子

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JP2002151266A JP2000345267A JP2000345267A JP2002151266A JP 2002151266 A JP2002151266 A JP 2002151266A JP 2000345267 A JP2000345267 A JP 2000345267A JP 2000345267 A JP2000345267 A JP 2000345267A JP 2002151266 A JP2002151266 A JP 2002151266A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発光効率に優れ、高輝度に発光する有機エレ
クトロルミネッセンス素子材料及び有機エレクトロルミ
ネッセンス素子を提供する。 【解決手段】 互いに対向する陽極と陰極間に、少なく
とも1層の発光層を挟持した有機エレクトロルミネッセ
ンス素子において、該発光層が、下記一般式(I)で表
される化合物を含有することを特徴とする赤色有機エレ
クトロルミネッセンス素子。 【化19】 一般式(I) (式中、XおよびYは置換基を表し、Z1、Z2、Z3及び
4はCH又は窒素原子を表し,これらのうち少なくとも
一つは窒素原子を表す。R1、R2、R3、R4,R5、R6
及びR7はそれぞれ水素原子または置換基を表し、L1
よびL2はそれぞれ置換もしくは無置換のメチン基を表
す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機エレクトロル
ミネッセンス(以下、有機ELとも略記する)素子に係
り、更に詳しくは、赤色発光輝度に優れた有機EL素子
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、無機エレクトロルミネッセンス素
子が平面型光源として使用されてきたが、該発光素子を
駆動させるためには交流の高電圧が必要である。
【0003】最近開発された、有機エレクトロルミネッ
センス素子は、蛍光性有機化合物を含む薄膜を陰極と陽
極で挟んだ構成を有し、薄膜に電子及び正孔を注入して
再結合させることにより励起子(エキシトン)を生成さ
せ、このエキシトンが失活する際の光の放出(蛍光・燐
光)を利用して発光する素子であるが、数V〜数十V程
度の低電圧で発光が可能であり、自己発光型であるため
に視野角依存性に富み、視認性が高く、薄膜型の完全固
体素子であるので省スペース、携帯性等の観点から注目
されている。
【0004】これまで、様々な有機EL素子が報告され
ている。例えば、Appl.Phys.Lett.,V
ol51,913頁又は特開昭59−194393号に
記載の正孔注入層と有機発光体層とを組み合わせたも
の、特開昭63−295695号に記載の正孔注入層と
電子注入輸送層とを組み合わせたもの、Jpn.Jou
rnal of Applied Physics,v
ol.127,No.2,269〜271頁に記載の正
孔移動層と発光層と電子移動層とを組み合わせたもの
が、それぞれ開示されている。
【0005】しかしながら、エネルギー変換効率、発光
量子効率の更なる向上が期待されており、発光寿命が短
い問題点が指摘されている。こうした経時での輝度劣化
の要因は完全には解明されていないが、発光中のエレク
トロルミネッセンス素子は自ら発する光と高熱に曝され
ており薄膜を構成する有機化合物自体の分解、薄膜中で
の有機化合物の結晶化等、有機EL素子材料である有機
化合物に由来する要因も指摘されている。
【0006】また、上記の素子は発光材料として8-キノ
リノールのAl錯体( Alq3)を使用している。この
化合物の発光色は緑色であるが、Journal of
Applied Physics, Vol. 65,
3610(1989)には、 Alq3に加えてさら
に4ー(ジシアノメチレン)ー2ーメチルー6ー(4ー
ジメチルアミノスチリル)ー4Hーピラン(DCM)を
ドープすることにより赤橙色の発光を得ることが報告さ
れている。しかしながら、この化合物の発光色は、色純
度が低い、耐久性が悪い、などの問題があり、さらなる
改良が望まれていた。これまでに特開平10ー3082
81号や特開平11ー292875号、に示された各種
の蛍光性化合物によって赤色光を得る試みが報告されて
いるが、まだ十分満足のいく性能は得られていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、発光
効率に優れ、高輝度に赤色発光する有機エレクトロルミ
ネッセンス素子を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記手段によって達成された。 (1)互いに対向する陽極と陰極間に、少なくとも1層
の発光層を挟持した有機エレクトロルミネッセンス素子
において、該発光層が、下記一般式(I)で表される化
合物を含有することを特徴とする赤色有機エレクトロル
ミネッセンス素子
【0009】
【化4】 一般式(I)
【0010】(式中、XおよびYは置換基を表し、Z1
2、Z3及びZ4はCH又は窒素原子を表し,これらのう
ち少なくとも一つは窒素原子を表す。R1、R2、R3
