JPH05255951A - 作業機の運転室 - Google Patents

作業機の運転室

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JPH05255951A
JPH05255951A JP4088120A JP8812092A JPH05255951A JP H05255951 A JPH05255951 A JP H05255951A JP 4088120 A JP4088120 A JP 4088120A JP 8812092 A JP8812092 A JP 8812092A JP H05255951 A JPH05255951 A JP H05255951A
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克己 宮木
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隆之 佐藤
Zenji Kaneko
善二 金子
Takeshi Sakyo
剛 佐京
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 運転室の固有振動数を小さくし乗り心地を向
上させると共に、運転室のピッチングやローリングを防
止する。 【構成】 運転室本体22の角隅部22F近傍に位置し
て旋回フレーム21の高剛性部となるブラケット部21
Dに支柱36,37を設け、運転室本体22の後面部2
2C、右側の側面部22Dと支柱36,37との間にね
じ座39等を介して積層免震ゴム41,42を配設し、
この積層免震ゴム41,42により運転室本体22の前
後方向、左右方向の振動を大きなばね定数で規制し、上
下方向の振動を小さなばね定数で許すようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば油圧ショベル等
の作業機に設けられる作業機の運転室に関し、特に、作
業機の本体フレームから運転室に伝わる振動を緩衝させ
るようにした作業機の運転室に関する。
【0002】
【従来の技術】図9ないし図13に従来技術の運転室付
き作業機として油圧ショベルを例に挙げて示す。
【0003】図中、1は下部走行体、2は旋回装置、3
は該旋回装置2を介して下部走行体1上に旋回可能に搭
載され、作業機本体を構成する上部旋回体を示し、該上
部旋回体3は、骨組構造をなす本体フレームとしての旋
回フレーム4と、該旋回フレーム4上に設けられた機械
室5と、該機械室5の前部左側に位置して旋回フレーム
4上に設けられ、後述する運転室本体8と該運転室本体
8内に設けられた各種の操作レバーや計器類等からなる
運転室6と、機械室5の後側に位置して旋回フレーム4
の後部に設けられたカウンタウエイト7とからなり、該
カウンタウエイト7は後述の作業装置17に対して上部
旋回体3全体をバランスさせるようになっている。
【0004】8は旋回フレーム4上に配設され、前記運
転室6の本体部を構成する運転室本体を示し、該運転室
本体8は、鋼製の薄板をプレス加工して溶接することに
より、前後方向に伸長する長方形状の天井部8Aと、上
下方向の中間部分が前向きに突出する略く字状の前面部
8Bと、前記旋回フレーム4に対しほぼ垂直面となった
縦長な長方形状の後面部8Cと、該後面部8Cおよび前
面部8Bの形状に応じて、前向きに突出する部分が設け
られた略五角形状の左,右の側面部8D,8D(一方の
み図示)等とからなる箱形状のキャブボックスとして形
成されている。また、該運転室本体8の左側面部8Dに
はドア9が設けられ、運転室本体8の下面側には床板用
ブラケット8Eを介して運転室本体8の一部を構成する
床板10が取付けられている。
【0005】11,11,…は旋回フレーム4上で運転
室本体8を弾性的に支持した下部緩衝支持体を示し、該
各下部緩衝支持体11は図10に示す如く後述の各防振
ゴム12、スペ−サ13および各ストッパ14等から構
成されている。そして、該各下部緩衝支持体11は運転
室本体8の床板10と旋回フレーム4との間に前,後、
左,右に離間して合計4個(2個のみ図示)設けられ、
旋回フレーム4からの振動が運転室本体8に伝わるの減
衰させるようになっている。
【0006】12,12は防振ゴムを示し、該各防振ゴ
