JP2002105051A - スルホンアミドフェノール又はアニリン系化合物及びそれを用いたハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

スルホンアミドフェノール又はアニリン系化合物及びそれを用いたハロゲン化銀写真感光材料

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JP2002105051A
JP2002105051A JP2000297042A JP2000297042A JP2002105051A JP 2002105051 A JP2002105051 A JP 2002105051A JP 2000297042 A JP2000297042 A JP 2000297042A JP 2000297042 A JP2000297042 A JP 2000297042A JP 2002105051 A JP2002105051 A JP 2002105051A
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aryl
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JP2000297042A
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English (en)
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Toshiki Taguchi
敏樹 田口
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像の最高濃度が高く、ディスクリミネーシ
ョンに優れたハロゲン化銀写真感光材料を提供する。 【解決手段】 下記の一般式(1)で表される化合物を
用いる。 【化1】 式中、A は水酸基、置換または無置換のアミノ基など、
R1〜R4 は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキ
ル基、アリール基など、R5 はπ電子過剰ヘテロ芳香族
環基またはπ電子過剰ヘテロ芳香族環が縮合したアリー
ル基もしくはヘテロアリール基を表す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は還元剤などに有用な
新規なスルホンアミドフェノール又はアニリン系化合物
およびこれを用いたハロゲン化銀写真感光材料に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀を用いた写真法は、他の写
真法、たとえば電子写真やジアゾ写真に比べて感度や階
調調節などの写真特性に優れているため、従来から最も
広範に用いられてきた。特にカラーハードコピーとして
は最高の画質が得られるため、昨今より精力的に研究さ
れている。近年になって、ハロゲン化銀を用いた感光材
料の画像形成処理法を従来の湿式処理から、現像液を内
蔵するインスタント写真システム、さらには加熱等によ
る乾式熱現像処理などにより、簡易迅速に画像を得るこ
との出来るシステムが開発されてきた。熱現像感光材料
については、「写真工学の基礎(非銀塩写真編)コロナ
社刊」p.242 〜にその内容の記載があるが、その内容と
してはドライシルバーを代表とした、白黒画像形成法に
とどまっている。最近、熱現像カラー感光材料として
は、富士写真フイルム(株)社からピクトログラフィ
ー、ピクトロスタットといった商品が発売されている。
上記の簡易迅速処理法では、プレフォームドダイを連結
したレドックス性色材を用いたカラー画像形成を行って
いる。写真感光材料のカラー画像形成法としては、カプ
ラーと現像主薬酸化体のカップリング反応を利用する方
法が最も一般的であり、この方法を採用した熱現像カラ
ー感光材料についても、米国特許第3,761,270号、同第
4,021,240号、特開昭59-231539号、同60-128438号等、
多くのアイデアが出願されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】発明者らも上記のよう
なカップリング反応を利用するタイプの熱現像感光材料
について検討を行ったが、今までの還元剤を用いた熱現
像感光材料では、画像の最高濃度(Dmax)が低く、改善す
べき点があった。このような点を改良するための還元剤
の分子設計を検討した技術としては、特開平9-90582号
等にその記載がある。しかし、これらの還元剤を用いた
感光材料でも、カプラーから生成する色素のモル吸光係
数からもわかるように十分な発色効率で色素画像が得ら
れるものではなかった。
【0004】本発明の目的は、画像の最高濃度が高く、
ディスクリミネーションに優れたハロゲン化銀写真感光
材料を与えることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記の
化合物ならびにハロゲン化銀写真感光材料によって達成
された。 1) 下記一般式(1)で表される化合物。
【0006】
【化3】
【0007】式中、Aは水酸基、置換または無置換のア
ミノ基、もしくは加水分解によって水酸基またはアミノ
基を生成可能な基を表す。R1〜R4は水素原子、ハロゲン
原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、ヘテロ環
基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ
基、アリールチオ基、アルキルカルボニル基、アリール
カルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホ
ニル基、アルキルカルボンアミド基、アリールカルボン
アミド基、アルキルスルホンアミド基、アリールスルホ
ンアミド基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカ
ルボニルオキシ基、カルバモイル基、アルキルカルバモ
イル基、アリールカルバモイル基、アルコキシカルボニ
ル基、アリールオキシカルボニル基、スルファモイル
基、アルキルスルファモイル基、アリールスルファモイ
ル基、ウレイド基、またはウレタン基を表す。R5はπ電
子過剰ヘテロ芳香族環基またはπ電子過剰ヘテロ芳香族
環が縮合したアリール基もしくはヘテロアリール基を表
す。 2) 支持体上に少なくとも感光性ハロゲン化銀、バイ
ンダー、還元剤を有するハロゲン化銀写真感光剤におい
て、該還元剤の少なくとも1種が、前記の一般式(1)
で表される化合物であることを特徴とするハロゲン化銀
写真感光材料。 3) 一般式(1)中のR5が、下記一般式(2)〜
(7)で表される基であることを特徴とする、第1項記
載の化合物ならびに第2項記載のハロゲン化銀写真感光
材料。
【0008】
【化4】
【0009】式中、XはS、O、又はN-R(Rは水素原子、
もしくは置換基を表す。)を表す。R 6〜R9は、水素原
子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、
ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキ
ルチオ基、アリールチオ基、アルキルカルボニル基、ア
リールカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリール
スルホニル基、アルキルカルボンアミド基、アリールカ
ルボンアミド基、アルキルスルホンアミド基、アリール
スルホンアミド基、アルキルカルボニルオキシ基、アリ
ールカルボニルオキシ基、カルバモイル基、アルキルカ
ルバモイル基、アリールカルバモイル基、アルコキシカ
ルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルファモ
イル基、アルキルスルファモイル基、アリールスルファ
モイル基、ウレイド基、またはウレタン基を表す。R6,R
7は互いに結合して環を形成してもよい。Z1〜Z3は6員
のベンゼン環もしくはヘテロアリール環を形成可能な原
子群である。Z4は5員のヘテロアリール環を形成可能な
原子群である。Z1〜Z4の原子群にはそれぞれR6〜R9と同
様の置換基が置換可能である。 4) 一般式(2)〜(7)中の、スルホニル基が置換
した位置の原子に隣接した原子の少なくとも一方に置換
基が置換しているか、または縮合環が縮合していること