4,R5、R6及びR7はそれぞれ水素原子または置換基
を表し、L1およびL2はそれぞれ置換もしくは無置換の
メチン基を表す。) (2)前記一般式(I)で表される化合物において、Xお
よびYで表される置換基の少なくとも1つがハメットの
置換基定数σp値が、0.00<σp<0.90の電子吸引性置換
基であることを特徴とする(1)に記載の赤色有機エレ
クトロルミネッセンス素子。 (3)前記一般式(I)で表される化合物において、Xお
よびYで表される置換基のうち少なくとも一つがシアノ
基であることを特徴とする(2)に記載の赤色有機エレ
クトロルミネッセンス素子。 (4)前記一般式(I)で表された化合物において、
1、Z2、Z3及びZ4のうちいずれか1つのみが窒素原
子であることを特徴とする(1)に記載の赤色有機エレ
クトロルミネッセンス素子。 (5)互いに対向する陽極と陰極間に、少なくとも1層
の発光層を挟持した有機エレクトロルミネッセンス素子
において、該発光層が、下記一般式(II)で表される化
合物を少なくとも1種含有することを特徴とする赤色有
機エレクトロルミネッセンス素子。
【0011】
【化5】 一般式(II)
【0012】(式中、X1はハロゲン原子、アシル基、
ニトロ基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホ
ニル基、またはイミド基を表し、Yは置換基を表し、R
9、R10、R11、R12、R13、およびR14はそれぞれ水
素原子または置換基を表す。) (6)前記一般式(II)で表される化合物において、Y
で表される置換基がハメットの置換基定数σp値が、0.0
0<σp<0.90の電子吸引性置換基であることを特徴とす
る(5)に記載の赤色有機エレクトロルミネッセンス素
子。 (7)前記一般式(II)で表される化合物において、Y
で表される置換基がシアノ基であることを特徴とする
(6)に記載の赤色有機エレクトロルミネッセンス素
子。 (8)互いに対向する陽極と陰極間に、少なくとも1層
の発光層を挟持した有機エレクトロルミネッセンス素子
において、該発光層が、下記一般式(III)で表される
化合物を少なくとも1種含有することを特徴とする赤色
有機エレクトロルミネッセンス素子。
【0013】
【化6】 一般式(III)
【0014】(式中、XおよびYは置換基を表し、Zは
複素環からなる2価の基を表し、R9、R10、R15およ
びR16はそれぞれ水素原子または置換基を表す。)
(9)前記一般式(III)で表される化合物において、
XおよびYで表される置換基の少なくとも1つがハメッ
トの置換基定数σp値が、0.00<σp<0.90の電子吸引性
置換基であることを特徴とする(8)に記載の赤色有機
エレクトロルミネッセンス素子。 (10)前記一般式(III)で表される化合物におい
て、XおよびYで表される置換基のうち少なくとも一つ
がシアノ基であることを特徴とする(9)に記載の赤色
有機エレクトロルミネッセンス素子。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明をさらに詳細に説明
する。まず一般式(I)、一般式(II)及び一般式(II
I)において、XおよびYは置換基を表す。XおよびY
で表される置換基としては、例えばハロゲン原子(例え
ば弗素原子、塩素原子、臭素原子等)、アルキル基(例
えばメチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ヒドロ
キシエチル、メトキシメチル、トリフルオロメチル、t
−ブチル等)、シクロアルキル基(例えばシクロペンチ
ル、シクロヘキシル等)、アラルキル基(例えばベンジ
ル、2−フェネチル等)、アリール基(例えばフェニ
ル、ナフチル、p−トリル、p−クロロフェニル等)、
アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、プロポキ
シ、i−プロポキシ、ブトキシ等)、アリールオキシ基
(例えばフェノキシ等)、アルキルチオ基(例えばメチ
ルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ等)、
アリールチオ基(例えばフェニルチオ等)、アミノ基
(例えばメチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ
等)、アシル基(例えばアセチル、プロパノイル、ブチ
ロイル等)、アシルアミノ基(例えばアセチルアミノ、
プロピオニルアミノ等)、ウレイド基(例えば3−メチ
ルウレイド、3,3−ジメチルウレイド、1,3−ジメ
チルウレイド等)、スルホンアミド基(例えばメタンス
ルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド等)、カルバモ
イル基(例えばメチルカルバモイル、エチルカルバモイ
ル、ジメチルカルバモイル等)、スルファモイル基(例
えばエチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル
等)、スルファモイルアミノ基(例えばジメチルスルフ
ァモイルアミノ等)、アルコキシカルボニル基(例えば
メトキシカルボニル、エトキシカルボニル等)、アリー
