JPH1121113A - 低酸素濃度窒化アルミニウムの製造方法 - Google Patents

低酸素濃度窒化アルミニウムの製造方法

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JPH1121113A
JPH1121113A JP17439497A JP17439497A JPH1121113A JP H1121113 A JPH1121113 A JP H1121113A JP 17439497 A JP17439497 A JP 17439497A JP 17439497 A JP17439497 A JP 17439497A JP H1121113 A JPH1121113 A JP H1121113A
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aluminum nitride
gas
precursor
temperature
ammonia
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Hiroaki Kotaka
啓章 小鷹
Shusuke Yamaoka
秀典 山岡
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Toshiba Ceramics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】この発明は、窒化反応に提供するアルミナをγ
ーアルミナとすることによって、良好な収率で比表面積
が10m2 /g以上の多孔質窒化アルミニウムを製造
し、さらにこれを不活性ガス、アンモニアガス、アンモ
ニアガスと不活性ガスとの混合ガスの中のいずれか中の
一種のガス雰囲気で1600〜2000℃で加熱するこ
とにより、比較的短い時間で又は高温処理を行わないで
低酸素濃度の窒化アルミニウムを得ようとするものであ
る。 【構成】γーAl23 又はその前駆体を炭化水素ガス
を0.5容積%以上含有する炭化水素ガスとアンモニア
ガスとの混合ガス中で1200〜1700℃で加熱して
比表面積が10m2 以上の多孔質窒化アルミニウムを製
造し、次にこれを不活性ガス、アンモニアガス及びアン
モニアガスと不活性ガスとの混合ガスの中のいずれか一
種のガス雰囲気で1600〜2000℃で加熱すること
を特徴とする低酸素濃度窒化アルミニウムの製造方法で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、窒化アルミニウ
ムの製造方法に関し、特に酸素含有率の低い窒化アルミ
ニウムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】窒化アルミニウムは、半導体素子の樹脂
封止材料の充填材や他の金属との複合材として使用され
ている。出願人も、既に特開平2ー300319号とし
て窒化アルミニウム繊維の製造方法を提案している。こ
の方法は、90重量%以上のAl23 と10重量%未
満のSiO2 を含むアルミナ繊維をアンモニアと炭化水
素ガスの混合ガス雰囲気下において1300〜1700
℃で加熱して窒化アルミニウム繊維を得るものである。
【0003】しかしながら、この方法によると1300
℃未満の温度域では窒化反応は行われず、また反応温度
を1300℃以上としても窒化物の収率は低かった。そ
のため、この方法によると更に高温、長時間での操業が
余儀なくされ、コスト高となるばかりでなく、この方法
によっては100%近い窒化率のものは容易に得られな
かった。そのため、従来の技術は製造技術の面で多くの
困難があった。
【0004】そこで発明者は、特願平7−206027
号でγーAl23 又はその前駆体を炭化水素ガスを
0.5容積%以上含有する炭化水素ガスとアンモニアガ
スとの混合ガス中で1200〜1700℃で加熱して窒
化アルミニウムを製造する方法を提案した。この方法に
よるとαーAl23 に比較して約10倍もの比表面積
を有するγーAl23 又はその前駆体を用いて、これ
