JP2002124266A - 燃料電池の拡散層とその製造方法および製造装置 - Google Patents

燃料電池の拡散層とその製造方法および製造装置

Info

Publication number
JP2002124266A
JP2002124266A JP2000316012A JP2000316012A JP2002124266A JP 2002124266 A JP2002124266 A JP 2002124266A JP 2000316012 A JP2000316012 A JP 2000316012A JP 2000316012 A JP2000316012 A JP 2000316012A JP 2002124266 A JP2002124266 A JP 2002124266A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
binder
fuel cell
diffusion layer
carbon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000316012A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5050294B2 (ja
Inventor
Tatsuya Kawahara
竜也 川原
Katsuhiko Kinoshita
克彦 木下
Yoshitaka Kino
喜隆 木野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2000316012A priority Critical patent/JP5050294B2/ja
Priority to US09/977,399 priority patent/US20020045089A1/en
Priority to CA002359276A priority patent/CA2359276C/en
Priority to DE10151134A priority patent/DE10151134B4/de
Publication of JP2002124266A publication Critical patent/JP2002124266A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5050294B2 publication Critical patent/JP5050294B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/86Inert electrodes with catalytic activity, e.g. for fuel cells
    • H01M4/8605Porous electrodes
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M8/00Fuel cells; Manufacture thereof
    • H01M8/02Details
    • H01M8/0202Collectors; Separators, e.g. bipolar separators; Interconnectors
    • H01M8/023Porous and characterised by the material
    • H01M8/0234Carbonaceous material
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Abstract

