JP2002097006A - 窒化アルミニウムの製法 - Google Patents
窒化アルミニウムの製法Info
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Abstract
水素から成る混合ガス中で還元窒化反応させることによ
り窒化アルミニウムを製造する方法に関し、この還元窒
化反応をより詳細に検討し、粒子形態に注目した生成粉
末の特性評価を行なうことにより、モルフォロジーに関
する解析や条件の最適化等を検討した。 【解決手段】 この発明は、アルミナをアンモニア及び
炭化水素から成る混合ガス中で還元窒化反応させること
により窒化アルミニウム(AlN)を製造する方法にお
いて、該アルミナがδ-Al2O3及びθ-Al2O3の
少なくとも一方を含むことを特徴とする窒化アルミニウ
ムの製法である。この出発物質であるアルミナの形状を
所望の形状にしておくことにより、その形状を保持した
AlNを得ることができる。生成するAlNは、窒化の
程度によって、完全にAlNとすることも、また未反応
のAl2O3を含むAlN/Al2O3複合物(この場
合には外皮部分がAlN、内部がAl2O3となる。)
とすることもできる。
Description
モニア及び炭化水素から成る混合ガス中で還元窒化反応
させることにより窒化アルミニウムを製造する方法に関
する。
導率(〜320W/mK)、優れた電気絶縁性、及びシ
リコンに近い熱膨張係数によって特徴付けられ、高放熱
性の半導体実装用基板をはじめ、半導体封止用樹脂への
フイラーとしての応用が期待されている。しかしなが
ら、従来のアルミナセラミックス等と比較して高コスト
であることがその汎用化の大きな障害となっており、原
料粉末のより効率的な合成技術の開発が強く求められて
いる。現在、AlN粉末の合成は工業的には金属アルミ
ニウムの直接窒化法とアルミナ(Al2O3)の炭素還
元窒化法により行われているが、これら既存の合成法は
最低3工程以上のプロセスを要すると同時に、それぞれ
不純物レベルやコスト面での課題を擁している。
の還元窒化は本質的に気−固相間の反応であり、出発原
料の形態保持の可能性が期待されると同時に、原料を所
定の雰囲気下で焼成する単一工程のみでAl2O3から
のAlN合成を可能とするなど、既存の合成法にない多
くの特長を有している。NH3を反応ガスとして用いた
Al2O3の還元窒化に関しては少数の研究事例が報告
されているが( M.Hoch and K. M. Nair, Ceram. Bull.
58, 187 (1979)、J. Rocherulle, J. Guyader, P. Ver
dier and Y. Laurent, Rev. Int. Hautes Temper. Refr
act. 22, 83 (1985).)、生成物のモルフォロジーに関
する報告はなされていないのが現状である。また熱力学
的な制約から、現実的な条件下で窒化を達成し得るAl
N合成法としての成立は困難であるとみなされている
( J. M. Haussonne, Mater. Manuf. Processes 10, 71
7 (1995).)。
ミナ又はその前駆体をアンモニアと炭化水素との混合ガ
ス雰囲気下1000〜1500℃で仮焼し、この仮焼物
を同様の雰囲気下1300〜1700℃で還元窒化する
ことにより窒化アルミニウムを製造する方法を開示して
いる。この公報によれば、流量が10リットル/分のN
H3及び流量が0.5リットル/分のC3H8を供給し
つつアルミナの還元窒化反応を行っているが、そのモル
フォロジーに関する解析や条件の最適化等が十分検討さ
れていないため、その窒化率は高くない。また、特開平
9−52769は、γ−アルミナ又はその前駆体を炭化
水素を0.5容積%含むアンモニアガス中で1200〜
1700℃で加熱して窒化アルミニウムを製造する方法
を開示しているが、還元窒化反応の原料としてγ−Al
2O3のみを用いることにより良好な窒化アルミニウム
を得ており、原料としてδ−Al2O3、α−Al2O
3、θ−Al2O3等を用いた場合には高い窒化率を得
ることができていない。
