JP3589650B2 - サイレントチェーン伝動機構 - Google Patents

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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、サイレントチェーンとスプロケット間で動力を伝達する伝動機構に関するものであって、特に、4サイクルエンジンのクランク軸からカム軸やバランサ軸を駆動するようなサイレントチェーン伝動機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図4に示すような4サイクルエンジンのクランク軸から吸気バルブ、排気バルブ、バランサなどを駆動する場合に用いられるサイレントチェーン伝動機構は、バルブ駆動用クランク軸スプロケットA11aと、吸気バルブ用カム軸スプロケットA12aと、排気バルブ用カム軸スプロケットA12bと、これらの間に掛け回されるバルブ開閉タイミング用サイレントチェーン20aと、このバルブ開閉タイミング用サイレントチェーン20aに張力を与えるテンショナ30aとで構成されるバルブ開閉タイミング伝動機構M1を備えているとともに、前記バルブ駆動用クランク軸スプロケットA11aと同心状に軸支されたバランサ駆動用クランク軸スプロケットA11bと、バランサ軸スプロケットA13と、これらの間に掛け回されるバランサ駆動用サイレントチェーン20bと、このバランサ駆動用サイレントチェーン20bに張力を与えるテンショナ30bとで構成されるバランサ伝動機構M2とを備えている。
【0003】
そして、前記バルブ開閉タイミング用サイレントチェーン20aとバランサ駆動用サイレントチェーン20bは、打ち抜き加工された一対の噛み合い歯を有する複数のリンクプレート21を表裏ランダムにチェーン幅方向に並列集合したリンク列22が連結ピン23で相互に指組み状に多数連結されている。
【0004】
他方、このような吸気バルブと排気バルブは、バルブ駆動用クランク軸スプロケットA11aが2回転すると、それぞれ1回作動するようになっている。そこで、クランク軸側の回転速度をカム軸側で1/2に減速する必要があり、吸気バルブ用カム軸スプロケットA12aと排気バルブ用カム軸スプロケットA12bの歯数は、バルブ駆動用クランク軸スプロケットA11aの歯数の2倍となるように設定されている。
【0005】
また、バランサ軸は、クランク軸の高次不釣り合いを相殺するため、バランサ駆動用クランク軸が1回転すると2回転するようになっている。そこで、バランサ駆動用クランク軸側の回転速度をバランサ軸側で2倍に増速する必要があり、バランサ駆動用クランク軸スプロケットA11bの歯数は、バランサ軸スプロケットA13の歯数の2倍となるように設定されている。
【0006】
そして、バルブ駆動用クランク軸スプロケットA11a、カム軸スプロケットA12、バランサ軸スプロケットA13には、同一の歯切り条件からなるインボリュート歯、すなわち、前述したようなサイレントチェーンのチェーン・ピッチと同一ピッチのホブ・ピッチを有するホブ・カッターで歯切りされたインボリュート歯が形成されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、このような従来のサイレントチェーン伝動機構に用いているバルブ開閉タイミング用サイレントチェーン20aとバランサ駆動用サイレントチェーン20bは、図5の(a)に示すように、リンクプレート21を精密に打ち抜き加工しても打ち抜き加工時の打ち抜き振動などによって連結ピン孔21aの穿孔位置との間で僅かなズレ(A>B,C<D)を生じ、図5の(c)に示すように、必ずしもリンクプレート21の各部位が左右対称(A=B,C=D)とはならないため、チェーン組み立て時にこのような多数のリンクプレート21を表裏ランダムにチェーン幅方向に並列集合してリンク列22を形成すると、図5の(b)に示すように、チェーン幅方向に並列集合した全てのリンクプレート21を投影したリンク列22のリンク外形寸法(W,H)はリンク列22を構成する個々のリンクプレート21のプレート外形寸法(w,h)より僅かに大きくなる傾向がある。
【0008】
