JP4631259B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子及び表示装置 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子及び表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス(以下有機ELとも略記する)素子および表示装置に関するものである。詳しくいえば、本発明は発光輝度に優れた有機エレクトロルミネッセンス素子、及び該有機エレクトロルミネッセンス素子を有する表示装置に関するものである。
発光型の電子ディスプレイデバイスとして、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)がある。ELDの構成要素としては、無機エレクトロルミネッセンス素子や有機エレクトロルミネッセンス素子が挙げられる。無機エレクトロルミネッセンス素子は平面型光源として使用されてきたが、発光素子を駆動させるためには交流の高電圧が必要である。有機エレクトロルミネッセンス素子は、発光する化合物を含有する発光層を、陰極と陽極で挟んだ構成を有し、発光層に電子及び正孔を注入して、再結合させることにより励起子(エキシトン)を生成させ、このエキシトンが失活する際の光の放出(蛍光・燐光)を利用して発光する素子であり、数V〜数十V程度の電圧で発光が可能であり、さらに、自己発光型であるために視野角に富み、視認性が高く、薄膜型の完全固体素子であるために省スペース、携帯性等の観点から注目されている。
しかしながら、今後の実用化に向けた有機EL素子においては、さらに低消費電力で効率よく高輝度に発光する有機EL素子の開発が望まれている。
スチルベン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体又はトリススチリルアリーレン誘導体に、微量の蛍光体をドープし、発光輝度の向上、素子の長寿命化を達成(例えば、特許文献1参照)している。
また、8−ヒドロキシキノリンアルミニウム錯体をホスト化合物として、これに微量の蛍光体をドープした有機発光層を有する素子(例えば、特許文献2参照)、8−ヒドロキシキノリンアルミニウム錯体をホスト化合物として、これにキナクリドン系色素をドープした有機発光層を有する素子(例えば、特許文献3参照)が知られている。
以上のように、励起一重項からの発光を用いる場合、一重項励起子と三重項励起子の生成比が1:3であるため発光性励起種の生成確率が25%であることと、光の取り出し効率が約20%であるため、外部取り出し量子効率(ηext)の限界は5%とされている。ところが、プリンストン大より、励起三重項からの燐光発光を用いる有機EL素子の報告(例えば、非特許文献1参照)がされて以来、室温で燐光を示す材料の研究が活発になってきている(例えば、非特許文献2、特許文献4参照)。励起三重項を使用すると、内部量子効率の上限が100%となるため、励起一重項の場合に比べて原理的に発光効率が4倍となり、冷陰極管とほぼ同等の性能が得られ照明用にも応用可能であり注目されている。
一方、有機EL素子の発光輝度と発光寿命の向上のために、発光層と陰極の間に、発光層からの正孔の移動を制限する正孔ブロック層を設けることが提案されている。この正孔ブロック層により正孔を発光層中に効率よく蓄積することによって、電子との再結合確率を向上させ、発光の高効率化を達成することができる。正孔ブロック材料としてフェナントロリン誘導体やトリアゾール誘導体の単独使用が有効であると報告されている(例えば、特許文献5、6参照)。ある特定のアルミニウム錯体を正孔ブロック層に使用して、長寿命な有機EL素子を実現(例えば、特許文献7参照)している。このように正孔ブロック層の導入により、燐光性化合物を使用した有機EL素子では緑色では内部量子効率としてほぼ100%、寿命についても2万時間が達成されている(例えば、非特許文献3参照)が、発光輝度については、まだ改善の余地が残っている。
一方、青〜青緑色の燐光性化合物をドーパントとして用いた場合、CBPのようなカルバゾール誘導体をホスト化合物として使用した例があるが、その外部取り出し量子効率が6%であり、燐光性化合物を使用している割には不十分な結果(例えば、非特許文献4参照)である。また、安達らによる検討では複素五員環化合物は発光効率の面では、CBPよりも高い性能を有して(例えば、非特許文献5参照)いる。しかし、これらの複素五員環化合物をりん光のホスト化合物として使用した場合、高輝度領域において、燐光の輻射過程が遅く、注入されるホールと電子の再結合が飽和してしまうため、高輝度領域において電流効率が低下してしまうという問題がある。実用化に向けて、デューティ駆動した場合、瞬間輝度は数千〜数万cd/m2に及ぶため、高輝度領域においても高い発光効率を保つ必要がある。
特許第3,093,796号明細書 (特許請求の範囲、請求項1) 特開昭63−264692号公報 (実施例) 特開平3−255190号公報 (特許請求の範囲、請求項2) M.A.Baldo et al.,nature、395巻、151−154ページ(1998年) M.A.Baldo et al.,nature、403巻、17号、750−753ページ(2000年) 米国特許第6,097,147号明細書 特開平8−109373号公報 (第7頁左欄第25行〜右欄第15行) 特開平10−233284号公報 (第5頁左欄第44行〜右欄第19行) 特開2001−284056号公報 (実施例) 第62回応用物理学会学術講演会予稿集12−a−M7、パイオニア技術情報誌、第11巻、第1号、13〜20 第62回応用物理学会学術講演会予稿集12−a−M8 アプライド・フィジクス・レターズ、77巻、904ページ、2000年
