JP2002106652A - サイレントチェーン伝動機構 - Google Patents
サイレントチェーン伝動機構Info
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Abstract
るサイレントチェーン伝動機構において、全てのスプロ
ケットに対するコーダルアクションを抑制して振動と騒
音を低減でき、チェーン張力変動を抑制して優れた駆動
性能と耐久性を発揮できるサイレントチェーン伝動機構
を提供する。 【解決手段】 歯数の相異なるスプロケット11、1
2、13が特定の歯切り転位量Xで歯切りされた相異な
るスプロケット歯形を有しているとともに、サイレント
チェーン20の外側フランクがチェーン巻き付き着座時
に前記スプロケット11、12、13の相異なるスプロ
ケット歯形のすべてに接する包絡線で輪郭形成された歯
面形状を有していることによって、全てのスプロケット
11、12、13に対するコーダルアクションを抑制し
たものである。
Description
ンの内側フランクで噛み合い開始した後に外側フランク
で噛み合って巻き付き着座しながら動力伝達するサイレ
ントチェーン伝動機構に関するものであって、特に、4
サイクルエンジンのクランク軸からカム軸やバランサ軸
に動力伝達する歯数の相異なるスプロケットを備えたサ
イレントチェーン伝動機構に関するものである。
クランク軸から吸気バルブ、排気バルブ、バランサなど
を駆動する場合に用いられるサイレントチェーン伝動機
構は、バルブ駆動用クランク軸スプロケット11a、吸
気バルブ用カム軸スプロケット12a、排気バルブ用カ
ム軸スプロケット12b、バランサ駆動用クランク軸ス
プロケット11b、バランサ軸スプロケット13、カム
軸駆動用サイレントチェーン20a、バランサ軸駆動用
サイレントチェーン20b、前記サイレントチェーン2
0aに張力を与えるテンショナTとテンショナレバー
L、前記サイレントチェーン20aの振れを押さえるチ
ェーンガイドGなどで構成されている。
ム軸スプロケット12の歯数をバルブ駆動用クランク軸
スプロケット11aの歯数の2倍に設定した減速伝動機
構において、クランク軸が2回転すると、それぞれ1回
作動するようになっている。
ト13の歯数をバランサ駆動用クランク軸スプロケット
11bの歯数の1/2に設定した増速伝動機構におい
て、クランク軸の高次不釣り合いを相殺するためクラン
ク軸が1回転すると、2回転するようになっている。
動機構に用いるカム軸駆動用サイレントチェーン20a
とバランサ軸駆動用サイレントチェーン20bは、チェ
ーン張力を加えて直線状に張ったときにリンクプレート
が有する一対のリンク歯に形成された内側フランクの中
央膨出部が一対のリンク歯に形成された直線状の外側フ
ランクよりはみ出しており、それぞれのスプロケットに
対して内側フランクで噛み合い開始した後に外側フラン
クで噛み合って巻き付き着座しながら動力伝達するもの
であり、両者は実質的に同一のものを使用している。
軸スプロケット12、バランサ軸スプロケット13に
は、直線状の外側フランクを連続した形状と概ね相似な
歯形のホブカッターによって、夫々の歯数に応じて外側
フランクで噛み合って巻き付き着座するような歯切り転
位量で歯切りされたインボリュート歯が形成されてい
る。
成された従来のサイレントチェーン伝動機構の基本的な
作動状態を歯数の相異なるそれぞれのスプロケット1
1、12、13のいずれか一つのスプロケット(以下、
スプロケット10という。)に注目して説明すると、以
下のとおりである。
イレントチェーン20がこれらのスプロケット10に巻
き付いた時、一対のリンク歯に形成された外側フランク
は、スプロケット10の1歯おきにスプロケット歯面に
着座して正多角形状の巻き付き形態を呈する一方、一対
のリンク歯に形成された内側フランクの中央膨出部が直
線状の外側フランクよりはみ出しているために、スプロ
ケット10に進入する内側フランクの中央膨出部がスプ
ロケット歯面と接触して、外側フランクがスプロケット
歯面に着座する前にスプロケットに進入するサイレント
チェーン20を一時的に持ち上げることによって、チェ
ーン噛み合い開始時に生じるスプロケット10の半径方
向に上下動を伴うサイレントチェーン20の正多角形運
動、すなわち、コーダルアクションを抑制しようとして
いる。
伝動機構は、クランク軸スプロケット11aとカム軸ス
プロケット12との歯数、あるいは、クランク軸スプロ
ケット11bとバランサ軸スプロケット13との歯数が
大きく異なっているため、サイレントチェーン20が1
ピッチ進む間にスプロケット10が回転する角度が異な
り、それぞれのスプロケット10に生じるコーダルアク
ションの大きさも大きく異なる。
側フランクがその中央膨出部を有しているサイレントチ
ェーン20を使用した場合には、スプロケット10に進
入するチェーンを持ち上げる高さが一定であるため、ク
ランク軸スプロケット11a、および、11b、カム軸
スプロケット12、バランサ軸スプロケット13のいず
れか一つにおいてコーダルアクションを抑制することは
できるが、全てのスプロケット10においてコーダルア
クションを共に抑制することはきわめて困難である。
動機構では、クランク軸スプロケット11、カム軸スプ
ロケット12、若しくは、バランサ軸スプロケット13
のいずれか一つにおいてコーダルアクションが抑制され
たとしても、サイレントチェーン伝動機構全体としてみ
るとコーダルアクションに伴う振動と騒音を低減したこ
とにはならなず、また、前記リンク歯の内側フランクに
膨出させた中央部がプロケット歯面と衝突して、すなわ
ち、ビーティングモーションを引き起こし、新たな振動
・騒音やチェーンの張力変動を生じるという厄介な問題
があった。
ジンのクランク軸からカム軸やバランサ軸を駆動する場
合に用いられるような、歯数の相異なるスプロケット間
で動力を伝達するサイレントチェーン伝動機構におい
て、全てのスプロケットに対するサイレントチェーンの
コーダルアクションを完全に抑制してこれによって引き
起こされる振動と騒音を低減するとともに、チェーンの
張力変動を抑制して優れた駆動性能と耐久性を発揮する
ことができるサイレントチェーン伝動機構を提供するこ
とである。
ーン伝動機構は、一対のV字状リンク歯と一対の連結ピ
ン穴とを有する多数のリンクプレートを指組み状に編成
して多数の連結ピンでチェーン長手方向に連結してなる
無端状のサイレントチェーンが、歯数の相異なる離間配
置されたスプロケットに対して、前記一対のV字状リン
ク歯に形成された内側フランクで噛み合い開始した後に
前記一対のV字状リンク歯に形成された外側フランクで
噛み合って巻き付き着座しながら動力伝達するサイレン
トチェーン伝動機構において、前記歯数の相異なるスプ
ロケットが、前記サイレントチェーンの内側フランクを
連続した形状と概ね相似な歯形のホブカッターを用い
て、チェーン噛み合い開始時の内側フランクの噛み合い
高さとスプロケット中心からチェーン巻き付き着座時の
連結ピン中心までの中心間隔が一致するような歯切り転
位量で歯切りされた相異なるスプロケット歯形を有して
