JP3187802B1 - サイレントチェーン駆動機構 - Google Patents
サイレントチェーン駆動機構Info
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16G—BELTS, CABLES, OR ROPES, PREDOMINANTLY USED FOR DRIVING PURPOSES; CHAINS; FITTINGS PREDOMINANTLY USED THEREFOR
- F16G13/00—Chains
- F16G13/02—Driving-chains
- F16G13/04—Toothed chains
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Devices For Conveying Motion By Means Of Endless Flexible Members (AREA)
- Gears, Cams (AREA)
Abstract
るサイレントチェーン駆動機構において、大歯数側スプ
ロケットと小歯数側スプロケット双方のサイレントチェ
ーンのコーダルアクションを抑制して振動と騒音を低減
でき、チェーン張力変動を抑制して優れた駆動性能と耐
久性を発揮できるサイレントチェーン駆動機構を提供す
る。 【解決手段】 サイレントチェーンの内側フランク歯面
を外側フランク歯面より多角形運動の振幅だけ膨出させ
るとともに、カム軸側スプロケットの圧力角をA1、ク
ランク軸側スプロケットの圧力角をA2、内側フランク
の圧力角をAcとしたとき、カム軸側スプロケットとク
ランク軸側スプロケットの歯面形状を、A1>Ac≧A
2を満足するようなインボリュート曲線でそれぞれ形成
したことによって、クランク軸側とカム軸側の双方にお
いてコーダルアクションを抑制したものである。
Description
ンにおいてクランク軸からカム軸を駆動する場合に用い
られるような、歯数の異なるスプロケット間で動力を伝
達するサイレントチェーン駆動機構に関する。
おいて、クランク軸からカム軸を駆動する場合に用いら
れるサイレントチェーン駆動機構は、クランク軸側スプ
ロケット1b、吸気バルブと排気バルブを作動させるカ
ム軸側スプロケット1a、これらの間を伝動するサイレ
ントチェーンS、前記サイレントチェーンに張力を与え
るテンショナT、およびテンショナレバーL、前記サイ
レントチェーンの振れを押さえるチェーンガイドGなど
で構成されている。
ランク軸側スプロケットが2回転するとそれぞれ1回作
動するようになっている。そこで、クランク軸側の回転
速度をカム軸側で1/2に減速する必要があり、カム軸
側スプロケット1aの歯数は、クランク軸側スプロケッ
ト1bの歯数の2倍となるように設定されている。
動機構に用いるサイレントチェーンSは、特開平8−1
84348号公報に記載されており、図7、図8に示す
ように、チェーン長手方向に重なり合うリンクプレート
のリンク歯によってスプロケットと噛み合うことがで
き、このようなチェーンに張力を加えて直線状に張った
とき、それぞれのリンクプレートの外側に位置する直線
状の外側フランクは台形状の連続歯形を形成するように
なっている。
うなチェーンに張力を加えて直線状に張ったとき、リン
クプレートの内側に位置する内側フランクがこれと重な
り合うリンクプレートの外側に位置する外側フランクの
輪郭よりも内側に引っ込んでいるものと、図8に示すよ
うなチェーンに張力を加えて直線状に張ったとき、リン
クプレートの内側に位置する内側フランクがその中央部
を膨出して、これと重なり合うリンクプレートの外側に
位置する外側フランクの輪郭よりも外側にはみ出してい
るものがある。
ム軸側スプロケット1aは、特願平11−037745
号に開示されているような、図9に示すスプロケット歯
切り加工方法を用いて成形されている。すなわち、上述
したような外側フランクが集合して形成する台形状連続
歯形とおおむね相似な歯形を有するホブカッターによっ
て、スプロケットに巻き付いたサイレントチェーンが前
記チェーンのピッチを一辺とする正多角形を形成するよ
うな転移量に設定して歯切りされ、インボリュート曲線
の歯面形状が形成される。
数の異なるスプロケットを歯切りする際には、クランク
軸側スプロケット1bとカム軸側スプロケット1aを一