ム12は合成ゴム等の弾性材料により短尺かつ厚肉な円
柱状に形成され、その中心部には図11に示す如く軸方
向に伸長する挿通穴12Aが穿設されている。そして、
該各防振ゴム12は旋回フレーム4の上面部4Aに穿設
された取付穴4Bと同軸をなすように配設され、旋回フ
レーム4の上面部4Aを上下方向から挟持している。
【0007】13は軸方向にボルト挿通穴13Aを有す
る金属製の筒体からなるスペーサを示し、該スペ−サ1
3は長さ方向中間部が旋回フレ−ム4の取付穴4B内に
遊嵌され、上,下両端側が各防振ゴム12の挿通穴12
A内に嵌合されている。また、該スペ−サ13は上,下
両端側の端面が後述する各ストッパ14の底部14Bに
当接している。
【0008】14,14は金属板等をプレス成形するこ
とにより有底筒状に形成されたストッパを示し、該各ス
トッパ14は図11に示す如く、防振ゴム12よりも大
径な円板状に形成され、中央にボルト挿通穴14Aが穿
設された底部14Bと、該底部14Bの外周側から軸方
向に延設され、防振ゴム12よりも短尺な長さ寸法を有
した筒部14Cとからなり、該筒部14Cの先端側は開
口部14Dとなっている。そして、該各ストッパ14は
各防振ゴム12を介して旋回フレーム4の上面部4Aを
挟んで互いの開口部14Dを対向させ、上,下の各防振
ゴム12を外側から覆うように取付けられている。
【0009】15,15,…はボルトを示し、該各ボル
ト15は床板用ブラケット8Eの各ボルト挿通穴8Fに
運転室本体8の内側から差込まれ、各スペ−サ13のボ
ルト挿通穴13A、床板10の各ボルト挿通穴10A、
旋回フレーム4の上面部4Aの各取付穴4B内を伸長
し、下部緩衝支持体11の下側、すなわちストッパ14
の底部14B下側からナット16を螺合させて締付ける
ことにより、運転室本体8を旋回フレーム4上に位置決
めしている。
【0010】17は上部旋回体3の前部に設けられた作
業装置を示し、該作業装置17は、旋回フレーム4の一
部をなす高剛性のブラケット部4Cに俯仰動可能に設け
られたブーム17Aと、該ブーム17Aの先端に俯仰動
可能に設けられたアーム17Bと、該アーム17Bの先
端に回動可能に設けられたバックホウ式のバケット17
Cとからなり、これらのブーム17A,アーム17B,
バケット17Cはブームシリンダ17D,アームシリン
ダ17E,バケットシリンダ17Fによってそれぞれ作
動されるようになっている。そして、該作業装置17は
土砂等の掘削作業時に、ブームシリンダ17D,アーム
シリンダ17Eによってブーム17A,アーム17Bを
俯仰動させつつ、バケットシリンダ17Fによってバケ
ット17Cを回動させ、該バケット17Cにより土砂等
を掘削するようになっている。
【0011】このように構成される油圧ショベルでは、
上部旋回体3の機械室5内に原動機および該原動機によ
って駆動される油圧ポンプ(いずれも図示せず)を設
け、該油圧ポンプから吐出される圧油を下部走行体1の
走行用油圧モータ(図示せず)および作業装置17の各
シリンダ17D,17E,17F等に給排することによ
り、これらを作動させ、車両を走行させたり、土砂等の
掘削作業を行ったりするようにしている。
【0012】そして、運転室本体8の床板10と旋回フ
レーム4との間に設けた各下部緩衝支持体11は、エン
ジンからの振動、走行時の振動および作業時の掘削反力
等による振動が旋回フレーム4側から運転室本体8に伝
わるのを各防振ゴム12によって緩衝し、このときの振
動および騒音を軽減して運転室6の乗り心地を悪化させ
ないようにしている。
【0013】また、各下部緩衝支持体11は図11に示
す如く、各ストッパ14の開口部14Dを旋回フレーム
4の上面部4Aに対して、例えば2〜3mm程度の隙間S
をもって対面させ、運転室本体8がこの隙間Sを越えて
左,右方向に横揺れ(ローリング)したりするのを規制
しており、これによって運転室本体8がブームシリンダ
17D等の周囲部材に衝突して破損事故を起こすのを防
止できるようにしている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術では、旋回フレーム4の上面部4A上で運転室本
体8の床板10との間に、例えば4個の下部緩衝支持体
11,11,…を配設し、運転室6に外部からの振動が