いるとともに、前記サイレントチェーンの外側フランク
が、チェーン巻き付き着座時に前記スプロケットの相異
なるスプロケット歯形のすべてに接する包絡線で輪郭形
成された歯面形状を有していることによって前記課題を
解決した。
い開始時」とは、サイレントチェーンの内側フランクが
スプロケットに外接する接線方向からスプロケットに対
して噛み合い接触を開始する時点を意味し、「チェーン
巻き付き着座時」とは、噛み合い開始後にサイレントチ
ェーンの内側フランクがスプロケットから噛み外れて外
側フランクが噛み合って巻き付きながら着座している時
点を意味する。
噛み合い高さ」とは、チェーン噛み合い開始時にスプロ
ケットへ進入するリンクプレートのチェーン・ピッチ線
からスプロケット中心までの相互間隔を意味し、また、
この「チェーン・ピッチ線」とは、リンクプレートに挿
通された一対の連結ピンの中心を相互に結ぶ直線を意味
する。
座高さ」とは、チェーンがスプロケットに正多角形状に
巻き付いた時のチェーン・ピッチ線からスプロケット中
心までの相互間隔を意味する。
スプロケット」は、サイレントチェーンに噛み合い得る
歯数を有するスプロケットであれば、同じ歯数もしくは
異なる歯数を問わず、如何なる歯数のスプロケットを組
み合わせて採用しても構わないが、これらのスプロケッ
トに対して外側フランクが噛み合って巻き付きながら安
定して着座するためには、少なくとも18枚以上の最小
歯数を有するスプロケットであることが望ましい。
レート」は、全て同一の歯面形状を有する内側フランク
と外側フランクを採用しており、隣り合うリンクプレー
トにおいてそれぞれ対応する内側フランクの相互間隔
は、リンクプレートに挿通された一対の連結ピンの中心
間隔として定義されるチェーン・ピッチPと等しくなっ
ている。
ク歯に形成された内側フランク」は、チェーン噛み合い
開始時にスプロケットに進入するチェーンとスプロケッ
トとが一般的に良く知られたラックとピニヨンとの噛み
合い関係を呈するために、多数の内側フランクで台形状
連続歯型のラックを構成し得る概ね直線状の歯面形状を
有していると良い。
ク歯に形成された外側フランク」は、チェーン巻き付き
着座時に相異なるスプロケット歯形のすべてに接する包
絡線で輪郭形成された歯面形状をその一部に有していれ
ば、V字状リンク歯の全体形状が如何なる形状であって
も差し支えなく、特に、外側フランクの歯先側に、最小
歯数のスプロケット歯形と接するとともに内側フランク
と圧力角が等しい直線で形成された直線部を輪郭形成し
た場合には、V字状リンク歯の耐久強度を向上させるこ
とができる。
張られた状態においては、スプロケット歯形のすべてに
接する包絡線で輪郭形成された外側フランクは、概ね直
線状の歯面形状を有する内側フランクの内側に隠れてい
る。
のV字状リンク歯に形成された内側フランクでスプロケ
ットに噛み合い開始した後に、一対のV字状リンク歯に
形成された外側フランクでスプロケットに噛み合って巻
き付き着座しながら動力伝達することによって、スプロ
ケットとサイレントチェーンとの噛み合い過程において
生じ得る摺動音を内側フランクと外側フランクの両方に
分担させるとともにスプロケットへの巻き付き着座時に
一対のV字状リンク歯に形成された内側フランクの股部
への応力集中を緩和するものであり、その最も特徴とす
る作用は以下のとおりである。
歯数の相異なるスプロケットが、サイレントチェーンの
内側フランクを連続した形状と概ね相似な歯形のホブカ
ッターを用いてチェーン噛み合い開始時の内側フランク
の噛み合い高さがスプロケット中心からチェーン巻き付
き着座時の連結ピン中心までの中心間隔と一致するよう
な歯切り転位量で歯切りされた相異なるスプロケット歯
形を有していることによって、スプロケットに進入して
噛み合うサイレントチェーンの内側フランクの噛み合い
高さが、常に、スプロケットに進入する際に生じ得る正
多角形運動の最高点となるように一定に保たれ、ラック
・ピニオンの如き噛み合い動作を奏するので、噛み合い
速度の変動もなく円滑に噛み合うことができ、従来のよ
うなサイレンチェーンがスプロケットに進入する際に生
じる正多角形運動、いわゆる、コーダルアクションを発
生しない。
構は、サイレントチェーンの外側フランクが、チェーン
巻き付き着座時に前記スプロケットの相異なるスプロケ
ット歯形のすべてに接する包絡線で輪郭形成された歯面
形状を有していることによって、同じ歯数もしくは異な
る歯数を問わず、如何なる歯数のスプロケットを組み合
わせても、外側フランクでスプロケットに着座するリン
クプレートのスプロケット中心から連結ピン中心までの
中心距離が、スプロケットに進入するリンクプレートの
噛み合い高さに等しいので、従来のようなサイレンチェ
ーンがスプロケットに着座する際のビーティングモーシ
ョンを発生しない。
動機構は、離間配置されて伝動機構を構成し得る全ての
歯数のスプロケットにおいて、サイレンチェーンがスプ
ロケットに噛み合い開始してから噛み合って巻き付きな
がら着座し終わるまでの間、スプロケットに進入するサ
イレントチェーンのスプロケットの中心からチェーン・
ピッチ線までの距離が一定に保たれるので、サイレント
チェーンのコーダルアクションとビーティングモーショ
ンが抑制される。
構が、歯数が同一である複数個のスプロケットを備えた
伝動機構である場合は、当然に、サイレントチェーンの
コーダルアクションとビーティングモーションが抑制さ
れる。
る複数個のスプロケットを備えたサイレントチェーン伝
動機構を、図面に基づいて説明する。
ン伝動機構は、図9に示された従来例と同様に、自動車
エンジンの吸気バルブと排気バルブをクランク軸の2回
転につき1回転作動させるためにカム軸駆動用サイレン
トチェーン20aによって動力伝達されるバルブ駆動用
クランク軸スプロケット11a、吸気バルブ・カム軸ス
プロケット12a、排気バルブ・カム軸スプロケット1
2bを備えた減速伝動機構と、バランサをクランク軸の
1回転につき2回転させるためにバランサ軸駆動用サイ
レントチェーン20bによって動力伝達されるバランサ
駆動用クランク軸スプロケット11b、バランサ軸スプ
ロケット13を備えた増速伝動機構とを組み合わせたも
のから構成されており、前記カム軸駆動用サイレントチ
ェーン20aとバランサ軸駆動用サイレントチェーン2
0bとは、これらの形状構造において同一のサイレント
チェーン20を使用している。
動機構で用いたサイレントチェーン20について以下の
とおり詳説する。なお、図1は、サイレントチェーンの
リンクプレートの外形を示す図であり、図2は、サイレ
ントチェーンの編成状態を示す図である。
は、一対のV字状リンク歯と一対の連結ピン穴とを有す
る多数のリンクプレート23a、23b、23c、・・
・を指組み状に編成して多数の連結ピン22a、22
b、22c、・・・でチェーン長手方向に無端状に連結
してなるものであって、離間配置された複数個のスプロ
ケット10に対して前記一対のV字状リンク歯に形成さ
れた内側フランクで噛み合い開始した後に前記一対のV
字状リンク歯に形成された外側フランクで噛み合って巻
き付き着座しながら動力伝達するようになっている。
に形成された内側フランクは、チェーン・ピッチ線から
