JP2732793B2 - 不均一複合加工糸及びその製造方法 - Google Patents
不均一複合加工糸及びその製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自然なムラ感を持つ不均
一複合加工糸とその製造方法に関する。
一複合加工糸とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から熱可塑性合成繊維マルチフィラ
メント糸を用いて紡績糸様の外観と嵩高性を付与した糸
条を仮撚加工法によって製造することは知られている。
メント糸を用いて紡績糸様の外観と嵩高性を付与した糸
条を仮撚加工法によって製造することは知られている。
【0003】その代表的なものとして特公昭60−70
50号公報、特公昭60−11130号公報などがあげ
られる。これらの製造方法によって得られた仮撚複合糸
は、いずれも半延伸糸の伸度が異なる糸条を引き揃え、
延伸同時仮撚を施して芯糸の回りに鞘糸を交互撚糸状に
巻き付かせて紡績糸様の外観を付与しようとしたもので
ある。そしてこのようにして得られた仮撚複合糸は、紡
績糸様の外観として比較的大きな嵩高性と濃色に染色で
きるという特徴がある。また特公昭57−38696号
公報にはポリエステルの半延伸糸を予備延伸した直後に
この糸条を他の糸条と同時仮撚し、種々の杢模様の複合
糸を製造することが開示されている。
50号公報、特公昭60−11130号公報などがあげ
られる。これらの製造方法によって得られた仮撚複合糸
は、いずれも半延伸糸の伸度が異なる糸条を引き揃え、
延伸同時仮撚を施して芯糸の回りに鞘糸を交互撚糸状に
巻き付かせて紡績糸様の外観を付与しようとしたもので
ある。そしてこのようにして得られた仮撚複合糸は、紡
績糸様の外観として比較的大きな嵩高性と濃色に染色で
きるという特徴がある。また特公昭57−38696号
公報にはポリエステルの半延伸糸を予備延伸した直後に
この糸条を他の糸条と同時仮撚し、種々の杢模様の複合
糸を製造することが開示されている。
【0004】ここに示されている複合加工糸は、ポリエ
ステルの半延伸を所定の延伸条件で延伸し、直ちに他の
糸条と同時仮撚することにより両糸条の物性差に基づく
染着差によって杢糸調の複合糸が得られる。このよう
に、従来の特公昭60−7050号公報、特公昭60−
11130号公報の発明は、半延伸糸を延伸同時仮撚す
ることにより両糸条の物性差に基づく染着差によって杢
糸調の複合糸を得るものである。
ステルの半延伸を所定の延伸条件で延伸し、直ちに他の
糸条と同時仮撚することにより両糸条の物性差に基づく
染着差によって杢糸調の複合糸が得られる。このよう
に、従来の特公昭60−7050号公報、特公昭60−
11130号公報の発明は、半延伸糸を延伸同時仮撚す
ることにより両糸条の物性差に基づく染着差によって杢
糸調の複合糸を得るものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
特公昭60−7050公報、特公昭60−11130号
公報の発明は半延伸を延伸同時仮撚する関係上、これら
の糸条を用いた織物、編物はソフトであるが、腰がな
く、また均一様な加工糸しか得られないという問題があ
った。
特公昭60−7050公報、特公昭60−11130号
公報の発明は半延伸を延伸同時仮撚する関係上、これら
の糸条を用いた織物、編物はソフトであるが、腰がな
く、また均一様な加工糸しか得られないという問題があ
った。
【0006】本発明は、前記従来技術の課題を解決する
ため、ソフトでかつ腰があり梳毛調の風合で、更に自然
なムラ感を持つ不均一複合加工糸及びその製造方法を提
供することを目的とする。
ため、ソフトでかつ腰があり梳毛調の風合で、更に自然
なムラ感を持つ不均一複合加工糸及びその製造方法を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の不均一複合加工糸は、少なくとも2種の熱
