JP2009204839A - 液晶表示装置用カラーフィルタ及び液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 局所的に力が加わった場合でも表示ムラが生ずることがなく、またスペーサ形成の際にアライメント不良による混色や色むら等が生じにくい液晶表示装置用カラーフィルタ及び液晶表示装置を提供すること。
【解決手段】 透明基板上に形成されたブラックマトリックス層、前記ブラックマトリックス層により区画された前記透明基板上の画素領域に形成された複数色の着色画素、及び前記ブラックマトリックス層上に形成されたスペーサを具備する液晶表示装置用カラーフィルタにおいて、前記スペーサが、前記複数色のうち2色の着色層の積層及び絶縁層からなる積層体を含み、高さ方向に60mN/個の圧縮荷重を負荷し、荷重を除去した時の弾性復元率が93%以上であることを特徴とする。
【選択図】 図7

Description

本発明は、液晶表示装置用カラーフィルタに係り、特に、フォトスペーサを備える液晶表示装置用カラーフィルタ及び液晶表示装置に関する。
カラー液晶表示装置には、液晶の駆動方法によって単純マトリックス方式とアクティブマトリックス方式があるが、最近ではパーソナルコンピュータなどの表示装置用には、画質に優れ、それぞれの画素を確実に制御することが可能であり、また動作速度も速いアクティブマトリックス方式の採用が進められている。
アクティブマトリックス方式の液晶表示装置では、一般に、ガラス基板上に各画素ごとに薄膜トランジスタ(TFT)素子を形成したTFT基板と、ガラス基板上にカラーフィルタと一様な透明電極を形成したカラーフィルタ基板とが、間に液晶を挟んで対向して配置されている。なお、TFT基板の各TFT素子のスイッチング作用によって各画素の液晶のシャッター作用を制御している。
近時、液晶表示装置の大型化、高精細化、広い視野角や高コントラスト化などの高画質化にあわせて、垂直配向と呼称されるVA液晶や、画素の横方向に液晶駆動用の電界が印加されるIPS(In Plane Swiching)方式の液晶表示装置が採用されるようになってきている。後者のIPS方式の液晶表示装置では、カラーフィルタ基板に透明電極を形成する必要がない。このようなIPS方式液晶表示装置のカラーフィルタ基板にスペーサを形成する技術として、例えば、特許文献1に提案されているものがある。
透明電極には、酸化錫、酸化インジウムや、ITOと称するこれらの複合酸化物が使用される。透明電極の成膜方法としては、蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング等の各種の方法があるが、スパッタリングが広く用いられている。ITOを形成する技術は、特許文献2で提案されている。
TFTを用いた液晶表示装置は、TFT基板とカラーフィルタ基板を所定の間隔を設けて対向させて配置し、エポキシ樹脂等に補強用の繊維を混合したシール剤によってこれら基板を貼り合わせることにより構成される。カラーフィルタ基板とTFT基板との間には液晶が封入されているが、カラーフィルタ基板とTFT基板との間隔を正確に保持しないと、液晶層の厚みに差異が出て、液晶の旋光特性差による着色を生じたり、あるいは部分的な色むらが生じて、正しく表示されなくなるという現象が生じる。そのため、液晶にスペーサと称する直径2μmないし10μmの樹脂、ガラス、アルミナ等からなる粒子あるいは棒状体を多数混合し、液晶の挟持間隔の保持を図っている。
特開平10−48636号公報 特開平8−262484号公報
通常の液晶表示装置では、スペーサとして100個/mm程度の大量の粒子を液晶に混合しているので、粘性の高い液晶と混合して、カラーフィルタ基板とTFT基板との挟持間隔内に注入した場合には、均一にスペーサが分散せずに、スペーサが一部に偏るという現象が生じることがある。このような現象が生じると、スペーサが集まった部分の表示品質が悪化し、また間隔の正確な保持の面でも問題があった。
一方、カラーフィルタを構成する着色層を、たとえば赤色層、緑色層、青色層と3色重ねあわせた構造をスペーサ(フォトスペーサ)として用いる液晶表示装置用カラーフィルタにおいては、カラーフィルタが外部からの力又は衝撃を受けると表示不良を起こす場合があった。特に、局所的に力が加わった場合、表示ムラとなって認識され、表示品位を低下させることがあった。
また、形成されたスペーサの高さのばらつきがある場合にも問題が生じる場合があった。すなわち、セル(パネル)を組み立てる際、ある程度の力を加えて2枚の液晶表示素子用基板を張り合わせるが、基板を押し付けていた力が取り除かれた際、スペーサが元の高さに戻り、スペーサの高さが不均一な状態になるという問題が起こり得る。3色の積層構成のスペーサの場合、柔軟性が乏しく、硬すぎるため、カラーフィルタ基板とTFT基板との貼り合わせ時に液晶が均一に注入されず、あるいは液晶セルの経時的変化によって、表示装置面内に気泡が発生することがある。加えて、ブラックマトリックス上にカラーフィルタ層を3色(青色層、赤色層、緑色層)の積層で形成すると、アライメントの制御が難しくなる。すなわち、カラーフィルタ層がブラックマトリックスからずれると色ずれになり、混色等の問題が生じ、画像表示品質の低下してしまう問題がある。ブラックマトリックス上にカラーフィルタ層を3色積層する場合、アライメント不良による色ズレの発生確率は3回あり、混色や色むら等の欠陥拡大を伴うことになる。
本発明は、以上のような事情の下になされ、局所的に力が加わった場合でも表示ムラが生ずることがなく、またスペーサ形成の際にアライメント不良による混色や色むら等が生じにくい液晶表示装置用カラーフィルタ及び液晶表示装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様は、透明基板上に形成されたブラックマトリックス層、前記ブラックマトリックス層により区画された前記透明基板上の画素領域に形成された複数色の着色画素、及び前記ブラックマトリックス層上に形成されたスペーサを具備する液晶表示装置用カラーフィルタにおいて、前記スペーサが、前記複数色のうち2色の着色層の積層及び絶縁層からなる積層体を含み、高さ方向に60mN/個の圧縮荷重を負荷し、荷重を除去した時の弾性復元率が93%以上であることを特徴とする液晶表示装置用カラーフィルタを提供する。
以上の液晶表示装置用カラーフィルタにおいて、前記スペーサの絶縁層の膜厚は、1μm〜3μmの範囲内とすることが出来る。また、前記スペーサは、ブラックマトリックス層上に赤色層、青色層を重ね合わせた2層及び絶縁層からなる積層体を含むものとすることが出来る。
前記スペーサを構成する層の硬さは、ブラックマトリックス層の硬さ≧赤色層の硬さ≧青色層の硬さ≧絶縁層の硬さの関係にあるものとすることが出来る。また、前記複数色の着色画素は、赤色画素、緑色画素、及び青色画素を一組とする複数の画素ユニットからなり、かつ、前記スペーサが1つの画素ユニットあたり1つ存在するものとすることが出来る。更に、前記スペーサは、赤色画素と青色画素との隣接部に配置することが出来る。
また、本発明の液晶表示装置用カラーフィルタにおいて、前記絶縁層は、その高さ方向から20mN/個の圧縮荷重を負荷したときの総変形量が0.2μm〜0.5μmであり、かつ、60mN/個の圧縮荷重を負荷し、荷重を除去した時の塑性変形量が0.01μm〜0.1μmであるものとすることが出来る。また、前記スペーサは、その高さ方向に20mN/個の圧縮荷重を負荷したときの総変形量が0.22μm〜0.53μmであり、かつ、60mN/個の圧縮荷重を負荷し荷重を除去した時の塑性変形量が0.01μm〜0.1μmであるものとすることが出来る。