内側フランク・ピッチ線までの相互間隔をHc、圧力角
αとして輪郭形成された直線状の歯面形状を有してい
る。
線」とは、リンクプレートに挿通された一対の連結ピン
の中心を相互に結ぶ直線のことであり、「内側フランク
・ピッチ線」とは、内側フランクとの交点同志の距離が
チェーン・ピッチの1/2となるような位置でチェーン
・ピッチ線に平行な直線のことであり、「チェーン・ピ
ッチ」とは、リンクプレートにおける一対の連結ピンの
相互間隔のことである。
外側フランクは、後述するような、チェーン巻き付き着
座時に前記スプロケット11、12、13の相異なるス
プロケット歯形のすべてに接する包絡線、すなわち、チ
ェーンがスプロケットに正多角形状に巻き付いた時のス
プロケット中心からチェーン・ピッチ線までの距離にリ
ンクプレートを配置して該リンクプレート上に描いた、
歯数の相異なるスプロケット歯形曲線群の包絡線で輪郭
形成された歯面形状を有している。
な包絡線の具体的な決定手順によって輪郭形成される。
ト歯数をzとし、チェーン巻き付き着座時のスプロケッ
ト中心からチェーン・ピッチ線までの相互間隔をVとす
れば、 V = P/2tan(π/z) の幾何学的関係が成り立つ。
数の相異なるスプロケット11、12、13に応じて定
まるそれぞれのVの高さにリンクプレートを配置して該
リンクプレート上に描いた、図4および図5に示すよう
な相異なるスプロケットの歯形曲線群からなる包絡線を
輪郭決定して、この包絡線を外側フランクの歯面形状と
して採用するものである。
フランクの歯面形状を示したものであり、図5は、図4
で枠囲みされた要部Aの拡大図であって、スプロケット
の歯形曲線と包絡線との関係を示したものである。な
お、図4および図5に示したTは、スプロケット歯数で
あり、図5に示したtは、スプロケットの歯形曲線と包
絡線との接点である。
トの歯形曲線群を見ると、何れかの曲線が他の曲線を完
全に覆い隠すことはなく、これらの歯形曲線群からなる
包絡線は、歯数の相異なるスプロケット11、12、1
3のいずれの歯形にも必ず接触することができるので、
外側フランクは、如何なる歯数のスプロケットにも必ず
着座することができる。
ランクが、歯先側に向かってすぼまったS字型曲線状の
歯面形状を呈していることから、図2に示すように、チ
ェーンを直線状に張った時、外側フランクは内側フラン
クの陰に隠れるような状態になるので、サイレントチェ
ーン20がスプロケット10に進入する時に、外側フラ
ンクが内側フランクの噛み合いを妨げることはない。
ン20は、一対のV字状リンク歯の耐久強度を向上させ
るために、前述した外側フランクの歯先側には、伝動機
構を構成する最小歯数のスプロケット歯形と接するとと
もに、直線状に輪郭形成された歯面形状を有する内側フ
ランクと圧力角が等しい直線部を輪郭形成している。
字状リンク歯を有するリンクプレートは、図2に示すよ
うに、全て同一形状のものを採用しており、隣り合うリ
ンクプレートにおいてそれぞれ対応する内側フランクの
相互間隔は、前述したチェーン・ピッチと等しくなって
いる。
機構で用いたスプロケットについて以下のとおり詳説す
る。なお、図6は、ホブカッターの外形を示す図であ
り、図7は、スプロケット歯切り加工の概念を示す図で
あるまず、図6に示すように、クランク軸スプロケット
11、カム軸スプロケット12、バランサ軸スプロケッ
ト13を歯切り加工するホブカッターは、サイレントチ
ェーン20の直線状内側フランクを連続した形状と概ね
相似な台形歯形を有しており、いずれのスプロケット1
1、12、13に対しても同一のホブカッターで歯切り
することができる。
力角 α は、それぞれチェーンのピッチ P、リンク
プレートの内側フランクの圧力角 α に等しく、デデ
ンダムはリンクプレートの内側フランク・ピッチ線から
内側フランクの歯底までの距離よりも少なくとも最小歯
数の正多角形運動量だけ小さく、また、アデンダムは内
側フランク・ピッチ線からリンク歯先までの距離よりも
少なくとも最小歯数の正多角形運動量よりだけ大きく形
成されている。
カム軸、バランサ軸の歯数が相異なるそれぞれのスプロ
ケット11、12、13は、内側フランクの噛み合い高
さがスプロケット中心からチェーン巻き付き着座時の連
結ピン中心までの中心間隔と一致するような歯切り転位
量、すなわち、それぞれのスプロケット歯数に応じた歯
切り転位量で歯切りされるので、それぞれのスプロケッ
ト歯形の歯面形状は、同一のピッチ P、圧力角 αか
らなるホブカッターを用いて、スプロケット歯数毎に異
なったスプロケット歯形が形成される。
は、以下のような具体的算出方法によって決定される。
ト10の歯切りピッチ円直径をDpとし、スプロケット
歯数をzとし、チェーン巻き付け時のスプロケット中心
から連結ピン中心までの中心間隔をUとすれば、 Dp=P*z/π U=P/2sin(π/z) の幾何学的関係が成り立つので、歯切り加工時の歯切り
転位量は、内側フランクの噛み合い高さ(いわゆる、チ
ェーン巻き付き着座時のスプロケット中心から連結ピン
中心までの中心間隔)をUと一致するように設定すれ
ば、容易に求めることができる。
ランク・ピッチ線までの相互間隔をHcとし、歯切り加
工時の歯切り転位量をXとすると、 X=Hc−[ U−Dp/2 ] となり、全てのリンクプレートのチェーン・ピッチに相
当するホブカッターのピッチPが一定であるから、それ
ぞれのスプロケット歯数に応じた歯切り加工時の転位量
Xが一義的に決まる。
プロケット11、12、13は、スプロケット歯数毎に
異なったスプロケット歯形に内側フランクで噛み合いな
がらスプロケットに進入するサイレントチェーン20の
チェーン・ピッチ線が明らかにスプロケット中心からU
の距離に保たれるようにすることができる。
トチェーン伝動機構の基本的な作動状態を歯数の相異な
るそれぞれのスプロケット11、12、13のいずれか
一つのスプロケット(以下、スプロケット10とい
う。)に注目して説明すると、以下のとおりである。
ット10に着座した瞬間、すなわち、スプロケット10
の中心と連結ピン22aとスプロケット10に進入する
サイレントチェーンとが直角を成す場合の噛み合い状態
を示す。なお、図中の22a、22b、22c・・・
は、サイレントチェーンを構成する連結ピンであり、2
3a、23b、23c・・・は、サイレントチェーンを
構成するリンクプレートである。
ンクの形状が、サイレントチェーン20をチェーンがス
プロケットに正多角形状に巻き付いた時のスプロケット
中心からチェーン・ピッチ線までの距離、いわゆる、外
側フランクの着座高さに配置して、該リンクプレート上
に描いたスプロケット歯形曲線群の包絡線で形成されて
いるので、スプロケット10の中心からリンクプレート
23aのチェーン・ピッチ線までの距離は、 V=P/2tan(π/z) となり、スプロケット中心から連結ピン22aの中心ま
での距離は、 U=P/2sin(π/z) となる。
ェーンは、チェーン張力によって直線状に引っ張られた
状態となっているため、スプロケット10の中心からリ
ンクプレート23bのチェーン・ピッチ線までの距離
は、 U=P/2sin(π/z) となる。
