JP2002138512A - 建設車両の運転室支持装置 - Google Patents

建設車両の運転室支持装置

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    • F16FSPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
    • F16F15/00Suppression of vibrations in systems; Means or arrangements for avoiding or reducing out-of-balance forces, e.g. due to motion
    • F16F15/02Suppression of vibrations of non-rotating, e.g. reciprocating systems; Suppression of vibrations of rotating systems by use of members not moving with the rotating systems
    • F16F15/04Suppression of vibrations of non-rotating, e.g. reciprocating systems; Suppression of vibrations of rotating systems by use of members not moving with the rotating systems using elastic means
    • F16F15/08Suppression of vibrations of non-rotating, e.g. reciprocating systems; Suppression of vibrations of rotating systems by use of members not moving with the rotating systems using elastic means with rubber springs ; with springs made of rubber and metal

Abstract

(57)【要約】 【課題】 運転室の上下揺れとピッチングを良好に制振
できる建設車両の運転室支持装置を提供する。 【解決手段】 運転室(1) の下部を構成するフロアフレ
ーム(2) に、側面視で前後位置に互いに上下に所定距離
離間して低床部(2a)及び高床部(2b)を設け、この低床部
(2a)及び高床部(2b)と車体フレーム(8) との間に防振マ
ウント装置(20)を取り付けて運転室(1) を弾性支持した
建設車両の運転室支持装置において、低床部(2a)及び高
床部(2b)の少なくともいずれか一方の防振マウント装置
(20)の支持軸線(M-M)(N-N)の上方を、前後方向で運転室
(1) の重心(G) 側へ所定角( θ) 傾斜させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブルドーザ等の建
設車両の運転室を車体フレームに支持する運転室支持装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ブルドーザ等の建設車両におい
ては、不整地での作業が主であり、走行時の車体振動が
激しいため、車体フレームと運転室の間に緩衝支持手段
を設けて、車体フレームから運転室に伝わる振動を抑
え、運転室内の居住性、及びオペレータの操縦姿勢の安
定性等が低下しないようにしている。
【0003】例えば、特許登録第2940849号公報
にはこのような建設機械のフロアフレーム支持構造が開
示されており、図19は同公報に記載されたフロアフレ
ーム支持部の側面図である。図19に示すように、運転
室41は、車両前側の低床部分及び後側の高床部分を側
面視で略S形状につないで形成したフロアフレーム42
に載置されている。フロアフレーム42の低床部分の前
部左右は、図20に示すように、フロアフレーム42に
回転自在に軸支された軸44bの外周部にゴムブッシュ
44aを有する振動緩衝手段を介してピッチング方向に
回動自在に支持する緩衝支持体44により車体フレーム
43に連結されている。また、フロアフレーム42の高
床部分の後部左右は、上下方向及び左右方向の振動を緩
衝して支持する吸振支持体45により、車体フレーム4
3から立設した左右一対のブラケット46,46に連結
されている。前記吸振支持体45は、図21に示すよう
に、ゴム等からなる円筒状の弾性体47と、非圧縮性の
減衰液48及びこの減衰液48に浸かったダンパ部材4
9からなる液体ダンパとを有する振動緩衝マウント手段
(所謂、液体封入式ゴムマウント装置)で構成されてお
り、フロアフレーム42の横揺れ及び上下揺れを制振し
ている。
【0004】また、実開平3−38282号公報に開示
された操縦台の支持構造によれば、図22に示すよう
に、走行車体51の左右に前後方向少なくとも一対の支
持台52F,52Rを取付け、この各支持台52F,5
2R上にはそれぞれ、図23に示すゴム又は合成樹脂製
の緩衝体55を有する緩衝具53F、及び図24に示す
山形状の緩衝体56を有する緩衝具53Rを介して操縦
台54を搭載している。また、前記全支持台52F,5
2Rの緩衝具支持面Sは、その垂線Tが左右方向及び前
後方向の中央側上方を指向すべく、傾斜させている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来技術には以下のような問題がある。特許登録第29
40849号公報に開示された技術においては、運転室
41の低床部分の上下方向の振動を緩衝支持体44のゴ
ムブッシュ44aで緩衝支持しているが、このゴムブッ
シュ44aは剛性をある程度大きくする必要があるた
め、通常最も大きな上下方向の振動に対しては大きな減
衰効果はない。このため、運転室41の上下方向の振動
は緩衝支持体44を中心にしたピッチングに変換され、
このピッチングが高床部分に設けた吸振支持体45によ
り制振される。ところが、低床部の緩衝支持体44を中
心にして高床部がピッチングするので、吸振支持体45
(液体封入式ゴムマウント装置)は上下方向と共に前後
方向の振動も受けることになる。通常、運転室41の横
揺れを抑えるために、これらのマウント装置の横剛性即
ち吸振支持体45の弾性体47の軸芯に直交する方向の
剛性は大きく設定されており、従って前後方向の剛性も
上下方向に比して剛性が非常に大きい(つまり弾性体4
7の変位が拘束される)。このため、ピッチング時の上
下方向の振動も液体ダンパにより充分に緩衝することは
困難である。従って、運転室41のピッチングの制振効
果が十分に得られないという問題がある。
【0006】また、実開平3−38282号公報に開示
された技術は、前後の緩衝具53F,53Rを互いに略
同一高さに配置し、かつその取付軸(垂線T)を左右方
向及び前後方向の中央側上方に指向させて横揺れを制振
するものであるが、緩衝具53Rから遠く離れているオ
ペレータ席では前後、左右等の揺れ振動時には振動変位
がより大きくなるとの不都合がある。
【0007】本発明は上記従来の問題点に着目し、運転
室の上下揺れとピッチングを良好に制振できる建設車両
の運転室支持装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】上記目的
を達成するために、本発明に係る建設車両の運転室支持