また、前記画素領域に形成された着色画素上に液晶配向制御用突起を備え、前記絶縁層の高さが、液晶配向制御用突起の高さと同一か又は低い構成とすることが出来る。また、前記着色画素及び着色層上に透明電極を備え、この透明電極上に前記絶縁層が形成されている構成とすることが出来る。更に、前記スペーサ部分を除く着色画素上に、画素中央部に開口部を有する透明電極を備える構成とすることが出来る。
本発明の第2の態様は、以上の液晶表示装置用カラーフィルタを具備することを特徴とする液晶表示装置を提供する。
本発明の第1の態様によると、スペーサを構成する着色層が2層であるとともに、スペーサが所定値以上の弾性復元率を有するため、外部からの力又は衝撃を加えても液晶セルギャップを均一に維持・復元しやすいため、液晶表示装置の表示特性が低下しにくいという効果を奏する液晶表示装置用カラーフィルタが得られる。
また、本発明の第2の態様によると、色ずれ量が小さく、かつ、スペーサに起因する混色がなく、表示特性が低下しにくい液晶表示装置が得られる。
本発明によるスペーサを有する液晶表示装置用カラーフィルタは、外部からの力または衝撃を加えても表示特性が低下しにくいという効果がうまれる。本発明によるスペーサを有するカラーフィルタは、柔軟であることから、表示欠陥がなく あるいは気泡発生等の欠陥のない液晶表示装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態に係る液晶表示装置用カラーフィルタについて、詳細に説明する。
本発明の第1の実施形態に係る液晶表示装置用カラーフィルタは、ブラックマトリックス層上に、赤色層、青色層、及び絶縁層からなる積層体を含むスペーサを具備することを特徴とする。即ち、スペーサを構成する着色層として、3色ではなく2色とし、かつ赤色層、青色層を選択している。その理由は、次の通りである。
図1に赤色層の波長による透過率の変化、図2に青色層の波長による透過率の変化、図3に緑色層の波長による透過率の変化を示す。また、図4に赤色層と青色層を重ねたときの波長による透過率の変化、図5に赤色層と緑色層を重ねたときの波長による透過率の変化、図6に緑色層と青色層を重ねたときの波長による透過率の変化をそれぞれ示す。
2色を重ね合わせたとき、図4に示す赤色層と青色層を重ねたときの波長が最も光を通さない。つまり、ブラックマトリックス上に赤色層と青色層の2色を重ねたときに、色漏れのない黒色となり、アライメントズレ(位置あわせ不良)による混色等が最も起こりにくいので、画像表示品質が低下しにくい。また、カラーフィルタ層の3色を重ねて形成されたスペーサより2色を重ねて形成されたスペーサの方が、アライメントの回数が減るため、ズレ量が小さくなる。
通常、1回の着色層の形成に関わるアライメント精度は±3μm前後であり、それゆえ、アライメント回数は少ない方が良い。特に、ブラックマトリックス上に配設されるスペーサは、画素の開口率や混色などの欠陥発生に悪い影響を与えやすいため、重ねる色層の数は少ない方が良い。
なお、本実施形態に係るカラーフィルタの絶縁層は、スペーサとして 以下に詳述する弾性復元率などの機械的性質をみたすものであるとともに、液晶の駆動に支障のない電気的絶縁性を保持していれば良い。
本実施形態に係るカラーフィルタによると、アライメントずれ量が実質2/3になり、従来のものよりも画素開口率の低下を防ぎ、同時に混色による画像表示品質が低下しにくいという効果が得られる。
本発明の第1の実施形態に係る液晶表示装置用カラーフィルタは、複数色のうちの2色の着色層の積層及び絶縁層の積層体からなるスペーサを具備し、このスペーサの高さ方向に60mN/個の圧縮荷重を負荷し、荷重を除去した時の弾性復元率が93%以上であることを特徴とする。
このようなカラーフィルタによると、外部からの力または衝撃を加えても表示特性が低下しにくいという効果が得られる。本実施形態に係るカラーフィルタは、柔軟性を有することから、表示欠陥がなく、あるいは気泡発生等の欠陥のない液晶表示装置を提供することができる。
スペーサの高さ方向に60mN/個の圧縮荷重を負荷し、荷重を除去した時の弾性復元率が93%未満の場合には、外部からの力または衝撃を加えた場合、表示特性が低下するという問題が生ずる。
以上の第1の実施形態に係るカラーフィルタにおいて、特に、スペーサの高さ方向に20mN/個の圧縮荷重を負荷したときの総変形量が0.22μm〜0.53μmであり、かつ、60mN/個の圧縮荷重を負荷し、荷重を除去した時の塑性変形量が、0.14μm以下、好ましくは、0.01μm〜0.1μmの範囲内であることが望ましい。このような総変形量及び塑性変形量を示すカラーフィルタでは、外部からの力又は衝撃を加えても液晶セルギャップを均一に維持・復元しやすいため、表示特性が低下しにくいという効果がある。
本発明者らは、10mN〜30mNの弱い荷重での総変形量が、また、50mN〜200mNの大きな荷重を負荷し、荷重除去後の塑性変形量が、液晶パネル化の均一性改善の指標となることを経験的に見いだしている。荷重除去後に残る塑性変形量は、光を利用する液晶表示装置の観点から、光の波長の1/4以下、好ましくは1/8以下であることが望ましい。光の波長に近い塑性変形量が残ると表示色に変化が生じたり、あるいは 部分的な色むらを生じることになる。例えば0.43μmの青領域の光の波長を前提とすれば、スペーサの塑性変形量は、0.1μm以内に抑えることが望ましい。例えば0.54μmの青領域の光の波長を前提とすれば、スペーサの塑性変形量は、0.14μm以内に抑えることが望ましい。
近時、液晶表示装置のセルギャップは、液晶の高速応答を目的に、2〜4μmと狭くなっている。これを前提として、スペーサの高さは2〜4μmとなる。本発明者らは、2μmのセルギャップ の液晶表示装置では、スペーサの弾性復元率は、前記スペーサの塑性変形量0.1μm以下の必要性を根拠として、95%以上、また、前記スペーサの塑性変形量0.14μm以下の必要性を根拠として、93%以上が必要となってくることを見いだした。
また、カラーフィルタの画素上に液晶配向制御用突起を有する構成の場合、スペーサの一部を構成する絶縁層の高さが、液晶分子の液晶配向制御用突起の高さと同じか低いことが望ましい。この場合、液晶配向制御用突起の一般的の高さ(厚さ)である0.5μm〜2.0μmを絶縁層の膜厚とすることで、液晶配向制御用突起と絶縁層を同一プロセスで作製でき、生産性が向上するという効果がある。
以上の第1の実施形態に係るカラーフィルタにおけるスペーサは、形成する総数の半分の高さを変えて、あるいは、高さを低くして、サブスペーサとして用いても良い。あるいは、スペーサの別の位置に新たにサブスペーサを形成しても良い。スペーサ個数よりサブスペーサ個数を多く形成しても良い。なお、サブスペーサの役目は、強い荷重が液晶セルに負荷されたときに、TFT基板やカラーフィルタ基板の大きな変形を避けて、液晶表示装置を保護するためである。
また、透明基板上にカラーフィルタ層やブラックマトリックス層を形成する方法としては顔料分散法が主流となっている。顔料分散法は、有機顔料などの色材を分散した着色感光性樹脂の塗布層をフォトリソグラフィ法によってパターニングすることによりカラーフィルタ層を画素状に形成する方法である。
ブラックマトリックス層の厚さは0.5〜3μm、幅は3〜30μmの範囲で、また、赤色画素・緑色画素・青色画素の膜厚(厚さ)は0.5〜3μm(着色感光性樹脂の組成や塗布方法で大きく左右されるが、各画素の膜厚をおよそ1.8μmで形成した場合に、例えば ブラックマトリックス上に形成する赤色層の厚さは0.95μm程度、青色層の厚さは0.88μm程度と薄く形成される傾向にある)、絶縁層の厚さは1〜3μm、あるいは フォトリソグラフィによる光学的形成を考慮した、より好ましい絶縁層の厚さは1〜2μm、及び液晶表示装置としての液晶セルギャップは2μm〜6μmが本発明に適用できる範囲である。