本発明の目的は、発光輝度に優れ、高輝度領域において電流効率の低下の小さい有機エレクトロルミネッセンス素子、及び本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子を用いた低消費電力、高輝度な表示装置を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
(請求項3)
下記一般式(3)で表される化合物を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
Figure 0004631259
〔式中、X12、2個以上のメチル基が置換し、ビフェニレン基の4位と4′位でイミダゾール環と連結した置換ビフェニレン基を表す。R21、R22、R23、R24、R25又はR26は、水素原子、又は置換基を表す。ただし、R21、R22、R23、R24、R25又はR26は、それぞれ互いに縮合して環を形成することはない。〕
(請求項
一般式(3)において、R21、R23、R24、R26のうち少なくとも二つはアリール基であることを特徴とする請求項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
(請求項
請求項1又は2に記載の化合物が、発光層に使用されることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
(請求項
請求項1又は2に記載の化合物が、正孔ブロック層に使用されることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
(請求項
りん光性化合物を含有することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
(請求項
りん光性化合物が、オスミウム、イリジウム、または、白金錯体系化合物であることを特徴とする請求項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
(請求項
請求項1〜のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を有することを特徴とする表示装置。
本発明により、発光輝度に優れ、高輝度領域において、電流効率の低下の小さい有機エレクトロルミネッセンス素子および該有機エレクトロルミネッセンス素子を有する表示装置が得られた。
本発明を更に詳しく説明する。本発明において、蛍光性化合物は光励起により2個の電子スピンが反平行の状態である励起一重項からの発光が観測される化合物のことであり、燐光性化合物は光励起により2個の電子スピンが平行の状態である励起三重項からの発光が観測される化合物である。本発明に記載の燐光性化合物では、前記蛍光性化合物の励起一重項状態、または、励起三重項状態からのエネルギー移動で、室温(15から30℃)において、励起三重項状態が形成されると考えられている。通常、燐光発光は77Kの低温でしか観測が不能と考えられていたが、近年室温で燐光発光を観測できる化合物が見出されてからは、多くの化合物がイリジウム錯体など重金属錯体系化合物を中心に合成検討されている(例えば、S.Lamansky et al.,J.Am.Chem.Soc.,123巻、4304ページ、2001年)。
特開平7−41759号、特開平11−199567号では特定のトリアゾール系の複素環化合物が有機EL素子の材料として優れているとされているが、これらの化合物をりん光発光の有機EL素子に応用した場合、発光効率は優れているものの、高輝度領域において電流効率が低下してしまうという問題がある。この問題を解決するためには、りん光素子のホスト化合物のバンドギャップをドーパントよりも大きくすることと、電位を適切なレベルに調整することが望まれる。特に、ホスト化合物として青、緑、赤のいずれのドーパントにも対応できるためには、バンドギャップが青のドーパントより広いことが求められる。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、本発明の一般式()で表される化合物を有機EL素子に使用することにより、より広いバンドギャップと、電位の適切なレベルへの設定が達成され、所望の性能のりん光有機EL素子を得ることができた。
本発明の化合物について更に詳細に説明する。本発明において、ホスト化合物とは、2種以上の化合物で構成される発光層中において、混合比(質量)の最も多い化合物であり、それ以外の化合物はドーパント化合物という。例えば、発光層を化合物A、化合物Bという2種で構成しその混合比がA:B=10:90であれば化合物Aがドーパント化合物であり、化合物Bがホスト化合物である。更に、発光層を化合物A、化合物B、化合物Cの3種から構成し、その混合比がA:B:C=5:10:85であれば、化合物A、化合物Bがドーパント化合物であり、化合物Cがホスト化合物である。本発明におけるりん光性化合物は、ドーパント化合物の一種である。