を特徴とする、第3項記載のハロゲン化銀写真感光材
料。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に述べ
る。
【0011】まず、一般式(1)で表される化合物につ
いて詳しく述べる。一般式(1)で表される化合物は、
スルホンアミドフェノールもしくはスルホンアミドアニ
リンと総称される還元剤(現像主薬)を表す。式中、A
は水酸基、置換または無置換のアミノ基、もしくは加水
分解によって水酸基またはアミノ基を生成可能な基を表
す。アミノ基の場合、アルキルアミノ基、アリールアミ
ノ基などの置換アミノ基が好ましく、最も好ましくはジ
アルキルアミノ基である。加水分解によって水酸基また
はアミノ基を生成可能な基としてはアシル基やウレイド
基、ウレタン基などを挙げることができる。Aとして最
も好ましくは水酸基である。本発明において、R5はπ電
子過剰ヘテロ芳香族環を形成する基である。π電子過剰
ヘテロ芳香族環とは、5員環ヘテロ芳香族中に窒素原
子、硫黄原子、酸素原子のようなローンペアを有するヘ
テロ原子を含むヘテロ芳香族環のことを表す。このヘテ
ロ原子のローンペアの電子がπ電子系に加わり、ヒュッ
ケル則で言うところの4n+2の式に該当する芳香族性を現
出する。このようなヘテロ環としては、ピロール、チオ
フェン、フラン、イミダゾール、ピラゾールなどが挙げ
られ、インドリジンやカルバゾールのようにこれらが芳
香族環やヘテロ芳香族環と縮合した環も挙げることがで
きる。この中でも好ましく用いられるのはピロール、チ
オフェン、フランをその骨格中に有するものであり、特
に好ましくはピロール構造をその構造中に有するもので
ある。XはS、O、またはN-R(Rは水素原子、もしくは置
換基を表す。)を表す。Xは好ましくはN-Rであり、Rは
好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基である。
R1 〜R4ならびに一般式(2)〜(7)のR6 〜R9は水素
原子、ハロゲン原子(例えばクロル基、ブロム基)、ア
ルキル基(例えばメチル基、エチル基、イソプロピル
基、n−ブチル基、t−ブチル基)、アリール基(たと
えば3-メタンスルホニルアミノフェニル基)、アルキル
カルボンアミド基(例えばアセチルアミノ基、プロピオ
ニルアミノ基、ブチロイルアミノ基)、アリールカルボ
ンアミド基(例えばベンゾイルアミノ基)、アルキルス
ルホンアミド基(例えばメタンスルホニルアミノ基、エ
タンスルホニルアミノ基)、アリールスルホンアミド基
(例えばベンゼンスルホニルアミノ基、トルエンスルホ
ニルアミノ基)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、エ
トキシ基)、アリールオキシ基(例えば4-メタンスルホ
ニルアミノフェノキシ基)、アルキルチオ基(例えばメ
チルチオ基、エチルチオ基、ブチルチオ基)、アリール
チオ基(例えば4-メタンスルホニルアミノフェニルチオ
基)、アルキルカルバモイル基(例えばメチルカルバモ
イル基、ジメチルカルバモイル基、エチルカルバモイル
基、ジエチルカルバモイル基、ジブチルカルバモイル
基、ピペリジノカルバモイル基、モルホリノカルバモイ
ル基)、アリールカルバモイル基(例えばフェニルカル
バモイル基、メチルフェニルカルバモイル基、エチルフ
ェニルカルバモイル基、ベンジルフェニルカルバモイル
基)、カルバモイル基、アルキルスルファモイル基(例
えばメチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル
基、エチルスルファモイル基、ジエチルスルファモイル
基、ジブチルスルファモイル基、ピペリジノスルファモ
イル基、モルホリノスルファモイル基)、アリールスル
ファモイル基(例えばフェニルスルファモイル基、メチ
ルフェニルスルファモイル基、エチルフェニルスルファ
モイル基、ベンジルフェニルスルファモイル基)、スル
ファモイル基、シアノ基、アルキルスルホニル基(例え
ばメタンスルホニル基、エタンスルホニル基)、アリー
ルスルホニル基(例えばフェニルスルホニル基、4−ク
ロロフェニルスルホニル基、p−トルエンスルホニル
基)、アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボ
ニル基、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル
基)、アリールオキシカルボニル基(例えばフェノキシ
カルボニル基)、アルキルカルボニル基(例えばアセチ
ル基、プロピオニル基、ブチロイル基)、アリールカル
ボニル基(例えばベンゾイル基、アルキルベンゾイル
基)、またはアシルオキシ基(例えばアセチルオキシ
基、プロピオニルオキシ基、ブチロイルオキシ基)を表
す。特にR1 〜R4では、置換基のハメット則におけるσp
値のR1 〜R4の合計が0以上になるような基の組み合わ
せであることが好ましい。一般式(2),(4)におい
て、一般式(1)のスルホニル基はR6 ,R7 ,R8 ,R9又は
R(XがN-R のとき)の替りにπ電子過剰ヘテロ芳香族環
に直接結合する。また、一般式(3),(5)〜(7)
においては、スルホニル基はZ1〜Z4でそれぞれ形成され
る環に直接結合する。一般式(2)〜(7)中の、スル
ホニル基が置換した位置の原子に隣接した原子の少なく
とも一方には置換基が置換しているか、または縮合環が
縮合していることが好ましい。R1 〜R4、R6〜R7がそれ
ぞれ置換基である場合、それぞれ隣接する基の組み合わ
せにおいて、独立に結合して環を形成してもよい。前記
の置換基としては、R1 〜R4について記載したハロゲン
原子や種々の基が適用でき、なかでもアルキル基とアリ
ール基が好ましい。縮合環としてはベンゼン環が好まし
い。
【0012】一般式(1)で表される化合物は、有機合
成化学の分野で広く公知の方法を、段階的に組み合わせ
て合成することができる。その合成例を、合成スキーム
として下記に示す。
【0013】
【化5】
【0014】(還元剤D-1の合成) (酸クロライドAの合成)温度計とリフラックスコンデ
ンサーを取り付けた1000mlの三つ口フラスコにN-エチル
カルバゾール39.0g(0.2mol)、ジクロロメタン300mlを仕
込んだ。磁気撹拌子を用いて内容物を撹拌しながら氷−
メタノール浴を用いて内温を-5℃まで下げた。ここにク
ロルスルホン酸23g(0.2mol)を内温が5℃を越えないよう
に徐々に滴下した。そのまま撹拌を続け、1時間後に冷
却浴をはずして、内温が室温になるまで放置した。減圧
下、溶媒を留去し、ここにアセトニトリル200mlとN,N-
ジメチルアセトアミド30mlを加えて室温条件下で撹拌し
た。ここにオキシ塩化リン47g (0.25mol)を徐々に滴下
すると内温が60 ℃まで上昇した。このまま1時間撹拌
を続けた後、反応混合物を冷水3リットルに注ぎ入れる
と結晶が析出した。この結晶を濾別し、水洗の後、減圧
乾燥した。このようにして、酸クロライドAの結晶41gを
得た。 (還元剤D-1の合成)温度計とリフラックスコンデンサ
ーを取り付けた500mlの三つ口フラスコに、2,6-ジクロ
ロ-4-アミノフェノール17.8g(0.1mol)、N,N-ジメチルア
セトアミド120mlを仕込んで、磁気撹拌子を用いて撹拌
子ながら完全に溶解させた。ここに氷浴を取り付け、内
温を0℃まで低下させた。ここに、酸クロライドA 29g
(0.1mol)を添加すると、内温が10℃まで上昇した。この
まま冷却浴を取り外し、このまま2時間ほど反応を行っ
た。反応終了後、反応混合物を冷水3リットルに注ぎ入
れると結晶が析出した。この結晶を濾別し、メタノール
・水の混合溶媒から再結晶して、還元剤D-1の結晶35gを
得た。以下に一般式(1)で表される還元剤の例を示
す。この具体例によって、本発明はもちろん限定される
ものではない。
【0015】
【化6】
【0016】
【化7】
【0017】
【化8】
【0018】
【化9】
【0019】
【化10】
【0020】
【化11】
【0021】
【化12】
【0022】本発明の化合物をハロゲン化銀写真感光材
料に使用する場合、その感材中の塗布量は広い範囲を取
ることができる。高い濃度の画像を得るためには0.001
〜1000mmol/m2、好ましくは0.01〜100mmol/m2である。
また、本発明の化合物を単独で還元剤として用いてもよ
いし、本発明の化合物を数種混合したり、その他の還元
