JP2002131902A - フォトスペーサ用感光性樹脂組成物 - Google Patents
フォトスペーサ用感光性樹脂組成物Info
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Abstract
き込んだり、フォトスペーサ近傍のラビング処理が不安
定性なものとならず、且つ機械的強度の高いフォトスペ
ーサとなるフォトスペーサ用感光性樹脂組成物を提供す
ること。 【解決手段】フォトスペーサ用感光性樹脂組成物の光重
合開始剤がα−アミノケトン系光重合開始剤であるこ
と。また、チオキサンソン系光重合開始剤を含有するこ
と。
Description
いるフォトスペーサ形成用の材料として好適な感光性樹
脂組成物に関する。
カラーフィルタ側基板と薄膜トランジスタ(TFT)側
基板の両基板間に液晶層の厚みを保つために、スペーサ
と呼ばれるガラス又は樹脂製の透明球状体粒子(ビー
ズ)をセル内部に散布している。このスペーサは透明な
粒子であることから、画素内に液晶と一諸にスペーサが
入っていると、黒色表示時にスペーサ粒子を介して光が
漏れてしまい、また、液晶が封入されている両基板間に
スペーサ粒子が存在することによって、スペーサ粒子近
傍の液晶分子の配向が乱され、この部分で光漏れを生
じ、液晶表示装置のコントラストが低下し表示品質に悪
影響を及ぼすといった問題を有している。また、例え
ば、強誘電性液晶のように、両基板間の間隔(液晶層の
厚み)が狭い液晶表示装置においては、このスペーサ粒
子を用いて両基板間の間隔を均一に精度よく保ことは困
難なことである。
えば、感光性樹脂を用い、部分的なパターン露光〜現像
というフォトファブリケーション法により、所望の位
置、例えば、画素間の格子パターン状の遮光膜ブラック
マトリクスの位置に、柱状の樹脂製スペーサを形成する
方法が提案されている。このようなスペーサを以下フォ
トスペーサという。このフォトスペーサは、画素を避け
た位置に形成できるので、上記のような表示品質に悪影
響を及ぼすことがなくなり、表示品質の向上が望める。
また、液晶表示装置のパネルとしての機械的強度や耐衝
撃性が向上したものとなり、大型の液晶表示装置におい
ては好ましいものとなる。
以下のような問題がある。すなわち、液晶表示装置にお
いては、両基板間の液晶分子の配向を制御するために、
液晶表示装置を構成する両基板上、例えば、カラーフィ
ルタ上に形成されたポリイミドなどの配向膜の表面をバ
フ布などでラビング処理を行うが、フォトスペーサを設
けた後の配向膜の形成時に、例えば、フォトスペーサの
断面形状が柱状、すなわち、フォトスペーサの下部から
上部まで一様な幅を有する断面形状のフォトスペーサで
あると、このフォトスペーサに影響されてポリイミドの
配向膜が気泡を抱き込んでしまうことがある。加えて、
フォトスペーサ近傍のラビング処理が不安定なものとな
り表示品質を劣化させるおそれがある。
としては、単位面積当たりの機械的強度をできるだけ高
くしたいといったものがある。この要望は、例えば、液
晶表示装置を構成する両基板を貼り合わせる際に、両基
板の周辺部にシール部を設け、両基板間の間隔ができる
だけ平行になるようにして、上下定盤間に力を加えシー
ル部及びフォトスペーサを圧着し貼り合わせるが、この
フォトスペーサの機械的強度が弱いと間隔が均一になら
ず、液晶表示装置としては表示品質が劣化し、例えば、
色むらが顕著なものとなってしまうので、これを回避す
るためのものである。
叶え、上記問題を解決するためになされたものであり、
機械的強度を高くしたフォトスペーサを形成することの
できる、且つ基板上に配向膜を形成する際に、予め形成
されたフォトスペーサに影響されてポリイミドの配向膜
が気泡を抱き込んでしまうことがなく、また、配向膜の
表面にラビング処理を行う際に、フォトスペーサ近傍の
ラビング処理が不安定にならず、基板上に配向膜を形成
しラビング処理を行うことのできるフォトスペーサ用感
光性樹脂組成物を提供することを課題とする。
を構成するカラーフィルタ側基板もしくはTFT側基板
にフォトスペーサを形成する際に用いる、アルカリ可溶
性樹脂、光重合開始剤、光重合性モノマーを主成分とす
るフォトスペーサ用感光性樹脂組成物であって、該光重
合開始剤がα−アミノケトン系光重合開始剤であること