本発明の一般式()で表される化合物について説明する。式中、X12、2個以上のメチル基が置換し、ビフェニレン基の4位と4′位でイミダゾール環と連結した置換ビフェニレン基を表す。
又、一般式()において、R 21、R22、R23、R24、R25、R 、各々独立して、水素原子、又は置換基を表す。
ただし、R 21〜R26 は、それぞれ互いに縮合して環を形成することはない。
21、R22、R23、R24、R25、R 、置換基を表す場合、その置換基としては、アルキル基(例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、ヒドロキシエチル基、メトキシメチル基、トリフルオロメチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロ−n−ブチル基、パーフルオロ−t−ブチル基、t−ブチル基等)、シクロアルキル基(例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アラルキル基(例えばベンジル基、2−フェネチル基等)、アリール基(例えばフェニル基、ナフチル基、p−トリル基、p−クロロフェニル基等)、アルコキシ基(例えばエトキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ基等)、シアノ基、水酸基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)等が挙げられる。これらの基はさらに置換されていてもよい。
一般式(3)において、R21、R23、R24、R26のうち少なくとも二つはアリール基である場合が好ましい。
21、R22、R23、R24、R25、R 置換基を表す場合、好ましくは、アルキル基、又はアリール基である。
以下に、本発明の一般式()で表される化合物の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 0004631259
Figure 0004631259
Figure 0004631259
本発明の化合物の製造に適用できる製造例を以下に示すが、本発明の化合物についても同様の方法により製造することができる。
(合成例1) 化合物(1−2)の合成
オルトトリジン5.0gと2,5ヘキサンジオン5.0gを酢酸50mlに溶解し3時間加熱攪拌した。反応終了後、反応液に、酢酸エチル、水を加えて有機層を抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去してからカラムクロマトグラフィーで精製した後、アセトニトリルで再結晶し、化合物(1−2)を6.9g得た(収率80%)。
NMRスペクトル、マススペクトルにより化合物(1−2)であることを確認した。
(合成例2) 化合物(1−8)の合成
合成例1において、2,5ヘキサンジオンを1,2ジベンゾイルエタンに変更した以外は、合成例1にのっとって化合物(1−8)を合成した。
NMRスペクトル、マススペクトルにより化合物(1−8)であることを確認した。
(合成例3) 化合物(8−1)の合成
シクロヘキサノン20gとアニリン38gを濃塩酸中で40時間加熱還流した。反応液を中和後、反応液に、酢酸エチル、水を加えて有機層を抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去してからカラムクロマトグラフィーで精製しアミン化合物を31g得た。該アミン化合物と1,2ジベンゾイルエタンを合成例2にのっとって合成し化合物(8−1)を得た。
NMRスペクトル、マススペクトルにより化合物(8−1)であることを確認した。
本発明の有機EL素子は、必要に応じ発光層の他に、正孔輸送層、電子輸送層、正孔ブロック層、陽極バッファー層および陰極バッファー層等を有し、陰極と陽極で狭持された構造を取る。
具体的には、
(i)陽極/発光層/陰極
(ii)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
(iii)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
(iv)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(v)陽極/陽極バッファー層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
(vi)陽極/陽極バッファー層/正孔輸送層/発光層/正孔ブロック層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
などの構造がある。
本発明の化合物は、いずれの層中に含有されていてもかまわないが、特に発光層、または、正孔ブロック層に含有されていることが好ましい。
上記発光層は電極または電子輸送層、正孔輸送層から注入されてくる電子および正孔が再結合して発光する層であり、発光する部分は発光層の層内であっても発光層と隣接層との界面であっても良い。
発光層に使用される材料(以下、発光材料という)は、蛍光または燐光を発する有機化合物または錯体であることが好ましく、有機EL素子の発光層に使用される公知のものの中から任意のものを選択して用いることができる。このような発光材料は、主に有機化合物であり、所望の色調により例えばMacromol.Synth.,125巻,17〜25頁に記載の化合物が挙げられる。