可塑性合成繊維マルチフィラメント糸A成分糸とB成分
糸からなる芯鞘構造を持つ仮撚複合糸であって、芯部を
占めるA成分糸と鞘部を占めるB成分糸とが部分的に交
絡されており、更にA成分糸とB成分糸の糸長差が15
%以上30%以下であり、糸の長手方向に、太さムラま
たは染色ムラによる不均一なムラを持ち、かつA成分糸
は濃染で太い部分(X)と淡染で細い部分(Y)が糸の
長さ方向に混在しその比率X/(X+Y)×100が2
0%以上50%以下であることを特徴とする。
め、本発明の不均一複合加工糸は、少なくとも2種の熱
可塑性合成繊維マルチフィラメント糸A成分糸とB成分
糸からなる芯鞘構造を持つ仮撚複合糸であって、芯部を
占めるA成分糸と鞘部を占めるB成分糸とが部分的に交
絡されており、更にA成分糸とB成分糸の糸長差が15
%以上30%以下であり、糸の長手方向に、太さムラま
たは染色ムラによる不均一なムラを持ち、かつA成分糸
は濃染で太い部分(X)と淡染で細い部分(Y)が糸の
長さ方向に混在しその比率X/(X+Y)×100が2
0%以上50%以下であることを特徴とする。
【0008】前記構成においては、芯部と鞘部が一部交
絡しており、その交絡数が20〜60ケ/mであること
が好ましい。さらに好ましい交絡数は、30〜50ケ/
mである。
絡しており、その交絡数が20〜60ケ/mであること
が好ましい。さらに好ましい交絡数は、30〜50ケ/
mである。
【0009】また前記構成においては、芯部の繊維と鞘
部の繊維の繊度比率が、芯/鞘で0.8以上1.2以下
であることが好ましい。
部の繊維の繊度比率が、芯/鞘で0.8以上1.2以下
であることが好ましい。
【0010】次に本発明の第1番目の製造方法は、芯部
を占める下記のA成分糸と、鞘部を占める下記のB成分
糸を引き揃えて仮撚加工領域に供給して仮撚複合糸を製
造する方法であって、少なくとも30ケ/mの交絡を付
与し、次いでオーバーフィード率0〜−18%の範囲で
仮撚加工することを特徴とする。 A成分糸:複屈折率Δnが30〜70×10-3(X)の
部分とΔnが120〜160×10-3(Y)が糸の長さ
方向に混在し、その比率X/(X+Y)×100が20
%以上から50%以下であるポリエステル系フィランメ
ント糸。 B成分糸:複屈折率Δnが20〜80×10-3からなる
ポリエステル系フィランメント糸。
を占める下記のA成分糸と、鞘部を占める下記のB成分
糸を引き揃えて仮撚加工領域に供給して仮撚複合糸を製
造する方法であって、少なくとも30ケ/mの交絡を付
与し、次いでオーバーフィード率0〜−18%の範囲で
仮撚加工することを特徴とする。 A成分糸:複屈折率Δnが30〜70×10-3(X)の
部分とΔnが120〜160×10-3(Y)が糸の長さ
方向に混在し、その比率X/(X+Y)×100が20
%以上から50%以下であるポリエステル系フィランメ
ント糸。 B成分糸:複屈折率Δnが20〜80×10-3からなる
ポリエステル系フィランメント糸。
【0011】次に本発明の第2番目の製造方法は、複屈
折率Δnが20〜80×10-3の熱可塑性合成繊維マル
チフィラメントを連続的に延伸し、Δnが30〜70×
10 -3(X)の部分とΔnが120〜160×10
-3(Y)が糸の長さ方向に混在し、その比率X/(X+
Y)×100が20%以上50%以下となるフィランメ
ント糸を芯糸にして、複屈折率Δnが20〜80×10
-3からなるポリエステル系フィランメント糸であるB成
分糸と引き揃えて少なくとも30ケ/mの交絡を付与
し、次いでオーバーフィード率0〜−18%の範囲で仮
撚加工することを特徴とする。
折率Δnが20〜80×10-3の熱可塑性合成繊維マル
チフィラメントを連続的に延伸し、Δnが30〜70×
10 -3(X)の部分とΔnが120〜160×10
