JP2002101876A - 新規なβ−グルコシダーゼ - Google Patents

新規なβ−グルコシダーゼ

Info

Publication number
JP2002101876A
JP2002101876A JP2000298345A JP2000298345A JP2002101876A JP 2002101876 A JP2002101876 A JP 2002101876A JP 2000298345 A JP2000298345 A JP 2000298345A JP 2000298345 A JP2000298345 A JP 2000298345A JP 2002101876 A JP2002101876 A JP 2002101876A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
enzyme
glucosidase
stable
range
optimum
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000298345A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4689807B2 (ja
Inventor
Gentarou Okada
嚴太郎 岡田
Spanny Kyansaan
スパンニー キャンサーン
Misako Eda
みさ子 江田
Toshiaki Kono
敏明 河野
Hitoshi Yamabe
倫 山辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Meiji Seika Kaisha Ltd
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Meiji Seika Kaisha Ltd
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Meiji Seika Kaisha Ltd, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST filed Critical Meiji Seika Kaisha Ltd
Priority to JP2000298345A priority Critical patent/JP4689807B2/ja
Publication of JP2002101876A publication Critical patent/JP2002101876A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4689807B2 publication Critical patent/JP4689807B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規β−グルコシダーゼを提供すると共に食
品分野、飼料分野、医薬分野等における該酵素の有効な
利用法を提供すること。 【解決手段】 アクレモニウム属糸状菌由来の、請求項
1に記載の特性(a)〜(g)を有するβ−グルコシダ
ーゼ活性を示す酵素並びに該酵素を含有して成る酵素組
成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なβ−グルコ
シダーゼに関し、詳しくは糸状菌アクレモニウム・セル
ロリティカスに由来する新規なβ−グルコシダーゼ、及
びそれを含有する酵素組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】セルロースは、高等植物細胞の主要な構
成成分であり、広く天然に存在する。セルロースは、グ
ルコースがβ−1,4−グルコシド結合により重合した高
分子多糖であり、天然にはセルロースが結晶状、あるい
は非結晶状態で存在しており、さらには他の成分、例え
ばリグニン、ヘミセルロース類、ペクチン類などとも複
雑に結合して植物組織を構築している。
【0003】セルラーゼは、セルロースをセロオリゴ
糖、セロビオース、最終的にはグルコースにまで分解す
る反応を触媒する酵素群の総称であり、その作用様式に
よって、エンドグルカナーゼ、エキソグルカナーゼ、β
−グルコシダーゼなどに大別される。それらの作用様式
を詳細に比較すると、種々の作用様式を示す複数の酵素
が互いに補い合い、相乗効果を発現することにより、植
物細胞壁の主成分であるセルロースを分解するものと考
えられている。
【0004】β−グルコシダーゼは、セロオリゴ糖、セ
ロビオース、又はアグリコンとβ−D−グルコピラノシ
ル結合をする配糖体からグルコースを遊離させる反応を
触媒すると考えられ、セルロースの糖化系の最終段階及
び配糖体からのグルコースの遊離において重要な酵素で
ある。
【0005】β−グルコシダーゼの各分野への応用例と
して、飼料分野としては、飼料に添加することにより家
畜の増体及び/又は飼料効率を改善できる。また、サイ
レージ用酵素剤として、牧草のサイロへの詰め込みの際
に添加し、その発酵品質を改善せしめて良質なサイレー
ジを調製する目的で、各種のセルラーゼ、ヘミセルラー
ゼ、アミラーゼをそれぞれ単剤もしくは合剤で含む製
剤、さらに、それら酵素の効果を高めることを目的とし
て、これら酵素と乳酸菌との合剤が既に市販されてい
る。しかし、さらにβ−グルコシダーゼを強化すること
により、セルロースの糖化効率が向上し、より良質なサ
イレージを調製することができる。また、食品分野とし
ては、ジュース、ワイン等の芳香成分の増加、果汁の清
澄化、粘度低下、色味の改善、苦味除去、醸造、製パン
における発酵歩合の向上などに利用できる。医薬分野と
しては、臨床検査用試薬に利用される。その他の分野と
しては、セルロースバイオマスのグルコースへの糖化促
進や、セルロース製品の廃棄物の処理効率の向上に利用
できる。
【0006】糸状菌アクレモニウム・セルロリティカス
(Acremonium cellulolyticus)の生産する酵素に関して
言えば、セルラーゼは糖化力の強いことが特徴であり、
飼料用途やサイレージ用途での有効性が報告されている
(特開平4−117244号公報、特開平7−2364
31号公報)。また、含有されているセルラーゼ成分に
ついても報告されている(Agric. Biol. Chem., 52, 24
93〜2501(1988)、同誌53, 3359〜3360(1989)、同誌
54, 309 〜317 (1990))。さらに、β−グルコシダー
