JP2002138333A - 伸縮性複合仮撚加工糸及びその製造方法並びにその織編物 - Google Patents

伸縮性複合仮撚加工糸及びその製造方法並びにその織編物

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JP2002138333A JP2000328456A JP2000328456A JP2002138333A JP 2002138333 A JP2002138333 A JP 2002138333A JP 2000328456 A JP2000328456 A JP 2000328456A JP 2000328456 A JP2000328456 A JP 2000328456A JP 2002138333 A JP2002138333 A JP 2002138333A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ドライ感、清涼感、シャリ感風合い、適度なス
トレッチ感を有し、且つ自然なスラブ斑感の意匠効果を
織編物に付与することが可能である複合仮撚加工糸及び
その製造方法並びにその織編物を提供する 【解決手段】弾性糸Aを芯糸とし、該糸Aの外側に熱可
塑性マルチフィラメント捲縮糸Bが配置され、糸A、糸
Bの外側に合成繊維フィラメント糸Cが多重に捲き付い
ている多重捲回部と、該糸Cが一重に捲き付いている一
重捲回部が糸長手方向に交互に存在し、以下の条件をみ
たす複合仮撚加工糸及び、一定のドラフト状態で供給さ
れた該糸Aと該糸Bを芯糸とし、流体加工後、仮撚加撚
域に該芯糸から一定距離にあるガイドを介して、該糸C
を該芯糸の周囲にトラバース捲回させる仮撚加工であっ
て、仮撚温度を150〜220℃とする複合仮撚加工糸
の製造方法にある。 15%≦CC≦30% 20%≦CE≦45% (CCは捲縮率、CEは捲縮伸張率を示す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ドライ感、清涼
感、シャリ感風合いを兼ね備えながら、適度なストレッ
チ感を有し、且つ自然なスラブ斑感の意匠効果を織編物
に付与することが可能であり、糸形態安定性に優れた仮
撚加工糸及びその製造方法、並びに該仮撚加工糸を含む
ことで上述の風合いや意匠効果が付与された織編物に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、伸縮性を有する加工糸の製造
方法として、弾性糸との合撚手法や弾性糸を芯糸とした
カバーリング加工糸が知られている。これらはその構造
上均一な伸縮形態であり、単純に布帛に伸縮性のみを得
ることを目的としている。また工程中で被覆糸の糸ズレ
や弾性糸の目ムキが生じやすい欠点や、生産性が低い問
題を有している。
【0003】仮撚手法において、特許第1085653号公
報、特許第1743915号公報では鞘糸に捲縮加工糸
を用い、弾性糸との引揃空気混繊仮撚加工によってスト
レッチ性加工糸を得る製造法が開示されているが、これ
らはその構造上芯部に弾性糸、鞘部に捲縮加工糸が配し
ている2層構造糸であり、スラブ調の意匠効果を与える
物ではない。またエア加工である為、加工糸として弾性
糸の目ムキ発生が生じやすい欠点を持つ。更に特許第1
506830号公報では、芯糸にポリブチレンテレフタ
レート/ポリエチレンテレフタレートコンジュゲート糸
を、鞘糸に高配向未延伸ポリエステル糸を用いて捲縮率
10%以上を有するストレッチ性スパンライク2層構造
加工糸が開示されているがストレッチ感は不充分で、且