-3(Y)が糸の長さ方向に混在し、その比率X/(X+
Y)×100が20%以上50%以下となるフィランメ
ント糸を芯糸にして、複屈折率Δnが20〜80×10
-3からなるポリエステル系フィランメント糸であるB成
分糸と引き揃えて少なくとも30ケ/mの交絡を付与
し、次いでオーバーフィード率0〜−18%の範囲で仮
撚加工することを特徴とする。
【0012】前記構成において、好ましくはA成分の複
屈折率△nが20〜60×10-3の部分と120〜17
0×10-3であることにより、自然なムラ感のある糸が
実現できる。この時B成分糸に塩基性可染タイプの5−
ナトリウムスルホイソフタル酸成分を約2.4モル%共
重合したポリエチレンテレフタレートを用いてもよい。
屈折率△nが20〜60×10-3の部分と120〜17
0×10-3であることにより、自然なムラ感のある糸が
実現できる。この時B成分糸に塩基性可染タイプの5−
ナトリウムスルホイソフタル酸成分を約2.4モル%共
重合したポリエチレンテレフタレートを用いてもよい。
【0013】また、A成分糸とB成分糸の糸長差が15
%〜30%となることが好ましいが、より梳毛調を表現
するためとくに好ましくは25%〜30%である。
%〜30%となることが好ましいが、より梳毛調を表現
するためとくに好ましくは25%〜30%である。
【0014】
【作用】前記本発明の構成によれば、芯部を占めるA成
分糸と鞘部を占めるB成分糸とが部分的に交絡されてお
り、更にA成分糸とB成分糸の糸長差が15%以上30
%以下であり、糸の長手方向に不均一なムラを持ち、か
つA成分糸は濃染で太い部分(X)と淡染で細い部分
(Y)が糸の長さ方向に混在しその比率X/(X+Y)
×100が20%以上50%以下であることにより、ソ
フトでかつ腰があり梳毛調の風合で、かつ自然なムラ感
を持つ不均一複合加工糸を実現できる。
分糸と鞘部を占めるB成分糸とが部分的に交絡されてお
り、更にA成分糸とB成分糸の糸長差が15%以上30
%以下であり、糸の長手方向に不均一なムラを持ち、か
つA成分糸は濃染で太い部分(X)と淡染で細い部分
(Y)が糸の長さ方向に混在しその比率X/(X+Y)
×100が20%以上50%以下であることにより、ソ
フトでかつ腰があり梳毛調の風合で、かつ自然なムラ感
を持つ不均一複合加工糸を実現できる。
【0015】前記において、芯部と鞘部が一部交絡して
おり、その交絡数が20〜60ケ/mであるという本発
明の好ましい構成によれば、糸条として一体性に優れる
とともにソフトでかつ腰があり梳毛調の風合を出せる。
さらに好ましい交絡数は、30〜50ケ/mである。
おり、その交絡数が20〜60ケ/mであるという本発
明の好ましい構成によれば、糸条として一体性に優れる
とともにソフトでかつ腰があり梳毛調の風合を出せる。
さらに好ましい交絡数は、30〜50ケ/mである。
【0016】また前記において、芯部の繊維と鞘部の繊
維の繊度比率が、芯/鞘で0.8以上1.2以下である
という本発明の好ましい構成によれば、さらにソフトで
かつ腰があり梳毛調の風合で、かつ自然なムラ感を持つ
ものとなる。
維の繊度比率が、芯/鞘で0.8以上1.2以下である
という本発明の好ましい構成によれば、さらにソフトで
かつ腰があり梳毛調の風合で、かつ自然なムラ感を持つ
ものとなる。
【0017】また前記において、長手方向の不均一なム
ラが、太さムラまたは染色ムラであるという本発明の好
ましい構成によれば、さらに優れた自然なムラ感を発現
できる。
ラが、太さムラまたは染色ムラであるという本発明の好
ましい構成によれば、さらに優れた自然なムラ感を発現
できる。
【0018】次に本発明の第1番目の製造方法の構成に
よれば、先交絡−仮撚加工方法により、ソフトでかつ腰
があり梳毛調の風合で、かつ自然なムラ感を持つ不均一
複合加工糸を効率よく合理的に製造できる。
よれば、先交絡−仮撚加工方法により、ソフトでかつ腰