ゼに関しては、従来よく知られている、例えばトリコデ
ルマ・レーゼイ(Tricoderma reesei)等のセルラーゼに
比べて著しく活性が高いことなどが報告されている(特
公昭60−43954号公報)。しかし、β−グルコシ
ダーゼの精製は不十分であり、従って酵素の諸性質につ
いては詳細な検討はされておらず、産業上有効利用する
ことができなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】β−グルコシダーゼを
産業上有効利用するためには、該酵素を単離、精製し、
酵素的、物理的性質を明らかにすることが不可欠であ
る。すなわち、本発明は、新規なβ−グルコシダーゼ、
β−グルコシダーゼを含有してなる酵素組成物、及びこ
の酵素組成物による植物又は植物由来物の加工及び/又
は利用効率を向上させる方法の提供を目的とするもので
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため、アクレモニウム・セルロリティカスの
セルラーゼ系を構築する種々の酵素を分画、精製して鋭
意検討した。その結果、これら酵素群の中から3種の新
規β−グルコシダーゼを見出した。さらに、種々の植物
もしくは植物由来物に対するβ−グルコシダーゼの作用
効果を検討し、本発明を完成するに至った。
【0009】請求項1記載の本発明は、アクレモニウム
(Acremonium)属糸状菌由来の、下記の特性を有するβ
−グルコシダーゼ活性を示す酵素である。 (a)作用:本酵素はセロオリゴ糖、アグリコンとβ−
D−グルコピラノシル結合をする配糖体をエキソ機作で
加水分解し、グルコースを生成する。 (b)基質特異性:本酵素はセロオリゴ糖、アグリコン
とβ−D−グルコピラノシル結合をする配糖体に作用す
る。 (c)安定pH範囲:pH3.0〜8.7の範囲で安定
である。 (d)作用最適温度:55℃である。 (e)温度安定性:60℃以下で安定である。 (f)等電点:pI4.1〜4.7(ポリアクリルアミ
ドゲル等電点電気泳動による) (g)分子量:77,500〜96,000(SDS−
ポリアクリルアミドゲル電気泳動による)
【0010】請求項2記載の本発明は、糸状菌アクレモ
ニウム・セルロリティカスに由来し、下記の性質を有す
るβ−グルコシダーゼ1である。 (a)作用:本酵素はセロオリゴ糖、アグリコンとβ−
D−グルコピラノシル結合をする配糖体をエキソ機作で
加水分解し、グルコースを生成する。 (b)基質特異性:本酵素はセロオリゴ糖、アグリコン
とβ−D−グルコピラノシル結合をする配糖体に作用す
る。 (c)至適pH及び安定pH範囲:p−ニトロフェニル
−β−D−グルコピラノシド(以下、pNPGと略す)
を基質としたp−ニトロフェノール生成活性では、至適
pHは4.8であり、4℃、24時間処理においてはp
H3.4〜8.4の範囲で安定であり、45℃、2時間
処理においてはpH3.4〜5.9の範囲で安定であ
る。 (d)作用最適温度:pNPGを基質としたp−ニトロ
フェノール生成活性では、55℃である。 (e)温度安定性:55℃以下で安定である(pH4.
8、10分間)。 (f)等電点:pI4.3(ポリアクリルアミドゲル等
電点電気泳動による) (g)分子量:92,000(SDS−ポリアクリルア
ミドゲル電気泳動による)
【0011】請求項3記載の本発明は、糸状菌アクレモ
ニウム・セルロリティカスに由来し、下記の性質を有す
るβ−グルコシダーゼ2である。 (a)作用:本酵素はセロオリゴ糖、アグリコンとβ−
D−グルコピラノシル結合をする配糖体をエキソ機作で
加水分解し、グルコースを生成する。 (b)基質特異性:本酵素はセロオリゴ糖、アグリコン
とβ−D−グルコピラノシル結合をする配糖体に作用す
る。 (c)至適pH及び安定pH範囲:pNPGを基質とし
たp−ニトロフェノール生成活性では、至適pHは4.
5であり、4℃、24時間処理においてはpH4.0〜
8.7の範囲で安定であり、45℃、2時間処理におい
てはpH4.0〜6.2の範囲で安定である。 (d)作用最適温度:pNPGを基質としたp−ニトロ
フェノール生成活性では、55℃である。 (e)温度安定性:60℃以下で安定である(pH4.
5、10分間)。 (f)等電点:pI4.7(ポリアクリルアミドゲル等
電点電気泳動による) (g)分子量:96,000(SDS−ポリアクリルア
ミドゲル電気泳動による)
【0012】請求項4記載の本発明は、糸状菌アクレモ
ニウム・セルロリティカスに由来し、下記の性質を有す
るβ−グルコシダーゼ3である。 (a)作用:本酵素はセロオリゴ糖、アグリコンとβ−
D−グルコピラノシル結合をする配糖体をエキソ機作で
加水分解し、グルコースを生成する。 (b)基質特異性:本酵素はセロオリゴ糖、アグリコン
とβ−D−グルコピラノシル結合をする配糖体に作用す
る。 (c)至適pH及び安定pH範囲:pNPGを基質とし
たp−ニトロフェノール生成活性では、至適pHは5.
1であり、4℃、24時間処理においてはpH3.0〜
7.2の範囲で安定であり、45℃、2時間処理におい
てはpH3.5〜6.5の範囲で安定である。 (d)作用最適温度:pNPGを基質としたp−ニトロ
フェノール生成活性では、55℃である。 (e)温度安定性:60℃以下で安定である(pH5.
1、10分間)。 (f)等電点:pI4.1(ポリアクリルアミドゲル等
電点電気泳動による) (g)分子量:77,500(SDS−ポリアクリルア
ミドゲル電気泳動による)
【0013】請求項5記載の本発明は、請求項1〜4の
いずれか一項に記載のβ−グルコシダーゼを含有して成
る酵素組成物である。請求項6記載の本発明は、酵素組
成物が、植物又は植物由来物を加工及び/又は利用効率
を向上させるためのものである請求項5記載の酵素組成
物である。請求項7記載の本発明は、請求項5又は6記
載の酵素組成物が、さらにセルラーゼ、キシラナーゼ、
プロテアーゼ、ガラクタナーゼ、ガラクトシダーゼ、ア
ラビナナーゼ、アラビノフラノシダーゼ、マンナナー
ゼ、ラムノガラクツロナーゼ、ポリガラクツロナーゼ、
ペクチンメチルエステラーゼ、ペクチンリアーゼ及びポ
リガラクツロン酸リアーゼのうちのいずれか一もしくは
二以上の酵素を含有することを特徴とする酵素組成物で
ある。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明のβ−グルコシダーゼを含
むセルラーゼ系を生産する微生物としては、アクレモニ
ウム属の糸状菌があり、具体的にはアクレモニウム・セ
ルロリティカスY−94株(寄託番号:FERM BP
