JP2005022960A - 非酸化物系粒子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】<A>1ミクロン以上の平均粒子径、<B>高球形度の形状、<C>気相中の連続製法、を同時に達成した新規な非酸化物の製造方法、又は製造装置、又はその粒状物質を提供する。
【解決手段】気相中で連続的に粒状物質を製造する方法であって、原料を還元、窒化又は炭化反応させることにより窒化物、酸窒化物又は炭化物を製造するプロセスにおいて、還元、窒化又は炭化反応の自由エネルギーを下げるために、これらの製造温度で正の標準生成自由エネルギーを有する炭化水素系ガス、アンモニア、水素、窒素のいずれかのガス状物質をそれらの反応場へ添加することを特徴とする窒化物、酸窒化物又は炭化物から成る非酸化物系粒子の製造方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、非酸化物系粒子の製造方法に関するものであり、更に詳しくは、原料を還元又は窒化反応させることにより非酸化物粒子を製造するプロセスにおいて、非酸化物粒子を製造する温度で正の標準生成自由エネルギーを持つガス状物質を添加することで、その反応の自由エネルギーを、上記の還元又は窒化反応の自由エネルギーより小さくすることにより、従来の気相中の連続的な粒子の製法では不可能であった、平均粒子径が1ミクロン以上及び粒子の球形度の高いことを同時に達成することを可能とする、新規な非酸化物粒子の気相中での連続製法に関するものである。
一般に、窒化物、酸窒化物又は炭化物から成る非酸化物系粒子は、高熱伝導性、耐食・耐薬品性、高光学特性、高機械的特性等を有し、酸化物に勝る優れた特性を有するが、電気炉中のバッチ処理を基本とした加熱(固相反応)法では、高温で長時間の熱処理が必須であり、実際の焼成温度が2000℃以上に及ぶ場合も報告されている。このような焼成条件下で生成された粉体は粗大化し、その後の粉砕も容易ではない。これは、高密度成形性や易焼結性のための粒子の微粒化や球状化において問題であり、従来の非酸化物系粒子は、高熱伝導成形体や高強度焼結体を製造するための原料粉体の供給ルートとして十分に満足した特性を発揮できていないという問題点があった。更に、長時間の熱処理と粉砕は、純度の点でも問題である(例えば、非特許文献1参照)。
また、形状改良の方法として、球状の原料粒子を用いる方法が検討されている。シータ相等の遷移アルミナ粒子では、アルファ相の六方構造に由来する板状化の影響が小さく、比較的球形度の高い粒子が入手できる。これを還元窒化法等に適用することで、原料粒子の形状を保持した高球形度の窒化アルミニウム粒子が製造できる(例えば、特許文献1参照)。しかし、この方法は、原料に必須条件が増加する点、比較的高価な原料が必須となる点、依然として電気炉中のバッチ処理を基本とした加熱(固相反応)法であって、工業化や生産性向上に有利な気相中の連続製法ではない点、等が問題である。
また、従来、発熱反応である金属粒子の直接窒化法(窒素元素との気相反応)やガス窒化法(例えば、アンモニアガスとの気相反応)を基本として、電気炉中のバッチ処理を連続処理に変えた方法が報告され、工業化が検討されたことがあった。しかし、次の主な2つの問題があった。それは、(1)完全な反応のためには0.1〜0.2ミクロンの粒子径が限界であり、それ以上の大粒径は製造できないこと、(2)原料である金属粒子は下から上へ送ることが、反応性向上のためには必要となること、である。その理由として、問題点(1)については、「工業化を考慮して1500℃前後の温度に抑えていること」が、また、問題点(2)については、「大粒径の原料粒子はその表面からの発生成分のみを利用し、残りは燃えカスとして自然落下させること」が、挙げられている(例えば、特許文献2参照)。しかし、この種の方法は、高コストを招く1500℃以上の電気炉加熱を抑制したにも関わらず、本質的に低生産性な「原料の上昇供給」に限定されること、しかも、原料を100%利用できず、燃えカスの発生が不可避的であることは、工業的製法として限界がある。
また、従来、最高2100℃の加熱が可能な電気炉を使用し、「原料の下方供給」を実現し、0.4〜0.8ミクロンの粒子径を持つ非酸化物の製法が工業化されたことがあった。しかし、完全な反応のために、(1)生成物の粉砕処理、(2)粉砕粒子の再熱処理、(1)と(2)の繰返し処理が、必要とされる。この理由として、「0.4〜0.8ミクロンの非酸化物粒子には、原料としても比較的大粒径が必要であり、電気炉中のバッチ処理に比べて本質的に反応時間の短い気相中の連続製法では、反応性向上に限界があること」、「原料の上昇供給では、未反応原料を燃えカスとして自然落下させることができず、未反応原料が生成物に混じること」、が挙げられている(例えば、非特許文献2参照)。しかし、この種の方法は、工業設備として汎用的ではない高コストの高温設備導入が不可避であることに加え、生成物の粉砕処理、粉砕粒子の再熱処理、それらの繰返し処理が必要であり、このことは、電気炉中のバッチ処理を基本とした加熱(固相反応)法と本質的に変わりが無く、少なくとも工業的メリットは皆無である。
また、従来、気相中の連続製法として、気相析出反応(CVD)法等を基本としたビルドアップ方式(ガス状物質を粒状物質に成長させる方法)がある。例えば、揮発性で自然発火性液体(常温)のトリエチルアルミニウム(Al(C25 3 )を気化し、窒化ガスとして窒素より強力なアンモニアを使用して、0.2〜0.5ミクロンの粒子径の窒化アルミニウム粒子を製造する方法が報告され、工業化されている(例えば、特許文献3参照)。しかし、この種の方法は、危険で取り扱いの難しい高揮発性の有機原料が必須であり、高コストを招く(実際問題として産業界に現在普及していない)新規設備導入が不可避であることに加え、ビルドアップ方式は、一般に、大粒径に不向きであり、大粒径の粒状生成物の製造には、生成物の歩留まりを低下する原料の高濃度化や長時間処理が必須となる、等の問題がある。
また、非酸化物(金属や窒化物等)の気相中の連続製法として特長を有する方法に、熱プラズマ法や、蒸発―凝縮法がある。これらは、減圧状態にした真空容器中に、アルゴン等の電離し易いガス状物質を添加する手段等により、ラジカルや電子等、高活性物質を高密度に発生させたプラズマ等を反応場にするものである(例えば、特許文献4参照)。この方法は、本質的に非酸化雰囲気を構成できることから、非酸化物用の気相中の連続製法として、長く独占的な地位を占めていた。しかし、安定なプラズマ状態の保持と、その最も高活性な部分への原料である粒状物質の導入とを、両立させることは極めて難しく、プラズマ発生部の(高価な)石英管の破損等の事故を極めて起こし易い(それを防ぐには、例えば、倣い式の粒状物質供給装置等、更に新規な設備導入を必要とする)。このため、プラズマに導入する物質は、その安定状態に影響を与え難いガス状物質等とし、粒状物質はプラズマの終端部へ導入することで、「粒状物質の被覆化装置」として使用されることが一般的であり、本発明のような目的には適用されていない。