ルオキシカルボニル基(例えばフェノキシカルボニル
等)、スルホニル基(例えばメタンスルホニル、ブタン
スルホニル、フェニルスルホニル等)、シアノ基、ヒド
ロキシル基、ニトロ基、イミド基(例えばフタルイミド
等)、カルボキシル基、スルホ基、複素環基(例えばピ
ロリル、ピロリジル、ピラゾリル、イミダゾリル、ピリ
ジル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、ベンゾ
オキサゾリル等)等が挙げられ、これらの基は更に置換
されてもよい。これらの置換基は、同じでも異なっても
よく、可能な場合には連結して環を形成してもよい。
【0016】XおよびYの少なくとも1つが電子吸引性
基であって、電子吸引性を表すパラメーターであるハメ
ットの置換基定数σp値が、0.00<σp<0.90のものが
好ましい。本発明におけるハメットの置換基定数σp値
とは、Hammettによって定義された置換基定数で
あり、例えば「薬物の構造活性相関:化学の領域,増刊
122号,96〜103頁,南江堂社刊」に記載されて
いる。
【0017】ハメットの置換基定数σp値が、0.00<σ
p<0.90の電子吸引性基の具体例としては、ハロゲン原
子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、アシル基(ア
セチル基、ピバロイル基)、シアノ基、ニトロ基、カル
バモイル基(アセトカルバモイル基)、スルファモイル
基(アセトスルファモイル基)、スルホニル基(メタン
スルホニル基、ベンゼンスルホニル基)、イミド基(フ
タルイミド基)などを挙げることができる。
【0018】一般式(I)において、Z1、Z2、Z3及び
4はCH又は窒素原子を表し,これらのうち少なくとも
一つは窒素原子を表す。窒素原子の数は好ましくは3以
下であり、より好ましくは1である。
【0019】一般式(I)、一般式(II)及び一般式(I
II)において、R1、R2、R3、R4 ,R5、R6、R7、R
9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、及びR16
それぞれ水素原子または置換基を表し、置換基として
は、アルキル基(例えばメチル、エチル、iso−プロ
ピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、
n−ヘキサデシ)、シクロアルキル基(例えばシクロプ
ロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル等)、アラル
キル基(例えばベンジル、2−フェネチル等)、アルケ
ニル基(例えばビニル、2−ブテニル、3−ペンテニル
等)、アリール基(例えばフェニル、p−メチルフェニ
ル、ナフチル等)、アミノ基(例えばアミノ、メチルア
ミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルア
ミノ等)、アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、
ブトキシ等)、アリールオキシ基(例えばフェニルオキ
シ、2−ナフチルオキシ等)、アシル基(例えばアセチ
ル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイル等)、アルコキ
シカルボニル基(例えばメトキシカルボニル、エトキシ
カルボニル等)、アリールオキシカルボニル基(例えば
フェニルオキシカルボニル等)、アシルオキシ基(例え
ばアセトキシ、ベンゾイルオキシ等)、アシルアミノ基
(例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノ等)、アル
コキシカルボニルアミノ基(例えばメトキシカルボニル
アミノ等)、アリールオキシカルボニルアミノ基(例え
ばフェニルオキシカルボニルアミノ等)、スルホンアミ
ド基(例えばメタンスルホンアミド、ベンゼンスルホン
アミド等)、スルファモイル基(例えばスルファモイ
ル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、
フェニルスルファモイル等)、カルバモイル基(例えば
カルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモ
イル、フェニルカルバモイル等)、アルキルチオ基(メ
チルチオ、エチルチオ、ブチルチオ等)、アリールチオ
基(例えばフェニルチオ等)、スルホニル基(例えばメ
タンスルホニル、フェニルスルホニル等)、スルフィニ
ル基(例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニ
ル等)、ウレイド基(例えばウレイド、メチルウレイ
ド、フェニルウレイド等)、ヒドロキシ基、ハロゲン原
子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子)、シアノ
基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、イミノ基、
ヘテロ環基(窒素原子、酸素原子、硫黄原子含有ヘテロ
環基、例えばイミダゾリル、ピリジル、フリル、ピペリ