剤と併用して使用することも可能である。
【0023】本発明において、色素供与性化合物とし
て、酸化カップリング反応によって色素を形成する化合
物(カプラー)を使用することができる。このカプラー
は4等量カプラーであっても2等量カプラーであっても
よいが、本発明では4等量カプラーが好ましい。何故な
らば、第一に本発明においては、還元剤のカップリング
部位であるアミノ基が置換基によって保護されており、
カップリング時にカプラー側のカップリング部位に置換
基があると立体障害によって反応が阻害されるからであ
る。第二に、この置換基はカップリング後、アニオンと
して離脱するため、カプラー側の離脱基はカチオンとし
て離脱しなければならず、通常の2等量カプラーではこ
のような離脱基にはなりえないからである。
【0024】カプラーの具体例は、4等量、2等量の両
者ともセオリー・オブ・ザ・フォトグラフィック・プロ
セス(4th. Ed. T. H. James 編集 Macmillan, 1977)
291頁〜334頁、及び354頁〜361頁、特開昭
58─12353号、同58─149046号、同58
─149047号、同59─11114号、同59─1
24399号、同59─174835号、同59─23
1539号、同59─231540号、同60─295
1号、同60─14242号、同60─23474号、
同60─66249号などに詳しく記載されている。
【0025】本発明に好ましく使用されるカプラーの例
を以下に列挙する。
【0026】本発明に好ましく使用されるカプラーとし
ては、以下の一般式〔8〕〜〔19〕に記載するような構
造の化合物がある。これらはそれぞれ一般に活性メチレ
ン、ピラゾロン、ピラゾロアゾール、フェノール、ナフ
トール、ピロロトリアゾールと総称される化合物であ
り、当該分野で公知の化合物である。
【0027】
【化13】
【0028】
【化14】
【0029】
【化15】
【0030】一般式〔8〕〜〔11〕は活性メチレン系カ
プラーと称されるカプラーを表し、式中、R24は置換基
を有してもよいアシル基、シアノ基、ニトロ基、アリー
ル基、ヘテロ環基、アルコキシカルボニル基、アリール
オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル
基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基であ
る。
【0031】一般式〔8〕〜〔11〕において、R25は置
換基を有してもよいアルキル基、アリール基、又はヘテ
ロ環基である。一般式〔5〕において、R26は置換基を
有してもよいアリール基又はヘテロ環基である。R24
25、R26が有してもよい置換基としては、例えばアル
キル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘ
テロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シアノ
基、ハロゲン原子、アシルアミノ基、スルホンアミド
基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカ
ルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルア
ミノ基、アリールアミノ基、水酸基、スルホ基等、種々
の置換基を挙げることができる。R24の好ましい例とし
てはアシル基、シアノ基、カルバモイル基、アルコキシ
カルボニル基が挙げられる。
【0032】一般式〔8〕〜〔11〕において、Yは水素
原子又は現像主薬酸化体とのカップリング反応により脱
離可能な基である。Yの例として、カルボキシル基、ホ
ルミル基、ハロゲン原子、(たとえば臭素、ヨウ素)、
カルバモイル基、置換基を有するメチレン基(置換基と
しては、アリール基、スルファモイル基、カルバモイル
基、アルコキシ基、アミノ基、水酸基等)、アシル基、
スルホ基等が挙げられる。この中で、先述したようにY
は水素原子が好ましい。
【0033】一般式〔8〕〜〔11〕において、R24とR
25、R24とR26は互いに結合して環を形成してもよい。
【0034】一般式〔12〕は5−ピラゾロン系マゼンタ
カプラーと称されるカプラーを表し、式中、R27はアル
キル基、アリール基、アシル基、又はカルバモイル基を
表す。R28はフェニル基又は1個以上のハロゲン原子、
アルキル基、シアノ基、アルコキシ基、アルコキシカル
ボニル基、又はアシルアミノ基が置換したフェニル基を
表す。Yについては一般式〔8〕〜〔11〕と同様であ
る。
【0035】一般式〔12〕で表される5−ピラゾロン系
マゼンタカプラーの中でも、R27がアリール基又はアシ
ル基、R28が1個以上のハロゲン原子が置換したフェニ
ル基、Yが水素原子のものが好ましい。
【0036】これら好ましい基について詳しく述べる
と、R27はフェニル、2−クロロフェニル、2−メトキ
シフェニル、2−クロロ−5−テトラデカンアミドフェ
ニル、2−クロロ−5−(3−オクタデセニル−1−ス
クシンイミド)フェニル、2−クロロ−5−オクタデシ
ルスルホンアミドフェニル又は2−クロロ−5−〔2−
(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェノキシ)テトラ
デカンアミド〕フェニル等のアリール基、又はアセチ
ル、ピバロイル、テトラデカノイル、2−(2,4−ジ
−t−ペンチルフェノキシ)アセチル、2−(2,4−
ジ−t−ペンチルフェノキシ)ブタノイル、ベンゾイ
ル、3−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシアセトア
ジド)ベンゾイル等のアシル基であり、これらの基はさ
らに置換基を有してもよく、それらは炭素原子、酸素原
子、窒素原子、又はイオウ原子で連結する有機置換基又
はハロゲン原子である。
【0037】R28は2,4,6−トリクロロフェニル、
2,5−ジクロロフェニル、2−クロロフェニル基等の
置換フェニル基が好ましい。
【0038】一般式〔13〕はピラゾロアゾール系カプラ
ーと称されるカプラーを表し、式中、R29は水素原子又
は置換基を表す。Zは窒素原子を2〜4個含む5員のア
ゾール環を形成するのに必要な非金属原子群を表し、該
アゾール環は置換基(縮合環を含む)を有してもよい。
Yについては一般式〔8〕〜〔11〕と同様である。
【0039】一般式〔13〕で表されるピラゾロアゾール
系カプラーの中でも、発色色素の吸収特性の点で、米国
特許第4,500,630号に記載のイミダゾ〔1,2
〕ピラゾール類、米国特許第4,540,654
号、同第5,541,501号に記載のピラゾロ〔1,
5−b〕〔1,2,4〕トリアゾール類、米国特許第3
725067号に記載のピラゾロ〔5,1−c〕〔1,
2,4〕トリアゾール類が好ましく、光堅牢性の点で、
これらのうちピラゾロ〔1,5−b〕〔1,2,4〕ト
リアゾール類が好ましい。
【0040】置換基R29、Y及びZで表されるアゾール
環の置換基の詳細については、例えば米国特許第4,5
40,654号明細書の第2カラム第41行〜第8カラ
ム第27行に記載されている。好ましくは特開昭61−
65245号に記載されているような分岐アルキル基が
ピラゾロトリアゾール基の2,3又は6位に直結したピ
ラゾロアゾールカプラー、特開昭61−65245号に
記載されている分子内にスルホンアミド基を含んだピラ
ゾロアゾールカプラー、特開昭61−147254号に
記載されるアルコキシフェニルスルホンアミドバラスト
基をもつピラゾロアゾールカプラー、特開昭62−20
9457号もしくは同63−307453号に記載され
ている6位にアルコキシ基やアリールオキシ基をもつピ
ラゾロトリアゾールカプラー、及び特願平1−2227
9号に記載される分子内にカルボンアミド基をもつピラ
ゾロトリアゾールカプラーである。
【0041】一般式〔14〕、〔15〕はそれぞれフェノー
ル系カプラー、ナフトール系カプラーと称されるカプラ
ーであり、式中、R30は水素原子又は−NHCOR32
−SO2 NR3233、−NHSO2 32、−NHCOR
32、−NHCONR3233、−NHSO2 NR3233
ら選ばれる基を表す。R32、R33は水素原子又は置換基
を表す。一般式〔14〕、〔15〕において、R31は置換基
を表し、pは0〜2から選ばれる整数、mは0〜4から
選ばれる整数を表す。Yについては一般式〔8〕〜〔1
1〕と同様である。R31〜R33としては前記R24〜R26