更に、高精度な雰囲気調整と、減圧状態が可能な真空容器が必須であり、高コストを招く(実際問題として産業界に現在普及していない)新規な設備導入が不可避であることに加え、ラジカルを発生させたプラズマの保持には、例えば、膨大な冷却水(毎分数100リッター等)を必要とし、ランニングコストの突出は避けられない。このため、この方法を用いた製造現場では、非酸化物が製造可能であり、しかも、非減圧状態(大気圧状態)で運転可能であり、易操作性の製造方法の確立が切望されていた。
即ち、既往の非酸化物粒子の、主たる六つの製造方法によると、(1)固相反応法は、粒子径は満足されるが、形状や連続生産性が不可、(2)球状原料法は、粒子径や形状は満足されるが、コストや連続生産性が不可、(3)直接窒化法を基本とした気相中の連続製法は、形状や連続生産性は満足されるが、粒子径が不可、(4)高温電気炉法は、粒子径や形状は改善されるが、コストや連続生産性が不可、(5)ビルドアップ法は、形状や連続生産性は満足されるが、粒子径やコストが不可、(6)プラズマ又は蒸発―凝縮法は、連続生産性は満足されるが、粒子径、形状、コストが不可、となり、<A>1ミクロン以上の平均粒子径、<B>高球形度の形状、<C>気相中の連続製法(=高コストパフォーマンス)、の全てを同時に満たすことは、不可能であった。
本発明者らは、上記の状況を踏まえ、種々検討を重ねる中で、ある種のガス状物質を添加した場合に、非酸化物の反応性(還元反応)が向上する現象に着目した。例えば、炭化水素系ガスとアンモニアガスの混合ガス中で、低純度(高酸素含有率)の窒化アルミニウム組成物を高純度化したり(例えば、特許文献5参照)、アルミナの還元窒化法においてその反応性を向上可能なこと(例えば、特許文献6参照)が報告されている(但し、全て、電気炉中のバッチ処理を基本とした加熱(固相反応)法)。しかし、この現象の利用は、あくまで非酸化物生成のための原料の還元(即ち、原料から酸素元素を解離すること)だけに限定され、ガス状物質の種類も限定されている。これは、経験則に基づく知見の蓄積で得られた成果であったので、現象の「本質的な限定要素」が明確化されていないことが理由であると推定される。
特開平4−74705号公報 特開平2−283605号公報 特開平3−137009号公報 特開2000−219901号公報 特開平6−100305号公報 特開平11−130411号公報 A.W.Weimer,G.A.Cochran,G.A.Eisman,J.P.Henley,B.D.Hook,L.K.Mills,T.A.Guiton,A.K.Knudsen,N.R.Nicholas,J.E.Volmering,W.G.Moore,Rapid Process for Manufacturing Aluminum Nitride Powder,J.Am.Ceram.Soc.,77,3−18(1994) 平井伸治、村上英明、片山博、上村揚一郎、三友護、アルミナと窒化アルミニウムからの酸窒化アルミニウムスピネルの生成、日本金属学会誌、Vol.58、p.648、1994 堀田憲康、福井紘一郎、吉川裕一、亀島哲、木村勇雄、金谷貢、浮上窒化反応による高純度AlN粉末の合成、J.Ceram.Soc.Japan,102,1032−1036(1994)
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、上記従来技術の有する諸問題を抜本的に解決することを可能とする新しい技術を開発することを目標として鋭意研究を積み重ねた結果、気相中で連続的に粒子を製造する方法であって、原料を還元又は窒化反応させることにより非酸化物を製造するプロセスにおいて、非酸化物を製造する温度で正の標準生成自由エネルギーを持つガス状物質を添加することで、その反応の自由エネルギーを、上記の還元又は窒化反応の自由エネルギーより小さくすることにより、所期の目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、上記の従来の非酸化物粒子、その製造方法及び製造装置が持つ欠点を克服した新規な非酸化物の製造方法、その製造装置、及びその粒状物質を提供することを目的とするものである。また、本発明は、<A>1ミクロン以上の平均粒子径、<B>高球形度の形状、<C>気相中の連続製法、を同時に達成した新規な非酸化物の製造方法、その製造装置、及びその粒状物質を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するための、本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)気相中で連続的に粒状物質を製造する方法であって、原料を還元、窒化又は炭化反応させることにより窒化物、酸窒化物又は炭化物を製造するプロセスにおいて、還元、窒化又は炭化反応の自由エネルギーを下げるために、これらの製造温度で正の標準生成自由エネルギーを有する炭化水素系ガス、アンモニア、水素、窒素のいずれかのガス状物質をそれらの反応場へ添加することを特徴とする窒化物、酸窒化物又は炭化物から成る非酸化物系粒子の製造方法。
(2)製造温度で正の標準生成自由エネルギーを有する炭化水素系ガス、アンモニア、水素、窒素のいずれかのガス状物質を予め製造し、添加することを特徴とする前記(1)記載の製造方法。
(3)500〜10000℃の温度を与えたガス状物質を製造し、添加することを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の製造方法。
(4)原料を窒化物、酸窒化物又は炭化物の反応場へ落下せしめることを特徴とする前記(1)から(3)のいずれかに記載の製造方法。
(5)平均粒子径1〜500ミクロン、及び形状が長径/短径比1〜1.5である粒状物質を製造することを特徴とする前記(1)から(4)のいずれかに記載の製造方法。
(6)前記(1)から(5)のいずれかに記載の製造方法で得られた窒化物、酸窒化物又は炭化物から成る非酸化物系粒状物質。
(7)前記(6)記載の粒状物質を成形したことを特徴とする非酸化物系粒子の成形体。
(8)前記(6)記載の粒状物質を任意に成形し、焼結したことを特徴とする非酸化物系粒子の焼結体。
(9)気相中の連続的な粒状物質の製造法に使用する製造装置であって、製造温度で正の標準生成自由エネルギーを有する炭化水素系ガス、アンモニア、水素、窒素のいずれか又は複数を添加する手段、前記のガス状物質を予め製造し、添加する手段、500〜10000℃の温度を与えた窒化物又は酸窒化物又は炭化物の反応場へ前記のガス状物質を添加する手段、500〜10000℃の温度を与えた前記のガス状物質を予め製造し、添加する手段、原料を窒化物又は酸窒化物又は炭化物の反応場へ落下せしめる手段のうち、いずれかの手段、又は複数の手段の複合から成り、上記炭化水素系ガス、アンモニア、水素、窒素のいずれかを添加して、窒化物又は酸化物又は炭化物から成る非酸化物系粒子を製造するための機能を有することを特徴とする非酸化物系粒子の製造装置。