を特徴とするフォトスペーサ用感光性樹脂組成物であ
る。
ペーサ用感光性樹脂組成物において、前記光重合開始剤
が、α−アミノケトン系光重合開始剤100重量%に対
し、チオキサンソン系光重合開始剤を5〜50重量%含
有することを特徴とするフォトスペーサ用感光性樹脂組
成物である。
サ用感光性樹脂組成物を、その実施形態に基づいて詳細
に説明する。本発明におけるアルカリ可溶性樹脂とは、
パターン露光後の現像において、非露光部がアルカリ性
現像液により溶解除去できる樹脂を言い、具体的には、
アクリル酸を含む(メタ)アクリル系樹脂、マレイン酸
系樹脂、ロジン系樹脂などがあげられる。本発明の場
合、とりわけ(メタ)アクリル系樹脂が適している。
とで重合するモノマーであって、具体的には、多官能ア
クリレートの一群、すなわちペンタエリスリトールトリ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)ア
クリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)ア
クリレートのカプロラクトン付加物のヘキサ(メタ)ア
クリレート、メラミン(メタ)アクリレートなどがあげ
られる。
しては、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル
ト2−モルフオリノプロパンー1−オン(イルガキュア
907:チバスペシヤリティーケミカルズ社製:商品
名)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノート(4−モ
ルフオリノフエニルトブタノン−1(イルガキュア 3
69:チバスペシヤリティーケミカルズ社製:商品名)
などがあげられる。これらのα−アミノケトン系光重合
開始剤は、フォトスペーサに腰の強さ、すなわち、フォ
トスペーサ自体の単位面積当たりの機械的強度を与える
ものである。具体的には、フォトスペーサ1個あたり1
0mN/100μm2 の荷重を加えたとき、フォトス
ペーサの縦方向の塑性変形量がフォトスペーサの高さ
5.0μmに対し0.15μm以下にまで強化できる。
ン系光重合開始剤はフォトスペーサの上面の硬化を促進
し、上面を平坦にする作用がある。この作用は、上から
の圧力に抗すべきフォトスペーサにとっては、望ましい
作用と言える。なぜならば、フォトスペーサの上面が凸
状に膨れていると、上からの圧力が頭頂部の狭い面積に
集中してかかり、その結果、フォトスペーサの塑性変形
量が大きくなったり、割れたりして、両基板間の均一な
間隔が得にくくなるからである。
ノケトン系光重合開始剤とともにチオキサンソン系光重
合開始剤を併用することが推奨される。チオキサンソン
系光重合開始剤としては、チオキサンソン、2−クロル
チオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、2,4−
ジメチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソ
ン、2,4−ジクロロチオキサンソン、2,4−ジエチ
ルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサン
ソン等があげられる。
用いることにより、柱状のフォトスペーサの縦方向断面
の本来の長方形を、上部よりも下部の幅が大きくなった
縦方向断面が台形の形状とすることができる。縦方向断
面が台形のフォトスペーサは、形状がなだらかなものと
なり、フォトスペーサ形成後にポリイミドの配向膜を塗
布しても、フォトスペーサが悪影響を及ぼすことなく、
ポリイミドの塗布膜が気泡を抱き込んでしまうことがな
くなる。加えて、フォトスペーサ近傍のラビング処理が
安定したものとなり、表示品質を劣化させるおそれがな
くなる。
は、前記のα−アミノケトン系光重合開始剤100重量
%に対し、5〜50重量%が適当である。チオキサンソ
ン系光重合開始剤を添加するほど、縦方向断面の台形の
底辺と側辺とのなす角(テーパー角)θが小さくなり、
台形の側辺が傾く傾向にある。その値は、上記の添加量
では、約30°<θ<約90°の範囲が対応する。そし
て、この範囲で制御できることが実用的である。
クリレート 40g、メチルメタアクリレート 40