(57)【要約】 【課題】 拡散層の耐クリープ性を向上できるる燃料電
池の拡散層の製造方法の提供。 【解決手段】 織布化した基材に樹脂のバインダを含浸
させる第1の工程と、バインダを含浸させた基材を炭化
処理する第2の工程と、からなる燃料電池の拡散層の製
造方法。織布化した基材を炭化処理する第1の工程と、
炭化処理した基材に導電性樹脂または樹脂を含浸させる
第2の工程と、基材に含浸させた導電性樹脂または樹脂
を硬化させる第3の工程と、からなる燃料電池の拡散層
の製造方法。少なくともカーボンと樹脂とからなるペー
ストに剪断力を付与する第1の工程と、剪断力が付与さ
れたペーストを基材に塗布する第2の工程と、ペースト
を基材に塗布後ペーストが塗布された基材を焼成する第
3の工程と、からなる燃料電池の拡散層の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐クリープ性を向
上させた、燃料電池の電極拡散層と、その製造方法およ
び製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】固体高分子電解質型燃料電池は、イオン
交換膜からなる電解質膜とこの電解質膜の一面に配置さ
れた触媒層および拡散層からなる電極(アノード、燃料
極)および電解質膜の他面に配置された触媒層および拡
散層からなる電極(カソード、空気極)とからなる膜−
電極アッセンブリ(MEA:Membrane-Electrode Assem
bly )と、アノード、カソードに燃料ガス(水素)およ
び酸化ガス(酸素、通常は空気)を供給するための流体
通路または冷却媒体を流すための流路を形成するセパレ
ータとからセルを構成し、複数のセルの積層体からモジ
ュールを構成し、モジュールを積層してモジュール群と
し、モジュール群のセル積層方向両端に、ターミナル、
インシュレータ、エンドプレートを配置してスタックを
構成し、スタックをスタックの外側でセル積層体積層方
向に延びる締結部材(たとえば、テンションプレート)
にて締め付け、固定したものからなる。固体高分子電解
質型燃料電池では、アノード側では、水素を水素イオン
と電子にする反応が行われ、水素イオンは電解質膜中を
カソード側に移動し、カソード側では酸素と水素イオン
および電子(隣りのMEAのアノードで生成した電子が
セパレータを通してくる)から水を生成する反応が行わ
れる。 アノード側:H2 →2H+ +2e- カソード側:2H+ +2e- +(1/2)O2 →H2 O これらの反応が正常に行われるには、拡散層とセパレー
タの接触面圧が適正な面圧に維持される必要がある。そ
のためには、カーボン織布またはカーボン不織布を基材
とした拡散層が、締結部材による締め付け荷重を受けた
時に、クリープを生じにくいものでなければならない。
何故ならば、もしも拡散層に過度のクリープが発生する
と、定圧荷重では、セパレータ当り部の拡散層内のガス
拡散性が低下し酸素供給不足になって上記反応が生じに
くくなるし、定寸荷重では、圧抜けによる接触電気抵抗
の増大が生じ、内部抵抗が増大して電圧低下が生じるか
らである。特開平8−7897号公報は、炭素の短繊維
からなる基材に炭素粒子および撥水性樹脂(テフロン
(登録商標))を塗布または含浸させた拡散層と、電解
質膜とを、触媒層を介してホットプレス(120℃)に
て一体化したMEAを開示している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の燃料電
池の拡散層には、炭素粒子および撥水性樹脂が基材の炭
素繊維と強固に絡みあっていないため、耐クリープ性に
劣るという課題がある。そして、クリープが生じると上
記のガス拡散性低下や接触電気抵抗増大の問題を生じ
る。本発明の目的は、耐クリープ性を向上させる、燃料
電池の拡散層と、その製造方法および製造装置を提供す
ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明はつぎの通りである。これら発明は課題を同一とす
る。 (1) 基材を有し、該基材が、プリカーサの織布の炭
化処理されたヤーンと、ヤーンのフィラメント間に含浸
してフィラメントを結合している炭化処理されたバイン
ダとからなっている、燃料電池の拡散層。 (2) 織布化した基材に樹脂のバインダを含浸させる
第1の工程と、バインダを含浸させた基材を炭化処理す
る第2の工程と、からなる燃料電池の拡散層の製造方
法。 (3) 織布化した基材に含浸させる樹脂の液状バイン
ダを入れたバインダ含浸処理容器と、バインダを含浸さ
せた基材を炭化処理する炭化焼成炉と、を備えた燃料電
池の拡散層の製造装置。 (4) 基材を有し、該基材が、プリカーサの織布の炭
化処理されたヤーンと、炭化されたヤーンのフィラメン
ト間に含浸してフィラメントを結合している溶融凝固さ
れた未炭化の導電性樹脂バインダとからなっている、燃
料電池の拡散層。 (5) 織布化した基材を炭化処理する第1の工程と、
炭化処理した基材に導電性樹脂バインダを含浸させる第
2の工程と、基材に含浸させた導電性樹脂バインダを溶
融凝固させる第3の工程と、からなる燃料電池の拡散層
の製造方法。 (6) 織布化した基材を炭化処理する炭化焼成炉と、
炭化処理された織布化基材に含浸させる導電性樹脂の液
状バインダを入れた含浸処理容器と、バインダを溶融凝
固させる樹脂溶融凝固焼成炉と、を備えた燃料電池の拡
散層の製造装置。 (7) 撥水層兼用の基材を有し、該基材が、プリカー
サの織布の炭化処理されたヤーンと、炭化されたヤーン
のフィラメント間に含浸してフィラメントを結合してい
る溶融凝固された未炭化の非導電性樹脂バインダとから
なっている、燃料電池の拡散層。 (8) 織布化した基材を炭化処理する第1の工程と、
炭化処理した基材にフッ素系樹脂またはシリコン系樹脂
を含浸させる第2の工程と、基材に含浸させたフッ素系
樹脂またはシリコン系樹脂を硬化または熱溶着させる第
3の工程と、からなる燃料電池の拡散層の製造方法。 (9) 織布化した基材を炭化処理する炭化焼成炉と、
炭化処理された織布化基材に含浸させる非導電性樹脂の
液状バインダを入れた含浸処理容器と、バインダを溶融
凝固させる樹脂溶融凝固焼成炉と、を備えた燃料電池の
拡散層の製造装置。 (10) 基材を有し、該基材が、不織布化したカーボ
ン繊維の抄紙と該抄紙に含浸量に分布をもたせて含浸さ
れ炭化された炭化樹脂バインダとからなり、バインダ量
が多い部位は耐クリープ性のある剛直部位となりバイン
ダ量が少ない部位は可撓性のある柔軟部位となってい
る、燃料電池の拡散層。 (11) 湿式で不織布化したカーボン繊維の抄紙に樹
脂のバインダを不均一に含浸させる第1の工程と、バイ
ンダを不均一に含浸させた抄紙を炭化処理する第2の工
程と、からなる燃料電池の拡散層の製造方法。 (12) 湿式で不織布化したカーボン繊維の抄紙に樹
脂のバインダを含浸量に分布をもたせて不均一に含浸さ
せる樹脂バインダ不均一含浸装置と、バインダを含浸し
た抄紙を炭化処理する炭化焼成炉と、を備えた燃料電池
の拡散層の製造装置。 (13) 乾式で不織布化した基材とその全域に含浸さ
れた樹脂バインダとが、プレスされ、一括完全炭化処理
された燃料電池の拡散層。 (14) 乾式で不織布化した基材に樹脂のバインダを
含浸させる第1の工程と、バインダを含浸させた基材を
プレスする第2の工程と、プレスされたバインダ含浸の
基材を完全炭化処理する第3の工程と、からなる燃料電
池の拡散層の製造方法。 (15) 乾式で不織布化した基材に樹脂のバインダを
含浸させる樹脂バインダ含浸装置と、バインダを含浸さ
せた基材をプレスするプレス装置と、プレスされたバイ
ンダ含浸の基材を完全炭化処理する炭化処理炉と、を有
する燃料電池の拡散層の製造装置。 (16) 基材の片側に形成された、カーボンと樹脂と
の混合からなる撥水カーボン層を有し、該撥水カーボン
層が、粘着力に乏しいが強度の強い内層部と、該内層部
の上に塗布された柔軟で粘着力に優れた表層部との、複
数の積層構造からなる燃料電池の拡散層。 (17) 基材に複数回樹脂を塗布、焼成のプロセスを
行い、それぞれのプロセスで条件を異ならせた燃料電池
の拡散層の製造方法。 (18) カーボン織布もしくはカーボン不織布に樹脂
とカーボンとからなる撥水カーボン層をコートした上で
前記樹脂の融点を越える高温にて焼成する第1の工程
と、第1の工程後に前記樹脂とカーボンとからなる撥水
カーボン層を再度コートした上で前記樹脂の融点近傍の
低温にて焼成する第2の工程と、からなる(17)の燃
料電池の拡散層の製造方法。 (19) カーボン織布もしくはカーボン不織布に塗布
された樹脂とカーボンとからなる撥水カーボン層を前記
樹脂の融点を越える高温にて焼成し、ついで前記撥水カ
ーボン層の上に再度塗布された前記樹脂とカーボンとか
らなる撥水カーボン層を前記樹脂の融点近傍の低温にて
焼成する、樹脂溶融凝固焼成炉を備えた燃料電池の拡散
層の製造装置。 (20) 拡散層に形成される撥水カーボン層のバイン
ダとして2種類のバインダを用いた燃料電池の拡散層。 (21) 拡散層に形成される撥水カーボン層のバイン
ダとして粘着性のある樹脂と該樹脂より剛性が高い材料
を用いた(20)記載の燃料電池の拡散層。 (22) 拡散層に形成される撥水カーボン層を、カー
ボンに2種類のバインダを含む液を基材に塗布し、つい
でバインダの融点近傍の温度で溶融凝固させて形成する
燃料電池の拡散層の製造方法。 (23) 拡散層に形成される撥水カーボン層を、カー
ボンに粘着性のある樹脂と該樹脂より剛性が高い材料か
らなるバインダを基材に塗布し、ついでバインダの融点
近傍の温度で溶融凝固させて形成する(22)記載の燃
料電池の拡散層の製造方法。 (24) 基材に塗布された、カーボンと2種類の樹脂
バインダを含む撥水カーボン層を、バインダ樹脂の融点
近傍の温度で溶融凝固させる樹脂溶融凝固焼成炉を備え
た燃料電池の拡散層の製造装置。 (25) 基材に少なくともカーボンと樹脂とからなる
ペーストを塗布焼成した撥水層を有し、該撥水層が塗布
焼成前に剪断力を付与されている燃料電池の拡散層。 (26) 少なくともカーボンと樹脂とからなるペース
トに剪断力を付与する第1の工程と、剪断力が付与され
たペーストを基材に塗布する第2の工程と、ペーストを
基材に塗布後基材に塗布されたペーストを前記樹脂の融
点近傍の温度で焼成する第3の工程と、からなる燃料電
池の拡散層の製造方法。 (27) 少なくともカーボンと樹脂とからなるペース
トに剪断力を付与するミキサと、該剪断力が付与された
ペーストを基材に塗布する塗布装置と、基材に塗布され
たペーストを前記樹脂の融点近傍の温度で溶融凝固させ
る樹脂溶融凝固焼成炉と、を有する燃料電池の拡散層の
製造装置。 (28) 基材に少なくともカーボンと樹脂とからなる
ペーストを塗布焼成した撥水層を有し、該撥水層が焼成
後剪断力を付与されている燃料電池の拡散層。 (29) 少なくともカーボンと樹脂とからなる撥水カ
ーボン層を基材に塗布形成する第1の工程と、基材に塗
布形成された撥水カーボン層を前記樹脂の融点近傍の温
度で焼成する第2の工程と、焼成後のペーストを基材ご
と基材幅方向に応力を発生させるロール間に通して撥水
カーボン層に剪断力を付与する第3の工程と、からなる
燃料電池の拡散層の製造方法。 (30) 少なくともカーボンと樹脂とからなるペース
トを基材に塗布する塗布装置と、基材に塗布されたペー
ストを前記樹脂の融点近傍の温度で溶融凝固させる樹脂
溶融凝固焼成炉と、焼成後のペーストが基材ごと通され
た時に焼成後のペーストに剪断力を発生させる一対の剪
断力付与ロールと、を有する燃料電池の拡散層の製造装
置。
【0005】上記(1)〜(15)の燃料電池の拡散層
とその製造方法および製造装置は、基材と撥水層とから
なる拡散層のうち基材の強度向上による拡散層の耐クリ
ープ性の向上に係るものであり、上記(16)〜(3
0)は拡散層のうち撥水層の強度向上による拡散層の耐
クリープ性の向上に係るものである。上記(1)〜
(3)の燃料電池の拡散層とその製造方法および製造装
置では、織布系拡散層未炭化基材に樹脂バインダを添加
し炭化処理を行うので、バインダ添加によりヤーンのフ
ィラメントを拘束できるとともにヤーンの強度を強化で
き、拡散層の基材の耐クリープ性を向上させることがで
きる。また、樹脂バインダも基材とともに炭化処理する
ので、拡散層全体が炭化し拡散層の導電性を向上させる
ことができる。上記(4)〜(6)の燃料電池の拡散層
とその製造方法および製造装置では、炭化処理を行った
織布に導電性樹脂(たとえば、カーボンブラックを含ん