ジル、モルホリノ、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダ
ゾリル、ベンズチアゾリル等)などが挙げられる。これ
らの置換基は更に置換されてもよい。また、置換基が二
つ以上ある場合は、同じでも異なってもよく、可能な場
合には連結して環を形成してもよい。
【0020】一般式(I)において、L1およびL2はそ
れぞれ無置換または置換メチン基を表し、好ましくは無
置換のメチン基である。
【0021】一般式(II)において、X1はハロゲン原
子、アシル基、ニトロ基、カルバモイル基、スルファモ
イル基、スルホニル基、またはイミド基を表す。X1
表されるハロゲン原子、アシル基、ニトロ基、カルバモ
イル基、スルファモイル基、スルホニル基、またはイミ
ド基としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原
子、アセチル基、ピバロイル基、ニトロ基、アセトカル
バモイル基、アセトスルファモイル基、メタンスルホニ
ル基、ベンゼンスルホニル基、フタルイミド基などを挙
げることができる。
【0022】一般式(III)において、Zは複素環から
なる2価基を表すが、かかる複素環の例としては、ピロ
ール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、チア
ゾール、オキサゾール、ピリジン、ピリミジン、ピペリ
ジン、トリアジン、モルホリン、フラン、チオフェンな
どの複素環から形成される基が挙げられ、これらの複素
環からなる2価基は、更に置換基を有していてもよい。
【0023】以下に本発明の一般式(I)、一般式(I
I)及び一般式(III)で表される化合物の具体例を示す
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0024】
【化7】
【0025】
【化8】
【0026】
【化9】
【0027】
【化10】
【0028】
【化11】
【0029】
【化12】
【0030】
【化13】
【0031】
【化14】
【0032】合成例1 例示化合物(1)の合成 下記の合成スキームにしたがい、例示化合物(1)を合
成した。
【0033】
【化15】
【0034】(1)中間体Bの合成 50.0mlの無水酢酸に16.1g(0.10モル)の2-メチル-ピラ
ノ[2,3-b]ピリジン-4-オン(A)(清水他、薬学雑誌87
巻、672頁(1967)に記載の合成法にて得た)、および
9.0g(0.14モル)のマロノニトリルを加えて、約5時間12
0℃に加熱した。原料Aが完全に消失した後、冷却し、さ
らに減圧条件下で溶媒と過剰のマロノニトリルを留去し
た。残渣にアセトニトリルを加えて再結晶し、白色粉末
の2-メチル-4-ジシアノメチレン-ピラノ[2,3-b]ピリジ
ン (B)を15.7g(収率75.1%)得た (2)例示化合物(1)の合成 100mlのアセトニトリル中に15.0g(0.072モル)の2-メ
チル-4-ジシアノメチレン-ピラノ[2,3-b]ピリジン
(B)、10.7g(0.072モル)4-ホルミル-N,N-ジメチルアニ
リン、および2.5gのピペリジンを加え窒素雰囲気下で20
時間加熱還流した。反応終了の後、室温まで冷却し析出
した固体をロ別した。さらにこの固体をエタノールから
再結晶して目的物である例示化合物(1)を15.9g(収
率65.0%)得た。構造はNMRスペクトルおよび質量分析
により確認した。純度は高速液体クロマトグラフィによ
って99.5%であることを確認した。 合成例2 例示化合物(33)の合成
【0035】
【化16】
【0036】(1)中間体Dの合成 100mlのエタノール中に、16.6g(0.10モル)の2-メチル
-6-t-ブチル-ピラン-4-オン(C)と17.2g(0.10モル)の
ビスーメタンスルホニルメタンと14.0g(0.21モル)のナ
トリウムエトキサイドを加え、10時間加熱還流した。原
料の(C)が完全に消滅した後に冷却し、析出した結晶を
ロ別した。得られた25.6gの結晶はNMRスペクトル測定の
結果、中間体Dであった。(収率80.0%) (2)例示化合物(33)の合成 前記の合成法によって得られた24.0g(0.075モル)の中
間体Dと19.5g(0.075モル)の9-ホルミル-1,1,7,7-テト
ラメチルジュロリジンおよび12.8g(0.15モル)のピペ
リジンを200mlのアセトニトリルの加え、20時間加熱還
流した。反応終了後、反応溶液を冷却して析出した結晶
をロ別した。得られた粗結晶をエタノールから再結晶し
て、目的物である例示化合物(33)を21.0g(収率50
%)得た。構造はNMRスペクトルおよび質量分析により
確認した。純度は高速液体クロマトグラフィによって9
9.2%であることを確認した。 合成例3 例示化合物(37)の合成例
【0037】
【化17】
【0038】(1)中間体Eの合成 50.0mlの無水酢酸に16.6g(0.10モル)の2-メチル-6-t-
ブチル-ピラン-4-オン(C)および9.0g(0.14モル)の
マロノニトリルを加えて、約8時間120℃に加熱した。原
料Cが完全に消失した後、冷却し、さらに減圧条件下で
溶媒と過剰のマロノニチリルを留去した。残渣にアセト
ニトリルを加えて再結晶し、白色粉末の11.8g(収率55.