g、メタクリル酸 20g、シクロヘキサノン 300
g、2,2,−アゾビスイソブチロニトリル 0.5g
を窒素気流中で攪拌しながら80℃で5時間加熱反応さ
せ粘調な液体を得た。この液体100gに対して、青色
色剤(BASF社製、フタロシアニンブルー) 25
g、分散剤(ゼネカ(株)製:商品名「ソルスパース
24000」)5g、シクロヘキサノン 100g、ジ
ペンタエリスリトールヘキサアクリレート 20g、ビ
ス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン 3g、ビイミダ
ゾール誘導体(保土ヶ谷化学(株)製:商品名「B−C
IM」) 5gを加え、青色感光性樹脂組成物を得た。
また、青色色剤のフタロシアニンブルーに代えて、赤色
色剤(チバガイギー社製、アントラキノンレッド)を用
いて赤色感光性樹脂組成物を得、さらに緑色色剤(ヘキ
スト社製、フタロシアニングリーン)を用いて緑色感光
性樹脂組成物を得た。
製)アルカリ可溶性樹脂として、アクリレート樹脂(ダ
イセル化学工業(株)社製:商品名「サイクロマーP−
ACA200M」)、光重合性モノマーとしてジペンタ
エリスリトールヘキサアクリレート(東亜合成(株)
製:商品名「M400」)、α−アミノケトン系光重合
開始剤として、イルガキュア907(チバスペシヤリテ
ィーケミカルズ社製:商品名)もしくはイルガキュア3
69(チバスペシヤリティーケミカルズ社製:商品
名)、希釈溶剤としてプロピレングリコールモノメチル
エーテルアセテートを用い、攪拌溶解させることで表1
に示す組成1、組成2、組成3、組成4の配合比にてフ
ォトスペーサ用感光性樹脂組成物を4種調製した。
ックマトリクス基板上に上記青色感光性樹脂組成物をス
ピンコーターで乾燥膜厚1.5μmになるように全面塗
布し、80℃でプレベイクを行ない、ニコン社製アライ
ナーにより超高圧水銀灯で露光量100mJ/cm2に
なるようにパターン露光した。露光後、0.5wt%の
水酸化ナトリウム水溶液により現像し、青色パターンを
形成し、230℃、1時間の加熱定着を行なった。さら
に同様にして赤色パターン、緑色パターンを形成し、
青、赤、緑の各着色パターンを形成した。得られた青、
赤、緑の各着色パターンが形成された基板上に、スパッ
タリング法にてITO膜を形成し、液晶表示装置用カラ
ーフィルタを得た。ITO膜厚は150nmであり、表
面抵抗は20Ω/cm2 であった。
たカラーフィルタのITO面に、上記フォトスペーサ用
感光性組成物を600〜1000rpmでスピンコート
し、5.0μmの膜厚を得た。その後70℃、15分の
プレベークを行なった。得られた基板に10μm角のド
ットパターンマスクを介し、精度良くアライメントを行
ない、コート面側から露光(30〜80mJ/cm2
)し、2.5wt%の炭酸ナトリウム水溶液で現像
し、現像後良く水洗した。水洗乾燥後、230℃、30
分間ベークを行ない、非表示部にパターン状のフォトス
ペーサを得た。組成1、組成2、組成3、組成4共に、
形成したフォトスペーサは上面平坦性に優れたものであ
った。さらにチオキサンソン系光重合開始剤ジイソプロ
ピルチオキサンソン(DITX)を添加した組成2、組
成3は組成1と比べ、さらに高精度にテーパー角を制御
することができた。
組成3、組成4の感光性樹脂組成物を用いた、フォトス
ペーサが設けられた4種のカラーフィルタのITO膜上
にポリイミド系配向膜を設け、ラビング処理を施した。
また、対向するTFT側基板についてもポリイミド系の
配向膜を設け、ラビング処理を施し、この2枚の基板を
エポキシ接着剤をシール剤として用い張り合わせた後に
シール部に設けられた注入口から液晶を注入した。液晶
注入後、注入口を封止し、偏光板を両基板の外側に貼り
あわせて4種の液晶表示装置を作成した。
表示装置の表示品質は、表示むらが無く一様に良好であ
った。表示面の一部を指で押したところ、押した前後で
表示品質に変化が無かった。特に、組成2、組成3は、
組成1に比べ耐圧強度、配向膜塗布性、表示品質に優れ
ていた。また、この液晶表示装置は、−40℃で1週間
放置しても気泡の発生は見られなかった。なお、チオキ
サンソン系光重合開始剤は、下記に示す化合物(1)に
記載の化合物全てにおいて同様の効果が確認できた。
可溶性樹脂としてアクリレート樹脂(ダイセル化学工業
