JP2562274Y2 - 建設機械におけるキャビンの制振装置 - Google Patents

建設機械におけるキャビンの制振装置

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JP2562274Y2
JP2562274Y2 JP1991060794U JP6079491U JP2562274Y2 JP 2562274 Y2 JP2562274 Y2 JP 2562274Y2 JP 1991060794 U JP1991060794 U JP 1991060794U JP 6079491 U JP6079491 U JP 6079491U JP 2562274 Y2 JP2562274 Y2 JP 2562274Y2
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cabin
vibration
head guard
construction machine
control device
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栄子 廣岡
喜雄 井上
義弘 浜崎
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は油圧ショベル等の建設機
械において、キャビン(運転室)のとくに左右方向の振
動を抑える制振装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】油圧ショベルを例にとると、従来、キャ
ビンは、上部旋回体のフレーム(以下、旋回フレームと
いう)上に、複数個所でゴム等の弾性体によって弾性的
に支持され、この弾性体によって防振作用を得る構成と
なっている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】ところが、掘削作業時
において、ショベル本体には低い周波数の振動、とくに
左右方向の振動が発生しやすく、しかもキャビンの固有
振動数は、この発生しやすい振動数領域にある。このた
め、キャビンが共振を起こして大きく横ゆれする事態が
発生し、これにより乗り心地が悪くなるとともに、キャ
ビン強度が低下することとなっていた。
【0004】そこで本考案は、このようなキャビンの振
動を抑制することができる建設機械におけるキャビンの
制振装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本考案は、キャビンが建
設機械本体に弾性的に支持され、このキャビンの上部部
に、キャビン上面を覆うヘッドガードが取付けられる建
設機械において、上記ヘッドガードがキャビン上面部
に、粘性と弾性を備えた防振体を介して取付けられ、こ
の防振体とヘッドガードとによって、少なくともキャビ
ンの左右方向の振動に対する減衰作用を有するダイナミ
ックダンパが構成されたものである。
【0006】
【作用】この構成により、キャビンからヘッドガードに
伝えられる振動が防振体の粘性によって吸収(減衰)さ
れ、この動吸振作用によってキャビンの振動が抑えられ
る。
【0007】しかも、最も振幅が大きいキャビン上部で
吸振作用が果たされるため、キャビン全体の制振効果が
高いものとなる。
【0008】また、落下物からの保護のために建設機械
のキャビンに装備されているヘッドガードをダイナミッ
クダンパの付加質量として利用するため、機械重量が徒
らに増加するおそれがない。
【0009】
【実施例】本考案の実施例を図によって説明する。
【0010】この実施例では、油圧ショベルを適用対象
として例にとっている。
【0011】図1において、1は旋回フレーム、2この
旋回フレーム1上に設置されたキャビン2である。
【0012】このキャビン2は、底面の複数個所がゴム
等の弾性支持体3…を介して旋回フレーム1に取付けら
れることによって弾性的に支持され、この弾性支持体3
…によって振動が吸収される。
【0013】一方、キャビン2の上面部(屋根)には、
キャビン2を上方からの落下物から保護するための金属
板製のヘッドガード4が、複数の防振体としての粘弾性
体5…を介してキャビン上面を覆う状態で設けられてい
る。
【0014】この粘弾性体5は、シリコンオイルやシリ
コンゲルその他の液状、ゲル状物質等の高粘性と弾性と
を有する物質にて直方体状、円柱状、角柱状等に形成さ
れ、図2に示すように、両側に接着された一対の取付板
6,6を介してキャビン上面壁およびヘッドガード4
に、それぞれボルト7,8にて取付けられている。
【0015】なお、図ではボルト7が取付板6,6に溶
接等によって予め固着された場合を示しているが、取付
板6,6を、周辺部分が粘弾性体5からはみ出る大きさ
とし、その周辺部分を、別体のボルト、ナットでキャビ
ン上面壁およびヘッドガード4に取付けてもよい。
【0016】こうして、粘弾性体5とヘッドガード4と
によってバネー粘性ー質量系のダイナミックダンパが構
成されている。
【0017】図3には、このダイナミックダンパを含め
たキャビン2の支持系を模式化して示しており、弾性支
持体3で吸収できずにキャビン2に伝えられる低い周波
数の振動が付加質量としてのヘッドガード4に伝えら