そうすると、これらのサイレントチェーンのリンクプレート21に打ち抜き加工された一対の連結ピン孔21a間で設定されるチェーン・ピッチと同一ピッチのホブ・ピッチを有するホブ・カッターで歯切りされた最適な噛み合いを達成する筈のスプロケットであっても、図5の(b)に示すように、リンク列22のリンク外形寸法(W,H)が個々のリンクプレート21のプレート外形寸法(w,h)より大きくなっている分(δw,δh)だけ、サイレントチェーン伝動時におけるサイレントチェーンとスプロケットとの噛み合いが窮屈になって噛み合い不良を生じて振動や騒音を発生させたり、両者の噛み合い面に噛み合い干渉を生じて耐摩耗性を著しく低下させるという問題があった。
【0009】
また、このような従来のサイレントチェーン伝動機構は、歯数の相異なるバルブ駆動用クランク軸スプロケットA11a、カム軸スプロケットA12、バランサ軸スプロケットA13のインボリュート歯を全て同一のホブ・ピッチを有するホブ・カッターで歯切り加工しているため、これらのスプロケットにおいて最適な噛み合いを一律に達成することは至難の技であり、いずれかのスプロケットにおいて生じる噛み合い不良を回避することができず、この噛み合い不良が前述したような振動騒音や摩耗をより増大させるという問題があった。
【0010】
特に、小歯数のバルブ駆動用クランク軸スプロケットA11aよりも巻き付くリンクプレート21のリンク数が多い大歯数のカム軸スプロケットA12や、バランサ軸スプロケットA13より巻き付き角度が大きいバランサ駆動用クランク軸スプロケットA11bでは、前述したような窮屈な噛み合いがより多く累積してサイレントチェーンが本来のチェーン走行ラインLcよりも外側に際立って大きく外れて走行することによって、騒音特性、振動特性、摩耗特性、走行安定性などで様々な悪影響を生じるという問題があった。
【0011】
そこで、本発明の目的は、前述したような従来技術の問題点を解消して、サイレントチェーン組み立て時にリンクプレートが左右非対称であってもその表裏を問題視することなく表裏ランダムにチェーン幅方向に簡便に並列集合して組み立て負担と製作精度を軽減することができるとともに、スプロケットに設定されたチェーン走行ライン上を外れることなく正確に走行して、優れた騒音特性、振動特性、摩耗特性、走行安定性を発揮することができるサイレントチェーン伝動機構を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本請求項1に係る発明は、複数のリンクプレートを表裏ランダムにチェーン幅方向に並列集合したリンク列が連結ピンによって相互に指組み状に連結されたサイレントチェーンと、前記サイレントチェーンのリンク列に形成された外側噛み合い面が最終的に着座状態で噛み合うスプロケットとを備えたサイレントチェーン伝動機構において、前記リンクプレートに配設した一対の連結ピン孔を基準位置として打ち抜き加工されたプレート外形寸法(w,h)が前記リンク列をチェーン幅方向に投影して輪郭されるリンク外形寸法(W,H)より小さく、前記リンク列のリンク外形寸法(W,H)が前記スプロケットと正規に噛み合うための設計基準寸法(Ws,Hs)に合致していることによって、前述した課題を解決するものである。
【0013】
ここで、本発明におけるサイレントチェーンの「プレート外形寸法(w,h)」とは、リンクプレートの連結方向における最大両端幅wとリンクプレートの両外側噛み合い面の延長線が交差する点からチェーンピッチラインまでの最短距離hとで決定される外形寸法を意味し、「リンク外形寸法(W,H)」とは、リンク列をチェーン幅方向に投影して輪郭されるリンク列の連結方向における最大両端幅Wとリンク列をチェーン幅方向に投影して輪郭されるリンク列の両外側噛み合い面の延長線が交差する点からチェーンピッチラインまでの最短距離Hとで決定される外形寸法を意味している。なお、「チェーンピッチライン」とは、リンクプレートに打ち抜き加工された連結ピン孔の中心を相互に結んだライン、若しくは、リンクプレートに挿通された連結ピンの中心を相互に結んだラインのことである。
【0014】
また、本発明における「設計基準寸法(Ws,Hs)」とは、サイレントチェーン伝動時にスプロケット歯面のチェーン走行ライン上において最終的に着座状態で噛み合うように設定されたサイレントチェーンの外形基準寸法を意味している。
【0015】