伝わるのを防止するようにしているものの、下記のよう
な問題がある。
【0015】即ち、運転室6の重量W、各下部緩衝支持
体11の合計のばね定数k、重力加速度Gとすると、運
転室6の固有振動数fは
【0016】
【数1】 で表わされる。
【0017】ここで、運転室本体8を図12に示すよう
な1自由度系の振動モデルで近似し、下側から振幅a0
の強制振動a0cosωtが上下方向に加えられたと
き、運転室6に伝達される振動の振幅をaとすると、振
動伝達率τは
【0018】
【数2】τ=a/a0 但し、η =ω/ωn ζ =C/Cc η :振動数比 ζ :減衰比 ωn :固有角振動数 C :減衰係数 Cc :臨界減衰係数 で表わされる。
【0019】これを特性線図として示すと、振動数比η
と振動伝達率τとの関係は図13に示す特性線の如くな
り、振動数比ηがη=1前後のときに共振によって振動
が増大し、振動数比ηが大きくなと振動伝達率τが1以
下となって、振動が伝わりにくくなることが分かる。
【0020】そして、運転室6全体の重量Wが400〜
500kg、各下部緩衝支持体11の合計のばね定数k
が2000〜8000kg/cmの条件では、前記数1
より、運転室6の固有振動数fは約20〜45Hzとな
る。
【0021】しかし、20〜45Hz程度の振動は油圧
ショベルの作動時の振動に多く含まれ、運転室6の固有
振動数fが前記の範囲にあると振動数比ηがη=1に近
付いて、運転室6へ振動の伝達が大きくなり、運転室6
の乗り心地を悪化させるという問題がある。
【0022】一方、固有振動数fを低くするために各下
部緩衝支持体11のばね定数kを小さくすると、上下方
向の振動は減衰できるものの、運転室6が前後方向に振
動するピッチングや運転室6が左右方向に振動するロー
リングが大きくなり、乗り心地を悪くさせてしまう。
【0023】また、このピッチングやローリングが大き
くなったときには、運転室本体8がブームシリンダ17
D等の周囲部材に衝突して破損事故を起こしてしまうの
で、図11に示す如く各ストッパ14の開口部14Dと
旋回フレーム4の上面部4Aとの隙間Sを、例えば2〜
3mm程度設定しており、この隙間Sを越えて運転室本体
8が振動すると、各ストッパ14の開口部14Dが旋回
フレーム4の上面部4Aに衝突して、旋回フレーム4か
らの振動が運転室本体8に直接伝わり、運転室6の乗り
心地が非常に悪くなるという問題がある。
【0024】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明は運転室本体が前,後、左,右方
向に振動して、ピッチングやローリングを起こすのを効
果的に防止できると共に、上下方向の振動を効果的に減
衰でき、乗り心地を向上できるようにした作業機の運転
室を提供することを目的としている。
【0025】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために本発明が採用する構成の特徴は、本体フレーム
に、運転室本体の後部側角隅部近傍に位置して振動規制
体を設け、該振動規制体と運転室本体との間には、該運
転室本体が水平方向に振動するのを大きなばね定数をも
って緩衝し、上下方向に振動するのを小さなばね定数を
もって緩衝する弾性緩衝体を設けたことにある。
【0026】また、前記各下部緩衝支持体は比較的小さ
いばね定数を有するガス封入式緩衝支持体によって構成
するのが好ましい。
【0027】一方、前記弾性緩衝体はそれぞれ所定板厚
のゴム板と金属板とを積層化してなる積層免震ゴムによ
って構成するのが好ましい。
【0028】
【作用】上記構成により、弾性緩衝体は運転室本体が水
平方向、即ち前後方向および左右方向に振動するのを大
きなばね定数をもって振幅が小さくなるように規制し、
運転室本体が上下方向に振動するのを小さなばね定数を
もって許すようになるので、例えばガス封入式緩衝支持
体等からなる下部緩衝支持体と共に運転室本体の上下方
向の振動に対するばね定数を小さくでき、運転室本体に
伝わる上下方向の振動を減衰させることができる。そし
て、運転室本体の前後方向および左右方向の振動を、例
えば積層免震ゴム等からなる弾性緩衝体によって小さく
規制でき、運転室本体がローリングやピッチングを起こ