ブラックマトリックス層は、黒色樹脂を用いて形成された、液晶表示装置のコントラストアップのために画素間に形成する細い遮光パターンである。ブラックマトリックス層を形成する方法としては、黒色非感光性樹脂を用いフォトリソグラフィ法によってマトリックス状に形成する方法、或いは黒色感光性樹脂を用いフォトリソグラフィ法によってマトリックス状に形成する方法がある。黒色の色材としては、カーボンブラックや複数の有機顔料を用いることができる。
ブラックマトリックス層及びカラーフィルタ層の形成に用いる黒色感光性樹脂及び着色感光性樹脂は、例えば、樹脂バインダに顔料を分散剤を用いて分散させ、この分散液にモノマー、開始剤、増感剤、溶剤などを添加して調製される。
本実施形態においては、ブラックマトリックス層及びカラーフィルタ層の形成に用いる黒色感光性樹脂及び着色感光性樹脂は、樹脂バインダと開始剤を主成分として、樹脂バインダが光重合、又は熱重合、或いは光重合及び熱重合を経て、三次元架橋される。
ブラックマトリックス層及びカラーフィルタ層の樹脂バインダを三次元架橋させることによって、パネル組み立て工程における荷重によりブラックマトリックス層及びカラーフィルタ層の厚みが減じるのを抑制することができる。
光重合に適合する樹脂バインダとしては、例えば、アクリレート樹脂、熱重合に適合する樹脂バインダとしては、例えば、エポキシ樹脂、光重合及び熱重合に適合する樹脂バインダとしては、例えば、エポキシアクリレート樹脂があげられる。
絶縁層の材料に用いる感光性樹脂としては、例えば、アルカリ可溶性樹脂、光重合性モノマー、光重合開始剤を主成分とする感光性樹脂を用いることができる。ポジ型の樹脂材料として、ノボラック樹脂を用いても良い。例えば、市販のポジ型の樹脂材料として、ローム・アンド・ハース(株)のLC100またはLC120、あるいは、AZエレクトニックマテリアルズ(株)のAZMir701を用いて、1〜2μmの高さ(厚さ)の絶縁層を形成することができる。
アルカリ可溶性樹脂としては、アクリル酸を含む(メタ)アクリル系樹脂、マレイン酸系樹脂、ロジン系樹脂、ノボラック樹脂などがあげられる。
重合性モノマーとしては、例えば、以下に示すようなモノマーを混合して、又は単独で使用することができる。例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の水酸基を含むモノマーや、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類、あるいは、ペンタエリストールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリストールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジペンタエリストールヘキサ(メタ)アクリレートのカプロラクトン付加物のヘキサ(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレートなどがあげられる。
前記重合性モノマーの一部が、カルボキシル基含有多官能性単量体を含む重合性モノマーであることは、好ましい。例えば、ペンタエリスリトール又はその誘導体であっても良い。これらモノマーは、他の樹脂固形分を増やさずに現像性などのフォトリソグラフィ適性を保持したまま、さらには、フォトスペーサの弾性復元率を保持したまま、重合性モノマーの混合比率を高めることができる。
また、光重合開始剤としては、例えば、例えば、アセトフェノン、2,2’−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ジクロロアセトフェノン、トリクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルアセトフェノン等のアセトフェノン類、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p,p’−ビスジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル類、ベンジルジメチルケタール、チオキサンソン、2−クロロチオサンソン、2,4−ジエチルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、2−イソプロピルチオキサンソン等の硫黄化合物、2−エチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン等のアントラキノン類、2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシフェニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシナフチル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン類、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、クメンパーオキシド等の有機過酸化物、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール等のチオール化合物等α−アミノケトン系光重合開始剤である2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニルト2]−モルフオリノプロパン−1−オン(イルガキュア907:チバスペシャリティーケミカルズ社製:商品名)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノート(4−モルフオリノフェニルトブノン−1(イルガキュア369:チバスペシャリティーケミカルズ社製:商品名)などがあげられる。α−アミノケトン系光重合開始剤は、スペーサに腰の強さ、すなわち、スペーサ自体の単位面積当たりの機械的強度を与えるものである。
40”クラスサイズの液晶表示装置の表示面内で、フォトリソグラフィで形成するスペーサの高さのバラツキは、小さい場合で±0.08μm、大きい場合で±0.2μmの範囲内にある。小さいバラツキを前提としたときでも、パネル作製時の変形量は、最低でも0.16μm必要である(+0.1μm高さのスペーサと−0.1μm高さのスペーサとのバラツキを、貼り合わせ時の荷重とスペーサの変形で吸収する必要がある)。バラツキが大きい場合、0.4μmの変形量が必要である。液晶表示装置の大画面化を考慮すると 少なくとも0.5μmの変形量が必要となる。
また、本発明者らの検討の結果によると、スペーサに好適に用いることができる樹脂材料の弱い荷重(20mN/μm2、以下の実施例で後述)での変形量は、樹脂スペーサの厚み方向に、およそ10〜20%であった。例えば、以下に記述する実施例で用いたアクリル樹脂では、荷重20mN/μm2での変形量は、約16%である。上述した0.16μmから0.5μmの変形量をカバーするに必要な絶縁層の高さは、1μm〜3μmとなる。この絶縁層の高さは、スペーサの形成バラツキや、液晶パネルのセル化条件(例えば液晶セルギャップ、液晶表示画面サイズなど)によって適宜調整することができる。なお、有機顔料を添加した色層は、堅く柔軟性にかけるため、有機顔料を含まない絶縁層を用いてスペーサの柔軟性を確保することが望ましい。
本実施形態に係るカラーフィルタにおける2色の着色層と絶縁層の積層構成のスペーサでは、スペーサ高さ方向の液晶セル化工程での、およそ0.1〜0.3μm変形量のマージンを吸収することができる。
赤色画素には、例えば、色材として、C.I.Pigment Red 7、14、41、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、81:4、146、168、177、178、179、184、185、187、200、202、208、210、246、254、255、264、270、272、279等の赤色顔料を用いることができ、黄色顔料や橙色顔料を併用することもできる。