さらに、本発明のサイレントチェーン伝動機構は、伝動時にサイレントチェーンのリンク列に形成された外側噛み合い面がスプロケットに対して噛み合った状態で着座するものを対象としているが、スプロケットとの噛み合い開始時にはリンク列に形成された外側噛み合い面、もしくは内側噛み合い面の何れで噛み合っても差し支えない。
【0016】
【作用】
本発明のサイレントチェーン伝動機構に用いたサイレントチェーンは、リンクプレートに配設した一対の連結ピン孔を基準位置として打ち抜き加工されたプレート外形寸法(w,h)を前記リンク列をチェーン幅方向に投影して輪郭されるリンク外形寸法(W,H)より小さく、前記リンク列のリンク外形寸法(W,H)がスプロケットと正規に噛み合うための設計基準寸法(Ws,Hs)と合致していることによって、複数のリンクプレートを表裏ランダムにチェーン幅方向に並列集合したリンク列が連結ピンによって相互に指組み状に連結されたサイレントチェーンであっても、スプロケットに設定されたチェーン走行ライン上を正確に走行して確実に噛み合う。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のサイレントチェーン伝動機構の好ましい実施の形態である実施例を図面に基づいて説明する。
ここで、図1は、本発明の一実施例であるサイレントチェーン伝動機構のサイレントチェーンにおけるプレート外形寸法とリンク外形寸法と設計基準寸法との大小関係を示したものであって、(a)はリンクプレートの拡大図であり、(b)はリンク列の拡大図である。図2は、サイレントチェーン伝動機構の噛み合い状態の概要を示したものであって、(a)は本実施例の噛み合い状態、(b)は従来の噛み合い状態を示した図であり、図3は、図2の噛み合い状態を一部拡大した模式図であって、(a)は本実施例の噛み合い状態、(b)は従来の噛み合い状態を示した図である。
【0018】
まず、本実施例のサイレントチェーン伝動機構は、図4に示された従来の4サイクルエンジンに設置したサイレントチェーン伝動機構と基本的には同様なものであって、自動車エンジンの吸気バルブと排気バルブをクランク軸の2回転につき1回転作動させるためにバルブ駆動タイミング用サイレントチェーン20aによって動力伝達されるバルブ駆動用クランク軸スプロケット11a、吸気バルブ・カム軸スプロケット12a、排気バルブ・カム軸スプロケット12bを備えて減速伝動するバルブ開閉タイミング伝動機構M1と、バランサをクランク軸の1回転につき2回転させるためにバランサ駆動用サイレントチェーン20bによって動力伝達されるバランサ駆動用クランク軸スプロケット11b、バランサ軸スプロケット13a、13bを備えて増速伝動するバランサ伝動機構M2とを具備している。
【0019】
そこで、本実施例のサイレントチェーン伝動機構で用いたバルブ駆動タイミング用サイレントチェーン20aとバランサ駆動用サイレントチェーン20bについて以下のとおり詳説する。
前記バルブ開閉タイミング用サイレントチェーン20aとバランサ駆動用サイレントチェーン20bは、一対の噛み合い歯を有する複数のリンクプレート21でリンク列22を構成し、このリンク列22を連結ピン23で相互に指組み状に多数連結することによって、チェーン長手方向に全て同一の形状・構造に編成されており、噛み合い開始時にリンク列22に形成された内側噛み合い面が噛み合って外側噛み合い面が最終的に着座状態で噛み合うようになっている。
【0020】
そして、これらのバルブ開閉タイミング用サイレントチェーン20aとバランサ駆動用サイレントチェーン20bに編成される個々のリンクプレート21は、図1の(a)に示すように、一対の連結ピン孔21aを基準位置としてブランク鋼板からシェービング加工、又は、ファインブランキング加工によって精密にそれぞれ打ち抜き加工され、さらに、このようにして得られたリンクプレート21で構成されるリンク列22は、図1の(b)に示すように、多数のリンクプレート21が表裏ランダムにチェーン幅方向に並列集合している。
【0021】
ここで、前記リンクプレート21は、プレート打ち抜き加工時に発生する打ち抜き振動、打ち抜き衝撃などによって、連結ピン孔21aの基準位置とプレート外形との間に僅かなズレ(A>B,C<D)を生じて左右非対称となっており、個々のリンクプレート21においてバラツキがあるが、このリンクプレート21のプレート外形寸法(w,h)は、前記リンク列22をチェーン幅方向に投影して輪郭されるリンク外形寸法(W,H)より小さく(w<W,h<H)なっている。