だ熱可塑性もしくは熱硬化性の樹脂)を含浸するので、
樹脂含浸によりヤーンのフィラメントを拘束できるとと
もにヤーンの強度を強化でき、拡散層の基材の耐クリー
プ性を向上させることができる。導電性樹脂を炭化処理
していないので、(1)〜(3)と比較し導電性向上の
点で劣るが、既存の炭化織布を後加工で処理可能である
という利点がある。上記(7)〜(9)の燃料電池の拡
散層とその製造方法および製造装置では、炭化処理を行
った織布に樹脂(たとえば、フッ素系樹脂またはシリコ
ン系樹脂)を含浸し硬化または熱溶着させるので、樹脂
含浸によりヤーンのフィラメントを拘束できるとともに
ヤーンの強度を強化でき、拡散層の基材の耐クリープ性
を向上させることができる。バインダ樹脂を炭化処理し
ていないので、(1)〜(3)と比較し導電性向上の利
点はまったく無いが、ヤーンに撥水性を付与して拡散層
の耐水性を改善することができ、また、既存の炭化織布
を後加工で処理可能であるという利点がある。上記(1
0)〜(12)の燃料電池の拡散層とその製造方法およ
び製造装置では、湿式で不織布化したカーボン繊維の抄
紙に樹脂のバインダを不均一に含浸させ、炭化処理する
ので、バインダ添加により拡散層の基材の耐クリープ性
を向上させることができる。また、バインダ含浸後炭化
処理するので、基材全体が炭化され、導電性が向上す
る。また、バインダを不均一に(たとえば、スプライン
状に)含浸させるので、バインダを含浸させていない部
分またはバインダの含浸が少ない部分は可撓性を有し、
基材が長くてもロールへの巻付け等が可能になって、連
続生産が可能になる。上記(13)〜(15)の燃料電
池の拡散層とその製造方法および製造装置では、乾式で
不織布化した基材に樹脂のバインダを含浸させ、プレス
し、その後完全炭化処理するので、バインダ添加とプレ
スによる圧縮変形付与により拡散層の基材の耐クリープ
性を向上させることができる。また、バインダ含浸後炭
化処理するので、基材全体が炭化され、導電性が向上す
る。また、炭化処理前にプレスするので、炭化処理後に
プレスすると生じるであろうカーボン繊維の破壊はな
い。上記(16)〜(19)の燃料電池の拡散層とその
製造方法および製造装置では、樹脂(たとえば、PTF
E)とカーボンとからなる撥水カーボン層を2層に形成
し、下層を樹脂の融点を越える高温にて焼成するので、
高剛性層を形成でき、拡散層の撥水層の耐クリープ性を
向上させることができる。また、その上に再度前記樹脂
とカーボンとからなる撥水カーボン層をコートした上で
前記樹脂の融点近傍の低温にて焼成するので、外力が加
わった時に剪断力によって樹脂は糸を引いて表面に粘着
層を形成でき、MEAの触媒層への粘着性を向上させる
ことができる。1層のみの拡散層では、撥水層の耐クリ
ープ性の向上と粘着層の向上の両方を同時にはかること
ができないが、2層にして焼成温度を異ならせたことに
より撥水層の耐クリープ性の向上と粘着層の向上の両方
を達成できる。上記(20)〜(24)の燃料電池の拡
散層とその製造方法および製造装置では、拡散層に形成
される撥水カーボン層のバインダとして粘着性のある樹
脂(たとえば、PTFE)と該樹脂より剛性が高い材料
を用いるので、剛性が高い材料の添加により撥水層の強
度を向上させることができ、撥水層の耐クリープ性を向
上させることができる。上記(25)〜(27)の燃料
電池の拡散層とその製造方法および製造装置では、少な
くともカーボンと樹脂(たとえば、PTFE)とからな
るペーストに剪断力を付与するので、剪断力付与により
樹脂の繊維化が促進されてバインダの結着力が増し、撥
水カーボン層の強度が向上して拡散層の耐クリープ性を
向上させることができる。上記(28)〜(30)の燃
料電池の拡散層とその製造方法および製造装置では、焼
成後、基材を基材幅方向に応力を発生させるロール間に
通して撥水カーボン層に剪断力を付与するので、剪断力
付与により樹脂の繊維化が促進されてバインダの結着力
が増し、撥水カーボン層の強度が向上して拡散層の耐ク
リープ性を向上させることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の燃料電池の拡散
層とその製造方法および製造装置を、図1〜図16を参
照して、説明する。本発明の方法で製造された拡散層が
用いられる燃料電池は、たとえば固体高分子電解質型燃
料電池10のような、低温型の燃料電池である。該燃料
電池10は、たとえば燃料電池自動車に搭載される。た
だし、自動車以外に用いられてもよい。
【0007】固体高分子電解質型燃料電池10は、図1
5、図16、図1に示すように、イオン交換膜からなる
電解質膜11とこの電解質膜11の一面に配置された触
媒層12および拡散層13からなる電極14(アノー
ド、燃料極)および電解質膜11の他面に配置された触
媒層15および拡散層16からなる電極17(カソー
ド、空気極)とからなる膜−電極アッセンブリ(ME
A:Membrane-Electrode Assembly )と、電極14、1
7に燃料ガス(水素)および酸化ガス(酸素、通常は空
気)を供給するための流体通路27および燃料電池冷却
用の冷却水が流れる冷却水流路26を形成するセパレー
タ18とを重ねてセルを形成し、該セルを複数積層して
モジュール19を構成し(たとえば、2セルから1モジ
ュールを構成し)、モジュール19を積層してモジュー
ル群とし、モジュール群のセル積層方向(燃料電池積層
方向)両端に、ターミナル20、インシュレータ21、
エンドプレート22を配置してスタック23を構成し、
スタック23を積層方向に締め付け燃料電池積層体積層
方向に延びる締結部材24(たとえば、テンションプレ
ート、スルーボルトなど)とボルト25またはナットで
固定したものからなる。
【0008】触媒層12、15は白金(Pt)を担持し
たカーボン(C)からなる。拡散層13、16は、通
常、カーボン(C)からなる。拡散層13、16は、図
1に示すように、たとえば、カーボン粒子(たとえば、
カーボンブラック)28を樹脂(たとえば、ポリテトラ
フルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂等)2
9のバインダで結合した撥水(カーボン)層13a、1
6bと、撥水層13a、16aよりセパレータ18側に
ある、カーボン繊維30(織布または不織布)からなる
基材(基材層)13b、16bと、からなる。撥水層1
3a、16aも基材13b、16bも通気性をもたせて
あり、流体通路27を流れる水素、空気を触媒層12、
15に通す。撥水層13a、16aは基材13b、16
bよりも撥水性をもたせてある。拡散層13、16の厚
さは約200μmであり、撥水層13a、16aの厚さ
は約50μmであり、基材13b、16bの厚さは約1
50μmである。セパレータ18は、ガス・流体不透過
性でかつ導電性を有し、通常は、カーボン(黒鉛である
場合を含む)または金属または導電性樹脂(たとえば、
樹脂にカーボンブラック等の導電性粒子・繊維等を混合
して導電性を付与したものを含む)の何れかからなる。
セパレータ18は、燃料ガスと酸化ガス、燃料ガスと冷
却水、酸化ガスと冷却水、の何れかを区画するととも
に、隣り合うセルのアノードからカソードに電子が流れ
る電気の通路を形成している。
【0009】燃料電池の拡散層13、16の製造におい
ては、拡散層13、16が耐クリープ性をもつように製
造されることが必要である。何となれば、拡散層13、
16のクリープが生じると、定圧荷重ではセパレータ当
り部のガス拡散性が低下し、定寸荷重では圧抜けによる
接触抵抗増大が生じるからである。
【0010】つぎに、本発明の各実施例の燃料電池の拡
散層13、16とその製造方法および製造装置を説明す
る。本発明の実施例1の燃料電池の拡散層13、16
は、図1、図2に示すように、基材13b、16bを有
し、基材13b、16bは、プリカーサの織布の炭化処
理されたヤーン1(フィラメント2をよりあわせたも
の)と、ヤーンのフィラメント2間に含浸してフィラメ
ント2を結合している炭化処理されたバインダ3とから
なっている。本発明の実施例1の燃料電池の拡散層1
3、16の製造方法は、拡散層13、16のうち、基材
13b、16bの耐クリープ性を向上させる拡散層1
3、16の製造方法であり、図1〜図3に示すように、
プリカーサ(前駆体、炭化処理する前のもの)を織布化
するか、もしくはプリカーサを半焼成した繊維で織布化
する工程101と、織布化した基材13b、16bに樹
脂(たとえば、フッ素系樹脂、フェノール樹脂)のバイ
ンダ(樹脂を溶媒に溶かして液状、またはスラリー状に
なっている)を含浸させる第1の工程102と、バイン
ダを含浸させた基材13b、16bをバインダごと炭化
処理する第2の工程103と、からなる。バインダはカ
ーボン粒子を含み、バインダ含浸時、基材13b、16
bの表面に炭化処理後撥水カーボン層13a、16aと
なる部分の層が形成される。工程103では、約200
0℃で炭化処理を行う。図3の工程103の焼成は炭化
処理である。本発明の実施例1の燃料電池の拡散層の製
造装置は、織布化した基材13b、16bに含浸させる
樹脂の液状バインダ3を入れたバインダ含浸処理容器1
04と、バインダを含浸させた基材13b、16bを炭
化処理する炭化焼成炉105と、を備えている。本発明
の実施例1では、完全に炭化を行うことで、導電性を向
上させつつ、バインダ3により基材13b、16bのヤ
ーン1(フィラメント2を束ねたもの)の強度を強化
し、基材13b、16bとしての耐クリープ性を向上さ
せる。図2はヤーンの強度向上、耐クリープ性向上の原
理を示したものであり、従来(図2の左側部分に示す)
はスタックに締結荷重をかけてヤーンに荷重がかかると
フィラメント同士の拘束が弱いので荷重方向と直交する
方向にヤーンが変形し、クリープ量が大となるが、本発
明(図2の右側部分に示す)はバインダ3で拘束された
まま炭化処理されるので、スタックに締結荷重をかけて
ヤーン1に荷重がかかった時、フィラメント2同士の拘
束が強いので荷重方向と直交する方向のヤーン1の変形
は小さく、クリープ量も小である。図6は、スタックを
定寸締めして時間経過による圧抜けによる燃料電池の接
触抵抗増大を測定したものであるが、実施例1の場合
は、従来に比べて内部抵抗の増大が小さく、耐クリープ
性が向上していることがわかる。
【0011】本発明の実施例2の燃料電池の拡散層1
3、16は、図1、図2に示すように、基材13b、1
6bを有し、該基材が、プリカーサの織布の炭化処理さ
れたヤーン1と、炭化されたヤーン1のフィラメント2
間に含浸してフィラメントを結合している溶融凝固され
た未炭化の導電性樹脂バインダ3とからなっている.本
発明の実施例2の燃料電池の拡散層13、16の製造方
法は、図1、図2、図4に示すように、織布化した基材
を約2000℃で炭化処理する第1の工程201と、炭
化処理した基材13b、16bにバインダとしての導電
性樹脂を含浸させる第2の工程202と、基材に含浸さ
せた導電性樹脂を樹脂硬化温度(たとえば、約320
℃)で溶融凝固させる第3の工程203と、からなる。
第2の工程202における導電性樹脂は、カーボンブラ
ックを含んだ反応硬化性樹脂または熱硬化性樹脂を用い
る。たとえば、導電性樹脂としてはフェノール樹脂にカ
ーボンブラックを混合したものが用いられる。第3の工
程の樹脂の硬化は350℃以下での溶融硬化焼成であ
り、炭化処理ではない。本発明の実施例2の燃料電池の
拡散層13、16の製造装置は、織布化した基材13
b、16bを炭化処理する炭化焼成炉204と、炭化処
理された織布化基材13b、16bに含浸させる導電性
樹脂の液状バインダ3を入れた含浸処理容器205と、
バインダを樹脂硬化温度(約320℃)で溶融凝固させ
る樹脂溶融凝固焼成炉206と、を備えている。本発明
の実施例2では、基材を先に炭化処理しておいて、その
後に導電性樹脂を含浸させるもので、導電性樹脂は炭化
処理されない。バインダ樹脂により炭化後の基材13
b、16bのヤーン1(フィラメント2を束ねたもの)
の強度を強化し、基材13b、16bとしての耐クリー
プ性を向上させる。図2はヤーン1の強度向上、耐クリ
ープ性の原理を示したものであり、実施例1での説明に
準じる。また、燃料電池の内部抵抗増大抑制について
も、実施例1と同様の作用、効果(図6の作用、効果)
がある。実施例2は、実施例1と比べて、バインダ樹脂
を炭化処理しないので、導電性向上の利点は少ないが、
既存の炭化織布を後加工で処理可能である利点がある。