すのを防止できる。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし図8に基
づき説明する。なお、前述した従来技術と同一の構成要
素には同一の符号を付し、その説明を省略するものとす
る。
【0030】まず、図1ないし図5に本発明の第1の実
施例を示す。
【0031】図中、21は上部旋回体3の本体フレーム
となる旋回フレームを示し、該旋回フレーム21は従来
技術で述べた旋回フレーム4とほぼ同様に構成されてい
るものの、該旋回フレーム21の上面部21Aには後述
の各ガスばね25が挿入される挿通穴21Bが形成さ
れ、下面部21Cに各ガスばね25の下端が固着されて
いる。そして、該旋回フレーム21は前部側に図3、図
4に示す如く、一対のブラケット部21D,21Dを有
し、該各ブラケット部21Dは高い剛性をもってブーム
17Aおよび各ブームシリンダ17D等を支持してい
る。
【0032】22は旋回フレーム21の前部左側に配設
された運転室本体を示し、該運転室本体22は従来技術
で述べた運転室6の運転室本体8とほぼ同様に構成さ
れ、天井部22A、前面部22B、後面部22Cおよび
左,右の側面部22D,22Dを有している。そして、
該運転室本体22の側面部22Dにはドア23が設けら
れ、下面側の床板用ブラケット22E,22E,…には
運転室本体22の一部を構成する床板24が後述の各取
付ボルト31等を介して固着されている。また、該運転
室本体22の後部右側の角隅部22F近傍には図3,図
4に示す如く、後面部22Cと右側の側面部22Dとに
後述の積層免震ゴム41,42が取付けられている。
【0033】25,25,…は旋回フレーム21と運転
室本体22の床板24との間に配設された下部緩衝支持
体としてのガスばねを示し、該各ガスばね25は従来技
術で述べた各下部緩衝支持体11とほぼ同様に、床板2
4の四隅部近傍に配設されているものの、該各ガスばね
25は比較的ばね定数が小さいガス封入式緩衝支持体に
よって構成されている。そして、該各ガスばね25は積
層免震ゴム41,42と共に運転室本体22の上下方向
(Z軸方向)の振動を比較的小さなばね定数をもって緩
衝し、この上下方向の振動を効果的に減衰させる。
【0034】ここで、該各ガスばね25は図2に示す如
く、弾性樹脂材料により筒状に形成された弾性筒26
と、該弾性筒26の上,下両端を閉塞し、弾性筒26内
にガス室27を画成する上,下の取付板28,29と、
上側の取付板28に挿通して設けられ、ナット30によ
り運転室本体22の各床板ブラケット22Eおよび床板
24に締着された取付ボルト31と、弾性筒26の下端
側をワッシャ32を介して取付板29に固着したボルト
33および取付板29を旋回フレーム21の下面部21
Cに締着した他のボルト34,34と、弾性筒26の長
さ方向中間部に嵌合し、該弾性筒26の中間部を断面U
字状に縮径させるリング35とから大略構成されてい
る。
【0035】また、取付ボルト31の上端側にはガス通
路31Aを介してガス室27内にエア等の加圧ガスを封
入するためのガス封入部31Bが設けられ、ガス室27
内の加圧ガスはガスばね25のばね定数をその封入圧に
対応させて所定値に設定させる。そして、該各ガスばね
25は弾性筒26を旋回フレーム21の挿通穴21B内
に挿入するようにして、旋回フレーム21の下面部21
Cと運転室本体22の床板24等との間に配設され、こ
れらの間に各ボルト34およびナット30等を介して固
着されている。
【0036】36,37は旋回フレーム21の高剛性部
となるブラケット部21Dにボルト(図示せず)等を介
して固着された振動規制体としての支柱を示し、該支柱
36,37は図3、図4に示す如く、断面コ字形状をな
す高剛性の金属板材によって形成され、旋回フレーム2
1から所定の高さ寸法をもって上向きに伸長している。
そして、該支柱36,37は運転室本体22の後部右側
の角隅部22F近傍に位置し、支柱36は運転室本体2
2の後面部22Cに所定間隔をもって対面し、支柱37
は右側の側面部22Dに所定間隔をもって対面してい
る。
【0037】ここで、支柱36は図5に示す如く、旋回
フレーム21の左右方向に所定の幅寸法を有し、上下方
向に所定長さをもって伸長した平板部36Aと、該平板