装置の第1発明は、運転室の下部を構成するフロアフレ
ームに、側面視で前後位置に互いに上下に所定距離離間
して低床部及び高床部を設け、この低床部及び高床部と
車体フレームとの間に防振マウント装置を取り付けて運
転室を弾性支持した建設車両の運転室支持装置におい
て、低床部及び高床部の少なくともいずれか一方の防振
マウント装置の支持軸線 の上方を、前後方向で運転室
の重心側へ所定角傾斜させた構成としている。
【0009】第1発明によれば、防振マウント装置の傾
斜支持により支持部の上下方向及び前後方向の剛性を変
化させることができるので、支持傾斜角を適切に設定す
ることにより、運転室の上下揺れとピッチングに対する
応答性(つまり制振特性)を最適に調整することができ
る。フロアフレームの前後に低床部及び高床部を設けた
運転室を備えた車両においては、前後のいずれか一方の
防振マウント装置の支持部近傍を中心に運転室がピッチ
ングすることが多い。このとき、前後の少なくともいず
れか一方の防振マウント装置を傾斜支持することによ
り、この傾斜支持した支持部の通常剛性を小さく(つま
りばね定数を小さく)設定してある支持軸方向が他方の
防振マウント装置の支持部近傍を中心としたピッチング
時の振動方向(衝撃力の入力方向)と略一致する。従っ
て、ピッチング時に支持点の変位の拘束が小さくなり、
傾斜支持した防振マウント装置のピッチング剛性を鉛直
支持した場合に比して小さくできる。これにより、傾斜
支持した防振マウント装置はピッチングを効果的に制振
するので、運転室の居住性(乗り心地)及びオペレータ
の操縦姿勢の安定性を向上することができる。尚、この
防振マウント装置は支持軸方向の剛性が小さく、かつ支
持軸に直交する方向の剛性はこれよりもある程度大きい
(例えば10倍以上)ものが好適である。
【0010】第2発明は、第1発明の構成において、防
振マウント装置の高床部での支持点を上下方向位置でオ
ペレータのSRP又は運転室重心位置の近傍に設けた構
成としている。
【0011】第2発明によれば、上下方向位置において
ローリング時の回転軸芯となるオペレータのSRP又は
運転室重心位置の近傍に防振マウント装置の高床部での
支持点を設定したので、オペレータのSRP又は運転室
重心位置を中心にローリングをしている時の揺れ量が最
小になり、従って防振マウント装置で効率的に制振する
ことができ、オペレータには疲労が少なく好都合であ
る。
【0012】第3発明は、第1又は第2発明の構成にお
いて、傾斜角θは10°〜20°としている。第3発明
によれば、殆どの機種で走行時の最大衝撃力を効果的に
緩衝することが可能となる。一般的にブルドーザにおい
ては、走行時に運転室に発生する最大衝撃力は、後進時
の障害物乗り越え落下時に地面から受けるものであり、
その作用線は車体の上下方向の線に対して車体前側に概
ね10°〜20°傾斜している。従って、この衝撃力の
作用する方向と防振マウント装置の支持軸方向とを略一
致させることにより、衝撃力を最も効果的に緩衝でき
る。
【0013】第4発明は、第1発明の構成において、傾
斜角θを所定角度範囲内で調整可能とした構成としてい
る。第4発明によれば、傾斜角θを調整可能としたの
で、同一構成の防振マウント装置を用いて種々の機種や
作業条件等に対して容易に適応でき、汎用性を高めるこ
とができる。
【0014】第5発明は、運転室の下部を構成するフロ
アフレームに、側面視で前後位置に互いに上下に所定距
離離間して低床部及び高床部を設け、この低床部及び高
床部と車体フレームとの間に防振マウント装置を取り付
けて運転室を弾性支持した建設車両の運転室支持装置に
おいて、低床部及び高床部のいずれか一方の防振マウン
ト装置の支持軸線の方向を鉛直にし、他方の支持軸線の
上方を前後、左右の両方向に運転室の重心側へそれぞれ
所定角θ1,θ2傾斜させた構成としている。
【0015】第5発明によれば、防振マウント装置の傾
斜支持により支持部の上下方向、前後方向及び左右方向
の剛性を変化させることができるので、支持傾斜角を適
切に調整することにより、運転室の上下揺れ、ピッチン
グ、横揺れ及びローリング等に対する応答性(つまり制
振特性)を最適に調整することができる。フロアフレー
ムの前後に低床部及び高床部を設けた運転室を備えた車
両においては、前後のいずれか一方の防振マウント装置
の支持部近傍を中心に運転室がピッチングすることが多
い。このとき、ピッチング中心に近い方の防振マウント
装置を鉛直支持し、他方を前後方向で重心位置側に傾斜
支持することにより、傾斜支持した防振マウント装置に
おいては、通常剛性を小さく(つまりばね定数を小さ
く)設定してある支持軸方向がピッチング時の支持点の
振動方向(衝撃力の入力方向)と略一致する。従って、
ピッチング時に支持点の変位の拘束が小さくなり、傾斜
支持した防振マウント装置のピッチング剛性を鉛直支持
した場合に比して小さくできる。これにより、傾斜支持
した防振マウント装置はピッチングを効果的に制振す
る。さらに、この傾斜支持した防振マウント装置を左右
方向で重心位置側に(内側に)傾斜支持することによ
り、支持軸方向の剛性が横揺れ及びローリングに対する
剛性にも寄与して横揺れ及びローリングの剛性を小さく
するので、横揺れ及びローリングに対しても制振効果が
大きくなる。これらの結果、運転室の居住性(乗り心
地)及びオペレータの操縦姿勢の安定性を向上すること
ができる。
【0016】第6発明は、第1、第2又は第5発明の構
成において、防振マウント装置は全て同一のものとして
いる。第6発明によれば、防振マウント装置は全て同一
のものを使用するため、製作コストを安価にでき、部品
点数の低減により部品管理が容易となって生産性がよ
く、またメンテナンス性も向上できる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る建設車両の
運転室支持装置の実施形態を図1〜図18により説明す
る。
【0018】先ず、第1実施形態について、図1〜図1
2により説明する。図1は本実施形態の概要を示す図で
ある。図2はフロアフレームの斜視図である。図1,2
により、本実施形態の概要を説明する。運転室1の底部
を構成するフロアフレーム2は側面視で略S字形状に形
成され、前部の低床部2aと後部の高床部2bと、これ
らの両部2a,2bをつなぐ部分から構成されている。
そして、フロアフレーム2と車体フレーム8との間に取
り付ける防振マウント装置20を低床部2aでは上下方
向に、高床部2bでは運転室重心G側に傾斜させて設置
し、運転室1を車体フレーム8に対して弾性支持してい
る。
【0019】以下、詳細について説明する。図3はフロ
アフレーム支持部の側面図である。図4は図3のZ視図
で正面図であり、図5は図3のY視図、また図6は図3
のA−A断面図であり、防振マウント装置を示す図であ
る。図3,4,6に示すように、フロアフレーム2の低
床部2aの下面には車両左右方向に延びるサポート3が
ボルト4により固定されていて、サポート3の下面の左
右2箇所には防振マウント装置20,20のシャフト2
1がそれぞれボルト6,7により固定されている。一
方、車体フレーム8には各防振マウント装置20,20
の位置に対応して左右2箇所にブラケット9,9がボル
ト10によりそれぞれ固定されていて、ブラケット9,
9の上面に左右1対の防振マウント装置20,20がボ
ルト11により締着されている。これにより、フロアフ
レーム2の前部は支持軸線M−Mを上下方向にして車体