の置換基として述べたものが挙げられる。
【0042】一般式〔14〕で表されるフェノール系カプ
ラーの好ましい例としては、米国特許第2,369,9
29号、同第2,801,171号、同第2,772,
162号、同第2,895,826号、同第3,77
2,002号等に記載の2−アルキルアミノ−5−アル
キルフェノール系、米国特許第2,772,162号、
同第3,758,308号、同第4,126,396
号、同第4,334,011号、同第4,327,17
3号、西独特許公開第3,329,729号、特開昭5
9−166956号等に記載の2,5−ジアシルアミノ
フェノール系、米国特許第3,446,622号、同第
4,333,999号、同第4,451,559号、同
第4,427,767号等に記載の2−フェニルウレイ
ド−5−アシルアミノフェノール系等を挙げることがで
きる。
【0043】一般式〔15〕で表されるナフトールカプラ
ーの好ましい例としては、米国特許第2,474,29
3号、同第4,052,212号、同第4,146,3
96号、同第4,228,233号、同第4,296,
200号等に記載の2−カルバモイル−1−ナフトール
系及び米国特許第4,690,889号等に記載の2−
カルバモイル−5−アミド−1−ナフトール系等を挙げ
ることができる。
【0044】一般式〔16〕〜〔19〕はピロロトリアゾー
ルと称されるカプラーであり、R42、R43、R44は水素
原子又は置換基を表す。Yについては一般式〔8〕〜
〔11〕と同様である。R42、R43、R44の置換基として
は、前記R24〜R26の置換基として述べたものが挙げら
れる。一般式〔16〕〜〔19〕で表されるピロロトリアゾ
ール系カプラーの好ましい例としては、欧州特許第48
8,248A1号、同第491,197A1号、同第5
45,300号、同第628,867号に記載の、
42、R43の少なくとも一方が電子吸引基であるカプラ
ーが挙げられる。
【0045】その他、縮環フェノール、イミダゾール、
ピロール、3−ヒドロキシピリジン、活性メチン、5,
5−縮環複素環、5,6−縮環複素環といった構造を有
するカプラーが使用できる。
【0046】縮環フェノール系カプラーとしては、米国
特許第4,327,173号、同第4,564,586
号、同第4,904,575号等に記載のカプラーが使
用できる。
【0047】イミダゾール系カプラーとしては、米国特
許第4,818,672号、同第5,051,347号
等に記載のカプラーが使用できる。
【0048】ピロール系カプラーとしては特開平4−1
88137号、同4−190347号等に記載のカプラ
ーが使用できる。
【0049】3−ヒドロキシピリジン系カプラーとして
は特開平1−315736号等に記載のカプラーが使用
できる。
【0050】活性メチン系カプラーとしては米国特許第
5,104,783号、同第5,162,196号等に
記載のカプラーが使用できる。
【0051】5,5−縮環複素環系カプラーとしては、
米国特許第5,164,289号に記載のピロロピラゾ
ール系カプラー、特開平4−174429号に記載のピ
ロロイミダゾール系カプラー等が使用できる。
【0052】5,6−縮環複素環系カプラーとしては、
米国特許第4,950,585号に記載のピラゾロピリ
ミジン系カプラー、特開平4−204730号に記載の
ピロロトリアジン系カプラー、欧州特許第556,70
0号に記載のカプラー等が使用できる。
【0053】本発明には前述のカプラー以外に、西独特
許第3,819,051A号、同第3,823,049
号、米国特許第4,840,883号、同第5,02
4,930号、同第5,051,347号、同第4,4
81,268号、欧州特許第304,856A2号、同
第329,036号、同第354,549A2号、同第
374,781A2号、同第379,110A2号、同
第386,930A1号、特開昭63−141055
号、同64−32260号、同32261号、特開平2
−297547号、同2−44340号、同2−110
555号、同3−7938号、同3−160440号、
同3−172839号、同4−172447号、同4−
179949号、同4−182645号、同4−184
437号、同4−188138号、同4−188139
号、同4−194847号、同4−204532号、同
4−204731号、同4−204732号等に記載さ
れているカプラーも使用できる。
【0054】本発明に使用できるカプラーの具体例を以
下に示すが、本発明はもちろんこれによって限定される
わけではない。
【0055】
【化16】
【0056】
【化17】
【0057】
【化18】
【0058】
【化19】
【0059】
【化20】
【0060】
【化21】
【0061】
【化22】
【0062】
【化23】
【0063】
【化24】
【0064】
【化25】
【0065】
【化26】
【0066】
【化27】
【0067】
【化28】
【0068】
【化29】
【0069】カプラーの添加量は、そのモル吸光係数
(ε)にもよるが、反射濃度で1.0以上の画像濃度を
得るためには、カップリングにより生成する色素のεが
5000〜500000程度のカプラーの場合、塗布量
として0.001〜100ミリモル/m2程度、好ましく
は0.01〜10ミリモル/m2、さらに好ましくは0.
05〜5ミリモル/m2程度が適当である。
【0070】本発明の感光材料がカラー感光材料の場合
には、基本的には支持体上に感光性ハロゲン化銀、色素
供与性化合物としてカプラー、還元剤、バインダーを有
するものであり、さらに必要に応じて有機金属塩(酸化
剤)などを含有させることができる。これらの成分は同
一の層に添加することが多いが、反応可能な状態であれ
ば別層に分割して添加することができる。
【0071】イエロー、マゼンタ、シアンの3原色を用
いて色度図上の広範囲の色を得るためには、少なくとも
3層のそれぞれ異なるスペクトル領域に感光性を持つハ
ロゲン化銀乳剤層を組み合わせて用いる。たとえば青感
層、緑感層、赤感層の3層、緑感層、赤感層、赤外感層
の組み合わせなどがある。各感光層は通常のカラー感光
材料で知られている種々の配列順序を採ることができ
る。また、これらの各感光層は必要に応じて2層以上に
分割してもよい。
【0072】感光材料には、保護層、下塗り層、中間
層、アンチハレーション層、バック層等の種々の補助層
を設けることができる。さらに色分離性を改良するため
に種々のフィルター染料を添加することもできる。
【0073】一般に写真感材の処理においては塩基を必
要とするが、本発明の感材においては、さまざまな塩基
供給方法が採用できる。例えば、感材側に塩基発生機能
を与える場合、塩基プレカーサーとして感光材料中に導
入することが可能である。このような塩基プレカーサー
としては、例えば熱により脱炭酸する有機酸と塩基の
塩、分子内求核置換反応、ロッセン転位又はベックマン
転位によりアミン類を放出する化合物などがある。この
例については、米国特許第4,514,493号、同
4,657,848号等に記載されている。
【0074】また、感材と処理シートを重ね合わせて処
理する形態を用いる場合、処理シート中に塩基又は塩基
プレカーサーを導入する方法も使用することができる。
この場合の塩基としては、無機塩基のほかにアミン誘導
体のような有機塩基を使用することもできる。
【0075】さらに感材側と処理シート側それぞれに塩
基プレカーサーを含有させ、2者の反応によって塩基を
発生させる反応も利用可能である。このような2剤反応
型の塩基発生方法の例としては、例えば難溶性塩基性金
属塩とキレート剤の反応によるものや、求核剤とエポキ
シ化合物の反応によるもの等が利用可能である。この例
については、特開昭63−198050号等に記載があ
る。
【0076】本発明に使用し得るハロゲン化銀乳剤は、
塩化銀、臭化銀、沃臭化銀、塩臭化銀、塩沃化銀、塩沃
臭化銀のいずれでもよい。本発明で使用するハロゲン化
銀乳剤は、表面潜像型乳剤であっても、内部潜像型乳剤
であってもよい。内部潜像型乳剤は造核剤や光カブラセ
とを組合わせて直接反転乳剤として使用される。また、
粒子内部と粒子表層が異なる相を持ったいわゆるコアシ
ェル乳剤であってもよく、またエピタキシャル接合によ
って組成の異なるハロゲン化銀が接合されていても良
い。ハロゲン化銀乳剤は単分散でも多分散でもよく、特
開平1−167743号、同4−223463号記載の
ように単分散乳剤を混合し、階調を調節する方法が好ま