【0012】本発明の実施例3の燃料電池の拡散層1
3、16は、図1、図2に示すように、撥水層兼用の基
材13b、16bを有し、該基材が、プリカーサの織布
の炭化処理されたヤーン1と、炭化されたヤーン1のフ
ィラメント2間に含浸してフィラメントを結合している
溶融凝固された未炭化の非導電性樹脂バインダ3とから
なっている。本発明の実施例3の燃料電池の拡散層1
3、16の製造方法は、図1、図2、図5に示すよう
に、織布化した基材13b、16bを約2000℃で炭
化処理する第1の工程301と、炭化処理した基材13
b、16bにフッ素系樹脂(たとえば、PTFE(ポリ
テトラフルオロエチレン)、PVDF,ETFE)また
はシリコン系樹脂3を溶媒に溶かした状態で含浸させる
第2の工程302と、基材に含浸させたフッ素系樹脂ま
たはシリコン系樹脂3を硬化または熱溶着させる第3の
工程303と、からなる。第3の工程の樹脂の硬化また
は溶着は300℃以下での硬化または溶着であり、炭化
処理ではない。本発明の実施例3の燃料電池の拡散層1
3、16の製造装置は、図5に示すように、織布化した
基材13b、16bを約2000℃で炭化処理する炭化
焼成炉304と、炭化処理された織布化基材13b、1
6bに含浸させる非導電性樹脂を溶媒に溶かした液状バ
インダを入れた含浸処理容器305と、バインダをバイ
ンダ樹脂の融点近傍(たとえば、320℃)で溶融凝固
させる樹脂溶融凝固焼成炉306と、を備えている。本
発明の実施例3では、基材13b、16bを先に炭化処
理しておいて、その後にバインダ樹脂3を含浸させるも
ので、樹脂3は炭化処理されない。バインダ樹脂3によ
り炭化後の基材13b、16bのヤーン(フィラメント
を束ねたもの)の強度を強化し、基材13b、16bと
しての耐クリープ性を向上させる。図2はヤーンの強度
向上、耐クリープ性の原理を示したものであり、実施例
1での説明に準じる。実施例3は、実施例1と比べて、
バインダ樹脂を炭化処理しないので、導電性向上の効果
は無いが、既存の炭化織布を後加工で処理可能である利
点がある。また、樹脂3に撥水性を付与することで耐水
性を改善することが可能である。また、燃料電池の内部
抵抗増大抑制についても、実施例1と同様の作用、効果
(図6の作用、効果)がある。
【0013】本発明の実施例4の燃料電池の拡散層1
3、16は、図7、図8に示すように、基材13b、1
6bを有し、該基材13b、16bが、不織布化したカ
ーボン繊維の抄紙と該抄紙に含浸量に分布をもたせて
(たとえば、縞状に)含浸され炭化された炭化樹脂バイ
ンダとからなる。バインダ量が多い部位は耐クリープ性
のある剛直部位4となりバインダ量が少ない部位は可撓
性のある柔軟部位5となっている。ロールに巻く場合
は、湾曲の軸芯と平行方向に柔軟部位5は延びており、
巻付けを可能にしている。本発明の実施例4の燃料電池
の拡散層13、16の製造方法は、図7、図8に示すよ
うに、カーボン繊維で湿式で抄紙(不織布、基材13
b、16bとなる)を作製する工程401と、湿式で不
織布化したカーボン繊維の抄紙に樹脂のバインダ3を不
均一に含浸させる第1の工程402と、バインダを不均
一に含浸させた抄紙を炭化処理(焼成)しバインダを炭
化する第2の工程403と、からなる。本発明の実施例
4の燃料電池の拡散層13、16の製造装置は、図7に
示すように、湿式で不織布化したカーボン繊維の抄紙に
樹脂のバインダを含浸量に分布をもたせて不均一に含浸
させる樹脂バインダ不均一含浸装置406と、バインダ
を含浸した抄紙13b、16bを炭化処理する炭化焼成
炉407と、を備えている。本発明の実施例4では、湿
式カーボン不織布(カーボンペーパ)を作製する工程4
01ではバインダ量はミニマムにしておく。工程402
ではバインダ樹脂を不均一、たとえばスプライン状に含
浸させる。これは、たとえば多数の平行スリットをもつ
マスキング404をカーボンペーパの上に置きバインダ
樹脂をスプレー405するか、ディスペンサ(ロボッ
ト)で塗布するか、スクリーン印刷などで塗布する。そ
の後、バインダを焼成炭化させる。図8に示すように、
バインダ含浸部分は強度が向上し剛直部位4となって耐
クリープ性を発現するが、バインダが含浸していない部
分またはバインダの含浸量が少ない部分である柔軟部位
5では柔軟性、可撓性を維持する。これによってバイン
ダスプラインと直交方向に、炭化処理カーボンペーパは
曲げ処理可能となり、ロール巻きが可能になって、連続
生産が可能になる。その結果、耐クリープ性の向上と良
好な生産性の両方が満足される。また、燃料電池の内部
抵抗増大抑制についても、実施例1と同様の作用、効果
(図6の作用、効果)がある。
【0014】本発明の実施例5の燃料電池の拡散層1
3、16は、図9に示すように、乾式で不織布化した基
材13b、16bとその全域に含浸された樹脂バインダ
(ピッチ等)3とが、プレスされ、一括完全炭化処理さ
れたものからなる。本発明の実施例5の燃料電池の拡散
層13、16の製造方法は、図9に示すように、乾式で
プリカーサをフェルト状に不織布化して基材13b、1
6bを形成する工程501と、乾式で不織布化した基材
13b、16bに樹脂のバインダ3を溶媒に溶かしたも
のを含浸させる第1の工程502と、バインダを含浸さ
せた基材13b、16bをプレスして厚み方向に圧縮す
る第2の工程503と、プレスされたバインダ含浸の基
材13b、16bを約1500〜2000℃で完全炭化
処理する第3の工程504と、からなる。本発明の実施
例5の燃料電池の拡散層13、16の製造装置は、図9
に示すように、乾式で不織布化した基材13、16bに
樹脂のバインダ3を含浸させる樹脂バインダ含浸装置5
05と、バインダを含浸させた基材13、16bをプレ
スするプレス装置506と、プレスされたバインダ含浸
の基材13、16bを完全炭化処理する炭化処理炉50
7と、を有する燃料電池の拡散層の製造装置。プリカー
サによる乾式不織布は生産性に優れ、低コストで大量に
連続生産が可能であり、拡散層基材として有望な材料で
あるが、嵩高く、過度のクッション性を有し、また、強
度的にも劣り、クリープしやすい点が問題である。そこ
で、本発明の実施例5では、カーボン繊維に事前に圧縮
荷重を付与し、クリープさせた状態の材料を基材として
拡散層を形成することで、耐クリープ性に優れた拡散層
13、16を得る。ただし、完全に炭化させた状態で荷
重(プレス)をかけるとカーボン繊維が破壊されてしま
うため、プリカーサまたは半焼成状態の炭化繊維で乾式
不織布を形成し、完全に炭化する前にバインダを含浸さ
せて繊維が柔軟性を維持している状態で、荷重を付与
し、圧縮した状態で完全炭化処理を施す。バインダ含浸
により、拡散層基材の耐クリープ性を向上でき、しかも
低コストで生産できる。また、燃料電池の内部抵抗増大
抑制についても、実施例1と同様の作用、効果(図6の
作用、効果)がある。実施例1〜実施例5までは拡散層
の基材の耐クリープ性の向上であるが、実施例6以降は
拡散層の撥水層の耐クリープ性の向上である。
【0015】本発明の実施例6の燃料電池の拡散層1
3、16は、図10に示すように、炭化処理された基材
13b、16bの片側に形成された、カーボンと樹脂
(撥水性をもつ樹脂、たとえばPTFE(ポリテトラフ
ルオロエチレン))との混合からなる撥水カーボン層1
3a、16aを有し、該撥水カーボン層13a、16a
が、粘着力に乏しいが強度の強い内層部(高剛性層A)
と、該内層部の上に塗布された柔軟で粘着力に優れた表
層部(粘着層B)との、複数の積層構造からなる。撥水
カーボン層13a、16aは炭化処理されないままであ
る。拡散層13、16の厚さは約200μmで、このう
ち撥水カーボン層13a、16aの厚さが約50〜10
0μmで、粘着層Bの厚さは約10μmである。高剛性
層Aと粘着層Bとは、同じカーボン、樹脂の混合物でよ
く(ただし、混合比を変えてもよい)、それを、2度塗
りして、それぞれの層の硬化温度を変えて形成されてい
る。カーボンブラックとPTFEの混合物を約350℃
以上で焼成するとバルク状となり高剛性となるが、PT
FEの融点近傍(約320℃)で焼成するとPTFEの
半溶融粒子から糸を引いて粘着力を有するものとなる。
燃料電池組立て時には、粘着層B側を燃料電池の電極対
向側にする。本発明の実施例6の燃料電池の拡散層1
3、16の製造方法は、図10に示すように、炭化処理
されている基材13b、16bに複数回撥水層13a、
16aとしての樹脂を塗布、焼成(この焼成は樹脂の硬
化または溶着の焼成で、炭化の焼成ではない)のプロセ
スを行い、それぞれのプロセスで条件(たとえば、硬化
または溶着などの焼成温度)を異ならせたものである。
本発明の実施例6の燃料電池の拡散層13、16の製造
方法は、たとえば、カーボン繊維を織布化または不織布
化して基材13b、16bを作製する工程601と、カ
ーボン織布もしくはカーボン不織布に樹脂(たとえば、
PTFEなどのフッ素系樹脂、フェノール樹脂等)とカ
ーボンとからなる撥水カーボン層13a、16aをコー
トした上で前記樹脂の融点を越える高温(たとえば、3
50℃)にて焼成する第1の工程602と、第1の工程
後に前記樹脂とカーボンとからなる撥水カーボン層13
a、16aを再度コートした上で前記樹脂の融点近傍の
低温(前記高温よりは低温の意味、たとえば、320
℃)にて焼成する第2の工程603と、からなる。本発
明の実施例6の燃料電池の拡散層13、16の製造装置
は、図10に示すように、カーボン織布もしくはカーボ
ン不織布に塗布された樹脂(たとえば、PTFE)とカ
ーボンとからなる撥水カーボン層Aを樹脂の融点を越え
る高温(350℃以上)にて焼成し、ついで撥水カーボ
ン層Aの上に再度塗布された樹脂とカーボンとからなる
撥水カーボン層B(材料はAと同じでよい、ただし焼成
温度が異なる)を樹脂の融点近傍の低温(約320℃)
にて焼成する、樹脂溶融凝固焼成炉601を備えてい
る。樹脂溶融凝固焼成炉601は、焼成温度を変えるこ
とにより、高温焼成と低温焼成の両方に使用できる。撥
水層の機械的特性は焼成温度によって変化する。これは
PTFE等の樹脂の溶着状態が変わるためである。PT
FEの融点近傍での焼成を行った場合、界面活性剤など
の除去は可能であるが、PTFE粒子は完全には融解し
ておらず、粒子間の接点でわずかに溶着するのみであ
る。この場合、外部から何らかの荷重がかかった場合、
その剪断力によってPTFEは容易に繊維化して(糸を
引いて)粘着力を発生する。しかし、融点を越えた温度
で焼成を行った場合、完全に溶解して結合力は高まるも
のの、繊維化は発生しにくくなり、粘着性は消失する。
拡散層の望ましい特性として強度(耐クリープ)と表面
の触媒層に対する粘着性とがあり、これを同時に実現す
ることは、従来、困難であった。本発明では、1層目を
高温で焼成して内層Aの高剛性層を形成し、それによっ
て対クリープ性を得、その後第2層目を塗布、低温焼成
することで表層Bの粘着層を得る。この時、樹脂は層A
とBとで同一組成(混合比)でもよいが、組成を変える
とより効果的である。たとえば、内層部は強度をより増
大させるためPTFE比率を増加し、表層部は接触抵抗
を維持するためPTFE比率を減少させることが有効で
ある。また、燃料電池の内部抵抗増大抑制についても、
実施例1と同様の作用、効果(図6の作用、効果)があ
る。
【0016】本発明の実施例7の燃料電池の拡散層1
3、16は、図11に示すように、炭化処理されている
基材13b、16bと、その燃料電池電極側に形成され
る撥水カーボン層13a、16aとからなり、撥水カー
ボン層13a、16aが、図11に示すように、カーボ
ン(たとえば、カーボンブラック)とバインダ(樹脂や
セルロース)とからなり、バインダが2種類のバインダ
C、Dを含む。2種類のバインダのうち一種のバインダ
Cは、粘着性のある樹脂、たとえばPTFE(PTFE
の粒子とその粒子から糸を引いた繊維状のもの)であ
り、もう一種のバインダは、バインダCを構成する樹脂
(たとえば、PTFE)より剛性が高い材料(たとえ
ば、セルロース)であり、これらバインダC、Dは溶媒
(たとえば、エタノール)に溶かしてスラリー状または
液状になった状態で、基材13b、16bに塗布され、
樹脂の融点温度(約320℃)近傍で溶融凝固焼成され
る。本発明の実施例7の燃料電池の拡散層13、16の
製造方法では、図11に示すように、拡散層13、16
に形成される撥水カーボン層13a、16aが2種類の
バインダにより形成される。本発明の実施例7の燃料電
池の拡散層13、16の製造方法では、拡散層13、1