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明者らは、非酸化物の反応を熱力学的に再検討した。その結果、ある種のガス状物質を添加した場合に非酸化物の反応性(還元反応)が向上する現象は、非酸化物を製造する温度で、そのガス状物質が正の標準生成自由エネルギーを持つために、非酸化物生成反応に必要な自由エネルギーを小さくできることが原因であることを熱力学的に明らかにした。しかも、酸化物生成反応に必要な自由エネルギーは、上記の非酸化物生成反応より小さい場合が多いのが一般的であるが、非酸化物を製造する温度で正の標準生成自由エネルギーを持つガス状物質を添加した反応の自由エネルギーは、(非酸化物生成反応だけではなく)酸化物生成反応よりも小さくなる場合があることもわかった。更に、この反応機構は、原理的に、酸化物の還元(原料から酸素元素を解離)だけに限定されるものではなく、窒化(原料と窒素元素を反応)や、大粒径の原料でも反応が可能であったり(還元や窒化反応性が向上されるため)、電気炉中のバッチ処理に比べて本質的に反応時間の短い気相中の連続製法でも反応を駆動し得る可能性を持つこと(上記のガス状物質による自励的な反応を利用し、熱エネルギーの効率的利用が可能な内部加熱方式で構成できるため)、に着目した。
本発明者らは、以上の着想を実現すべく鋭意検討した結果、具体的には、(1)気相中で連続的に粒子を製造する方法であって、原料を還元又は窒化反応させることにより非酸化物(但し、窒化物に限らない)を製造するプロセスにおいて、非酸化物を製造する温度で正の標準生成自由エネルギーを持つガス状物質(但し、従来技術で限定されたガス状物質種に限らない)を添加することにより、その反応の自由エネルギーを、上記の還元又は窒化反応の自由エネルギーより小さくすること、(2)上記の反応を構成する装置と別に、原料を還元又は窒化するためのガス状物質を生成するための装置を作り、当該ガス状物質を予め製造し、添加すること、(3)前記(1)記載の反応を構成する装置、又は前記(2)記載のガス状物質の製造装置に、500〜10000℃の温度を与える装置を結合し、当該温度を与えたガス状物質を製造し、添加すること、及び(4)原料を前記(1)記載の反応場へ落下せしめること、そして、以上の4点の制御を同時に、又は連続的に、又は断続的に組み合わせることで、本発明を具現化した。
本発明において、非酸化物とは、高熱伝導性が注目される窒化アルミニウム(AlN)、耐食・耐薬品性や高光学特性が注目される酸窒化アルミニウム(ガンマAlON)、高機械的特性等が注目される窒化ケイ素(Si34 )や炭化ケイ素(SiC)を好適な例とするが、特にこれに制限されるものではない。
本発明において、窒化アルミニウム又は酸窒化アルミニウムを製造する場合、原料としては、好適には、直接窒化法を基本とする場合はアルミニウム金属、特に水、ガス、遠心等の各種アトマイズ法で製造された球形度の高いAl系粒子群が用いられるが、特に制限はない。また、還元窒化法を基本とする場合、バイヤー法又は改良バイヤー法、アルコキシド法、アンモニウムドーソナイト法、気相法等で製造されたアルミナ系粒子群が好適に用いられるが、更に、ボーキサイトなどの岩石類、アルファ相、ガンマ相、シータ相、カッパ相の各種アルミナ多系(中間アルミナ)群、AlOOHやAl(OH)3 の化学式で表現される水酸化物前駆体、アセチルアセトナト(化学式Al(C5723 )やアンモニウムドーソナイト(化学式NH4 AlCO3 (OH)2 )等の炭酸塩前駆体、等が用いられるが、特に制限はない。気相法を基本とする場合、好適には、AlCl3 等の塩化物、アルミニウムイソプロポキシド(化学式Al(iso−OC353 )等のアルコキシド原料、アルミニウムアセチルアセトナト(化学式Al(iso−C5723 )等のβジケトン錯体、トリメチルアルミニウム(化学式Al(CH33 )等のアルキルメタル等、低沸点の気相合成用原料群、等が用いられるが、非酸化物を製造する反応に供することが可能であれば良く、特に制限されるものではない。
本発明において、非酸化物を製造する温度で正の標準生成自由エネルギーを持つガス状物質、又は、還元又は窒化能力を持つガス状物質としては、好適には、入手の容易さから炭化水素系ガス及びアンモニアガスが用いられるが、特に制限は無く、非酸化物が生成する一般的な温度範囲である数1000℃近辺での標準生成自由エネルギーが正の値となる性質を持ったガス状物質であれば、任意のガス種を適用できる。なお、好適なガス状物質の例と、それらの標準生成自由エネルギー、還元又は窒化能力を、表1に例示した。
本発明において、原料が粒状物質の場合、粒子の流動化又は気相分散状態の形成・利用方法については、好適には、粒子を気流で搬送・滞留化させる各種の流動層法(原料粒子より大きく、流動化し易い数100ミクロン直径の媒体メディアを同時に用い、原料粒子の凝集を防止しながら高分散化を図る媒体流動層法、粉体層に振動を印加して微粒子のチャネリングを防止する振動流動層法等)が適用されるが、例えば、更に、回転円板やガスノズルを用いて粒子を気流にのせる各種噴霧法、液体媒体中に粒子を分散させ、超音波霧化器等で液体ごと粒子を液滴化する液体噴霧法等も適用可能であり、特に制限されるものではなく、何れの方法で調製された粒状物質も適用できる。
本発明において、1ミクロン以上の平均粒子径を持つ粒状物質の原料として、液状原料も一般的であるが、媒体としてはイオン交換水や蒸留水等の水系、エタノール等の有機非水系の他、ガソリンやトルエン、ベンゼン等の可燃性液状物質を使用し、非酸化物生成のための原料をイオン状態に溶解、又は粒状〜コロイド状に分散させた溶液又はスラリーが例示されるが、特に制限されるものではない。その供給方法は、回転円板やガスノズル等の各種噴霧法、超音波霧化器等が例示される。
本発明において、非酸化物の反応装置、又は非酸化物が生成する温度で還元又は窒化能力を持つガス状物質を生成するための装置、又はそれらに同時に、又は連続的に、又は断続的に高温付与可能な装置は、石英、アルミナ、耐熱鋼等の反応管や壁を設け、雰囲気制御や、発生熱エネルギーの効率的利用が可能な密閉構造を好適とするが、反応に問題が無ければ自由空間でも良い。また、反応駆動力としては、原料の自励的な反応が経済性の点で最も望ましいが、反応促進と短時間化の目的で、気相析出反応(CVD)法で多用される外部加熱(電気炉)法や、プラズマ、アーク、火炎(但し「火炎」とは、完全燃焼であり、水蒸気(H2O)と二酸化炭素(CO2 )に完全に分解される現象をいう)、高還元比の部分燃焼(但し「還元比」とは、水蒸気+二酸化炭素と、水素(H2 )+一酸化炭素(CO)との比)、等を併用することを妨げるものではない。
本発明の製造装置は、気相中の連続的な粒状物質の製造法に使用する製造装置であって、製造温度で正の標準生成自由エネルギーを有する炭化水素系ガス、アンモニア、水素、窒素のいずれか又は複数を添加する手段、前記のガス状物質を予め製造し、添加する手段、500〜10000℃の温度を与えた窒化物又は酸窒化物又は炭化物の反応場へ前記のガス状物質を添加する手段、500〜10000℃の温度を与えた前記のガス状物質を予め製造し、添加する手段、原料を窒化物又は酸窒化物又は炭化物の反応場へ落下せしめる手段のうち、いずれかの手段、又は複数の手段の複合から成り、上記炭化水素系ガス、アンモニア、水素、窒素のいずれかを添加して、窒化物又は酸化物又は炭化物から成る非酸化物系粒子を製造するための機能を有することを特徴とするものである。
