JP2783603B2 - 特殊嵩高加工糸の製造方法 - Google Patents

特殊嵩高加工糸の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,マルチフイラメント糸条に流体撹乱処理を
施して,芯部と鞘部からなり,糸条表面にループ毛羽を
有する特殊嵩高加工糸を製造する方法に関するものであ
る。
(従来の技術) 従来,2種のマルチフイラメント糸条を異なるフイード
率で供給して流体撹乱処理を行い,糸条にループ毛羽を
形成させた嵩高加工糸を製造する方法は,いわゆるタス
ラン加工法としてよく知られており,近年,フイラメン
ト糸のスパンライク加工法として広く用いられるように
なっている。
このような流体撹乱処理においては,鞘糸のオーバー
フイード率を過大にして2糸条間のフイード率差を大き
くするほど,より嵩高な加工糸が得られる反面,オーバ
ーフイード率の増大とともに流体処理ゾーンでの糸条の
自由度が大きくなりすぎることによってネツプ状の欠点
(結び目状の欠点)が発生しやすくなり,この傾向は,
単糸繊度が細い糸条を用いた場合に著しくなる。
また,流体撹乱処理時の加工速度が速くなると,上記
ネツプ発生の他に,糸条の形態堅牢性の低下やループの
粗大化による糸解舒性の低下等,実用上多くの問題があ
った。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は,上述した欠点を解消し,フイラメント相互
の交絡性が高くて,糸条の形態堅牢性に優れた芯鞘構造
の特殊嵩高加工糸を高速で製造できる方法を提供するこ
とを技術的課題とするものである。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは,前期課題を解決するために,流体撹乱
処理時における供給糸条の物性と糸条形態との関係につ
いて鋭意研究を行った結果,流体処理ゾーンでの流体の
噴射作用に供給糸条の物性変化を同調させることによっ
て芯鞘構造を強調し,しかも鞘糸を特定の捲縮糸とする
ことによって糸条の形態堅牢性を高めることができるこ
とを知見して本発明に到達した。
すなわち,本発明は,瞬間放縮率が3%以上異なる少
なくとも2種の糸条を流体撹乱処理するに際し,少なく
とも瞬間放縮率の小なる糸条として他の糸条より熱水収
縮率の小さい捲縮糸を用い,瞬間放縮率の大なる糸条と
ともに同一の流体噴射ノズルに供給して,瞬間放縮率の
大なる糸条の瞬間放縮率以上のオーバーフイード率で流
体撹乱処理を施すことを特徴とする特殊嵩高加工糸の製
造方法を要旨とするものである。
以下,本発明を詳細に説明する。
本発明において瞬間放縮とは,常温でフリーの状態に
したとき,内部構造変化や糸の形態変化等によって瞬時
に生ずる糸条の収縮を意味する。そして,この瞬間放縮
率は,具体的には第1図に示したような工程において,
糸条をローラ5から供給し,流体噴射ノズル6を使用せ
ずにローラ7で引取るようにしてローラ7の速度を低下
させたとき,ローラ5とローラ7の間の張力が0gとなる
時点(糸条に弛みが生じる時点)のオーバーフイード率
で表し,次式によって算出する。
本発明の特徴は,上述した瞬間放縮率の異なる糸条を
合わせて流体撹乱処理を行うことによって処理後の糸条
に糸長差を付与するものであるが,特に供給糸条に機械
的条件設定によってフイード率差を付与することなく,
糸条に実質的な糸長差を与えることができる。すなわ
ち,芯糸と鞘糸を同じローラから供給して加工しても,
芯鞘構造が形成できる点に特徴がある。
したがって,本発明は,芯糸用及び鞘糸用として個々
のフイードローラあるいはデリベリローラを余分に設置
する必要がないので,設備費が安くつく,装置が簡素化
される等,実用化するうえでのメリットが極めて大き
い。
本発明において上記効果を得るためには,瞬間放縮率
が3%以上異なる2種以上の糸条を用いることが必要で
あり,瞬間放縮率差が3%を下回る場合には,流体撹乱
処理後の糸条に形成される糸長差が小さく,このため十
分な芯鞘構造が得られない。
なお,本発明においては,供給糸条にフイード率差を
与えてもよい。この場合は,フイード率差に見合う量の
糸長差に加えて,芯糸の放縮分に見合う量の糸長差が付
加される。このため,従来法に比べ,鞘糸のオーバーフ
イード率を小さくしても実質的な糸長差を大きくするこ
とができるため加工操業性が極めてよい。