6に形成される撥水カーボン層13a、16aのバイン
ダとして粘着性のある樹脂Cと該樹脂より剛性が高い材
料Dを用いる。粘着性のある樹脂は、たとえばPTFE
であり、剛性が高い材料は油溶性セルロース等である。
バインダは炭化処理されている基材に塗布され、樹脂の
融点近傍の温度で、一括、溶融凝固される。本発明の実
施例7の燃料電池の拡散層13、16の製造装置は、図
11に示すように、基材13b、16bに塗布された、
カーボンと2種類の樹脂バインダを含む撥水カーボン層
13a、16aを、バインダ樹脂の融点近傍の温度(た
とえば、約320℃)で溶融凝固させる樹脂溶融凝固焼
成炉701を備えている。PTFEは比較的剛性が弱い
樹脂であるが、剛性の高い材料(たとえば、セルロー
ス)を添加することにより、粘着性を維持したまま、撥
水カーボン層13a、16aの強度、耐クリープ性を向
上できる。また、燃料電池の内部抵抗増大抑制について
も、実施例1と同様の作用、効果(図6の作用、効果)
がある。
【0017】本発明の実施例8の燃料電池の拡散層1
3、16は、図12に示すように、炭化処理されている
基材13b、16bに,少なくともカーボン(たとえ
ば、カーボンブラック)と樹脂(たとえばPTFE)と
からなるペーストを塗布焼成した撥水層13a、16a
を有し、該撥水層13a、16aが塗布焼成前に剪断力
を付与されて繊維化が促進されたものからなる。本発明
の実施例8の燃料電池の拡散層13、16の製造方法
は、図12に示すように、少なくともカーボンと樹脂
(たとえばPTFE等のフッ素系樹脂)とからなるペー
ストに剪断力を付与する第1の工程と、剪断力が付与さ
れたペーストを基材13b、16bに塗布する第2の工
程と、ペーストを基材に塗布後ペースト(撥水層13
a、16aとなる部分)が塗布された基材を焼成(樹脂
の硬化または溶着)する第3の工程と、からなる。本発
明の実施例8の燃料電池の拡散層13、16の製造装置
は、図12に示すように、少なくともカーボンと樹脂と
からなるペーストに剪断力を付与するミキサ31と、該
剪断力が付与されたペーストを炭化処理されている基材
13b、16bに塗布する塗布装置(吐出ヘッド)33
と、基材に塗布されたペーストを前記樹脂の融点近傍の
温度で溶融凝固させる樹脂溶融凝固焼成炉(この炉は他
の実施例のものに準じる)と、を有する。第1の工程
は、図12において、メインタンク30からのペースト
をミキサ31に供給し、ミキサにてミキシングすること
によりペーストに剪断力を付与することにより行う。剪
断力付与により、ペーストに粘着性を発現させる。この
場合、樹脂の繊維化を促進させるためミキサ31周囲に
ヒータ32を配置してミキサを加熱する。第2の工程
は、剪断力を付与されたペーストを吐出ヘッド33から
吐出させて基材13b、16b上に塗布し、撥水カーボ
ン層13a、16aを形成する。第3の工程における焼
成は、たとえば320℃で行い、樹脂を溶着または硬化
させる。剪断力付与によりPTFEの繊維化が促進さ
れ、強度、耐クリープ性が向上する。また、燃料電池の
内部抵抗増大抑制についても、実施例1と同様の作用、
効果(図6の作用、効果)がある。
【0018】本発明の実施例9の燃料電池の拡散層1
3、16は、図13、図14に示すように、炭化処理さ
れている基材13b、16bに少なくともカーボン(た
とえば、カーボンブラック)と樹脂(たとえば、PTF
E)とからなるペーストを塗布焼成(この焼成は樹脂の
融点近傍で行われる樹脂の溶融凝固のための焼成)した
撥水層13a、16aを有し、撥水層13a、16aが
焼成後、室温から樹脂融点までの間にある温度(たとえ
ば、室温)で剪断力を付与されているものからなる。本
発明の実施例9の燃料電池の拡散層13、16の製造方
法は、図13、図14に示すように、少なくともカーボ
ンと樹脂(たとえば、PTFE等のフッ素系樹脂)とか
らなる撥水カーボン層13a、16aを基材13b、1
6b上に形成する第1の工程と、撥水カーボン層13
a、16aを形成した基材を焼成(約320℃で溶着ま
たは硬化)する第2の工程と、焼成後の基材を基材幅方
向に応力を発生させるプレスロール40、41間に通し
て撥水カーボン層に剪断力を付与する第3の工程と、か
らなる。本発明の実施例9の燃料電池の拡散層13、1
6の製造装置は、図13、図14に示すように、少なく
ともカーボンと樹脂(たとえば、PTFE)とからなる
ペーストを基材に塗布する塗布装置(図12の塗布装置
に準じたものを使用できる)と、基材に塗布されたペー
ストを樹脂(たとえば、PTFE)の融点(約320
℃)近傍の温度で溶融凝固させる樹脂溶融凝固焼成炉
(この炉は他の実施例のものに準じる)と、焼成後のペ
ーストが基材ごと通された時に焼成後のペーストに剪断
力を発生させる一対の剪断力付与ロール40、41と、
を有する。プレスロール40、41の各々に、プレスロ
ール中央の左右部に逆向きのスクリュウ状の溝を切って
おき、プレスロール40、41を回転させた時に、プレ
スロールによって挟まれた拡散層に幅方向に剪断力を付
与する。本発明の実施例9では、剪断力付与によりPT
FEの繊維化が促進され、強度、耐クリープ性が向上す
る。また、燃料電池の内部抵抗増大抑制についても、実
施例1と同様の作用、効果(図6の作用、効果)があ
る。
【0019】
【発明の効果】請求項1の燃料電池の拡散層、請求項2
の燃料電池の拡散層の製造方法、請求項3の燃料電池の
拡散層の製造装置によれば、織布系拡散層基材に樹脂バ
インダを添加し炭化処理を行うので、拡散層の基材の耐
クリープ性を向上させることができるとともに、導電性
を向上させることができる。請求項4の燃料電池の拡散
層、請求項5の燃料電池の拡散層の製造方法、請求項6
の燃料電池の拡散層の製造装置によれば、炭化処理を行
った織布に導電性樹脂を含浸するので、拡散層の基材の
耐クリープ性を向上させることができる。また、既存の
炭化織布を後加工で処理可能であるという利点がある。
請求項7の燃料電池の拡散層、請求項8の燃料電池の拡
散層の製造方法、請求項9の燃料電池の拡散層の製造装
置によれば、炭化処理を行った織布に樹脂を含浸し硬化
または熱溶着させるので、拡散層の基材の耐クリープ性
を向上させることができる。また、撥水性を付与して拡
散層の耐水性を改善することができ、また、既存の炭化
織布を後加工で処理可能であるという利点がある。請求
項10の燃料電池の拡散層、請求項11の燃料電池の拡
散層の製造方法、請求項12の燃料電池の拡散層の製造
装置によれば、湿式で不織布化したカーボン繊維の抄紙
に樹脂のバインダを不均一に含浸させ、炭化処理するの
で、バインダ添加により拡散層の基材の耐クリープ性を
向上させることができる。また、バインダを不均一に含
浸させるので、バインダを含浸させていない部分または
バインダの含浸が少ない部分は可撓性を有し、連続生産
が可能になる。請求項13の燃料電池の拡散層、請求項
14の燃料電池の拡散層の製造方法、請求項15の燃料
電池の拡散層の製造装置によれば、乾式で不織布化した
基材に樹脂のバインダを含浸させ、プレスし、その後、
完全炭化処理するので、バインダ添加とプレスによる圧
縮変形付与により拡散層の基材の耐クリープ性を向上さ
せることができる。また、炭化処理前にプレスするの
で、カーボン繊維の破壊はない。請求項16の燃料電池
の拡散層、請求項17、18の燃料電池の拡散層の製造
方法、請求項19の燃料電池の拡散層の製造装置によれ
ば、樹脂とカーボンとからなる撥水カーボン層を2層に
形成し、下層を樹脂の融点を越える高温にて焼成するの
で、高剛性層を形成でき、拡散層の撥水層の耐クリープ
性を向上させることができる。また、その上に再度前記
樹脂とカーボンとからなる撥水カーボン層をコートした
上で前記樹脂の融点近傍の低温にて焼成するので、外力
が加わった時に剪断力によって樹脂は糸を引いて表面に
粘着層を形成でき、MEAの触媒層への粘着性を向上さ
せることができる。請求項20、21の燃料電池の拡散
層、請求項22、23の燃料電池の拡散層の製造方法、
請求項24の燃料電池の拡散層の製造装置によれば、拡
散層に形成される撥水カーボン層が2種類のバインダに
より形成されるので、剛性の高いほうの材料の添加によ
り、拡散層の撥水層の耐クリープ性を向上させることが
できる。請求項25の燃料電池の拡散層、請求項26の
燃料電池の拡散層の製造方法、請求項27の燃料電池の
拡散層の製造装置によれば、少なくともカーボンと樹脂
とからなるペーストに焼成前に剪断力を付与するので、
剪断力付与により樹脂の繊維化が促進されてバインダの
結着力が増し、撥水カーボン層の強度が向上して拡散層
の耐クリープ性を向上させることができる。請求項28
の燃料電池の拡散層、請求項29の燃料電池の拡散層の
製造方法、請求項30の燃料電池の拡散層の製造装置に
よれば、基材に塗布した少なくともカーボンと樹脂とか
らなるペーストを焼成後、基材とともに基材幅方向に応
力を発生させるロール間に通して撥水カーボン層に剪断
力を付与するので、剪断力付与により樹脂の繊維化が促
進されてバインダの結着力が増し、撥水カーボン層の強
度が向上して拡散層の耐クリープ性を向上させることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1、2、3の拡散層の製造方
法、製造装置で製造された実施例1、2、3の拡散層の
拡大断面図である。
【図2】本発明の実施例1、2、3の燃料電池の拡散層
の製造方法、製造装置で製造された実施例1、2、3の
拡散層と従来製法で製造された拡散層との、荷重付与時
のヤーンの拡大断面変形図である。
【図3】本発明の実施例1の燃料電池の拡散層の製造方
法の工程図と、各工程での拡散層および製造装置の概略
図である。
【図4】本発明の実施例2の燃料電池の拡散層の製造方
法の工程図と、各工程での拡散層および製造装置の概略
図である。
【図5】本発明の実施例3の燃料電池の拡散層の製造方
法の工程図と、各工程での拡散層および製造装置の概略
図である。
【図6】本発明実施例(何れの実施例でもよい)の燃料
電池の拡散層の製造方法で製造された拡散層を装着した
燃料電池の定寸締めスタックの内部抵抗の変化図であ
る。
【図7】本発明の実施例4の燃料電池の拡散層の製造方
法の工程図と、各工程での拡散層および製造装置の概略
図である。
【図8】本発明の実施例4の燃料電池の拡散層の製造方
法で製造された拡散層の拡大断面図である。
【図9】本発明の実施例5の燃料電池の拡散層の製造方
法の工程図と、各工程での拡散層および製造装置の概略
図である。
【図10】本発明の実施例6の燃料電池の拡散層の製造
方法の工程図と、各工程での拡散層および製造装置の概
略図である。
【図11】本発明の実施例7の燃料電池の拡散層の製造
方法で製造された拡散層の拡大断面図およびその製造装
置の概略図である。
【図12】本発明の実施例8の燃料電池の拡散層の製造
方法で用いる製造装置の側面図である。
【図13】本発明の実施例9の燃料電池の拡散層の製造
方法で用いる製造装置の側面図である。
【図14】本発明の実施例9の燃料電池の拡散層の製造
方法で用いる製造装置の正面図である。
【図15】本発明実施例の燃料電池の拡散層の製造方法
で製造された拡散層が組み付けられた燃料電池の正面図
である。
【図16】図15の燃料電池のモジュールの拡大断面図
である。
【符号の説明】
1 ヤーン 2 フィラメント 3 バインダ 4 剛直部位 5 柔軟部位 10 (固体高分子電解質型)燃料電池 11 電解質膜 12 触媒層 13 拡散層 13a 撥水カーボン層(撥水層) 13b 基材 14 電極(アノード、燃料極) 15 触媒層 16 拡散層 16a 撥水カーボン層(撥水層) 16b 基材 17 電極(カソード、空気極) 18 セパレータ 19 モジュール 20 ターミナル 21 インシュレータ 22 エンドプレート 23 スタック 24 締結部材(テンションプレート) 25 ボルトまたはナット 26 冷却水流路 27 ガス流路 30 メインタンク 31 ミキサ 32 ヒータ32 33 吐出ヘッド 40、41 プレスロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木野 喜隆 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 5H018 AA06 AS01 BB00 BB01 BB03 BB05 DD05 EE05 EE08 EE17 EE18 EE19 5H026 AA06 CC03