−5826)、アクレモニウム・セルロリティカスTN
株(寄託番号:FERM BP−685)などがある。
これらの微生物によるβ−グルコシダーゼの製造につい
ては、既知の方法、例えば特公昭60−43954号公
報、特公昭63−63197号公報に記載された方法に
従って行えば良く、上記微生物の培養物からβ−グルコ
シダーゼを採取できる。上記微生物の培養終了後、培養
物を遠心分離等により除去して得た上清液を粗酵素とし
て用いることもできるが、通常は、この上清液を限外濾
過法などにより濃縮し、防腐剤などを加えて濃縮酵素と
するか、或いは濃縮後スプレードライ法によって粉末酵
素とする。
【0015】本発明に係るβ−グルコシダーゼは、これ
ら濃縮酵素又は粉末酵素を必要に応じて、部分精製又は
高度に精製して用いることができる。精製方法として
は、常法、即ち硫酸アンモニウムなどによる塩析法;ア
ルコールなどによる有機溶媒沈殿法;膜分離法;イオン
交換体、疎水クロマトグラフ用担体、ゲル濾過用担体な
どを用いるクロマト分離法などを、単独又は適宜組み合
わせて用いることができる。
【0016】本発明に係る酵素は、β−グルコシダーゼ
活性を示す酵素、すなわちβ−D−Glucoside glucohyd
rolase EC3.2.1.21であり、具体的にはセロオリゴ糖、
セロビオース、又はアグリコンとβ−D−グルコピラノ
シル結合をする配糖体をエキソ機作で加水分解し、グル
コースを生成する酵素を意味する。
【0017】本発明の第一の態様によれば、アクレモニ
ウム属糸状菌由来の、前記請求項1に記載の特性を有す
るβ−グルコシダーゼ活性を示す新規酵素が提供され
る。本発明の第二の態様によれば、上記β−グルコシダ
ーゼ活性を示す酵素は、アクレモニウム・セルロリティ
カス由来のβ−グルコシダーゼ1、β−グルコシダーゼ
2、及びβ−グルコシダーゼ3の3種類が存在し、これ
らはそれぞれ前記請求項2、3及び4に記載の特性を有
するβ−グルコシダーゼ活性を示す。
【0018】さらに、本発明の別の態様によれば、上記
の本発明に係るβ−グルコシダーゼ酵素を含んでなる酵
素組成物が提供される。この酵素組成物は、本発明に係
るβ−グルコシダーゼ酵素を、酵素組成物に一般的に含
まれる成分、例えば賦形剤(例えば、乳糖、塩化ナトリ
ウム、ソルビトール等)、界面活性剤、防腐剤等と共に
混合し、製造することができる。また、本発明の酵素組
成物は、所望により、適当な形状、例えば粉末又は液体
状等に適宜調製することができる。
【0019】本発明に係るβ−グルコシダーゼは、グル
コース遊離能に優れており、セルロース、セロオリゴ
糖、セロビオース及び/又はアグリコンとβ−D−グル
コピラノシル結合をする配糖体を含有する植物又は植物
由来物の加工や利用性向上に適している。すなわち、本
発明に係るβ−グルコシダーゼ酵素又は酵素組成物でセ
ルロース、セロオリゴ糖、セロビオース及び/又はアグ
リコンとβ−D−グルコピラノシル結合をする配糖体を
加水分解することにより、植物又は植物由来物を加工及
び/又は利用効率を向上させることができる。すなわ
ち、本発明によれば、β−グルコシダーゼ酵素又は酵素
組成物でセルロース、セロオリゴ糖、セロビオース及び
/又はアグリコンとβ−D−グルコピラノシル結合をす
る配糖体を加水分解することを特徴とする、該セルロー
ス、セロオリゴ糖、セロビオース及び/又はアグリコン
とβ−D−グルコピラノシル結合をする配糖体を含む植
物又は植物由来物を加工及び/又は利用効率を向上させ
るための酵素組成物が得られる。さらに、この酵素組成
物を用いて、該セルロース、セロオリゴ糖、セロビオー
ス及び/又はアグリコンとβ−D−グルコピラノシル結
合をする配糖体を含む植物又は植物由来物を加工した酵
素処理物を得ることができる。
【0020】上記の植物としては、全ての植物、又はそ
の切断物等に適用でき、植物由来物としては、細胞壁、
表皮組織等の植物組織、植物組織由来物、細胞内容物、
種々の糖タンパクや糖脂質、芳香成分や色素等といった
抽出成分など全ての植物由来物に適用できる。具体的に
は、飼料分野、食品分野では、牧草、野菜、果実等が対
象となり、これらを加工した果汁、ピューレ、ペース
ト、絞り粕、抽出粕にも適用することができる。また、
本発明のβ−グルコシダーゼは、セルロースバイオマス
のグルコースへの糖化促進や、紙等セルロースを含有す
る製品の廃棄物の処理効率の向上に利用できる。
【0021】上記のアグリコンとβ−D−グルコピラノ
シル結合をする配糖体としては、広く植物界に分布する
種々のフェノール配糖体、ニトリル配糖体、クマリン配
糖体、アントラセン配糖体、ステロイド配糖体(サポニ
ン物質)、テルペン配糖体、苦味配糖体、フラボン配糖
体、イソフラボン配糖体、フラボノール配糖体、フラバ
ノン配糖体、ペラルゴニジン配糖体、シアニジン配糖
体、デルフィニジン配糖体、トリテルペノイド配糖体、
強心配糖体等が挙げられる。
【0022】さらに本発明によれば、β−グルコシダー
ゼ酵素又は酵素組成物に、さらにセルラーゼ、キシラナ
ーゼ、プロテアーゼ、ガラクタナーゼ、アラビナナー
ゼ、アラビノフラノシダーゼ、マンナナーゼ、ラムノガ
ラクツロナーゼ、ポリガラクツロナーゼ、ペクチンメチ
ルエステラーゼ、ペクチンリアーゼ、ポリガラクツロン
酸リアーゼのいずれか一もしくは二以上の成分を含有さ
せてなる酵素組成物が提供される。この酵素組成物は、
β−グルコシダーゼ酵素を単独で含んでなる酵素組成物
に比べて、植物又は植物由来物の加工、利用効率をより
一層向上させることが期待できる。
【0023】なお、本発明に係るβ−グルコシダーゼ酵
素、又は酵素組成物を、動物飼料中に配合して用いるこ
とにより、飼料中のβ−グルカンの消化能を改善するこ
とができる。あるいは、本酵素でβ−グルカンを分解す
ることにより、飼料中に蓄積されているタンパク質の利
用を促進させることができる。従って、本発明によれ
ば、β−グルコシダーゼ酵素、又は酵素組成物を含有す
る飼料添加物、さらには、この飼料添加物を飼料に添加
する方法が提供される。この方法は、本発明に係るβ−
グルコシダーゼ酵素、又は酵素組成物により飼料成分を
処理する工程を包含する。
【0024】また、本発明に係るβ−グルコシダーゼ酵
素、又は酵素組成物を、サイレージに添加することによ
り、有意にサイレージの発酵品質を改善できることが見
出された。従って、本発明によれば、β−グルコシダー
ゼ酵素、又は酵素組成物を含むサイレージ用酵素剤が提
供される。なお、このサイレージ用酵素剤は、必要に応
じて、ラクトバチルス、ストレプトコッカス、ラクトコ
ッカス、又はペディオコッカス属の乳酸菌等から成る製
剤及び/又はプロピオニバクテリウム属等の酸生成菌か
ら成る製剤と併用することができる。この場合には、相
乗作用による一層の品質改善効果が期待できる。
【0025】さらに本発明によれば、上記のサイレージ
用酵素剤を用いてサイレージを製造する方法、及びこの
方法により製造することを特徴とするサイレージが提供
される。ここで、サイレージ原料としては、通常のサイ
レージに用いられる牧草、飼料作物、食品等の製造副産
物、農業副産物、飼料等の全てが対象となる。牧草とし
ては、例えばイネ科牧草としては、チモシー、オーチャ
ードグラス、イタリアンライグラス、ペレニアルライグ
ラス、メドウフェスク、ギニアグラス等を用いることが
でき、マメ科牧草としては、アルファルファ、クローバ
等を用いることができる。次に、飼料作物としては、ト
ウモロコシ、ソルガム、大麦、ライムギ、ライコムギ等
を用いることができる。また、製造副産物としては、廃
糖蜜、酢粕、ビール粕、トウフ粕、ミカン粕、焼酎粕等
を用いることができる。さらに、農業副産物としては、
麦藁、ビートトップ、ビートパルプ等を用いることがで
きる。また、サイレージ原料としての飼料は、通常、発
酵飼料に使用される単味飼料及び配合飼料や濃厚飼料、
これら飼料と粗飼料とを混合した混合飼料等を用いるこ
とができる。
【0026】本発明に係るβ−グルコシダーゼ酵素、又
は酵素組成物を食品の加工に用いることにより、ジュー
ス、ワイン等の芳香成分の増加、果汁の清澄化、粘度低
下、色味の改善、苦味除去などの他、醸造や製パン等に
おける発酵歩合の向上などの効果が得られる。従って、
本発明によれば、β−グルコシダーゼ酵素、又は酵素組
成物を含む食品加工用酵素剤が提供される。さらには、
この食品加工用酵素剤を用いて食品を加工する方法、及
びこの方法によって製造されることを特徴とする食品が
提供される。
【0027】また、本発明に係るβ−グルコシダーゼ酵
素、又は酵素組成物はβ−D−グルコシドを加水分解す
る活性が高いため、アミラーゼ活性測定用の臨床検査用
試薬に利用することが可能である。
【0028】本酵素並びに酵素組成物の使用方法として
は、上記の各種利用分野で通常採用されるpH、温度な
どの条件下で行うことができるが、酵素の性質上、pH
3〜6.5、温度10〜80℃の範囲で用いることが適
当である。酵素使用量については、時間と共にそれぞれ
の目的が達成されるような条件で使用すれば、十分な効
果を得ることができる。
【0029】
【実施例】次に、本発明を実施例により詳しく説明する
が、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
【0030】実施例1 β−グルコシダーゼの精製 (1)酵素原末の調製 アクレモニウム属微生物由来のβ−グルコシダーゼ原末
を得るため、下記の手法により微生物の培養を行った。
培地は、すべて以下の組成からなる培地を常法により加
熱滅菌したものを用いた。
【0031】〔培地組成〕綿実油粕2%、セルロース2
%、リン酸水素二カリウム1.2%、バクトペプトン1
%、硝酸カリウム0.6%、尿素0.2%、塩化カリウ
ム0.16%、硫酸マグネシウム・七水塩0.001
%、硫酸銅・五水塩0.001%(pH4.0)。
【0032】上記培地500mLに、アクレモニウム・
セルロリティカスTN株(FERMBP−685)を接
種し、30℃で48時間攪拌しながら培養した。次に、
この培養液をシードとして、培地を15Lにスケールア
ップし、さらにスケールアップを続けて最終的に600
L容タンク中の培養液量を300Lとし、通気攪拌培養
を7日間行った。
【0033】得られた培養液をフィルタープレスで濾過
した後、限外濾過により15Lまで濃縮し、乳糖2kg
を添加してスプレードライにより粉末化した。この方法
で得られたβ−グルコシダーゼ原末は5.0kgであっ
た。
【0034】(2)β−グルコシダーゼの精製 上記(1)で得られた原末を酢酸緩衝液(pH4.5)
に溶解し、不純物を高速冷却遠心分離により除去した。
得られた上清を酵素精製の出発材料として以下に示した
方法で精製した。
【0035】(a)強塩基性陰イオン交換クロマトグラ
フィー:QAE−トヨパール550C(東ソー(株)
製)に上清を酢酸緩衝液(0.02M、pH5.5)で
吸着させた後、酢酸緩衝液(0.02M、pH5.5)
中にNaClを各0M、0.04M、0.15M、0.
5M含有せしめたものを用い、ステップワイズ溶出を行
い、0M、0.15Mで溶出されるβ−グルコシダーゼ
活性画分(FI、FIII画分)を分取した。
【0036】(b)弱塩基性陰イオン交換クロマトグラ
フィー:DEAE−トヨパール650S(東ソー(株)
製)に上記(a)で分取したFI画分を酢酸緩衝液
(0.02M、pH5.5)で吸着させ、酢酸緩衝液
(0.02M、pH5.5)中にNaClを各0M、
0.2M含有せしめたものを用い、ステップワイズ溶出
を行ってβ−グルコシダーゼ活性を示した画分(PIII
、PIV画分)を分取した。
【0037】(c)疎水クロマトグラフィー:ブチルト
ヨパール650M(東ソー(株)製)に上記(b)で得
た分取PIII 画分を0.5M (NH4)2SO4を含む酢
酸緩衝液(0.02M、pH5.5)で吸着させ、酢酸
緩衝液(0.02M、pH5.5)中に(NH4)2SO4
の濃度が0.5M、0Mとなるように溶解せしめたもの
を用い、ステップワイズ溶出を行い、β−グルコシダー
ゼ活性を示した画分を分取した。
【0038】(d)疎水クロマトグラフィー:ブチルト
ヨパール650M(東ソー(株)製)に上記(b)で得
た分取PIV画分を0.5M (NH4)2SO4を含む酢酸
緩衝液(0.02M、pH5.5)で吸着させ、酢酸緩
衝液(0.02M、pH5.5)中に(NH4)2SO4
濃度が0.5M、0Mとなるように溶解せしめたものを
用い、ステップワイズ溶出を行い、β−グルコシダーゼ
活性を示した画分を分取した。
【0039】(e)疎水クロマトグラフィー:ブチルト
ヨパール650M(東ソー(株)製)に上記(a)で得
た分取FIII 画分を0.7M (NH4)2SO4を含む酢
酸緩衝液(0.02M、pH5.5)で吸着させ、酢酸
緩衝液(0.02M、pH5.5)中に(NH4)2SO4
の濃度が0.7M、0.5M、0.4M、0Mとなるよ
うに溶解せしめたものを用い、ステップワイズ溶出を行
い、β−グルコシダーゼ活性を示した画分を分取した。
【0040】(f)強塩基性イオン交換クロマトグラフ
ィー:MonoQ HR5/5(ファルマシア社製)に
上記(c)で得たβ−グルコシダーゼ活性画分を酢酸緩
衝液(0.02M、pH6.0)で吸着させ、酢酸緩衝
液(0.02M、pH6.0)中にNaClを各0Mか
ら0.2M含むリニアグラジェント溶出を行い、β−グ
ルコシダーゼ活性を示した画分(β−グルコシダーゼ
1)を分取した。
【0041】(g)疎水クロマトグラフィー:Alky
l−Superrose HR5/5(ファルマシアバ
イオテク社製)に上記(d)で得たβ−グルコシダーゼ
活性画分を0.5M (NH4)2SO4を含む酢酸緩衝液
(0.02M、pH5.5)で吸着させ、酢酸緩衝液
(0.02M、pH5.5)中に(NH4)2SO4 1.
0Mから0Mを含むリニアグラジェント溶出を行い、β
−グルコシダーゼ活性を示した画分(β−グルコシダー
ゼ2)を分取した。
【0042】(h)ゲル濾過クロマトグラフィー:バイ
オゲルP-100 (Bio-Rad社製)に上記(e)で得たβ−グ
ルコシダーゼ活性画分を酢酸緩衝液(0.02M、pH
5.0)で通過させ、β−グルコシダーゼ活性を示した
画分を分取した。
【0043】(i)強塩基性イオン交換クロマトグラフ
ィー:MonoQ HR5/5(ファルマシア社製)に
上記(h)で得たβ−グルコシダーゼ活性画分を酢酸緩
衝液(0.02M、pH6.0)で吸着させ、酢酸緩衝
液(0.02M、pH6.0)中にNaClを各0Mか
ら0.15M含むリニアグラジェント溶出を行い、β−
グルコシダーゼ活性を示した画分(β−グルコシダーゼ
3)を分取した。
【0044】実施例2 β−グルコシダーゼの酵素的、
タンパク質的諸性質 (1)基質特異性、作用特性 実施例1で得た精製β−グルコシダーゼ(β−グルコシ
ダーゼ1、2、3)の各種基質に対する活性を調べた。
その結果、pNPGを基質としたときの分解活性は順
に、31.2、23.1及び10.2単位/mgタンパ
ク質であり、セロビオースを基質としたときの分解活性
は順に、19.5、17.8及び9.0単位/mgタン
パク質であった。このことから、これら3種のβ−グル
コシダーゼのセロビオース加水分解能は、pNPG加水
分解能よりも低いことがわかった。
【0045】ここで、当該酵素の活性測定法と1単位の
定義については以下の通りである。 ・pNPG分解活性 pH5.0、30℃で、0.85mM pNPG溶液に
酵素を作用させ、1分間に1μmolのp−ニトロフェ
ノールを生成する酵素量を1単位と定義した。
【0046】・セロビオース分解活性 pH5.0、30℃で、1.0mM セロビオース溶液
に酵素を作用させ、1分間に1μmolのグルコースを
生成する酵素量を1単位と定義した。
【0047】(2)至適pH、pH安定性 実施例1で得たβ−グルコシダーゼ(β−グルコシダー
ゼ1、2、3)の30℃における至適pHを図1に示
す。これら酵素は、McIlvain緩衝液で、順にpH4.
8、pH4.5、pH5.1のときに最大の活性を示し
た。また、これら酵素の4℃、24時間におけるpH安
定性を図2(A)に示し、45℃、4時間におけるpH
安定性を図2(B)に示した。なお、図1中の○、△、
◆はβ−グルコシダーゼ1、2、3をそれぞれ示す。ま
た、図2(A)、(B)中の○、△、□はβ−グルコシ
ダーゼ1、2、3(McIlvain緩衝液)を示し、●、▲、
◆はβ−グルコシダーゼ1、2、3(Britton-Robinson
緩衝液)を示す。
【0048】(3)至適温度、温度安定性 実施例1で得たβ−グルコシダーゼ(β−グルコシダー
ゼ1、2、3)の作用最適温度を調べるため、pNPG
分解活性を測定したところ、図3に示すように、至適温
度は共に55℃(各至適pH)であった。次に、これら
酵素の温度安定性を各至適pH、10分の条件下で測定
したところ、図4に示したように、いずれも50℃以下
で安定であった。なお、図3、4中の○、△、◆はβ−
グルコシダーゼ1、2、3をそれぞれ示す。
【0049】(4)分子量 実施例1で得たβ−グルコシダーゼ(β−グルコシダー
ゼ1、2、3)の分子量を決定するため、SDS−ポリ
アクリルアミドゲル電気泳動(7.5%ゲル)を行っ
た。その結果、β−グルコシダーゼ1の分子量は約9
2,000、β−グルコシダーゼ2の分子量は約96,
000、β−グルコシダーゼ3 の分子量は約77,50
0と算出された。なお、この試験に用いた標準サンプル
の分子量は、以下の通りである。
【0050】
【表1】第 1 表
【0051】(5)等電点 実施例1で得られたβ−グルコシダーゼ(β−グルコシ
ダーゼ1、2、3)の等電点(pI)を決定するため
に、LKB両性等電点電気泳動装置を用いてポリアクリ
ルアミドゲル等電点電気泳動を行った。その結果、β−
グルコシダーゼ1の等電点は4.3、β−グルコシダー
ゼ2の等電点は4.7、β−グルコシダーゼ3の等電点
は4.1と算出された。なお、この試験に用いた標準サ
ンプルの等電点は以下の通りである。
【0052】
【表2】第 2 表
【0053】
【発明の効果】本発明により、糸状菌アクレモニウム属
微生物由来のβ−グルコシダーゼ並びに当該β−グルコ
シダーゼを含有する酵素組成物が提供される。この酵素
又は酵素組成物は、セルロースやセロオリゴ糖及び/又
はアグリコンとβ−D−グルコピラノシル結合をする配
糖体を含む植物や該植物由来物を加工し、利用するのに
適しており、食品分野、飼料分野、医薬分野などにおけ
る広範な利用が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得たβ−グルコシダーゼの30℃
における至適pHを示す図である。
【図2】 実施例1で得たβ−グルコシダーゼのpH安
定性を示す図であり、(A)は4℃、24時間の、
(B)は45℃、4 時間の結果である。
【図3】 実施例1で得たβ−グルコシダーゼの至適温
度を示す図である。
【図4】 実施例1で得たβ−グルコシダーゼの温度安
定性を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 キャンサーン スパンニー 静岡県静岡市宮竹2−24−20(B) (72)発明者 江田 みさ子 埼玉県越谷市上間久里345−105 (72)発明者 河野 敏明 埼玉県坂戸市千代田5−3−1 明治製菓 株式会社生物科学研究所内 (72)発明者 山辺 倫 茨城県つくば市東1丁目1番3 工業技術 院生命工学工業技術研究所内 Fターム(参考) 4B050 CC01 CC08 DD03 FF05E FF11E FF12E LL02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクレモニウム(Acremonium)属糸状菌
    由来の、下記の特性を有するβ−グルコシダーゼ活性を
    示す酵素。 (a)作用:本酵素はセロオリゴ糖、アグリコンとβ−
    D−グルコピラノシル結合をする配糖体をエキソ機作で
    加水分解し、グルコースを生成する。 (b)基質特異性:本酵素はセロオリゴ糖、アグリコン
    とβ−D−グルコピラノシル結合をする配糖体に作用す
    る。 (c)安定pH範囲:pH3.0〜8.7の範囲で安定
    である。 (d)作用最適温度:55℃である。 (e)温度安定性:60℃以下で安定である。 (f)等電点:pI4.1〜4.7(ポリアクリルアミ
    ドゲル等電点電気泳動による) (g)分子量:77,500〜96,000(SDS−
    ポリアクリルアミドゲル電気泳動による)
  2. 【請求項2】 糸状菌アクレモニウム・セルロリティカ
    スに由来し、下記の性質を有するβ−グルコシダーゼ
    1。 (a)作用:本酵素はセロオリゴ糖、アグリコンとβ−
    D−グルコピラノシル結合をする配糖体をエキソ機作で
    加水分解し、グルコースを生成する。 (b)基質特異性:本酵素はセロオリゴ糖、アグリコン
    とβ−D−グルコピラノシル結合をする配糖体に作用す
    る。 (c)至適pH及び安定pH範囲:p−ニトロフェニル
    −β−D−グルコピラノシド(以下、pNPGと略す)
    を基質としたp−ニトロフェノール生成活性では、至適
    pHは4.8であり、4℃、24時間処理においてはp
    H3.4〜8.4の範囲で安定であり、45℃、2時間
    処理においてはpH3.4〜5.9の範囲で安定であ
    る。 (d)作用最適温度:pNPGを基質としたp−ニトロ
    フェノール生成活性では、55℃である。 (e)温度安定性:55℃以下で安定である(pH4.
    8、10分間)。 (f)等電点:pI4.3(ポリアクリルアミドゲル等
    電点電気泳動による) (g)分子量:92,000(SDS−ポリアクリルア
    ミドゲル電気泳動による)
  3. 【請求項3】 糸状菌アクレモニウム・セルロリティカ
    スに由来し、下記の性質を有するβ−グルコシダーゼ
    2。 (a)作用:本酵素はセロオリゴ糖、アグリコンとβ−
    D−グルコピラノシル結合をする配糖体をエキソ機作で
    加水分解し、グルコースを生成する。 (b)基質特異性:本酵素はセロオリゴ糖、アグリコン
    とβ−D−グルコピラノシル結合をする配糖体に作用す
    る。 (c)至適pH及び安定pH範囲:pNPGを基質とし
    たp−ニトロフェノール生成活性では、至適pHは4.
    5であり、4℃、24時間処理においてはpH4.0〜
    8.7の範囲で安定であり、45℃、2時間処理におい
    てはpH4.0〜6.2の範囲で安定である。 (d)作用最適温度:pNPGを基質としたp−ニトロ
    フェノール生成活性では、55℃である。 (e)温度安定性:60℃以下で安定である(pH4.
    5、10分間)。 (f)等電点:pI4.7(ポリアクリルアミドゲル等
    電点電気泳動による) (g)分子量:96,000(SDS−ポリアクリルア
    ミドゲル電気泳動による)
  4. 【請求項4】 糸状菌アクレモニウム・セルロリティカ
    スに由来し、下記の性質を有するβ−グルコシダーゼ
    3。 (a)作用:本酵素はセロオリゴ糖、アグリコンとβ−
    D−グルコピラノシル結合をする配糖体をエキソ機作で
    加水分解し、グルコースを生成する。 (b)基質特異性:本酵素はセロオリゴ糖、アグリコン
    とβ−D−グルコピラノシル結合をする配糖体に作用す
    る。 (c)至適pH及び安定pH範囲:pNPGを基質とし
    たp−ニトロフェノール生成活性では、至適pHは5.
    1であり、4℃、24時間処理においてはpH3.0〜
    7.2の範囲で安定であり、45℃、2時間処理におい
    てはpH3.5〜6.5の範囲で安定である。 (d)作用最適温度:pNPGを基質としたp−ニトロ
    フェノール生成活性では、55℃である。 (e)温度安定性:60℃以下で安定である(pH5.
    1、10分間)。 (f)等電点:pI4.1(ポリアクリルアミドゲル等
    電点電気泳動による) (g)分子量:77,500(SDS−ポリアクリルア
    ミドゲル電気泳動による)
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項に記載のβ
    −グルコシダーゼを含有して成る酵素組成物。
  6. 【請求項6】 酵素組成物が、植物又は植物由来物を加
    工及び/又は利用効率を向上させるためのものである請
    求項5記載の酵素組成物。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6記載の酵素組成物が、さ
    らにセルラーゼ、キシラナーゼ、プロテアーゼ、ガラク
    タナーゼ、ガラクトシダーゼ、アラビナナーゼ、アラビ
    ノフラノシダーゼ、マンナナーゼ、ラムノガラクツロナ
    ーゼ、ポリガラクツロナーゼ、ペクチンメチルエステラ
    ーゼ、ペクチンリアーゼ及びポリガラクツロン酸リアー
    ゼのうちのいずれか一もしくは二以上の酵素を含有する
    ことを特徴とする酵素組成物。
JP2000298345A 2000-09-29 2000-09-29 新規なβ−グルコシダーゼ Expired - Lifetime JP4689807B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000298345A JP4689807B2 (ja) 2000-09-29 2000-09-29 新規なβ−グルコシダーゼ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000298345A JP4689807B2 (ja) 2000-09-29 2000-09-29 新規なβ−グルコシダーゼ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002101876A true JP2002101876A (ja) 2002-04-09
JP4689807B2 JP4689807B2 (ja) 2011-05-25

Family

ID=18780320

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000298345A Expired - Lifetime JP4689807B2 (ja) 2000-09-29 2000-09-29 新規なβ−グルコシダーゼ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4689807B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011021616A1 (ja) 2009-08-20 2011-02-24 明治製菓株式会社 β-グルコシダーゼ活性を有する新規タンパク質およびその用途
WO2011121768A1 (ja) 2010-03-31 2011-10-06 明治製菓株式会社 新規セルラーゼ遺伝子
CN102363748A (zh) * 2011-09-30 2012-02-29 中国科学院南海海洋研究所 一种高效纤维素降解真菌新种Acremonium sp.DPZ-SYz-2-3及其应用
CN108060148A (zh) * 2017-12-12 2018-05-22 福建农林大学 一种蜜蜂球囊菌发酵生产葡甘聚糖酶的方法
WO2019059404A1 (ja) * 2017-09-25 2019-03-28 味の素株式会社 タンパク質の製造法および二糖の製造法
CN114767737A (zh) * 2022-06-21 2022-07-22 上海中医药大学 一种秦皮提取物、其制备方法及应用
WO2024019128A1 (ja) * 2022-07-20 2024-01-25 花王株式会社 植物バイオマス糖化酵素組成物

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6319904B2 (ja) 2014-09-11 2018-05-09 本田技研工業株式会社 耐熱性β−グルコシダーゼ
JP6286745B2 (ja) 2014-09-11 2018-03-07 本田技研工業株式会社 耐熱性β−グルコシダーゼ
JP6330240B2 (ja) 2014-12-12 2018-05-30 本田技研工業株式会社 耐熱性β−グルコシダーゼ

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61162167A (ja) * 1985-01-07 1986-07-22 Agency Of Ind Science & Technol 新規なアクレモニウム・セルロリテイカスtn株

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61162167A (ja) * 1985-01-07 1986-07-22 Agency Of Ind Science & Technol 新規なアクレモニウム・セルロリテイカスtn株

Non-Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6010038062, "Agricultural and Biological Chemistry", 1987, Vol.51, No.10, pp.2701−2708 *
JPN6010038063, "Agricultural and Biological Chemistry", 1990, Vol.54, No.2, pp.309−317 *
JPN6010038065, "Agricultural and Biological Chemistry", 1989, Vol.53, No.12, pp.3359−3360 *
JPN6010038066, "Agricultural and Biological Chemistry", 1988, Vol.52, No.10, pp.2493−2501 *
JPN6010038068, "Mycological Research", 1999, Vol.103, No.2, pp.161−167 *

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011021616A1 (ja) 2009-08-20 2011-02-24 明治製菓株式会社 β-グルコシダーゼ活性を有する新規タンパク質およびその用途
US8975057B2 (en) 2009-08-20 2015-03-10 Meiji Seika Pharma Co., Ltd. Protein having β-glucosidase activity and uses thereof
JP5745411B2 (ja) * 2009-08-20 2015-07-08 Meiji Seikaファルマ株式会社 β−グルコシダーゼ活性を有する新規タンパク質およびその用途
US10125355B2 (en) 2009-08-20 2018-11-13 Meiji Seika Pharma Co., Ltd. Protein having B-glucosidase activity and uses thereof
WO2011121768A1 (ja) 2010-03-31 2011-10-06 明治製菓株式会社 新規セルラーゼ遺伝子
US10774318B2 (en) 2010-03-31 2020-09-15 Meiji Seika Pharma Co., Ltd. Cellulase gene
US10053679B2 (en) 2010-03-31 2018-08-21 Meiji Seika Pharma Co., Ltd. Cellulase gene
CN102363748A (zh) * 2011-09-30 2012-02-29 中国科学院南海海洋研究所 一种高效纤维素降解真菌新种Acremonium sp.DPZ-SYz-2-3及其应用
WO2019059404A1 (ja) * 2017-09-25 2019-03-28 味の素株式会社 タンパク質の製造法および二糖の製造法
JPWO2019059404A1 (ja) * 2017-09-25 2021-01-14 味の素株式会社 タンパク質の製造法および二糖の製造法
CN112292450A (zh) * 2017-09-25 2021-01-29 味之素株式会社 蛋白质的制造方法和二糖的制造方法
US11384379B2 (en) 2017-09-25 2022-07-12 Ajinomoto Co., Inc. Method for producing a protein and disaccharide using a Talaromyces cellulolyticus
JP7384035B2 (ja) 2017-09-25 2023-11-21 味の素株式会社 タンパク質の製造法および二糖の製造法
CN108060148A (zh) * 2017-12-12 2018-05-22 福建农林大学 一种蜜蜂球囊菌发酵生产葡甘聚糖酶的方法
CN108060148B (zh) * 2017-12-12 2020-12-29 福建农林大学 一种蜜蜂球囊菌发酵生产葡甘聚糖酶的方法
CN114767737A (zh) * 2022-06-21 2022-07-22 上海中医药大学 一种秦皮提取物、其制备方法及应用
CN114767737B (zh) * 2022-06-21 2022-11-29 上海中医药大学 一种秦皮提取物、其制备方法及应用
WO2024019128A1 (ja) * 2022-07-20 2024-01-25 花王株式会社 植物バイオマス糖化酵素組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP4689807B2 (ja) 2011-05-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Bhatia et al. Microbial β-glucosidases: cloning, properties, and applications
US9809630B2 (en) Enzyme-based protein separation and enrichment from soy meal, wheat meal, and other protein-rich materials derived from plant seeds, fruits and other biomass
JP2009525747A (ja) タラロマイセス・エマーソニイ酵素系
EA021855B1 (ru) Штаммы talaromyces и ферментные композиции
US20120190093A1 (en) Method for producing b-glucanase and xylanase using fungus body debris, and liquid culture medium
JP4801872B2 (ja) β−グルコシダーゼ活性を有する新規酵素とその用途
EP0188050B1 (en) Method for production of cellulolytic enzymes
JP4689807B2 (ja) 新規なβ−グルコシダーゼ
JP2014131501A (ja) セルロース分解微生物の利用
JP5718899B2 (ja) 発酵条件による酵素バランスの変更
Abada et al. Optimization of cellulase production from Bacillus albus (MN755587) and its involvement in bioethanol production
JPWO2009022415A1 (ja) セルラーゼ及びセロオリゴ糖の製造法
TWI429748B (zh) Cellulase and fiber oligosaccharide production method
CN112300945B (zh) 一种黑曲霉固态发酵产饲用复合酶制剂及其制备工艺
JP2006169124A (ja) D−プシコースを含有する新規二糖類化合物及びその製造方法
JP5069576B2 (ja) 高濃度のセロビオースを蓄積できる酵素組成物、及びそれを用いたセロオリゴ糖の製造方法
JP6535280B2 (ja) セルラーゼ生産菌の変異株、セルラーゼの製造方法およびセロオリゴ糖の製造方法
JP4039494B2 (ja) 中温性キシラナーゼ
US20020119532A1 (en) Process for the production of an enzyme preparation containing xylanase and carboxymethyl cellulase from termitomyces clypeatus having accession no 11CB-411
KR100862397B1 (ko) 자일란 분해효소를 생산하는 바실러스 속 균주를 이용한 자일란 분해용 조성물
JP2001061473A (ja) 新規ポリガラクツロナーゼ
SOCIETY'S et al. BELGAUM-590014
JP2014057529A (ja) 酵素製剤およびそれを用いたフェルラ酸の製造方法
JP2000157262A (ja) β−1,3−キシラナーゼ、その産生微生物、製造方法及びその用途
JPS6178384A (ja) セルラ−ゼの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20070215

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070810

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100706

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100726

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110215

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110217

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140225

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140225

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140225

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350