1%)の中間体Eを得た。
【0039】(2)例示化合物(37)の合成 100mlのアセトニトリル中に、前記の合成法によって得
られた10.0g(0.047モル)の中間体Eと8.4g(0.047モ
ル)、および8.5gのピペリジンを加え15時間加熱還流し
た。反応終了後、室温まで冷却し析出した結晶をロ別し
た。得られた結晶をさらにアセトニトリルから再結晶し
て目的物である例示化合物(37)を7.9g(収率45.0
%)得た。構造はNMRスペクトルおよび質量分析により
確認した。純度は高速液体クロマトグラフィによって9
9.0%であることを確認した。
【0040】本発明における有機EL素子は、基本的に
は一対の電極の間に発光層を挾持し、必要に応じ、正孔
注入層や電子注入層を介在させた構造を有する。
【0041】具体的には、 (i)陽極/発光層/陰極 (ii)陽極/正孔注入層/発光層/陰極 (iii)陽極/発光層/電子注入層/陰極 (iv)陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極 などの構造がある。
【0042】本発明の有機EL素子では、一般式(I)
〜(III)の化合物が、発光層に含まれるが、さらに、
上記したような発光層以外の層に含まれてもよい。
【0043】上記発光層は、(1)電界印加時に陽極又
は正孔注入層により正孔を注入することができ、かつ陰
極又は電子注入層より電子を注入することができる注入
機能、(2)注入した電荷(電子と正孔)を電界の力で
移動させる輸送機能、(3)電子と正孔の再結合の場を
発光層内部に提供し、これを発光に繋げる発光機能など
を有している。ただし、正孔の注入され易さと電子の注
入され易さに違いがあってもよく、又、正孔と電子の移
動度で表される輸送機能に大小があってもよいが、どち
らか一方の電荷を移動させる機能を有するものが好まし
い。
【0044】この発光層に用いられる発光材料の種類に
ついては特に制限はなく、従来有機EL素子における発
光材料として公知のものを用いることができる。このよ
うな発光材料は、主に有機化合物であり、所望の色調に
より例えばMacromol.Synth.,125
巻,17〜25頁に記載の化合物が挙げられる。
【0045】発光層を形成する方法としては、例えば蒸
着法,スピンコート法,キャスト法,LB法などの公知
の方法により薄膜化することにより形成することができ
るが、特に分子堆積膜であることが好ましい。ここで、
分子堆積膜とは、該化合物の気相状態から沈着され形成
された薄膜や、該化合物の溶融状態又は液相状態から固
体化され形成された膜のことである。通常、この分子堆
積膜は、LB法により形成された薄膜(分子累積膜)と
凝集構造,高次構造の相違や、それに起因する機能的な
相違により区別することができる。
【0046】また、この発光層は、特開昭57−517
81号に記載されるように、樹脂などの結着材と共に上
記発光材料を溶剤に溶かして溶液とした後、これをスピ
ンコート法などにより薄膜化して形成することができ
る。
【0047】このようにして形成された発光層の膜厚に
ついては特に制限はなく、状況に応じて適宜選択するこ
とができるが、通常は5nm〜5μmの範囲である。
【0048】このEL素子における陽極としては、仕事
関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化
合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好まし
く用いられる。このような電極物質の具体例としてはA
u等の金属、CuI、インジウムチンオキシド(IT
O)、SnO2、ZnO等の導電性透明材料が挙げられ
る。
【0049】該陽極は、これらの電極物質を蒸着やスパ
ッタリングなどの方法により、薄膜を形成させ、フォト
リソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成しても
よく、あるいはパターン精度を余り必要としない場合
(100μm以上程度)は、上記電極物質の蒸着やスパ
ッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを
形成してもよい。この陽極より発光を取り出す場合に
は、透過率を10%より大きくすることが望ましく、
又、陽極としてのシート抵抗は数百Ω・cm以下が好ま
しい。更に、膜厚は、材料にもよるが、通常10nm〜
1μm,好ましくは10〜200nmの範囲で選ばれ
る。
【0050】一方、陰極としては、仕事関数の小さい
(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合
金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質と
するものが用いられる。このような電極物質の具体例と
しては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグ
ネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネ
シウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合
物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/
酸化アルミニウム(Al2O3)混合物、インジウム、
リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属などが挙げ
られる。これらの中で、電子注入性及び酸化などに対す
る耐久性の点から、電子注入性金属と、これより仕事関
数の値が大きく安定な金属である第2金属との混合物、
例えばマグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミ
ニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アル
ミニウム/酸化アルミニウム(Al2O3)混合物、リ
チウム/アルミニウム混合物などが好適である。
【0051】該陰極は、これらの電極物質を、蒸着やス