黄色顔料としては、C.I. Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、187、188、193、194、199、198、213、214等が挙げられる。
橙色顔料としては、C.I. Pigment Orange 36、43、51、55、59、61、71、73等が挙げられる。
赤色画素が、これら顔料のなかでジケトピロロピロール系赤色顔料、アントラキノン系赤色顔料のうち1種類以上を含む場合には、任意のRthを得ることが容易になるため、好ましい。
なぜなら、ジケトピロロピロール系赤色顔料は、その微細化処理を工夫することにより、Rthを正負のどちらにすることも可能であり、その絶対値もある程度制御可能であり、また、アントラキノン系赤色顔料は、微細化処理に関わらず0に近いRthを得やすいためである。
その使用量は、顔料の合計重量を基準として、ジケトピロロピロール系赤色顔料を10〜90重量%、アントラキノン系赤色顔料を5〜70重量%とすることが、画素の色相や明度、膜厚、コントラスト等の点から好ましく、特に、コントラストに着目した場合、ジケトピロロピロール系赤色顔料を25〜75重量%、アントラキノン系赤色顔料を30〜60重量%とすることがより好ましい。
緑色画素には、例えば、C.I.Pigment Green 7、10、36、37、58等の緑色顔料を用いることができ、黄色顔料を併用することもできる。黄色顔料としては、赤色画素に用いる顔料として挙げたものと同様のものが使用可能である。
青色画素には、例えば、C.I.Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64等の青色顔料を用いることができ、紫色顔料を併用することもできる。紫色顔料としては、C.I.Pigment Violet 1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等が挙げられる。
青色画素が、これら顔料のなかで金属フタロシアニン系青色顔料と、ジオキサジン系紫色顔料のうち1種類以上を含む場合には、0に近い位相差を得ることが容易になる。
その使用量は、顔料の合計重量を基準として、金属フタロシアニン系青色顔料を40〜100重量%、ジオキサジン系紫色顔料を1〜50重量%とすることが、画素の色相や明度、膜厚等の点から好ましく、さらに、金属フタロシアニン系青色顔料を50〜98重量%、ジオキサジン系紫色顔料を2〜25重量%とすることがより好ましい。
上記において金属フタロシアニン系青色顔料としてはC.I.Pigment Blue 15:6、ジオキサジン系紫色顔料としてはC.I.Pigment Violet 23が、優れた耐光性、耐熱性、透明性、および着色力等の点から好適である。
絶縁層を構成する樹脂には、必要に応じて、着色剤を添加しても良い。着色剤としては、
有機顔料、無機顔料、染料等を好適に用いることができ、さらには、紫外線吸収剤、分散剤、レベリング剤等の種々の添加剤を添加してもよい。絶縁層に遮光性が要求される際には、カーボンブラック、酸化チタン、四酸化鉄等の金属酸化物粉、金属硫化物粉、金属粉といった遮光剤の他に、赤、青、緑色等の顔料の混合物等を用いることができる。この中でも、特にカーボンブラックは遮光性が優れており、特に好ましい。絶縁層に遮光性と絶縁性が要求される際には、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化鉄等の絶縁性無機化合物微粒子や表面に樹脂を被覆したカーボンブラックを用いても良い。
絶縁層を形成する方法としては、未硬化の樹脂を基板上に塗布し、乾燥した後に、パターニングを行う方法が、精度良く絶縁層を形成できる点から好ましく用いられる。未硬化の樹脂を塗布する方法としては、ディップ法、ロールコーター法、スピナー法、ダイコーティング法、ワイヤバーコーティング法などが好適に用いられ、この後、オーブンやホットプレートを用いて予備乾燥(プレベーク)を行う。プレベーク条件は、使用する樹脂、溶媒、樹脂塗布量により異なるが、通常60〜200℃で1〜60分加熱することが好ましい。
このようにして得られた樹脂被膜は、樹脂が非感光性の樹脂である場合は、その上にフォト着色組成物膜を形成した後に、また、樹脂が感光性の樹脂である場合は、そのまま又は酸素遮断膜を形成した後に、露光及び現像を行う。必要に応じて、加熱乾燥(硬膜)する。硬膜条件は、樹脂の種類や塗布量により若干異なるが、アクリル系樹脂の場合には、硬膜条件は、通常150〜300℃で1〜60分加熱するのが一般的である。
以上のプロセスにより、透明基板上に絶縁層が形成される。1回のパターニングで十分な高さを得られることが困難である場合には、複数層の樹脂層を積層することも可能である。
転写法によって絶縁層を形成してもよい。すなわち、あらかじめ基材上に感光性を付与した樹脂層を形成した転写基板を準備し、これを必要に応じ熱や圧力を加えつつ基板の上に重ね合わせ、露光・現像し、しかる後に基材を剥離して絶縁層を基板上に形成する方法、もしくはあらかじめフォトリソグラフィ等にて転写基板上に絶縁層を形成しておき、これを透明基板と重ね、転写基板に熱や圧力を加えて絶縁層を転写する方法である。
絶縁層には、絶縁層の柔軟性などの機械的特性影響を与えない範囲で、フィラーや色材を添加してもよい。フィラーとは、樹脂、及びその溶剤、及び現像液に対して不溶性の性質を有する無機及び有機の粒子を指す。
無機粒子としては、シリカ、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、タルクなどの体質顔料、および白、黒、赤、青、緑などの着色顔料、及びアルミナ、ジルコニア、マグネシア、ベリリア、ムライト、コージライトなどのセラミックス粉末、及びガラス−セラミックス複合粉末などが用いられる。体質顔料の内、バライト、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカおよびタルクは着色がなく、突起を透明にできるので、特に好ましい。また、突起に遮光性が要求される際には、カーボンブラック、チタンブラック(TiNxOy:ただし、0≦x<1.5、0.1<y<1.8)、酸化マンガン、四酸化鉄、などの金属酸化物粉、金属硫化物粉、金属粉を用いることができる。この中でも、カーボンブラックは遮光性に優れており、特に好ましい。突起に遮光性と絶縁性が要求される際には、酸化アルミニウム、チタンブラック、酸化鉄などの絶縁性無機粒子や表面に樹脂を被覆したカーボンブラックを用いてもよい。
フィラーの粒径は平均1次粒子径が5〜40nmが好ましく、より好ましくは6〜35nm、さらに好ましくは8〜30nmである。
スペーサの形状、すなわち、スペーサを基板と平行な面で切断した場合の横断面の形状は、特に限定されないが、円、楕円、角が丸い多角形、四角形、長方形などが好ましい。また、積層によりスペーサを形成する場合においても、スペーサの形状は、特に制限されないが、円、楕円、角が丸い多角形、四角形や長方形などが好ましく、これらを任意に積層し、スペーサを形成してよい。
スペーサは、全画素間のブラックマトリックス上に上記形状で形成しても良いが、カラーフィルタ基板とTFT基板を貼り合わせる行程での柔軟性を確保するために、赤色画素、緑色画素、青色画素を一組とする画素あたり一個形成することが望ましい。スペーサは上記3色を一組とする画素の間のブラックマトリックス上に配置されており、スペーサは一定の間隔を保つように配置されている。