フレーム8に弾性支持されている。
【0020】図3,5,6に示すように、高床部2bの
下面の左右2箇所には、水平面に対してθだけ前方に向
けて傾斜した下面を有するブラケット12,13がボル
ト15により固定されていて、このブラケット12,1
3の前記傾斜面に防振マウント装置20のシャフト21
がボルト6により固定されている。一方、車体フレーム
8にはブラケット12,13の位置に対応して左右2箇
所に水平面に対してθだけ前方に向けて傾斜した上面を
有するブラケット16,16がボルト17により締着さ
れていて、ブラケット16,16の上面にそれぞれ防振
マウント装置20,20のケース22がボルト11によ
り締着されている。これにより、フロアフレーム2の後
部は、支持軸線N−Nが鉛直線に対して運転室1の重心
G側(前方)へθだけ傾斜して、車体フレーム8に弾性
支持されている。ここで、θは、実機テストに基づいて
10°〜20°に設定してあり、また防振マウント装置
20のシャフト21とフロアフレーム2との接続点であ
る後方支持点P2 の高さ位置は運転室重心Gの高さと略
同一に設定してある。
【0021】図6に示すように、防振マウント装置20
は液体封入式ゴムマウント装置で構成され、中央部に設
けたシャフト21と外側のケース22とは、スリーブ2
3と筒状部材24とを挟着して加硫接着した筒状積層ゴ
ム25により結合されている。ケース22と積層ゴム2
5とシャフト21とによりケース22の内側に液体封入
室26が形成され、液体封入室26内には減衰液とシャ
フト21の下部に設けた減衰板27とが封入されてい
る。従って、防振マウント装置20のシャフト21の軸
芯方向のばね定数Kv は小さく、かつ衝撃や大きな振動
に対しては良好な減衰効果を有する。またシャフト21
に直交する方向のばね定数Kh は大きく、Kh >Kv と
なっている。
【0022】次に、第1実施形態の作用、効果につい
て、図7〜図12により説明する。一般に、運転室が前
方支持点P1 及び後方支持点P2 にて支持されている場
合、前方支持点P1 を中心にピッチング運動する時のエ
ネルギーの吸収性が振動減衰性(言い換えると、運転室
の居住性及び操作安定性等)に大きく影響するので、こ
のようなピッチング運動に対するピッチング剛性を中心
にして、従来技術と比較して説明する。
【0023】図7は本実施形態の運転室支持装置の模式
側面図であり、図8は前方支持点P1 及び後方支持点P
2 の防振マウント装置を上下方向に取り付けたタイプの
運転室支持装置の模式側面図である。また、図9はピッ
チング時の後方支持点P2 の挙動を示す図であり、図1
0は図9のQ部拡大図である。図11は、後進で障害物
を乗り越え落下した時の後方支持点P2 の変位量の実測
波形を示す図である。また図12は、平坦地走行時のフ
ロアフレーム2上の加速度実測波形を示す。図9におい
て、後方支持点P2 が前方支持点P1 を中心にL0 の半
径で動くとする。高さを距離L3 だけ変化させると、後
方支持点P2 は点P2'に達し、水平方向に距離L4 だけ
変化する。ここで、L0 ,L1 ,L2 は前方支持点P1
と後方支持点P2 との間の直線距離、水平距離、垂直距
離をそれぞれ表す。仮に、L1 =1100,L2 =65
0,L3 =10とすれば、L4 =6.5(単位はそれぞ
れmm)となる。
【0024】図10で、後方支持点P2 での防振マウン
ト装置の取付け傾斜角をθとすると、後方支持点P2 は
シャフト21の軸芯方向変位(以後、縦変位と言う)L
5 とシャフト21に直交する方向の変位(以後、横変位
と言う)L6 とを同時に実現しなければならない。ここ
で、θ=15°とすれば、L3 =10、L4 =6.5の
移動を実現するためには、L5 =11.3,L6 =3.
7の縦変位L5 及び横変位L6 が必要となる。仮に、防
振マウント装置の縦剛性Kv =100,横剛性Kh =1
000とすると、点P2 から点P2'への変位に伴い弾性
体を変形させるのに必要なエネルギーE1 は、式E1 =
(Kv ×L5 +Kh ×L6 )/2により求めら
れ、E1=1.32×10 となる。
【0025】一方、図8に示す従来タイプのものにおい
ては、後方支持点P2 は防振マウント装置の縦変位L3
と横変位L4 を同時に実現しなければならないので、点
P2から点P2'への変位に伴い弾性体を変形させるのに
必要なエネルギーE2 は、式E2 =(Kv ×L3
Kh ×L4 )/2により求められ、E2 =2.61
×10 となる。従って、本実施形態によると、従来
タイプのものに比べてピッチング剛性が約50%に低下
し、衝撃力を大幅に緩和することができる。
【0026】図11において、本実施形態の場合は、従
来タイプの場合に比べて落下時の後方支持点P2 の変位
量が図示のp部に示すように大であり、剛性が柔らかく
なっていることが解る。また、減衰のしかたも非常に緩
やかであり、尖った衝撃を和らげていることがわかる。
【0027】同様に、上下揺れについてエネルギーを算
出すると、E1 =0.67×10,E2 =0.50×
10 となり、本実施形態では従来タイプのものに比
べてバウンシング(上下振動)剛性が約25%上がり、
上下揺れを抑制している。
【0028】図12において、本実施形態の場合は、従
来タイプの場合に比べて図中q部に示すように比較的低
い周波数帯での強度(加速度)が若干大きくなっている
が、全体的にはほぼ同様の強度分布を示しており、平坦
走行時に上下揺れを抑制する効果は従来と変わらずに得
られることが解る。
【0029】更に、本実施形態では、後方支持点P2 を
上下方向位置でオペレータSRP近傍に、又は運転室1
の重心位置G近傍に設置したため、オペレータ又は運転
室の重心位置G近傍での揺れ量を効率的に低減すること
ができるので、オペレータには疲労が少なく好都合であ
る。尚、SRPは「Seat Reference Point」のことで、
オペレータがシートに着座した時のシートの基準点(I
SO3462及びSAE J899に準ずる)を示す。
また、同一の防振マウント装置20を全ての支持点に用
いており、装着部位に応じて取付角度を設定するだけで
優れた防振効果が得られるため、運転室支持装置の共通
化を図って生産コストを低減でき、メンテナンス性も良
い。また、傾斜支持の傾斜角θを10°〜20°に設定
したので、後進走行時の障害物乗り越え落下時の運転室
1の重心に対する着地点からの衝撃入力の方向と傾斜支
持の傾斜角θとが略一致し、発生する衝撃力を効果的に
和らげることができる。
【0030】次に、第2実施形態について図13により
説明する。図13は本実施形態の運転室支持装置の模式
側面図である。本実施形態は、第1実施形態における後
方支持点P2 の重心G側への傾斜と共に、さらに前部支
持部P1 を前後方向で重心G側へθ3 だけ傾斜支持した
ものである。本実施形態によれば、後方支持部P2 に加
えて前部支持部P1 も傾斜支持しているので、運転室1
の上下揺れとピッチングに対する減衰特性を微妙にバラ
ンス良く調整することができ、更に居住性及び操作安定
性を向上できる。
【0031】また、図14の第3実施形態の模式側面図
に示すように、運転室1aの前部を高床側にし、後部を
低床側に構成した場合において、前部支持部P1 を前後
方向で重心G側へθ4だけ傾斜支持してもよい。本実施
形態によれば、運転室1aが車両の前端部にある場合に
好適であり、第1実施形態と同様な効果を奏する。
【0032】次に、第4実施形態について図15,16