本発明の要件を具体化する場合に想定される装置構成の一例を、図1に整理した。図1−aは、原料の自励的な反応を利用する場合の装置構成を具現化したものに相当する。大気圧状態で運転可能な「正の標準生成自由エネルギーのガス支援型・非酸化物製造装置」に原料を投入する際、ガス状物質を添加する。図1−bは、還元又は窒化用ガス状物質発生装置を併用する場合の装置構成を具現化したものに相当する。図1−cは、外部加熱装置を併用し、それを同時加熱方式で用いる場合の装置構成を具現化したものに相当する。図1−dは、還元又は窒化用ガス状物質発生装置を併用し、それに更に、外部加熱装置を併用した場合の装置構成を具現化したものに相当する。図1−eは、外部加熱装置を併用し、それを同時加熱方式で用い、更に、還元又は窒化用ガス状物質発生装置を併用した場合の装置構成を具現化したものに相当する。図1−fは、外部加熱装置を併用し、それを同時加熱方式で用い、更に、還元又は窒化用ガス状物質発生装置(それにも外部加熱装置を併用)を併用した場合の装置構成を具現化したものに相当する。図1−gは、外部加熱装置を併用し、それを連続加熱方式で用いる場合の装置構成を具現化したものに相当する。図1−hは、外部加熱装置を併用し、それを連続加熱方式で用い、更に、還元又は窒化用ガス状物質発生装置を併用した場合の装置構成を具現化したものに相当する。これらの装置構成は、特に制限されるものではない。
次に、アルミニウム(Al)の直接窒化反応を基本とし、「非酸化物が生成する条件下で標準生成自由エネルギーが正の値となる性質を持ったガス状物質」として、アセチレン(C2 2 )とアンモニア(NH3 )を添加する例を説明する。一般的なAlの直接窒化反応は次式による;
2Al+N2 →2AlN (1)
NH3 によるAlの窒化反応は次式による;
2Al+2NH3 →2AlN+3H2 (2)
一方、大気圧下など酸素が存在する場合、金属Alは容易に次式の酸化反応が起こる;
4Al+3O2 →2Al23 (3)
(3)式の酸化反応を起こさずに、(1)式や(2)式の反応を進行させるには、非酸化雰囲気に保持、十分な高温、水素(H2 )分圧を平衡分圧以下に保つ等の制御を要する。
一方、次式;
2Al+2NH3 +C22 +O2 →2AlN+2CO+4H2 (4)
又は、
14Al+2NH3 +2C22 +11O2 →2Al79 N+4CO+5H2
(5)
に従う、Al−C22 −NH3 系の窒化アルミニウム(AlN)又は酸窒化アルミニウム(ここではAl79 N)の生成反応の標準生成自由エネルギーは、工業化されている窒化反応で一般的な1000K(727℃)〜1800K(1527℃)の温度範囲において、十分大きな負の値をとる。これは、反応式の左辺に位置するC22 とNH3 が、上記温度範囲で正の標準生成自由エネルギーを持っているためである。(1)式や(2)式に比べ、(4)式や(5)式の反応は、(3)式の反応を起こさずに、比較的容易な制御条件で駆動させることが見込める。以上の反応の自由エネルギー変化と温度との関係(エリンガム線図)を図2に整理した(なお、各元素や化合物等の標準生成自由エネルギーは、JANAF熱化学表等から引用した)。また、酸窒化アルミニウムは、それを生成物として使用する他、次式によりAlNに変換して用いることも可能である;
Al79 N+9C+3N2 →7AlN+9CO (6)
次に、アルミニウム(Al)の直接窒化反応を基本とし、「非酸化物が生成する条件下で標準生成自由エネルギーが正の値となる性質を持ったガス状物質」としてプロパン(C38 )とアンモニア(NH3 )を添加する例を説明する。
次式;
2Al+2NH3 +2C38 +3O2→2AlN+6CO+11H2
(7)
又は、
14Al+2NH3 +2C38 +12O2 →2Al79 N+6CO+12H2
(8)
に従う、Al−C38 −NH3 系の窒化アルミニウム(AlN)又は酸窒化アルミニウム(ここではAl79 N)の生成反応の標準生成自由エネルギーは、工業化されている窒化反応で一般的な1000K(727℃)〜1800K(1527℃)の温度範囲において、極めて大きな負の値をとる。これは、反応式の左辺に位置するC38 とNH3 が、上記温度範囲で標準生成自由エネルギーが正の値となる性質を持っているためである。なお、反応の自由エネルギー変化と温度との関係(エリンガム線図)を図3に整理した。
次に、アルミナ(Al23 )の還元窒化反応を基本とし、「非酸化物が生成する条件下で標準生成自由エネルギーが正の値となる性質を持ったガス状物質」としてアセチレン(C22 )とアンモニア(NH3 )を添加する例を説明する。一般的なAl23 の還元窒化反応は次式による;
Al23 +3C+N2 →2AlN+3CO (9)
NH3 によるAl23 の窒化反応は次式による;
Al23 +2NH3 →2AlN+3H2 O (10)
(9)式や(10)式の反応を進行させるには、十分な高温、水蒸気(H2 O)分圧を平衡分圧以下に保つ等、高度な制御を要する。
一方、次式;
2Al23 +4NH3 +3C22 →4AlN+6CO+9H2 (11)
又は、
14Al23 +4NH3 +3C22 →4Al79 N+6CO+9H2
(12)
に従う、Al23 −C22 −NH3 系の窒化アルミニウム(AlN)又は酸窒化アルミニウム(ここではAl7 O9 N)の生成反応の標準生成自由エネルギーは、工業化されている窒化反応で一般的な1000K(727℃)〜1800K(1527℃)の温度範囲において、極めて大きな負の値をとる。これは、反応式の左辺に位置するC22 とNH3 が、上記温度範囲で標準生成自由エネルギーが正の値となる性質を持っているためである。なお、反応の自由エネルギー変化と温度との関係(エリンガム線図)を図4に整理した。
次に、アルミナ(Al23 )の還元窒化反応を基本とし、「非酸化物が生成する条件下で標準生成自由エネルギーが正の値となる性質を持ったガス状物質」としてプロパン(C38 )とアンモニア(NH3 )を添加する例を説明する。
次式;
Al23 +2NH3 +C38 =2AlN+3CO+7H2 (13)
又は、
7Al23 +2NH3 +C22 →2Al79 N+3CO+7H2 (14)
に従う、Al23 −C38 −NH3 系の窒化アルミニウム(AlN)又は酸窒化アルミニウム(ここではAl79 N)の生成反応の標準生成自由エネルギーは、工業化されている窒化反応で一般的な1000K(727℃)〜1800K(1527℃)の温度範囲において、極めて大きな負の値をとる。これは、反応式の左辺に位置するC38 とNH3 が、上記温度範囲で標準生成自由エネルギーが正の値となる性質を持っているためである。なお、反応の自由エネルギー変化と温度との関係(エリンガム線図)を図5に整理した。
次に、シリコン(Si)の直接窒化反応を基本とし、「非酸化物が生成する条件下で標準生成自由エネルギーが正の値となる性質を持ったガス状物質」としてアセチレン(C22 )とアンモニア(NH3 )を添加する例を説明する。一般的なSiの直接窒化反応は次式による;
3Si+2N2 →Si34 (15)
NH3 によるSiの窒化反応は次式による;
3Si+4NH3 →Si3 4 +6H2 (16)