部36Aの左,右両端側を略L字形状に屈曲させること
により形成され、運転室本体22の後方に延びた補強板
部36B,36Cとからなり、該補強板部36Cの下端
側はブラケット部21Dの左側面に固着されている。ま
た、該支柱36の平板部36Aには所定の高さ位置にボ
ルト挿通穴36Dが穿設され、該ボルト挿通穴36Dに
は後述する積層免震ゴム41の取付ボルト41Aが挿通
されている。
【0038】一方、支柱37は、旋回フレーム21の前
後方向に所定の幅寸法を有し、上下方向に所定長さをも
って伸長した平板部37Aと、該平板部37Aの前,後
両端側を略L字形状に屈曲させることにより形成され、
運転室本体22の右方向に延びた補強板部37B,37
Cとからなり、平板部37Aの下端側は平板状のスペー
サ38を介してブラケット部21Dの右側面に固着され
ている。そして、該支柱37の平板部37Aには所定の
高さ位置にボルト挿通穴37Dが穿設され、該ボルト挿
通穴37Dには後述する積層免震ゴム42の取付ボルト
42Aが挿通されている。
【0039】39,40は運転室本体22の角隅部22
F近傍に位置して後面部22C、側面部22Dに溶接等
の手段を用いて固着されたねじ座を示し、該ねじ座3
9,40は所定の肉厚をもって円柱状または角柱状に形
成され、その中央部には有底のねじ穴39A,40Aが
形成されている。そして、該ねじ座39,40は後面部
22Cと側面部22Dとの所定高さ位置に配設され、ね
じ穴39A,40Aは支柱36,37のボルト挿通穴3
6D,37Dと対向するようになっている。
【0040】さらに、41,42は支柱36,37とね
じ座39,40との間に設けた弾性緩衝体としての積層
免震ゴムを示し、該積層免震ゴム41,42は、取付ボ
ルト41A,41B間、取付ボルト42A,42B間に
それぞれ所定板厚のゴム板41C,41C,…、42
C,42C,…と、金属板としての鋼板41D,41
D,…、42D,42D,…とを交互に積層化すること
により形成され、板厚方向の引張り、圧縮荷重に対して
は大きなばね定数を有し、せん断方向の荷重に対しては
小さなばね定数を有している。
【0041】ここで、積層免震ゴム41,42は取付ボ
ルト41A,42Aがそれぞれナット43,44により
支柱36,37に固着され、取付ボルト41B,42B
がねじ座39,40のねじ穴39A,40Aに固着さ
れ、各ゴム板41C,42C等に初期荷重を付与した状
態で支柱36,37とねじ座39,40との間に配設さ
れている。そして、積層免震ゴム41は運転室本体22
が前後方向(Y軸方向)に振動するのを大きなばね定数
をもって緩衝し、積層免震ゴム42は運転室本体22が
左右方向(X軸方向)に振動するのを大きなばね定数を
もって緩衝する。また、該積層免震ゴム41,42は運
転室本体22が上下方向(Z軸方向)に振動するのを前
記各ガスばね25と共に比較的小さなばね定数をもって
緩衝する。
【0042】本実施例による油圧ショベルは上述の如き
構成を有するもので、その基本的作動については従来技
術によるものと格別差異はない。
【0043】然るに、本実施例によれば、旋回フレーム
21と運転室本体22の床板24との間に、ガス封入式
緩衝支持体としてのガスばね25,25,…を床板24
の四隅部近傍に位置して配設し、該各ガスばね25によ
り運転室本体22を比較的小さなばね定数をもって緩衝
支持すると共に、旋回フレーム21の高剛性部となるブ
ラケット部21Dには運転室本体22の角隅部22F近
傍に位置して運転室本体22の後面部22C、右側の側
面部22Dと対面するように支柱36,37を立設し、
運転室本体22の後面部22C、側面部22Dに設けた
ねじ座39,40と支柱36,37との間には、水平方
向の振動を大きなばね定数をもって緩衝し、上下方向の
振動を小さなばね定数をもって緩衝する積層免震ゴム4
1,42を配設したから、下記のような作用効果を奏す
る。
【0044】即ち、油圧ショベルの作業時や走行時に旋
回フレーム21から運転室本体22に前後方向の振動が
伝わるときには、この振動を支柱36とねじ座39との
間の積層免震ゴム41により大きなばね定数をもって、
振幅が小さくなるように規制でき、運転室本体22が前
後方向に大きく振動(ピッチング)するのを効果的に抑
えることができる。また、旋回フレーム21から運転室
