JP2002079105A - 排ガス浄化用触媒 - Google Patents
排ガス浄化用触媒Info
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Abstract
た上で、NOx吸蔵性能と三元性能とを高次元で両立で
きる排ガス浄化用触媒を提供する。 【解決手段】 コージライト担体10に、カリウムなど
の吸蔵剤及びゼオライトなどの酸性質材料50が添加さ
れた吸蔵触媒層20、ゼオライトからなる吸蔵剤ブロッ
ク層30、リンなどの酸性質材料60が添加された三元
触媒層40を重合して形成し、吸蔵触媒層20中の酸性
質材料20と吸蔵剤ブロック層30により、吸蔵剤の三
元触媒層40への移動を抑制すると共に、万一、三元触
媒層40に到達した吸蔵剤をリンと反応させて安定した
リン酸カリウムに変換し無害化する。
Description
に関し、特に、NOx吸蔵性能と三元性能とを有する排
ガス浄化用触媒に関する。
式エンジンなどの希薄燃焼式エンジンは、燃費特性や排
ガス特性の向上のため、所定運転域では理論空燃比より
も燃料希薄側のリーン空燃比で運転される。リーン空燃
比運転が行われる間は、排ガス中の窒素酸化物(NO
x)を三元触媒によって十分に浄化できないことから、
酸化雰囲気において排ガス中のNOxを吸蔵し、この吸
蔵したNOxを還元雰囲気で窒素(N2)に還元させる
ことにより、大気へのNOx排出量を低減させる技術が
知られている。
例えば特開平9−85093号公報に記載のように、吸
蔵剤としてカリウム(K)、バリウム(Ba)などの硝
酸塩となり得るアルカリ金属やアルカリ土類金属を添加
して、触媒にNOx吸蔵性能を付与するようにしたもの
がある。
吸蔵剤の添加量に対するNOx浄化率(リーン変化後1
5sec経過時点の値)とTHC浄化率(空燃比30の
値)を示しており、この図から明らかなように、NOx
浄化率を向上させるべく吸蔵剤の添加量を増加させると
THC浄化率が低下し、NOx吸蔵性能と三元性能(酸
化・還元性能)とはトレードオフの関係にあることがわ
かる。また、図9は熱耐久試験後のNOx浄化率とTH
C浄化率を触媒への吸蔵剤の添加量の関数として示して
いるが、この熱耐久試験中に、高温下での蒸発・飛散や
コージライト担体との反応消費などにより吸蔵剤の一部
が消失することから、熱耐久試験前に比べ熱耐久試験後
にTHC浄化率は向上するもののNOx浄化率が低下し
てしまい、やはり、トレードオフの関係が成立する。
の現象が要因となっていると推測する。 1)アルカリ塩である吸蔵剤は非常に高い電子供与物質
であり、電子を放出することにより、貴金属上へのC
O,HCの吸着作用を弱化させる。そして、この電子供
与作用は、吸蔵性能の高い吸蔵剤ほど高くなる。
る吸蔵剤は移動し易い特性を有するため、貴金属活性面
の表面を覆ってしまう確率が高くなる。この現象は、高
温特性の向上のために吸蔵剤を増加させるほど顕著とな
る。以上の要因により、単一の触媒でNOx吸蔵性能と
三元性能とを高次元で両立させることは困難となる。
運転のみで満たすことは非現実的なため、触媒システム
にはストイキ運転やリッチ運転で発生するCO,HCを
浄化する三元性能は必須であり、また、リーン運転時に
吸蔵したNOxを還元する意味でも三元性能は欠かせな
い。従って、一般には、吸蔵剤の添加量を制限したり吸
蔵剤を吸蔵性能の低い材料で構成したりして、故意にN
Ox吸蔵性能を抑制して三元性能を確保するしかなく、
結果として、要求されるNOx吸蔵性能と三元性能とを
十分に満足する触媒を得ることができなかった。また、
両者をより高次元で両立させるには、NOx吸蔵性能に
特化した(吸蔵剤を十分に添加した)NOx触媒の下流
側に通常の三元触媒を設けるしかなく、この場合は触媒
装置が全体として複雑且つ大型となり搭載位置の制限を
受けるという別の問題が発生してしまう。
い単一の触媒として構成した上で、NOx吸蔵性能と三
元性能とを高次元で両立させることができる排ガス浄化
用触媒を提供することを目的とする。
め、請求項1の発明では、担体にNOx吸蔵触媒層と三
元触媒層とを有すると共に、NOx吸蔵触媒層にアルカ
リ金属及びアルカリ土類金属からなる群から選択される
少なくとも一つを吸蔵剤として添加し、NOx吸蔵触媒
層または三元触媒層の少なくとも一方に、吸蔵剤の三元
触媒層への影響を抑止する影響抑止材料を添加したもの
である。
供与作用により三元触媒の貴金属上へのCOやHCの吸
着作用を弱化させたり、貴金属活性面上を移動して表面
を覆ってしまうなどの影響を与えるが、これらの影響が