一方、大気圧下など酸素が存在する場合、金属Siは容易に次式の酸化反応が起こる;
Si+O2 →SiO2 (17)
(17)式の酸化反応を起こさずに、(15)式や(16)式の反応を進行させるには、非酸化雰囲気に保持、十分な高温、水素(H2 )分圧を平衡分圧以下に保つ等、高度な制御を要する。
一方、次式;
3Si+4NH3 +C22 +O2 →Si34 +2CO+7H2 (18)
に従う、Si−C22 −NH3 系の窒化ケイ素(Si34 )の生成反応の標準生成自由エネルギーは、工業化されている窒化反応で一般的な1000K(727℃)〜1800K(1527℃)の温度範囲において、負の値をとるものの、(17)式の酸化反応には適わない。これは、反応式の左辺に位置するC22 とNH3 が、上記温度範囲で標準生成自由エネルギーが正の値となる性質を持っているものの、不足であったためである。なお、反応の自由エネルギー変化と温度との関係(エリンガム線図)を図6に整理した
次に、シリコン(Si)の直接窒化反応を基本とし、「非酸化物が生成する条件下で標準生成自由エネルギーが正の値となる性質を持ったガス状物質」としてプロパン(C38 )とアンモニア(NH3 )を添加する例を説明する。
次式;
3Si+4NH3 +2C38 +3O2 →Si34 +6CO+14H2(19)
に従う、Si−C38 −NH3 系の窒化ケイ素(Si34 )の生成反応の標準生成自由エネルギーは、工業化されている窒化反応で一般的な1000K(727℃)〜1800K(1527℃)の温度範囲において、極めて大きな負の値をとる。これは、反応式の左辺に位置するC38 とNH3 が、上記温度範囲で標準生成自由エネルギーが正の値となる性質を持っているためである。なお、反応の自由エネルギー変化と温度との関係(エリンガム線図)を図7に整理した。
次に、シリカ(SiO2 )の還元窒化反応を基本とし、「非酸化物が生成する条件下で標準生成自由エネルギーが正の値となる性質を持ったガス状物質」としてアセチレン(C22 )とアンモニア(NH3 )を添加する例を説明する。一般的なSiO2 の還元窒化反応は次式による;
3SiO2 +6C+2N2 →Si34 +6CO (20)
NH3 によるSiO2 の窒化反応は次式による;
3SiO2 +4NH3 →Si34 +6H2 O (21)
(20)式や(21)式の反応を進行させるには、非酸化雰囲気に保持、十分な高温、水蒸気(H2 O)分圧を平衡分圧以下に保つ等、高度な制御を要する。
一方、次式;
3SiO2 +4NH3 +3C22 →Si34 +6CO+9H2 (22)
に従う、SiO2 −C22 −NH3 系の窒化ケイ素(Si34 )の生成反応の標準生成自由エネルギーは、工業化されている窒化反応で一般的な1000K(727℃)〜1800K(1527℃)の温度範囲において、極めて大きな負の値をとる。これは、反応式の左辺に位置するC22 とNH3 が、上記温度範囲で標準生成自由エネルギーが正の値となる性質を持っているためである。なお、反応の自由エネルギー変化と温度との関係(エリンガム線図)を図8に整理した。
次に、シリカ(SiO2 )の還元窒化反応を基本とし、「非酸化物が生成する条件下で標準生成自由エネルギーが正の値となる性質を持ったガス状物質」としてプロパン(C38 )とアンモニア(NH3 )を添加する例を説明する。
次式;
3SiO2 +4NH3 +2C38 →Si34 +6CO+14H2 (23)
に従う、SiO2 −C38 −NH3系の窒化ケイ素(Si34 )の生成反応の標準生成自由エネルギーは、工業化されている窒化反応で一般的な1000K(727℃)〜1800K(1527℃)の温度範囲において、極めて大きな負の値をとる。これは、反応式の左辺に位置するC38 とNH3 が、上記温度範囲で標準生成自由エネルギーが正の値となる性質を持っているためである。なお、反応の自由エネルギー変化と温度との関係(エリンガム線図)を図9に整理した。
本発明において、製造された粒状物質を利用した成形体や焼結体としては、半導体素子の保護・絶縁などを目的としたパッケージング(封止)材料を好適とするが、更に、絶縁材料、電極・導電材料、電気粘性流体、化学機械研磨用スラリー、射出成形や鋳込み成形などのセラミック成形プロセス原料、基板材料、セラミック電子材料、セラミック構造材料、等の材料系が例示される。本発明は、これらの材料系に好適に使用し得る非酸化物系粒子の成形体や焼結体を提供するものとして有用である。
本発明により、1)従来の非酸化物粒子、その製造方法及び製造装置が持つ欠点を克服し、気相中の連続的な粒子の製法を提供できる、2)原料を還元又は窒化反応させることにより非酸化物を製造するプロセスにおいて、非酸化物を製造する温度で正の標準生成自由エネルギーを持つガス状物質を添加することにより、その反応の自由エネルギーを、上記の還元又は窒化反応の自由エネルギーより小さくすることにより、<A>1ミクロン以上の平均粒子径、<B>高球形度の形状、<C>気相中の連続製法、を同時に達成した新規な非酸化物の製造方法、又は製造装置、又はその粒状物質を提供することができる、という格別の効果が奏される。
次に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
代表的な非酸化物として、窒化アルミニウム(AlN)系又は酸窒化アルミニウムを用いて、以下の実施例を展開した。
図2に示した本発明の要件を具体化する場合に想定される装置構成例より、最も基礎的な図2−aを基本とした実施例を示す。反応の種類として「アルミニウム(Al)の直接窒化反応」を基本とし、「非酸化物を製造する温度で正の標準生成自由エネルギーを持つガス状物質」としてアセチレン(C2 2 )とアンモニア(NH3 )を添加する上記反応メカニズムを採用し、これを具体化することとした。但し、NH3 の添加位置は、非酸化物が生成する条件を持った反応場の中央とし、非酸化物の原料やC22 の後から添加した。その概略図を図10に示す。
(1)方法
反応器は、アルミナ反応管とステンレス製二重円筒管とした。ガス状物質の供給部はスパッド型とし、ガス混合の際のデッドゾーンの減少を図った。ステンレス製二重円筒管の外管へC22 を供給し、内管へ原料及び反応ガス系とを搬送した。原料のAlは、工業化優位性と生産性を考慮し、液状ではなく粒状物質を用いた。そこで、凝集等による搬送や反応の不均一性低減のため、供給装置として、流動層式の気相状態の粒状物質(エアロゾル)発生装置を用いた。流動化は、媒体流動層法とし、直径150ミクロンのガラスビーズを媒体として使用した。反応管中の雰囲気制御を厳密に行い、気相反応により、粒状の生成物を得た。捕集はテフロン(登録商標)フィルターを通してポンプ引きし、有害ガスなどをトラップ除去する構成を採用した。Al原料は、平均粒子径・約3ミクロンのガスアトマイズ法による球状粒子を用いた。Alは、窒化原料兼用の窒素ガスにより、1分当たり3リッターで搬送した。C22 は、1分当たり4リッターで供給した。また酸素(O2 )を、C22 との化学量論比〜還元側で調節した。更にNH3 を、上記のように反応場の中央より、1分当たり0リッター〜3リッターまで調整して供給した。
(2)結果
