JPH10139407A - 高熱伝導性窒化アルミニウム固形体の製造方法 - Google Patents

高熱伝導性窒化アルミニウム固形体の製造方法

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JPH10139407A
JPH10139407A JP8308754A JP30875496A JPH10139407A JP H10139407 A JPH10139407 A JP H10139407A JP 8308754 A JP8308754 A JP 8308754A JP 30875496 A JP30875496 A JP 30875496A JP H10139407 A JPH10139407 A JP H10139407A
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compound
thermal conductivity
aluminum nitride
aln
solid
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JP8308754A
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Hiroaki Kotaka
啓章 小鷹
Shusuke Yamaoka
秀典 山岡
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Toshiba Ceramics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルミナ原料から窒化処理して得られる窒化
アルミニウムの熱伝導性を向上させる。 【解決手段】 γ−Al23 系化合物と、該γ−Al
23 系化合物のAl23 換算重量に対して周期律表
IIa族またはIIIa族金属化合物の酸化物換算で1
〜30重量%との混合物から形成される固形体を、酸素
含有ガス雰囲気下で約600〜1000℃で加熱処理し
た後、アンモニアと炭化水素の混合ガス雰囲気下、14
00〜1700℃で加熱処理して窒化することを特徴と
する高熱伝導性窒化アルミニウム固形物の製造方法。γ
−Al23 系化合物は、γ−Al23 質前駆体を含
有する溶液が好ましく、IIa族またはIIIa族金属
化合物は、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、イ
ットリウム、ランタンまたはセリウムの塩化物、炭酸
塩、硝酸塩またはアルコキシドが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高熱伝導性窒化アル
ミニウム固形体の製造方法に関し、詳しくはアルミナを
出発原料として窒化処理して得られる窒化アルミニウム
の繊維状、粒子状、フレーク状またはこれらの各集合体
で、従来のものよりより熱伝導性が向上した高熱伝導性
窒化アルミニウム固形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の半導体関連産業の進展は著しく、
材料関係においても半導体用の新部材の開発が急務とな
っている。特に、半導体においては、製造、出荷時の性
能を長期間維持して需要者の使用に適合させる必要があ
り、厳しい品質管理や品質保証が要求されている。一
方、半導体性能は、保管される環境変化、例えば温度や
電磁波等の影響を受け易いため、それらを緩和できる絶
縁性で、熱伝導性に優れるパッケージ用部材が求められ
ている。このような要請を受け、従来、各種用途に開発
されている複合材料を半導体に適用することが種々試み
られている。例えば、半導体の封止用材料として、従来
から成形の容易さと高強度から建材、自動車、スポーツ
用品等幅広く使用されているプラスチックと無機質また
は有機質の繊維との複合材料であるFRP(Fiber Rein
forced Plastics)を適用するための研究開発も行われて
いる。出願人は上記の半導体の輸送及び保管用として適
合する絶縁性で且つ高熱伝導性を有する材料の開発を進
めた結果、先に特開平2−300319号公報及び特願
平7−206027号にて熱伝導性に優れ、半導体用の
封止材やパッケージ用品材に適する窒化アルミニウム