後続するチェーンは、チェーン張力によって直線状に引
っ張られた状態において、外側フランクが内側フランク
の輪郭よりも内側に隠れているため、スプロケット10
をピニオンとした場合に多数の内側フランクで構成され
た台形状連続歯型のラックと見做すことができるよう
に、スプロケット10に進入するチェーンとスプロケッ
ト10とは、一般的に良く知られたラックとピニヨンと
の噛み合い関係を呈することができる。
プロケット10がピッチ角の1/2だけ回転してリンク
プレートがピッチの1/2だけ進んだ状態を示す。
ケット10が、チェーン噛み合い開始時の内側フランク
の噛み合い高さがチェーン巻き付き着座時のスプロケッ
ト中心から連結ピン中心までの距離と一致するように歯
切り転位量Xを設定して歯切りされているから、スプロ
ケット10の中心からリンクプレート23cのチェーン
・ピッチ線までの距離は、 U=P/2sin(π/z) となる。
ェーンは、チェーン張力によって直線状に引っ張られた
状態において、外側フランクが内側フランクの輪郭より
も内側に隠れているため、スプロケット10をピニオン
とした場合に多数の内側フランクで構成された台形状連
続歯型のラックと見做すことができる。すなわち、スプ
ロケット10に進入するチェーンとスプロケット10と
は、一般的に良く知られたラックとピニヨンとの噛み合
い関係を呈することになる。
23cの内側フランクがスプロケット10に噛み合い始
めてから、連結ピン22bが連結ピン22aの存在して
いた位置まで1ピッチ進む間、スプロケット中心からリ
ンクプレート23cのチェーン・ピッチ線までの距離
は、常にUに保たれる。
間、リンクプレート23bの内側フランクは、連結ピン
22aを中心とする屈曲運動によってスプロケット10
から離れ、他方、リンクプレート23bの外側フランク
は、まだ、スプロケット10と接触しないので、リンク
プレート23bは、連結ピン22aと連結ピン22bに
支持されてスプロケット10に滑らかに噛み込んでい
く。
い動作の全過程において、スプロケット10に進入する
サイレントチェーン20のチェーン・ピッチ線は、常に
Uの高さにあり、正多角形運動による上下動、いわゆ
る、コーダルアクションが抑制される。
機構は、外側フランクが、チェーン巻き付き着座時のス
プロケット中心からチェーン・ピッチ線までの距離にリ
ンクプレートを配置して該リンクプレート上に描いた、
歯数の相異なるスプロケット歯形曲線群の包絡線で形成
された歯面形状を有していることによって、カム軸スプ
ロケット12がクランク軸スプロケット11aに対して
2倍の歯数を備え、あるいは、バランサ軸スプロケット
13がクランク軸スプロケット11bに対して1/2の
歯数を備えている場合であっても、サイレントチェーン
20がスプロケット10に噛み合いはじめてから着座す
るまでの間、サイレントチェーン20のスプロケット中
心からチェーン・ピッチ線までの距離が、サイレントチ
ェーン20の内側フランクの噛み合い高さと等しい一定
値に保たれるので、全てのスプロケット11、12、1
3においてサイレントチェーン20のコーダルアクショ
ンが抑制される。
レントチェーン伝動機構は、従来のサイレントチェーン
伝動機構と比較すると、伝動機構を構成する全てのスプ
ロケット11、12、13において、サイレンチェーン
20がスプロケット11、12、13に噛み合い始めて
から着座し終わるまでの噛み合い動作の全過程でスプロ
ケット中心からチェーン・ピッチ線までの距離を一定に
維持することができるため、サイレントチェーン20の
コーダルアクションとビーティングモーションを抑制し
てこれに伴う振動と騒音を低減するとともに、チェーン
張力変動を抑制して優れた駆動性能と耐久性を発揮する
ことができる。
は、一対のV字状リンク歯に形成された内側フランクで
スプロケットに噛み合い開始した後に、一対のV字状リ
ンク歯に形成された外側フランクでスプロケットに噛み
合って巻き付き着座しながら動力伝達するによって、ス
プロケットとサイレントチェーンとの噛み合い過程にお
いて生じ得る摺動音を内側フランクと外側フランクの両
方に分担させてその低騒音化を図ることができるととも
にスプロケットへの巻き付き着座時に一対のV字状リン
ク歯に形成された内側フランクの股部への応力集中を緩
和してリンクプレートの強度低下を防止することができ
るものであって、以下のような特有の効果を奏すること
ができる。すなわち、 (1)歯数の相異なるスプロケットが、サイレントチェ
ーンの内側フランクを連続した形状と概ね相似な歯形の
ホブカッターを用いて、チェーン噛み合い開始時の内側
フランクの噛み合い高さがスプロケット中心からチェー
ン巻き付き着座時の連結ピン中心までの中心間隔と一致
するような歯切り転位量で歯切りされた相異なるスプロ
ケット歯形を有していることによって、スプロケット歯
形に内側フランクで噛み合いながらスプロケットに進入
するサイレントチェーンの噛み合い高さが一定に保たれ
てラック・ピニオンの如き噛み合い動作を奏するため、
従来のようなサイレンチェーンがスプロケットに進入す
る際に生じる正多角形運動、いわゆる、コーダルアクシ
ョンとスプロケットに着座する際のビーティングモーシ
ョンをそれぞれ抑制することができるので、これらのコ
ーダルアクションとビーティングモーションによって引
き起こされる振動と騒音を解消して、チェーン張力変動
の無い優れた駆動性能を発揮することができる。
が、チェーン巻き付き着座時に前記スプロケットの相異
なるスプロケット歯形のすべてに接する包絡線で輪郭形
成された歯面形状を有していることによって、同じ歯数
もしくは異なる歯数を問わず、如何なる歯数のスプロケ
ットを組み合わせて伝動機構を構成しても、スプロケッ
トにおける相異なるすべてのスプロケット歯形に対して
コーダルアクションとビーティングモーションをそれぞ
れ抑制することができるので、このようなコーダルアク
ションとビーティングモーションに伴う振動と騒音を伝
動機構全体としてなお一層低減することができ、優れた
駆動性能とサイレントチェーンの耐久性を確保すること
ができる。
状態図。
図。
を示した図。
一部断面図。
念図。
/z)回転した時の噛み合い状態図
要図。
ト 12 ・・・ カム軸スプロケット 13 ・・・ バランサ軸スプロケット 20 ・・・ サイレントチェーン 20a ・・ カム軸駆動用サイレントチェーン 20b ・・ バランサ軸駆動用サイレントチェーン 22a,22b,22c ・・・ 連結ピン 23a,23b,23c ・・・ リンクプレート α ・・・・ 圧力角 P ・・・・ チェーン・ピッチ z ・・・・ スプロケットの歯数 U ・・・・ チェーン巻き付き着座時のスプロケット
中心から連結ピン中心までの中心間隔 V ・・・・ チェーン巻き付き着座時のスプロケット
中心からチェーン・ピッチ線までの相互間隔 Dp ・・・ スプロケットのピッチ円半径 Hc ・・・ チェーン・ピッチ線から内側フランク・
ピッチ線までの相互間隔 X ・・・・ 歯切り転位量
2)
ンの内側フランクで噛み合い開始した後に外側フランク
で噛み合って巻き付き着座しながら動力伝達するサイレ
ントチェーン伝動機構に関するものであって、特に、4
サイクルエンジンのクランク軸からカム軸やバランサ軸
に動力伝達する歯数の相異なるスプロケットを備えたサ
イレントチェーン伝動機構に関するものである。
のクランク軸から吸気バルブ、排気バルブ、バランサな
どを駆動する場合に用いられるサイレントチェーン伝動
機構は、バルブ駆動用クランク軸スプロケット11a、
吸気バルブ用カム軸スプロケット12a、排気バルブ用
カム軸スプロケット12b、バランサ駆動用クランク軸
スプロケット11b、バランサ軸スプロケット13、カ
ム軸駆動用サイレントチェーン20a、バランサ軸駆動
用サイレントチェーン20b、前記サイレントチェーン
20aに張力を与えるテンショナTとテンショナレバー
L、前記サイレントチェーン20aの振れを押さえるチ
ェーンガイドGなどで構成されている。
ム軸スプロケット12の歯数をバルブ駆動用クランク軸
スプロケット11aの歯数の2倍に設定した減速伝動機
構において、クランク軸が2回転すると、それぞれ1回
作動するようになっている。
ト13の歯数をバランサ駆動用クランク軸スプロケット
11bの歯数の1/2に設定した増速伝動機構におい
て、クランク軸の高次不釣り合いを相殺するためクラン
ク軸が1回転すると、2回転するようになっている。
動機構に用いるカム軸駆動用サイレントチェーン20a
とバランサ軸駆動用サイレントチェーン20bは、チェ
ーン張力を加えて直線状に張ったときにリンクプレート
が有する一対のリンク歯に形成された内側フランクの中
央膨出部が一対のリンク歯に形成された直線状の外側フ
ランクよりはみ出しており、それぞれのスプロケットに
対して内側フランクで噛み合い開始した後に外側フラン
クで噛み合って巻き付き着座しながら動力伝達するもの
であり、両者は実質的に同一のものを使用している。
軸スプロケット12、バランサ軸スプロケット13に
は、直線状の外側フランクを連続した形状と概ね相似な
歯形のホブカッターによって、夫々の歯数に応じて外側
フランクで噛み合って巻き付き着座するような歯切り転
位量で歯切りされたインボリュート歯が形成されてい
る。
成された従来のサイレントチェーン伝動機構の基本的な
作動状態を歯数の相異なるそれぞれのスプロケット1
1、12、13のいずれか一つのスプロケット(以下、
スプロケット10という。)に注目して説明すると、以
下のとおりである。
イレントチェーン20がこれらのスプロケット10に巻
き付いた時、一対のリンク歯に形成された外側フランク
は、スプロケット10の1歯おきにスプロケット歯面に
着座して正多角形状の巻き付き形態を呈する一方、一対
のリンク歯に形成された内側フランクの中央膨出部が直
線状の外側フランクよりはみ出しているために、スプロ
ケット10に進入する内側フランクの中央膨出部がスプ
ロケット歯面と接触して、外側フランクがスプロケット
歯面に着座する前にスプロケットに進入するサイレント
チェーン20を一時的に持ち上げることによって、チェ
ーン噛み合い開始時に生じるスプロケット10の半径方
向に上下動を伴うサイレントチェーン20の正多角形運
動、すなわち、コーダルアクションを抑制しようとして
いる。
伝動機構は、クランク軸スプロケット11aとカム軸ス
プロケット12との歯数、あるいは、クランク軸スプロ
ケット11bとバランサ軸スプロケット13との歯数が
大きく異なっているため、サイレントチェーン20が1
ピッチ進む間にスプロケット10が回転する角度が異な
り、それぞれのスプロケット10に生じるコーダルアク
ションの大きさも大きく異なる。
側フランクがその中央膨出部を有しているサイレントチ
ェーン20を使用した場合には、スプロケット10に進
入するチェーンを持ち上げる高さが一定であるため、ク
ランク軸スプロケット11a、および、11b、カム軸
スプロケット12、バランサ軸スプロケット13のいず
れか一つにおいてコーダルアクションを抑制することは
できるが、全てのスプロケット10においてコーダルア
クションを共に抑制することはきわめて困難である。
動機構では、クランク軸スプロケット11、カム軸スプ
ロケット12、若しくは、バランサ軸スプロケット13
のいずれか一つにおいてコーダルアクションが抑制され
たとしても、サイレントチェーン伝動機構全体としてみ
るとコーダルアクションに伴う振動と騒音を低減したこ
とにはならず、また、前記リンク歯の内側フランクに膨
出させた中央部がスプロケット歯面と衝突して、すなわ
ち、ビーティングモーションを引き起こし、新たな振動
・騒音やチェーンの張力変動を生じるという厄介な問題
があった。
ジンのクランク軸からカム軸やバランサ軸を駆動する場
合に用いられるような、歯数の相異なるスプロケット間
で動力を伝達するサイレントチェーン伝動機構におい
て、全てのスプロケットに対するサイレントチェーンの
コーダルアクションを完全に抑制してこれによって引き
起こされる振動と騒音を低減するとともに、チェーンの
張力変動を抑制して優れた駆動性能と耐久性を発揮する
ことができるサイレントチェーン伝動機構を提供するこ
とである。
ーン伝動機構は、一対のV字状リンク歯と一対の連結ピ
ン穴とを有する多数のリンクプレートを指組み状に編成
して多数の連結ピンでチェーン長手方向に連結してなる
無端状のサイレントチェーンが、歯数の相異なる離間配
置されたスプロケットに対して、前記一対のV字状リン
ク歯に形成された内側フランクで噛み合い開始した後に
前記一対のV字状リンク歯に形成された外側フランクで
噛み合って巻き付き着座しながら動力伝達するサイレン
トチェーン伝動機構において、前記歯数の相異なるスプ
ロケットが、前記サイレントチェーンの内側フランクを
連続した形状と概ね相似な歯形のホブカッターを用い
て、チェーン噛み合い開始時の内側フランクの噛み合い
高さがスプロケット中心からチェーン巻き付き着座時の
連結ピン中心までの中心間隔と一致するような歯切り転
位量で歯切りされた相異なるスプロケット歯形を有して
いるとともに、前記サイレントチェーンの外側フランク
が、チェーン巻き付き着座時に前記スプロケットの相異
なるスプロケット歯形のすべてに接する包絡線で輪郭形
成された歯面形状を有していることによって前記課題を
解決した。
い開始時」とは、サイレントチェーンの内側フランクが
スプロケットに外接する接線方向からスプロケットに対
して噛み合い接触を開始する時点を意味し、「チェーン
巻き付き着座時」とは、噛み合い開始後にサイレントチ
ェーンの内側フランクがスプロケットから噛み外れて外
側フランクが噛み合って巻き付きながら着座している時
点を意味する。
噛み合い高さ」とは、チェーン噛み合い開始時にスプロ
ケットへ進入するリンクプレートのチェーン・ピッチ線
からスプロケット中心までの相互間隔を意味し、また、
この「チェーン・ピッチ線」とは、リンクプレートに挿
通された一対の連結ピンの中心を相互に結ぶ直線を意味
する。
座高さ」とは、チェーンがスプロケットに正多角形状に
巻き付いた時のチェーン・ピッチ線からスプロケット中
心までの相互間隔を意味する。
スプロケット」は、サイレントチェーンに噛み合い得る
歯数を有するスプロケットであれば、同じ歯数もしくは
異なる歯数を問わず、如何なる歯数のスプロケットを組
み合わせて採用しても構わないが、これらのスプロケッ
トに対して外側フランクが噛み合って巻き付きながら安
定して着座するためには、少なくとも18枚以上の最小
歯数を有するスプロケットであることが望ましい。
レート」は、全て同一の歯面形状を有する内側フランク
と外側フランクを採用しており、隣り合うリンクプレー
トにおいてそれぞれ対応する内側フランクの相互間隔
は、リンクプレートに挿通された一対の連結ピンの中心
間隔として定義されるチェーン・ピッチPと等しくなっ
ている。
ク歯に形成された内側フランク」は、チェーン噛み合い
開始時にスプロケットに進入するチェーンとスプロケッ
トとが一般的に良く知られたラックとピニオンとの噛み
合い関係を呈するために、多数の内側フランクで台形状
連続歯型のラックを構成し得る概ね直線状の歯面形状を
有していると良い。
ク歯に形成された外側フランク」は、チェーン巻き付き
着座時に相異なるスプロケット歯形のすべてに接する包
絡線で輪郭形成された歯面形状をその一部に有していれ
ば、V字状リンク歯の全体形状が如何なる形状であって
も差し支えなく、特に、外側フランクの歯先側に、最小
歯数のスプロケット歯形と接するとともに内側フランク
と圧力角が等しい直線で形成された直線部を輪郭形成し
た場合には、V字状リンク歯の耐久強度を向上させるこ
とができる。
張られた状態においては、スプロケット歯形のすべてに
接する包絡線で輪郭形成された外側フランクは、概ね直
線状の歯面形状を有する内側フランクの内側に隠れてい
る。
のV字状リンク歯に形成された内側フランクでスプロケ
ットに噛み合い開始した後に、一対のV字状リンク歯に
形成された外側フランクでスプロケットに噛み合って巻
き付き着座しながら動力伝達することによって、スプロ
ケットとサイレントチェーンとの噛み合い過程において
生じ得る摺動音を内側フランクと外側フランクの両方に
分担させるとともにスプロケットへの巻き付き着座時に
一対のV字状リンク歯に形成された内側フランクの股部
への応力集中を緩和するものであり、その最も特徴とす
る作用は以下のとおりである。
歯数の相異なるスプロケットが、サイレントチェーンの
内側フランクを連続した形状と概ね相似な歯形のホブカ
ッターを用いてチェーン噛み合い開始時の内側フランク
の噛み合い高さがスプロケット中心からチェーン巻き付
き着座時の連結ピン中心までの中心間隔と一致するよう
な歯切り転位量で歯切りされた相異なるスプロケット歯
形を有していることによって、スプロケットに進入して
噛み合うサイレントチェーンの内側フランクの噛み合い
高さが、常に、スプロケットに進入する際に生じ得る正
多角形運動の最高点となるように一定に保たれ、ラック
・ピニオンの如き噛み合い動作を奏するので、噛み合い
速度の変動もなく円滑に噛み合うことができ、従来のよ
うなサイレントチェーンがスプロケットに進入する際に
生じる正多角形運動、いわゆる、コーダルアクションを
発生しない。
構は、サイレントチェーンの外側フランクが、チェーン
巻き付き着座時に前記スプロケットの相異なるスプロケ
ット歯形のすべてに接する包絡線で輪郭形成された歯面
形状を有していることによって、同じ歯数もしくは異な
る歯数を問わず、如何なる歯数のスプロケットを組み合
わせても、外側フランクでスプロケットに着座するリン
クプレートのスプロケット中心から連結ピン中心までの
中心距離が、スプロケットに進入するリンクプレートの
噛み合い高さに等しいので、従来のようなサイレンチェ
ーンがスプロケットに着座する際のビーティングモーシ
ョンを発生しない。
動機構は、離間配置されて伝動機構を構成し得る全ての
歯数のスプロケットにおいて、サイレントチェーンがス
プロケットに噛み合い開始してから噛み合って巻き付き
ながら着座し終わるまでの間、スプロケットに進入する
サイレントチェーンのスプロケットの中心からチェーン
・ピッチ線までの距離が一定に保たれるので、サイレン
トチェーンのコーダルアクションとビーティングモーシ
ョンが抑制される。
構が、歯数が同一である複数個のスプロケットを備えた
伝動機構である場合は、当然に、サイレントチェーンの
コーダルアクションとビーティングモーションが抑制さ
れる。
る複数個のスプロケットを備えたサイレントチェーン伝
動機構を、図面に基づいて説明する。
ン伝動機構は、図10に示された従来例と同様に、自動
車エンジンの吸気バルブと排気バルブをクランク軸の2
回転につき1回転作動させるためにカム軸駆動用サイレ
ントチェーン20aによって動力伝達されるバルブ駆動
用クランク軸スプロケット11a、吸気バルブ・カム軸
スプロケット12a、排気バルブ・カム軸スプロケット
12bを備えた減速伝動機構と、バランサをクランク軸
の1回転につき2回転させるためにバランサ軸駆動用サ
イレントチェーン20bによって動力伝達されるバラン
サ駆動用クランク軸スプロケット11b、バランサ軸ス
プロケット13を備えた増速伝動機構とを組み合わせた
ものから構成されており、前記カム軸駆動用サイレント
チェーン20aとバランサ軸駆動用サイレントチェーン
20bとは、これらの形状構造において同一のサイレン
トチェーン20を使用している。
動機構で用いたサイレントチェーン20について以下の
とおり詳説する。なお、図1は、サイレントチェーンの
リンクプレートの外形を示す図であり、図2は、サイレ
ントチェーンの編成状態を示す図である。
は、一対のV字状リンク歯と一対の連結ピン穴とを有す
る多数のリンクプレート23a、23b、23c、・・
・を指組み状に編成して多数の連結ピン22a、22
b、22c、・・・でチェーン長手方向に無端状に連結
してなるものであって、離間配置された複数個のスプロ
ケット10に対して前記一対のV字状リンク歯に形成さ
れた内側フランクで噛み合い開始した後に前記一対のV
字状リンク歯に形成された外側フランクで噛み合って巻
き付き着座しながら動力伝達するようになっている。
に形成された内側フランクは、チェーン・ピッチ線から
内側フランク・ピッチ線までの相互間隔をHc、圧力角
αとして輪郭形成された直線状の歯面形状を有してい
る。
線」とは、リンクプレートに挿通された一対の連結ピン
の中心を相互に結ぶ直線のことであり、「内側フランク
・ピッチ線」とは、内側フランクとの交点同志の距離が
チェーン・ピッチの1/2となるような位置でチェーン
・ピッチ線に平行な直線のことであり、「チェーン・ピ
ッチ」とは、リンクプレートにおける一対の連結ピンの
相互間隔のことである。
外側フランクは、後述するような、チェーン巻き付き着
座時に前記スプロケット11、12、13の相異なるス
プロケット歯形のすべてに接する包絡線、すなわち、チ
ェーンがスプロケットに正多角形状に巻き付いた時のス
プロケット中心からチェーン・ピッチ線までの距離にリ
ンクプレートを配置して該リンクプレート上に描いた、
歯数の相異なるスプロケット歯形曲線群の包絡線で輪郭
形成された歯面形状を有している。
な包絡線の具体的な決定手順によって輪郭形成される。
ト歯数をzとし、チェーン巻き付き着座時のスプロケッ
ト中心からチェーン・ピッチ線までの相互間隔をVとす
れば、 V = P/2tan(π/z) の幾何学的関係が成り立つ。
数の相異なるスプロケット11、12、13に応じて定
まるそれぞれのVの高さにリンクプレートを配置して該
リンクプレート上に描いた、図4および図5に示すよう
な相異なるスプロケットの歯形曲線群からなる包絡線を
輪郭決定して、この包絡線を外側フランクの歯面形状と
して採用するものである。
フランクの歯面形状を示したものであり、図5は、図4
で枠囲みされた要部Aの拡大図であって、スプロケット
の歯形曲線と包絡線との関係を示したものである。な
お、図4および図5に示したTは、スプロケット歯数で
あり、図5に示したtは、スプロケットの歯形曲線と包
絡線との接点である。
トの歯形曲線群を見ると、何れかの曲線が他の曲線を完
全に覆い隠すことはなく、これらの歯形曲線群からなる
包絡線は、歯数の相異なるスプロケット11、12、1
3のいずれの歯形にも必ず接触することができるので、
外側フランクは、如何なる歯数のスプロケットにも必ず
着座することができる。
ランクが、歯先側に向かってすぼまったS字型曲線状の
歯面形状を呈していることから、図2に示すように、チ
ェーンを直線状に張った時、外側フランクは内側フラン
クの陰に隠れるような状態になるので、サイレントチェ
ーン20がスプロケット10に進入する時に、外側フラ
ンクが内側フランクの噛み合いを妨げることはない。
ン20は、一対のV字状リンク歯の耐久強度を向上させ
るために、前述した外側フランクの歯先側には、伝動機
構を構成する最小歯数のスプロケット歯形と接するとと
もに、直線状に輪郭形成された歯面形状を有する内側フ
ランクと圧力角が等しい直線部を輪郭形成している。
字状リンク歯を有するリンクプレートは、図2に示すよ
うに、全て同一形状のものを採用しており、隣り合うリ
ンクプレートにおいてそれぞれ対応する内側フランクの
相互間隔は、前述したチェーン・ピッチと等しくなって
いる。
機構で用いたスプロケットについて以下のとおり詳説す
る。なお、図6は、ホブカッターの外形を示す図であ
り、図7は、スプロケット歯切り加工の概念を示す図で
あるまず、図6に示すように、クランク軸スプロケット
11、カム軸スプロケット12、バランサ軸スプロケッ
ト13を歯切り加工するホブカッターは、サイレントチ
ェーン20の直線状内側フランクを連続した形状と概ね
相似な台形歯形を有しており、いずれのスプロケット1
1、12、13に対しても同一のホブカッターで歯切り
することができる。
力角 α は、それぞれチェーンのピッチ P、リンク
プレートの内側フランクの圧力角 α に等しく、デデ
ンダムはリンクプレートの内側フランク・ピッチ線から
内側フランクの歯底までの距離よりも少なくとも最小歯
数の正多角形運動量だけ小さく、また、アデンダムは内
側フランク・ピッチ線からリンク歯先までの距離よりも
少なくとも最小歯数の正多角形運動量よりだけ大きく形
成されている。
カム軸、バランサ軸の歯数が相異なるそれぞれのスプロ
ケット11、12、13は、内側フランクの噛み合い高
さがスプロケット中心からチェーン巻き付き着座時の連
結ピン中心までの中心間隔と一致するような歯切り転位
量、すなわち、それぞれのスプロケット歯数に応じた歯
切り転位量で歯切りされるので、それぞれのスプロケッ
ト歯形の歯面形状は、同一のピッチ P、圧力角 αか
らなるホブカッターを用いて、スプロケット歯数毎に異
なったスプロケット歯形が形成される。
は、以下のような具体的算出方法によって決定される。
ト10の歯切りピッチ円直径をDpとし、スプロケット
歯数をzとし、チェーン巻き付け時のスプロケット中心
から連結ピン中心までの中心間隔をUとすれば、 Dp=P*z/π U=P/2sin(π/z) の幾何学的関係が成り立つので、歯切り加工時の歯切り
転位量は、内側フランクの噛み合い高さ(いわゆる、チ
ェーン巻き付き着座時のスプロケット中心から連結ピン
中心までの中心間隔)をUと一致するように設定すれ
ば、容易に求めることができる。
ランク・ピッチ線までの相互間隔をHcとし、歯切り加
工時の歯切り転位量をXとすると、 X=Hc−[ U−Dp/2 ] となり、全てのリンクプレートのチェーン・ピッチに相
当するホブカッターのピッチPが一定であるから、それ
ぞれのスプロケット歯数に応じた歯切り加工時の転位量
Xが一義的に決まる。
プロケット11、12、13は、スプロケット歯数毎に
異なったスプロケット歯形に内側フランクで噛み合いな
がらスプロケットに進入するサイレントチェーン20の
チェーン・ピッチ線が明らかにスプロケット中心からU
の距離に保たれるようにすることができる。
トチェーン伝動機構の基本的な作動状態を歯数の相異な
るそれぞれのスプロケット11、12、13のいずれか
一つのスプロケット(以下、スプロケット10とい
う。)に注目して説明すると、以下のとおりである。
ット10に着座した瞬間、すなわち、スプロケット10
の中心と連結ピン22aとスプロケット10に進入する
サイレントチェーンとが直角を成す場合の噛み合い状態
を示す。なお、図中の22a、22b、22c・・・
は、サイレントチェーンを構成する連結ピンであり、2
3a、23b、23c・・・は、サイレントチェーンを
構成するリンクプレートである。
ンクの形状が、サイレントチェーン20をチェーンがス
プロケットに正多角形状に巻き付いた時のスプロケット
中心からチェーン・ピッチ線までの距離、いわゆる、外
側フランクの着座高さに配置して、該リンクプレート上
に描いたスプロケット歯形曲線群の包絡線で形成されて
いるので、スプロケット10の中心からリンクプレート
23aのチェーン・ピッチ線までの距離は、 V=P/2tan(π/z) となり、スプロケット中心から連結ピン22aの中心ま
での距離は、 U=P/2sin(π/z) となる。
ェーンは、チェーン張力によって直線状に引っ張られた
状態となっているため、スプロケット10の中心からリ
ンクプレート23bのチェーン・ピッチ線までの距離
は、 U=P/2sin(π/z) となる。
後続するチェーンは、チェーン張力によって直線状に引
っ張られた状態において、外側フランクが内側フランク
の輪郭よりも内側に隠れているため、スプロケット10
をピニオンとした場合に多数の内側フランクで構成され
た台形状連続歯型のラックと見做すことができるよう
に、スプロケット10に進入するチェーンとスプロケッ
ト10とは、一般的に良く知られたラックとピニオンと
の噛み合い関係を呈することができる。
プロケット10がピッチ角の1/2だけ回転してリンク
プレートがピッチの1/2だけ進んだ状態を示す。
ケット10が、チェーン噛み合い開始時の内側フランク
の噛み合い高さがチェーン巻き付き着座時のスプロケッ
ト中心から連結ピン中心までの距離と一致するように歯
切り転位量Xを設定して歯切りされているから、スプロ
ケット10の中心からリンクプレート23cのチェーン
・ピッチ線までの距離は、 U=P/2sin(π/z) となる。
ェーンは、チェーン張力によって直線状に引っ張られた
状態において、外側フランクが内側フランクの輪郭より
も内側に隠れているため、スプロケット10をピニオン
とした場合に多数の内側フランクで構成された台形状連