つスパン的なスラブ斑感の意匠効果が無く表情感に欠け
たものとなる。また特開平6−316826号公報では
イオン染料に対して可染性と不染性のポリエステルマル
チフィラメントを引揃延伸仮撚する芯糸部に、弾性糸を
配した異色効果のあるヘザー効果を有する伸縮性スパン
ライク加工糸が開示されているが、太細差を有するスラ
ブ調の意匠効果を与える物ではない。
【0004】またシャリ感とスラブ斑的な意匠効果を有する
仮撚スラブ加工手法では特開平11−315438号公
報では、芯糸にポリエチレンテレフタレートコンジュゲ
ートを、鞘糸に熱可塑性繊維や半合成繊維等を用いた仮
撚スラブ加工手法によるストレッチ仮撚スラブ加工糸が
開示されている。これはスラブ斑的な意匠効果に加えて
シャリ感を有するが、捲縮伸張率が10%程度と低いた
め、布帛の規格によってはストレッチ性が低い加工糸と
なる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ドライ感、
清涼感、シャリ感風合いを兼ね備えながら、従来に無い
ストレッチ感を有し、且つ多重巻き付け部であるスラブ
部の繊度斑感のある麻調の意匠効果を織編物に付与する
ことが可能であり、更に糸形態安定性に優れた仮撚加工
糸及びその製造方法、並びに該仮撚加工糸を含むことで
上述の風合いや意匠効果が付与された織編物を提供する
ことを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の要旨は、
弾性糸Aを芯糸とし、該糸Aの外側に熱可塑性マルチフ
ィラメント捲縮糸Bが配置され、更に該糸A、該糸Bの
外側に合成繊維フィラメント糸Cが多重に捲き付いてい
る多重捲回部と、該糸Cが一重に捲き付いている一重捲
回部が糸長手方向に交互に存在し、以下の条件をみたす
複合仮撚加工糸にある。 15%≦CC≦30% 20%≦CE≦45% (CCは捲縮率、CEは捲縮伸張率を示す) また本発明の第2の要旨は、一定のドラフト状態で供給
された弾性糸Aと、熱可塑性マルチフィラメント捲縮糸
Bを引き揃え芯糸とし、流体加工後、仮撚加工を行う際
に、仮撚加撚域に該芯糸から一定距離にあるガイドを介
して、合成繊維フィラメント糸Cをオーバーフィード供
給し、該芯糸の周囲にトラバース捲回させる仮撚加工で
あって、仮撚温度を150〜220℃とすることを特徴
とする複合仮撚加工糸の製造方法にある。
【0007】さらに本発明の第3の要旨は、本発明の複合仮
撚加工糸を含む織編物にある。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
について具体的に説明する。
【0009】本発明の複合仮撚加工糸は、弾性糸Aを芯糸と
し、該糸Aの外側に熱可塑性マルチフィラメント捲縮糸
Bが配置されている。芯糸に弾性糸Aが含まれているた
めストレッチ性が付与され、熱可塑性マルチフィラメン
ト糸が捲縮を有していることから弾性糸Aと熱可塑性マ
ルチフィラメント捲縮糸Bの形態を保ち易く、加工工程
で糸形態が崩れにくくなる。
【0010】さらに本発明では、該糸A、該糸Bの外側に合
成繊維フィラメント糸Cが多重に捲き付いている多重捲
回部と、該糸Cが一重に捲き付いている一重捲回部が糸
長手方向に交互に存在していることが必要であり、多重
捲回部は加工糸としての捲縮形態を保ち、また一重捲回
部は伸縮性に大きく寄与し、捲縮形態とストレッチ性を
兼ね備えた織編物が得られる。尚、多重に捲き付くと
は、芯糸成分の糸の周囲に鞘糸成分の糸が三層以上に重
なり捲き付いた状態をいい、加工安定性や多重捲回部の