律的にサイレンチェーンの外側フランクが画成する圧力
角Afと等しい圧力角の歯形を有するホブカッターによ
って歯切りするか、あるいは、クランク軸側スプロケッ
ト1bの歯数がカム軸側スプロケット1aの歯数の1/
2と少ないことに起因する切り下げやスプロケット歯元
の痩せを避けるために、クランク軸側スプロケット1b
はサイレンチェーンの外側フランクが画成する圧力角A
fよりも大きな圧力角の歯形を有するホブカッターによ
って歯切りしている。
1aとクランク軸側スプロケット1bの歯面形状は、カ
ム軸側スプロケット1aの圧力角をA1、クランク軸側
スプロケット1bの圧力角をA2、リンクプレートの外
側フランクが画成する圧力角をAfとしたとき、A2≧
A1=Af の大小関係となるようなインボリュート曲線で形成され
ている。
イレントチェーンSとカム軸側スプロケット1aとクラ
ンク軸側スプロケット1bとから構成されたカム軸駆動
用サイレントチェーン駆動機構は、図10、および、図
11に示すような噛み合い状態となる。
加えて直線状に張ったとき、リンクプレートの内側フラ
ンクがリンクプレートの外側フランクよりも引っ込んで
いるサイレントチェーンSを使用した場合には、サイレ
ントチェーンSがこれらのスプロケット1に巻き付いた
時、リンクプレートの外側フランクは、スプロケットの
1歯おきにスプロケット歯面に着座して正多角形状の巻
き付き形態を呈する一方、リンクプレートの内側フラン
クは、外側フランクよりも引っ込んでいるためにカム軸
側スプロケット1aとクランク軸側スプロケット1bの
いずれのスプロケット歯面に対しても接触することがな
い。
ーンSのリンクプレートは、外側フランクのみでスプロ
ケット1と噛み合うため、この噛み合い開始時にサイレ
ントチェーンSがスプロケットの半径方向に上下動を伴
う多角形運動を呈する。
量的に分析してみると、スプロケット1の歯のピッチ角
θと歯数zとが θ=360°/z の関係を有しているので、以下のことが明らかになる。
1の中心と連結ピン2aとリンクプレート3b以降のフ
リースパンのチェーンとが直角を成す場合の、スプロケ
ット1の中心からフリースパンのチェーン・ピッチライ
ンまでの距離は、リンクプレート3aの外側フランクが
スプロケット1の歯面に着座しているため、連結ピン2
aのスプロケット1の中心からの高さによって定まり、 U=P/2sin(θ/2) となる。
ト1が図10の状態からピッチ角θの1/2だけ回転し
て、スプロケット1の中心とリンクプレート3bの中心
とフリースパンのチェーンとが直角を成す場合の、スプ
ロケット1の中心からフリースパンのチェーン・ピッチ
ラインまでの距離は、図10に示す場合と同様に、リン
クプレート3aの外側フランクがスプロケット1の歯面
に着座しているため、連結ピン2aのスプロケット1の
中心からの高さによって定まり、 V=P/2tan(θ/2) となる。
と噛み合い始めるサイレントチェーンSは、スプロケッ
ト1がピッチ角θの半分(θ/2)回転する間に、 振幅Hs=U−V の上下動、すなわち、多角形運動を生じ、これによって
サイレントチェーンSは、いわゆる、コーダルアクショ
ンを呈することになる。したがって、このようなサイレ
ントチェーンSを使用した場合においては、振幅Hs=
U−Vのコーダルアクションがリンクプレート3a,3
b,3c・・の外側フランク面とスプロケット1の歯面
との衝突、すなわち、ビーティング・モーションを引き
起こし、高速回転させた場合には、振動と騒音を発生し
て4サイクルエンジンのカム軸駆動機構における振動と
騒音の主たる原因となるという問題があった。
ルアクションがサイレントチェーンの張力変動を惹起さ
せてサイレントチェーン自身の耐久性を悪化させるとい
う問題があった。
を加えて直線状に張ったとき、リンクプレートの内側フ
ランクがその中央部を膨出してリンクプレートの外側フ
ランクよりはみ出しているサイレントチェーンを使用し
た場合には、サイレントチェーンSがこれらのスプロケ
ット1に巻き付いた時、リンクプレートの外側フランク
は、スプロケットの1歯おきにスプロケット歯面に着座
して正多角形状の巻き付き形態を呈する一方、リンクプ
レートの内側フランクの中央部が外側フランクよりはみ
出しているために、フリースパンにあるリンクプレート
の内側フランク中央部の膨出がスプロケット歯面と接触
してリンクプレートの外側フランクがスプロケット歯面