を窒化させるために窒化反応が従来に比べて短時間で容
易に行われ、収率を大きく上げることが出来た。
【0005】しかしながら、この方法はγーAl23
又はその前駆体をアンモニアガスと炭化水素ガスの混合
ガスの中で加熱するので、得られたAlNにカーボンが
残留し、これを除去するために酸化処理が行われてい
た。しかしながら、窒化アルミニウムを酸化処理すると
窒化アルミニウムの酸素含有量が増すといった問題が別
に生じた。特にγーAl23 を窒化して得られた窒化
アルミニウムは比表面積が大きくこうした酸化処理で酸
素含有量が一層多くなる傾向があった。窒化アルミニウ
ムの中の酸素含有量はその熱伝導率に大きく影響し、酸
素含有率が1%を超えると窒化アルミニウムの熱伝導率
が急激に小さくなる。図1は、窒化アルミニウムに1重
量%のY23 を添加して焼結体としたものの酸素量
(%)と熱伝導率の関係(レーザーフラッシュ法で測
定)を示したものである。
【0006】また、市販の高酸素含有率窒化アルミニウ
ムから酸素を除去して高熱伝導率の窒化アルミニウム焼
結体を製造する方法が特公平3−36782号に開示さ
れている。この方法は、高酸素含有率の窒化アルミニウ
ム粉末を非酸化性雰囲気で1600℃以上で加熱して酸
素含有率を低減し焼結するものである。しかしながら、
この方法によって窒化アルミニウムの低酸素化を図ろう
とすると、処理時間に長時間を要するといった問題があ
った。即ち、1600℃の加熱処理では20時間の処
理、1800℃でも10時間を要した。これを比較的に
短時間で行うとすると2000℃を超える高温での処理
を行わなければならなかった。しかし、2000℃を超
える高温処理では窒化アルミニウムの昇華を防止するた
ために加圧を行わなければならず、装置及び作業の複雑
化ないし煩雑化を招きその結果コスト高を招くものとな
っていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、窒化反応
に用いる原料アルミナをγーアルミナとすることによっ
て、良好な収率で比表面積が10m2 /g以上の多孔質
窒化アルミニウムを製造し、さらにこれを不活性ガス、
アンモニアガス、アンモニアガスと不活性ガスとの混合
ガスの中のいずれか一種のガス雰囲気で1600〜20
00℃で加熱することにより、比較的短い時間で又は高
温処理を行わないでも低酸素濃度の窒化アルミニウムを
得ようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、γーAl2
3 又はその前駆体を炭化水素ガスを0.5容積%以上
含有する炭化水素ガスとアンモニアガスとの混合ガス中
で1200〜1700℃で加熱して比表面積が10m2
/g以上の多孔質窒化アルミニウムを製造し、次にこれ
を不活性ガス、アンモニアガス、アンモニアガスと不活
性ガスとの混合ガスの中のいずれか一種のガス雰囲気で
加熱することを特徴とする低酸素濃度窒化アルミニウム
の製造方法(請求項1)、γーAl23 又はその前駆
体が、1000℃以下で仮焼したγーAl23 又はそ
の前駆体であることを特徴とする請求項1記載の低酸素
濃度窒化アルミニウムの製造方法(請求項2)、γーA
23 又はその前駆体が、繊維、微細な粒子、フレー
クのいずれか1種又は2種以上であることを特徴とする
請求項1又は2に記載の低酸素濃度窒化アルミニウムの
製造方法(請求項3)、γーAl23 又はその前駆体
が、そのアルミナ源の全部又は一部に塩基性塩化アルミ
ニウムを用いたことを特徴とする請求項1ないし3のい
ずれかに記載の低酸素濃度窒化アルミニウムの製造方法
(請求項4)及び不活性ガス雰囲気での加熱前に酸化脱
炭処理を行うことを特徴とする請求項1ないし4のいず
れかに記載の低酸素濃度窒化アルミニウムの製造方法
(請求項5)である。
【0009】
【発明の実施の態様】この発明は、発明者が先に提案し
た特願平7−206027号の方法でまず窒化アルミニ
ウムを製造する。即ち、γーAl23 又はその前駆体
の固形体又は成形体を、炭化水素ガスを0.5容積%以
上含有する炭化水素ガスとアンモニアガスとの混合ガス