発光材料は発光性能の他に、前記の正孔輸送機能や電子輸送機能を併せ持っていても良く、後述する正孔輸送材料や電子輸送材料の殆どが発光材料としても使用できる。
発光材料はp−ポリフェニレンビニレンやポリフルオレンのような高分子材料でも良く、さらに前記発光材料を高分子鎖に導入した、または前記発光材料を高分子の主鎖とした高分子材料を使用しても良い。
また、発光層にはドーパント(ゲスト物質)を併用することが好ましく、EL素子のドーパントとして使用される公知のものの中から任意のものを選択して用いることができる。
ドーパントの具体例としては、例えばキナクリドン、DCM、クマリン誘導体、ローダミン、ルブレン、デカシクレン、ピラゾリン誘導体、スクアリリウム誘導体、ユーロピウム錯体等がその代表例として挙げられる。
また、例えば特開2001−247859号明細書に挙げられるイリジウム錯体あるいはWO0070655号明細書16〜18ページに挙げられるような式で表される例えばトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム等やオスミウム錯体、あるいは2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフィリン白金錯体のような白金錯体もドーパントとして挙げられる。ドーパントとしてこのような燐光性化合物を用いることにより、内部量子効率の高い発光有機EL素子を実現できる。
これらの燐光性化合物として具体的に好ましいのは、特に、元素の周期律表でVIII属の金属を中心金属とする錯体系化合物である。さらに好ましくは、中心金属がオスミウム、イリジウムまたは白金錯体系化合物である。最も、好ましくは、イリジウム錯体である。
これらの燐光性化合物ドーパントとしては、以下の化合物があげられる。
Figure 0004631259
Figure 0004631259
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これらの発光層は、上記化合物を、例えば真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法などの公知の薄膜化法により製膜して形成することができる。発光層としての膜厚は、特に制限はないが、通常は5nm〜5μmの範囲で選ばれる。
発光層は、これらの発光材料一種又は二種以上からなる一層構造であってもよいし、あるいは、同一組成又は異種組成の複数層からなる積層構造であってもよい。
また、これらの発光層は、特開昭57−51781号公報に記載されているように、樹脂などの結着材と共に上記発光材料を溶剤に溶かして溶液としたのち、これをスピンコート法などにより薄膜化して形成することができる。
又、例えば真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、Langmuir−Blodgett法(LB法)などの公知の薄膜化法により製膜して形成することができる。
次に正孔注入層、正孔輸送層および電子注入層、電子輸送層について説明する。
正孔注入層、正孔輸送層は、陽極より注入された正孔を発光層に伝達する機能を有し、この正孔輸送層を陽極と発光層の間に介在させることにより、より低い電界で多くの正孔が発光層に注入され、そのうえ、発光層に陰極、陰極バッファー層、電子注入層または電子輸送層より注入された電子は、発光層と正孔輸送層の界面に存在する電子の障壁により、発光層内の界面に累積され発光効率が向上するなど発光性能の優れた素子となる。この正孔輸送層の材料(以下、正孔注入材料、正孔輸送材料という)については、前記の好ましい性質を有するものであれば特に制限はなく、従来、光導伝材料において、正孔の電荷注入輸送材料として慣用されているものやEL素子の正孔輸送層に使用される公知のものの中から任意のものを選択して用いることができる。
上記正孔注入材料、正孔輸送材料は、正孔の注入もしくは輸送、電子の障壁性のいずれかを有するものであり、有機物、無機物のいずれであってもよい。この正孔輸送材料としては、例えばトリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、また、導電性高分子オリゴマー、特にチオフェンオリゴマーなどが挙げられる。正孔輸送材料としては、上記のものを使用することができるが、ポルフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物、特に芳香族第三級アミン化合物を用いることが好ましい。特に好ましくは本発明の置換アミノ基を置換基として有するアリール基を正孔輸送材料として用いることが好ましい。