(AlN)繊維の製造方法を提案した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記方法は、α−Al
23 とδ−Al23 とを主成分とするアルミナ又は
γ−Al23 等のアルミナ質を出発原料として加熱窒
化処理してAlN繊維や粒状物を容易に、且つ、簡便に
製造でき、AlN繊維等の製造方法としては工業的に優
れたものである。しかしながら、発明者らによれば、製
造されるAlNの熱伝導率が約50〜60W/m・K
で、他のセラミックス材料に比較して大きいものの、A
lN粉末から成形、焼成して得られるAlN焼結体の熱
伝導率約100〜250W/m・Kに比較すると大幅に
低く、熱伝導性は必ずしも十分満足できるものでないこ
とが確認された。そのため発明者らは上記方法によるA
lNの熱伝導率の劣性の原因について検討した。
【0004】先ず、熱伝導率の低下の原因を検討するた
め、原料アルミナを窒化処理して得られるAlNについ
て各種分析した。その結果、AlN中に約5重量%の酸
素量の存在が確認された。この酸素量の存在は窒化処理
の際、AlON相が生成され、このため熱伝導率が引き
下げられるものと推定された。また、同時に、原料アル
ミナ中の不純物や焼結時に添加される珪素(Si)化合
物やジルコニウム(Zr)化合物の影響を考察し、Si
成分やZr成分が熱伝導率に悪影響を与えていることも
推定された。
【0005】そのため、当初は、得られるAlN中の酸
素分を消滅させ、また、原料アルミナ中の不純物や添加
物をゼロとしてAl23 成分100%の超高純度のア
ルミナとして用いることが考えられた。しかしながら、
原料Al23 を完全に窒化することは難しく、実際、
Al23 を窒化して酸素含有率がゼロであるような窒
化アルミニウムは得ることは不可能に近いことも確認さ
れた。従って、Al23 を窒化処理原料とする限り、
従来と同様の窒化処理ではいかにしても酸素分の残存を
避けることができないこと、そのため得られるAlN繊
維等の熱伝導率がAlN粉を出発原料とする焼結体に比
して低くなるという知見を踏まえ、発想を変え他の観点
からアルミナを窒化処理して従来より高熱伝導性のAl
Nとする方法について検討を進めた。その結果、所定の
化合物と共に加熱して窒化処理することにより、得られ
るAlNの熱伝導性が向上することを見出し本発明を完
成した。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、γ−A
23 系化合物と、該γ−Al23 系化合物のAl
23 換算重量に対して周期律表IIa族またはIII
a族金属化合物の酸化物換算で1〜30重量%との混合
物から形成される固形体を、酸素含有ガス雰囲気下で約
600〜1000℃で加熱処理した後、アンモニアと炭
化水素の混合ガス雰囲気下、1400〜1700℃で加
熱処理して窒化することを特徴とする高熱伝導性窒化ア
ルミニウム固形体の製造方法が提供される。本発明の高
熱伝導性窒化アルミニウム固形体の製造方法において、
γ−Al23 系化合物が、γ−Al23 質前駆体を
含有する溶液であることが好ましい。また、周期律表I
Ia族またはIIIa族金属化合物が、カルシウム、ス
トロンチウム、バリウム、イットリウム、ランタンまた
はセリウムの塩化物、炭酸塩、硝酸塩またはアルコキシ
ドであることが好ましい。なお、本発明において、窒化
アルミニウム固形体とは、窒化アルミニウムの繊維状、
粒子状のもの、フレーム状のもの及びそれらの集合体を
いう。
【0007】本発明は上記のように構成され、出発原料
のアルミナ系化合物中にカルシウムやイットリウム等の
周期律表IIa族またはIIIa族金属化合物を添加し
均一な混合物として所定の固形形状に成形し、加熱処理
して熱分解により揮発分を飛散させ、その後窒化処理す
ることにより、従来のアルミナだけを窒化処理して得ら
れるAlNに比し、熱伝導性の向上したAlN固形体を
得ることができる。この熱伝導率の向上の理由は明らか
でないが、得られる繊維状等の窒化アルミニウム固形体
中で、添加した周期律表IIa族またはIIIa族金属
含有化合物と原料アルミナ質が窒化処理され生成するA
lNとが均一な複合構造を形成するため、また、AlN
と周期律表IIa族またはIIIa族金属酸化物とが、
AlN中に残存する酸素分をトラップして高熱伝導性の
ガーネット型化合物を形成しAlON相等の低熱伝導性