本体22に左右方向の振動が伝わるときには、この振動
を支柱37とねじ座40との間の積層免震ゴム42によ
り大きなばね定数をもって、振幅が小さくなるように規
制でき、運転室本体22が左右方向に大きく振動(ロー
リング)するのを効果的に抑えることができる。
【0045】そして、旋回フレーム21から運転室本体
22に上下方向の振動が伝わるときには、旋回フレーム
21と運転室本体22の床板24との間の各ガスばね2
5によりこの振動を小さなばね定数をもって緩衝できる
と共に、前記積層免震ゴム41,42によっても上下方
向の振動を小さなばね定数をもって緩衝でき、運転室6
全体の固有振動数を小さくして上下方向の振動を効果的
に減衰できる。
【0046】従って本実施例では、運転室本体22が前
後方向にピッチングしたり、左右方向にローリングした
りするのを効果的に防止でき、運転室本体22がブーム
シリンダ17D(図4参照)等の周囲部材に衝突する等
の問題を解消できる上に、運転室6の固有振動数を小さ
くして運転室本体22に伝わる上下方向の振動を確実に
低減でき、車両の乗り心地を大幅に向上できる等、種々
の効果を奏する。
【0047】次に、図6ないし図8は本発明の第2の実
施例を示し、本実施例では前記第1の実施例と同一の構
成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものと
するに、本実施例の特徴は、旋回フレーム21のブラケ
ット部21Dに、運転室本体22の角隅部22Fと対向
するように振動規制体としての支柱51を立設し、運転
室本体22の角隅部22Fに設けたねじ座52と該支柱
51との間に弾性緩衝体としての積層免震ゴム53を設
けたことにある。
【0048】ここで、支柱51は前記第1の実施例で述
べた支柱37とほぼ同様に形成され、平板部51A、補
強板部51B,51Cおよびボルト挿通穴51Dを有し
ているものの、該支柱51の平板部51Aはその下端側
がブラケット部21Dに、例えば45度だけ斜めに傾け
た状態で固着されている。また、ねじ座52は支柱51
の平板部51Aと所定間隔をもって対面するように運転
室本体22の角隅部22Fに固着され、運転室本体22
の後面部22C、右側の側面部22Dから図8に示す如
く、例えば45度の傾きをもって突出している。そし
て、該ねじ座52には後述の取付ボルト53Bが螺着さ
れるねじ穴52Aが支柱51のボルト挿通穴51Dと対
向して形成されている。
【0049】また、積層免震ゴム53は前記第1の実施
例で述べた積層免震ゴム41(42)とほぼ同様に、取
付ボルト53A,53B間にそれぞれゴム板53C,5
3C,…と鋼板53D,53D,…とを積層化すること
により形成され、取付ボルト53Aは支柱51の平板部
51Aにナット54により固着され、取付ボルト53B
はねじ座52のねじ穴52Aに螺着されている。そし
て、該積層免震ゴム53は運転室本体22の後部右側の
角隅部22Fと支柱51との間に、例えば斜め45度の
角度をもって取付けられることにより、運転室本体22
が前後方向(Y軸方向)に振動(ピッチング)したり、
左右方向(X軸方向)に振動(ローリング)したりする
のを大きなばね定数をもって緩衝し、上下方向の振動を
小さなばね定数をもって緩衝する。
【0050】かくして、このように構成される本実施例
でも、前記第1の実施例とほぼ同様の作用効果を得るこ
とができるが、特に本実施例では、単一の積層免震ゴム
53によって運転室本体22の前後方向および左右方向
の振動を共に小さく規制でき、支柱51、ねじ座52お
よび積層免震ゴム53等の部品点数を減らすことができ
る。
【0051】なお、前記各実施例では、旋回フレーム2
1と運転室本体22の床板24との間に下部緩衝支持体
としてガスばね25,25,…を設けた場合を例に挙げ
て説明したが、本発明はこれに限らず、例えば従来技術
で述べた図11に示す防振ゴム12等からなる下部緩衝
支持体11を用いてもよく、この場合には図11に例示
する旋回フレーム4の上面部4Aとストッパ14の開口
部14Dとの間の隙間Sを5〜30mm程度まで大きく
し、防振ゴム12等のばね定数を小さく設定すればよ
い。
【0052】また、旋回フレーム21と運転室本体22
の床板24との間に各ガスばね25に替えて、コイルス