があり梳毛調の風合で、かつ自然なムラ感を持つ不均一
複合加工糸を効率よく合理的に製造できる。
【0019】次に本発明の第2番目の製造方法の構成に
よれば、延伸−先交絡−仮撚加工方法により、ソフトで
かつ腰があり梳毛調の風合で、かつ自然なムラ感を持つ
不均一複合加工糸を効率よく合理的に製造できる。
よれば、延伸−先交絡−仮撚加工方法により、ソフトで
かつ腰があり梳毛調の風合で、かつ自然なムラ感を持つ
不均一複合加工糸を効率よく合理的に製造できる。
【0020】
【実施例】以下実施例を用いて本発明をさらに具体的に
説明する。図1は本発明の一実施例の不均一複合加工糸
の糸形態を示す概略的外観図である。図1において、1
は開繊部、2は芯糸部、3は鞘糸部、4は交絡部を示
す。そして、芯糸部2は実質的な主成分がA成分糸で占
められ、鞘糸部3は実質的な主成分がB成分糸で占めら
れる。また芯糸部2を占めるA成分糸と、鞘糸部3を占
めるB成分糸とが部分的にかつ間欠的に交絡されてお
り、その好ましい交絡数は20〜60ケ/mである。更
に芯糸部2を占めるA成分糸と、鞘糸部3を占めるB成
分糸の糸長差が15%以上30%以下である。また糸の
長手方向に不均一なムラを持ち、かつ芯糸部を占めるA
成分糸は濃染で太い部分(X)と淡染で細い部分(Y)
が糸の長さ方向に混在しその比率X/(X+Y)×10
0が20%以上50%以下である。
説明する。図1は本発明の一実施例の不均一複合加工糸
の糸形態を示す概略的外観図である。図1において、1
は開繊部、2は芯糸部、3は鞘糸部、4は交絡部を示
す。そして、芯糸部2は実質的な主成分がA成分糸で占
められ、鞘糸部3は実質的な主成分がB成分糸で占めら
れる。また芯糸部2を占めるA成分糸と、鞘糸部3を占
めるB成分糸とが部分的にかつ間欠的に交絡されてお
り、その好ましい交絡数は20〜60ケ/mである。更
に芯糸部2を占めるA成分糸と、鞘糸部3を占めるB成
分糸の糸長差が15%以上30%以下である。また糸の
長手方向に不均一なムラを持ち、かつ芯糸部を占めるA
成分糸は濃染で太い部分(X)と淡染で細い部分(Y)
が糸の長さ方向に混在しその比率X/(X+Y)×10
0が20%以上50%以下である。
【0021】次に図2は本発明の第2番目の製造方法の
一実施例を示す延伸−先交絡−仮撚加工方法のプロセス
図である。半延伸糸(POY)パッケージからA成分糸
を引き出し、フィード・ローラー7,7´とフィード・
ローラー9,9´との間で延伸する。8は熱延伸のため
の加熱装置であり、5は延伸加工領域である。加熱装置
8とフィード・ローラー9,9´との間で、半延伸糸
(POY)パッケージから引き出したB成分糸を前記A
成分糸に合糸する。次に空気交絡装置15を用いてA成
分糸とB成分糸とを交絡加工する。交絡数は、少なくと
も30ケ/mとする。次にフィード・ローラー10,10´
とフィード・ローラー13,13´との間で熱固定装置11と
摩擦仮撚装置12を用いてオーバーフィード率0〜−18
%の範囲で仮撚加工を行う。6は仮撚加工領域である。
得られた複合仮撚加工糸を巻取装置14で巻き取る。ここ
でA成分糸として、複屈折率Δnが20〜80×10-3
の熱可塑性合成繊維マルチフィラメントを用い、Δnが
30〜70×10-3(X)の部分とΔnが120〜16
0×10-3(Y)が糸の長さ方向に混在し、その比率X
/(X+Y)×100が20%以上50%以下となるよ
うに連続的に延伸する。そしてA成分糸を芯糸にして、
複屈折率Δnが20〜80×10-3からなるポリエステ
ル系フィランメント糸であるB成分糸と引き揃えて少な
くとも30ケ/mの交絡を付与し、次いでオーバーフィ
ード率0〜−18%の範囲で仮撚加工する。 次に図3
は、予め別工程でA成分糸を作成しておき、それをB成
分糸を引き揃えて仮撚加工領域に供給して仮撚複合糸を
製造する方法の一実施例のプロセス図である。ここで、