上記芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物の代表例としては、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノフェニル;N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン(TPD);2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン;N,N,N′,N′−テトラ−p−トリル−4,4′−ジアミノビフェニル;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン;ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン;ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン;N,N′−ジフェニル−N,N′−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4′−ジアミノビフェニル;N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル;4,4′−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル;N,N,N−トリ(p−トリル)アミン;4−(ジ−p−トリルアミノ)−4′−〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン;4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン;3−メトキシ−4′−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン;N−フェニルカルバゾール、さらには、米国特許第5,061,569号明細書に記載されている2個の縮合芳香族環を分子内に有するもの、例えば4,4′−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(NPD)、特開平4−308688号公報に記載されているトリフェニルアミンユニットが3つスターバースト型に連結された4,4′,4″−トリス〔N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(MTDATA)などが挙げられる。
さらにこれらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。
また、p型−Si、p型−SiCなどの無機化合物も正孔注入材料、正孔輸送材料として使用することができる。この正孔注入層、正孔輸送層は、上記正孔注入材料、正孔輸送材料を、例えば真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法などの公知の方法により、薄膜化することにより形成することができる。正孔注入層、正孔輸送層の膜厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度である。この正孔注入層、正孔輸送層は、上記材料の一種又は二種以上からなる一層構造であってもよく、同一組成又は異種組成の複数層からなる積層構造であってもよい。さらに、必要に応じて用いられる電子輸送層は、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有していればよく、その材料としては従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができる。
この電子注入層、電子輸送層に用いられる材料(以下、電子注入材料、電子輸送材料という)の例としては、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、ナフタレンペリレンなどの複素環テトラカルボン酸無水物、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体などが挙げられる。さらに、上記オキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有するキノキサリン誘導体も、電子注入材料、電子輸送材料として用いることができる。
さらにこれらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。
また、8−キノリノール誘導体の金属錯体、例えばトリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq3)、トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)亜鉛(Znq)など、及びこれらの金属錯体の中心金属がIn、Mg、Cu、Ca、Sn、Ga又はPbに置き替わった金属錯体も、電子注入材料、電子輸送材料として用いることができる。その他、メタルフリー若しくはメタルフタロシアニン、又はそれらの末端がアルキル基やスルホン酸基などで置換されているものも、電子注入材料、電子輸送材料として好ましく用いることができる。また、発光層の材料として用いられるジスチリルピラジン誘導体も、電子輸送材料として用いることができるし、正孔注入層、正孔輸送層と同様に、n型−Si、n型−SiCなどの無機半導体も電子輸送材料として用いることができる。