また、スペーサは、赤色画素と青色画素との隣接部に配置されてもよい。隣接部とは、赤色画素13Rと青色画素13Bの間のブラックマトリックス12上で、図10に示すように、画素の角部40に配置されてもよく、図11に示すように、画素の長辺の間の位置50に配置されていてもよい。いずれの場合も、スペーサは、一定の間隔を保つように配置されている。
スペーサを、各色画素の全てに配設せずに、赤色画素と青色画素との隣接部にのみ配置することにより、スペーサをスペーサの数をへらすことができ、それによって柔軟性をふやし、液晶セル化工程でのセルギャップを均一にできるという効果がある。
透明電極は、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化ガリウム、酸化アンチモン等より選ばれる複数の金属酸化物を用いて、スパッタリング等の真空成膜にて形成する。
次に、本発明の第1及び第2の実施形態に係る液晶表示装置用カラーフィルタの構成について、図7〜9を参照して説明する。
図7に示すように、液晶表示装置用カラーフィルタは、透明基板11上に、ブラックマトリックス層12、カラーフィルタ層13(赤色層13R、青色層13B、緑色層13G)、透明電極14及び絶縁層15を順次形成することにより構成される。ブラックマトリックス層12上には、赤色層13Rの延長部16R及び青色層13Bの延長部16Bが積層され、絶縁層15とともにスペーサを構成している。赤色層13R、青色層13B、緑色層13Gに対応する透明電極14上には、液晶配向制御用突起17が形成されている。
図7に示す液晶表示装置用カラーフィルタは、次のようにして製造される。
先ず、透明基板11上にブラックマトリックス12を形成する。その後、赤色層13R、青色層13B、緑色層13Gの各色のカラーフィルタ層13を形成する。反射型液晶表示装置のような光の光路長に差の生じる液晶表示装置では、この時カラーフィルタ層の色度は、透過部、反射部で求められる色度が相違するために、カラーフィルタ層の膜厚や色度調整をする必要がある。色度を調整する方法としては、それぞれ別々にパターンを形成したり、反射部の膜厚を薄くしたり、反射部のカラーフィルタの画素に穴を開けて薄くするなどの方法があるが、これらの方法に限定するものではない。
赤色層13Rの形成に際しては、着色層が透明基板11上の画素領域だけでなく、ブラックマトリックス層12上にも赤色延長部16Rが形成されるようにパターン形成される。同様に、青色層13Bの形成に際しては、着色層が透明基板11上の画素領域だけでなく、赤色延長部16R上にも青色延長部16Bが積層されるようにパターン形成される。
次いで、前面に透明電極14が形成され、赤色延長部16R及び青色延長部16Bの積層上の透明電極14の部分に絶縁層15が形成されて、赤色延長部16R、青色延長部16B、及び絶縁層15からなるスペーサが形成される。
最後に、赤色層13R、青色層13B、緑色層13Gに対応する透明電極14上に液晶配向制御用突起17を形成して、図7に示すような液晶表示装置用カラーフィルタが完成する。
本実施形態に係るカラーフィルタでは、透明電極形成前に透明保護層を形成しても良い。このような透明保護層の形成は、カラーフィルタの構造を複雑にし、製造コストが高くなる点で不利であるが、一方、スペーサ高さの制御、カラーフィルタからの不純物のシミ出し防止、表面平坦化に有利である。
VA液晶表示装置用の配向制御用突起は、この上に液晶配向膜が形成されることから、高い耐熱性、耐溶媒性が要求される。また、0.2μm以下の薄い液晶配向膜を介して液晶と液晶配向制御用突起とが接触することから、不純物の溶出が少ないことも要求される。
液晶配向制御用突起は、上記の条件を備えたポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ノボラック樹脂を用いることが好ましい。配向制御用突起は、絶縁層と同時に形成しても良い。配向制御用突起の高さは、通常1〜2μmであるが、本実施形態に係るカラーフィルタでは、絶縁層を1μm〜3μmの膜厚で形成するため、絶縁層と同じ材料とほぼ同じ高さで形成することができる。ブラックマトリクスの膜厚調整による方法で、絶縁層の高さの調整はより容易となる。ハーフトーンなど部分的に透過率を変えて絶縁層高さを調節するなど、コスト的に負荷のかかる露光方式をとる必要がない。
以下、実施例で用いた絶縁層の弾性測定、スペーサの弾性測定、及び膜硬度測定について説明する。
[絶縁層の弾性測定]
弾性測定の測定サンプルとしての絶縁層を次のように形成した。
まず、重合性モノマーであるペンタエリスリトールトリアクリレート、樹脂a、及び光重合開始剤Irgacure369を合わせて固形分とし、レジスト中のこの固形分が30重量%になるようにシクロヘキサノンで希釈し、絶縁層用感光性樹脂組成物Aを調製した。この感光性樹脂組成物1における、重合性モノマーと樹脂aの合計重量に対する重合性モノマーの割合は70%である。
樹脂aの合成方法を以下に示す。
内容量が2リットルの5つ口反応容器内に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc)686g、グリシジルメタクリレート(GMA)332g、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)6.6gを加え、窒素を吹き込みながら80℃で6時間加熱し、GMAのポリマー溶液を得た。
次に、得られたGMAのポリマー溶液に、アクリル酸(AA)168g、メトキノン(
MQ)0.05g、トリフェニルフォスフィン(TPP)0.5gを加え、空気を吹き込
みながら100℃で24時間加熱し、GMA樹脂のアクリル酸付加物溶液を得た。
更に、得られたGMA樹脂のアクリル酸付加物溶液に、テトラヒドロフタル酸無水物1
86gを加え、70℃で10時時間加熱し、樹脂a溶液を得た。
測定サンプルとしての絶縁層は、絶縁層用感光性樹脂組成物Aをガラス基板に塗布し、硬膜し、絶縁層として1.4μmの厚み、平面視の大きさで直径およそ25μmの円形状に形成したものを用いた。
ガラス基板上に形成された、高さが1.40μmの絶縁層の弾性復元率を、微小膜硬度計HM2000(フィッシャー・インストルメンツ社製)によって評価した。弾性復元率は、50μm×50μmの平坦圧子を用い、2.2mN/secの速度で所定の荷重を負荷し、5秒間保持した後、2.2mN/secの速度で0mNまでを除去したときの総変形量、塑性変形量を測定した。総変形量、塑性変形量、弾性復元率は、以下の式で表される値であり、これらを下記表1に示す。
A:絶縁層の初期高さ
B:所定荷重を付加時における高さ
C:所定荷重を付加した後、荷重を除去した後の高さ
総変形量:A−Bで表される変形量。
塑性変形量:A−Cで表される変形量
弾性復元率:[(C−B)/(A−B)]×100で表される変形率。
Figure 2009204839
[スペーサの弾性測定]
弾性測定用サンプルとしてのスペーサは、ガラス基板上にブラックマトリックス、赤色層、青色層、絶縁層をこの順で塗布し、積層し、硬膜させることにより得た、高さが3.95μmのスペーサである。このスペーサの弾性特性を微小膜硬度計HM2000(フィッシャー・インストルメンツ社製)によって評価した。絶縁層は、弾性測定をしたサンプルと同一の材料組成の感光性樹脂組成物1を用いて形成した。
弾性特性は、50μm×50μmの平坦圧子を用い、2.2mN/secの速度で所定の荷重を負荷し、5秒間保持した後、2.2mN/secの速度で0mNまで荷重を除去したときの総変形量、塑性変形量を測定した。総変形量、塑性変形量、弾性復元率は、以下の式で表される値である。まとめたものを下記表2に示した。なお、スペーサの大きさは、平面視で径およそ25μmの円形状とした。
A:スペーサの初期高さ
B:所定荷重を付加時における高さ
C:所定荷重を付加した後、荷重を除去した後の高さ
総変形量:A−Bで表される変形量。
塑性変形量:A−Cで表される変形量