中で1200〜1700℃で加熱して窒化アルミニウム
の中間体を製造する。ここにおける窒化アルミニウム
は、多孔質のγーAl23 又はその前駆体を出発原料
とするために得られたものは多孔質となる。その比表面
積は10m2 /g以上となる。
【0010】なお、本願明細書で、γーAl23 の前
駆体とは、1000℃〜1100℃に加熱した場合にお
いて、γーAl23 に転換するゲル化物或いはその仮
焼物をいう。また、γーAl23 又はその前駆体の固
形体とは、それらの繊維,微細な粒子,フレークをい
い、さらに、γーAl23 又はその前駆体の成形体と
は、それらを各種形状に成形したものをいう。
【0011】γ−Al23 若しくはその前駆体の固形
体又はその成形体を用いてこれを窒化すると、窒化反応
温度を大きく下げることが出来るとともに、反応時間も
大幅に低減できる。これは、γ−アルミナはその生成過
程で主に脱水が起こり、水が解離した後に直径10〜1
00オングストロームの細孔が多数残り、これによって
その比表面積が極めて大きくなって窒化アルミニウムの
生成が促進されるためである。
【0012】ここで用いるγーAl23 は、有機もし
くは無機アルミニウム化合物を熱分解することによって
得られる。これにはアルミニウムアルコキシド、硫酸ア
ルミニウム、アルミニウムミョウバン、アンモニウムア
ルミニウム炭酸塩、塩基性塩化アルミニウム、ベーマイ
トなどがあるが、これらの中でも塩基性塩化アルミニウ
ムを用いたものは反応性や成形性がよくて好ましい。塩
基性塩化アルミニウムを例示してその熱分解挙動を示す
と表1の通りである。
【0013】
【表1】
【0014】上記の如く、塩基性塩化アルミニウムを3
00〜400℃に加熱すると、アルミナ水和物となる。
これをさらに600〜700℃に加熱すると、HClや
2Oを放出しながらγーAl23 となる。これをさ
らに1200℃以上に加熱するとαーAl23 へと転
移していく。この際の中間生成物であるγーAl23
は、H2 O,HClガスを放出して、その後に多数の気
孔を形成して大きな比表面積を有する。
【0015】この状態となったγーAl23 を、炭化
水素ガスを0.5容積%以上含有する炭化水素ガスとア
ンモニアガスとの混合ガスの下で加熱し、多孔質の窒化
アルミニウムとする。これはアンモニアガスによってア
ルミナを還元窒化して窒化アルミニウムを生成するもの
であり、同時に炭化水素ガスによって窒化アルミニウム
の生成に際して副生する水蒸気を速やかに除去し、結果
的に多孔質窒化アルミニウムの生成反応を促進するもの
である。
【0016】γーAl23 としては、窒化アルミニウ
ムの生成反応時にγーAl23 となっていればよく、
1000〜1100℃に加熱された際にγーAl23
に転換する材料が使用できる。
【0017】雰囲気ガスにおいて、炭化水素の含有量を
0.5容積%以上としたのは、これが0.5容積%未満
では炭化水素ガスの分圧が低く窒化反応の進行が遅くな
るからである。
【0018】ここでの加熱温度は1200〜1700℃
とする。加熱温度が1200℃未満では反応速度が遅く
処理に長時間がかかるとともに、窒化反応を完全に行う
ことが出来ない。また、加熱温度は1700℃を超える
必要がなく、必要以上に高温にするとコストを引上げ
る。
【0019】これによって生成された多孔質の窒化アル
ミニウムは多孔質でその比表面積は10m2 /g以上と
なる。この多孔質の窒化アルミニウムを、その後不活性
ガス、アンモニアガス、アンモニアガスと不活性ガスと
の混合ガスの中のいずれか一種のガス雰囲気で、160
0〜2000で加熱処理する。この加熱処理によって、
従来と比較して低温でかつ短時間で多孔質窒化アルミニ
ウムの結晶成長が行われ空孔がつぶれ比表面積が小さく
緻密となり、酸素含有率の小さい窒化アルミニウムを得
ることが出来る。
【0020】加熱温度が1600℃未満では窒化アルミ
ニウムの結晶成長が十分に進行しないために十分に緻密
で低酸素化した窒化アルミニウムを製造することができ
ない。また、加熱温度は2000℃で十分でこれを超え