この電子注入層、電子輸送層は、上記化合物を、例えば真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法などの公知の薄膜化法により製膜して形成することができる。電子注入層、電子輸送層としての膜厚は、特に制限はないが、通常は5nm〜5μmの範囲で選ばれる。この電子注入層、電子輸送層は、これらの電子注入材料、電子輸送材料一種又は二種以上からなる一層構造であってもよいし、あるいは、同一組成又は異種組成の複数層からなる積層構造であってもよい。
さらに、陽極と発光層または正孔注入層の間、および、陰極と発光層または電子注入層との間にはバッファー層(電極界面層)を存在させてもよい。
バッファー層とは、駆動電圧低下や発光効率向上のために電極と有機層間に設けられる層のことで、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日 エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(第123頁〜第166頁)に詳細に記載されており、陽極バッファー層と陰極バッファー層とがある。
陽極バッファー層は、特開平9−45479号、同9−260062号、同8−288069号等にもその詳細が記載されており、具体例として、銅フタロシアニンに代表されるフタロシアニンバッファー層、酸化バナジウムに代表される酸化物バッファー層、アモルファスカーボンバッファー層、ポリアニリン(エメラルディン)やポリチオフェン等の導電性高分子を用いた高分子バッファー層等が挙げられる。
陰極バッファー層は、特開平6−325871号、同9−17574号、同10−74586号等にもその詳細が記載されており、具体的にはストロンチウムやアルミニウム等に代表される金属バッファー層、フッ化リチウムに代表されるアルカリ金属化合物バッファー層、フッ化マグネシウムに代表されるアルカリ土類金属化合物バッファー層、酸化アルミニウム、酸化リチウムに代表される酸化物バッファー層等が挙げられる。
特に、本発明の有機EL素子において、陰極バッファー層が存在した場合、駆動電圧低下や発光効率向上が大きく得られた。
上記バッファー層はごく薄い膜であることが望ましく、素材にもよるが、その膜厚は0.1〜100nmの範囲が好ましい。
さらに上記基本構成層の他に必要に応じてその他の機能を有する層を積層してもよく、本発明においては、例えば特開平11−204258号、同11−204359号、および「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日 エヌ・ティー・エス社発行)」の第237頁等に記載されている正孔ブロック層を有しているのが好ましい。
正孔(ホール)ブロック層は、発光層と電子輸送層の間に、又、発光層を正孔輸送層が兼ねる場合には、正孔輸送層と電子輸送層の間に設けられ、正孔(ホール)の輸送を制御するためのものである。代表的にはバソクプロイン(BC)やフェナントロリン誘導体、トリアゾール誘導体等の化合物がもちいられているが(前記特開平8−109373号及び特開平10−233284号等)、正孔ブロック層の存在により、注入されたホールは電子輸送層に移動しにくくなるため、正孔ブロック層に充満するようになり、正孔ブロック層に充満したホールによって、発光層中に正孔が効率よく蓄積し、発光層での電子−ホールの再結合確率を向上させ、発光の高効率化を達成する。
次に有機EL素子の電極について説明する。有機EL素子の電極は、陰極と陽極からなる。
この有機EL素子における陽極としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。このような電極物質の具体例としてはAuなどの金属、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO2、ZnOなどの導電性透明材料が挙げられる。
上記陽極は、これらの電極物質を蒸着やスパッタリングなどの方法により、薄膜を形成させ、フォトリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成してもよく、あるいはパターン精度をあまり必要としない場合は(100μm以上程度)、上記電極物質の蒸着やスパッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよい。この陽極より発光を取り出す場合には、透過率を10%より大きくすることが望ましく、また、陽極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。さらに膜厚は材料にもよるが、通常10nm〜1μm、好ましくは10nm〜200nmの範囲で選ばれる。
一方、陰極としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウムーカリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al23)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属などが挙げられる。これらの中で、電子注入性及び酸化などに対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えばマグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al23)混合物、リチウム/アルミニウム混合物などが好適である。