糸形態安定性等を考慮すると三層に重なり捲き付いてい
ることがより好ましい。
【0011】また本発明では、捲縮率CCは15%以上30
%以下であることが必要である。15%未満ではふくら
み感が不足し、30%を越える場合には、ふかついた風
合いとなる。
【0012】さらに捲縮伸張率CEはが20%以上45%以
下であることが必要である。20%未満では、ストレッ
チ感が不十分となり、45%を越える場合、合成繊維フ
ィラメント糸Cのたるみが発生し、糸の弛みや布帛での
伸びの戻りが悪い、いわゆる生地のワライが発生する。
ここで捲縮率CC、捲縮伸張率CEはJIS L―10
90の測定方法にて測定した。
【0013】また本発明では、弾性糸としてはポリウレタン
系、ポリエステル系、ポリアミド系等任意の物を使用す
ることができる。
【0014】熱可塑性マルチフィラメント捲縮糸Bに用いら
れる素材は、ポリエステル、ポリアミド等が望ましく、
特にシックアンドシンポリエステル糸、ポリエステル系
コンジュゲートタイプのシックアンドシンポリエステル
糸、イオン染料可染性ポリエステル糸等を用いることが
さらにに望ましい。該糸Bがイオン性染料可染性のポリ
エステルマルチフィラメント糸である場合、合成繊維フ
ィラメント糸Cとの染色性差を強調し、異色染め分け可
能な仮撚スラブ意匠を付与したストレッチ複合仮撚加工
糸を得ることも可能となる。
【0015】合成繊維フィラメント糸Cとしては熱可塑性合
成繊維の他にアセテート等の半合成繊維、レーヨン、キ
ュプラ、ポリ乳酸繊維等の繊維を用いることができる。
特にセルロースアセテートフィラメント糸を用いること
で、適度に吸湿性のある清涼感や好ましいドライ感、更
に良好な発色性を得ることが可能となるため好ましい。
尚、セルロースアセテートフィラメント糸は平均酢化度
48.8%〜56.2%のセルロースジアセテートマル
チフィラメント糸(ジアセテートと略す)、酢化度5
6.2%〜62.5%のセルローストリアセテートマル
チフィラメント糸(トリアセテートと略す)があげられ
る。該セルロースアセテートマルチフィラメント糸がカ
チオン可染性を有する場合、カチオン染色及び分散染色
による染め分けにより更に多色ミックス感の優れた絣杢
調の外観を表現できる。
【0016】上記のように、該糸B、該糸Cの選択より素材
の有する染色特性により、織編物に高次な異色斑感を付
与することが可能である。
【0017】次に本発明の複合仮撚加工糸の製造方法の一例
を図1に示す。
【0018】弾性糸Aを一対の送り出しローラー1と第2供
給ローラー3の間で一定のドラフトをかけ供給する。ド
ラフトとしては2〜5倍がよく、後工程通過性の面で2
〜3.5倍が好ましい。熱可塑性マルチフィラメント捲
縮糸Bは第1供給ローラー2で供給し、該弾性糸Aと引
揃え後、流体ノズル5で流体加工を行う。流体加工ノズ
ルはインターレースノズル、交絡圧力は0.1〜0.5
MPa、オーバーフィード率0.5〜3%、交絡度30
〜100個/m程度が好ましい。
【0019】次に、仮撚ユニット9により加撚されつつ第1
引き取りローラー10に引き取られて走行する混繊され
た該糸A、該糸Bに対して、合成繊維フィラメント糸C
を混繊された該糸A、該糸Bから一定距離にあるガイド
7を介して第3供給ローラー4によってオーバーフィー
ド供給する。該糸Cは、ガイド7を支点として、走行し
ている該糸A、該糸Bの走行方向に対して平行に(図の
矢印で示すように上下に)トラバースしつつ、該糸A、
該糸Bの周囲に多重に捲き付いた多重捲回部と一重に捲
き付いた一重捲回部とを交互に形成する。
【0020】次いで、接触式の第1ヒーター8により加熱固