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材を有し、該基材が、プリカーサの織
    布の炭化処理されたヤーンと、ヤーンのフィラメント間
    に含浸してフィラメントを結合している炭化処理された
    バインダとからなっている、燃料電池の拡散層。
  2. 【請求項2】 織布化した基材に樹脂のバインダを含浸
    させる第1の工程と、バインダを含浸させた基材を炭化
    処理する第2の工程と、からなる燃料電池の拡散層の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 織布化した基材に含浸させる樹脂の液状
    バインダを入れたバインダ含浸処理容器と、バインダを
    含浸させた基材を炭化処理する炭化焼成炉と、を備えた
    燃料電池の拡散層の製造装置。
  4. 【請求項4】 基材を有し、該基材が、プリカーサの織
    布の炭化処理されたヤーンと、炭化されたヤーンのフィ
    ラメント間に含浸してフィラメントを結合している溶融
    凝固された未炭化の導電性樹脂バインダとからなってい
    る、燃料電池の拡散層。
  5. 【請求項5】 織布化した基材を炭化処理する第1の工
    程と、炭化処理した基材に導電性樹脂バインダを含浸さ
    せる第2の工程と、基材に含浸させた導電性樹脂バイン
    ダを溶融凝固させる第3の工程と、からなる燃料電池の
    拡散層の製造方法。
  6. 【請求項6】 織布化した基材を炭化処理する炭化焼成
    炉と、炭化処理された織布化基材に含浸させる導電性樹
    脂の液状バインダを入れた含浸処理容器と、バインダを
    溶融凝固させる樹脂溶融凝固焼成炉と、を備えた燃料電
    池の拡散層の製造装置。
  7. 【請求項7】 撥水層兼用の基材を有し、該基材が、プ
    リカーサの織布の炭化処理されたヤーンと、炭化された
    ヤーンのフィラメント間に含浸してフィラメントを結合
    している溶融凝固された未炭化の非導電性樹脂バインダ
    とからなっている、燃料電池の拡散層。
  8. 【請求項8】 織布化した基材を炭化処理する第1の工
    程と、炭化処理した基材にフッ素系樹脂またはシリコン
    系樹脂を含浸させる第2の工程と、基材に含浸させたフ
    ッ素系樹脂またはシリコン系樹脂を硬化または熱溶着さ
    せる第3の工程と、からなる燃料電池の拡散層の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 織布化した基材を炭化処理する炭化焼成
    炉と、炭化処理された織布化基材に含浸させる非導電性
    樹脂の液状バインダを入れた含浸処理容器と、バインダ
    を溶融凝固させる樹脂溶融凝固焼成炉と、を備えた燃料
    電池の拡散層の製造装置。
  10. 【請求項10】 基材を有し、該基材が、不織布化した
    カーボン繊維の抄紙と該抄紙に含浸量に分布をもたせて
    含浸され炭化された炭化樹脂バインダとからなり、バイ
    ンダ量が多い部位は耐クリープ性のある剛直部位となり
    バインダ量が少ない部位は可撓性のある柔軟部位となっ
    ている、燃料電池の拡散層。
  11. 【請求項11】 湿式で不織布化したカーボン繊維の抄
    紙に樹脂のバインダを不均一に含浸させる第1の工程
    と、バインダを不均一に含浸させた抄紙を炭化処理する
    第2の工程と、からなる燃料電池の拡散層の製造方法。
  12. 【請求項12】 湿式で不織布化したカーボン繊維の抄
    紙に樹脂のバインダを含浸量に分布をもたせて不均一に
    含浸させる樹脂バインダ不均一含浸装置と、バインダを
    含浸した抄紙を炭化処理する炭化焼成炉と、を備えた燃
    料電池の拡散層の製造装置。
  13. 【請求項13】 乾式で不織布化した基材とその全域に
    含浸された樹脂バインダとが、プレスされ、一括完全炭
    化処理された燃料電池の拡散層。
  14. 【請求項14】 乾式で不織布化した基材に樹脂のバイ
    ンダを含浸させる第1の工程と、バインダを含浸させた
    基材をプレスする第2の工程と、プレスされたバインダ
    含浸の基材を完全炭化処理する第3の工程と、からなる
    燃料電池の拡散層の製造方法。
  15. 【請求項15】 乾式で不織布化した基材に樹脂のバイ
    ンダを含浸させる樹脂バインダ含浸装置と、バインダを
    含浸させた基材をプレスするプレス装置と、プレスされ
    たバインダ含浸の基材を完全炭化処理する炭化処理炉
    と、を有する燃料電池の拡散層の製造装置。
  16. 【請求項16】 基材の片側に形成された、カーボンと
    樹脂との混合からなる撥水カーボン層を有し、該撥水カ
    ーボン層が、粘着力に乏しいが強度の強い内層部と、該
    内層部の上に塗布された柔軟で粘着力に優れた表層部と
    の、複数の積層構造からなる燃料電池の拡散層。
  17. 【請求項17】 基材に複数回樹脂を塗布、焼成のプロ
    セスを行い、それぞれのプロセスで条件を異ならせた燃
    料電池の拡散層の製造方法。
  18. 【請求項18】 カーボン織布もしくはカーボン不織布
    に樹脂とカーボンとからなる撥水カーボン層をコートし
    た上で前記樹脂の融点を越える高温にて焼成する第1の
    工程と、第1の工程後に前記樹脂とカーボンとからなる
    撥水カーボン層を再度コートした上で前記樹脂の融点近
    傍の低温にて焼成する第2の工程と、からなる請求項1
    7の燃料電池の拡散層の製造方法。
  19. 【請求項19】 カーボン織布もしくはカーボン不織布
    に塗布された樹脂とカーボンとからなる撥水カーボン層
    を前記樹脂の融点を越える高温にて焼成し、ついで前記
    撥水カーボン層の上に再度塗布された前記樹脂とカーボ
    ンとからなる撥水カーボン層を前記樹脂の融点近傍の低
    温にて焼成する、樹脂溶融凝固焼成炉を備えた燃料電池
    の拡散層の製造装置。
  20. 【請求項20】 拡散層に形成される撥水カーボン層の
    バインダとして2種類のバインダを用いた燃料電池の拡
    散層。
  21. 【請求項21】 拡散層に形成される撥水カーボン層の
    バインダとして粘着性のある樹脂と該樹脂より剛性が高
    い材料を用いた請求項20記載の燃料電池の拡散層。
  22. 【請求項22】 拡散層に形成される撥水カーボン層
    を、カーボンに2種類のバインダを含む液を基材に塗布
    し、ついでバインダの融点近傍の温度で溶融凝固させて
    形成する燃料電池の拡散層の製造方法。
  23. 【請求項23】 拡散層に形成される撥水カーボン層
    を、カーボンに粘着性のある樹脂と該樹脂より剛性が高
    い材料からなるバインダを基材に塗布し、ついでバイン
    ダの融点近傍の温度で溶融凝固させて形成する請求項2
    2記載の燃料電池の拡散層の製造方法。
  24. 【請求項24】 基材に塗布された、カーボンと2種類
    の樹脂バインダを含む撥水カーボン層を、バインダ樹脂
    の融点近傍の温度で溶融凝固させる樹脂溶融凝固焼成炉
    を備えた燃料電池の拡散層の製造装置。
  25. 【請求項25】 基材に少なくともカーボンと樹脂とか
    らなるペーストを塗布焼成した撥水層を有し、該撥水層
    が塗布焼成前に剪断力を付与されている燃料電池の拡散
    層。
  26. 【請求項26】 少なくともカーボンと樹脂とからなる
    ペーストに剪断力を付与する第1の工程と、剪断力が付
    与されたペーストを基材に塗布する第2の工程と、ペー
    ストを基材に塗布後基材に塗布されたペーストを前記樹
    脂の融点近傍の温度で焼成する第3の工程と、からなる
    燃料電池の拡散層の製造方法。
  27. 【請求項27】 少なくともカーボンと樹脂とからなる
    ペーストに剪断力を付与するミキサと、該剪断力が付与
    されたペーストを基材に塗布する塗布装置と、基材に塗
    布されたペーストを前記樹脂の融点近傍の温度で溶融凝
    固させる樹脂溶融凝固焼成炉と、を有する燃料電池の拡
    散層の製造装置。
  28. 【請求項28】 基材に少なくともカーボンと樹脂とか
    らなるペーストを塗布焼成した撥水層を有し、該撥水層
    が焼成後剪断力を付与されている燃料電池の拡散層。
  29. 【請求項29】 少なくともカーボンと樹脂とからなる
    撥水カーボン層を基材に塗布形成する第1の工程と、基
    材に塗布形成された撥水カーボン層を前記樹脂の融点近
    傍の温度で焼成する第2の工程と、焼成後のペーストを
    基材ごと基材幅方向に応力を発生させるロール間に通し
    て撥水カーボン層に剪断力を付与する第3の工程と、か
    らなる燃料電池の拡散層の製造方法。
  30. 【請求項30】 少なくともカーボンと樹脂とからなる
    ペーストを基材に塗布する塗布装置と、基材に塗布され
    たペーストを前記樹脂の融点近傍の温度で溶融凝固させ
    る樹脂溶融凝固焼成炉と、焼成後のペーストが基材ごと
    通された時に焼成後のペーストに剪断力を発生させる一
    対の剪断力付与ロールと、を有する燃料電池の拡散層の
    製造装置。
JP2000316012A 2000-10-17 2000-10-17 固体高分子電解質型燃料電池の拡散層とその製造方法 Expired - Fee Related JP5050294B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000316012A JP5050294B2 (ja) 2000-10-17 2000-10-17 固体高分子電解質型燃料電池の拡散層とその製造方法
US09/977,399 US20020045089A1 (en) 2000-10-17 2001-10-16 Diffusion layer for a fuel cell and a method and apparatus for manufacturing the same
CA002359276A CA2359276C (en) 2000-10-17 2001-10-17 Diffusion layer for a fuel cell and a method and apparatus for manufacturing the same
DE10151134A DE10151134B4 (de) 2000-10-17 2001-10-17 Diffusionsschicht für eine Brennstoffzelle und ein Verfahren zur Herstellung derselben