に着座する前に、フリースパンのチェーンを一時的に持
ち上げ、これによって、図7に示すようなサイレントチ
ェーンを使用した場合に比較すると、コーダルアクショ
ンを少なくすることができる。
1bの歯数とカム軸側スプロケット1aの歯数が大きく
異なっているためピッチ角(θ=360°/z)が異な
っており、クランク軸側スプロケットの歯数とカム軸側
スプロケットの多角形運動の大きさも大きく異なって来
る。したがって、前述したようなリンクプレートの内側
フランクがその中央部を膨出しているサイレントチェー
ンを使用した場合には、フリースパンのチェーンを持ち
上げる高さが一定であるため、クランク軸側スプロケッ
トとカム軸側スプロケットのいずれかにおいて必ず多角
形運動を生じ、クランク軸側スプロケットとカム軸側ス
プロケットに生ずる双方のコーダルアクションを共に小
さくすることが困難となる。
は、クランク軸側、若しくは、カム軸側の一方において
コーダルアクションが抑制されたとしても、カム軸駆動
機構としてみるとコーダルアクションに伴う振動と騒音
を低減したことにはならなず、また、前記リンクプレー
トの内側フランク中央部の膨出がプロケット歯面と衝突
して、新たな振動・騒音やチェーンの張力変動を生じる
という厄介な問題があった。
ジンにおいて、サイレントチェーンによってクランク軸
からカム軸を駆動する場合に用いられるような、歯数の
異なるスプロケット間で動力を伝達するサイレントチェ
ーン駆動機構において、大歯数側スプロケットと小歯数
側スプロケット双方のサイレントチェーンのコーダルア
クションを抑制してこれによって引き起こされる振動と
騒音を低減するとともに、チェーンの張力変動を抑制し
て優れた駆動性能と耐久性を発揮することができるサイ
レントチェーン駆動機構を提供することである。
ーン駆動機構は、一対のリンク歯を有するリンクプレー
トを連結ピンで相互に連結して編成してなるサイレント
チェーンが、大歯数スプロケットと少歯数スプロケット
との間で動力を伝達するサイレントチェーン駆動機構に
おいて、前記サイレントチェーンのリンク歯を形成する
フランク形状が、チェーン・ピッチラインから内側フラ
ンク・ピッチラインまでの距離をHc、チェーン・ピッ
チラインから外側フランク・ピッチラインまでの距離を
Hfとし、前記少歯数スプロケットの歯数と等しいか、
あるいは前記少歯数スプロケットの歯数と前記大歯数ス
プロケットの歯数との間に設定された歯数を有する仮想
スプロケットにおける多角形運動の振幅をHsとしたと
き、 Hc=Hf+Hs を満足するように形成されているとともに、前記大歯数
スプロケットと少歯数スプロケットの歯面形状が、前記
大歯数側スプロケットの圧力角をA1、前記小歯数側ス
プロケットの圧力角をA2、前記サイレントチェーンに
形成された内側フランクの圧力角をAcとしたとき、 A1>Ac≧A2 を満足するようなインボリュート曲線でそれぞれ形成さ
れていることによって、前記課題を解決したものであ
る。
機構に用いるサイレントチェーンは、一対のリンク歯を
有するリンクプレートを丸ピン若しくはロッカーピンな
どの連結ピンで相互に多数連結して編成してなるもので
あり、また、このリンクプレートには、その外側に位置
する外側フランクと内側に位置する内側フランクをそれ
ぞれ備えている。
ライン」とは、リンクプレートにおけるピン中心の相互
を結ぶ直線のことである。
イン」とは、内側フランクとの交点同志の距離がチェー
ン・ピッチPの1/2となるような位置でチェーン・ピ
ッチラインに平行なラインのことである。
イン」とは、外側フランクとの交点同志の距離がチェー
ン・ピッチPの3/2となるような位置でチェーン・ピ
ッチラインに平行なラインのことである。
るチェーン多角形運動の振幅」とは、外側フランクのみ
で噛み合うサイレントチェーンがスプロケットと噛み合
い開始時にスプロケットの半径方向に生じる上下動の幅
のことである。
とは、該スプロケットを歯切りする際に用いるホブカッ
ターの歯形の圧力角のことである。
クプレートの内側フランク形状をHc=Hf+Hsを満
足するように形成したことによって、噛み合い開始時か
ら噛み合って着座するまでの噛み合い過程において、内
側フランクとスプロケットの間には、ラックとピニヨン
の間に成立すると同様の噛み合いが成立し、スプロケッ