しく用いられる。粒子サイズは0.1〜2μm、特に
0.2〜1.5μmが好ましい。ハロゲン化銀粒子の晶
癖は立方体、8面体、14面体のような規則的な結晶を
有するもの、球状、高アスペクト比の平板状のような変
則的な結晶系を有するもの、双晶面のような結晶欠陥を
有するもの、あるいはそれらの複合系その他のいずれで
もよい。
【0077】具体的には、米国特許第4,500,62
6号第50欄、同4,628,021号、リサーチ・ディ
スクロージャ−誌(以下RDと略記する)No.1702
9(1978年)、同No.17643(1978年12月)22〜23
頁、同No.18716(1979年11月)648頁、同No.3
07105(1989年11月)863〜865頁、特開昭62−2
53159号、同64−13546号、特開平2−23
6546号、同3−110555号、およびグラフキデ
著「写真の物理と化学」、ポールモンテ社刊(P. Glafk
ides, Chemie et Phisique Photographique, Paul Mont
el, 1967)、ダフィン著「写真乳剤化学」、フォーカル
プレス社刊(G. F. Duffin, Photographic Emulsion Ch
emistry, Focal Press, 1966)、ゼリクマンら著「写真
乳剤の製造と塗布」、フォーカルプレス社刊(V. L. Ze
likman et al., Making and Coating Photographic Emu
lsion, Focal Press, 1964)等に記載されている方法を
用いて調製したハロゲン化銀乳剤のいずれもが使用でき
る。
【0078】本発明の感光性ハロゲン化銀乳剤を調製す
る過程で、過剰の塩を除去するいわゆる脱塩を行うこと
が好ましい。このための手段として、ゼラチンをゲル化
させて行うヌーデル水洗法を用いても良く、また多価ア
ニオンより成る無機塩類(例えば硫酸ナトリウム)、ア
ニオン性界面活性剤、アニオン性ポリマー(例えばポリ
スチレンスルホン酸ナトリウム)、あるいはゼラチン誘
導体(例えば脂肪族アシル化ゼラチン、芳香族アシル化
ゼラチン、芳香族カルバモイル化ゼラチンなど)を利用
した沈降法を用いても良い。沈降法が好ましく用いられ
る。
【0079】本発明で使用する感光性ハロゲン化銀乳剤
は、種々の目的でイリジウム、ロジウム、白金、カドミ
ウム、亜鉛、タリウム、鉛、鉄、オスミウムなどの重金
属を含有させても良い。これらの化合物は、単独で用い
ても良いしまた2種以上組み合わせて用いてもよい。添
加量は、使用する目的によるが一般的には、ハロゲン化
銀1モルあたり10-9〜10-3モル程度である。また含
有させる時には、粒子に均一に入れてもよいし、また粒
子の内部や表面に局在させてもよい。具体的には、特開
平2−236542号、同1−116637号、同5−
181246号等に記載の乳剤が好ましく用いられる。
【0080】本発明の感光性ハロゲン化銀乳剤の粒子形
成段階において、ハロゲン化銀溶剤としてロダン塩、ア
ンモニア、4置換チオエーテル化合物や特公昭47−1
1386号記載の有機チオエーテル誘導体または特開昭
53−144319号に記載されている含硫黄化合物等
を用いることができる。
【0081】その他の条件については、前記のグラフキ
デ著「写真の物理と化学」、ポールモンテ社刊(P. Gla
fkides, Chemie et Phisique Photographique, Paul Mo
ntel, 1967)、ダフィン著「写真乳剤化学」、フォーカ
ルプレス社刊(G. F. Duffin, Photographic Emulsion
Chemistry, Focal Press, 1966)、ゼリクマンら著「写
真乳剤の製造と塗布」、フォーカルプレス社刊(V. L.
Zelikman et al., Making and Coating Photographic E
mulsion, Focal Press, 1964)等の記載を参照すれば良
い。すなわち酸性法、中性法、アンモニア法のいずれで
もよく、また可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を反応させ
る形式としては片測混合法、同時混合法、それらの組み
合わせのいずれを用いてもよい。単分散乳剤を得るため
には、同時混合法が好ましく用いられる。粒子を銀イオ
ン過剰の下において形成させる逆混合法も用いることが
できる。同時混合法の一つの形式としてハロゲン化銀の
生成される液相中のpAgを一定に保つ、いわゆるコン
トロールドダブルジェット法も用いることができる。
【0082】また、粒子成長を早めるために、添加する
銀塩およびハロゲン塩の添加濃度、添加量、添加速度を
上昇させてもよい(特開昭55−142329号、同5
5−158124号、米国特許第3,650,757号
等)。さらに反応液の撹拌方法は、公知のいずれの撹拌
方法でもよい。またハロゲン化銀粒子形成中の反応液の
温度、pHは、目的に応じてどのように設定してもよ
い。好ましいpH範囲は2.2〜8.5、より好ましく
は2.5〜7.5である。
【0083】感光性ハロゲン化銀乳剤は通常は化学増感
されたハロゲン化銀乳剤である。本発明の感光性ハロゲ
ン化銀乳剤の化学増感には、通常型感光材料用乳剤で公
知の硫黄増感法、セレン増感法、テルル増感法などのカ
ルコゲン増感法、金、白金、パラジウムなどを用いる貴
金属増感法および還元増感法などを単独または組合わせ
て用いることができる(例えば特開平3−110555
号、同5−241267号など)。これらの化学増感を
含窒素複素環化合物の存在下で行うこともできる(特開
昭62−253159号)。また後掲するかぶり防止剤
を化学増感終了後に添加することができる。具体的に
は、特開平5−45833号、特開昭62−40446
号記載の方法を用いることができる。化学増感時のpH
は好ましくは5.3〜10.5、より好ましくは5.5
〜8.5であり、pAgは好ましくは6.0〜10.
5、より好ましくは6.8〜9.0である。本発明にお
いて使用される感光性ハロゲン化銀乳剤の塗設量は、銀
換算1mgないし10g/m2の範囲である。
【0084】本発明に用いられる感光性ハロゲン化銀に
緑感性、赤感性、赤外感性の感色性を持たせるために
は、感光性ハロゲン化銀乳剤をメチン色素類その他によ
って分光増感する。また、必要に応じて青感性乳剤に青
色領域の分光増感を施してもよい。
【0085】用いられる色素には、シアニン色素、メロ
シアニン色素、複合シアニン色素、複合メロシアニン色
素、ホロポーラーシアニン色素、へミシアニン色素、ス
チリル色素およびヘミオキソノール色素が包含される。
具体的には、米国特許第4,617,257号、特開昭
59−180550号、同64−13546号、特開平
5−45828号、同5−45834号などに記載の増
感色素が挙げられる。これらの増感色素は単独に用いて
もよいが、それらの組合わせを用いてもよく、増感色素
の組合わせは特に、強色増感や分光感度の波長調節の目
的でしばしば用いられる。増感色素とともに、それ自身
分光増感作用を持たない色素あるいは可視光を実質的に
吸収しない化合物であって、強色増感を示す化合物を乳
剤中に含んでもよい(例えば米国特許第3,615,6
41号、特開昭63−23145号等に記載のもの)。
【0086】これらの増感色素を乳剤中に添加する時期
は化学熟成時もしくはその前後でもよいし、米国特許第
4,183,756号、同4,225,566号に従っ
てハロゲン化銀粒子の核形成前後でもよい。またこれら
の増感色素や強色増感剤は、メタノールなどの有機溶媒
の溶液、ゼラチンなどの分散物あるいは界面活性剤の溶
液で添加すればよい。添加量は一般にハロゲン化銀1モ
ル当り10-8ないし10-2モル程度である。
【0087】このような工程で使用される添加剤および
本発明の(熱現像)感光材料や色素固定材料に使用でき
る公知の写真用添加剤は、前記のRDNo.17643、
同No.18716および同No.307105に記載され
ており、その該当箇所を下記の表にまとめる。