本実施例の生成物のX線分析結果を、図11−aと図11−bに示す。図11−aは、NH3 を反応場の中央より1分当たり3リッターで供給した場合の粒状生成物のX線ピークを表す。NH3 を反応場の中央より添加した場合、ほとんどが原料であるAlのピークであり、酸窒化アルミニウムのピークも見られるものの、非常に少ない。図11−bは、NH3 無添加の場合の粒状生成物のX線ピークである。化学量論的には窒化源が不足であるにも関わらず、むしろNH3 無添加の場合の方が、目的生成物である酸窒化アルミニウムのピークが大きい。この結果は、本発明の窒化反応が、上記の(5)式で示した「気相中でのAl粒子内への窒化成分の拡散(及びその気相反応)」を主反応としていることを表している。一方、「Al粒子表面から発生した蒸気と窒化成分ガスとの気相中での反応」は、無くはないとしても、主反応ではない。図12に、2つの窒化反応の違いを模式的に示した。本発明の窒化反応が、前者(粒子中拡散・反応=図12−a)の寄与が大きいことは、もしも後者(気相中反応=図12−b)の寄与が大きいならば、先にAl粒子から十分に蒸気を発生させ、その後、反応場の中央(反応の最も効率的な場所)へNH3 を供給するほうが、反応の効率化に寄与するはず、という思考実験からも推察できる。
このことは、本発明が目的とする、<A>1ミクロン以上の平均粒子径、<B>高球形度の形状、<C>気相中の連続製法、を達成する上で、極めて大きいポイントである。即ち、「粒子中へのガス拡散と、拡散したガスと粒子との反応(図12−a)」とは、電気炉中のバッチ処理を基本とした直接窒化法や還元窒化法と反応駆動原理と同一であり、本発明によると、バッチ処理を気相中の連続製法に変えたにも関わらず、電気炉中のバッチ処理と同一の反応を使用できることを意味するからである。このことは、大粒子化や生産性の点で非常に有利であり、原理的(本質的)に、直接窒化法や還元窒化法で成功している生成物(例えば、1ミクロン以上の平均粒子径と、高球形度の形状を同時に有した窒化アルミニウム粒子等)を製造できるポテンシャルを本質的に持っていることを示している。
本発明と好対照に、発熱反応である金属粒子の直接窒化法又はガス窒化法を電気炉中バッチ処理から連続処理に変えた既往の製法では、NH3 添加効果が正反対になることが報告されている(例えば、非特許文献3参照)。即ち、既往の製法の窒化反応は、NH3 を反応場の中央より添加した場合に最も良く進み、NH3 無添加の場合や、NH3 を他原料と先に混合して反応場に供給した場合、反応効率の低下が明らかにされている。そしてその理由として、「Al粒子表面から発生した蒸気と窒化成分ガスとの気相中での反応(図12−b)」を主反応としていることを挙げている。このことは、大粒子化や生産性の点では不利となる。
即ち、「Al粒子表面から発生した蒸気」を主原料とするということは、Al粒子表面にも窒化アルミニウム層が形成されることを意味しており、未反応のAl層が内部に残存してしまう(図12−b)。その結果、(1)完全な反応のためには0.1〜0.2ミクロンの粒子径が限界で、それ以上の大粒径は製造できない、(2)原料である金属粒子は下から上へ送ることが、反応性向上のためには必要とされる、(3)大粒径の原料粒子はその表面からの発生成分のみを利用し、残りは燃えカスとして自然落下され、本質的に低生産性な「原料の上昇供給」に限定される、という問題点が発生する(例えば、特許文献2参照)。原料を100%利用できず、燃えカスが本質的な製法であるということは、工業的製法と
して限界がある。
実施例1と好対照に、NH3 の添加位置を、非酸化物が生成する条件を持った反応場の直前とし、非酸化物の原料やC22 と先に混合してから添加した。その概略図を図10に示す。
(1)方法
実施例1とほぼ同様に実施した。但し、NH3 を1分当たり3リッターに調整し、非酸化物の原料やC22 と先に混合してから、供給した。
(2)結果
本実施例の生成物のX線分析結果を、図11−cに示す。化学量論的な組成制御の通り、酸窒化アルミニウム単相の粒状生成物が得られた。次に、生成物の形状を確認するため、走査型電子顕微鏡写真を、図13−dに示す。比較のため、市販されている酸窒化アルミニウムの走査型電子顕微鏡写真を、図13−aに示した。また、顕微鏡写真は生成物の一部の情報に留まる危険性があるため、これを補償する目的で、光回折/散乱法による粒子径分布測定、及びBET3点法による比表面積測定を行った(図14)。原料のAl粒子との粒子径変化を確認するため、図14中には、原料Alの粒子径分布を示した。その結果、原料粒子の平均径は7.4ミクロン、比表面積は0.47m2 /gに対し、本発明の非酸化物系粒子(ここでは、酸窒化アルミニウム)は、7.7ミクロン、0.88m2/gであった。
既往の市販粒子は、粉砕工程を経ているにも関わらず、生成粒子が固く融着又は凝集した状態が残っている(図13−a)。これは、電気炉中のバッチ処理で酸窒化アルミニウムを合成するには、超高温(一般に、1650℃以上〜2000℃程度)の長時間処理が必要であり、融着又は凝集状態が不可避であるためである(例えば、非特許文献2参照)。これに対し、本発明の酸窒化アルミニウム粒子(図13−d)は、原料のAl粒子の融着又は凝集による粗大粒子化を起こさず(即ち、図14に示すように平均粒子径は変化していない)、高分散状態が実現可能となっている。しかも、個々の1次粒子表面には、サブミクロン径以下の超微粒子が均一に被覆された状態となっている。図14に示された原料Alに対する粒子径分布幅と比表面積の増加は、これに起因するものと思われる。また更に、NH3 供給量により、平均粒子径0.1ミクロン〜10ミクロンと、粒状生成物サイズを制御することも可能であった。
以上の結果は、本発明の窒化反応が、上記の(5)式で示した「気相中でのAl粒子内への窒化成分の拡散(及びその気相反応)」を主反応としつつ、一方、「Al粒子表面から発生した蒸気と窒化成分ガスとの気相中での反応」が、一部、生じていることを表している(図12−a)。このことは、本発明が目的とする、<A>1ミクロン以上の平均粒子径、<B>高球形度の形状、<C>気相中の連続製法、を達成可能なことに留まらず、1ミクロン「以下」の平均粒子径の粒子合成(例えば、焼結体用原料の供給方法等)をも、実施可能な能力を有することを示し、本発明の将来性(ポテンシャル)の高さを示唆する結果として指摘できる。
従って、本発明の効果として、次のことが指摘できる。即ち、本発明により、(1)直接合成された段階で(熱処理などを施さずに)100%酸窒化アルミニウム組成の粒状物質が製造可能(即ち、1650℃以上の高価な熱処理設備や、余計な後段の熱処理が不要)、(2)原料(前駆体)粒子の大きさを保持した、平均粒子径がミクロンオーダー程度の粒子合成を達成可能、(3)合成された段階で、粒子の粗大化が起こらず、高分散状態が実現可能(粉砕工程が不要)、(4)高い球形度を達成可能、(5)特に、金属Al粒子の直接窒化を反応駆動原理として用いているにも関わらず、生成粒子が固く融着又は凝集した状態が発生し難い、(6)1ミクロン以下の平均粒子径の粒子合成にも適用可能、(7)窒化源の供給量という容易に調整可能な条件で、粒状生成物サイズを制御可能、という利点が得られる。