により説明する。図15は第4実施形態の運転室支持装
置の模式側面図である。図16は図15のX視図であ
る。第4実施形態は、図15,16に示すように、前記
第1実施形態において、後方支持部を前後方向で重心G
側へθ1 、左右方向で重心G側へθ2 だけ傾斜支持した
ものである。第4実施形態によれば、後部支持部が前後
方向に加えて左右方向にも傾斜支持しているので、上下
揺れとピッチングに対する応答性に加え、さらに横揺れ
とローリングに対する応答性を最適に調整することがで
き、更に居住性及び操作安定性を向上できる。
【0033】次に、第5実施形態について図17,18
により説明する。本実施形態は傾斜角調整機能付きの運
転室支持装置を示しており、図17は傾斜角調整機能付
き支持装置の斜視図で、図18は図17のW視図であ
る。図17,18に示すように、傾斜角調整機能付き支
持装置30は、下部ブラケット31と、ケース32と、
プレート33と、上部ブラケット34とから構成されて
おり、下部ブラケット31は車体フレーム8に、上部ブ
ラケット34はフロアフレーム2にそれぞれボルト35
により固定されている。下部ブラケット31の上部には
点Fを中心として半径Rの内曲面31aが形成されてお
り、この内曲面31aに沿って2本のキー溝31bが設
けられている。またケース32の下面には点Fを中心と
して半径Rの外曲面32aが形成されており、この外曲
面32aに沿って2本のキー32bが設けられている。
下部ブラケット31のキー溝31bにケース32のキー
32bを嵌合させてあり、これによりケース32は下部
ブラケット31に対して内外曲面31a,32aに沿っ
てで傾動自在となっている。
【0034】下部ブラケット31には、ケース32の傾
動角を調整するための調整具36が設けられている。こ
の調整具36は、例えばキー32bの外周面に設けたラ
ック(図示せず)と、キー溝31bの底部に回転自在に
設けたピニオン(図示せず)とを噛み合わせ、このピニ
オンを調整ねじ36aで回転してラックを介してキー3
2bを動かすことにより、ケース32の傾動角を任意に
設定できるようになっている。尚、傾動角を設定した後
に、図示しない固定手段によりケース32を下部ブラケ
ット31に固定する。
【0035】同様に、上部ブラケット34及びプレート
33には、それぞれ内曲面34aとキー溝34b及び外
曲面33aとキー33bが形成され、プレート33は上
部ブラケット34に対して内外曲面34a,33aに沿
って傾動自在となっている。ケース32には防振マウン
ト装置20が収納され、その上面には防振マウント装置
20のケース22がボルト11により固定されている。
また、プレート33の下部には防振マウント装置20の
シャフト22がボルト16により取り付けられている。
【0036】傾斜角調整機能付き支持装置30の作用、
効果について、図17,18により説明する。図17,
18に示すように、調整具36を回動操作することによ
り、防振マウント装置20を下部ブラケット31及び上
部ブラケット34に対して任意の傾斜角でセットするこ
とができ、よってフロアフレーム2を車体フレーム8に
対して防振マウント装置20の任意の支持傾斜角で弾性
支持することができる。従って、傾斜角調整機能付き支
持装置30を前記第1〜第4実施形態の支持装置に適用
することにより、同一構成の防振マウント装置20を用
いて種々の機種、作業条件に対して適応することが可能
である。
【0037】以上説明したように、本発明による運転室
の支持装置によれば、少なくとも前後いずれか一方の支
持部の支持軸線の方向を鉛直にし、他方の支持部の支持
軸線の上方を前後方向で運転室の重心側へ所定角θ傾斜
させて支持することにより、運転室の上下方向及び前後
方向の剛性を変化させることができるので、傾斜角θを
適切に調整することにより、運転室の上下揺れとピッチ
ングに対する応答性を最適に調整でき、居住性及び操縦
安定性を向上できる。また、高床部支持点を上下方向位
置でローリング時の回転軸芯となるオペレータのSRP
又は運転室重心位置の近傍に設置したため、オペレータ
のSRP又は運転室重心位置を中心としたローリング時
の揺れ量が最小になり、防振マウント装置により効率的
に制振でき、オペレータには疲労が少なく好都合であ
る。
【0038】さらに、傾斜支持の傾斜角θを10°〜2
0°に設定したので、殆どの機種で走行時の最大衝撃力
を効果的に緩衝することが可能である。また、防振マウ
ント装置として全て同一のものを使用できるため、運転
室支持装置の製作コストを低減でき、部品点数の減少に
よる部品管理が容易となり、またメンテナンス性も向上
できる。
【0039】さらにまた、防振マウント装置の支持傾斜
角θを任意に設定することにより、同一構成の防振マウ
ント装置を用いて種々の機種、作業条件に対して容易に
適応することが可能であり、汎用性を高められる。ま
た、少なくとも前後いずれか一方の支持部の支持軸線の
方向が鉛直で、他方の支持部の支持軸線の上方が前後、
左右の両方向共に運転室の重心G側へそれぞれ所定角θ
1 ,θ2 傾斜させて支持することにより、運転室の上
下、前後及び左右の各方向の剛性を変化させることがで
きるので、傾斜角を適切に調整することにより、運転室
の上下揺れとピッチング、及び横揺れとローリングにそ
れぞれ対する応答性を最適に調整でき、居住性及び操縦
安定性をより向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の建設車両の運転室支持装置の概
要説明図である。
【図2】フロアフレームの斜視図である。
【図3】フロアフレーム支持部の側面図である。
【図4】図3のZ視図である。
【図5】図3のY視図である。
【図6】図3のA−A断面図である。
【図7】第1実施形態の運転室支持装置の模式側面図で
ある。
【図8】前後の防振マウント装置を上下方向に取付けた
例の模式側面図である。
【図9】第1実施形態の後方支持点の挙動説明図であ
る。
【図10】図9のQ部拡大図である。
【図11】後進乗り越え落下時の後方支持点の変位量の
実測波形である。
【図12】平坦走行時のフロアフレーム上の加速度の実
測波形である。
【図13】第2実施形態の運転室支持装置の模式側面図
である。
【図14】第3実施形態の運転室支持装置の模式側面図
である。
【図15】第4実施形態の運転室支持装置の模式側面図
である。
【図16】図15のX視図である。
【図17】第5実施形態の傾斜角調整機能付き支持装置
の斜視図である。
【図18】図17のW視図である。
【図19】第1の従来技術の運転室支持装置を示す図で
ある。
【図20】図19のB−B断面図である。
【図21】吸振支持体の側面断面図である。
【図22】第2の従来技術の運転室支持装置の説明図で
ある。
【図23】前方緩衝具を示す図である。
【図24】後方緩衝具を示す図である。
【符号の説明】
1…運転室、2…フロアフレーム、2a…低床部、2b
…高床部、3…サポート、8…車体フレーム、9…ブラ
ケット、12,13…ブラケット、16…ブラケット、
20…防振マウント装置、21…シャフト、22…ケー
ス、23…スリーブ、24…筒状ケース、25…筒状積
層ゴム、26…液体封入室、27…減衰板、30…傾斜
角調整機能付き支持装置、31…ブラケット、32…ケ
ース、33…プレート、34…ブラケット、36…調整
具。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年12月15日(2000.12.