【0088】 添加剤の種類 RD17643 RD18716 RD307105 1.化学増感剤 23頁 648頁右欄 866頁 2.感度上昇剤 648頁右欄 3.分光増感剤、 23〜24頁 648頁右欄 866〜868頁 強色増感剤 〜649頁右欄 4.蛍光増白剤 24頁 648頁右欄 868頁 5.かぶり防止剤、 24〜25頁 649頁右欄 868〜870頁 安定剤 6.光吸収剤、 25〜26頁 649頁右欄 873頁 フィルター染料、 〜650頁左欄 紫外線吸収剤 7.色素画像安定剤 25頁 650頁左欄 872頁 8.硬膜剤 26頁 651頁左欄 874〜875頁 9.バインダー 26頁 651頁左欄 873〜874頁 10.可塑剤、潤滑剤 27頁 650頁右欄 876頁 11.塗布助剤、 26〜27頁 650頁右欄 875〜876頁 表面活性剤 12.スタチック 27頁 650頁右欄 876〜877頁 防止剤 13.マット剤 878〜879頁
【0089】(熱現像)感光材料の構成層のバインダー
には親水性のものが好ましく用いられる。その例として
は前記のリサーチ・ディスクロージャーおよび特開昭6
4−13546号の(71)頁〜(75)頁に記載されたも
のが挙げられる。具体的には、透明か半透明の親水性バ
インダーが好ましく、例えばゼラチン、ゼラチン誘導体
等の蛋白質またはセルロース誘導体、澱粉、アラビアゴ
ム、デキストラン、プルラン等の多糖類のような天然化
合物とポリビニールアルコール、ポリビニルピロリド
ン、アクリルアミド重合体等の合成高分子化合物が挙げ
られる。また、米国特許第4,960,681号、特開
昭62−245260号等に記載の高吸水性ポリマー、
すなわち−COOMまたは−SO3M(Mは水素原子ま
たはアルカリ金属)を有するビニルモノマーの単独重合
体またはこのビニルモノマーどうし、または他のビニル
モノマーとの共重合体(例えばメタクリル酸ナトリウ
ム、メタクリル酸アンモニウム、住友化学(株)製のス
ミカゲルL−5H)も使用される。これらのバインダー
は2種以上組み合わせて用いることもできる。特にゼラ
チンと上記バインダーの組み合わせが好ましい。またゼ
ラチンは、種々の目的に応じて石灰処理ゼラチン、酸処
理ゼラチン、カルシウムなどの含有量を減らしたいわゆ
る脱灰ゼラチンから選択すれば良く、組み合わせて用い
ることも好ましい。
【0090】本発明においては、感光性ハロゲン化銀乳
剤と共に、有機金属塩を酸化剤として併用することもで
きる。このような有機金属塩の中で、有機銀塩は、特に
好ましく用いられる。上記の有機銀塩酸化剤を形成する
のに使用し得る有機化合物としては、米国特許第4,5
00,626号第52〜53欄等に記載のベンゾトリアゾー
ル類、脂肪酸その他の化合物がある。また米国特許第
4,775,613号記載のアセチレン銀も有用であ
る。有機銀塩は、2種以上を併用してもよい。以上の有
機銀塩は、感光性ハロゲン化銀1モルあたり、0.01
〜10モル、好ましくは0.01〜1モルを併用するこ
とができる。感光性ハロゲン化銀乳剤と有機銀塩の塗布
量合計は銀換算で0.05〜10g/m2、好ましくは
0.1〜4g/m2が適当である。
【0091】本発明の(熱現像)感光材料には、現像の
活性化と同時に画像の安定化を図る化合物を用いること
ができる。好ましく用いられる具体的化合物については
米国特許第4,500,626号の第51〜52欄に記
載されている。また、特開平8−69097号に記載さ
れているような、ハロゲン化銀を定着し得る化合物を使
用することもできる。
【0092】(熱現像)感光材料の構成層に用いる硬膜
剤としては、前記リサーチ・ディスクロージャー、米国
特許第4,678,739号第41欄、同4,791,0
42号、特開昭59−116655号、同62−245
261号、同61−18942号、特開昭42−180
44号等に記載の硬膜剤が挙げられる。より具体的に
は、アルデヒド系硬膜剤(ホルムアルデヒドなど)、ア
ジリジン系硬膜剤、エポキシ系硬膜剤、ビニルスルホン
系硬膜剤(N,N′−エチレン−ビス(ビニルスルホニ
ルアセタミド)エタンなど)、N−メチロール系硬膜剤
(ジメチロール尿素など)、あるいは高分子硬膜剤(特
開昭62−234157号などに記載の化合物)が挙げ
られる。これらの硬膜剤は、塗布されたゼラチン1gあ
たり0.001〜1g、好ましくは0.005〜0.5
g、が用いられる。また添加する層は、感光材料や色素
固定材料の構成層のいずれの層でも良いし、2層以上に
分割して添加しても良い。
【0093】(熱現像)感光材料の構成層には、種々の
カブリ防止剤または写真安定剤およびそれらのプレカー
サーを使用することができる。その具体例としては、前
記リサーチ・ディスクロージャー、米国特許第5,08
9,378号、同4,500,627号、同4,61
4,702号、特開昭64−13546号(7)〜
(9)頁、(57)〜(71)頁および(81)〜(97)頁、
米国特許第4,775,610号、同4,626,50
0号、同4,983,494号、特開昭62−1747
47号、同62−239148号、同63−26474
7号、特開平1−150135号、同2−110557
号、同2−178650号、RD17643(1978年)
(24)〜(25)頁等記載の化合物が挙げられる。これら
の化合物は、銀1モルあたり5×10-6〜1×10-1
ルが好ましく、さらに1×10-5〜1×10-2モルが好
ましく用いられる。
【0094】(熱現像)感光材料の構成層には、塗布助
剤、剥離性改良、スベリ性改良、帯電防止、現像促進等
の目的で種々の界面活性剤を使用することができる。界
面活性剤の具体例は前記リサーチ・ディスクロージャ
ー、特開昭62−173463号、同62−18345
7号等に記載されている。 (熱現像)感光材料の構成層には、スベリ性改良、帯電
防止、剥離性改良等の目的で有機フルオロ化合物を含ま
せてもよい。有機フルオロ化合物の代表例としては特公
昭57−9053号第8〜17欄、特開昭51−2094
4号、同62−135825号等に記載されているフッ
素系界面活性剤、またはフッ素油などのオイル状フッ素
系化合物もしくは四フッ化エチレン樹脂などの固体状フ
ッ素化合物樹脂などの疎水性フッ素化合物が挙げられ
る。
【0095】(熱現像)感光材料には、接着防止、スベ
リ性改良、非光沢面化などの目的でマット剤を用いるこ
とができる。マット剤としては二酸化ケイ素、ポリオレ
フィンまはポリメタクリレートなどの特開昭61−88
256号(29)頁記載の化合物の他に、ベンゾグアナミ
ン樹脂ビーズ、ボリカーボネート樹脂ビーズ、AS樹脂
ビーズなどの特開昭63−274944号、同63−2
74952号記載の化合物がある。その他前記リサーチ
・ディスクロージャー記載の化合物が使用できる。これ
らのマット剤は、最上層(保護層)のみならず必要に応
じて下層に添加することもできる。その他、(熱現像)
感光材料の構成層には、熱溶剤、消泡剤、防菌防バイ
剤、コロイダルシリカ等を含ませてもよい。これらの添
加剤の具体例は特開昭61−88256号第(26)〜
(32)頁、特開平3−11338号、特公平2−514
96号等に記載されている。
【0096】本発明の(熱現像)感光材料には画像形成
促進剤を用いることができる。画像形成促進剤には銀塩
酸化剤と還元剤との酸化還元反応の促進、色素生成反応
の促進等の機能があり、物理化学的な機能からは塩基ま
たは塩基プレカーサー、求核性化合物、高沸点有機溶媒
(オイル)、熱溶剤、界面活性剤、銀または銀イオンと
相互作用を持つ化合物等に分類される。ただし、これら
の物質群は一般に複合機能を有しており、上記の促進効
果のいくつかを合せ持つのが常である。これらの詳細に
ついては米国特許第4,678,739号第38〜40
欄に記載されている。
【0097】本発明の熱現像感光材料には、現像時の処
理温度および処理時間の変動に対し、常に一定の画像を
得る目的で種々の現像停止剤を用いることができる。
ここでいう現像停止剤とは、適正現像後、速やかに塩基
を中和または塩基と反応して膜中の塩基濃度を下げ現像
を停止する化合物または銀および銀塩と相互作用して現
像を抑制する化合物である。具体的には、加熱により酸
を放出する酸プレカーサー、加熱により共存する塩基と
置換反応を起こす親電子化合物、または含窒素ヘテロ環
化合物、メルカプト化合物及びその前駆体等が挙げられ
る。更に詳しくは特開昭62−253159号(31)〜
(32)頁に記載されている。
【0098】(熱現像)感光材料に画像を露光し記録す
る方法としては、例えばカメラなどを用いて風景や人物
などを直接撮影する方法、プリンターや引伸機などを用
いてリバーサルフィルムやネガフィルムを通して露光す
る方法、複写機の露光装置などを用いて、原画をスリッ
トなどを通して走査露光する方法、画像情報を電気信号
を経由して発光ダイオード、各種レーザー(レーザーダ