そして、前記リンクプレート21が表裏ランダムにチェーン幅方向に並列集合してなるリンク列22のリンク外形寸法(W,H)は、前述したバルブ駆動用クランク軸スプロケット11a、吸気バルブ・カム軸スプロケット12a、排気バルブ・カム軸スプロケット12bなどのスプロケットと正規に噛み合うための設計基準寸法Ws、すなわち、図2の(a)に示すように、サイレントチェーン伝動時にスプロケット歯面のチェーン走行ラインLc上において最終的に着座状態で噛み合うように設定されたサイレントチェーンの外形基準寸法(Ws,Hs)に合致(W=Ws,H=Hs)している。
【0022】
次に、本実施例のサイレントチェーン伝動機構で用いた駆動用クランク軸スプロケット11、カム軸スプロケット12、バランサ軸スプロケット13には、同一の歯切り条件からなるインボリュート歯、すなわち、前述したようなサイレントチェーンのチェーン・ピッチと同一ピッチのホブ・ピッチを有するホブ・カッターで歯切りされたインボリュート歯が形成されている。
【0023】
このようにして構成された本実施例のサイレントチェーン伝動機構の基本的な噛み合い状態を図2乃至図3に基づいて説明すると、以下のとおりである。
複数のリンクプレート21を表裏ランダムにチェーン幅方向に並列集合したリンク列22が連結ピン23によって相互に指組み状に連結されたバルブ開閉タイミング用サイレントチェーン20aとバランサ駆動用サイレントチェーン20bを用いても、リンクプレート21のプレート外形寸法(w,h)が前記リンク列22のリンク外形寸法(W,H)より小さく(w<W,h<H)、前記リンク列22のリンク外形寸法(W,H)がスプロケットと正規に噛み合うための設計基準寸法(Ws,Hs)と合致(W=Ws,H=Hs)しているため、図2の(a)に示すように、クランク軸スプロケット11a、カム軸スプロケット12などのスプロケットに設定されたチェーン走行ラインLc上を正確に走行するとともに、図3の(a)に示すように、スプロケット歯面と確実に噛み合う。
【0024】
特に、小歯数のクランク軸スプロケット11aより巻き付くリンクプレート21のリンク数が多い大歯数のカム軸スプロケット12や、巻き付き角度が大きいバランサ駆動用クランク軸スプロケット11bであっても、同一の歯切り条件からなるインボリュート歯、すなわち、前述したようなサイレントチェーンのチェーン・ピッチと同一ピッチのホブ・ピッチを有するホブ・カッターで歯切りされたインボリュート歯が形成されており、更に、前述したように、リンク列22のリンク外形寸法(W,H)がスプロケットと正規に噛み合うための設計基準寸法(Ws,Hs)と合致しているので、図2の(b)に示す従来のバルブ開閉タイミング用サイレントチェーン20aやバランサ駆動用サイレントチェーン20bのように窮屈な噛み合いがより多く累積して本来のチェーンピッチラインLcよりもδl分だけ外側に外れて走行するようなことがなく、また、図3の(b)に示すようにスプロケット歯面との噛み合い不良や過度の噛み合い干渉Xを起こすこともない。
【0025】
以上のようにして得られた本実施例のサイレントチェーン伝動機構は、従来のサイレントチェーン伝動機構と比較すると、複数のリンクプレート21を表裏ランダムにチェーン幅方向に並列集合したリンク列22が連結ピン23によって相互に指組み状に連結されたバルブ開閉タイミング用サイレントチェーン20aとバランサ駆動用サイレントチェーン20bであっても、スプロケット歯面に設定されたチェーンピッチラインLc上を外れることなく正確に走行することができ、優れた騒音特性、振動特性、摩耗特性、走行安定性を発揮することができ、その効果は甚大である。
【0026】
なお、上述した本発明の一実施例であるサイレントチェーン伝動機構については、バルブ開閉タイミング伝動機構M1と、バランサ駆動用クランク軸スプロケット11b、バランサ軸スプロケット13a、13bを備えて増速伝動するバランサ伝動機構M2とを具備した機構を対象にして説明したが、本発明の他の実施例であるサイレントチェーン伝動機構が、バランサ伝動機構M2以外のオイルポンプ等の補機駆動用伝動機構を組み合わせた機構であっても、同様な作用効果が達成されることは言うまでもない。