A成分糸として、複屈折率Δnが30〜70×10
-3(X)の部分とΔnが120〜160×10-3(Y)
が糸の長さ方向に混在し、その比率X/(X+Y)×1
00が20%以上から50%以下であるポリエステル系
フィランメント糸を用い、B成分糸として、複屈折率Δ
nが20〜80×10-3からなるポリエステル系フィラ
ンメント糸を用いる。そして、少なくとも30ケ/m
(好ましくは30〜50ケ/m)の交絡を付与し次いで
オーバーフィード率0%〜−18%の範囲で仮撚加工す
る。
一実施例を示す延伸−先交絡−仮撚加工方法のプロセス
図である。半延伸糸(POY)パッケージからA成分糸
を引き出し、フィード・ローラー7,7´とフィード・
ローラー9,9´との間で延伸する。8は熱延伸のため
の加熱装置であり、5は延伸加工領域である。加熱装置
8とフィード・ローラー9,9´との間で、半延伸糸
(POY)パッケージから引き出したB成分糸を前記A
成分糸に合糸する。次に空気交絡装置15を用いてA成
分糸とB成分糸とを交絡加工する。交絡数は、少なくと
も30ケ/mとする。次にフィード・ローラー10,10´
とフィード・ローラー13,13´との間で熱固定装置11と
摩擦仮撚装置12を用いてオーバーフィード率0〜−18
%の範囲で仮撚加工を行う。6は仮撚加工領域である。
得られた複合仮撚加工糸を巻取装置14で巻き取る。ここ
でA成分糸として、複屈折率Δnが20〜80×10-3
の熱可塑性合成繊維マルチフィラメントを用い、Δnが
30〜70×10-3(X)の部分とΔnが120〜16
0×10-3(Y)が糸の長さ方向に混在し、その比率X
/(X+Y)×100が20%以上50%以下となるよ
うに連続的に延伸する。そしてA成分糸を芯糸にして、
複屈折率Δnが20〜80×10-3からなるポリエステ
ル系フィランメント糸であるB成分糸と引き揃えて少な
くとも30ケ/mの交絡を付与し、次いでオーバーフィ
ード率0〜−18%の範囲で仮撚加工する。 次に図3
は、予め別工程でA成分糸を作成しておき、それをB成
分糸を引き揃えて仮撚加工領域に供給して仮撚複合糸を
製造する方法の一実施例のプロセス図である。ここで、
A成分糸として、複屈折率Δnが30〜70×10
-3(X)の部分とΔnが120〜160×10-3(Y)
が糸の長さ方向に混在し、その比率X/(X+Y)×1
00が20%以上から50%以下であるポリエステル系
フィランメント糸を用い、B成分糸として、複屈折率Δ
nが20〜80×10-3からなるポリエステル系フィラ
ンメント糸を用いる。そして、少なくとも30ケ/m
(好ましくは30〜50ケ/m)の交絡を付与し次いで
オーバーフィード率0%〜−18%の範囲で仮撚加工す
る。
【0022】以下具体的実施例を説明する。 (実施例1)紡糸速度3000m/minで巻取った1
25デニール24フィラメントのポリエチレンテレフタ
レート半延伸糸(A成分糸)と紡糸速度3000m/m
inで巻き取った80デニール36フィラメントのポリ
エチレンテレフタレート半延伸糸(POY)(B成分
糸)を図2に示した装置を用いて延伸と同時に先交絡及
び延伸仮撚加工を行なった。主な条件は次の通りであ
る。 (1)フィード・ローラー7,7´とフィード・ローラ
ー9,9´との間の延伸倍率:1.2〜1.5倍 (2)熱延伸のための加熱装置8の温度:80〜120
℃ (3)熱固定装置11の長さ:2m (4)熱固定装置11の温度:200℃ (5)仮撚装置7:3軸外接型摩擦仮撚装置ウレタンゴ
ム系8枚装着、D/Y比(ティスクの周速/糸速度):
2.0〜2.5 (6)先交絡フィード率:3% (7)仮撚加工領域のオーバーフィード率:−12% (8)加工スピード(巻き取り速度):200m/分 上記条件をもとに延伸条件を種々変化させ延伸の比率と
風合、自然感の関係を測定した結果を表1に示す。
25デニール24フィラメントのポリエチレンテレフタ
レート半延伸糸(A成分糸)と紡糸速度3000m/m