イオード、ガスレーザーなど)などを発光させ走査露光
する方法(特開平2−129625号、同5−1761
44号、同5−199372号、同6−127021号
等に記載の方法)、画像情報をCRT、液晶ディスプレ
イ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、プラズマ
ディスプレイなどの画像表示装置に出力し、直接または
光学系を介して露光する方法などがある。
【0099】(熱現像)感光材料へ画像を記録する光源
としては、上記のように、自然光、タングステンラン
プ、発光ダイオード、レーザー光源、CRT光源などの
米国特許第4,500,626号第56欄、特開平2−
53378号、同2−54672号記載の光源や露光方
法を用いることができる。また、非線形光学材料とレー
ザー光等のコヒーレントな光源を組み合わせた波長変換
素子を用いて画像露光することもできる。ここで非線形
光学材料とは、レーザー光のような強い光電界をあたえ
たときに現れる分極と電界との間の非線形性を発現可能
な材料であり、ニオブ酸リチウム、リン酸二水素カリウ
ム(KDP)、沃素酸リチウム、BaB24などに代表
される無機化合物や、尿素誘導体、ニトロアニリン誘導
体、例えば3−メチル−4−ニトロピリジン−N−オキ
シド(POM)のようなニトロピリジン−N−オキシド
誘導体、特開昭61−53462号、同62−2104
32号に記載の化合物が好ましく用いられる。波長変換
素子の形態としては、単結晶光導波路型、ファイバー型
等が知られておりそのいずれもが有用である。また、前
記の画像情報は、ビデオカメラ、電子スチルカメラ等か
ら得られる画像信号、日本テレビジョン信号規格(NT
SC)に代表されるテレビ信号、原画をスキャナーなど
多数の画素に分割して得た画像信号、CG、CADで代
表されるコンピューターを用いて作成された画像信号を
利用できる。
【0100】本発明の熱現像感光材料は、加熱現像のた
めの加熱手段として導電性の発熱体層を有する形態であ
っても良い。この場合の発熱要素には、特開昭61−1
45544号等に記載のものを利用できる。熱現像工程
での加熱温度は、約80℃〜180℃であり、加熱時間
は0.1秒〜60秒である。
【0101】現像工程における加熱方法としては、加熱
されたブロックやプレートに接触させたり、熱板、ホッ
トプレッサー、熱ローラー、熱ドラム、ハロゲンランプ
ヒーター、赤外および遠赤外ランプヒーターなどに接触
させたり、高温の雰囲気中を通過させる方法などがあ
る。熱現像感光材料と色素固定材料を重ね合わせる方法
は特開昭62−253159号、特開昭61−1472
44号(27)頁記載の方法が適用できる。
【0102】本発明の感光材料の支持体としては、当該
分野、特に熱現像感光材料の支持体として公知のものを
使用することができる。このような支持体としては、例
えばポリエチレンでラミネートした紙支持体、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートに代表
されるポリエステル支持体等を挙げることができる。こ
のような支持体の例としては、特開昭63−18986
0号にその詳細な記載がある。
【0103】本発明の感光材料の支持体には、上記に挙
げたもののほかに、シンジオタクチック構造を有するス
チレン系重合体ポリマーを延伸した支持体も好ましく使
用できる。このポリマー支持体は、既述のものと同様、
単独重合体でも、共重合体でもよい。このようなポリマ
ー支持体については、特開平8−220694号にその
詳細な記載がある。
【0104】
【実施例】以下、実施例によって本発明の効果を詳しく
説明する。
【0105】実施例1 〈感光性ハロゲン化銀乳剤の調製方法〉 感光性ハロゲン化銀乳剤(1)〔赤感乳剤層用〕 良く攪拌しているゼラチン水溶液(水540ml中にゼラ
チン16g、臭化カリウム0.24g、塩化ナトリウム
1.6gおよび化合物(a)24mgを加えて55℃に加
温したもの)に表1の(1)液と(2)液を同時に19
分間等流量で添加した。5分後さらに表1の(3)液と
(4)液を同時に24分間等流量で添加した。常法によ
り水洗、脱塩した後、石灰処理オセインゼラチン17.
6gと化合物(b)56mgを加えて、pHを6.2、p
Agを7.7に調整し、リボ核酸分解物0.41g、ト
リメチルチオ尿素1.02mgを加え、60℃で最適に化
学増感した。この後、4−ヒドロキシ−6−メチル−
1,3,3a,7−テトラザインデン0.18g、増感
色素(c)64mg、臭化カリウム0.41gを順次加
え、その後冷却した。このようにして、平均粒子サイズ
0.30μmの単分散立方体塩臭化銀乳剤590gを得
た。
【0106】
【表1】
【0107】
【化30】
【0108】感光性ハロゲン化銀乳剤(2)〔緑感乳剤
層用〕 良く攪拌しているゼラチン水溶液(水600ml中にゼラ
チン20g、臭化カリウム0.30g、塩化ナトリウム
2.0gおよび化合物(a)30mgを加えて46℃に加
温したもの)に表2の(1)液と(2)液を同時に10
分間等流量で添加した。5分後さらに表2の(3)液と
(4)液を同時に30分間等流量で添加した。また、
(3)、(4)液の添加終了1分後に増感色素のメタノ
ール溶液60ml(増感色素(d1)360mgと増感色素
(d2)73.4mgを含む)を一括して添加した。常法に
より水洗、脱塩(沈降剤(e)を用いてpH4.0で行
った)した後、石灰処理オセインゼラチン22gを加え
て、pHを6.0、pAgを7.6に調整し、チオ硫酸
ナトリウム1.8mg、4−ヒドロキシ−6−メチル−
1,3,3a,7−テトラザインデン180mgを加え、
60℃で最適に化学増感した。次いでカブリ防止剤
(f)90mg、防腐剤として化合物(b)70mgと化合
物(g)3mlを加えた後冷却した。このようにして、平
均粒子サイズ0.30μmの単分散立方体塩臭化銀乳剤
635gを得た。
【0109】
【表2】
【0110】
【化31】
【0111】
【化32】
【0112】感光性ハロゲン化銀乳剤(3)〔青感乳剤
層用〕 良く攪拌しているゼラチン水溶液(水584ml中にゼラ
チン31.6g、臭化カリウム2.5g、および化合物
(a)13mgを加えて70℃に加温したもの)に表3の
(2)液をまず添加開始し、10秒後に(1)液の添加
を開始した。(1)、(2)液はこの後、30分間かけ
て添加した。(2)液添加終了後、5分後にさらに表3
の(4)液を添加開始し、この10秒後に(3)液の添
加を開始した。(3)液は27分50秒、(4)液は2
8分間かけて添加した。常法により水洗、脱塩(沈降剤
(j)を用いてpH3.9で行った)した後、石灰処理
オセインゼラチン24.6gと化合物(b)56mgを加
えて、pHを6.1、pAgを8.5に調整し、チオ硫
酸ナトリウム0.55mgを加え、65℃で最適に化学増
感した。次いで増感色素(h)0.35g、カブリ防止
剤(i)56mg、防腐剤として化合物(g)2.3mlを
加えた後冷却した。このようにして、平均粒子サイズ
0.55μmの単分散八面体臭化銀乳剤582gを得
た。
【0113】
【表3】
【0114】
【化33】
【0115】〈水酸化亜鉛分散物の調製方法〉一次粒子
の粒子サイズが0.2μmの水酸化亜鉛の粉末31g、
分散剤としてカルボキシメチルセルロース1.6gおよ
びポリアクリル酸ソーダ0.4g、石灰処理オセインゼ
ラチン8.5g、水158.5mlを混合し、この混合物
をガラスビーズを用いたミルで1時間分散した。分散
後、ガラスビーズを濾別し、水酸化亜鉛の分散物188
gを得た。
【0116】〈カプラーの乳化分散物の調製方法〉表4
に示す組成の油相成分、水相成分をそれぞれ溶解し、6
0℃の均一な溶液とする。油相成分と水相成分を合わ
せ、1リットルのステンレス容器中で、直径5cmのディ
スパーサーのついたディゾルバーにより、10000rp
mで20分間分散した。これに、後加水として、表4に
示す量の温水を加え、2000rpmで10分間混合し
た。このようにして、シアン、マゼンタ、イエロー3色
のカプラーの乳化分散物を調製した。
【0117】
【表4】
【0118】
【化34】
【0119】
【化35】
【0120】このようにして得られた素材を用いて、表
5に示す多層構成の熱現像カラー感光材料101を作製
した。
【0121】
【表5】
【0122】次に、表6に示す内容のとおりに、第1層
と第3層の現像主薬を変更した以外は感光材料101と
全く同じ組成の感光材料102〜116をそれぞれ作製