定されるとともに、仮撚ユニット9を通過後、一重捲回
部は解撚されて仮撚方向と逆方向の撚り形態を呈する
が、多重捲回部は強固に固定されているために加撚時の
形態をそのまま保つ。
【0021】引き続いて第1引き取りローラー10と第2引
き取りローラー12の間で、非接触式の第2ヒーター1
1で熱セット処理を行い、第2引き取りローラーを介し
て、ワインダー13で巻き取る。尚、上述の熱セット処
理は仮撚加工糸の要求される糸特性や加工機の都合によ
り省略しても良い。
【0022】また本発明において、仮撚加撚域で走行する混
繊された該糸A、該糸Bと、該糸Cを供給するガイド7
との距離は特に限定されず、一重捲回部、多重捲回部の
平均長さ或いは加工安定性等を考慮して決定すればよ
い。該仮撚加工糸を含む織編物に風合いや意匠効果をよ
り好適に付与するためには、10〜35cmが好まし
い。
【0023】さらに混繊された該糸A、該糸Bに対する該糸
Cのオーバーフィード供給量は特に限定されるものでは
なく、多重捲回部の安定形成性や仮撚加工安定性等を考
慮して決定すればよく、20〜180%が好ましく、5
0〜120%が更に好ましい。
【0024】尚、本発明の製造方法は、前述の工程以外に
も、第1段階として弾性糸Aと熱可塑性マルチフィラメ
ント捲縮糸Bの流体加工を行い、第2段階として該混繊
糸と合成繊維Cとの複合仮撚加工を行う工程をとっても
問題ない。
【0025】また、各温度条件は該糸Aの耐熱温度や該糸
B、該糸Cの融点、仮撚加熱時間、ヒーター性能、仮撚
数等の諸要因によって適宜決定されるが、弾性糸のスト
レッチ性を生かすためには、仮撚温度を150〜220
℃で行うことが必要である。仮撚温度が150℃未満の
場合、多重捲回部の収束性が低下し、製織製編等の後工
程で多重捲回部のズレ(いわゆるズッコケ)を生じやす
い。220℃を越える場合、弾性糸Aを被覆する熱可塑
性繊維の繊度にもよるが、弾性糸の熱セットが過剰に利
きすぎストレッチ性を喪失する事になる。ストレッチ性
を得るためには200℃以下が好適である。尚、該弾性
糸は160〜240℃の融点且つ200〜900%の伸
度を有する物で、仮撚加工時の際の熱により伸縮性が失
われにくい低熱セット性タイプの弾性糸を用いることが
好ましい。
【0026】また、熱可塑性マルチフィラメント捲縮糸B
は、複屈折率Δnが0.01以上0.09以下の低配向
部分とΔnが0.10以上の高配向部分が繊維長手方向
にランダムに存在し、10〜100mmの長さを有する
該低配向部分が5〜30個/mであるポリエステル太細
マルチフィラメント糸を仮撚加工して得たものを用いる
ことが、選定染料や染色温度によって濃淡差のある仮撚
スラブ意匠を付与したストレッチ複合仮撚加工糸を得る
ことができ望ましい。
【0027】低配向部のΔnが0.01未満の場合、融点が
低く過ぎ、かつ伸度が高い為、仮撚り加工時の加工安定
性が劣りやすく、0.09以上の場合、高配向部との差
が小さくなるため濃淡差が得難くなる。また高配向部分
の△nが0.10未満の場合も低配向部との差が小さく
なる為、濃淡差が得難くなる。
【0028】さらに低配向部分の長さが10mm未満や低配
向部の頻度が5個/m未満の場合濃淡差効果が少なく、
また更に低配向部分の長さが100mm以上や頻度が3
0個を超える場合、濃淡差効果があるが、仮撚り加工時
の加工安定性が低下しやすい。
【0029】また、本発明の複合仮撚加工糸を含む織編物
は、従来に無いストレッチ感を有し、且つ多重巻き付け
部であるスラブ部の麻調の繊度斑感の意匠効果を織編物