更に本発明の有機EL素子に用いる陰極としては、アルミニウム合金が好ましく、特にアルミニウム含有量が90質量%以上100質量%未満であることが好ましく、最も好ましくは95質量%以上100質量%未満である。これにより、有機EL素子の発光寿命や、最高到達輝度を非常に向上させることができる。
上記陰極は、これらの電極物質を蒸着やスパッタリングなどの方法により、薄膜を形成させることにより、作製することができる。また、陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜1μm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。なお、発光を透過させるため、有機EL素子の陽極又は陰極のいずれか一方が、透明又は半透明であれば発光効率が向上し好都合である。
本発明の有機EL素子に好ましく用いられる基板は、ガラス、プラスチックなどの種類には特に限定はなく、また、透明のものであれば特に制限はない。本発明のエレクトロルミネッセンス素子に好ましく用いられる基板としては例えばガラス、石英、光透過性プラスチックフィルムを挙げることができる。
光透過性プラスチックフィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)等からなるフィルム等が挙げられる。
次に、該有機EL素子を作製する好適な例を説明する。例として、前記の陽極/陽極バッファー層/正孔輸送層/発光層/正孔ブロック層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極からなるEL素子の作製法について説明する。まず適当な基板上に、所望の電極物質、例えば陽極用物質からなる薄膜を、1μm以下、好ましくは10〜200nmの範囲の膜厚になるように、蒸着やスパッタリングなどの方法により形成させ、陽極を作製する。次に、この上に陽極バッファー層、正孔輸送層、発光層、正孔ブロック層、電子輸送層、陰極バッファー層の材料からなる薄膜を形成させる。
この有機薄膜層の製膜法としては、前記の如くスピンコート法、キャスト法、蒸着法などがあるが、均質な膜が得られやすく、かつピンホールが生成しにくいなどの点から、真空蒸着法またはスピンコート法が特に好ましい。さらに層ごとに異なる製膜法を適用しても良い。製膜に蒸着法を採用する場合、その蒸着条件は、使用する化合物の種類、分子堆積膜の目的とする結晶構造、会合構造などにより異なるが、一般にボート加熱温度50〜450℃、真空度10-6〜10-2Pa、蒸着速度0.01〜50nm/秒、基板温度−50〜300℃、膜厚5nm〜5μmの範囲で適宜選ぶことが望ましい。
これらの層の形成後、その上に陰極用物質からなる薄膜を、1μm以下好ましくは50〜200nmの範囲の膜厚になるように、例えば蒸着やスパッタリングなどの方法により形成させ、陰極を設けることにより、所望のEL素子が得られる。この有機EL素子の作製は、一回の真空引きで一貫して正孔注入層から陰極まで作製するのが好ましいが、途中で取り出して異なる製膜法を施してもかまわないが、その際には作業を乾燥不活性ガス雰囲気下で行う等の配慮が必要となる。
また作製順序を逆にして、陰極、陰極バッファー層、電子輸送層、正孔ブロック層、発光層、正孔輸送層、陽極バッファー層、陽極の順に作製することも可能である。このようにして得られたEL素子に、直流電圧を印加する場合には、陽極を+、陰極を−の極性として電圧5〜40V程度を印加すると、発光が観測できる。また、逆の極性で電圧を印加しても電流は流れずに発光は全く生じない。さらに、交流電圧を印加する場合には、陽極が+、陰極が−の状態になったときのみ発光する。なお、印加する交流の波形は任意でよい。
本発明の有機EL素子は、照明用や露光光源のような一種のランプとして使用しても良いし、画像を投影するタイプのプロジェクション装置や、静止画像や動画像を直接視認するタイプの表示装置(ディスプレイ)として使用しても良い。動画再生用の表示装置として使用する場合の駆動方式は単純マトリクス(パッシブマトリクス)方式でもアクティブマトリクス方式でもどちらでも良い。また、異なる発光色を有する本発明の有機EL素子を2種以上使用することにより、フルカラー表示装置を作製することが可能である。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。
実施例1
陽極としてガラス上にITOを150nm製膜した基板(NHテクノグラス社製:NA−45)にパターニングを行った後、このITO透明電極を設けた透明支持基板をi−プロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行った。この透明支持基板を、市販の真空蒸着装置の基板ホルダーに固定した。
真空槽を4×10-4Paまで減圧した後、ITO上に正孔輸送層としてα−NPDを30nmの厚さに蒸着した。さらに、CBPとIr−12の蒸着速度が100:7になるように調節し、40nmの厚さに蒸着し発光層を設けた。
次いで、BCを10nmの厚さに蒸着し正孔ブロック層を設けた。更に、Alq3を膜厚20nmの厚さに蒸着し電子輸送層を設けた。さらに、フッ化リチウムを1nm蒸着し、さらにその上に陰極としてアルミニウムを100nm積層し、比較用有機EL素子OLED1−1を作製した。
この素子からは、Ir−12からの青色の発光が得られた。