また,本発明では,瞬間放縮率の小なる糸条として,
捲縮糸を用いることが必要である。これによって,捲縮
糸が鞘糸となり,得られる加工糸の嵩高性を高め,しか
も糸解舒性を向上させることができる。
捲縮糸の瞬間放縮率を小さくするためには,捲縮性を
低くすることが必要である。例えば,捲縮糸が仮撚糸の
場合は,仮撚糸を, (ただし,Dは糸条の繊度:デニール,α=1〜1.3)で
表される通常の仮撚数Tより20〜50%低く設定して仮撚
加工を行うことによって得ることができる。
さらに,上記の捲縮糸は,熱水収縮率が他の糸条より
も低いことが必要であり,これによって,得られる加工
糸を布帛にした後の染色加工工程における熱処理によっ
て芯鞘構造が強調され,製品のボリューム感を向上させ
ることができる。
また,本発明では,瞬間放縮率大なる糸条のその瞬間
放縮率以上のオーバーフイード率で流体撹乱処理を施す
必要があり,これによりループ毛羽を効率よく形成し,
その形態堅牢性を向上することができる。
一方,オーバーフイード率が上記瞬間放縮率を下回る
場合には,糸長差が十分に得られず,また,芯糸が緊張
されるため,芯糸と鞘糸のフイラメント間の絡まり具合
が悪く,ループ毛羽の堅牢性も低下するので好ましくな
い。
次に,本発明で特に重要な瞬間放縮率を高めうる具体
的実施手段について説明する。
未延伸糸や高配向未延伸糸を延伸後連続して流体処理
ゾーンに供給する。
この場合は,延伸時に生ずる糸条の内部構造変化に基
づく収縮特性を利用するものであり,延伸条件を適宜選
定することによって実施しうる。例えば,延伸倍率はポ
リアミド,ポリエステル等繊維の種類,複屈折等によっ
て適宜選択されるが,複屈折が15×10-3〜30×10-3程度
のポリアミド未延伸糸の場合は,2.5〜3.5倍が好まし
く,また,複屈折が40×10-3〜60×10-3程度のポリエス
テル高配向未延伸糸の場合は,1.3〜1.6倍程度が好まし
く採用される。
捲縮性の高い仮撚糸を使用する。
この場合は,捲縮とトルクによる縮みを活用するもの
であり,これらの特性を効率よく活用するためには,仮
撚加工後連続して流体撹乱処理に供するのが望ましい。
また,条件的には,仮撚数を高くして捲縮性を高める必
要があり,具体的な仮撚数としては,瞬間放縮率の小さ
い捲縮糸を製造するさいに採用される仮撚数より大きい
仮撚数で加工を行う必要がある。
次に,本発明を図面に基づいて説明する。
第1図は,本発明の一実施態様を示す概略工程図であ
り,未延伸糸や高配向未延伸糸等を供給して瞬間放縮率
の大なる糸条となし,本発明を実施する工程として好ま
しく用いられる。
第1図において,未延伸糸等の供給糸条Y1はローラ1
より供給され,ローラ1とローラ5の間で延伸され,瞬
間放縮率の大なる糸条として流体噴射ノズル6に供給さ
れる。この場合,必要に応じて延伸ピンやヒータ(いず
れも図示せず)を使用してもよい。
一方,瞬間放縮率の小なる糸条となるY2は,ローラ2
より供給され,ヒータ3,撚掛装置4により低捲縮の仮撚
捲縮加工が施された後,ローラ5から流体噴射ノズル6
に供給され,上記糸条Y1と合流して流体撹乱処理が施さ
れ,芯鞘構造の嵩高加工糸となり,ローラ7を経て,ロ
ーラ8でパッケージ9に捲取られる。
上記流体撹乱処理域のオーバーフイード率は,糸条Y1
の瞬間放縮率以上の値に設定される。
このように,糸条Y1とY2は,同一のローラ5を共用し
て供給され,しかも同じオーバーフイード率で流体撹乱
処理が施されるにもかかわらず,処理時にY1が収縮する
ために,Y2との間に糸長差が付与され,Y1が芯糸,Y2が鞘
糸となった芯鞘構造糸となる。
上記流体撹乱処理時に使用する流体噴射ノズルとして
は,例えば特公昭35−1673号公報に記載のもの等,ルー
プ形成用の流体噴射ノズルが好ましく用いられる。
なお,糸条Y2は,ローラ5を介さず,別に設けた他の
ローラから供給してもよい。
(作 用) 本発明は,複数のマルチフイラメント糸を流体撹乱処
理して交絡とともにループ毛羽を形成する際に,延伸や
仮撚加工等の直後に生ずる内部構造変化や形態変化に基
づく瞬間放縮特性を巧みに活用したものであり,瞬間放
縮率の異なる糸条を合わせて流体撹乱処理を施すことに
より,両糸条間に糸長差を付与して芯鞘構造を形成する
とともに交絡やループの形態堅牢性の向上を図ることが
可能となる。
また,本発明では,瞬間放縮率が小さく,鞘糸となる
糸条として捲縮糸を用いるので,得られる加工糸の嵩高