inで巻き取った80デニール36フィラメントのポリ
エチレンテレフタレート半延伸糸(POY)(B成分
糸)を図2に示した装置を用いて延伸と同時に先交絡及
び延伸仮撚加工を行なった。主な条件は次の通りであ
る。 (1)フィード・ローラー7,7´とフィード・ローラ
ー9,9´との間の延伸倍率:1.2〜1.5倍 (2)熱延伸のための加熱装置8の温度:80〜120
℃ (3)熱固定装置11の長さ:2m (4)熱固定装置11の温度:200℃ (5)仮撚装置7:3軸外接型摩擦仮撚装置ウレタンゴ
ム系8枚装着、D/Y比(ティスクの周速/糸速度):
2.0〜2.5 (6)先交絡フィード率:3% (7)仮撚加工領域のオーバーフィード率:−12% (8)加工スピード(巻き取り速度):200m/分 上記条件をもとに延伸条件を種々変化させ延伸の比率と
風合、自然感の関係を測定した結果を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】A成分系として表1の水準で作成し、B成
分系と引き揃えた後先交絡を行ない延伸仮撚加工を行な
った結果、梳毛感及び自然感でサンプルNo.3と4が
良好であった。その時のA成分糸は複屈折率△nが30
〜70×10-3(X)の部分と△nが120〜160×
10-3(Y)が糸の長さ方向に混在し、その比率X/
(X+Y)×100が20%から50%が良好であっ
た。また交絡数は平均40ケ/mであり、収束性に優れ
ていた。
分系と引き揃えた後先交絡を行ない延伸仮撚加工を行な
った結果、梳毛感及び自然感でサンプルNo.3と4が
良好であった。その時のA成分糸は複屈折率△nが30
〜70×10-3(X)の部分と△nが120〜160×
10-3(Y)が糸の長さ方向に混在し、その比率X/
(X+Y)×100が20%から50%が良好であっ
た。また交絡数は平均40ケ/mであり、収束性に優れ
ていた。
【0025】(実施例2)実施例1の延伸を別工程で行
ない予めA成分糸(複屈折率△nが30〜70×10-3
(X)の部分と△nが120〜160×10-3(Y)の
部分が糸の長さ方向に混在し、その比率X/(X+Y)
×100が20%から50%のポリエステル系フィラメ
ント)を準備し3図に示した装置を用いてB成分糸と先
交絡及び仮撚加工を行なった。使用原糸は、A成分糸:
85デニール−36フィラメント糸(予め別で主で延
伸)、B成分糸:85デニール36フィラメント糸(3
000m/min紡糸POY)であった。主な製造条件
は実施例1と同様とした。
ない予めA成分糸(複屈折率△nが30〜70×10-3
(X)の部分と△nが120〜160×10-3(Y)の
部分が糸の長さ方向に混在し、その比率X/(X+Y)
×100が20%から50%のポリエステル系フィラメ
ント)を準備し3図に示した装置を用いてB成分糸と先
交絡及び仮撚加工を行なった。使用原糸は、A成分糸:
85デニール−36フィラメント糸(予め別で主で延
伸)、B成分糸:85デニール36フィラメント糸(3
000m/min紡糸POY)であった。主な製造条件
は実施例1と同様とした。
【0026】得られた複合加工糸はA成分糸とB成分糸
が40ケ/mの交絡を有すると共に糸長差26%であ
り、糸の長手方向にムラ感を有する梳毛調複合加工糸で
あった。またその芯鞘の糸長さを15%〜30%とした
糸を作成し、織編物を作成すると、自然なムラ感のある
梳毛調の風合の布帛を作成することができた。
が40ケ/mの交絡を有すると共に糸長差26%であ
り、糸の長手方向にムラ感を有する梳毛調複合加工糸で
あった。またその芯鞘の糸長さを15%〜30%とした
糸を作成し、織編物を作成すると、自然なムラ感のある
梳毛調の風合の布帛を作成することができた。
【0027】
【発明の効果】以上の説明の通り本発明によれば、芯部
を占めるA成分糸と鞘部を占めるB成分糸とが部分的に