れ、このヘッドガード4の振動エネルギが粘弾性体5の
粘性によって吸収されることにより、キャビン2の振動
が抑制される。
【0018】ここで、キャビン2の左右方向の振動時の
振幅はキャビン上部で最大となる。従って、このキャビ
ン上部にダイナミックダンパを設けた本装置によると、
キャビン2全体の制振効果がとくに高いものとなる。
【0019】この制振効果を調べるために本考案者が行
なった振動モデルの周波数応答についての解析結果を図
4,5に示している。
【0020】キャビン2を弾性支持体3のみで支持した
従来構造に相当する振動モデルの場合には、図5に示す
ように、振動モデルに左右方向の振動を加えたとき、こ
の加振周波数が油圧ショベルの掘削作業時の左右方向の
振動周波数(11HZ付近)に達した時点で、キャビン
2が共振を起こして大振幅で振動する。
【0021】そこで、このような振動を低減する手段と
して、粘弾性体5とヘッドガード4とによるダイナミッ
クダンパを想定し、そのばね定数k2および最適減衰定
数C2を次のようにして求めた。
【0022】 ばね定数k2 条件 キャビン重量+デッキ(旋回フレーム1)重量 W1=850kg ヘッドガード重量 W2=50kg
【0023】
【数1】
【0024】 において、
【0025】
【数2】
【0026】で与えると最適減衰が得られる。
【0027】∴ω1=10.62HZ従って、ダイナミ
ックダンパのばね定数k2は、
【0028】
【数3】
【0029】より、k2=22.7kgf/mm 最適減衰定数C2
【0030】
【数4】
【0031】より、C2=0.0156kgf・s/m
m こうして求められたばね定数および減衰定数が設定され
たダイナミックダンパを装備した振動モデルの場合に
は、図4に示すように、キャビン2の固有振動数が掘削
作業時の左右方向の振動周波数から離れ、しかも最大振
幅もほぼ1/4程度と格段に小さくなる。
【0032】ところで、キャビン2の振動のうちでも左
右方向の振動が乗り心地に最も大きな影響を与えるた
め、本装置においては、基本として粘弾性体5のバネ性
および粘性の作用方向をこの左右方向の振動に対処する
ものとして設定する。
【0033】ただし、粘弾性体5の断面形状および高さ
を、前後や上下にも作用するように調整することが可能
であり、これによってキャビン2の各方向振動を低減す
ることができる。
【0034】また、上記実施例では、粘弾性体5を防振
体として用いたが、別々の粘性体と弾性体とを組み合わ
せて防振体を構成してもよい。
【0035】
【考案の効果】上記のように本考案によるときは、キャ
ビンを落下物から保護するためのヘッドガードを、キャ
ビン上面部に、粘性と弾性を備えた防振体を介して取付
けることによってダイナミックダンパを構成したから、
掘削作業時のキャビンの振動(少なくとも左右方向の振
動)を抑制することができる。
【0036】しかも、最も振幅が大きいキャビン上部で
吸振作用が果たされるため、キャビン全体の制振効果が
高いものとなる。
【0037】これにより、乗り心地を大幅に改善できる
とともに、振動によるキャビンの強度低下を防止するこ
とができる。
【0038】また、建設機械のキャビンに標準装備され
ているヘッドガードをダイナミックダンパの付加質量と
して利用するため、機械重量が徒らに増加せず、コスト
も安くてすむ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例を示す一部断面側面図である。
【図2】図1のIIーII線拡大断面図である。
【図3】同実施例装置を模式化して示す図である。
【図4】同実施例装置に相当する振動モデルの周波数応
答についての解析結果を示す図である。
【図5】従来装置に相当する振動モデルの周波数応答に
ついての解析結果を示す図である。
【符号の説明】
1 建設機械本体としての油圧ショベルの旋回フレーム 2 キャビン 3 キャビンを弾性的に支持する弾性支持体 4 ヘッドガード 5 防振体としての粘弾性体

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャビンが建設機械本体に弾性体を介し
    て弾性的に支持され、このキャビンの上部に、キャビン
    上面を覆うヘッドガードが取付けられる建設機械におい
    て、上記ヘッドガードがキャビン上面部に、粘性と弾性
    を備えた防振体を介して取付けられ、この防振体とヘッ
    ドガードとによって、少なくともキャビンの左右方向の
    振動に対する減衰作用を有するダイナミックダンパが構
    成されたことを特徴とする建設機械におけるキャビンの
    制振装置。
JP1991060794U 1991-08-01 1991-08-01 建設機械におけるキャビンの制振装置 Expired - Lifetime JP2562274Y2 (ja)

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JPH0512363U JPH0512363U (ja) 1993-02-19
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