パッタリングなどの方法により薄膜を形成させることに
より作製することができる。又、陰極としてのシート抵
抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜
1μm,好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれ
る。尚、発光を透過させるため、有機EL素子の陽極又
は陰極の何れか一方が透明又は半透明であれば、発光効
率が向上し好都合である。
【0052】次に、必要に応じて設けられる正孔注入層
は、陽極より注入された正孔を発光層に伝達する機能を
有し、この正孔注入層を陽極と発光層の間に介在させる
ことにより、より低い電界で多くの正孔が発光層に注入
され、その上、発光層に陰極又は電子注入層より注入さ
れた電子は、発光層と正孔注入層の界面に存在する電子
の障壁により発光層内の界面に累積され、発光効率が向
上するなど、発光性能の優れた素子となる。
【0053】この正孔注入層の材料(以下、正孔注入材
料という)については、前記の好ましい性質を有するも
のであれば特に制限はなく、従来、光導伝材料におい
て、正孔の電荷注入輸送材料として慣用されているもの
や、EL素子の正孔注入層に使用される公知のものの中
から任意のものを選択して用いることができる。
【0054】上記正孔注入材料は、正孔の注入、電子の
障壁性の何れかを有するものであり、有機物,無機物の
何れであってもよい。この正孔注入材料としては、例え
ばトリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導、イミダ
ゾール誘導、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン
誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導
体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導
体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導
体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベ
ン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、又、
導電性高分子オリゴマー、特にチオフェンオリゴマー等
が挙げられる。
【0055】正孔注入材料としては上記のものを使用す
ることができるが、ポルフィリン化合物、芳香族第3級
アミン化合物及びスチリルアミン化合物、特に芳香族第
3級アミン化合物を用いることが好ましい。上記芳香族
第3級アミン化合物及びスチリルアミン化合物の代表例
としては、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,
4′−ジアミノフェニル;N,N′−ジフェニル−N,
N′−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1′−ビフ
ェニル〕−4,4′−ジアミン(TPD);2,2−ビ
ス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン;
1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シ
クロヘキサン;N,N,N′,N′−テトラ−p−トリ
ル−4,4′−ジアミノビフェニル;1,1−ビス(4
−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシク
ロヘキサン;ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフ
ェニル)フェニルメタン;ビス(4−ジ−p−トリルア
ミノフェニル)フェニルメタン;N,N′−ジフェニル
−N,N′−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4′−
ジアミノビフェニル;N,N,N′,N′−テトラフェ
ニル−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル;4,
4′−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル;
N,N,N−トリ(p−トリル)アミン;4−(ジ−p
−トリルアミノ)−4′−〔4−(ジ−p−トリルアミ
ノ)スチリル〕スチルベン;4−N,N−ジフェニルア
ミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン;3−メトキ
シ−4′−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン;
N−フェニルカルバゾール、更には、米国特許5,06
1,569号に記載されている2個の縮合芳香族環を分
子内に有するもの、例えば4,4′−ビス〔N−(1−
ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(NP
D)、特開平4−308688号に記載されるトリフェ
ニルアミンユニットが三つスターバースト型に連結され
た4,4′,4″−トリス〔N−(3−メチルフェニ
ル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(MT
DATA)等が挙げられる。
【0056】また、p型−Si,p型−SiC等の無機
化合物も正孔注入材料として使用することができる。こ
の正孔注入層は、上記正孔注入材料を、真空蒸着法,ス
ピンコート法,キャスト法,LB法など、公知の方法に
より薄膜化することにより形成できる。正孔注入層の膜
厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm
程度である。
【0057】この正孔注入層は、上記材料の1種又は2
種以上からなる1層構造であってもよく、同一組成又は
異種組成の複数層からなる積層構造であってもよい。更
に、必要に応じて用いられる電子注入層は、陰極より注