(株)社製:商品名「サイクロマーP−ACA200
M」)、光重合性モノマーとしてジペンタエリスリトー
ルヘキサアクリレート(東亜合成(株)製:商品名「M
400」)を用い、光重合開始剤には、組成1としてメ
タロセン系光重合開始剤「イルガキュア784」を用
い、組成2としてα−ヒドロキシケトン系光重合開始剤
「イルガキュア2959」(いずれもチバスペシヤリテ
ィーケミカルズ社製:商品名)を用いた。希釈溶剤とし
てプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
を用い、表2に示す組成にてフォトスペーサ用感光性樹
脂組成物の調製した。
スペーサ用感光性樹脂組成物を、実施例1に記載のカラ
ーフィルタのITO面上に、600〜1000rpmで
スピンコートし、5.0μmの膜厚を得た。その後70
℃、15分のプレベークを行なった。得られた基板に1
0μm角のドットパターンマスクを介し、精度良くアラ
イメントを行ない、コート面側から露光(50〜500
mJ/cm2 )し、2.5wt%の炭酸ナトリウム水
溶液で現像し、現像後良く水洗した。水洗乾燥後、23
0℃、30分間ベークを行ない、非表示部に組成1、組
成2によるパターン状のフォトスペーサを得た。
フォトスペーサ用感光性樹脂組成物を用いたフォトスペ
ーサが設けられたカラーフィルタのITO膜上にポリイ
ミド系配向膜を設け、ラビング処理を施した。また、対
向するTFT側基板についてもポリイミド系の配向膜を
設けラビング処理を施し、この2枚の基板をエポキシ接
着剤をシール剤として用い貼り合わせた後にシール部に
設けられた注入口から液晶を注入した。液晶注入後、注
入口を封止し、偏光板を基板の外側に貼りあわせて液晶
表示装置を作成した。
が設けられた液晶表示装置の表示品質は、表示むらが発
生し良好な表示品質が得られなかった。また、表示面の
一部を指で押したところ、押した前後で表示品質に変化
が見られ、表示むらが発生した。また、この液晶表示装
置をマイナス40℃で1週間放置したところ、組成2を
用いた液晶表示装置に気泡が発生し不良となった。
におけるフォトスペーサの形状、及びパネル特性を示
す。
ミノケトン系光重合開始剤、光重合性モノマーを主成分
とするフォトスペーサ用感光性樹脂組成物であるので、
フォトスペーサの上面を平坦にすることができ、フォト
スペーサの塑性変形量が大きくなったり、割れたりし
て、両基板間の間隔が不均一な間隔となることはない。
また、フォトスペーサに腰の強さを与えるので、機械的
強度が高くなる。
光性樹脂組成物において、光重合開始剤が、α−アミノ
ケトン系光重合開始剤とチオキサンソン系光重合開始剤
であるので、フォトスペーサの塑性変形量が大きくなっ
たり、割れたりして、両基板間の間隔が不均一な間隔と
なることはなく、また、機械的強度が高くなり、且つ、
フォトスペーサの縦方向断面が台形となり、フォトスペ
ーサ形成後にポリイミドの配向膜を塗布しても、フォト
スペーサが悪影響を及ぼすことなく、ポリイミドの塗布
膜が気泡を抱き込んでしまうことがなくなる。加えて、
フォトスペーサ近傍のラビング処理が安定したものとな
り、表示品質を劣化させるおそれがなくなる。
Claims (2)
- 【請求項1】液晶表示装置を構成するカラーフィルタ側
基板もしくはTFT側基板にフォトスペーサを形成する
際に用いる、アルカリ可溶性樹脂、光重合開始剤、光重
合性モノマーを主成分とするフォトスペーサ用感光性樹
脂組成物であって、該光重合開始剤がα−アミノケトン
系光重合開始剤であることを特徴とするフォトスペーサ
用感光性樹脂組成物。 - 【請求項2】前記光重合開始剤が、α−アミノケトン系
光重合開始剤100重量%に対し、チオキサンソン系光
重合開始剤を5〜50重量%含有することを特徴とする
請求項1記載のフォトスペーサ用感光性樹脂組成物。
Priority Applications (1)
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JP2000325493A JP4491954B2 (ja) | 2000-10-25 | 2000-10-25 | フォトスペーサの製造方法 |
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