図2に示した本発明の要件の想定される装置構成例より、図2−gを基本とした実施例を示す。反応の種類として「アルミニウム(Al)の直接窒化反応」を基本とし、「非酸化物を製造する温度で正の標準生成自由エネルギーを持つガス状物質」としてアセチレン(C22 )とアンモニア(NH3 )を添加する上記の(5)を採用し、これを具体化した。
(1)方法
実施例2とほぼ同様に実施した。但し、実施例2に付加する連続処理型・熱処理炉(図2−g)の条件として、窒素ガスを1分当たり0.5リッターで流し、炉温1400℃とした。
(2)結果
本実施例の生成物のX線分析結果を、図11−dに示す。窒化アルミニウム単相の粒状生成物が得られた。次に、生成物の形状を確認するため、走査型電子顕微鏡写真を、図13−eに示す。比較のため、市販されている窒化アルミニウムの走査型電子顕微鏡写真を、図13−bに示した。但し、市販粒子は、本発明で目的とする1ミクロン以上の平均粒子径を持つものの中から代表例を選んだ。この場合、還元窒化法や気相反応法による市販粒子は、一般的に、その1次粒子サイズが小さく、目的に合致し難い。ここでは、直接窒化法による市販粒子を示した。
既往の市販粒子は、工程上不可避の粉砕処理を反映して、角状粒子が主成分となっている(図13−b)。これに対し、本発明の窒化アルミニウム粒子(図13−e)は、Al原料(前駆体)粒子の形状を保持し、ほぼ真球状の粒状生成物が得られていることがわかる。しかも、粒状生成物サイズは、微細側は約0.1ミクロン、大粒子側は約10ミクロンまで、制御可能であった。以上の結果は、本発明の窒化反応が、上記の(5)式及び(6)式で示した「気相中でのAl粒子内への窒化成分の拡散(及びその気相反応)」を主反応としつつ、一方、「Al粒子表面から発生した蒸気と窒化成分ガスとの気相中での反応」が、一部、生じていることを表している(図12−a)。
このことは、本発明が目的とする、<A>1ミクロン以上の平均粒子径、<B>高球形度の形状、<C>気相中の連続製法、を達成可能なことに留まらず、1ミクロン「以下」の平均粒子径の粒子合成(例えば、焼結体用原料の供給方法等)をも、実施可能な能力を有することを示し、本発明の将来性(ポテンシャル)の高さを示唆する結果として指摘できる。
更に、実施例2に付加する連続処理型・熱処理炉(図2−g)の炉温が1400℃という、一般的な酸窒化アルミニウム→窒化アルミニウム変換プロセス(その場合1650℃以上。例えば、非特許文献2参照)に比較して、既往の固相法を基本とした製法では不可能な低温でも十分であったことは、極めて大きいポイントである。即ち、1500℃程度以下にまで低温化することが可能となれば、例えば、既存の還元窒化プロセスで構築された技術基盤(ノウハウ及び装置設備)転用も期待することができ、工業化が十分に見込めることを意味するからである。この理由としては、酸窒化アルミニウムが合成された段階で、平均粒子径がミクロンオーダー程度で、粒子粗大化フリーの高分散状態が実現可能(粉砕工程が不要)であったことが指摘できる。即ち、既往製法に比べ微細化と高分散化が向上した結果、窒化源及び還元源の供給の均一分散化が進展し、(6)式の窒化反応が容易に進んだものと推察できる。
従って、本発明の効果として、次のことが指摘できる。即ち、本発明により、(1)直接合成された段階で(熱処理などを施さずに)100%窒化アルミニウム組成の粒状物質が製造可能(即ち、1650℃以上の高価な熱処理設備や、余計な後段の熱処理が不要)、(2)原料(前駆体)粒子の大きさを保持した、平均粒子径がミクロンオーダー程度の粒子合成を達成可能、(3)合成された段階で、粉体の粗大化が起こらず、高分散状態が実現可能(粉砕工程が不要)、(4)高い球形度を達成可能、(5)特に、金属Al粒子の直接窒化を反応駆動原理として用いているにも関わらず、生成粒子が固く融着又は凝集した状態が発生し難い、(6)1ミクロン以下の平均粒子径の粒子合成にも適用可能、(7)粒状生成物サイズを制御可能、という利点が得られる。
本発明の非酸化物系粒状物質の製造方法で使用する製造装置の実施例を、本発明の製造装置の構成例(図1)に相関させて説明する。
(1)図1―aの製造装置例
図1―aは、原料の自励的な反応を利用する場合の装置の構成を具現化したものに相当し、製造温度で正の標準生成自由エネルギーを有する炭化水素系ガス、アンモニア、水素、窒素のいずれか又は複数を添加する手段を用いる場合で、最も基本的な製造装置例を示す。
(2)図1―bの製造装置例
図1―bは、還元又は窒化用のガス状物質の供給装置を併用する場合の装置の構成を具現化したものに相当する。より具体的な製造装置例として、ガス状物質の製造・供給装置(20)にプラズマ発生装置を用いることで、前記のガス状物質をプラズマで予め製造し、添加する手段を用いる場合、などが例示される。
(3)図1―cの製造装置例
図1―cは、外部加熱装置を併用し、それを同時加熱方式で用いる場合の装置の構成を具現化したものに相当する。より具体的な製造装置例として、外部加熱装置(13)に電気炉を用いることで、500〜10000℃の温度を与えた窒化物又は酸窒化物又は炭化物の反応場へ前記のガス状物質を添加する手段を用いる場合、などが例示される。
(4)図1―dの製造装置例
図1―dは、還元又は窒化用ガス状物質発生装置を併用し、それに更に、外部加熱装置を併用した場合の装置の構成を具現化したものに相当する。より具体的な製造装置例として、ガス状物質の製造・供給装置(20)の外部加熱装置(21)に電気炉を用いることで、500〜10000℃の温度を与えた前記のガス状物質を予め製造し、添加する手段を用いる場合、などが例示される。
(5)図1―eの製造装置例
図1―eは、外部加熱装置を併用し、それを同時加熱方式で用い、更に、還元又は窒化用ガス状物質発生装置を併用した場合の装置の構成を具現化したものに相当する。より具体的な製造装置例として、ガス状物質の製造・供給装置(20)にプラズマ発生装置を用い、更に、製造装置の外部加熱装置(13)に電気炉を用いることで、500〜10000℃の温度を与えた窒化物又は酸窒化物又は炭化物の反応場へ前記のガス状物質を添加する手段、及び、前記のガス状物質をプラズマで予め製造し、添加する手段を用いる場合、などが例示される。
(6)図1―fの製造装置例
図1―fは、外部加熱装置を併用し、それを同時加熱方式で用い、更に、還元又は窒化用ガス状物質発生装置(それにも外部加熱装置を併用)を併用した場合の装置の構成を具現化したものに相当する。より具体的な製造装置例として、外部加熱装置(13)に電気炉を用い、更に、ガス状物質の製造・供給装置(20)にプラズマ発生装置を用い、更に、ガス状物質の製造・供給装置の外部加熱装置(21)に電気炉を用いることで、500〜10000℃の温度を与えた窒化物又は酸窒化物又は炭化物の反応場へ前記のガス状物質を添加する手段、及び、500〜10000℃の温度を与えた前記のガス状物質を予め製造し、添加する手段を用いる場合、などが例示される。
(7)図1−gの製造装置例