交絡されており、更にA成分糸とB成分糸の糸長差が1
5%以上30%以下であり、糸の長手方向に不均一なム
ラを持ち、かつA成分糸は濃染で太い部分(X)と淡染
で細い部分(Y)が糸の長さ方向に混在しその比率X/
(X+Y)×100が20%以上50%以下であること
により、ソフトでかつ腰があり梳毛調の風合で、かつ自
然なムラ感を持つ不均一複合加工糸を実現できる。
を占めるA成分糸と鞘部を占めるB成分糸とが部分的に
交絡されており、更にA成分糸とB成分糸の糸長差が1
5%以上30%以下であり、糸の長手方向に不均一なム
ラを持ち、かつA成分糸は濃染で太い部分(X)と淡染
で細い部分(Y)が糸の長さ方向に混在しその比率X/
(X+Y)×100が20%以上50%以下であること
により、ソフトでかつ腰があり梳毛調の風合で、かつ自
然なムラ感を持つ不均一複合加工糸を実現できる。
【0028】また本発明の第1番目の製造方法によれ
ば、先交絡−仮撚加工方法により、ソフトでかつ腰があ
り梳毛調の風合で、かつ自然なムラ感を持つ不均一複合
加工糸を効率よく合理的に製造できる。
ば、先交絡−仮撚加工方法により、ソフトでかつ腰があ
り梳毛調の風合で、かつ自然なムラ感を持つ不均一複合
加工糸を効率よく合理的に製造できる。
【0029】また本発明の第2番目の製造方法によれ
ば、延伸−先交絡−仮撚加工方法により、ソフトでかつ
腰があり梳毛調の風合で、かつ自然なムラ感を持つ不均
一複合加工糸を効率よく合理的に製造できる。
ば、延伸−先交絡−仮撚加工方法により、ソフトでかつ
腰があり梳毛調の風合で、かつ自然なムラ感を持つ不均
一複合加工糸を効率よく合理的に製造できる。
【図1】本発明の一実施例の糸形態を示す拡大図。
【図2】本発明の一実施例の延伸一連複合加工プロセス
図。
図。
【図3】本発明の別の実施例の複合加工プロセス図。
【符号の説明】 1:開繊部 2:芯糸部 3:鞘糸部 4:交絡部 5:延伸加工領域 6:仮撚加工領域 7,7´:フィード・ローラー 8:加熱装置 9,9´:フィード・ローラー 10,10´:フィード・ローラー 11:熱固定装置 12:摩擦仮撚装置 13,13´:フィード・ローラー 14:巻取装置 15:空気交絡装置 A:半延伸糸(POY)パッケージ B:半延伸糸(POY)パッケージ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中川 清 愛知県中島郡平和町上三宅1丁目1番 東レ・テキスタイル株式会社本社東海事 業場内 (56)参考文献 特開 平2−175935(JP,A) 特開 昭59−116435(JP,A) 特開 平1−132845(JP,A)
Claims (5)
- 【請求項1】 少なくとも2種の熱可塑性合成繊維マル
チフィラメント糸A成分糸とB成分糸からなる芯鞘構造
を持つ仮撚複合糸であって、芯部を占めるA成分糸と鞘
部を占めるB成分糸とが部分的に交絡されており、更に
A成分糸とB成分糸の糸長差が15%以上30%以下で
あり、糸の長手方向に、太さムラまたは染色ムラによる
不均一なムラを持ち、かつA成分糸は濃染で太い部分
(X)と淡染で細い部分(Y)が糸の長さ方向に混在し
その比率X/(X+Y)×100が20%以上50%以
下であることを特徴とする不均一複合加工糸。 - 【請求項2】 芯部と鞘部が一部交絡しており、その交
絡数が20〜60ケ/mである請求項1に記載の不均一
複合加工糸。 - 【請求項3】 芯部の繊維と鞘部の繊維の繊度比率が、
芯/鞘で0.8以上1.2以下である請求項1に記載の
不均一複合加工糸。 - 【請求項4】 芯部を占める下記のA成分糸と、鞘部を
占める下記のB成分糸を引き揃えて仮撚加工領域に供給
して仮撚複合糸を製造する方法であって、少なくとも3
0ケ/mの交絡を付与し、次いでオーバーフィード率0
〜−18%の範囲で仮撚加工することを特徴とする不均
一複合加工糸の製造方法。 A成分糸:複屈折率Δnが30〜70×10-3(X)の