プリング等のばね手段や油圧緩衝器等のビスカスマウン
トを下部緩衝支持体として設けるようにしてもよい。
【0053】さらに、前記各実施例では、油圧ショベル
を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例え
ば運転室を備えたホイール式油圧ショベルや油圧クレー
ン等の作業機にも適用できる。
【0054】
【発明の効果】以上詳述した通り本発明によれば、運転
室本体の後部側角隅部近傍に位置して本体フレームに振
動規制体を設け、該振動規制体と運転室本体との間に
は、水平方向の振動に対しては大きなばね定数を有し、
上下方向の振動に対しては小さなばね定数を有する弾性
緩衝体を設けたから、例えば該弾性緩衝体を積層免震ゴ
ム等によって構成することにより運転室本体が前後方向
にピッチングしたり、左右方向にローリングしたりする
のを規制でき、周囲部材に衝突するのを確実に防止でき
る上に、運転室の固有振動数を小さくして上下方向の振
動を効果的に減衰でき、車両の乗り心地を向上できる。
【0055】また、各下部緩衝支持体を比較的ばね定数
を小さいガス封入式緩衝支持体によって構成すれば、運
転室の固有振動数を確実に小さくでき、積層免震ゴムと
共に運転室本体の上下方向の振動をより効果的に低減す
ることが可能となり、車両の乗り心地をさらに改善でき
る等、種々の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による運転室本体および
旋回フレーム等を示す一部破断の外観図である。
【図2】図1中に示すガスばね等の拡大断面図である。
【図3】旋回フレーム上に設けた運転室本体等を示す斜
視図である。
【図4】図3の平面図である。
【図5】図4中に示す支柱および積層免震ゴム等の拡大
断面図である。
【図6】第2の実施例を示す図3と同様の斜視図であ
る。
【図7】図6の平面図である。
【図8】図7中に示す支柱および積層免震ゴム等の拡大
断面図である。
【図9】従来技術による油圧ショベルを示す全体図であ
る。
【図10】図9中の旋回フレームおよび運転室本体等を
拡大して示す一部破断の外観図である。
【図11】図10中に示す下部緩衝支持体等の拡大断面
図である。
【図12】運転室の振動を解析するための説明図であ
る。
【図13】運転室の固有振動数に対する強制振動の振動
数比と振動伝達率との関係を示す特性線図である。
【符号の説明】
21 旋回フレーム(本体フレーム) 22 運転室本体 22F 角隅部 24 床板 25 ガスばね(下部緩衝支持体) 36,37,51 支柱(振動規制体) 39,40,52 ねじ座 41,42,53 積層免震ゴム(弾性緩衝体) 41C,42C,53C ゴム板 41D,42D,53D 鋼板(金属板)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐京 剛 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作業機の本体フレームと、該本体フレー
    ム上に配設され、下面側に床板が設けられた箱形状の運
    転室本体と、該運転室本体の床板と本体フレームとの間
    に複数個設けられ、前記本体フレームからの振動が該運
    転室本体に伝わるのを緩衝する下部緩衝支持体とからな
    る作業機の運転室において、前記本体フレームには運転
    室本体の後部側角隅部近傍に位置して振動規制体を設
    け、該振動規制体と運転室本体との間には、該運転室本
    体が水平方向に振動するのを大きなばね定数をもって緩
    衝し、上下方向に振動するのを小さなばね定数をもって
    緩衝する弾性緩衝体を設けたことを特徴とする作業機の
    運転室。
  2. 【請求項2】 前記各下部緩衝支持体は比較的小さいば
    ね定数を有するガス封入式緩衝支持体によって構成して
    なる請求項1に記載の作業機の運転室。
  3. 【請求項3】 前記弾性緩衝体はそれぞれ所定板厚のゴ
    ム板と金属板とを積層化してなる積層免震ゴムによって
    構成してなる請求項1に記載の作業機の運転室。
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