弾性復元率:[(C−B)/(A−B)]×100で表される変形率
Figure 2009204839
[膜硬度測定]
膜硬度測定装置としては微小膜硬度計HM2000(フィッシャー・インストルメンツ社製)を用いた。圧子はビッカース圧子を使用し、5mN/μm2の荷重を負荷速度0.25mN/secにて負荷し、1秒間保持後荷重を取り除き、マルテンス硬さ(ISO14577)を測定した。測定サンプルは、それぞれ各着色組成物をガラス基板に塗布し、硬膜して得た、厚み1.8〜2.0μmの単層膜である。ここで、マルテンス硬さとは(ISO14577準拠)荷重−進入深さ曲線より算出される硬さである。
ブラックマトリックス層及び各着色層のマルテンス硬さの測定結果を下記表3に示す。
Figure 2009204839
上記表3に示すように、ブラックマトリックス層の硬さ≧赤色層の硬さ≧青色層の硬さ≧絶縁層の硬さの関係になっていることがわかる。つまり、透明基板に最も近い側が最も硬く、透明基板から離れるほど層の硬さがやわらかくなる構造になっている。ブラックマトリックスに近く形成されている部分(色層)が固いほど、強い圧縮加重に耐え、かつ、絶縁層および絶縁層に近い色層が柔らかいほど柔軟な(均一なセルギャップを確保しやすく、貼り合わせなど液晶のセル化工程で有利)スペーサとなる。
このようなスペーサ上に荷重がかかった場合、スペーサの各層の硬さが上記の関係にあれば、セルギャップを保持しやすく、とくに強い荷重負荷時に変形しにくいという効果がある。
本実施例に係るカラーフィルタは、フォトリソグラフィ法により、各色の着色組成物(レジスト)を用いて基板上に各画素を形成することにより製造することができる。
基板としては、可視光に対して透過率の高いガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板が用いられる。
フォトリソグラフィ法による各画素の形成は、下記の方法で行う。すなわち、光照射により硬化する溶剤現像型あるいはアルカリ現像型の着色組成物として調製した各色着色感光性組成物を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.5〜3.0μmとなるように塗布する。次いで、必要により乾燥した膜に、この膜と接触あるいは非接触状態で配置された所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。次に、溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するか、もしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去し、所望のパターンを形成する。
その後、同様の操作を他色について繰り返すことにより、カラーフィルタを製造することができる。なお、着色組成物の重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィ法によれば、印刷法より精度の高いカラーフィルタを製造することができる。
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
以下に、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない
限り、以下の実施例に限定されるものではない。
なお、実施例および比較例中、「部」とは「重量部」を意味する。
[実施例1]
本実施例では、下記の顔料を用いた。
[赤色顔料1(R−1)]
赤色顔料1(C.I. Pigment Red 254、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「IRGAPHO
R RED B-CF」;R−1)を使用した。
[赤色顔料2(R−2)]
赤色顔料2(C.I. Pigment Red 177、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「CROMOPH
TAL RED A2B」;R−2)を使用した。
[緑色顔料1(G−1)]
緑色顔料(C.I. Pigment Green 36、東洋インキ製造社製「LIONOL GREEN 6YK」;G−1)500部、塩化ナトリウム1300部、およびジエチレングリコール(東京化成社製)270部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、70℃で3時間混練した。次に、この混合物を約5リットルの温水に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間撹拌してスラリー状とした後、濾過、水洗して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除き、80℃で24時間乾燥し、496部のソルトミリング処理顔料を得た。
[黄色顔料1(Y−1)]
黄色顔料(C.I. Pigment Yellow 138、BASF社製「PALIOTOL YELLOW K0961HD」)200
部、塩化ナトリウム1500部、およびジエチレングリコール(東京化成社製)270部ステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練した。次に、この混合物を約5リットルの温水に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間撹拌してスラリー状とした後、濾過し、水洗して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除き、80℃で24時間乾燥し、196部のソルトミリング処理顔料を得た。
[青色顔料1(B−1)]
青色顔料1(C.I. Pigment Blue 15:6、東洋インキ製造社製「LIONOL BLUE ES」を使用した。
[紫色顔料1(V−1)]
紫色顔料1(C.I. Pigment Violet 23、東洋インキ製造社製「LIONOGEN VIOLET RL」を使用した。
[アクリル樹脂溶液の調製]
実施例で用いたアクリル樹脂溶液の調製について説明する。樹脂の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量である。
反応容器にシクロヘキサノン370部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら80℃に加熱して、同温度で下記モノマーおよび熱重合開始剤の混合物を1時間かけて滴下して、重合反応を行った。
メタクリル酸 20.0部
メチルメタクリレート 10.0部
n−ブチルメタクリレート 35.0部
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 15.0部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 4.0部
パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート 20.0部(東亜合成株式会社製「アロニックスM110」)
滴下終了後、さらに80℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル1.0部をシクロヘキサノン50部に溶解させたものを添加し、さらに80℃で1時間反応を続行して、アクリル樹脂の溶液を得た。このアクリル樹脂の重量平均分子量は、約40000であった。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃で20分間加熱乾燥
し、不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにシクロヘキサノンを添加して、アクリル樹脂溶液を調製した。