に付与することができ、該複合仮撚加工糸の混率並びに
織編組織は目的の風合いや製品外観が得られる範囲で決
定すればよい。
【0030】例えば、該複合仮撚加工糸の単独構成による2
WAYのストレッチ麻調織物や、織物の緯糸にのみ使用
した緯ストレッチ麻調織物があげられる。また他糸との
交編織により該複合仮撚加工糸を一部配列させ麻調の繊
度斑感を有する小シボ調の織編物外観や、サッカー調の
織編物の収縮部に麻調の繊度斑感を有する外観織編物
等、ドライ感、清涼感、シャリ感風合いを兼ね備えなが
ら、従来に無いストレッチ感を有し、且つ自然なスラブ
斑感の意匠効果に優れた特徴を有するものが得られる。
【0031】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を説明する。評
価方法は次に示す方法で行った。
【0032】(複屈折率△n)カネボウエンジ(株)社製分
子配向測定装置DELTA−Nを用いて測定した。
【0033】(糸形態安定性)織編物を形成する際の、加工
糸全体のループ毛羽等の形成、多重捲回部の位置ズレ発
生等を目視にて評価した。
【0034】(布帛評価)得られた複合仮撚加工糸を製編織
し、意匠効果(スラブ斑感)、及び風合い(ストレッチ
感、ドライ感、清涼感、シャリ感)を目視、ハンドリン
グにて評価した。
【0035】(実施例1)図1の装置を用い、弾性糸Aとし
て、ポリウレタン22デシテックスをドラフト率3.5
倍で延伸し、熱可塑性マルチフィラメント捲縮糸Bに
は、56デシテックス24フィラメントのシックアンド
シンポリエステル(複屈折率Δnが0.01以上0.0
9以下の低配向部分とΔnが0.10以上の高配向部分
が繊維長手方向にランダムに存在し、マルチフィラメン
ト糸の長手方向で10〜100mmの低配向部分の頻度
が15個/m)を第1ヒーター仮撚温度180℃、第2
ヒーター仮撚温度180℃、仮撚数3000T/m、仮
撚方向Zの条件にて仮撚加工したシックアンドシンポリ
エステル捲縮糸(65デシテックス24フィラメント)
を用いた。
【0036】該糸A、該糸Bは流体ノズル直前でガイドによ
り集束され、流体ノズルで流体加工を行う。流体加工ノ
ズルはインターレースノズルを使用し、交絡圧力は0.
3MPa、オーバーフィード率2%、交絡度50〜70
個/mであった。
【0037】合成繊維マルチフィラメント糸Cとして、61
デシテックス15フィラメントのトリアセテートを用
い、仮撚数:2500T/m、仮撚方向:Z、第1ヒー
ター温度:170℃、温度第2ヒーターの温度:190
℃、混繊された該糸A、Bのオーバーフィード2%、仮
撚加撚域の混繊された該糸A、Bと該糸Cの供給ガイド
間距離:200mm、仮撚加撚域への該糸Cのオーバー
フィード率:90%、第1引き取りローラーの速度:5
5m/分、第1引き取りローラー〜第2引き取りローラ
ー間のオーバーフィード率:6%の条件で仮撚加工を行
って、本発明の仮撚加工糸を得た。
【0038】得られた仮撚加工糸は、弾性糸Aを芯糸とし、
該糸Aの外側に熱可塑性マルチフィラメント捲縮糸Bが
配置され、更に糸A、糸Bの外側に合成繊維フィラメン
ト糸Cが多重に捲き付いている多重捲回部と、一重に捲
き付いている一重捲回部が糸長手方向に交互に形成され
る加工糸形態を呈し、従来にないストレッチを有した麻
調複合仮撚加工糸であった。
【0039】ループ毛羽等の形成、多重捲回部の位置ズレの
発生等は認められず、加工糸の糸形態安定性は良好なも
のであった。
【0040】この複合仮撚加工糸を用いて、経糸に経糸規格
120本/3.75cm(寸)、緯糸規格80本/3.