入された電子を発光層に伝達する機能を有していればよ
く、その材料としては、従来公知の化合物の中から任意
のものを選択して用いることができる。
【0058】この電子注入層に用いられる材料(以下、
電子注入材料と称する)の例としては、ニトロ置換フル
オレン誘導体,ジフェニルキノン誘導体,チオピランジ
オキシド誘導体,ナフタレンペリレン等の複素環テトラ
カルボン酸無水物,カルボジイミド,フルオレニリデン
メタン誘導体,アントラキノジメタン及びアントロン誘
導体,オキサジアゾール誘導体などが挙げられる。又、
特開昭59−194393号に記載される一連の電子伝
達性化合物は、該公報では発光層を形成する材料として
開示されているが、本発明者らが検討の結果、電子注入
材料として用い得ることが判った。更に、上記オキサジ
アゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原
子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸
引性基として知られているキノキサリン環を有するキノ
キザリン誘導体なども、電子注入材料として用いること
ができる。
【0059】また、8−キノリノール誘導体の金属錯
体、例えばトリス(8−キノリノール)アルミニウム
(Alq3)、トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリ
ノール)アルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8
−キノリノール)アルミニウム、トリス(2−メチル−
8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5−メチル
−8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリ
ノール)亜鉛(Znq)等、及びこれらの金属錯体の中
心金属がIn、Mg、Cu、Ca、Sn、Ga又はPb
に置き替わった金属錯体も電子注入材料として用いるこ
とができる。その他、メタルフリーもしくはメタルフタ
ロシアニン、又はそれらの末端がアルキル基やスルホ基
などで置換されているものも、電子注入材料として好ま
しく用いることができる。又、発光層の材料として例示
したジスチリルピラジン誘導体も、電子注入材料として
用いることができるし、正孔注入層と同様に、n型−S
i,n型−SiC等の無機半導体も電子注入材料として
用いることができる。
【0060】この電子注入層は、上記化合物を、例えば
真空蒸着法,スピンコート法,キャスト法,LB法など
の公知の薄膜化法により製膜して形成することができ
る。電子注入層としての膜厚は特に制限はないが、通常
は5nm〜5μmの範囲で選ばれる。
【0061】この電子注入層は、これらの電子注入材料
1種又は2種以上からなる1層構造でもよいし、同一組
成又は異種組成の複数層から成る積層構造でもよい。
【0062】次に、有機EL素子を作製する好適な例を
説明する。例として、前記の陽極/正孔注入層/発光層
/電子注入層/陰極からなるEL素子の作製法について
説明すると、まず適当な基板上に、所望の電極物質、例
えば陽極用物質から成る薄膜を1μm以下、好ましくは
10〜200nmの範囲の膜厚になるように、蒸着やス
パッタリングなどの方法により形成させ、陽極を作製す
る。次に、この上に、素子材料である正孔注入層,発光
層,電子注入層の材料から成る薄膜を形成させる。
【0063】この薄膜を形成させる方法としては、前記
の如くスピンコート法,キャスト法,蒸着法などがある
が、均質な膜が得られ易く、かつピンホールが生成し難
いなどの点から、真空蒸着法が好ましい。この蒸着法を
採用する場合、その蒸着条件は、使用する化合物の種
類,分子堆積膜の目的とする結晶構造,会合構造などに
より異なるが、一般に、ボート加熱温度50〜450
℃,真空度10−6〜10−3Pa、蒸着速度0.01
〜50nm/秒、基板温度−50〜300℃、膜厚5n
m〜5μmの範囲で適宜選ぶことが望ましい。
【0064】これらの層の形成後、その上に、陰極用物
質から成る薄膜を、1μm以下、好ましくは50〜20
0nmの範囲の膜厚になるように、例えば蒸着やスパッ
タリング等の方法により形成させ、陰極を設けることに
より所望のEL素子が得られる。
【0065】この有機EL素子の作製は、1回の真空引
きで一貫して正孔注入層から陰極まで作製するのが好ま
しいが、作製順序を逆にして、陰極、電子注入層、発光
層、正孔注入層、陽極の順に作製することも可能であ
る。
【0066】このようにして得られたEL素子に直流電
圧を印加する場合には、陽極を+、陰極を−の極性とし
て5〜40V程度の電圧を印加すると、発光が観測でき
る。又、逆の極性で電圧を印加しても、電流は流れずに
発光は全く生じない。更に、交流電圧を印加する場合に
は、陽極が+、陰極が−の状態になった時のみ発光す
る。尚、印加する交流の波形は任意でよい。
【0067】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0068】実施例1 (本発明の有機EL素子の作製)陽極としてガラス上に
ITOを150nm成膜した基板(前出:NA−45)
にパターニングを行った後、このITO透明電極を設け
た透明支持基板をi−プロピルアルコールで超音波洗浄
し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行
った。この透明支持基板を、市販の真空蒸着装置の基板
ホルダーに固定し、一方、モリブデン製抵抗加熱ボート
に、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチ
ルフェニル)[1,1′−ビフェニル]−4,4′−ジ
アミン(TPD)200mgを入れ、別のモリブデン製
抵抗加熱ボートに本発明の化合物(I=1)200mg
を入れ、更に別のモリブデン製抵抗加熱ボートにトリス
(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム(Alq
3)を200mg入れ、真空蒸着装置に取付けた。次い