した。これらのサンプルをFUJIX PICTROSTAT 200(富士
写真フイルム(株)製)の感材マガジンに装着し、連続
的に濃度の変化したB、G、Rのフィルターをスライド
エンラージングユニットに取り付けて、標準条件で熱現
像処理した(この時、受像材料は、特開平5−1885
54号の実施例に記載されている塩基発生剤を含む受像
材料を使用した)。処理後受像材料を剥離すると、感材
側に露光したフィルターに対応して、シアン、マゼン
タ、イエローのカラー画像が鮮明に得られた。処理直後
にこのサンプルの最高濃度部(Dmax)と最低濃度部(D
min)をX−rite濃測機で測定した結果を表7に示
す。
【0123】
【表6】
【0124】
【化36】
【0125】
【表7】
【0126】表7の結果から、まず、通常のp−スルホ
ンアミドフェノール型主薬を用いたサンプル101〜1
06と比較して、本発明の主薬を使用した感光材料10
7〜116では、Dmax が大きく上昇しているのがわか
る。また、主薬のスルホニル基のo−位に置換基を有す
る化合物を用いた111〜116では、特にその効果が
顕著であることがわかる。以上より本発明の効果は明ら
かである。
【0127】(実施例2) ベンゾトリアゾール銀乳剤〔有機銀塩〕 ゼラチン28gとベンゾトリアゾール13.2gを水3
00mlに溶解した。この溶液を40℃に保ち攪拌した。
この溶液に硝酸銀17gを水100mlに溶かした液を2
分間で加えた。このベンゾトリアゾール銀乳剤のpHを
調製し、沈降させ、過剰の塩を除去した。その後、pH
を6.30に合わせ、400gのベンゾトリアゾール銀
乳剤を得た。
【0128】このようにして得られたベンゾトリアゾー
ル銀乳剤を用い、表8に示す熱現像カラー感光材料20
1を作製した。
【0129】
【表8】
【0130】
【化37】
【0131】次に、表9に示す内容のとおりに、第1層
と第3層の現像主薬を変更した以外は201と全く同じ
組成の感光材料202〜212をそれぞれ作製した。こ
のようにしてできた感光材料201〜212に、連続的
に濃度の変化したB、G、Rのウェッジを通して、20
00luxで1秒露光した。この露光済のサンプルを、1
30℃に加熱したヒートドラムに、バック面が接するよ
うに密着して10秒間加熱した。処理後、感材をヒート
ドラムからはがすと、感材上にB、G、Rのフィルター
に対応して、シアン、マゼンタ、イエローのカラー画像
が鮮明に得られた。処理直後にこのサンプルの最高濃度
部(Dmax)と最低濃度部(Dmin)をX−rite濃測機
で測定した結果を表10に示す。
【0132】
【表9】
【0133】
【表10】
【0134】表10の結果から、実施例1と同様、比較
例の主薬を用いた感光材料201〜205と比較して、
本発明の主薬を用いた感光材料206〜212では実施
例1と同様、Dmax が大きく上昇しているのがわかる。
また、離脱基の置換基効果についても実施例1と同様に
認められる。本実施例からも本発明の効果は明らかであ
る。
【0135】
【発明の効果】本発明によれば、最高濃度が高く、ディ
スクリミネーションに優れたハロゲン化銀写真感光材料
が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07D 307/91 C07D 307/91 4C204 333/76 333/76 471/04 104 471/04 104A G03C 1/42 G03C 1/42 7/392 7/392 Z 8/40 506 8/40 506 Fターム(参考) 2H016 BD00 2H023 CD06 4C037 SA03 4C065 AA03 BB04 CC09 DD01 EE02 HH01 JJ01 KK02 LL09 PP03 4C069 AC05 AC06 BA01 BB08 BB12 BB38 BC04 BD09 4C204 BB05 BB09 CB04 CB25 DB07 DB12 EB02 FB03 FB32 GB31

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表される化合物。 【化1】 式中、Aは水酸基、置換または無置換のアミノ基、もし
    くは加水分解によって水酸基またはアミノ基を生成可能
    な基を表す。R1〜R4は水素原子、ハロゲン原子、シアノ
    基、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ
    基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ
    基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、ア
    ルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキル
    カルボンアミド基、アリールカルボンアミド基、アルキ
    ルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アル
    キルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ
    基、カルバモイル基、アルキルカルバモイル基、アリー
    ルカルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリール
    オキシカルボニル基、スルファモイル基、アルキルスル
    ファモイル基、アリールスルファモイル基、ウレイド
    基、またはウレタン基を表す。R5はπ電子過剰ヘテロ芳
    香族環基、またはπ電子過剰ヘテロ芳香族環が縮合した
    アリール基もしくはヘテロアリール基を表す。
  2. 【請求項2】 支持体上に少なくとも感光性ハロゲン化
    銀、バインダー、還元剤を有するハロゲン化銀写真感光
    剤において、該還元剤の少なくとも1種が、前記の一般
    式(1)で表される化合物であることを特徴とするハロ
    ゲン化銀写真感光材料。
  3. 【請求項3】 一般式(1)中のR5が、下記一般式
    (2)〜(7)で表される基であることを特徴とする、
    請求項2記載のハロゲン化銀写真感光材料。 【化2】 式中、XはS、O、またはN-R(Rは水素原子、または置換
    基を表す。)を表す。R 6〜R9は、水素原子、ハロゲン原
    子、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、ヘテロ環基、ア
    ルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリ
    ールチオ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニ
    ル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、
    アルキルカルボンアミド基、アリールカルボンアミド
    基、アルキルスルホンアミド基、アリールスルホンアミ
    ド基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニ
    ルオキシ基、カルバモイル基、アルキルカルバモイル
    基、アリールカルバモイル基、アルコキシカルボニル
    基、アリールオキシカルボニル基、スルファモイル基、
    アルキルスルファモイル基、アリールスルファモイル
    基、ウレイド基、またはウレタン基を表す。R6,R7は互
    いに結合して環を形成してもよい。Z1〜Z3は6員のベン
    ゼン環もしくはヘテロアリール環を形成可能な原子群で
    ある。Z4は5員のヘテロアリール環を形成可能な原子群
    である。Z1〜Z4の原子群にはそれぞれR6〜R9と同様の置
    換基が置換可能である。
  4. 【請求項4】 一般式(2)〜(7)中の、スルホニル
    基が置換した位置の原子に隣接した原子の少なくとも一
    方に置換基が置換しているか、または縮合環が縮合して
    いることを特徴とする、請求項3記載のハロゲン化銀写
    真感光材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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