75cm(寸)のマット組織で製織した。後工程通過性
には問題なく、本織物を精練、リラックス処理の後、以
下の条件で染色して評価を行った。 染料 分散染料(Dystar(株)社製) Dianix NTA−N Blue 0.12%owf Dianix NTA−N Red 0.12%owf Dianix NTA−NYellow 0.25%owf 染色条件 120℃×60分 得られた織物は、従来にないストレッチ及びキックバッ
ク性を有し、ドライ感、清涼感、シャリ感風合いを兼ね
備え、且つ自然なスラブ斑感の意匠効果に優れた麻調特
徴を有する織物であった。
【0041】評価結果を表1に示した。
【0042】(実施例2)熱可塑性マルチフィラメント捲縮
糸Bに、ジメチルスルフォキシド2.3mol%共重合
した84デシテックス24フィラメントカチオン染料可
染性ポリエステルフィラメントを用い、第1ヒーター仮
撚温度180℃、仮撚数2800T/m、仮撚方向Zの
条件にて捲縮加工した、イオン性染料可染性のポリエス
テルマルチフィラメント捲縮糸(87デシテックス24
フィラメント)を用いた以外、実施例1と同様にして本
発明の複合仮撚加工糸を得た。
【0043】得られた複合仮撚加工糸は、弾性糸Aを芯糸と
し、該糸Aの外側に熱可塑性マルチフィラメント捲縮糸
Bが配置され、更に糸A、糸Bの外側に合成繊維フィラ
メント糸Cが間欠的に多重に捲き付いている多重捲回部
と、一重に捲き付いている一重捲回部が糸長手方向に交
互に形成される加工糸形態を呈し、従来にないストレッ
チを有した麻調複合仮撚加工糸であった。
【0044】ループ毛羽等の形成、多重捲回部の位置ズレの
発生等は認められず、加工糸の糸形態安定性は良好なも
のであった。
【0045】この複合仮撚加工糸を実施例1と同様に織物を
作成し、以下の染色条件で評価を行った。 染料 分散染料 Dianix NTA−N Blue 0.
30%wof カチオン染料AizenBLACK R−10DP(保
土谷化学工業(株)社製)3.0%wof 染色条件 120℃×60分、 得られた織物は、従来にないストレッチ及びキックバッ
ク性を有し、ドライ感、清涼感、シャリ感風合いを兼ね
備え、カチオン染料可染性繊維をカチオン性染料によっ
て濃色に、多重捲回部に存在するトリアセテート糸を分
散染料にて淡色に染色する事で染色性差を強調し異色染
め分けする事で、スラブ斑感の意匠効果を強調した優れ
たストレッチ性の麻調特徴を有する織物であった。
【0046】評価結果を表1に示した。
【0047】(比較例1)図1の装置を用い、弾性糸A及
び、流体ノズルを使用せず、熱可塑性マルチフィラメン
ト捲縮糸Bのみ芯糸として使用した。該糸Bとしては8
4デシテックス36フィラメントのシックアンドシンポ
リエステルを用いた以外、実施例1と同様に仮撚加工を
行って複合仮撚加工糸を得た。
【0048】この複合仮撚加工糸を実施例1と同様に織物と
して評価を行った。該織物は多重捲回部と、一重捲回部
が糸長手方向に交互に形成されている太細の斑感と、濃
淡差を有するドライで清涼感を有する麻調スラブ織物で
あったが、織物としてのストレッチ感は充分ではなかっ
た。
【0049】評価結果を表1に示した。
【0050】(比較例2)図1の装置を用い、弾性糸A及
び、流体ノズルを使用せず、熱可塑性マルチフィラメン
ト捲縮糸Bのみ芯糸として使用した。該糸Bとしては5
6デシテックス12フィラメントのサイドバイサイド型
コンジュゲートポリエステルを用いた以外、実施例1と
同様に仮撚加工を行って複合仮撚加工糸を得た。
【0051】この複合仮撚加工糸を実施例1と同様に織物と
して評価を行った。該織物は多重捲回部と、一重捲回部
が糸長手方向に交互に形成されている太細の斑感と、ス
トレッチ感を若干有するドライで清涼感を有する麻調ス
ラブ織物であったが、織物としてのストレッチ感は充分
ではなかった。
【0052】評価結果を表1に示した。
【0053】
【表1】
【0054】
【発明の効果】本発明は、ドライ感、清涼感、シャリ感