続歯型のラックと見做すことができる。すなわち、スプ
ロケット10に進入するチェーンとスプロケット10と
は、一般的に良く知られたラックとピニオンとの噛み合
い関係を呈することになる。
23cの内側フランクがスプロケット10に噛み合い始
めてから、連結ピン22bが連結ピン22aの存在して
いた位置まで1ピッチ進む間、スプロケット中心からリ
ンクプレート23cのチェーン・ピッチ線までの距離
は、常にUに保たれる。
間、リンクプレート23bの内側フランクは、連結ピン
22aを中心とする屈曲運動によってスプロケット10
から離れ、他方、リンクプレート23bの外側フランク
は、まだ、スプロケット10と接触しないので、リンク
プレート23bは、連結ピン22aと連結ピン22bに
支持されてスプロケット10に滑らかに噛み込んでい
く。
い動作の全過程において、スプロケット10に進入する
サイレントチェーン20のチェーン・ピッチ線は、常に
Uの高さにあり、正多角形運動による上下動、いわゆ
る、コーダルアクションが抑制される。
機構は、外側フランクが、チェーン巻き付き着座時のス
プロケット中心からチェーン・ピッチ線までの距離にリ
ンクプレートを配置して該リンクプレート上に描いた、
歯数の相異なるスプロケット歯形曲線群の包絡線で形成
された歯面形状を有していることによって、カム軸スプ
ロケット12がクランク軸スプロケット11aに対して
2倍の歯数を備え、あるいは、バランサ軸スプロケット
13がクランク軸スプロケット11bに対して1/2の
歯数を備えている場合であっても、サイレントチェーン
20がスプロケット10に噛み合いはじめてから着座す
るまでの間、サイレントチェーン20のスプロケット中
心からチェーン・ピッチ線までの距離が、サイレントチ
ェーン20の内側フランクの噛み合い高さと等しい一定
値に保たれるので、全てのスプロケット11、12、1
3においてサイレントチェーン20のコーダルアクショ
ンが抑制される。
レントチェーン伝動機構は、従来のサイレントチェーン
伝動機構と比較すると、伝動機構を構成する全てのスプ
ロケット11、12、13において、サイレンチェーン
20がスプロケット11、12、13に噛み合い始めて
から着座し終わるまでの噛み合い動作の全過程でスプロ
ケット中心からチェーン・ピッチ線までの距離を一定に
維持することができるため、サイレントチェーン20の
コーダルアクションとビーティングモーションを抑制し
てこれに伴う振動と騒音を低減するとともに、チェーン
張力変動を抑制して優れた駆動性能と耐久性を発揮する
ことができる。
は、一対のV字状リンク歯に形成された内側フランクで
スプロケットに噛み合い開始した後に、一対のV字状リ
ンク歯に形成された外側フランクでスプロケットに噛み
合って巻き付き着座しながら動力伝達するによって、ス
プロケットとサイレントチェーンとの噛み合い過程にお
いて生じ得る摺動音を内側フランクと外側フランクの両
方に分担させてその低騒音化を図ることができるととも
にスプロケットへの巻き付き着座時に一対のV字状リン
ク歯に形成された内側フランクの股部への応力集中を緩
和してリンクプレートの強度低下を防止することができ
るものであって、以下のような特有の効果を奏すること
ができる。すなわち、 (1)歯数の相異なるスプロケットが、サイレントチェ
ーンの内側フランクを連続した形状と概ね相似な歯形の
ホブカッターを用いて、チェーン噛み合い開始時の内側
フランクの噛み合い高さがスプロケット中心からチェー
ン巻き付き着座時の連結ピン中心までの中心間隔と一致
するような歯切り転位量で歯切りされた相異なるスプロ
ケット歯形を有していることによって、スプロケット歯
形に内側フランクで噛み合いながらスプロケットに進入
するサイレントチェーンの噛み合い高さが一定に保たれ
てラック・ピニオンの如き噛み合い動作を奏するため、
従来のようなサイレンチェーンがスプロケットに進入す
る際に生じる正多角形運動、いわゆる、コーダルアクシ
ョンとスプロケットに着座する際のビーティングモーシ
ョンをそれぞれ抑制することができるので、これらのコ
ーダルアクションとビーティングモーションによって引
き起こされる振動と騒音を解消して、チェーン張力変動
の無い優れた駆動性能を発揮することができる。
が、チェーン巻き付き着座時に前記スプロケットの相異
なるスプロケット歯形のすべてに接する包絡線で輪郭形
成された歯面形状を有していることによって、同じ歯数
もしくは異なる歯数を問わず、如何なる歯数のスプロケ
ットを組み合わせて伝動機構を構成しても、スプロケッ
トにおける相異なるすべてのスプロケット歯形に対して
コーダルアクションとビーティングモーションをそれぞ
れ抑制することができるので、このようなコーダルアク
ションとビーティングモーションに伴う振動と騒音を伝
動機構全体としてなお一層低減することができ、優れた
駆動性能とサイレントチェーンの耐久性を確保すること
ができる。
状態図。
図。
を示した図。
一部断面図。
念図。
/z)回転した時の噛み合い状態図
要図。
ト 12 ・・・ カム軸スプロケット 13 ・・・ バランサ軸スプロケット 20 ・・・ サイレントチェーン 20a ・・ カム軸駆動用サイレントチェーン 20b ・・ バランサ軸駆動用サイレントチェーン 22a,22b,22c ・・・ 連結ピン 23a,23b,23c ・・・ リンクプレート α ・・・・ 圧力角 P ・・・・ チェーン・ピッチ z ・・・・ スプロケットの歯数 U ・・・・ チェーン巻き付き着座時のスプロケット
中心から連結ピン中心までの中心間隔 V ・・・・ チェーン巻き付き着座時のスプロケット
中心からチェーン・ピッチ線までの相互間隔 Dp ・・・ スプロケットのピッチ円半径 Hc ・・・ チェーン・ピッチ線から内側フランク・
ピッチ線までの相互間隔 X ・・・・ 歯切り転位量
Claims (1)
- 【請求項1】 一対のV字状リンク歯と一対の連結ピン
穴とを有する多数のリンクプレートを指組み状に編成し
て多数の連結ピンでチェーン長手方向に連結してなる無
端状のサイレントチェーンが、歯数の相異なる離間配置
されたスプロケットに対して、前記一対のV字状リンク
歯に形成された内側フランクで噛み合い開始した後に前
記一対のV字状リンク歯に形成された外側フランクで噛
み合って巻き付き着座しながら動力伝達するサイレント
チェーン伝動機構において、 前記歯数の相異なるスプロケットが、前記サイレントチ
ェーンの内側フランクを連続した形状と概ね相似な歯形
のホブカッターを用いて、チェーン噛み合い開始時の内
側フランクの噛み合い高さがスプロケット中心からチェ
ーン巻き付き着座時の連結ピン中心までの中心間隔と一
致するような歯切り転位量で歯切りされた相異なるスプ
ロケット歯形を有しているとともに、 前記サイレントチェーンの外側フランクが、チェーン巻
き付き着座時に前記スプロケットの相異なるスプロケッ
ト歯形のすべてに接する包絡線で輪郭形成された歯面形
状を有していることを特徴とするサイレントチェーン伝
動機構。
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