鑑み、NH3及び炭化水素を反応ガスとするAl2O3
の還元窒化反応をより詳細に検討し、粒子形態に注目し
た生成粉末の特性評価を行なうことにより、モルフォロ
ジーに関する解析や条件の最適化等を検討することは価
値のあることと考えられる。
ミナをアンモニア及び炭化水素から成る混合ガス中で還
元窒化反応させることにより窒化アルミニウム(Al
N)を製造する方法において、該アルミナがδ-Al2
O3及びθ-Al2O3の少なくとも一方を含むことを
特徴とする窒化アルミニウムの製法である。この出発物
質であるアルミナの形状を所望の形状にしておくことに
より、その形状を保持したAlNを得ることができる。
この形状保持については実質的に形状保持されておれば
本発明の目的を達成したことになる。生成するAlN
は、窒化の程度によって、完全にAlNとすることも、
また未反応のAl2O3を含むAlN/Al2O3複合
物(この場合には外皮部分がAlN、内部がAl2O3
となる。)とすることもできる。
熱力学的に考察する。Al2O3−NH3系及びAl2
O3−NH3−C3H8系における種々の反応の標準G
ibbsエネルギー変化の比較を図1に示す。NH3に
よるAl2O3の還元窒化反応は次式による。 Al2O3+2NH3(g) → 2AlN+3H2O(g) (1) (1)式によるAlN生成を進行させるためには、雰囲
気中のH2O分圧をその平衡分圧(例えば、1600
K、0.034atm)以下に保つことが必要とされ
る。対照的に、次式 Al2O3+2NH3(g)+C3H8(g)→2AlN+3CO(g)+7H2(g) (2 ) に従うAl2O3−NH3−C3H8系のAlN生成反
応の△G°値は、本研究の反応温度域において極めて大
きな負の値をとる。一方、対象となる温度域ではC3H
8の熱分解と共に、C3H8とNH3間の反応( F. K.
van Dijen and J. Pluijmakers, J Euro. Ceram. Soc.
5, 385 (1989) )が発生する可能性が考えられ、熱力
学的には以下の反応式を考慮する必要がある。 Al2O3+2NH3(g)+3C → 2AlN+3CO(g)+3H2(g) ( 3) Al2O3+3NCN(g) → 2AlN+3CO(g)+3/2H2(g)+1/2N2(g) (4) いずれの還元窒化反応においても、NH3の解離により
生じる活性窒素や水素の存在が重要な役割を果たしてい
るものと考えられる。
は、純粋な組成または僅かな他成分を含む場合も含め
て、極めて多くの結晶学的形態が認められている。本発
明においては、この中から特に、δ-Al2O3及びθ-
Al2O3の少なくとも一方を含み、形態保持を期待す
るアルミナ粉体粒子やアルミナ繊維等を出発物質として
用いるところに特徴がある。即ち、アルミナはδ-Al
2O3若しくはθ-Al2O3の純品でもよく、又はこ
れらを両方から成るものでもよく、更にこれらを主原料
として他成分を含むものであってもよい。δ-Al2O
3は、スピネル又はスピネル類似構造をとり、立方最密
充填した32個の酸素の間の8個の4配位サイト、16
個の6配位サイトにカチオンが入り込んだ構造をとる。
一方、θ-Al2O3は、単斜晶系で、酸素は極めてゆ
がんだ立方最密充填に近い配列をし、Alはその半数ず
つが、6配位と4配位をとる。このように、δ-Al2
O3とθ-Al2O3は、結晶構造の対称性が悪く、し
かもAlは局所的には4配位に配位していることから、
4配位をとるAlNに近い構造にあると考えられる。そ
のため、これらはAlNを得るための原料に極めて適し
ているといえる。
炭化水素から成る。このアンモニアとしては特に制限は
無い。炭化水素は本発明の反応条件下で気体であること
が条件となるが、プロパンやLPG等の短鎖のアルカン
やその混合物が用い易い。混合ガス中のアンモニアに対
する炭化水素の割合は3容積%以下、好ましくは0.1
〜2容積%、より好ましくは0.5〜1容積%である。
本発明の方法はアルミナの還元窒化反応に基づく。反応
の全圧はほぼ常圧でよいが、NH3圧が高いと窒化率は
高くなると考えられる。反応温度は1200〜1700
℃、好ましくは1350〜1600℃である。この温度
範囲内で低温にすると形状保持が容易に達成される。反
応時間は温度及び採取量によって決まるが通常数時間以
内である。本発明においては、還元窒化反応により所定
の形状をしたアルミナは外部から窒化され、所望の形状
をしたアルミナの形態のまま窒化反応が進むため、窒化
の程度のよっては、中間形態として、この形状の外皮部
分がAlNで内部がAl2O3という形態をとることも
あり、これから窒化が進めば完全にAlNとなる。従っ
て、窒化率が約50%以上、好ましくは約80%以上で
あれば、所望の形状をとりかつ外皮がAlNという形態
をとり、更に好ましくは95%以上で全体がほぼAlN
からなることで、本発明の目的を達成したものというこ
とができる。
は本発明を制限することを意図したものではない。実施例1 出発原料として球状の形態を持つアルミナ(平均粒径
0.91μm、比表面積6〜8m2/g、結晶相δ−A
l2O3、θ−Al2O3)を用いて、150μmの篩
で強制通篩を行った。このアルミナ粉末0.5gを高純
度アルミナボート(焼成ごとに大気中1400℃で空気
酸化した。)に載せ、内径42mmの高純度アルミナ製
炉心管からなる横型管状炉に挿入した。次に、これを1
50ml/分の純度99.995%のアルゴン気流中で
300℃/時間で900℃まで加熱した。更に、純度9
9.97%のアンモニアガスに純度99.99%のプロ
パンガスが0、0.5、1、2容積%となるように混合
したガスの流量4ml/分のガス気流中で、焼成温度ま
で500℃/時間で昇温した。この焼成温度は140
0、1450、1500℃とした。この焼成温度での保
持時間を0(昇温後直ちに冷却)、0.5、1、2、4
時間とした。この保持時間の保持終了とともにプロパン
の供給を停止した。次に、1リットル/分のアンモニア
気流中で1200℃まで350℃/時間で降温した。1
200℃に達したらアンモニアの供給を停止した。更
に、350℃/時間で冷却し、500℃において雰囲気
をアルゴンで置換した。室温に達したら試料を取り出
し、これを解砕せずに保存した。窒化率は焼成前後の質
量減少率から計算した。構成相は粉末X線回折(CuK
α、10〜80°)で同定した。生成物の形態は走査型
電子顕微鏡(SEM)で観察した。
した反応ガス気流中、1400℃で2時間の焼成を行
い、炭化水素添加の効果について検討した結果、生成粉
末の窒化率は75〜78%の範囲でほぼ一定の値を示し
た(図2)。この結果は2時間焼成時点の反応率がC3
H8分圧に殆ど依存していない事を示唆している。一
方、X線回折による分析から、NH3単独で還元窒化を
行った試料では未反応残留アルミナが主にα−Al2O
3であるのに対し、C3H8添加系では残留アルミナの
主要な構成相がθ−Al2O3及びδ−Al2O3であ
ることが確認された。
て、1400℃で所定の保持時間(0〜2時間)焼成を
行った試料の窒化率を図3に示す。NH3ガスに対する
0.5%のC3H8添加により、特に反応初期において
著しい窒化促進が認められるが、反応率は長時間側にお
いて停滞する傾向を示した。両系における差異は図4及
び図5に示す様に出発原料の結晶形の変化にも顕著に現
れている。NH3単独で還元窒化を行った場合(図
4)、合成温度に到達した時点で出発原料の大部分が高
温安定相であるコランダム型構造のα−Al2O3に転
移している様子が観察される。一方、図5に示したC3
H8添加系ではアルミナの結晶系の転移が見られず、α
−Al2O3を経由することなくAlNの形成が速やか
に進行してゆく様子が確認される。AlNのウルツ鉱型
構造ではAlはNの4配位のサイトに配置されるが、A
l原子の全てが酸素の6配位位置を占めるコランダムに
対し、その半数が4配位をとる遷移アルミナからの構造
変化(即ち、NとOの置換)はより容易に進行すること
が予想される。この様にNH3−0.5容積%C3H8
系で見られた窒化促進作用(図5)は、C3H8添加に
よる反応促進効果とコランダムヘの結晶転移抑制の相乗
効果により達成されているものと考えられる。
500℃の温度範囲で30分の焼成を行った試料につい
て測定した窒化率を図6に示す。また、各温度における
結晶形を図7に示す。焼成温度の上昇と共に窒化率の値
は向上し、1500℃においては約94%に達している
ことが確認された。この様な低温・短時間の条件下にお
ける窒化の達成はCaF2及びCaCO3等の添加を行
った炭素還元窒化法による合成例( K. Komeya, E. Mit
suhashi and T. Meguro, J Ceram. Soc. Jpn. 101, 373
(1993) )に匹敵する結果であり、効率的な高純度Al
N粉末の新規合成プロセスとして、本合成法の適用が有
効であることを示している。
物の粒子形態に関して考察を行う。図8にNH3及びC
3H8(濃度0〜2容積%)の混合ガス気流中で140
0℃において2時間焼成を行った合成粉末のSEM写真
を示す。図8の右下には、比較のため、原料としたアル
ミナのSEM写真を示すが、その形状は0.1〜1.5
の径を有するはっきりとした球状である。C3H8濃度
0容積%(NH3のみ)及びC3H8濃度2容積%の場
合には、還元窒化後の粉末の軽微な凝集が見られるが、
C3H8濃度0.5容積%の場合には還元窒化後アルミ
ナの形状がほぼそのまま保持されているのが分かる。図
9(a)にNH3気流中、及び、図9(b)にNH3に
0.5容積%のC3H8を添加した反応ガス気流中で1
400℃において所定の反応時間(0〜1時間)焼成を
行った合成粉末のSEM写真を示す。還元窒化後の粉末
の凝集は軽微であり、解砕工程を必要とすることなく出
発原料の粒子形態を保持したAlN粉末が得られたこと
が確認された。両反応系共に焼成時間の増加に伴い、微
細粒子間の焼結等により粒子形状の変化が進行すること
が推察され、特にC3H8無添加系ではコランダム相が
粒子形状変化に関与して、もとのアルミナ形態を十分に
保つことが困難であると考えられる。これに対しC3H
8ガス添加による反応時問の短縮化は、より完全な粒子
形状の保持と、高い窒化率を同時に達成するという観点
からも有効であるものと考えられる。
及び比較のためα−Al2O3からなる同様のアルミナ
繊維を出発原料として実施例1と同様に窒化反応を行い
(プロパンガス0.5%、アンモニア1リットル/分の
流量で14500℃×1時間の焼成)、窒化アルミニウ
ム繊維を作製した。生成物は下記のとうりであるが、θ
−Al2O3を原料とした方が窒化率が高く形状保持は
優れるという結果を得た。θアルミナ繊維を原料とした
場合:窒化率98%、原料と同じ形態を保持し、表面も
平滑であった。αアルミナ繊維を原料とした場合:窒化
率88%、原料とほぼ同じ形態を保持し、表面は平滑で
はなかった。
径約2μmで粒径のそろったアルミナ粒子を出発原料と
して実施例1と同様に窒化反応を行い(プロパンガス
0.5%、アンモニア1リットル/分の流量で1450
℃×2時間の焼成)、出発原料と同等の粒径のそろった
球状の窒化アルミニウム粉末を得た。窒化率はほぼ10
0%であった。
l2O3の少なくとも一方を含むアルミナについて、N
H3ガスに対するC3H8ガスの微量添加により、還元
窒化反応が著しく促進され、NH3ガス単独による場合
と比較して極めて短時間で還元窒化が達成し得ることが
判明した。NH3−0.5容積%C3H8系による合成
を行った結果、AlN生成の反応率は1500℃、30
分の条件下において約90%以上に達し、効率的な高純
度ALN粉末の新規合成プロセスとして、本合成法の適
用が有効であることが示された。また同時に、原料Al
2O3の形態保持が可能であることが見出された。
−C3H8系における種々の反応の標準Gibbsエネ
ルギー変化の比較を示す図である。
る。
系に関して、1400℃で所定の保持時間焼成を行った
試料の窒化率を示す図である。
折パターンを加熱時間に対して示す図である。
末のX線回折パターンを加熱時間に対して示す図であ
る。
00〜1500℃の温度範囲で30分の焼成を行った試
料について測定した窒化率を示す図である。
を示す図である。
流中で1400℃において2時間焼成を行った合成粉末
のSEM写真を示す図である。図の右下に示す出発原料
のアルミナの球状形状と比べると、直径が1.5、0.