15)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 建設車両の運転室支持装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブルドーザ等の建
設車両の運転室を車体フレームに支持する運転室支持装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ブルドーザ等の建設車両におい
ては、不整地での作業が主であり、走行時の車体振動が
激しいため、車体フレームと運転室の間に緩衝支持手段
を設けて、車体フレームから運転室に伝わる振動を抑
え、運転室内の居住性、及びオペレータの操縦姿勢の安
定性等が低下しないようにしている。
【0003】例えば、特許登録第2940849号公報
にはこのような建設機械のフロアフレーム支持構造が開
示されており、図19は同公報に記載されたフロアフレ
ーム支持部の側面図である。図19に示すように、運転
室41は、車両前側の低床部分及び後側の高床部分を側
面視で略S形状につないで形成したフロアフレーム42
に載置されている。フロアフレーム42の低床部分の前
部左右は、図20に示すように、フロアフレーム42に
回転自在に軸支された軸44bの外周部にゴムブッシュ
44aを有する振動緩衝手段を介してピッチング方向に
回動自在に支持する緩衝支持体44により車体フレーム
43に連結されている。また、フロアフレーム42の高
床部分の後部左右は、上下方向及び左右方向の振動を緩
衝して支持する吸振支持体45により、車体フレーム4
3から立設した左右一対のブラケット46,46に連結
されている。前記吸振支持体45は、図21に示すよう
に、ゴム等からなる円筒状の弾性体47と、非圧縮性の
減衰液48及びこの減衰液48に浸かったダンパ部材4
9からなる液体ダンパとを有する振動緩衝マウント手段
(所謂、液体封入式ゴムマウント装置)で構成されてお
り、フロアフレーム42の横揺れ及び上下揺れを制振し
ている。
【0004】また、実開平3−38282号公報に開示
された操縦台の支持構造によれば、図22に示すよう
に、走行車体51の左右に前後方向少なくとも一対の支
持台52F,52Rを取付け、この各支持台52F,5
2R上にはそれぞれ、図23に示すゴム又は合成樹脂製
の緩衝体55を有する緩衝具53F、及び図24に示す
山形状の緩衝体56を有する緩衝具53Rを介して操縦
台54を搭載している。また、前記全支持台52F,5
2Rの緩衝具支持面Sは、その垂線Tが左右方向及び前
後方向の中央側上方を指向すべく、傾斜させている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来技術には以下のような問題がある。特許登録第29
40849号公報に開示された技術においては、運転室
41の低床部分の上下方向の振動を緩衝支持体44のゴ
ムブッシュ44aで緩衝支持しているが、このゴムブッ
シュ44aは剛性をある程度大きくする必要があるた
め、通常最も大きな上下方向の振動に対しては大きな減
衰効果はない。このため、運転室41の上下方向の振動
は緩衝支持体44を中心にしたピッチングに変換され、
このピッチングが高床部分に設けた吸振支持体45によ
り制振される。ところが、低床部の緩衝支持体44を中
心にして高床部がピッチングするので、吸振支持体45
(液体封入式ゴムマウント装置)は上下方向と共に前後
方向の振動も受けることになる。通常、運転室41の横
揺れを抑えるために、これらのマウント装置の横剛性即
ち吸振支持体45の弾性体47の軸芯に直交する方向の
剛性は大きく設定されており、従って前後方向の剛性も
上下方向に比して剛性が非常に大きい(つまり弾性体4
7の変位が拘束される)。このため、ピッチング時の上
下方向の振動も液体ダンパにより充分に緩衝することは
困難である。従って、運転室41のピッチングの制振効
果が十分に得られないという問題がある。
【0006】また、実開平3−38282号公報に開示
された技術は、前後の緩衝具53F,53Rを互いに略
同一高さに配置し、かつその取付軸(垂線T)を左右方
向及び前後方向の中央側上方に指向させて横揺れを制振
するものであるが、緩衝具53Rから遠く離れているオ
ペレータ席では前後、左右等の揺れ振動時には振動変位
がより大きくなるとの不都合がある。
【0007】本発明は上記従来の問題点に着目し、運転
室の上下揺れとピッチングを良好に制振できる建設車両
の運転室支持装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】上記目的
を達成するために、本発明に係る建設車両の運転室支持
装置の第1発明は、運転室の下部を構成するフロアフレ
ームに、側面視で前後位置に互いに上下に所定距離離間
して低床部及び高床部を設け、この低床部及び高床部と
車体フレームとの間に防振マウント装置を取り付けて運
転室を弾性支持した建設車両の運転室支持装置におい
て、低床部及び高床部の少なくともいずれか一方の防振
マウント装置の支持軸線 の上方を、前後方向で運転室
の重心側へ所定角傾斜させた構成としている。
【0009】第1発明によれば、防振マウント装置の傾
斜支持により支持部の上下方向及び前後方向の剛性を変
化させることができるので、支持傾斜角を適切に設定す
ることにより、運転室の上下揺れとピッチングに対する
応答性(つまり制振特性)を最適に調整することができ
る。フロアフレームの前後に低床部及び高床部を設けた
運転室を備えた車両においては、前後のいずれか一方の
防振マウント装置の支持部近傍を中心に運転室がピッチ
ングする振動モードの影響が大きい。このような振動モ
ードでは、前後の少なくともいずれか一方の防振マウン
ト装置を傾斜支持することにより、この傾斜支持した支
持部の通常剛性を小さく(つまりばね定数を小さく)設
定してある支持軸方向が他方の防振マウント装置の支持
部近傍を中心としたピッチング時の振動方向(衝撃力の
入力方向)と略一致する。従って、ピッチング時に支持
点の変位の拘束が小さくなり、傾斜支持した防振マウン
ト装置のピッチング剛性を鉛直支持した場合に比して小
さくできる。これにより、傾斜支持した防振マウント装
置はピッチングを効果的に制振するので、運転室の居住
性(乗り心地)及びオペレータの操縦姿勢の安定性を向
上することができる。尚、この防振マウント装置は支持
軸方向の剛性が小さく、かつ支持軸に直交する方向の剛
性はこれよりもある程度大きい(例えば10倍以上)も
のが好適である。
【0010】第2発明は、第1発明の構成において、防
振マウント装置の高床部での支持点を上下方向位置でオ
ペレータのSRP又は運転室重心位置の近傍に設けた構
成としている。
【0011】第2発明によれば、上下方向位置において
ローリング時の回転軸芯となるオペレータのSRP又は
運転室重心位置の近傍に防振マウント装置の高床部での
支持点を設定したので、オペレータのSRP又は運転室
重心位置を中心にローリングをしている時の揺れ量が最
小になり、従って防振マウント装置で効率的に制振する
ことができ、オペレータには疲労が少なく好都合であ
る。
【0012】第3発明は、第1又は第2発明の構成にお
いて、傾斜角θは10°〜20°としている。第3発明
によれば、殆どの機種で走行時の最大衝撃力を効果的に
緩衝することが可能となる。一般的にブルドーザにおい
ては、走行時に運転室に発生する最大衝撃力は、後進時
の障害物乗り越え落下時に地面から受けるものであり、
その作用線は車体の上下方向の線に対して車体前側に概
ね10°〜20°傾斜している。従って、この衝撃力の
作用する方向と防振マウント装置の支持軸方向とを略一
致させることにより、衝撃力を最も効果的に緩衝でき
る。
【0013】第4発明は、第1発明の構成において、傾
斜角θを所定角度範囲内で調整可能とした構成としてい
る。第4発明によれば、傾斜角θを調整可能としたの
で、同一構成の防振マウント装置を用いて種々の機種や