[顔料分散体の調製]
下記表4に示す組成(重量比)の混合物を均一に撹拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミルで2時間分散した後、5μmのフィルタで濾過し、顔料分散体RP−1、GP−1、BP−1を作製した。
Figure 2009204839
[着色組成物の調製]
下記表5に示す組成(重量比)の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、各色の着色組成物であるRR−1(赤色)、GR−1(緑色)、BR−1(青色)を得た。
Figure 2009204839
上記表5の組成の具体例を以下に示した。
モノマー:トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光開始剤:2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガキュア 907」)
増感剤:4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」)
有機溶剤:シクロヘキサノン
〔着色層形成および透明電極形成〕
以上のようにして得た着色組成物を用いて、図7に示すように、透明基板11上にあらかじめ形成された膜厚2.37μmブラックマトリックス12により区画された領域に各色の画素を形成した。
即ち、透明基板11に、赤色の着色組成物であるRR−1をスピンコートにより仕上り膜厚1.8μmとなるように塗布した。次いで、90℃で3分間乾燥した後、画素形成用のストライプ状フォトマスクを通して高圧水銀灯の光を100mJ/cm照射し、アルカリ現像液にて60秒間現像した。その後、230℃で30分で硬膜し、赤色画素13Rを得た。このとき、ブラックマトリックス12上の赤色層16Rの膜厚は0.95μmとなった。なお、仕上り膜厚とは、230℃で30分で硬膜後の膜厚あるいは色層の高さを意味する。
次に、同様にして、緑色の着色組成物であるGR−1をスピンコートにより仕上り膜厚が1.8μmとなるように塗布し、90℃で5分間乾燥した後、フォトマスクを通して露光し、現像した後、230℃で30分で硬膜することで、緑色画素13Gを得た。
更に、赤色の画素、緑色の画素を形成した場合と全く同様にして、青色の着色組成物であるBR−1をスピンコートにより仕上り膜厚が1.8μmとなるように塗布し、90℃で5分間乾燥した後、フォトマスクを通して露光し、現像した後、230℃で30分で硬膜することで、緑色画素13G、赤色画素13Rと隣接した位置に、仕上り膜厚が1.8μmの青色画素13Bを形成した。このとき、赤色層16R上の青色層16Bの膜厚は0.88μmとなった。
このようにして、透明基板11上に赤、緑、青3色の画素を有するカラーフィルタが得られた。
なお、アルカリ現像液は以下の組成を有する。
炭酸ナトリウム 1.5重量%
炭酸水素ナトリウム 0.5重量%
陰イオン系界面活性剤(花王・ペリレックスNBL) 8.0重量%
水 90.0重量%
これら3色の画素を形成したカラーフィルタ上に、透明電極14を一般的なスパッタリングによる真空成膜により、150nmの厚さに形成し、透明電極付きカラーフィルタを得た。
[絶縁層の形成]
絶縁層用感光性樹脂組成物Aを、上述の透明電極付きカラーフィルタ上に、仕上り膜厚が1.4μmになるようにスピンコートし、90℃で2分間乾燥した。次いで、スペーサ形成用のフォトマスクを通して高圧水銀灯の光を100mJ/cm照射した。このとき、フォトマスクと基板との間隔(露光ギャップ)を100μmとして露光した。その後、カラーフィルタの作製と同様の現像液を用いて現像を行った後、水洗を施し、230℃で30分ポストベークして、ブラックマトリックス12の上方の透明電極14上に絶縁層15を形成した。
絶縁層15を構成する樹脂組成物は、ポジ、ネガどちらでもよいし、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂などの樹脂材料に限定されるものではない。
液晶配向制御用突起物17は、絶縁層15を作製したフォトマスクを用いることで、同時に形成することができ、各画素の中心に配置されている。スペーサの仕上がり膜厚は3.95μmであった。対象とする垂直配向(VA)液晶のセルギャップは3.8μmであり、パネル化時の加重負荷によるマージンは、0.15μmである。
以上のようにして、図7に示すようなカラーフィルタを得た。
本実施例のスペーサの弾性復元率は、94.0%と大きく、およそ0.04μmの塑性変形しか残らず、液晶表示装置のセルギャップの制御用スペーサとして好ましいものであった。
[液晶表示装置の作製]
以上のようにして得たカラーフィルタにポリイミドよりなる配向膜を形成した後、エポキシ樹脂をシール材としてTFT基板とを張り合わせ、液晶として垂直配向用液晶を封入して、液晶表示装置を得た。得られた液晶表示装置は、表示面全体に均一な間隔が保持されているので、欠陥が生じることや色むらの発生がなく、良好な表示特性が得られた。
[実施例2]
実施例1と同様に、ブラックマトリックス22が形成された透明基板21上に、赤色画素23Rと赤色層26R、緑色画素23G、青色画素23Bと青色層26Bを形成した。なお、当実施例では、ブラックマトリックス22の膜厚を1.8μmとした。
これら3色の画素が形成された基板上に、透明電極27を一般的なスパッタリングによる真空成膜により、230nmの厚さに形成した。
次に、ポジ型のフォトレジストを用いた公知のフォトリソグラフィの手法で、スペーサ上の透明電極25の部分と、赤色画素23R、緑色画素23G、及び青色画素23Bの、それぞれ画素中央部の幅3μm、長さ20μmの大きさの透明電極25の部分とを、エッチングして除去した。それぞれ画素中央部に形成した透明電極24の開口部30は、VAと呼称される垂直配向の配向制御に用いることができる。開口部30の形状は、十字型、複数の十字型、米の字型、L字型、くの字型、直線、円形のいずれでもよく、これらの組み合わせを用いてもよい。
以上のようにして、図8に示すようなカラーフィルタを得た。
本実施例のスペーサの弾性復元率は、94.1%と大きく、およそ0.03μmの塑性変形しか残らず、液晶表示装置のセルギャップの制御用スペーサとして好ましいものであった。
このカラーフィルタにポリイミドよりなる配向膜を形成した後、エポキシ樹脂をシール材としてTFT基板とを張り合わせ、液晶として垂直配向用液晶を封入して、液晶表示装置を得た。得られた液晶表示装置は、表示面全体に均一な間隔が保持されているので、欠陥が生じることや色むらの発生がなく、良好な表示特性が得られた。
[実施例3]
透明電極と液晶配向制御用突起を設けなかったこと以外は実施例1と同様の方法により、図9に示すようなカラーフィルタを得た。
絶縁層35の厚さは1.50μm、ブラックマトリックス31の厚さは1.8μm、ブラックマトリックス31上の赤色層36Rの厚さは0.95μm、青色層36Bの厚さは0.90μm、スペーサの仕上り膜厚は3.35μmであった。
本実施例のスペーサの弾性復元率は、94.1%と大きく、およそ0.03μmの塑性変形しか残らず、液晶表示装置のセルギャップの制御用スペーサとして好ましいものであった。
以上のようにして得たカラーフィルタを用いて、IPSモードの液晶表示装置を得た。得られた液晶表示装置の対象とするIPS液晶のセルギャップは3.2μmであり、パネル化時の加重負荷のマージンは、0.15μmであった。この液晶表示装置は、表示面全体に均一な間隔が保持されているので、欠陥が生じることや色むらの発生がなく、良好な表示特性が得られた。
[比較例]
実施例1と同様の工程で、透明基板11上にあらかじめ形成された膜厚2.77μmのブラックマトリックス12により区画された領域に各色の画素を形成した。