た温度に加熱する必要はない。なお、本発明における好
ましい加熱温度は1600〜1800℃であり、この温
度で従来に例のない処理時間の短縮化が図られ、またこ
の短時間処理によってエネルギー効率の向上が達成され
る。
【0021】雰囲気ガスは、不活性ガス特に窒素ガスが
好ましく、またこのとき低炭素化したい場合には、前工
程として酸化脱炭処理を行うことが好ましい(請求項
5)。さらにまた、一度の処理で低酸素化と低炭素化を
行うためには、アンモニアガス、アンモニアガスと不活
性ガスとの混合ガスを使用する。この処理では、アンモ
ニアガスと炭化水素の混合ガスによる窒化アルミニウム
への転換処理の後、そのまま炭化水素ガスの供給を止め
てアンモニアガスのみの雰囲気にして上記温度で再加熱
する方法が有効である。この方法によれば、窒化アルミ
ニウムに転換した後の高比表面積の窒化アルミニウムを
空気にさらすことなく、アンモニアのカーボン分解作用
による脱炭処理と窒化アルミニウムの結晶成長を同時に
進行させることができて、低酸素含有率で残留カーボン
のない良好な窒化アルミニウムを製造することができ
る。アンモニアガスの代わりにアンモニアガスと不活性
ガスとの混合ガスでもよい。
【0022】請求項2の発明は、窒化反応処理に先立っ
て、γーAl23 の前駆体を1000℃以下で仮焼す
るものである。この温度でγーAl23 の前駆体を仮
焼すると、上記のアルミナに付着しているH2 OやHC
lがさらに確実に放出される。特に、塩基性塩化アルミ
ニウムの熱分解などで生成したHClが除去され好まし
い。アルミナ表面にHClが付着していると、その後の
窒化反応で塩化アンモニウムが生成し、これが低温部に
析出するために合成装置の運転に著しい悪影響を及ぼ
す。
【0023】γーAl23 の前駆体を仮焼する好まし
い温度範囲は300〜1000℃である。これが300
℃以下では水や塩酸の除去が十分出来なく、またこれが
1000℃を超えるとγーAl23 がδ相やα相に転
移する恐れがある。
【0024】上記のγーAl23 の前駆体は、請求項
1の加熱温度においては実質的にγーAl23 に転換
することになり、炭化水素ガスとアンモニアガスの混合
ガスに接触し加熱して窒化アルミニウムとする。
【0025】請求項3の発明は、アルミナが繊維、微細
な粒子、フレークのいずれか一種又は2種以上から構成
されている。例えば、上記の塩基性塩化アルミニウムを
用いた場合は、塩基性塩化アルミニウム溶液にポリビニ
ルアルコール、コロイド状シリカを加えて撹拌混合して
からエバポレータで濃縮し、高濃度の溶液とする。この
粘稠液を遠心紡糸器に入れ回転する。この場合、紡糸器
のノズル孔の径、形状、回転速度、紡糸液の粘度などの
調整によって、繊維、微細粒子、フレーク或いはこれら
の混合物とすることが出来る。上記のアルミナの繊維、
微細な粒子、フレークは、その後これを1000℃以下
で仮焼する。この仮焼物を請求項1と同様にして120
0〜1700℃で窒化して窒化アルミニウムとする。
【0026】請求項4は、請求項1ないし3の発明にお
いて、原料のアルミナ源の一部又は全部を塩基性塩化ア
ルミニウムとするものである。塩基性塩化アルミニウム
をアルミナ源としたアルミナは、反応性や成形性がよく
この発明の窒化アルミニウムの製造に適している。
【0027】
【実施例】
(実施例1)Al含有量がAl23 換算で23.5重
量%の塩基性塩化アルミニウム溶液3200gに、10
重量%濃度のポリビニルアルコール溶液697gと20
重量%濃度のコロイド状シリカ116gを加えロータリ
ーエバポレータで濃縮し、粘度を20℃で35ポイズの
ゲル状物とした。
【0028】この粘稠液を、外周に直径0.5mmの多数
の孔を有する、径200mmの遠心紡糸器に入れ、乾燥空
気で満たした部屋で2000r.p.m.の回転速度で回転し
て紡糸した。その後これを空気中で700℃で仮焼し
た。
【0029】次に、上記の仮焼物の窒化処理を行った。
窒化処理は、仮焼物をアルミナ製ボートにサンプルを入
れ、2容積%のLPGガスを含むアンモニアガス雰囲気
で1400℃で2時間の加熱を行った。ついでLPGガ
スの供給を停止して1500〜2000℃の各温度で2
時間のアンモニアガス処理を行い窒化アルミニウム繊維
を得た。
【0030】得られた窒化アルミニウム繊維の遊離カー
ボンを、700℃加熱における酸化減少率から求めたと
ころ、いずれも1重量%以下であった。これに対して、
高温アンモニア処理を行わない場合は3〜5重量%のカ
ーボンを含有していた。この結果からこの実施例の窒化
アルミニウム繊維の場合は十分なカーボン除去が行われ
ていることが認められた。
【0031】次に、これらの窒化アルミニウム繊維の、
1500〜2000℃(常圧)の各温度で2時間のアン
モニアガス処理と比表面積の関係をBET法で測定し
た。その結果を図2に示した。これによると、処理温度
が高くなるに従って結晶化が進行し窒化アルミニウム繊
維の比表面積は小さくなるが、特に1600℃以上では
十分な効果の得られることが分かる。また、処理温度が
2000℃になると0.1m2 /gとBET法測定の測
定限界値に近い十分に小さい値となることが認められ
た。また、これらの繊維の各段階での酸素含有量を酸素
分析装置で測定したところ次の通りであった。
【0032】 アンモニア処理前 ……4.0重量% 1500℃でアンモニアガス雰囲気中で処理 ……2.2重量% 1600℃ 〃 1.0重量% 1700℃ 〃 0.4重量% 2000℃ 〃 0.3重量% 特に、1700℃のアンモニアガス雰囲気中で処理した
サンプルの比表面積、カーボン残留率については表2に
示した。 (実施例2,3,比較例1)実施例1と同様にしてγ−
Al23 の短繊維を得て、これを2容積%のLPGガ
スを含むアンモニアガス雰囲気で1400℃で2時間の
加熱を行って窒化アルミニウム短繊維の中間製品を得
た。この比表面積は29.2m2 /gであった。これを
分けて次の各種の処理を行って、それぞれのサンプルの
比表面積、酸素含有率、カーボン残留率を調べ、その結
果を表2に示した。
【0033】(実施例2) 生成されたAlNの中間製
品を一旦空気に曝してから、改めてNH3 ガス中で17
00℃で処理 (実施例3) 生成されたAlNの中間製品を空気中で
750℃で2時間の加熱処理で酸化脱炭し、さらに窒素
中で1700℃2時間の加熱処理
【0034】
【表2】
【0035】表2に示すように、実施例2は空気中に一
度出してからアンモニアガス中で1700℃で2時間処
理しているために、酸素含有率が若干高くはなってはい
るものの1重量%以下の0.8重量%となって、実用上
の使用に耐える製品となっている。
【0036】窒化アルミニウムの実用面からみると、酸
素含有率は1重量%以下であることが必要と考えられ
る。カーボン含有率についても実用面から同じように1
重量%以下であることが好ましい。比表面積についても
実施例2は0.9m2 /gで問題がない。実施例1も勿
論良好な製品である。特に、この場合は酸素含有量が
0.4重量%でさらに好ましい。
【0037】実施例3においても、空気中で酸化脱炭処
理しているために、酸素含有率が0.9重量%と若干高
くなっているが、実施例2と同様に実用上の使用に耐え
る製品となっている。なお、酸化脱炭処理後の酸素含有
率は6.8重量%であった。
【0038】(比較例1) 実施例2,3と同等の窒化
アルミニウム短繊維の中間製品について、アンモニアガ
スとLPGの混合ガス中で1700℃で2時間の加熱処
理を行った。これはアンモニアとともに炭化水素も存在
する雰囲気で加熱処理を行っているので、カーボンの残
留が5.2重量%となっている。また、生成した繊維は
灰色に着色していた。 (比較例2)γ−アルミナを還元窒化法によって製造さ
れた市販の窒化アルミニウム粉末(比表面積3m2
g,酸素含有率1.5重量%)を、雰囲気ガスをN2
スとして1700℃(常圧)の加熱処理を行い、処理時
間ごとの酸素含有率の測定を行ってその結果を表3に示
した。
【0039】
【表3】
【0040】表3に示す通り、被処理物が本発明と相違
する場合において、本発明と同等の熱処理温度で同等の