作業条件等に対して容易に適応でき、汎用性を高めるこ
とができる。
【0014】第5発明は、運転室の下部を構成するフロ
アフレームに、側面視で前後位置に互いに上下に所定距
離離間して低床部及び高床部を設け、この低床部及び高
床部と車体フレームとの間に防振マウント装置を取り付
けて運転室を弾性支持した建設車両の運転室支持装置に
おいて、低床部及び高床部のいずれか一方の防振マウン
ト装置の支持軸線の方向を鉛直にし、他方の支持軸線の
上方を前後、左右の両方向に運転室の重心側へそれぞれ
所定角θ1,θ2傾斜させた構成としている。
【0015】第5発明によれば、防振マウント装置の傾
斜支持により支持部の上下方向、前後方向及び左右方向
の剛性を変化させることができるので、支持傾斜角を適
切に調整することにより、運転室の上下揺れ、ピッチン
グ、横揺れ及びローリング等に対する応答性(つまり制
振特性)を最適に調整することができる。フロアフレー
ムの前後に低床部及び高床部を設けた運転室を備えた車
両においては、前後のいずれか一方の防振マウント装置
の支持部近傍を中心に運転室がピッチングする振動モー
ドの影響が大きい。このような振動モードでは、ピッチ
ング中心に近い方の防振マウント装置を鉛直支持し、他
方を前後方向で重心位置側に傾斜支持することにより、
傾斜支持した防振マウント装置においては、通常剛性を
小さく(つまりばね定数を小さく)設定してある支持軸
方向がピッチング時の支持点の振動方向(衝撃力の入力
方向)と略一致する。従って、ピッチング時に支持点の
変位の拘束が小さくなり、傾斜支持した防振マウント装
置のピッチング剛性を鉛直支持した場合に比して小さく
できる。これにより、傾斜支持した防振マウント装置は
ピッチングを効果的に制振する。さらに、この傾斜支持
した防振マウント装置を左右方向で重心位置側に(内側
に)傾斜支持することにより、支持軸方向の剛性が横揺
れ及びローリングに対する剛性にも寄与して横揺れ及び
ローリングの剛性を小さくするので、横揺れ及びローリ
ングに対しても制振効果が大きくなる。これらの結果、
運転室の居住性(乗り心地)及びオペレータの操縦姿勢
の安定性を向上することができる。
【0016】第6発明は、第1、第2又は第5発明の構
成において、防振マウント装置は全て同一のものとして
いる。第6発明によれば、防振マウント装置は全て同一
のものを使用するため、製作コストを安価にでき、部品
点数の低減により部品管理が容易となって生産性がよ
く、またメンテナンス性も向上できる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る建設車両の
運転室支持装置の実施形態を図1〜図18により説明す
る。
【0018】先ず、第1実施形態について、図1〜図1
2により説明する。図1は本実施形態の概要を示す図で
ある。図2はフロアフレームの斜視図である。図1,2
により、本実施形態の概要を説明する。運転室1の底部
を構成するフロアフレーム2は側面視で略S字形状に形
成され、前部の低床部2aと後部の高床部2bと、これ
らの両部2a,2bをつなぐ部分から構成されている。
そして、フロアフレーム2と車体フレーム8との間に取
り付ける防振マウント装置20を低床部2aでは上下方
向に、高床部2bでは運転室重心G側に傾斜させて設置
し、運転室1を車体フレーム8に対して弾性支持してい
る。
【0019】以下、詳細について説明する。図3はフロ
アフレーム支持部の側面図である。図4は図3のZ視図
で正面図であり、図5は図3のY視図、また図6は図3
のA−A断面図であり、防振マウント装置を示す図であ
る。図3,4,6に示すように、フロアフレーム2の低
床部2aの下面には車両左右方向に延びるサポート3が
ボルト4により固定されていて、サポート3の下面の左
右2箇所には防振マウント装置20,20のシャフト2
1がそれぞれボルト6,7により固定されている。一
方、車体フレーム8には各防振マウント装置20,20
の位置に対応して左右2箇所にブラケット9,9がボル
ト10によりそれぞれ固定されていて、ブラケット9,
9の上面に左右1対の防振マウント装置20,20がボ
ルト11により締着されている。これにより、フロアフ
レーム2の前部は支持軸線M−Mを上下方向にして車体
フレーム8に弾性支持されている。
【0020】図3,5,6に示すように、高床部2bの
下面の左右2箇所には、水平面に対してθだけ前方に向
けて傾斜した下面を有するブラケット12,13がボル
ト15により固定されていて、このブラケット12,1
3の前記傾斜面に防振マウント装置20のシャフト21
がボルト6により固定されている。一方、車体フレーム
8にはブラケット12,13の位置に対応して左右2箇
所に水平面に対してθだけ前方に向けて傾斜した上面を
有するブラケット16,16がボルト17により締着さ
れていて、ブラケット16,16の上面にそれぞれ防振
マウント装置20,20のケース22がボルト11によ
り締着されている。これにより、フロアフレーム2の後
部は、支持軸線N−Nが鉛直線に対して運転室1の重心
G側(前方)へθだけ傾斜して、車体フレーム8に弾性
支持されている。ここで、θは、実機テストに基づいて
10°〜20°に設定してあり、また防振マウント装置
20のシャフト21とフロアフレーム2との接続点であ
る後方支持点P2 の高さ位置は運転室重心Gの高さと略
同一に設定してある。
【0021】防振マウント装置20は例えば図6に示す
液体封入式ゴムマウント装置で構成され、中央部に設け
たシャフト21と外側のケース22とは、スリーブ23
と筒状部材24とを挟着して加硫接着した筒状積層ゴム
25により結合されている。ケース22と積層ゴム25
とシャフト21とによりケース22の内側に液体封入室
26が形成され、液体封入室26内には減衰液とシャフ
ト21の下部に設けた減衰板27とが封入されている。
従って、防振マウント装置20のシャフト21の軸芯方
向のばね定数Kv は小さく、かつ衝撃や大きな振動に対
しては良好な減衰効果を有する。またシャフト21に直
交する方向のばね定数Kh は大きく、Kh >Kv となっ
ている。
【0022】次に、第1実施形態の作用、効果につい
て、図7〜図12により説明する。一般に、運転室が前
方支持点P1 及び後方支持点P2 にて支持されている場
合、前方支持点P1 を中心にピッチング運動する時のエ
ネルギーの吸収性が振動減衰性(言い換えると、運転室
の居住性及び操作安定性等)に大きく影響するので、こ
のようなピッチング運動に対するピッチング剛性を中心
にして、従来技術と比較して説明する。
【0023】図7は本実施形態の運転室支持装置の模式
側面図であり、図8は前方支持点P1 及び後方支持点P
2 の防振マウント装置を上下方向に取り付けたタイプの
運転室支持装置の模式側面図である。また、図9はピッ
チング時の後方支持点P2 の挙動を示す図であり、図1
0は図9のQ部拡大図である。図11は、後進で障害物
を乗り越え落下した時の後方支持点P2 の変位量の実測
波形を示す図である。また図12は、平坦地走行時のフ
ロアフレーム2上の上下方向加速度実測波形を示す。図
9において、後方支持点P2 が前方支持点P1 を中心に
L0 の半径で動くとする。高さを距離L3 だけ変化させ
ると、後方支持点P2 は点P2'に達し、水平方向に距離
L4 だけ変化する。ここで、L0 ,L1 ,L2 は前方支
持点P1 と後方支持点P2 との間の直線距離、水平距
離、垂直距離をそれぞれ表す。仮に、L1 =1100,
L2 =650,L3 =10とすれば、L4 =6.5(単
位はそれぞれmm)となる。
【0024】図10で、後方支持点P2 での防振マウン
ト装置の取付け傾斜角をθとすると、後方支持点P2 は
シャフト21の軸芯方向変位(以後、縦変位と言う)L
5 とシャフト21に直交する方向の変位(以後、横変位
と言う)L6 とを同時に実現しなければならない。ここ
で、θ=15°とすれば、L3 =10、L4 =6.5の
移動を実現するためには、L5 =11.3,L6 =3.