即ち、透明基板11に、赤色の着色組成物であるRR−1をスピンコートにより仕上り膜厚を1.8μmとなるように塗布した。次いで、90℃で3分間乾燥した後、画素形成用のストライプ状フォトマスクを通して高圧水銀灯の光を100mJ/cm照射し、アルカリ現像液にて60秒間現像して、赤色画素13Rを得た。その後、230℃で30分硬膜したところ、ブラックマトリックス上の赤色層16Rの膜厚は0.95μmとなった。
本比較例では、緑色の着色組成物を用いて緑色画素と同時に、赤色層の上にスペーサの一部となる緑色層を形成した。即ち、緑色の着色組成物であるGR−1をスピンコートにより仕上り膜厚が1.8μmとなるように塗布し、90℃で5分間乾燥した後、フォトマスクを通して露光し、現像することで、緑色画素13Gを得た。その後、230℃で30分硬膜したところ、ブラックマトリックス上の緑色層の膜厚は0.85μmとなった。
更に、赤色画素、緑色画素を形成した場合と全く同様にして、青色の着色組成物であるBR−1をスピンコートにより仕上り膜厚が1.8μmとなるように塗布し、90℃で5分間乾燥した後、フォトマスクを通して露光し、現像することで、緑色画素13Gを得た。その後、230℃で30分硬膜したところ、ブラックマトリックス上の青色層の膜厚は0.82μmとなった。
このようにして、透明基板11上に赤、緑、青3色の画素を有するとともに、ブラックマトリックス12上に赤、緑、青3色の着色層を有するカラーフィルタが得られた。
これら3色の画素を形成したカラーフィルタ上に、透明電極14を一般的なスパッタリングによる真空成膜により、150nmの厚さに形成した。
次いで、絶縁層用感光性樹脂組成物Aを、上述の透明電極付きカラーフィルタ上に、仕上り膜厚が0.8μmになるようにスピンコートし、90℃で2分間乾燥した。次いで、スペーサ形成用のフォトマスクを通して高圧水銀灯の光で露光し、次に実施例と同様、現像、さらに硬膜して、絶縁層15を形成した。
このようにして得られたカラーフィルタにポリイミドよりなる配向膜を形成した後、エポキシ樹脂をシール材としてTFT基板とを張り合わせして、液晶とし垂直配向用液晶を封入した。得られた液晶表示装置には、3色を重ねたスペーサのアライメントズレの影響と思われる色むらがあった。また、液晶封入後に 有効画面の端部やコーナー(角)部に一部 微少な気泡が発生する事があった。
本比較例のスペーサの弾性復元率は、92.1%と小さく、およそ0.23μmの塑性変形が残り、液晶表示装置のセルギャップの制御用スペーサとして好ましいものでなかった。
赤色層の波長による透過率の変化を示す特性図。 青色層の波長による透過率の変化を示す特性図。 緑色層の波長による透過率の変化を示す特性図。 赤色層と青色層を重ねたときの波長による透過率の変化を示す特性図。 赤色層と緑色層を重ねたときの波長による透過率の変化を示す特性図。 緑色層と青色層を重ねたときの波長による透過率の変化を示す特性図。 実施例1に係る液晶表示装置用カラーフィルタを示す断面図。 実施例2に係る液晶表示装置用カラーフィルタを示す断面図。 実施例3に係る液晶表示装置用カラーフィルタを示す断面図。 スペーサが形成される位置を示す図。 スペーサが形成される位置を示す図。
符号の説明
11,21,31…ブラックマトリックス、12,22,32…透明基板、13R,23R,33R…赤色画素、13B,23B,33B…青色画素、13G,23G,33G…緑色画素、16R,26R,36R…赤色層、16B,26B,36B…青色層、14,24…透明電極(ITO膜)、15,25,35…絶縁層、17…液晶配向制御用突起。

Claims (13)

  1. 透明基板上に形成されたブラックマトリックス層、前記ブラックマトリックス層により区画された前記透明基板上の画素領域に形成された複数色の着色画素、及び前記ブラックマトリックス層上に形成されたスペーサを具備する液晶表示装置用カラーフィルタにおいて、前記スペーサが、前記複数色のうち2色の着色層の積層及び絶縁層からなる積層体を含み、高さ方向に60mN/個の圧縮荷重を負荷し、荷重を除去した時の弾性復元率が93%以上であることを特徴とする液晶表示装置用カラーフィルタ。
  2. 前記スペーサの絶縁層の膜厚が1μm〜3μmの範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置用カラーフィルタ。
  3. 前記スペーサが、ブラックマトリックス層上に赤色層、青色層の2色の着色層を重ね合わせた2層及び絶縁層からなる積層体を含むことを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の液晶表示装置用カラーフィルタ。
  4. 前記スペーサが、ブラックマトリックス層上に赤色層、青色層の順に重ね合わせた2層及び絶縁層からなる積層体を含むことを特徴とする請求項1〜3に記載の液晶表示装置用カラーフィルタ。
  5. 前記スペーサを構成する層の硬さが、ブラックマトリックス層の硬さ≧赤色層の硬さ≧青色層の硬さ≧絶縁層の硬さの関係にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の液晶表示装置用カラーフィルタ。
  6. 前記複数色の着色画素は、赤色画素、緑色画素、及び青色画素を一組とする複数の画素ユニットからなり、かつ、前記スペーサが1つの画素ユニットあたり1つ存在することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の液晶表示装置用カラーフィルタ。
  7. 前記スペーサが、赤色画素と青色画素との隣接部に配置されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の液晶表示装置用カラーフィルタ。
  8. 前記絶縁層は、その高さ方向から20mN/個の圧縮荷重を負荷したときの総変形量が0.2μm〜0.5μmであり、かつ、60mN/個の圧縮荷重を負荷し、荷重を除去した時の塑性変形量が0.01μm〜0.1μmであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の液晶表示装置用カラーフィルタ。
  9. 前記スペーサは、その高さ方向に20mN/個の圧縮荷重を負荷したときの総変形量が0.22μm〜0.53μmであり、かつ、60mN/個の圧縮荷重を負荷し荷重を除去した時の塑性変形量が0.01μm〜0.1μmであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の液晶表示装置用カラーフィルタ。
  10. 前記画素領域に形成された着色画素上に液晶配向制御用突起を備え、前記絶縁層の高さが、液晶配向制御用突起の高さと同一か又は低いことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の液晶表示装置用カラーフィルタ。
  11. 前記着色画素及び着色層上に透明電極を備え、この透明電極上に前記絶縁層が形成されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の液晶表示装置用カラーフィルタ。
  12. 前記スペーサ部分を除く着色画素上に、画素中央部に開口部を有する透明電極を備えることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに載の液晶表示装置用カラーフィルタ。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の液晶表示装置用カラーフィルタを具備することを特徴とする液晶表示装置。
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