で、真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、TPD
の入った前記加熱ボートに通電して220℃まで加熱
し、蒸着速度0.1〜0.3nm/secで透明支持基
板に蒸着し、膜厚60nmの正孔注入層を設けた。更
に、本発明の化合物の入った前記加熱ボート及びAlq
3の入った前記加熱ボートを通電して220℃まで加熱
し、蒸着速度0.1〜0.3nm/secで前記正孔注
入層上に蒸着して膜厚40nmの発光層を設けた。
【0069】尚、蒸着時の基板温度は室温であった。次
に、真空槽をあけ、発光層の上にステンレス鋼製の長方
形穴あきマスクを設置し、一方、モリブデン製抵抗加熱
ボートにマグネシウム3gを入れ、タングステン製の蒸
着用バスケットに銀を0.5g入れ、再び真空槽を2×
10−4Paまで減圧した後、マグネシウム入りのボー
トに通電して蒸着速度1.5〜2.0nm/secでマ
グネシウムを蒸着し、この際、同時に銀のバスケットを
加熱し、蒸着速度0.1nm/secで銀を蒸着し、前
記マグネシウムと銀との混合物から成る対向電極とする
ことにより、有機EL素子を作製した。比較として本発
明の化合物の代わりに4−(ジシアノメチレン)−2−
メチル−6−(4−ジメチルアミノスチリル)−4Hピ
ラン(DCM)を用いて前記と同じプロセスにより試料
を作製した。
【0070】これらの素子のITO電極を陽極、マグネ
シウムと銀から成る対向電極を陰極として直流を印加し
たところ、低駆動電圧で、高輝度の赤色発光を得た。こ
れらの実験結果を表1にまとめ示した。
【0071】
【表1】
【0072】
【化18】
【0073】
【発明の効果】本発明により、発光効率に優れ、高輝度
に発光する有機エレクトロルミネッセンス素子を提供で
きる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに対向する陽極と陰極間に、少なくと
    も1層の発光層を挟持した有機エレクトロルミネッセン
    ス素子において、該発光層が、下記一般式(I)で表さ
    れる化合物を含有することを特徴とする赤色有機エレク
    トロルミネッセンス素子 【化1】 一般式(I) (式中、XおよびYは置換基を表し、Z1、Z2、Z3及び
    4はCH又は窒素原子を表し,これらのうち少なくとも
    一つは窒素原子を表す。R1、R2、R3、R4,R5、R6
    及びR7はそれぞれ水素原子または置換基を表し、L1
    よびL2はそれぞれ置換もしくは無置換のメチン基を表
    す。)
  2. 【請求項2】前記一般式(I)で表される化合物におい
    て、XおよびYで表される置換基の少なくとも1つがハメ
    ットの置換基定数σp値が、0.00<σp<0.90の電子吸引
    性置換基であることを特徴とする請求項1に記載の赤色
    有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 【請求項3】前記一般式(I)で表される化合物におい
    て、XおよびYで表される置換基のうち少なくとも一つが
    シアノ基であることを特徴とする請求項2に記載の赤色
    有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 【請求項4】前記一般式(I)で表された化合物におい
    て、Z1、Z2、Z3及びZ4のうちいずれか1つのみが窒
    素原子であることを特徴とする請求項1に記載の赤色有
    機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 【請求項5】互いに対向する陽極と陰極間に、少なくと
    も1層の発光層を挟持した有機エレクトロルミネッセン
    ス素子において、該発光層が、下記一般式(II)で表さ
    れる化合物を少なくとも1種含有することを特徴とする
    赤色有機エレクトロルミネッセンス素子。 【化2】 一般式(II) (式中、X1はハロゲン原子、アシル基、ニトロ基、カ
    ルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、また
    はイミド基を表し、Yは置換基を表し、R9、R10、R
    11、R12、R13、およびR14はそれぞれ水素原子または
    置換基を表す。)
  6. 【請求項6】前記一般式(II)で表される化合物におい
    て、Yで表される置換基がハメットの置換基定数σp値
    が、0.00<σp<0.90の電子吸引性置換基であることを
    特徴とする請求項5に記載の赤色有機エレクトロルミネ
    ッセンス素子。
  7. 【請求項7】前記一般式(II)で表される化合物におい
    て、Yで表される置換基がシアノ基であることを特徴と
    する請求項6に記載の赤色有機エレクトロルミネッセン
    ス素子。
  8. 【請求項8】互いに対向する陽極と陰極間に、少なくと
    も1層の発光層を挟持した有機エレクトロルミネッセン
    ス素子において、該発光層が、下記一般式(III)で表
    される化合物を少なくとも1種含有することを特徴とす
    る赤色有機エレクトロルミネッセンス素子。 【化3】 一般式(III) (式中、XおよびYは置換基を表し、Zは複素環からな
    る2価の基を表し、R9、R10、R15およびR16はそれ
    ぞれ水素原子または置換基を表す。)
  9. 【請求項9】前記一般式(III)で表される化合物にお
    いて、XおよびYで表される置換基の少なくとも1つが
    ハメットの置換基定数σp値が、0.00<σp<0.90の電子
    吸引性置換基であることを特徴とする請求項8に記載の
    赤色有機エレクトロルミネッセンス素子。
  10. 【請求項10】前記一般式(III)で表される化合物に
    おいて、XおよびYで表される置換基のうち少なくとも
    一つがシアノ基であることを特徴とする請求項9に記載
    の赤色有機エレクトロルミネッセンス素子。
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