7の縦変位L5 及び横変位L6 が必要となる。仮に、防
振マウント装置の縦剛性Kv =100,横剛性Kh =1
000とすると、点P2 から点P2'への変位に伴い弾性
体を変形させるのに必要なエネルギーE1 は、式E1 =
(Kv ×L5 +Kh ×L6 )/2により求めら
れ、E1=1.32×10 となる。
【0025】一方、図8に示す従来タイプのものにおい
ては、後方支持点P2 は防振マウント装置の縦変位L3
と横変位L4 を同時に実現しなければならないので、点
P2から点P2'への変位に伴い弾性体を変形させるのに
必要なエネルギーE2 は、式E2 =(Kv ×L3
Kh ×L4 )/2により求められ、E2 =2.61
×10 となる。従って、本実施形態によると、従来
タイプのものに比べてピッチング剛性が約50%に低下
し、衝撃力を大幅に緩和することができる。
【0026】図11において、本実施形態の場合は、従
来タイプの場合に比べて落下時の後方支持点P2 の変位
量が図示のp部に示すように大であり、剛性が柔らかく
なっていることが解る。また、減衰のしかたも非常に緩
やかであり、尖った衝撃を和らげていることがわかる。
【0027】後方の防振マウント装置をその支持軸方向
を前方に傾斜させて取り付けていることにより、垂直方
向の剛性は従来の取付方向における剛性よりも高くなる
が、その振動吸収への影響(つまり上下方向の加速度)
は図12に示すように実用上問題となるレベルではな
い。
【0028】図12において、本実施形態の場合は、従
来タイプの場合に比べて図中q部に示すように比較的低
い周波数帯での強度(上下方向加速度)が若干大きくな
っているが、全体的にはほぼ同様の強度分布を示してお
り、平坦走行時に上下揺れを抑制する効果は従来と変わ
らずに得られることが解る。
【0029】更に、本実施形態では、後方支持点P2 を
上下方向位置でオペレータSRP近傍に、又は運転室1
の重心位置G近傍に設置したため、オペレータ又は運転
室の重心位置G近傍での揺れ量を効率的に低減すること
ができるので、オペレータには疲労が少なく好都合であ
る。尚、SRPは「Seat Reference Point」のことで、
オペレータがシートに着座した時のシートの基準点(I
SO3462及びSAE J899に準ずる)を示す。
また、同一の防振マウント装置20を全ての支持点に用
いており、装着部位に応じて取付角度を設定するだけで
優れた防振効果が得られるため、運転室支持装置の共通
化を図って生産コストを低減でき、メンテナンス性も良
い。また、傾斜支持の傾斜角θを10°〜20°に設定
したので、後進走行時の障害物乗り越え落下時の運転室
1の重心に対する着地点からの衝撃入力の方向と傾斜支
持の傾斜角θとが略一致し、発生する衝撃力を効果的に
和らげることができる。尚、課題にも記載してあるよう
に前方の防振マウント装置として従来のゴムブッシュ4
4aを有する緩衝支持体44(図20参照)や、ゴム又
は合成樹脂製の緩衝体55を有するゴム緩衝具(図23
参照)等を装着した形態でも、本実施形態のような後方
の防振マウント装置の傾斜支持によって上記と同様の効
果を奏することは言うまでもない。
【0030】次に、第2実施形態について図13により
説明する。図13は本実施形態の運転室支持装置の模式
側面図である。本実施形態は、第1実施形態における後
方支持点P2 の重心G側への傾斜と共に、さらに前部支
持部P1 を前後方向で重心G側へθ3 だけ傾斜支持した
ものである。本実施形態によれば、後方支持部P2 に加
えて前部支持部P1 も傾斜支持しているので、運転室1
の上下揺れとピッチングに対する減衰特性を微妙にバラ
ンス良く調整することができ、更に居住性及び操作安定
性を向上できる。
【0031】また、図14の第3実施形態の模式側面図
に示すように、運転室1aの前部を高床側にし、後部を
低床側に構成した場合において、前部支持部P1 を前後
方向で重心G側へθ4だけ傾斜支持してもよい。本実施
形態によれば、運転室1aが車両の前端部にある場合に
好適であり、第1実施形態と同様な効果を奏する。
【0032】次に、第4実施形態について図15,16
により説明する。図15は第4実施形態の運転室支持装
置の模式側面図である。図16は図15のX視図であ
る。第4実施形態は、図15,16に示すように、前記
第1実施形態において、後方支持部を前後方向で重心G
側へθ1 、左右方向で重心G側へθ2 だけ傾斜支持した
ものである。第4実施形態によれば、後部支持部が前後
方向に加えて左右方向にも傾斜支持しているので、上下
揺れとピッチングに対する応答性に加え、さらに横揺れ
とローリングに対する応答性を最適に調整することがで
き、更に居住性及び操作安定性を向上できる。
【0033】次に、第5実施形態について図17,18
により説明する。本実施形態は傾斜角調整機能付きの運
転室支持装置を示しており、図17は傾斜角調整機能付
き支持装置の斜視図で、図18は図17のW視図であ
る。図17,18に示すように、傾斜角調整機能付き支
持装置30は、下部ブラケット31と、ケース32と、
プレート33と、上部ブラケット34とから構成されて
おり、下部ブラケット31は車体フレーム8に、上部ブ
ラケット34はフロアフレーム2にそれぞれボルト35
により固定されている。下部ブラケット31の上部には
点Fを中心として半径Rの内曲面31aが形成されてお
り、この内曲面31aに沿って2本のキー溝31bが設
けられている。またケース32の下面には点Fを中心と
して半径Rの外曲面32aが形成されており、この外曲
面32aに沿って2本のキー32bが設けられている。
下部ブラケット31のキー溝31bにケース32のキー
32bを嵌合させてあり、これによりケース32は下部
ブラケット31に対して内外曲面31a,32aに沿っ
てで傾動自在となっている。
【0034】下部ブラケット31には、ケース32の傾
動角を調整するための調整具36が設けられている。こ
の調整具36は、例えばキー32bの外周面に設けたラ
ック(図示せず)と、キー溝31bの底部に回転自在に
設けたピニオン(図示せず)とを噛み合わせ、このピニ
オンを調整ねじ36aで回転してラックを介してキー3
2bを動かすことにより、ケース32の傾動角を任意に
設定できるようになっている。尚、傾動角を設定した後
に、図示しない固定手段によりケース32を下部ブラケ
ット31に固定する。
【0035】同様に、上部ブラケット34及びプレート
33には、それぞれ内曲面34aとキー溝34b及び外
曲面33aとキー33bが形成され、プレート33は上
部ブラケット34に対して内外曲面34a,33aに沿
って傾動自在となっている。ケース32には防振マウン
ト装置20が収納され、その上面には防振マウント装置
20のケース22がボルト11により固定されている。
また、プレート33の下部には防振マウント装置20の
シャフト22がボルト16により取り付けられている。
【0036】傾斜角調整機能付き支持装置30の作用、
効果について、図17,18により説明する。図17,
18に示すように、調整具36を回動操作することによ
り、防振マウント装置20を下部ブラケット31及び上
部ブラケット34に対して任意の傾斜角でセットするこ
とができ、よってフロアフレーム2を車体フレーム8に
対して防振マウント装置20の任意の支持傾斜角で弾性
支持することができる。従って、傾斜角調整機能付き支