図1−gは、外部加熱装置を併用し、それを連続加熱方式で用いる場合の装置の構成を具現化したものに相当する。より具体的な製造装置例として、外部加熱装置(31)に電気炉を用いることで、製造温度で正の標準生成自由エネルギーを有する炭化水素系ガス、アンモニア、水素、窒素のいずれか又は複数を添加する手段、及び、500〜10000℃の温度を与えた窒化物又は酸窒化物又は炭化物の反応場へ原料を落下せしめる手段を用いる場合、などが例示される。
(8)図1−hの製造装置例
図1−hは、外部加熱装置を併用し、それを連続加熱方式で用い、更に、還元又は窒化用ガス状物質発生装置を併用した場合の装置の構成を具現化したものに相当する。より具体的な製造装置例として、外部加熱装置(31)に電気炉を用い、更に、ガス状物質の製造・供給装置(20)にプラズマ発生装置を用いることで、製造温度で正の標準生成自由エネルギーを有する炭化水素系ガス、アンモニア、水素、窒素のいずれか又は複数を添加する手段、及び、前記のガス状物質をプラズマで予め製造し、添加する手段、及び、500〜10000℃の温度を与えた窒化物又は酸窒化物又は炭化物の反応場へ原料を落下せしめる手段を用いる場合、などが例示される。
以上詳述したように、本発明は、気相中で連続的に粒状物質を製造する方法に係るものであり、本発明により、従来の非酸化物粒子、その製造方法及び製造装置が持つ欠点を克服し、気相中の連続的な粒子の製法を提供できる。原料を還元又は窒化反応させることにより非酸化物を製造するプロセスにおいて、非酸化物を製造する温度で正の標準生成自由エネルギーを持つガス状物質を添加することにより、その反応の自由エネルギーを、上記の還元又は窒化反応の自由エネルギーより小さくすることにより、<A>1ミクロン以上の平均粒子径、<B>高球形度の形状、<C>気相中の連続製法、を同時に達成した新規な非酸化物の製造方法、又は製造装置、又はその粒状物質を提供することができる。
本発明において使用される装置構成の具体例である。但し、原料落下方式で図示している。 アルミニウムの直接窒化法を基本としたアセチレンとアンモニアを使用する製法の妥当性を証明するエリンガム線図である。 アルミニウムの直接窒化法を基本としたプロパンとアンモニアを使用する製法の妥当性を証明するエリンガム線図である。 アルミナの還元窒化法を基本としたアセチレンとアンモニアを使用する製法の妥当性を証明するエリンガム線図である。 アルミナの還元窒化法を基本としたプロパンとアンモニアを使用する製法の妥当性を証明するエリンガム線図である。 シリコンの直接窒化法を基本としたアセチレンとアンモニアを使用する製法のエリンガム線図である。 シリコンの直接窒化法を基本としたプロパンとアンモニアを使用する製法の妥当性を証明するエリンガム線図である。 シリカの還元窒化法を基本としたアセチレンとアンモニアを使用する製法の妥当性を証明するエリンガム線図である。 シリカの還元窒化法を基本としたプロパンとアンモニアを使用する製法の妥当性を証明するエリンガム線図である。 実施例1〜3で製造した窒化アルミニウム又は酸窒化アルミニウムの装置構成である。 実施例1〜3で製造した窒化アルミニウム又は酸窒化アルミニウムのX線分析結果である。 本発明の窒化反応のメカニズムと、直接窒化法(又はガス窒化法)を電気炉中バッチ処理から連続処理に変えた既往製法の窒化反応メカニズムの概念図である。 実施例2、3で製造した窒化アルミニウム又は酸窒化アルミニウムと、それと好対照の現状の市販品、及び原料であるアルミニウムのアトマイズ粒子の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例2で製造した本発明の非酸化物系粒子と、その原料(アルミニウムのアトマイズ粒子)の粒子径分布(光回折・散乱法)である。
符号の説明
10 正の標準生成エネルギーガス支援型非酸化物製造装置
11 窒化物又は酸窒化物又は炭化物の原料
12 ガス状物質
13 外部加熱装置(同時加熱方式)
14 窒化ガス(アンモニア)添加位置
15 窒化ガス(アンモニア)添加位置
20 ガス状物質製造・供給装置
21 外部加熱装置 (併用型、同時加熱方式)
30 外部加熱装置 (別建て型、連続加熱方式)
31 外部加熱装置 (併用型、同時加熱方式)
40 窒化物又は酸窒化物又は炭化物の原料粒子
41 ガス状物質
42 原料粒子表面から発生した蒸気
43 粒子中への拡散及び反応が主反応
44 生成した粒子状物質(原料粒子が完全に反応しており、電気炉中のバッチ処理を基本とした直接窒化法や還元窒化法と反応駆動原理と同一)
45 原料粒子表面から発生した蒸気との反応が主反応
46 生成した粒子状物質(超微粒子が主な生成物であり、原料粒子は表面のみが目的組成に反応し、内部は未反応の生焼け状態)

Claims (9)

  1. 気相中の連続的な粒状物質の製法であって、原料を還元又は窒化又は炭化反応させることにより窒化物又は酸窒化物又は炭化物を製造する方法において、還元又は窒化又は炭化反応の自由エネルギーを下げるため、製造温度で正の標準生成自由エネルギーを有する炭化水素系ガス、アンモニア、水素、窒素のいずれかを添加することを特徴とする窒化物又は酸窒化物又は炭化物から成る非酸化物系粒子の製造方法。
  2. 製造温度で正の標準生成自由エネルギーを有する炭化水素系ガス、アンモニア、水素、窒素のいずれかのガス状物質を予め製造し、添加することを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. 500〜10000℃の温度を与えたガス状物質を製造し、添加することを特徴とする請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 原料を窒化物、酸窒化物又は炭化物の反応場へ落下せしめることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 平均粒子径1〜500ミクロン、及び形状が長径/短径比1〜1.5である粒状物質を製造することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の製造方法で得られた窒化物、酸窒化物又は炭化物から成る非酸化物系粒状物質。
  7. 請求項6記載の粒状物質を成形したことを特徴とする非酸化物系粒子の成形体。
  8. 請求項6記載の粒状物質を任意に成形し、焼結したことを特徴とする非酸化物系粒子の焼結体。
  9. 気相中の連続的な粒状物質の製造法に使用する製造装置であって、製造温度で正の標準生成自由エネルギーを有する炭化水素系ガス、アンモニア、水素、窒素のいずれか又は複数を添加する手段、前記のガス状物質を予め製造し、添加する手段、500〜10000℃の温度を与えた窒化物又は酸窒化物又は炭化物の反応場へ前記のガス状物質を添加する手段、500〜10000℃の温度を与えた前記のガス状物質を予め製造し、添加する手段、原料を窒化物又は酸窒化物又は炭化物の反応場へ落下せしめる手段のうち、いずれかの手段、又は複数の手段の複合から成り、上記炭化水素系ガス、アンモニア、水素、窒素のいずれかを添加して、窒化物又は酸化物又は炭化物から成る非酸化物系粒子を製造するための機能を有することを特徴とする非酸化物系粒子の製造装置。
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