風合いを兼ね備えながら、従来に無いストレッチ感を有
し、且つ多重巻き付け部であるスラブ部の繊度斑感の有
る麻調の意匠効果を織編物に付与することが可能であ
り、本発明の仮撚加工糸の製造方法によれば、糸形態安
定性に優れた複合仮撚加工糸が得られ、該複合仮撚加工
糸を含むことで上述の風合いや意匠効果が付与された織
編物が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の仮撚加工糸の製造装置の一例図であ
る。
【符号の説明】
A 弾性糸 B 熱可塑性マルチフィラメント捲縮糸 C 合成繊維マルチフィラメント糸 1 送り出しローラー 2 第1供給ローラー 3 第2供給ローラー 4 第3供給ローラー 5 流体ノズル 6 ガイド 7 ガイド 8 第1ヒーター 9 仮撚ユニット 10 第1引き取りローラー 11 第2ヒーター 12 第2引き取りローラー 13 ワインダー
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D02G 3/36 D02G 3/36 3/38 3/38 D03D 15/00 D03D 15/00 C D J 15/08 15/08 D04B 1/16 D04B 1/16 1/20 1/20 21/00 21/00 B Fターム(参考) 4L002 AA05 AA07 AB02 AB04 AC01 AC06 EA00 EA06 4L036 MA04 MA05 MA33 MA39 PA05 PA18 PA39 PA41 PA45 PA47 RA24 RA25 RA27 RA28 UA01 UA07 UA12 4L048 AA13 AA21 AA26 AA36 AB07 AB17 AB21 AB23 AB24 AC06 AC12 CA00 CA04 CA22 DA01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弾性糸Aを芯糸とし、該糸Aの外側に熱
    可塑性マルチフィラメント捲縮糸Bが配置され、更に該
    糸A、該糸Bの外側に合成繊維フィラメント糸Cが多重
    に捲き付いている多重捲回部と、該糸Cが一重に捲き付
    いている一重捲回部が糸長手方向に交互に存在し、以下
    の条件をみたす複合仮撚加工糸。 15%≦CC≦30% 20%≦CE≦45% (CCは捲縮率、CEは捲縮伸張率を示す)
  2. 【請求項2】 熱可塑性マルチフィラメント捲縮糸B
    が、イオン染料可染性のポリエステルマルチフィラメン
    ト糸である請求項1記載の複合仮撚加工糸。
  3. 【請求項3】 合成繊維フィラメント糸Cが、アセテー
    トフィラメント糸である請求項1〜2いずれかに記載の
    複合仮撚加工糸。
  4. 【請求項4】 一定のドラフト状態で供給された弾性糸
    Aと、熱可塑性マルチフィラメント捲縮糸Bを引き揃え
    芯糸とし、流体加工後、仮撚加工を行う際に、仮撚加撚
    域に該芯糸から一定距離にあるガイドを介して、合成繊
    維フィラメント糸Cをオーバーフィード供給し、該芯糸
    の周囲にトラバース捲回させる仮撚加工であって、仮撚
    温度を150〜220℃とすることを特徴とする複合仮
    撚加工糸の製造方法。
  5. 【請求項5】 熱可塑性マルチフィラメント捲縮糸B
    が、複屈折率Δn0.01以上0.09以下の低配向部
    分と、Δn0.10以上の高配向部分が繊維長手方向に
    ランダムに存在し、10〜100mmの長さを有する該
    低配向部分が5〜30個/mであるポリエステル太細マ
    ルチフィラメント糸を仮撚加工して得た捲縮糸である請
    求項4記載の複合仮撚加工糸の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜3いずれかに記載の複合仮撚
    加工糸を含む織編物。
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