の酸化物を形成させないためと推定される。従来、窒化
アルミニウム粉末を用いてAlN焼結体を得る場合に、
本発明で用いる周期律表IIa族またはIIIa族金属
の酸化物を焼結助剤として用いているが、AlNに変換
する前のアルミナ系化合物に、周期律表IIa族または
IIIa族金属化合物を添加して酸化処理及び窒化処理
を行い、熱伝導率を向上させる得ることは本発明により
初めて明らかにされたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明のAlN固形体において、主成分のAlN
は出発物質アルミナまたはアルミナ前駆体を酸化して得
られるアルミナ系化合物から窒化処理して生成されたも
のである。また、この主成分のAlN中に含有される周
期律表IIa族またはIIIa族金属含有化合物は、例
えば、Y3 Al512(YAG)やY4 Al29 等の
IIa族及びIIIa族金属の1種とアルミニウムとの
ガーネット型複酸化物である。これら複酸化物は、下記
するようにIIa族及びIIIa族金属含有化合物が、
γ−Al23 の熱分解時に酸化物となった後、主成分
AlNの原料アルミナ系化合物と共に窒化処理され、主
成分AlNと均一な複合構造を形成して存在する。上記
ガーネット型複酸化物は、その生成時にAlN中から酸
素を吸収するために、AlN中の酸素含有率を低下さ
せ、結果的にAlN固形体としての熱伝導率を高く保持
するものと推定される。IIa族及びIIIa族金属と
しては、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、イッ
トリウム、ランタンまたはセリウムが好ましく、通常、
カルシウムまたはイットリウムからなる。本発明のAl
N中の上記ガーネット型複酸化物は、IIa族及びII
Ia族金属の酸化物として換算して1〜30重量%含有
するようにする。この含有量が1重量%未満であると十
分な酸素吸収が得られない。一方、30重量%を超える
と過剰な酸化物の存在により熱伝導率の低下をきたすた
めである。
【0009】本発明の高熱伝導性AlN固形体の製造方
法について説明する。本発明のAlNは、上記のように
出発原料をアルミナとするものである。出発原料として
は、特にγ−Al23 系化合物が用いられる。アルミ
ナのなかでγ−Al23 は多孔質で反応性に優れるた
めである。他のα−Al23 、δ−Al23 、θ−
Al23 等は完全なAlNを得ることが難しいため好
ましくない。出発原料のγ−Al23 系化合物として
は、好ましくはγ−Al23 質前駆体を含有する水溶
液等の溶液が用いられる。例えば、成形性のよい硝酸ア
ルミニウム溶液や塩基性塩化アルミニウム(Al2(O
H)5Cl・2〜9H2 O)溶液を好適に用いることがで
きる。本発明において、AlN固形体は上記γ−Al2
3 系化合物と上記IIa族またはIIIa族金属の化
合物とから、予め繊維状、粒子状、またはフレーク状に
成形するため、上記のようなγ−Al23 質前駆体は
水等の溶媒に対し分散性がよく均質なスラリー等の溶液
が形成できるため好ましい。
【0010】本発明の高熱伝導性AlN固形体の製造方
法において、上記γ−Al23 系化合物に添加して用
いるIIa族またはIIIa族金属化合物としては、例
えばY23 微粉末等の酸化物粉末を用いγ−Al2
3 系化合物と均一に混合して用いることができる。好ま
しくは、上記のようにγ−Al23 系化合物とスラリ
ーを形成するため、その塩類を用いる。上記γ−Al2
3 系化合物とスラリーを形成するためである。IIa
族またはIIIa族金属として、通常、カル1シウム、
ストロンチウム、バリウム、イットリウム、ランタンま
たはセリウムが選択され、塩類として例えばYCl3
の塩化物や、炭酸塩、硝酸塩、アルコキシドが好まし
い。IIa族またはIIIa族金属化合物のγ−Al2
3 系化合物への添加量は、γ−Al23 系化合物を
酸化物換算した量に対し、IIa族またはIIIa族金
属の酸化物換算で約1〜30重量%である。この範囲
は、上記のようにγ−Al23 を完全なAlNとする
ためである。また、得られるAlN固形体中のIIa族
またはIIIa族金属含有化合物量が前記した範囲であ
り、その範囲となるように上記範囲で適宜選択すること
ができる。
【0011】本発明の製造方法において、上記γ−Al
23 系化合物とIIa族またはIIIa族金属化合物
とを上記の所定の比率で均一に混合する。塩基性塩化ア
ルミニウム等のγ−Al23 質前駆体を含有する溶液
とIIa族またはIIIa族金属の塩類とを用いる場合
は、前駆体の水溶液中に塩類を添加し均一に撹拌混合し
て均質なゲルやスラリーを形成して用いることが好まし
い。ゲルやスラリー濃度は従来の固形体成形に用いられ
るものと同様に形成すればよい。
【0012】上記のようにして得られたγ−Al23
系化合物とIIa族またはIIIa族金属化合物との所
定の混合物を、繊維状、粒子状またはフレーク状の所定
の固形体に成形する。成形は、特に制限されるものでな
く従来公知の固形体の成形法と同様に行うことができ
る。例えば、繊維状であれば所定径のノズルを有する遠
心紡糸機を用いることができる。また、粒子状であれ
ば、スプレードライヤー法を用いることができ、フレー
ク状ではドロップオンディスク法を用いる。本発明の固
形体は、その長さや径は特に制限されるものでなく使用
条件に応じて適宜選択すればよい。通常、繊維は平均直
径約2〜4μm、平均長さ約50〜400μmに、粒子
は平均直径約1〜50μmに、また、フレークは平均長
径約20〜50μmで、短径約10〜30μmである。
【0013】γ−Al23 系化合物とIIa族または
IIIa族金属化合物との混合物から所定形状に成形さ
れた固形成形体は、次いで、空気等酸素含有ガス雰囲気
中、600〜1000℃、好ましくは800〜900℃
で仮焼して脱水及び脱ガスする。この仮焼温度がが60
0℃未満であると多くの水分(H2 O)や塩素(Cl)
が残留するため、後の窒化処理工程においてこれらのガ
スが放出され反応を妨害するため好ましくない。また、
1000℃を超えるとα−Al23 が生成する場合が
あり、この時は完全な窒化アルミニウムは得られないた
めである。通常、800〜900℃の仮焼温度範囲であ
れば、窒化処理工程でのガスの放出もなく、α−Al2
3 相も生成されることもなく好適である。仮焼により
脱水及び脱ガスされた成形体は、通常、非晶質またはγ
−Al23 とY23 の均一な複合物となる。
【0014】次いで、上記仮焼で得られた複合物を、プ
ロパンガス、LNG等の炭化水素を0.5容量%以上、
通常1〜5容量%含むアンモニアガス雰囲気中で140
0〜1700℃、好ましくは1400〜1600℃で約
30分以上加熱して窒化処理する。本発明の製造方法に
おいて、窒化処理工程は2つのステップに分けることが
できる。第1ステップは、前記特願平7−206027
号に示したようなγ−Al23 をAlNに変換する工
程である。この第1ステップにおけるAlN変換反応
は、約1200℃から進行する。その後、それ以上の高
温の第2ステップにおいて、添加したIIa族またはI
IIa族金属化合物が酸化されて生成した酸化物、例え
ばY23 とAlN中のAlと残留酸素とが反応してY
AGやY4Al29 等のガーネット型複酸化物が生成
する。従って、本発明の窒化処理工程は約1200〜1
300℃で約60分間保持したり、昇温速度を比較的緩
やかとし、その後、約1400℃以上に保持するのが好
ましい。窒化処理後、要すれば酸素含有ガス雰囲気下、
約600〜750℃で加熱して酸化脱炭処理する。上記
γ−Al23 をAlNへの変換する窒化処理において
生成されるガーネット型複酸化物は、安定で窒化物に変
換されることはない。これら複酸化物は熱伝導率が高い
上、従来のアルミナ質を窒化処理して生成するAlN中
に残存する酸素がこの複酸化物にトラップされることに
なる。このため、本発明の方法により得られる窒化アル
ミニウム固形体は、AlNとYAG等の高熱伝導性の複
酸化物とが均一に複合した構造をとり、AlN中の残留
酸素分は小さくなり、従来のものに比し熱伝導率が著し
く向上する。
【0015】
【実施例】本発明について実施例に基づき、更に詳細に
説明する。但し、本発明は、下記の実施例に制限される
ものでない。 実施例1 Al含有量がAl23 換算で23.5重量%の塩基性
塩化アルミニウム溶液3200gに、10重量%濃度の
ポリビニルアルコール溶液697gとY23換算で2
0重量%のYCl3 ・6H2 Oを添加してよく撹拌して
混合し混合物を得た。得られた混合物をロータリーエバ
ポレータで濃縮し、粘度を20℃で35ポイズのゲル状
液とした。得られた粘調なゲル状液を、外周に直径0.
5mmの孔を有する、径200mmの遠心紡糸機に導入
し、乾燥空気を充満した部屋内で2000rpmの回転
速度で回転して紡糸した。紡糸して得られた平均長さ2
00μm、平均直径4μmの繊維状成形体を厚さ25m
mのマット状集合体とした。
【0016】次いで、上記のようにして紡糸した繊維状
成形体を集合して形成したマット状集合体を、空気中で
900℃で2時間加熱仮焼処理した。加熱仮焼処理後、
得られた仮焼体の結晶相をX線回折にて分析した結果、
結晶相は弱いγ−Al23相とY23 相であった。
上記の仮焼体を、更に、LPGを約3容量%含むアンモ
ニアガス雰囲気下、1500℃で3時間加熱して窒化処
理した。窒化処理後、更に、雰囲気ガスを大気として6
00℃で3時間加熱処理し酸化脱炭した。得られた窒化
処理、酸化脱炭処理で得られた窒化マット状集合体の結
晶相をX線回折にて分析した結果、結晶相としてAl
N、YAG及びY4 Al29 が観察された。
【0017】上記のようにして得た窒化マット状集合体
をシランカップリング処理剤を用いシランカップリング
処理した後、エポキシ樹脂中に分散させて硬化させ繊維
強化エポキシ樹脂複合材を作製した。得られた複合体を
アルキメデス法で比重を測定した結果、複合材中に約2
7重量%の窒化アルミニウム繊維を含むことが確認され
た。また、この複合材料の熱伝導率をレーザーフラッシ
ュ法で測定した結果、1.37W/m・Kであった。エ
ポキシ樹脂単体の熱伝導率は0.15W/m・Kである
ことから約5.5倍の熱伝導率が向上することが確認さ
れた。
【0018】実施例2 YCl3 ・6H2 Oの代わりに、水酸化カルシウム(C
a(OH)2 )を用いた以外は実施例1と全く同様にし
て繊維強化エポキシ樹脂複合材を作製した。得られた複
合材料の熱伝導率を同様に測定した結果、1.27W/
m・Kであった。
【0019】比較例1 YCl3 ・6H2 Oの代わりにコロイダルシリカを添加
した以外は、実施例と全く同様にして、最終的に窒化繊
維マット集合体を得た。この窒化繊維マット集合体のX
線回析結果からはAlNのみが観察された。更に、窒化
繊維マット集合体を実施例と同様にエポキシと複合化し
て繊維強化エポキシ樹脂複合材を作製し、同様に熱伝導
率を測定した結果0.82W/m・Kであった。
【0020】上記実施例及び比較例より明らかに、本発
明のγ−Al23 系化合物に周期律表IIa族または
IIIa族金属化合物を添加して加熱処理し、更に窒化
処理してAlN化した場合に、AlN中にYAG等のガ
ーネット型複酸化物が生成され、熱伝導率が従来のシリ
カ等の添加剤を含有するγ−Al23 から得られるも
のより向上することが分かる。
【0021】
【発明の効果】本発明のアルミナ質を原料として窒化処
理して得られる窒化アルミニウム固形体は、IIa族ま
たはIIIa族金属含有化合物との均一な複合構造をと
り、残存酸素量が低下することから、熱伝導率が従来の
ものに比し向上する。また、アルミナ質原料にIIa族
またはIIIa族金属化合物を添加して、従来法と同様
に酸化、窒化処理な方法で所望の繊維状、粒子状、フレ
ーク状またはそれらの集合体の高熱伝導性の窒化アルミ
ニウム固形体を簡便に製造することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 γ−Al23 系化合物と、該γ−Al
    23 系化合物のAl23 換算重量に対して周期律表
    IIa族またはIIIa族金属化合物の酸化物換算で1
    〜30重量%との混合物から形成される固形体を、酸素
    含有ガス雰囲気下で約600〜1000℃で加熱処理し
    た後、アンモニアと炭化水素の混合ガス雰囲気下、14
    00〜1700℃で加熱処理して窒化することを特徴と
    する高熱伝導性窒化アルミニウム固形体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記γ−Al23 系化合物が、γ−A
    23 質前駆体を含有する溶液である請求項1記載の
    高熱伝導性窒化アルミニウム固形体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記周期律表IIa族またはIIIa族
    金属化合物が、カルシウム、ストロンチウム、バリウ
    ム、イットリウム、ランタンまたはセリウムの塩化物、
    炭酸塩、硝酸塩またはアルコキシドである請求項1また
    は2記載の高熱伝導性窒化アルミニウム固形体の製造方
    法。
JP8308754A 1996-11-05 1996-11-05 高熱伝導性窒化アルミニウム固形体の製造方法 Pending JPH10139407A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002097006A (ja) * 2000-09-20 2002-04-02 Fine Ceramics Research Association 窒化アルミニウムの製法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002097006A (ja) * 2000-09-20 2002-04-02 Fine Ceramics Research Association 窒化アルミニウムの製法

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