トの中心からフリースパンのチェーンまでの高さが一定
の高さに維持されるので、従来のような多角形運動に伴
うコーダルアクションが抑制される。
側フランク・ピッチラインまでの距離が、外側フランク
・ピッチラインよりも、少歯数スプロケットの歯数と等
しいか、あるいは少歯数スプロケットの歯数と大歯数ス
プロケットの歯数との間に設定された歯数を有する仮想
スプロケットにおける多角形運動の振幅Hsだけ遠い内
側フランクのリンクプレートを用いたことによって、多
角形運動を抑えることができる。
大歯数側スプロケットと小歯数側スプロケットの歯面形
状をA1>Ac≧A2を満足するようなインボリュート
曲線でそれぞれ形成したことによって、大歯数側スプロ
ケットが小歯数側スプロケットに対して2倍の歯数を備
えている場合であってもサイレンチェーンが小歯数側と
大歯数側の双方において噛み合い開始時に、内側フラン
クが着座したリンクプレートの外側フランクと同時に噛
み合ってフリースパンのチェーンを多角形運動の最高点
の高さまで持ち上げ保持するので、小歯数側スプロケッ
トと大歯数側スプロケットの双方においてサイレントチ
ェーンのコーダルアクションが抑制される。
ンジンにおいて、クランク軸からカム軸を駆動する場合
に用いられるサイレントチェーン駆動機構を、図面に基
づいて説明する。
機構は、図6に示された従来例と同様に、自動車エンジ
ンの吸気バルブと排気バルブをクランク軸の2回転につ
き1回転作動させるための減速駆動機構であって、一対
のリンク歯を有するリンクプレートを連結ピンで相互に
連結して編成してなるサイレントチェーンと、該サイレ
ントチェーンのリンク歯と噛み合うインボリュート曲線
で形成された歯面を有するクランク軸側スプロケット1
bとこれの2倍の歯数を有するカム軸側スプロケット1
aを備えている。
動機構に用いたサイレントチェーンのリンクプレートの
外形を示す図であり、図2は、図1のリンクプレートを
用いたサイレントチェーンの編成状態を示す図である。
ェーンのリンク歯について、図1、および、図2に示す
歯面形状をみると、その歯面形状をなす直線状のフラン
ク形状は、チェーン・ピッチラインから内側フランク・
ピッチラインまでの距離をHc、チェーン・ピッチライ
ンから外側フランク・ピッチラインまでの距離をHf、
多角形運動の振幅をHsとしたとき、 Hc=Hf+Hs を満足するように形成されている。
方法は以下の通りである。 (1)まず、カム軸側スプロケット1aの歯数z1とク
ランク軸側スプロケット1bの歯数z2の間に、適当な
仮想スプロケットの歯数zcを定める。zcの値は、歯
数が少ない程多角形運動が大きいことを考慮して、z1
とz2の中間よりも少な目か、または、クランク軸側ス
プロケット1bの歯数z2と等しく設定する。 (2)前記歯数zcを備えた該仮想スプロケットの、多
角形運動の振幅Hsを求める。
ーンを構成するリンクプレートは、全て同一形状のもの
を採用しており、外側フランクと内側フランクの歯形
は、双方とも直線である。また、隣り合うリンクプレー
トにおいてそれぞれ対応する内側フランクの相互間隔、
および、外側フランクの相互間隔は、リンクプレートに
おける一対のピン間の距離として定義されるチェーンピ
ッチPと等しい。
ケット1aは、クランク軸側スプロケット1bに対して
2倍の歯数を備えており、クランク軸側からカム軸側に
回転速度が1/2に減速されるようになっている。
も、前記サイレントチェーンに形成された内側フランク
に対して、スプロケットの中心からチェーン・ピッチラ
インまでの距離が、それぞれの歯数に対応して U=P/2sin(θ/2) なるように、ホブカッターを用いた歯切り方法によって
形成されている。
ンク軸側スプロケット1bの歯面形状は、前記Uの距離
を実現するために、カム軸側スプロケット1aの圧力角
をA1、クランク軸側スプロケット1bの圧力角をA
2、前記サイレントチェーンに形成された内側フランク
の圧力角をAcとしたとき、 A1>Ac≧A2 を満足するようなインボリュート曲線でそれぞれ形成さ
れている。
ロケット1aの圧力角A1とクランク軸側スプロケット
1bの圧力角A2は、ホブカッターの圧力角Ahによっ
て任意に設定することができる。
A1とクランク軸側スプロケット1bの圧力角A2の具
体的算出方法は以下の通りである。 (1)図3の着座したリンクプレート3aの右側の連結