上記有機EL素子OLED1−1の発光層の化合物であるCBPを表1に記載の化合物に替えた以外は有機EL素子OLED1−1と同様にして、有機EL素子OLED1−2〜5、7、12〜14を作製した。
上記で使用した化合物の構造を以下に示す。
Figure 0004631259
(有機EL素子の評価)
以下のようにして得られた有機EL素子の評価を行った。
(1)発光効率
実施例1で作製した有機EL素子を温度23度、乾燥窒素ガス雰囲気下で2.5、10、100mA/cm2の一定電流で駆動した時の発光効率(lm/W)を測定した。各有機EL素子について、発光効率を有機EL素子OLED1−1の2.5mA/cm2の一定電流で駆動した時の発光効率を100とした時の相対値を%表示で表した。本測定は分光放射輝度計CS−1000(ミノルタ製)を用いて測定した。
結果を表1に示す。
Figure 0004631259
表1より、本発明の化合物を発光層に用いた有機EL素子は、高効率であり、しかも、高輝度側での発光効率の低下が小さい。
更に、OLED1−7、12〜14の燐光性化合物であるIr−12をIr−1に替えた以外は同様にしてOLED1−7G、12G〜14Gを、また、Ir−12をIr−9に替えた以外は同様にしてOLED7R、12R〜14Rを作製した。この有機EL素子においても上記Ir−12を使用した時と同様の効果が得られた。なお、Ir−1を用いた素子からは緑色の発光が、Ir−9を用いた素子からは赤色の発光が得られた。
実施例2
実施例1のOLED1−1で作製した有機EL素子の正孔ブロック層の材料をBCから表2に記載の化合物に変更した以外は実施例1と全く同様にして有機EL素子OLED2−1、3、8、〜10を作製した。
以下のようにして得られた有機EL素子の評価を行った。実施例2で作製した有機EL素子を温度23度、乾燥窒素ガス雰囲気下で2.5mA/cm2の電流を供給した時の発光輝度(cd/m2)を測定した。各有機EL素子について、発光輝度を有機EL素子OLED2−1を100とした時の相対値を%表示で表した。発光輝度はCS−1000(ミノルタ製)を用いて測定した。結果を表2に示す。
Figure 0004631259
Figure 0004631259
表2より、本発明の化合物を正孔ブロック層に用いた有機EL素子は、高輝度な性能を示しているのがわかる。
実施例3
実施例1で作製したそれぞれ赤色、緑色、青色発光有機EL素子を同一基板上に並置し、図1に示すアクティブマトリクス方式フルカラー表示装置を作製した。
図1には作製したフルカラー表示装置の表示部Aの模式図のみを示した。即ち同一基板上に、複数の走査線5及びデータ線6を含む配線部と、並置した複数の画素3(発光の色が赤領域の画素、緑領域の画素、青領域の画素等)とを有し、配線部の走査線5及び複数のデータ線6は、それぞれ導電材料からなり、走査線5とデータ線6を格子状に直交して、直交する位置で画素3に接続している(詳細は図示せず)。前記複数画素3は、それぞれの発光色に対応した有機EL素子、アクティブ素子であるスイッチングトランジスタと駆動トランジスタそれぞれが設けられたアクティブマトリクス方式で駆動されており、走査線5から走査信号が印加されると、データ線6から画像データ信号を受け取り、受け取った画像データに応じて発光する。この様に各赤、緑、青の画素を適宜、並置することによって、フルカラー表示が可能となる。
該フルカラー表示装置を駆動することにより、輝度の高い鮮明なフルカラー動画表示が得られた。
フルカラー表示装置の表示部の模式図である。
符号の説明
A 表示部
3 画素
5 走査線
6 データ線

Claims (7)

  1. 下記一般式(3)で表される化合物を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 0004631259
    〔式中、X12、2個以上のメチル基が置換し、ビフェニレン基の4位と4′位でイミダゾール環と連結した置換ビフェニレン基を表す。R21、R22、R23、R24、R25又はR26は、水素原子、又は置換基を表す。ただし、R21、R22、R23、R24、R25又はR26は、それぞれ互いに縮合して環を形成することはない。〕
  2. 一般式(3)において、R21、R23、R24、R26のうち少なくとも二つはアリール基であることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 請求項1又は2に記載の化合物が、発光層に使用されることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 請求項1又は2に記載の化合物が、正孔ブロック層に使用されることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. りん光性化合物を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. りん光性化合物が、オスミウム、イリジウム、または、白金錯体系化合物であることを特徴とする請求項5に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を有することを特徴とする表示装置。
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