【0027】
【発明の効果】
本発明のサイレントチェーン伝動機構に用いたサイレントチェーンは、リンクプレートに配設した一対の連結ピン孔を基準位置として打ち抜き加工されたプレート外形寸法(w,h)が前記リンク列をチェーン幅方向に投影して輪郭されるリンク外形寸法(W,H)より小さく、前記リンク列のリンク外形寸法(W,H)がスプロケットと正規に噛み合うための設計基準寸法(Ws,Hs)と合致していることによって、前記サイレントチェーンのリンク列がスプロケットと確実に噛み合うため、従来のサイレントチェーンが生じたような噛み合い不良や歯飛び等の不具合を回避することができ、スプロケットに設定されたチェーン走行ライン上を正確に走行して低騒音と低振動の噛み合いを実現でき、しかも、サイレントチェーン組み立て時にリンクプレートが左右非対称であってもその表裏を問題視することなく表裏ランダムにチェーン幅方向に簡便に並列集合して組み付けることができるので、サイレントチェーンの組み立て負担とその製作精度が軽減され、チェーン生産性が著しく向上する。
【0028】
特に、小歯数のスプロケットより巻き付くリンクプレートのリンク数が多い大歯数のスプロケットや巻き付き角度が大きいスプロケットであっても、同一の歯切り条件からなるインボリュート歯が形成されており、リンク外形寸法(W,H)がスプロケットと正規の着座状態で噛み合うための設定基準寸法(Ws,Hs)と合致していることによって、スプロケットがサイレントチェーンのリンク列を確実かつ円滑に受け入れるので、従来のような窮屈な噛み合いがより多く累積してサイレントチェーンが本来のチェーン走行ラインよりも外側に外れて走行するようなことがなく、最適な噛み合いを達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるサイレントチェーン伝動機構のサイレントチェーンにおけるプレート外形寸法とリンク外形寸法と設計基準寸法との大小関係を示したものであって、(a)はリンクプレートの拡大図であり、(b)はリンク列の拡大図。
【図2】サイレントチェーン伝動機構の噛み合い状態の概要を示したものであって、(a)は本実施例の噛み合い状態、(b)は従来の噛み合い状態を示した図。
【図3】図2の噛み合い状態を一部拡大した模式図であって、(a)は本実施例の噛み合い状態、(b)は従来の噛み合い状態を示した図。
【図4】サイレントチェーン伝動機構の全体概要図。
【図5】従来のサイレントチェーンにおけるプレート外形寸法とリンク外形寸法との大小関係を示した図。
【符号の説明】
11a,A11a ・・・ バルブ駆動用クランク軸スプロケット
11b,A11b ・・・ バランサ軸駆動用クランク軸スプロケット
12a,A12a ・・・ 吸気バルブ用カム軸スプロケット
12b,A12b ・・・ 排気バルブ用カム軸スプロケット
13 ,A13 ・・・ バランサ軸スプロケット
20a ・・・ バルブ開閉タイミング用サイレントチェーン
20b ・・・ バランサ駆動用サイレントチェーン
21 ・・・ リンクプレート
21a ・・・ 連結ピン孔
22 ・・・ リンク列
23 ・・・ 連結ピン
30a ・・・ テンショナ
30b ・・・ テンショナ
Lc ・・・ チェーン走行ライン
La ・・・ チェーンピッチライン
X ・・・ 噛み合い干渉

Claims (1)

  1. 複数のリンクプレートを表裏ランダムにチェーン幅方向に並列集合したリンク列が連結ピンによって相互に指組み状に連結されたサイレントチェーンと、前記サイレントチェーンのリンク列に形成された外側噛み合い面が最終的に着座状態で噛み合うスプロケットとを備えたサイレントチェーン伝動機構において、
    前記リンクプレートに配設した一対の連結ピン孔を基準位置として打ち抜き加工されたプレート外形寸法(w,h)が前記リンク列をチェーン幅方向に投影して輪郭されるリンク外形寸法(W,H)より小さく、前記リンク列のリンク外形寸法(W,H)が前記スプロケットと正規に噛み合うための設計基準寸法(Ws,Hs)に合致していることを特徴とするサイレントチェーン伝動機構。
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