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000316012A JP5050294B2 (ja) 2000-10-17 2000-10-17 固体高分子電解質型燃料電池の拡散層とその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002124266A true JP2002124266A (ja) 2002-04-26
JP5050294B2 JP5050294B2 (ja) 2012-10-17

Family

ID=18795020

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000316012A Expired - Fee Related JP5050294B2 (ja) 2000-10-17 2000-10-17 固体高分子電解質型燃料電池の拡散層とその製造方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20020045089A1 (ja)
JP (1) JP5050294B2 (ja)
CA (1) CA2359276C (ja)
DE (1) DE10151134B4 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004311276A (ja) * 2003-04-09 2004-11-04 Matsushita Electric Ind Co Ltd 高分子膜電極接合体および高分子電解質型燃料電池
JP2005100748A (ja) * 2003-09-24 2005-04-14 Nec Tokin Corp 電解質膜電極接合体及びその製造方法並びに固体高分子型燃料電池
JP2005191002A (ja) * 2003-12-04 2005-07-14 Matsushita Electric Ind Co Ltd 燃料電池用ガス拡散層、電極及び膜電極接合体及びその製造方法
JP2010244784A (ja) * 2009-04-03 2010-10-28 Toyota Motor Corp 燃料電池
JP2013145640A (ja) * 2012-01-13 2013-07-25 Toyota Motor Corp 燃料電池用拡散層の製造方法および燃料電池用拡散層
JP2014011108A (ja) * 2012-07-02 2014-01-20 Toyota Motor Corp 燃料電池用ガス拡散層及びその形成方法
JP2015233021A (ja) * 2015-09-30 2015-12-24 トヨタ自動車株式会社 燃料電池用ガス拡散層
JP2016012557A (ja) * 2014-06-02 2016-01-21 三菱レイヨン株式会社 ガス拡散層とその製造方法
KR20180031529A (ko) * 2016-09-20 2018-03-28 재단법인 한국탄소융합기술원 바인더 피치 재함침 및 저온탄화공정을 이용한 연료전지 기체확산층용 피치 기반 탄소종이 제조방법 및 이에 의해 제조된 탄소종이
JP2020145075A (ja) * 2019-03-07 2020-09-10 株式会社豊田中央研究所 マイクロポーラス層用ペースト及びその製造方法