性を高め,しかも糸解舒性を向上させることができる。
さらに,鞘糸となる捲縮糸は,熱水収縮率が芯糸とな
る糸条よりも低いので,得られる加工糸を布帛にした後
の染色加工工程における熱処理によって芯鞘構造が強調
され,製品のボリューム感を向上させることができる。
(実施例) 次に,本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例1 糸条Y1として,ポリエチレンテレフタレート高配向未
延伸糸110d/36f(△n=52×10-3)を使用し,第1図に
示した工程に従い,ローラ5の表面速度700m/min,延伸
倍率1.3倍で延伸し,連続して流体噴射ノズル6へ供給
した。
一方,糸条Y2として,ポリエチレンテレフタレート高
配向未延伸糸110d/72f(△n=55×10-3)をローラ2か
ら供給し,延伸倍率1.2倍,ヒータ3温度180℃で,撚掛
装置4としてウレタンデイスクを使用して延伸同時摩擦
仮撚加工を行い,得られた仮撚糸を連続して上記の流体
噴射ノズル6へ供給した。なお,上記の仮撚数は実測値
で1900T/Mであった。
そして,流体噴射ノズル6へ供給した2本の糸条に,
ローラ7の表面速度600m/min(オーバーフイード率14
%),エア圧力5kg/cm2の条件で流体撹乱処理を行い,
嵩高加工糸を得た。
この加工糸は,糸条表面に多数のループ毛羽が形成さ
れ,なま糸が芯糸,仮撚糸が鞘糸を構成した芯鞘構造を
呈していた。
なお,上記工程において,流体噴射ノズル6を使用せ
ずに,両糸条の瞬間放縮率を個々に測定したところ,延
伸直後の糸条Y1は8%,仮撚捲縮糸Y2は3%であった。
得られた嵩高加工糸を経糸及び緯糸に用いて,経糸密
度110本/2.54cm,緯度密度87本/2.54cmの2/2ツイルに製
織し,常法によって染色仕上げを行ったところ,ソフト
な感触を有し,ふくらみのあるスパンタツチの優れた織
物が得られた。
また,得られた嵩高加工糸の糸解舒性はよく,工程通
過性も良好であった。
(発明の効果) 本発明は,上記のような構成を有するので,形態堅牢
性に優れた交絡とループ毛羽を有し,鞘糸が容易にずれ
ない芯鞘構造を呈し,嵩高性と糸解舒性に優れた嵩高加
工糸を高速で安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は,本発明の一実施態様を示す概略工程図であ
る。 Y1:瞬間放縮率の大なる糸条 Y2:瞬間放縮率の小なる糸条 3:ヒータ 4:撚掛装置 6:流体噴射ノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−33836(JP,A) 特開 平2−160942(JP,A) 特開 昭63−165550(JP,A) 特開 昭55−163229(JP,A) 特開 昭64−14331(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D02G 1/00 - 3/38 D02J 1/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】瞬間放縮率が3%以上異なる少なくとも2
    種の糸条を流体撹乱処理するに際し,少なくとも瞬間放
    縮率の小なる糸条として,他の糸条より熱水収縮率の小
    さい捲縮糸を用い,瞬間放縮率の大なる糸条とともに同
    一の流体噴射ノズルに供給して,瞬間放縮率の大なる糸
    条の瞬間放縮率以上のオーバーフイード率で流体撹乱処
    理を施すことを特徴とする特殊嵩高加工糸の製造方法。
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BR9706314A (pt) * 1997-12-23 1999-07-27 Ivo Zarzur Máquina de preparação de fios de filamentos no processo de fios individuais com possibilidade de processo simultâneo
CN114016176B (zh) * 2021-12-02 2022-09-16 南通新源特种纤维有限公司 离合器面片用膨化复合线及其制备方法、加工设备

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