部分とΔnが120〜160×10-3(Y)が糸の長さ
方向に混在し、その比率X/(X+Y)×100が20
%以上から50%以下であるポリエステル系フィランメ
ント糸。 B成分糸:複屈折率Δnが20〜80×10-3からなる
ポリエステル系フィランメント糸。 - 【請求項5】 複屈折率Δnが20〜80×10-3の熱
可塑性合成繊維マルチフィラメントを連続的に延伸し、
Δnが30〜70×10-3(X)の部分とΔnが120
〜160×10-3(Y)が糸の長さ方向に混在し、その
比率X/(X+Y)×100が20%以上50%以下と
なるフィランメント糸を芯糸にして、複屈折率Δnが2
0〜80×10-3からなるポリエステル系フィランメン
ト糸であるB成分糸と引き揃えて少なくとも30ケ/m
の交絡を付与し、次いでオーバーフィード率0〜−18
%の範囲で仮撚加工することを特徴とする不均一複合加
工糸の製造方法。
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---|---|---|---|
JP5336319A JP2732793B2 (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | 不均一複合加工糸及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5336319A JP2732793B2 (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | 不均一複合加工糸及びその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07189065A JPH07189065A (ja) | 1995-07-25 |
JP2732793B2 true JP2732793B2 (ja) | 1998-03-30 |
Family
ID=18297894
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5336319A Expired - Fee Related JP2732793B2 (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | 不均一複合加工糸及びその製造方法 |
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US6074751A (en) | 1995-09-13 | 2000-06-13 | Toray Industries, Inc. | Composite textured yarn, a process for its production, woven or knitted fabrics made thereof, and an apparatus for producing it |
KR100398028B1 (ko) * | 2001-07-18 | 2003-09-19 | 주식회사 효성 | 폴리에스터 가공사의 제조방법 |
KR101003216B1 (ko) * | 2005-09-16 | 2010-12-21 | 주식회사 효성 | 삼엽 단면 피오와이를 적용한 자발신장 가공사 및 그제조방법 |
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-
1993
- 1993-12-28 JP JP5336319A patent/JP2732793B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH07189065A (ja) | 1995-07-25 |
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