5及び0.1μm程度の球がこの範囲のC3H8濃度に
対しても若干の凝縮も認められるがその形状を保持して
いることが見てとれる。
C3H8ガス気流中(b)で1400℃において所定の
反応時間焼成を行った合成粉末のSEM写真を示す図で
ある。図8右下に示す出発原料のアルミナの球状形状と
比べると、直径が1.5、0.5及び0.1μm程度の
球が反応時間の進行してもその形状を保持していること
が見てとれる。
5)
導率(〜320W/mK)、優れた電気絶縁性、及びシ
リコンに近い熱膨張係数によって特徴付けられ、高放熱
性の半導体実装用基板をはじめ、半導体封止用樹脂への
フィラーとしての応用が期待されている。しかしなが
ら、従来のアルミナセラミックス等と比較して高コスト
であることがその汎用化の大きな障害となっており、原
料粉末のより効率的な合成技術の開発が強く求められて
いる。現在、AlN粉末の合成は工業的には金属アルミ
ニウムの直接窒化法とアルミナ(Al2O3)の炭素還
元窒化法により行われているが、これら既存の合成法は
最低3工程以上のプロセスを要すると同時に、それぞれ
不純物レベルやコスト面での課題を擁している。
には、純粋な組成または僅かな他成分を含む場合も含め
て、極めて多くの結晶学的形態が認められている。本発
明においては、この中から特に、δ-Al2O3及びθ-
Al2O 3の少なくとも一方を含み、形態保持を期待す
るアルミナ粉体粒子やアルミナ繊維等を出発物質として
用いるところに特徴がある。即ち、アルミナはδ-Al
2O3若しくはθ-Al2O3の純品でもよく、又はこ
れらの両方から成るものでもよく、更にこれらを主原料
として他成分を含むものであってもよい。δ-Al2O
3は、スピネル又はスピネル類似構造をとり、立方最密
充填した32個の酸素の間の8個の4配位サイト、16
個の6配位サイトにカチオンが入り込んだ構造をとる。
一方、θ-Al2O3は、単斜晶系で、酸素は極めてゆ
がんだ立方最密充填に近い配列をし、Alはその半数ず
つが、6配位と4配位をとる。このように、δ-Al2
O3とθ-Al2O3は、結晶構造の対称性が悪く、し
かもAlは局所的には4配位に配位していることから、
4配位をとるAlNに近い構造にあると考えられる。そ
のため、これらはAlNを得るための原料に極めて適し
ているといえる。
流中で1400℃において2時間焼成を行った合成粉末
のSEM写真を示す図である。図の右下に示す出発原料
のアルミナの球状形状と比べると、直径が1.5、0.
5及び0.1μm程度の球がこの範囲のC3H8濃度に
対して若干の凝縮も認められるがその形状を保持してい
ることが見てとれる。
C3H8ガス気流中(b)で1400℃において所定の
反応時間焼成を行った合成粉末のSEM写真を示す図で
ある。図8右下に示す出発原料のアルミナの球状形状と
比べると、直径が1.5、0.5及び0.1μm程度の
球が反応時間が進行してもその形状を保持していること
が見てとれる。
Claims (2)
- 【請求項1】 アルミナをアンモニア及び炭化水素から
成る混合ガス中で還元窒化反応させることにより窒化ア
ルミニウムを製造する方法において、該アルミナがδ-
Al2O3及びθ-Al2O3の少なくとも一方を含む
ことを特徴とする窒化アルミニウムの製法。 - 【請求項2】 所望の形状のアルミナを出発物質として
用い、請求項1に記載の製法に従って製造された製造物
であって、窒化率が少なくとも50%であり、形状保持
された製造物。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000285874A JP2002097006A (ja) | 2000-09-20 | 2000-09-20 | 窒化アルミニウムの製法 |
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---|---|---|---|
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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ID=18769875
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JP2000285874A Pending JP2002097006A (ja) | 2000-09-20 | 2000-09-20 | 窒化アルミニウムの製法 |
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