酸素含有率とするためには10時間以上の処理時間が必
要であり、上述の本願発明の処理時間(2時間)がいか
に短縮化されたものであり工業的に意義のあるものであ
るかが確認された。
【0041】
【発明の効果】以上の通り、この発明によれば窒化すべ
きアルミナとしてγーAl23 又はその前駆体を用い
たので窒化アルミニウムを高い効率で得ることが出来る
とともに、生成されたAlNの中間製品を不活性ガス、
アンモニアガス、アンモニアと不活性ガスの中のいずれ
か1種のガス雰囲気で1600〜2000℃で加熱する
ために、比表面積が小さくて緻密でしかも酸素含有率の
小さい低酸素濃度窒化アルミニウムを比較的低温で短い
処理時間にて製造することができ、ひいては製造コスト
の低減を図ることができる。また、同時に低カーボン残
留率化をより効率的に達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】窒化アルミニウムに1重量%のY23 を添加
して焼成した焼結体の酸素量と熱伝導率の関係を示した
ものである。
【図2】この発明で生成されるAlNの中間製品をアン
モニアガス雰囲気で処理したときの熱処理温度とAlN
の比表面積(m2 /g)の関係を示す線図。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 γーAl23 又はその前駆体を炭化水
    素ガスが0.5容積%以上含有される炭化水素ガスとア
    ンモニアガスとの混合ガス中で1200〜1700℃で
    加熱して比表面積が10m2 /g以上の多孔質窒化アル
    ミニウムを製造し、次にこれを不活性ガス、アンモニア
    ガス及びアンモニアガスと不活性ガスとの混合ガスの中
    のいずれか一種のガス雰囲気で1600〜2000℃で
    加熱することを特徴とする低酸素濃度窒化アルミニウム
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 γーAl23 又はその前駆体が、10
    00℃以下で仮焼したγーAl23 又はその前駆体で
    あることを特徴とする請求項1記載の低酸素濃度窒化ア
    ルミニウムの製造方法。
  3. 【請求項3】 γーAl23 又はその前駆体が、繊
    維、微細な粒子、フレークのいずれか1種又は2種以上
    であることを特徴とする請求項1又は2に記載の低酸素
    濃度窒化アルミニウムの製造方法。
  4. 【請求項4】 γーAl23 又はその前駆体が、その
    アルミナ源の全部又は一部に塩基性塩化アルミニウムを
    用いることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに
    記載の低酸素濃度窒化アルミニウムの製造方法。
  5. 【請求項5】 不活性ガス雰囲気での加熱前に酸化脱炭
    処理を行うことを特徴とする請求項1ないし4のいずれ
    かに記載の低酸素濃度窒化アルミニウムの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013087042A (ja) * 2011-10-21 2013-05-13 Tokuyama Corp 窒化アルミニウム焼結顆粒の製造方法
JP2016164112A (ja) * 2015-03-06 2016-09-08 ナショナル チュン−シャン インスティテュート オブ サイエンス アンド テクノロジー 雰囲気が制御される炭素熱還元法によって窒化アルミニウム粉体の製造方法

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JP2016164112A (ja) * 2015-03-06 2016-09-08 ナショナル チュン−シャン インスティテュート オブ サイエンス アンド テクノロジー 雰囲気が制御される炭素熱還元法によって窒化アルミニウム粉体の製造方法

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