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE60324415D1 (de) * 2002-03-26 2008-12-11 Matsushita Electric Ind Co Ltd Elektrolytmembranelectrodenanordnung, brennstoffzelle damit und herstellungsverfahren dafür
DE102005022484B4 (de) * 2005-05-11 2016-02-18 Carl Freudenberg Kg Gasdiffusionsschicht und Anordnung umfassend zwei Gasdiffusionsschichten
JP4736580B2 (ja) * 2005-07-12 2011-07-27 日産自動車株式会社 バイポーラ電池、組電池及びそれらの電池を搭載した車両
US7722979B2 (en) * 2005-10-14 2010-05-25 Gm Global Technology Operations, Inc. Fuel cells with hydrophobic diffusion medium
KR100882702B1 (ko) * 2007-07-10 2009-02-06 김호섭 카본 페이스트의 인쇄장치 및 그 인쇄방법
US20100028744A1 (en) * 2008-08-04 2010-02-04 Gm Global Technology Operations, Inc. Gas diffusion layer with lower gas diffusivity
EP2637859B1 (de) 2010-11-09 2017-10-25 Magna Steyr Fahrzeugtechnik AG & Co. KG Wabenkern, herstellungsverfahren für einen wabenkern sowie verbundplatte mit einem wabenkern
MX2016001378A (es) 2013-07-31 2016-08-18 Aquahydrex Pty Ltd Celdas electroquimicas modulares.
EP3088582B1 (en) * 2013-12-27 2020-04-01 Toray Industries, Inc. Carbon fiber nonwoven fabric, production method for carbon fiber nonwoven fabric, and nonwoven fabric of carbon fiber precurser fibers
EP3918112A4 (en) 2019-02-01 2022-10-26 Aquahydrex, Inc. CONTAINED ELECTROLYTE ELECTROCHEMICAL SYSTEM

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6086762A (ja) * 1983-10-17 1985-05-16 Fuji Electric Corp Res & Dev Ltd 燃料電池のリブ付き電極基板の製造方法
JPH10261421A (ja) * 1997-03-17 1998-09-29 Japan Gore Tex Inc 高分子固体電解質燃料電池用ガス拡散層材料及びその接合体
JP2000136493A (ja) * 1998-08-26 2000-05-16 Aisin Seiki Co Ltd カ―ボンシ―トの製造方法及び燃料電池用電極の製造方法

Family Cites Families (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH065619B2 (ja) * 1986-02-06 1994-01-19 田中貴金属工業株式会社 ガス拡散電極の製造方法
JPS62232861A (ja) * 1986-04-01 1987-10-13 Tanaka Kikinzoku Kogyo Kk ガス拡散電極とその製造方法
JPH02117068A (ja) * 1988-10-26 1990-05-01 Tanaka Kikinzoku Kogyo Kk ガス拡散電極の製造方法
JPH02252659A (ja) * 1989-03-23 1990-10-11 Sumitomo Electric Ind Ltd 三次元炭素繊維―炭素複合材料の製造方法
JPH04154662A (ja) * 1990-10-15 1992-05-27 Sumitomo Electric Ind Ltd 炭素繊維強化炭素複合材料の製造方法
JPH0517260A (ja) * 1991-07-03 1993-01-26 Osaka Gas Co Ltd 炭素質多孔体の製造方法
US5346785A (en) * 1992-01-21 1994-09-13 Nippon Telegraph And Telephone Corporation Photochargeable air battery
JPH0644985A (ja) * 1992-07-23 1994-02-18 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 固体高分子電解質型燃料電池用電極
US5863673A (en) * 1995-12-18 1999-01-26 Ballard Power Systems Inc. Porous electrode substrate for an electrochemical fuel cell
DE19838814A1 (de) * 1997-08-28 1999-03-04 Fuji Electric Co Ltd Brennstoffzelle mit einem festen Polymer-Elektrolyten
DE19840517A1 (de) * 1998-09-04 2000-03-16 Manhattan Scientifics Inc Gasdiffusionsstruktur senkrecht zur Membran von Polymerelektrolyt-Membran Brennstoffzellen
JP2000182625A (ja) * 1998-12-11 2000-06-30 Toyota Motor Corp 燃料電池用電極及びその製造方法
US6350539B1 (en) * 1999-10-25 2002-02-26 General Motors Corporation Composite gas distribution structure for fuel cell
US6667127B2 (en) * 2000-09-15 2003-12-23 Ballard Power Systems Inc. Fluid diffusion layers for fuel cells
US6627035B2 (en) * 2001-01-24 2003-09-30 Gas Technology Institute Gas diffusion electrode manufacture and MEA fabrication
US6716551B2 (en) * 2001-05-02 2004-04-06 Ballard Power Systems Inc. Abraded fluid diffusion layer for an electrochemical fuel cell

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6086762A (ja) * 1983-10-17 1985-05-16 Fuji Electric Corp Res & Dev Ltd 燃料電池のリブ付き電極基板の製造方法
JPH10261421A (ja) * 1997-03-17 1998-09-29 Japan Gore Tex Inc 高分子固体電解質燃料電池用ガス拡散層材料及びその接合体
JP2000136493A (ja) * 1998-08-26 2000-05-16 Aisin Seiki Co Ltd カ―ボンシ―トの製造方法及び燃料電池用電極の製造方法

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004311276A (ja) * 2003-04-09 2004-11-04 Matsushita Electric Ind Co Ltd 高分子膜電極接合体および高分子電解質型燃料電池
JP2005100748A (ja) * 2003-09-24 2005-04-14 Nec Tokin Corp 電解質膜電極接合体及びその製造方法並びに固体高分子型燃料電池
JP2005191002A (ja) * 2003-12-04 2005-07-14 Matsushita Electric Ind Co Ltd 燃料電池用ガス拡散層、電極及び膜電極接合体及びその製造方法
JP2010244784A (ja) * 2009-04-03 2010-10-28 Toyota Motor Corp 燃料電池
JP2013145640A (ja) * 2012-01-13 2013-07-25 Toyota Motor Corp 燃料電池用拡散層の製造方法および燃料電池用拡散層
US9466851B2 (en) 2012-07-02 2016-10-11 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Fuel-cell gas diffusion layer and method of forming the same
JP2014011108A (ja) * 2012-07-02 2014-01-20 Toyota Motor Corp 燃料電池用ガス拡散層及びその形成方法
JP2016012557A (ja) * 2014-06-02 2016-01-21 三菱レイヨン株式会社 ガス拡散層とその製造方法
JP2015233021A (ja) * 2015-09-30 2015-12-24 トヨタ自動車株式会社 燃料電池用ガス拡散層
KR20180031529A (ko) * 2016-09-20 2018-03-28 재단법인 한국탄소융합기술원 바인더 피치 재함침 및 저온탄화공정을 이용한 연료전지 기체확산층용 피치 기반 탄소종이 제조방법 및 이에 의해 제조된 탄소종이
KR101870523B1 (ko) * 2016-09-20 2018-07-20 재단법인 한국탄소융합기술원 바인더 피치 재함침 및 저온탄화공정을 이용한 연료전지 기체확산층용 피치 기반 탄소종이 제조방법 및 이에 의해 제조된 탄소종이
JP2020145075A (ja) * 2019-03-07 2020-09-10 株式会社豊田中央研究所 マイクロポーラス層用ペースト及びその製造方法
JP7207025B2 (ja) 2019-03-07 2023-01-18 株式会社豊田中央研究所 マイクロポーラス層用ペースト及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5050294B2 (ja) 2012-10-17
CA2359276A1 (en) 2002-04-17
CA2359276C (en) 2008-08-26
DE10151134B4 (de) 2012-07-05
DE10151134A1 (de) 2002-04-25
US20020045089A1 (en) 2002-04-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2002124266A (ja) 燃料電池の拡散層とその製造方法および製造装置
CA2234691C (en) Fuel cell
US20030091891A1 (en) Catalyst composition for cell, gas diffusion layer, and fuel cell comprising the same
JP3888057B2 (ja) 固体高分子型燃料電池用炭素繊維紙
KR101351142B1 (ko) 미세다공성 층
US20040121122A1 (en) Carbonaceous coatings on flexible graphite materials
DE112011102281B4 (de) Herstellungsverfahren und Herstellungsvorrichtung für eine Gasdiffusionsschicht einer Brennstoffzelle und Brennstoffzelle
KR20010080532A (ko) 다공질, 도전성시트 및 그 제조방법
JP2000299113A (ja) 導電シートおよびそれを用いた燃料電池用電極基材
JP5987440B2 (ja) 燃料電池用微細多孔質層シート及びその製造方法
CA2927098A1 (en) Carbon fiber nonwoven fabric, production method for carbon fiber nonwoven fabric, and nonwoven fabric of carbon fiber precurser fibers
WO2010090164A1 (ja) 多孔質電極基材、その製造方法、膜-電極接合体、および固体高分子型燃料電池
JPS63254669A (ja) 燃料電池用電極基材
CN107302097B (zh) 用于气体扩散层的多层碳基材
US20020192539A1 (en) High polymer electrolyte fuel cell
WO2004086542A2 (en) Process for joining a gas diffusion layer to a separator plate
US11283082B2 (en) Gas diffusion electrode and production method therefor
JP2002522885A (ja) 層材料
CA2434086A1 (en) Catalyst composition for cell, gas diffusion layer, and fuel cell comprising the same
JP2004027435A (ja) 炭素繊維シート及びその製造方法
JP2005100748A (ja) 電解質膜電極接合体及びその製造方法並びに固体高分子型燃料電池
JP4559767B2 (ja) 炭素電極基材の製造方法
JP5336911B2 (ja) 多孔質電極基材、その製造方法、膜−電極接合体、および燃料電池
JP5336804B2 (ja) 多孔質電極基材、その製造方法、膜−電極接合体、および固体高分子型燃料電池
JP4052932B2 (ja) 燃料電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070628

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090202

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100216

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100402

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110308

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110405

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120309

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120626

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120709

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150803

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees