JPWO2009022415A1 - セルラーゼ及びセロオリゴ糖の製造法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、セルロース系物質を原料とし、セルラーゼの存在下で酵素分解することでセロビオースを選択的に高収率で生産する際に、セルラーゼ活性が高く、かつセロオリゴ糖選択率の高い培養上澄酵素液を大量に確保することのできる酵素液の製造方法、及び該酵素液を用いたセロオリゴ糖の製造方法を提供することを目的とする。本発明によれば、アオイ科に属する植物の種子由来の成分を含有する液体培地においてTrichoderma属に属する微生物を培養することを含む、セルラーゼを含む酵素液の製造方法が提供される。

Description

本発明は、セロオリゴ糖を選択的に高収率で製造する方法であって、セルラーゼ活性が高く、かつセロオリゴ糖選択率が高い酵素液の製造方法、および該酵素液を用いたセロオリゴ糖の製造方法に関する。
セロオリゴ糖は、セロビオース、セロトリオース、セロテトラオース、セロペンタオース、セロヘキサオースの総称であり、グルコピラノース単位が1〜6個、β−1,4結合した諸糖類である。近年、セロオリゴ糖は、他のオリゴ糖と同様に、その生理機能が明らかになりつつあり、機能性食品の新素材として期待されている(非特許文献1参照)。一般に、セロビオースを得る方法としては、(1)シュクロースを原料に酵素による合成反応を用いた方法と(2)セルロースを原料に酵素による分解反応を用いた方法が知られている。
上記(1)の酵素による合成反応としては、リン酸の存在下、シュクロースを原料にシュクロースホスホリラーゼ、グルコースイソメラーゼおよびセロビオースホスホリラーゼを順に作用させることで、セロビオースを得る方法(特許文献1参照)が知られている。しかしながら、この方法ではセロビオースを得るために高価な酵素を3種類使用し、かつそれぞれ3段階の反応を行わねばならず、工業生産を考慮すると酵素のコストがかかり、また生産性が低いという課題があった。
一方、上記(2)の酵素による分解反応としては、セルロース系材料をセルラーゼにより分解する方法が公知である。この酵素分解反応に関しては、セルロースからセロオリゴ糖を生産する際のセルラーゼを含んだ酵素液のセロオリゴ糖の生産性を如何に高めるかという点、生成したセロビオースからグルコースへの分解を如何に防止するかという点が鍵となる(非特許文献2参照)。
上記課題に絡み、従来、セルロース酵素分解時のセロオリゴ糖の収率向上を目的として多くの試みがなされてきた。
セルラーゼを使用し、セルロースを酵素分解することによりセロオリゴ糖を選択的に得る方法としては以下のものが挙げられる。
特許文献2には、非結晶性セルロースを多く含むセルロース原料を用い、セルラーゼによる加水分解反応をリグニンの存在下で行わせるとともに、加水分解反応により生成されるセロオリゴ糖のうち少なくともセロビオースを随時反応液から採取するセロオリゴ糖の製造方法が開示され、特許文献3には、天然リグノセルロースを含む原料を蒸解して蒸解後に乾燥を経ずに得られるウェットパルプを、セルラーゼにより部分加水分解してセロオリゴ糖のうち少なくともセロビオースを採取するセロオリゴ糖の製造方法が開示されている。
これらの製造方法は、セルラーゼに含まれるセロオリゴ糖分解酵素であるβ−グルコシダーゼをリグニンに吸着させ、β−グルコシダーゼの作用を抑止させることで、セロオリゴ糖のグルコースへの分解を抑制し、セロオリゴ糖の反応選択率を高められるものである。しかしながら、これらの製造方法では、得られる糖化液に多量のリグニンが含まれるため、結果としてセロオリゴ糖の収量が低くなる。また、高純度のセロオリゴ糖を得るには、糖化液からの脱リグニン処理が必要となるため精製工程が複雑となる問題があった。
特許文献4には、1〜20質量%のリグニンを含有するリグノセルロースをセルラーゼ
及び白色腐朽菌等のリグニン分解菌とともに反応することで、セロオリゴ糖の1種であるセロビオースの製造方法が開示されている。この製造方法では、セルロースの脱リグニン処理を経ずに、セルラーゼの基質に対する作用を高めることができるが、その分解生成物にはセロビオース以外にリグニン分解物が混入するため、上記と同様にセロオリゴ糖の収量が低くなる。また、高純度のセロビオースを得るには、リグニン分解物の除去工程が必要となり、精製工程が複雑となるという問題があった。
また、特定のセルラーゼを使用し、セルロースを酵素分解することで、セロオリゴ糖の収率を向上させる方法としては、以下のものが挙げられる。
特許文献5には、セロビブリオ属に属する微生物が生産するセルラーゼの作用により、水性反応液中にてセルロース系物質からセロオリゴ糖を製造する方法において、限外ろ過反応器を組み合わせることにより生成物阻害を解除して、セロオリゴ糖を生成蓄積せしめるセロオリゴ糖の製造方法が開示されている。この方法によると、セルロース系物質の酵素分解による分解生成物として、セロビオース、セロトリオースのみからなるセロオリゴ糖が得られる。しかしながら、セロビブリオ属に属する微生物が生産する酵素は結晶性のセルロースには作用しにくく、反応時間を短縮し、収率を向上するためには基質として非晶質セルロースが必要であり、工程が複雑になるという問題があった。
特許文献6には、セルロースをセルラーゼで分解し、セロオリゴ糖を生成させる方法において、予めセルラーゼをpH3.5〜5.0に平衡化した弱酸性陽イオン交換樹脂に接触させることにより、セルラーゼ中のβ−グルコシダーゼを選択的に除去し、かかるβ−グルコシダーゼを除去したセルラーゼをセルロースに接触させるセロオリゴ糖の製造方法が開示されている。係る製造方法によると、セルロースの酵素分解により、グルコースを低減し、セロオリゴ糖が60%以上の分解生成物を得ることができる。しかしながら、該製造方法では、セルロース中のβ−グルコシダーゼを除去する工程が必要となり、セロオリゴ糖製造工程が複雑になるという問題があった。また、このセルラーゼ精製工程では、未処理セルラーゼに対し、75〜1000倍の陽イオン交換樹脂が必要となるため、セルラーゼ処理量が制限され、セロオリゴ糖の生産性が充分ではなく、セルラーゼ精製コスト、陽イオン交換樹脂の分離精製剤コストが高くなるという問題があった。
特許文献7には、セルロースエステルあるいは、セルロースエーテルエステルのいずれか又は両方とセルラーゼを溶解し、一定時間保温した後、pHを変化させ、不溶化した固形画分と溶液とを分離することによりセルラーゼ中に含有されるβ−グルコシダーゼを選択的に除去するセルラーゼ精製方法、また、このβ−グルコシダーゼが除去されたセルラーゼとセルロースとを水性媒体中に添加して懸濁液とし、該懸濁液を一定時間保温して、該懸濁液中にセロビオースを生成せしめ、該セロビオースを採取するセロビオースの製造方法が開示されている。
特許文献8には、キトサンが可溶となるようにpHを調整してなる水性媒体中に、上記キトサンとセルラーゼを溶解し、一定時間保温した後、pHを変化させ、不溶化した固形画分と溶液とを分離することによりセルラーゼ中に含有されるβ−グルコシダーゼを選択的に除去するセルラーゼの精製方法、また、このβ−グルコシダーゼが除去されたセルラーゼとセルロースとを水性媒体中に添加して懸濁液とし、該懸濁液を一定時間保温して、該懸濁液中にセロビオースを生成せしめ、該セロビオースを採取するセロビオースの製造方法が開示されている。
これらの製造方法によると、セルラーゼをセルロース誘導体またはキトサンで吸着分離処理し、セルロース誘導体またはキトサンに吸着させた状態でセルロースと接触させることで、セロビオースの収率が向上する。しかしながら、この製造方法ではセルラーゼの精製処理が必要となるため、製造工程が複雑になり、セルラーゼ精製に使用するセルロース誘導体、キトサンが高価なためコスト高になるという課題があった。また、セルラーゼをセルロース誘導体またはキトサンとともにセルロース酵素分解に用いるため、分解反応液から、それらを取り除く工程が必要になるという問題があった。
特許文献9には、不溶性セルロースまたはセルロース含有物質とTrichoderma 由来のセルラーゼを水性媒体中で保温した後、固形画分を分離し、該固形画分に水溶性溶液を加え、セロビオースを得る方法が開示されている。この製造方法によると、セロビオース製造工程に混入するβ-グルコシダーゼを低減することが可能となり、選択的にセロビオースを得ることができる。しかしながら、固形画分へのセルラーゼ吸着工程および固形画分分離工程が必要となるため、プロセスが非常に複雑となるという問題があった。
Cellulose Communications,5,No2,91−97(1998) 「セルラーゼ」講談社サイエンティフィック発行、97−104(1987) 特開平03−130086号公報 特開平05−317073号公報 特開平07−184678号公報 特開平08−089274号公報 特開平01−256394号公報 特開平05−115293号公報 特開平05−227957号公報 特開平05−227958号公報 特開昭63−226294号公報
本発明は、セルロース系物質を原料としセルラーゼの存在下で酵素分解することでセロビオースを選択的に生産する際に、煩雑な工程を経ることなくセルラーゼ活性が高く、かつセロオリゴ糖選択率の高い培養上清酵素液を大量に確保することのできる酵素液の製造方法、及び該酵素液を用いたセロオリゴ糖の製造方法を提供することを解決すべき課題とする。
本発明者らは、綿実粕を0.1〜10重量%含有した培地で、Trichoderma属に属する微生物を培養すると、セルラーゼ活性が高い培養液が得られることを見出した。また、綿実粕に加えて、さらに硫酸アンモニウム0.01%以上を含有する培地にTrichoderma属に属する微生物を接種し、これを適切な条件下で培養することでβ−グルコシダーゼ活性を低減することに成功した。
すなわち、本発明は、下記の通りである。
(1) アオイ科に属する植物の種子由来の成分を含有する液体培地においてTrichoderma属に属する微生物を培養することを含む、セルラーゼを含む酵素液の製造方法。
(2) アオイ科に属する植物の種子が綿実であることを特徴とする(1)に記載の酵素液の製造方法。
(3) 綿実由来の成分として綿実粕を0.1〜10質量%含有する液体培地においてTrichoderma属に属する微生物を培養することを特徴とする(2)に記載の酵素液の製造方法。
(4) 液体培地が、硫酸イオン、硫酸水素イオンおよびアンモニウムイオンから選ばれる少なくとも一つを含有することを特徴とする(1)から(3)のいずれかに記載の酵素液の製造方法。
(5) 微生物がTrichoderma reeseiに属する菌株であることを特徴とする(1)から(4)のいずれかに記載の酵素液の製造方法。
(6) Trichoderma reeseiに属する菌株が、Trichoderma reesei GL−1株(独立行政法人産業技術総合研究所、特許生物寄託センター、受託番号;FERM BP−10323)、および/またはTrichoderma reesei AKC−015株(独立行政法人産業技術総合研究所、特許生物寄託センター、受託番号;FERM BP−10839)、および/またはGL−1株もしくはAKC−015株を親株として得られる変異株であることを特徴とする(5)に記載の酵素液の製造方法。
(7) Trichoderma reesei AKC−015株(独立行政法人産業技術総合研究所、特許生物寄託センター、受託番号;FERM BP−10839)を培養することを含む、セルラーゼを含む酵素液の製造方法。
(8) (1)から(7)のいずれかに記載の製造方法により製造された酵素液を用いて、セルロース系物質を酵素分解することを含む、セロオリゴ糖の製造方法。
本発明により、セルラーゼ活性が高く、かつセロオリゴ糖選択率が高い酵素液を製造することができ、該酵素液をセロオリゴ糖の製造に使用することで、煩雑な工程を経ることなくセロオリゴ糖を高収率で製造することができる。
本発明におけるセルラーゼとは、セルロースを分解する酵素の総称であり、セルロースの分解活性を有していれば、本発明でいうセルラーゼに含まれる。また、本発明におけるセルラーゼ活性は、カルボキシメチルセルロース(CMC)を分解する酵素活性(CMC−ase)と、結晶セルロース(MCC)を分解する酵素活性(MCC−ase)で表すことができ、下記に記す方法で測定することができる。これらのセルラーゼ活性は高い程、セルロースの分解速度、分解率が向上するため、好ましい。
(1)CMC−ase活性
20mM酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液(pH5)に溶解した1%カルボキシメチルセルロースナトリウム塩溶液を480μl用意する。これに適当に希釈した酵素液20μlを加え、40℃で30分間反応させる。95℃、15分間加熱して反応を停止させた後、3,5−ジニトロサリチル酸法により還元糖を比色定量する。セロビオース標準液を用いて標準曲線を作成し、セロビオース換算で1分間に1μmolの還元糖を遊離する酵素量を1酵素単位(1U)と定義する。
(2)MCC−ase活性
50mM酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液(pH5)に懸濁した1.25質量%の結晶性セルロース(旭化成ケミカルズ製、商品名:セオラスPH−101を水分60%として、三英製作所製、商品名:万能攪拌混合機でフック羽根により、90分間、126rpmで混練攪拌したもの)の基質液0.4mlに適当に希釈した酵素液を0.1ml添加し、40℃で30分間反応後、95℃で15分間加熱して反応を停止させた後、3,5−ジニトロサリチル酸法により還元糖を比色定量する。セロビオース標準液を用いて標準曲線を作成し、セロビオース換算で1分間に1μmolの還元糖を遊離する酵素量を1酵素単位(1U)と定義する。
また、本発明におけるβ−グルコシダーゼとは、セロオリゴ糖を分解し、グルコースを生成する酵素のことであり、β−グルコシダーゼ活性で定量される。セルロースの酵素分解により、グルコースを得る場合には、酵素液のβ−グルコシダーゼ活性は高いほど、グルコースの生成速度および分解率が高くなるため有効である。逆に、セロオリゴ糖を高収率で得るためには、上述のセルラーゼ活性が高く、かつβ−グルコシダーゼ活性が低い酵素液を使用することが効率的である。このβ−グルコシダーゼ活性は以下の方法で測定することができる。
(3)β−グルコシダーゼ活性
200mM酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液(pH5)に溶解した2.0質量%のセロビオース(Aldrich製:特級グレード)の基質液0.3mlに酵素液0.3mlを添加し、40℃で30分間反応後、95℃で15分間加熱し反応を停止させた後、ムタロターゼとグルコースオキシダーゼを組み合わせた酵素法試薬であるグルコース定量キット(グルコースCII-テストワコー、和光純薬工業社製)を用いて、反応液中のグルコース濃度を定量する。1分間に1μmolのグルコースを遊離する酵素量を1酵素単位(1U)と定義する。
本発明で使用されるセルラーゼ生産菌は、Tricoderma属に属する微生物である。Tricoderma属に属する微生物を接種し、培養することにより、本発明のセルラーゼ活性の高い酵素を製造することができる。
本発明の酵素液を、セロオリゴ糖の製造に使用する場合は、セルラーゼ活性が高く、かつセロオリゴ糖選択率が高い酵素液を得る必要があり、上記のTricoderma属に属する微生物の中でも、Trichoderma reeseiに属する菌株を用いることが好ましく、特に、Trichoderma reesei GL−1株(独立行政法人産業技術総合研究所、特許生物寄託センター、受託番号;FERM BP−10323)またはTrichoderma reesei AKC−015株(独立行政法人産業技術総合研究所、特許生物寄託センター、受託番号;FERM BP−10839)を使用することが好ましい。上記の方法において、さらにセロオリゴ糖を高収率で製造する為には、上記のTrichoderma reesei GL−1株あるいはAKC−015株を親株として、セロオリゴ糖を高収率かつ高選択率で得られるよう、公知の変異処理を施された変異株を使用することが好ましい。
なお、GL−1株は、独立行政法人産業技術総合研究所、特許生物寄託センター(日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305−8566)に、2005年4月15日に、受託番号;FERM BP−10323として、AKC−015株は、独立行政法人産業技術総合研究所、特許生物寄託センター(日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305−8566))に、2007年6月13日に、受託番号;FERM BP−10839としてそれぞれ寄託されている。また、GL−1株は、中華民国(台湾)食品工業発展研究所(FIRDI)に、2005年10月7日に受託番号BCRC930082として寄託されている。
ここでいう公知の変異処理とは、セルラーゼ生産能を有する微生物を、必要であれば紫外線照射やニトロソグアニジンのような変異誘発剤を使用し、変異誘導処理し、それらの菌株からセロオリゴ糖生産効率の高い菌株を選ぶ処理のことである。変異誘導処理に用いる微生物としては、親株としてTrichoderma reesei GL−1株(独立行政法人産業技術総合研究所、特許生物寄託センター、受託番号;FERM BP−10323)、またはTrichoderma reesei AKC−015株(独立行政法人産業技術総合研究所、特許生物寄託センター、受託番号;FERM BP−10839)を用いることが好ましい。
変異処理の一例としては、例えば、以下の方法が挙げられる。
Trichoderma reesei GL−1株またはAKC−015株を、ポテトデキストロース寒天斜面培地上で28℃、3〜10日間培養する。生成した胞子を生理的食塩水に100,000〜100,000,000 個/mlになるよう懸濁し、EMS(ethyl methane sulfonate)で変異処理を施す(100〜500μg/ml、pH7.0、28℃、5〜24時間)。セロオリゴ糖生産性の高いセルラーゼを分泌する菌株の選択は、この変異誘発処理胞子の懸濁液から遠心分離により胞子を集め、よく洗浄し、グルコースなどを炭素源として培養し、培養物の酵素活性を公知の方法で測定することで達成される。例えば、各変異処理菌株の培養物を用いて、セロビオースまたは結晶セルロースを基質として酵素分解し、生成した還元糖を定量してもよく、公知の発色基質を使用し培養物と酵素反応させることで定性的に目的の菌株を選択してもよい。
本発明の酵素液の製造方法で使用する本培養用培地は、アオイ科に属する植物の種子由来の成分を含有することが必要である。アオイ科に属する植物の種子としては、ワタ、オクラ、ハイビスカス、ムクゲ、フヨウ、タチアオイなどの種子が挙げられ、好ましくは、綿実などを使用できる。アオイ科に属する植物の種子由来の成分としては、例えば、綿実粕を用いるこができる。ここでいう綿実とは、アオイ科ワタ属に属する植物の種子、およびその外皮のことであり、綿実粕とは、綿実から綿実油を搾取した残さのことである。本発明の綿実粕は、上述の綿実に加え、種子、綿実殻、リンター、綿花、花弁等を含んでもよい。Tricoderma属に属する微生物を培養するための培地における綿実の添加量は、酵素液のセルラーゼ活性と密接に関連するものであり、高力価のセルラーゼを得る為には、培地における綿実粕の添加量は、0.1〜10質量%が必要である。培地における綿実粕のより好ましい添加量としては、0.2〜7質量%であり、さらに好ましくは2〜5質量%である。
本発明のセロオリゴ糖を選択的に製造するβ−グルコシダーゼ活性の低減された酵素液を得るためには、アオイ科に属する植物の種子由来の成分に加えて、硫酸イオン、硫酸水素イオンおよびアンモニウムイオンから選ばれる少なくとも一つを液体培地に添加することが好ましく、特に、硫酸アンモニウムを液体培地に添加することが好ましい。培地における硫酸アンモニウムの添加量としては、0.01〜10質量%がβ−グルコシダーゼ活性を低減させるために好ましく、0.02〜2質量%がより好ましい。特に好ましい範囲としては0.1〜0.5質量%である。
本培養に用いる培地には上記記載の他に、炭素源としては、セルロースパウダー、セロビオース、濾紙、一般紙類、オガクズ、ふすま、もみがら、バガス、大豆粕、コーヒー粕、澱粉、ラクトース、グルコース、グリセロール、エタノール、有機酸等が挙げられる。また、窒素源としては硝安などの無機アンモニウム塩、尿素、アミノ酸、肉エキス、酵母エキス、ポリペプトン、蛋白分解物等の有機窒素含有物を添加することができる。無機塩類としては、KH2PO4、MgSO4・7H2O、CaCl2・2H2O、FeCl3・6H2O、MnCl3 ・4H2O、ZnSO4・7H2O等が使用される。必要ならば有機微量栄養物を含有する培地が使用される。
培養には通常の通気撹拌培養装置あるいは固体培養装置が用いられ、前記培地を使用して、温度20〜40℃、好ましくは26〜30℃、培養pH2〜8、好ましくは2.5〜5.5で培養すれば、3〜10日間でセルラーゼ活性は最高となる。次いで、培養液から遠心分離、濾過などの公知の方法によって菌体を除去し上澄液を得る。この上澄液は、このまま粗酵素液として使用することができる。
以下にセロオリゴ糖の製造方法を説明する。
酵素分解方法は、公知の方法を使用すればよく、特に制限されるものではないが、一例としては、基質としてセルロース系物質を水性媒体中に懸濁させ、本発明のセルラーゼを添加し、攪拌または振とうしながら、加温して糖化反応を行う方法が挙げられる。
上記方法において、懸濁方法、攪拌方法、セルラーゼ・基質の添加方法・添加順序、それらの濃度等の反応条件は、セロオリゴ糖がより高収率で得られるよう適宜調整されるものである。その際の、反応液のpH及び温度は、酵素が失活しない範囲内であればよく、一般的には、常圧で反応を行う場合、温度は5〜95℃、pHは1〜11の範囲でよい。また、この圧力、温度、pHについても、上記同様、セロオリゴ糖がより高収率で得られるよう適宜調整されるものであるが、上述のTricoderma reeesei GL−1株及び/またはAKC−015株、またはそれらの変異株をセルラーゼ生産菌とし、得られたセルラーゼを用いる場合には、セルロースの酵素分解は、常圧で、酢酸またはリン酸緩衝液中で、温度50〜60℃、pH3.0〜5.5の範囲で行うことが好ましい。
本発明で使用するセルロース系物質は、セルロースを含有する水不溶性繊維質物質であることが好ましい。その由来は、植物性でも動物性でもよく、それを産生する動植物としては、例えば、木材、竹、麦藁、稲藁、コーンコブ、コットン、ラミー、バガス、ケナフ、ビート、ホヤ、バクテリアセルロース等が挙げられる。また、本発明には、上記の動植物が産生する天然セルロース系物質に加え、天然セルロース系物質を一旦、化学的・物理的に溶解、または膨潤させた後、再生して得られる再生セルロース系物質、およびセルロース系原料を化学的に修飾させたセルロース誘導体系物質を用いてもよい。これらのセルロース系物質は、工業的には、パルプ、セルロース粉末、結晶セルロース等の天然セルロース系原料、レーヨン等の再生セルロース、アルカリセルロース、リン酸膨潤セルロース等の各種再生セルロース系原料、カルボキシメチルセルロースナトリウム等の各種セルロース誘導体系原料のいずれでもよい。但し、得られるセロオリゴ糖を医薬品、食品、化粧品に用いるには、天然セルロース系原料を使用することがより好ましい。原料としてこれらのうち1種のセルロース系物質を使用しても、2種以上を混合したものを使用することも可能である。
この酵素反応は、バッチ式で行っても、連続式で行ってもよい。酵素分解反応において、セロビオースによる生成物阻害を回避するためには、反応系内のセロビオース濃度を特定範囲に保つことが、セロオリゴ糖の生産性を向上する上で重要である。反応系内のセロビオース濃度を特定範囲に保つ方法としては、限外ろ過、逆浸透ろ過等の膜ろ過により、反応系から生成したセロビオースを抜き出す方法でもよく、活性炭、竹、木材等の乾燥植物粉等の有機多孔質基材、二酸化珪素等の無機多孔質基材等を反応系に導入し、それらにセロビオースを吸着させる方法でもよく、セルロース基質をカラム等に固定化し、セルラーゼを含む反応液を流通させる方法でもよく、セルラーゼを高分子等に固定化し、セルロースを含む反応液を流通させる方法でもよい。
上述の酵素分解により得られたセロオリゴ糖を主成分とする水溶液は、必要に応じて、脱色、脱塩、酵素除去等の精製処理を施すことができる。精製方法は、公知の方法であれば特に制限されないが、例えば、活性炭処理、イオン交換樹脂処理、クロマトグラフィー処理、精密ろ過、限外ろ過、逆浸透ろ過等の濾過処理、晶析処理等を使用してもよく、これらを単独で使用しても、2種以上を組み合わせてもよい。
上記の方法で精製されたセロオリゴ糖を主成分とする水溶液は、そのまま使用することができるが、必要に応じて、乾燥により固化させてもよい。乾燥方法は、公知の方法であれば特に制限されないが、例えば、噴霧乾燥、凍結乾燥、ドラム乾燥、薄膜乾燥、棚段乾燥、気流乾燥、真空乾燥等を使用してもよく、これらを単独で使用しても、2種以上を組み合わせてもよい。
上記の精製、乾燥処理時のセロオリゴ糖の媒体としては、水以外に、必要に応じて、有機溶剤等を使用してもよい。ここで使用される有機溶剤にも、特に制限されないが、例えば、医薬品、食品およびそれらの添加剤を製造する工程で使用されるものが好ましく、「医薬品添加物事典」(薬事日報社(株)発行)、「日本薬局方」、「食品添加物公定書」(いずれも廣川書店発行)に溶剤として分類されるものが挙げられる。水、有機溶剤は、それらを単独で使用しても、2種以上を併用することも自由であり、1種の媒体で一旦分散させた後、その媒体を除去し、異なる媒体に分散させてもよい。
上記の工程を経たセロオリゴ糖の形態には、特に制限はないが、例えば、常温で固体、懸濁液、エマルジョン、シロップ、溶液状で使用できる。固体状セロオリゴ糖の一例としては、粉末、顆粒、ペレット、成形体、積層体、固体分散体等が挙げられる。
本発明により得られるセロオリゴ糖の用途は、特に制限されないが、例えば、食品、化粧品、医薬品、一般工業製品等の分野で、食品成分、化粧品成分、色素成分、香料成分、医薬品薬効成分、農薬成分、飼料成分、肥料成分、培地成分、分析用試薬成分、および添加剤、中間原料、発酵原料等として使用してもよい。
本発明により得られるセロオリゴ糖は、食品では、例えば、ゼリー、プリン、ヨーグルト等のゲル、マヨネーズ、ドレッシング、ソース類、たれ類、スープ、野菜加工品等の調味料、カレー、ハヤシ、ミートソース、シチュー、スープ等のレトルト食品、チルド食品、ハンバーグ、ベーコン、ソーセージ、サラミソーセージ、ハム類等の畜産加工品、蒲鉾、ちくわ、魚肉ハム・ソーセージ、揚げ蒲鉾等の水練製品、パン、生麺、乾麺、マカロニ、スパゲッティ、中華饅頭の皮、ケーキミックス、プレミックス、ホワイトソース、餃子・春巻等の皮類などの小麦加工食品、カレー、ソース、スープ、佃煮、ジャムなどの缶詰、瓶詰類、キャンデー、トローチ、錠菓、チョコレート、ビスケット、クッキー、米菓、和洋菓子、洋生菓子、スナック菓子、砂糖菓子、プリンなどの菓子類、フライ類、コロッケ、餃子、中華饅頭等の調理加工品、野菜ペースト、肉のミンチ、果実ペースト、魚介類のペースト等のペースト類などに使用される。また、アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、ホイップクリーム、練乳、バター、ヨーグルト、チーズ、ホワイトソース等の乳製品、マーガリン、ファットスプレッド、ショートニング等の油脂加工品等に使用される。さらに、コーラ等の炭酸飲料、炭酸入り、アルコール入り、乳製品と混合した果実飲料、果汁又は、果実入り飲料、乳性飲料等の飲料、コーヒー、牛乳、豆乳、ココア牛乳、フルーツ牛乳、ヨーグルト等の乳酸/乳性飲料等、煎茶、ウーロン茶、抹茶、紅茶等の茶飲料等に使用してもよい。
本発明で得られたセロオリゴ糖は、乳酸菌、乳酸かん菌等の活性化等の腸内有用細菌叢賦活、血中糖濃度、血中インシュリン濃度の低減、血中コレステロールの低減、体脂肪率の低減、脂質・糖質代謝促進機能、便通・便臭改善、抗う触性等の各種生理活性が期待できるため、上記の通常食品用途に加え、生理活性物質として、機能性食品、健康食品、ダイエット食品等の用途で使用してもよい。
また、本発明により得られるセロオリゴ糖は、高純度であるため、各種セロオリゴ糖誘導体への化学変換原料として使用してもよい。
本発明を実施例などに基づいて更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例などにより何ら限定されるものではない。
[実施例1]
Tricoderma reesei GL−1株(独立行政法人産業技術総合研究所、特許生物寄託センター、受託番号;FERM BP−10323)をポテトデキストロース寒天斜面培地上で、28℃、7日間培養して胞子を十分形成させる。その1白金耳を綿実粕(ファーマメディア、トレダース社製):0.15g、KH2PO4:0.06g、(NH42SO4:0.045g、MgSO4・7H2O:0.009g、CaCl2・2H2O:0.009g、アデカノールLG109:0.03mL、微量元素液(H3BO36mg (NH46Mo724・4H2O 26mg FeCl3・6H2O 100mg CuSO4.5H2O 40mg MnSO4・5H2O 8mg ZnSO4・7H2O 200mgを水100mlに溶解並びに懸濁した液):0.03mlを水:30mlに溶解及び懸濁させ、pH4.0に調整し、150ml容三角フラスコに30ml分注し、結晶セルロース(旭化成ケミカルズ製、商品名PH−101)0.3gを添加後、オートクレーブ滅菌した前培養用培地に接種して、28℃で3日間前培養した。
次にこの培養液を綿実粕:2g、KH2PO4:0.2g、MgSO4・7H2O:0.03g、CaCl2・2H2O:0.03g、アデカノールLG109:0.1ml、微量元素液:0.1mlを水:100mlに溶解及び懸濁させ、pH4.0に調整し、500ml容三角フラスコに100ml分注し、結晶セルロース(旭化成ケミカルズ製、商品名PH−101)2gを添加後、オートクレーブ滅菌した本培養用培地に接種して、28℃で6日間培養した。6日目に培養液を遠心分離し、その上澄1mLのセルラーゼ活性(CMCase)を測定した。その結果を、ファーマメディア−2%として、図1に示す。
[実施例2]
Tricoderma reesei GL−1株をポテトデキストロース寒天斜面培地上で、28℃、7日間培養して胞子を十分形成させる。その1白金耳を綿実粕(ファーマメディア、トレダース社製):0.15g、KH2PO4:0.06g、(NH42SO4:0.045g、MgSO4・7H2O:0.009g、CaCl2・2H2O:0.009g、アデカノールLG109:0.03ml、微量元素液(H3BO36mg (NH46Mo724・4H2O 26mg FeCl3・6H2O 100mg CuSO4.5H2O 40mg MnSO4・5H2O 8mg ZnSO4・7H2O 200mgを水100mlに溶解並びに懸濁した液):0.03mlを水30mlに溶解及び懸濁させ、pH4.0に調整し、150ml容三角フラスコに30ml分注し、結晶セルロース(旭化成ケミカルズ製、商品名PH−101)0.3gを添加後、オートクレーブ滅菌した前培養用培地に接種して、28℃で3日間前培養した。
次にこの培養液を綿実粕:1g、KH2PO4:0.2g、MgSO4・7H2O:0.03g、CaCl2・2H2O:0.03g、アデカノールLG109:0.1ml、微量元素液0.1mlを水100mlに溶解及び懸濁させ、pH4.0に調整し、500ml容三角フラスコに100ml分注し、結晶セルロース(旭化成ケミカルズ製、商品名PH−101)2gを添加後、オートクレーブ滅菌した本培養用培地に接種して、28℃で6日間培養した。6日目に培養液を遠心分離し、その上澄1mLのセルラーゼ活性(CMCase)を測定した。その結果を、ファーマメディア−1%として、図1に示す。
[比較例1]
実施例1、または2と同様の方法において、本培養用培地の綿実粕(実施例1では1g、実施例2では2g)を使用するかわりに、小麦フスマ(日本製粉)2gまたは1g(それぞれ小麦フスマ−2%、1%とする)、コーンスティープリカー(和光純薬製)2gまたは1g(それぞれコーンスティープリカー−2%、1%とする)、を含んだ本培養用培地を用いるほかは実施例1と同様の方法でTricoderma reesei GL−1株を6日間培養した。6日目に培養液を遠心分離した後、その上澄1mLのセルラーゼ活性(CMCase)を測定し、それぞれの結果を図1に示す。
[実施例3]
Tricoderma reesei GL−1株をポテトデキストロース寒天斜面培地上で、28℃、7日間培養して胞子を十分形成させる。その1白金耳を綿実粕(ファーマメディア、トレダース社製):0.15g、KH2PO4:0.06g、(NH42SO4:0.045g、MgSO4・7H2O:0.009g、CaCl2・2H2O:0.009g、アデカノールLG109:0.03ml、微量元素液(H3BO36mg (NH46Mo724・4H2O 26mg FeCl3・6H2O 100mg CuSO4.5H2O 40mg MnSO4・5H2O 8mg ZnSO4・7H2O 200mgを水100mlに溶解並びに懸濁した液):0.03mlを水30mlに溶解及び懸濁させ、pH4.0に調整し、150ml容三角フラスコに30ml分注し、結晶セルロース(旭化成ケミカルズ製、商品名PH−101):0.3gを添加後、オートクレーブ滅菌した前培養用培地に接種して、28℃で3日間前培養した。
次にこの培養液を綿実粕:2g、(NH42SO4 :0.15g、KH2PO4:0.2g、MgSO4・7H2O:0.03g、CaCl2・2H2O:0.03g、アデカノールLG109:0.1ml、微量元素液:0.1mlを水100mlに溶解及び懸濁させ、pH4.0に調整し、500ml容三角フラスコに100ml分注し、結晶セルロース(旭化成ケミカルズ製、商品名PH−101)2gを添加後、オートクレーブ滅菌した本培養用培地に接種して、28℃で6日間培養した。6日目に培養液を遠心分離した後、その上澄1mLのセルラーゼ活性(CMCase)、セルラーゼ活性(MCCase)及びβ−グルコシダーゼ活性を測定し、それぞれの結果を表1、2及び表3に示す。
[実施例4]
Tricoderma reesei GL−1株をポテトデキストロース寒天斜面培地上で、28℃、7日間培養して胞子を十分形成させる。その1白金耳を綿実粕(ファーマメディア、トレダース社製) 0.15g、KH2PO4:0.06g、(NH42SO4:0.045g、MgSO4・7H2O:0.009g、CaCl2・2H2O:0.009g、アデカノールLG109:0.03ml、微量元素液(H3BO36mg (NH46Mo724・4H2O 26mg FeCl3・6H2O 100mg CuSO4.5H2O 40mg MnSO4・5H2O 8mg ZnSO4・7H2O 200mgを水100mlに溶解並びに懸濁した液):0.03mlを水30mlに溶解及び懸濁させ、pH4.0に調整し、150ml容三角フラスコに30ml分注し、結晶セルロース(旭化成ケミカルズ製、商品名PH−101):0.3gを添加後、オートクレーブ滅菌した前培養用培地に接種して、28℃で3日間前培養した。
次にこの培養液を綿実粕:1g、(NH42SO4:0.15g、KH2PO4:0.2g、MgSO4・7H2O:0.03g、CaCl2・2H2O:0.03g、アデカノールLG109:0.1ml、微量元素液:0.1mlを水100mlに溶解及び懸濁させ、pH4.0に調整し、500ml容三角フラスコに100ml分注し、結晶セルロース(旭化成ケミカルズ製、商品名PH−101)2gを添加後、オートクレーブ滅菌した本培養用培地に接種して、28℃で6日間培養した。6日目に培養液を遠心分離した後、その上澄1mLのセルラーゼ活性(CMCase)、セルラーゼ活性(MCCase)及びβ−グルコシダーゼ活性を測定し、それぞれの結果を表1、2及び表3に示す。
[実施例5]
実施例1と同様に培養して得られた培養液の上澄1mLのセルラーゼ活性(CMCase)、セルラーゼ活性(MCCase)及びβ−グルコシダーゼ活性を測定し、それぞれの結果を表1、2及び表3に示す。
[実施例6]
実施例2と同様に培養して得られた培養液の上澄1mLのセルラーゼ活性(CMCase)、セルラーゼ活性(MCCase)及びβ−グルコシダーゼ活性を測定し、それぞれの結果を表1、2及び表3に示す。
Figure 2009022415
表1は、本培養用培地の成分として、綿実粕(表中ではファーマメディアと記載)および硫酸アンモニウム(表中では硫安と記載)の添加量毎の培養液のCMCase活性(相対値、単位はU)を比較したものである。培地に硫酸アンモニウムを添加すると、綿実粕が低添加量であってもCMCaseを向上し得ることが分かる。
Figure 2009022415
表2は、本培養用培地の成分として、綿実粕(表中ではファーマメディアと記載)および硫酸アンモニウム(表中では硫安と記載)の添加量毎の培養液のMCCase活性(相対値、単位はU)を比較したものである。培地に硫酸アンモニウムを添加すると、綿実粕が低添加量であってもMCCaseを向上し得ることが分かる。
Figure 2009022415
表3は、本培養用培地の成分として、綿実粕(表中ではファーマメディアと記載)および硫酸アンモニウム(表中では硫安と記載)の添加量毎の培養液のβ−グルコシダーゼ活性(相対値、単位はU)を比較したものである。培地に硫酸アンモニウムを添加すると、表1および表2に示すセルラーゼ活性(CMCase、MCCase)が向上し、かつβ−グルコシダーゼ活性が低減していることが分かる。
従って、培地に綿実粕と、硫酸アンモニウムを添加することで、セルラーゼ活性を向上し、β−グルコシダーゼ活性を低減できるため、セルロース系物質の酵素分解において、本発明の酵素液を用いると、セロオリゴ糖が高収率で得られることが期待される。
[実施例7]
本培養用培地100mlに綿実粕:5gを入れる以外は実施例4と同様にして培養して、7日目に培養液を遠心分離した後、上澄1mLのセルラーゼ活性(CMCase)及びセルラーゼ活性(MCCase)は58.4及び19.4であった。
[実施例8]
本培養用培地100mlに綿実粕:7gを入れる以外は実施例4と同様にして培養して、7日目に培養液を遠心分離した後、上澄1mLのセルラーゼ活性(CMCase)及びセルラーゼ活性(MCCase)は17.9及び8.0であった。
[実施例9]
Tricoderma reesei GL−1株をポテトデキストロース寒天斜面培地上で、28℃、7日間培養して胞子を十分形成させる。その1白金耳を綿実粕(ファーマメディア、トレダース社製) 0.15g、KH2PO4:0.06g、(NH42SO4:0.045g、MgSO4・7H2O:0.009g、CaCl2・2H2O:0.009g、アデカノールLG109:0.03ml、微量元素液(H3BO36mg (NH46Mo724・4H2O 26mg FeCl3・6H2O 100mg CuSO4.5H2O 40mg MnSO4・5H2O 8mg ZnSO4・7H2O 200mgを水100mlに溶解並びに懸濁した液):0.03mlを水30mlに溶解及び懸濁させ、pH4.0に調整し、150ml容三角フラスコに30ml分注し、結晶セルロース(旭化成ケミカルズ製、商品名PH−101):0.15gを添加後、オートクレーブ滅菌した前培養用培地に接種して、28℃で6日間前培養した。培養6日目に、GL−1株の培養液を遠心分離した後、その上澄1mLのセルラーゼ活性(CMCase)およびβ−グルコシダーゼ活性を測定したところ、CMCaseが29.4U、β−グルコシダーゼ活性が0.145Uであった。
上記と同様の操作において、使用した菌株をGL−1株から、AKC−015株に代えて、培養し、培養液を遠心分離した後、その上澄1mLのセルラーゼ活性(CMCase)およびβ−グルコシダーゼ活性を測定したところ、CMCaseが37.0U、β−グルコシダーゼ活性が0.046であった。
本発明の製造方法により得られるセロオリゴ糖は、通常の食品素材に加え、機能性食品素材、医薬品およびその他化学品の中間体合成材料等の化学変換原料、発酵原料として食品、医薬品、一般工業製品分野で好適に利用できる。
図1は、綿実粕と、その他の本培養用培地成分のCMCase活性(相対比)を比較したものである。綿実粕で培養した培養液は、他の培地成分系に比べて、同一培養条件において、高いCMCase活性(相対比)を示した。

Claims (8)

  1. アオイ科に属する植物の種子由来の成分を含有する液体培地においてTrichoderma属に属する微生物を培養することを含む、セルラーゼを含む酵素液の製造方法。
  2. アオイ科に属する植物の種子が綿実であることを特徴とする請求項1に記載の酵素液の製造方法。
  3. 綿実由来の成分として綿実粕を0.1〜10質量%含有する液体培地においてTrichoderma属に属する微生物を培養することを特徴とする請求項2に記載の酵素液の製造方法。
  4. 液体培地が、硫酸イオン、硫酸水素イオンおよびアンモニウムイオンから選ばれる少なくとも一つを含有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の酵素液の製造方法。
  5. 微生物がTrichoderma reeseiに属する菌株であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の酵素液の製造方法。
  6. Trichoderma reeseiに属する菌株が、Trichoderma reesei GL−1株(独立行政法人産業技術総合研究所、特許生物寄託センター、受託番号;FERM BP−10323)、および/またはTrichoderma reesei AKC−015株(独立行政法人産業技術総合研究所、特許生物寄託センター、受託番号;FERM BP−10839)、および/またはGL−1株もしくはAKC−015株を親株として得られる変異株であることを特徴とする請求項5に記載の酵素液の製造方法。
  7. Trichoderma reesei AKC−015株(独立行政法人産業技術総合研究所、特許生物寄託センター、受託番号;FERM BP−10839)を培養することを含む、セルラーゼを含む酵素液の製造方法。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の製造方法により製造された酵素液を用いて、セルロース系物質を酵素分解することを含む、セロオリゴ糖の製造方法。
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