ピン2aがスプロケット中心の真上にあるときに、部分
拡大図に示すように、着座したリンクプレート3aの外
側フランクとフリースパンのリンクプレート3bのリン
ク進行方向の内側フランクが同時にスプロケット1の歯
と噛み合うこと (2)カム軸側スプロケット1aの歯数z1とクランク
軸側スプロケット1bの歯数z2が異なっていてもHc
の値が一定であることを条件として、カム軸側スプロケ
ット1aの圧力角A1とクランク軸側スプロケット1b
の圧力角A2を決定することができる。
めたスプロケットの歯数zとホブカッターの圧力角A
h、すなわち、スプロケットの圧力角との関係を図示し
たものである。前記歯数zcの仮想スプロケットの圧力
角は、内側フランクの圧力角Acに一致している。
したカム軸側スプロケット1aとクランク軸側スプロケ
ット1bの歯面形状は、 A1>Ac≧A2 を満足するようにそれぞれ形成されている。
トチェーン駆動機構の作動状態を図3、および、図4に
基づいて説明すると、以下のとおりである。
ン2aとフリースパンのチェーン3b、2b、3
c...とが直角を成す場合の噛み合い状態を示す。な
お、ここで、「フリースパンのチェーン」とは、スプロ
ケットと噛み合って着座する以前の噛み合い進行中のチ
ェーンであって、スプロケットに完全に拘束されていな
い比較的フリーな状態のチェーンのことである。
示すような従来の噛み合い状態と同様に、スプロケット
1に対してリンクプレート両側の外側フランクで噛み合
って着座しているから、スプロケット1の中心からフリ
ースパンのチェーンの連結ピン2aまでの距離は、 U=P/2sin(θ/2) となる。
ンのチェーンは、チェーン張力によって直線状に引っ張
られた状態において、内側フランクが外側フランクの輪
郭よりも外側に直線状態で膨出しているため、スプロケ
ット1をピニオンとした場合に多数の内側フランクで構
成された台形状連続歯型のラックと見做すことができ
る。すなわち、フリースパンのチェーンとスプロケット
1とは、一般的に良く知られたラックとピニヨンとの噛
み合い関係を呈することになる。
レート3cは、リンク進行方向の内側フランクでスプロ
ケット1と噛み合っており、内側フランク・ピッチライ
ンは外側フランク・ピッチラインよりHsだけチェーン
・ピッチラインから相対的に遠い位置にあるため、スプ
ロケット1の中心からフリースパンのチェーンのリンク
プレート3bのチェーン・ピッチラインまでの距離は、
次のパラグラフに述べる理由によってUとなる。
プロケット1がピッチ角θの1/2だけ回転してリンク
プレートが半ピッチだけ進んだ噛み合い状態を示す。す
なわち、リンクプレート3aは、図11に示すような従
来の噛み合い状態と同様に、スプロケット1に対して両
側の外側フランクで噛み合って着座しているから、スプ
ロケット1の中心から連結ピン2aまでの距離は、 V=P/2tan(θ/2) である。
行方向の内側フランクでスプロケット1と噛み合ってお
り、内側フランクのピッチラインがHc=Hf+Hsと
なっているため、噛み合い高さが前記VよりもHsだけ
高くなるので、スプロケット1の中心から連結ピン2b
までの距離は、 U=P/2sin(θ/2) となる。
3cの内側フランクがスプロケット1に噛み合い始めて
から、連結ピン2bが連結ピン2aのあった位置まで進
むまでの間、リンクプレート3cの高さは、常にUに保
たれる。
クは、連結ピン2aを中心とする屈曲運動によってスプ
ロケット1から離れ、他方、リンクプレート3bの外側
フランクは、まだ、スプロケット1と接触しないので、
リンクプレート3bは連結ピン2aと連結ピン2bに支
持されて滑らかにスプロケット1に噛み込んで行く。
い動作の全過程において、フリースパンのチェーンは、
常にUの高さにあり、多角形運動による上下動が抑制さ
れる。
機構は、カム軸側スプロケット1aとクランク軸側スプ
ロケット1bの歯面形状をA1>Ac≧A2を満足する
ようなインボリュート曲線でそれぞれ形成したことによ
って、カム軸側スプロケット1aがクランク軸側スプロ
ケット1bに対して2倍の歯数備えている場合であって
もサイレンチェーンがクランク軸側とカム軸側の双方に
おいて噛み合い開始時に、内側フランクが着座したリン
クプレートの外側フランクと同時に噛み合ってフリース
パンのチェーンを多角形運動を生じない高さまで持ち上
げるので、クランク軸側とカム軸側の双方においてサイ