持装置30を前記第1〜第4実施形態の支持装置に適用
することにより、同一構成の防振マウント装置20を用
いて種々の機種、作業条件に対して適応することが可能
である。
【0037】以上説明したように、本発明による運転室
の支持装置によれば、少なくとも前後いずれか一方の支
持部の支持軸線の上方を前後方向で運転室の重心側へ所
定角θ傾斜させて支持することにより、運転室の上下方
向及び前後方向の剛性を変化させることができるので、
傾斜角θを適切に調整することにより、運転室の上下揺
れとピッチングに対する応答性を最適に調整でき、居住
性及び操縦安定性を向上できる。また、高床部支持点を
上下方向位置でローリング時の回転軸芯となるオペレー
タのSRP又は運転室重心位置の近傍に設置したため、
オペレータのSRP又は運転室重心位置を中心としたロ
ーリング時の揺れ量が最小になり、防振マウント装置に
より効率的に制振でき、オペレータには疲労が少なく好
都合である。
【0038】さらに、傾斜支持の傾斜角θを10°〜2
0°に設定したので、殆どの機種で走行時の最大衝撃力
を効果的に緩衝することが可能である。また、防振マウ
ント装置として全て同一のものを使用できるため、運転
室支持装置の製作コストを低減でき、部品点数の減少に
よる部品管理が容易となり、またメンテナンス性も向上
できる。
【0039】さらにまた、防振マウント装置の支持傾斜
角θを任意に設定することにより、同一構成の防振マウ
ント装置を用いて種々の機種、作業条件に対して容易に
適応することが可能であり、汎用性を高められる。ま
た、少なくとも前後いずれか一方の支持部の支持軸線の
方向が鉛直で、他方の支持部の支持軸線の上方が前後、
左右の両方向共に運転室の重心G側へそれぞれ所定角θ
1 ,θ2 傾斜させて支持することにより、運転室の上
下、前後及び左右の各方向の剛性を変化させることがで
きるので、傾斜角を適切に調整することにより、運転室
の上下揺れとピッチング、及び横揺れとローリングにそ
れぞれ対する応答性を最適に調整でき、居住性及び操縦
安定性をより向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の建設車両の運転室支持装置の概
要説明図である。
【図2】フロアフレームの斜視図である。
【図3】フロアフレーム支持部の側面図である。
【図4】図3のZ視図である。
【図5】図3のY視図である。
【図6】図3のA−A断面図である。
【図7】第1実施形態の運転室支持装置の模式側面図で
あり。
【図8】前後の防振マウント装置を上下方向に取付けた
例の模式側面図である。
【図9】第1実施形態の後方支持点の挙動説明図であ
る。
【図10】図9のQ部拡大図である。
【図11】後進乗り越え落下時の後方支持点の変位量の
実測波形である。
【図12】平坦走行時のフロアフレーム上の上下方向
速度の実測波形である。
【図13】第2実施形態の運転室支持装置の模式側面図
である。
【図14】第3実施形態の運転室支持装置の模式側面図
である。
【図15】第4実施形態の運転室支持装置の模式側面図
である。
【図16】図15のX視図である。
【図17】第5実施形態の傾斜角調整機能付き支持装置
の斜視図である。
【図18】図17のW視図である。
【図19】第1の従来技術の運転室支持装置を示す図で
ある。
【図20】図19のB−B断面図である。
【図21】吸振支持体の側面断面図である。
【図22】第2の従来技術の運転室支持装置の説明図で
ある。
【図23】前方緩衝具を示す図である。
【図24】後方緩衝具を示す図である。
【符号の説明】 1…運転室、2…フロアフレーム、2a…低床部、2b
…高床部、3…サポート、8…車体フレーム、9…ブラ
ケット、12,13…ブラケット、16…ブラケット、
20…防振マウント装置、21…シャフト、22…ケー
ス、23…スリーブ、24…筒状ケース、25…筒状積
層ゴム、26…液体封入室、27…減衰板、30…傾斜
角調整機能付き支持装置、31…ブラケット、32…ケ
ース、33…プレート、34…ブラケット、36…調整
具。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図12
【補正方法】変更
【補正内容】
【図12】
フロントページの続き (72)発明者 光田 慎治 神奈川県平塚市万田1200 株式会社小松製 作所中央研究所内 Fターム(参考) 2D015 EC02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 運転室(1) の下部を構成するフロアフレ
    ーム(2) に、側面視で前後位置に互いに上下に所定距離
    離間して低床部(2a)及び高床部(2b)を設け、この低床部
    (2a)及び高床部(2b)と車体フレーム(8) との間に防振マ
    ウント装置(20)を取り付けて運転室(1) を弾性支持した
    建設車両の運転室支持装置において、 低床部(2a)及び高床部(2b)の少なくともいずれか一方の
    防振マウント装置(20)の支持軸線(M-M)(N-N)の上方を、
    前後方向で運転室(1) の重心(G) 側へ所定角(θ) 傾斜
    させたことを特徴とする建設車両の運転室支持装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の建設車両の運転室支持装
    置において、 防振マウント装置(20)の高床部(2b)での支持点(P2)を上
    下方向位置でオペレータのSRP又は運転室重心(G) 位
    置の近傍に設けたことを特徴とする建設車両の運転室支
    持装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の建設車両の運転室
    支持装置において、傾斜角( θ) は10°〜20°であ
    ることを特徴とする建設車両の運転室支持装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の建設車両の運転室支持装
    置において、 傾斜角( θ) を所定角度範囲内で調整可能としたことを
    特徴とする建設車両の運転室支持装置。
  5. 【請求項5】 運転室(1) の下部を構成するフロアフレ
    ーム(2) に、側面視で前後位置に互いに上下に所定距離
    離間して低床部(2a)及び高床部(2b)を設け、この低床部
    (2a)及び高床部(2b)と車体フレーム(8) との間に防振マ
    ウント装置(20)を取り付けて運転室(1) を弾性支持した
    建設車両の運転室支持装置において、 低床部(2a)及び高床部(2b)のいずれか一方の防振マウン
    ト装置(20)の支持軸線(M-M) の方向を鉛直にし、他方の
    支持軸線(N-N) の上方を前後、左右の両方向に運転室
    (1) の重心(G) 側へそれぞれ所定角( θ1)( θ2)傾斜さ
    せたことを特徴とする建設車両の運転室支持装置。
  6. 【請求項6】 請求項1、2又は5記載の建設車両の運
    転室支持装置において、 防振マウント装置(20)は全て同一のものであることを特
    徴とする建設車両の運転室支持装置。
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