レントチェーンのコーダルアクションが抑制される。
レントチェーン駆動機構は、図7、または、図8に示す
ようなリンクプレートとA1≦A2のの関係を有するス
プロケットを備えた従来のサイレントチェーン駆動機構
と比較すると、クランク軸側とカム軸側のいずれにおい
ても、噛み合い開始時から噛み合って着座するまでの噛
み合い動作の全過程においてスプロケット1の中心から
チェーンまでの高さを一定に維持することができるた
め、サイレントチェーンのコーダルアクションを抑制し
てこれに伴う振動と騒音を低減するとともに、チェーン
張力変動を抑制して優れた駆動性能と耐久性を発揮する
ことができる。
は、以下のような特有の効果を奏することができる。す
なわち、 (1)リンクプレートの内側フランク形状をHc=Hf
+Hsを満足するように形成したことによって、如何な
る噛み合い時点であっても従来のようなサイレントチェ
ーンの多角形運動に伴うコーダルアクションを抑制する
ことができるので、このコーダルアクションによって引
き起こされる振動と騒音を大幅に低減することができる
とともに、チェーン張力変動の無い優れた駆動性能を発
揮することができる。
プロケットの歯面形状をA1>Ac≧A2を満足するな
インボリュート曲線でそれぞれ形成したことによって、
大歯数側スプロケットが小歯数側スプロケットに対して
2倍の歯数備えている場合であっても大歯数側スプロケ
ットと小歯数側スプロケット双方のサイレントチェーン
のコーダルアクションを共に最小にすることができるの
で、このようなコーダルアクションに伴う振動と騒音を
減速機構としてなお一層低減することができ、小歯数側
と大歯数側のいずれにおいても優れた駆動性能とサイレ
ントチェーンの耐久性を確保することができる。
したサイレントチェーンのリンクプレートの外形図。
したサイレントチェーンの編成状態図。
る噛み合い状態図。
(θ/2)回転した時の噛み合い状態図。
角との関係を示した図。
要図。
たサイレントチェーンの編成状態図。
たサイレントチェーンの編成状態図。
噛み合い状態図。
(θ/2)回転した時の噛み合い状態図。
ッチラインまでの距離 Hc チェーン・ピッチラインから内側フランク・ピ
ッチラインまでの距離 Hs 仮想スプロケットにおける多角形運動の振幅 U 内側フランクの噛み合い高さ V 外側フランクの着座高さ
Claims (1)
- 【請求項1】 一対のリンク歯を有するリンクプレート
を連結ピンで相互に連結して編成してなるサイレントチ
ェーンが、大歯数スプロケットと少歯数スプロケットと
の間で動力を伝達するサイレントチェーン駆動機構にお
いて、 前記サイレントチェーンのリンク歯を形成するフランク
形状が、チェーン・ピッチラインから内側フランク・ピ
ッチラインまでの距離をHc、チェーン・ピッチライン
から外側フランク・ピッチラインまでの距離をHfと
し、前記少歯数スプロケットの歯数と等しいか、あるい
は前記少歯数スプロケットの歯数と前記大歯数スプロケ
ットの歯数との間に設定された歯数を有する仮想スプロ
ケットにおける多角形運動の振幅をHsとしたとき、 Hc=Hf+Hs を満足するように形成されているとともに、 前記大歯数スプロケットと少歯数スプロケットの歯面形
状が、前記大歯数側スプロケットの圧力角をA1、前記
小歯数側スプロケットの圧力角をA2、前記サイレント
チェーンに形成された内側フランクの圧力角をAcとし
たとき、 A1>Ac≧A2 を満足するようなインボリュート曲線でそれぞれ形成さ
れていることを特徴とするサイレントチェーン駆動機
構。
Priority Applications (4)
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---|---|---|---|
JP2000003816A JP3187802B1 (ja) | 2000-01-12 | 2000-01-12 | サイレントチェーン駆動機構 |
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JP2000003816A JP3187802B1 (ja) | 2000-01-12 | 2000-01-12 | サイレントチェーン駆動機構 |
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