影響抑止材料により抑止される。よって、NOx吸蔵触
媒層と三元触媒層とを共通の担体上に形成して、単一の
触媒として構成した上で、NOx吸蔵触媒層によるNO
x吸蔵作用と共に、三元触媒層による三元作用を得るこ
とが可能となる。
を、吸蔵剤の三元触媒層への移動を抑制する材料とした
ものであり、吸蔵剤の三元触媒への移動が抑制されるた
め、吸蔵剤による影響が抑止される。この吸蔵剤の移動
を抑制する材料として、好ましくは、酸性物質を含む複
合酸化物からなる群から選択される少なくとも一つの材
料を用いる。酸性物質を含む複合酸化物の各々は、IV
族、V族およびVI族の遷移元素ならびにIV族、V族
およびVI族の典型元素からなる群から選択される少な
くとも一つの酸性物質を含む。
質は、酸性物質と吸蔵剤との反応性を考慮して選択され
る。例えば、吸蔵剤がカリウムの場合、シリカやタング
ステンを酸性物質として含む酸性酸化物や複合酸化物を
用いるのがよい。より好ましくは、吸蔵剤の移動を抑制
する材料は、吸蔵触媒層に添加されたゼオライトからな
る。即ち、ゼオライトは、カチオン交換能により吸蔵剤
を固定する能力に優れ、吸蔵触媒層内を移動する吸蔵剤
が高温の水蒸気存在下でイオン化されると、ゼオライト
上の酸点のカチオン交換能により吸蔵剤がイオンとして
固定され、三元触媒層への移動が抑制される。
を、三元触媒層に到達した吸蔵剤と反応して安定物質に
変換する材料としたものであり、吸蔵剤が安定物質に変
換されて無害化され、三元触媒への影響が抑止される。
この吸蔵剤を安定物質に変換する材料として、好ましく
は、三元触媒層に添加されたシリカ、タングステン、リ
ンなどが挙げられ、特にアルカリとの強い反応を起こす
リンが望ましい。例えば吸蔵剤としてカリウムが添加さ
れている場合、三元触媒層に移動したカリウムはリンと
反応してリン酸カリウムに変換される。リン酸カリウム
は非常に安定した物質であり、電子供与性は全く有さ
ず、且つ、三元触媒層の貴金属活性面上で移動する性質
も有さないことから、三元触媒層への悪影響が未然に防
止される。
媒層と三元触媒層との間に、吸蔵剤の三元触媒層への移
動を抑制する吸蔵剤ブロック層を形成したものであり、
吸蔵剤の三元触媒への移動が抑制されるため、吸蔵剤に
よる影響が抑止される。この吸蔵剤ブロック層の材料と
して、好ましくは、酸性物質を含む複合酸化物からなる
群から選択される少なくとも一つの材料を用いる。酸性
物質を含む複合酸化物の各々は、IV族、V族およびV
I族の遷移元素ならびにIV族、V族およびVI族の典
型元素からなる群から選択される少なくとも一つの酸性
物質を含む。
質は、酸性物質と吸蔵剤との反応性を考慮して選択され
る。例えば、吸蔵剤がカリウムの場合、シリカやタング
ステンを酸性物質として含む酸性酸化物や複合酸化物を
用いるのがよい。より好ましくは、吸蔵剤ブロック層の
材料はゼオライトからなる。即ち、ゼオライトは、カチ
オン交換能により吸蔵剤を固定する能力に優れ、吸蔵触
媒層内を移動する吸蔵剤が高温の水蒸気存在下でイオン
化されると、ゼオライト上の酸点のカチオン交換能によ
り吸蔵剤がイオンとして固定され、三元触媒層への移動
が抑制される。また、ゼオライトからなる吸蔵剤ブロッ
ク層は三次元網目状構造をもち、高い比表面積を有する
ことから、このような構造の吸蔵剤ブロック層上で吸蔵
剤が高分散されるので、三元触媒層へ浸入し難くなる。
は、担体にNOx吸蔵触媒層と三元触媒層とを有すると
共に、NOx吸蔵触媒層にアルカリ金属及びアルカリ土
類金属からなる群から選択される少なくとも一つを吸蔵
剤として添加し、NOx吸蔵触媒層と三元触媒層との間
に、吸蔵剤の三元触媒層への影響を抑止する影響抑止材
料が添加された影響抑止層を形成したことを特徴とす
る。
媒層への影響が影響抑止層により抑制される。影響抑止
層の影響抑止作用は、NOx吸蔵触媒層および三元触媒
層のいずれにも影響抑止材料を添加しない場合であって
も、三元触媒層に対する吸蔵剤の影響を十分に抑止でき
るものとなっている。好ましくは、影響抑止層は、吸蔵
剤の三元触媒層への移動を抑制する吸蔵剤ブロック層で
ある。吸蔵剤ブロック層は、NOx吸蔵触媒層および三
元触媒層のいずれにも影響抑止材料を添加しない場合で
あっても三元触媒層に対する吸蔵剤の影響を十分に抑止
できるような移動抑制作用を奏する。
おいて、酸性物質を含む複合酸化物からなる群から選択
される少なくとも一つの材料により吸蔵剤ブロック層を
構成することが好ましく、複合酸化物は上述の遷移元素
および典型元素からなる群から選択される少なくとも一
つの酸性物質を含む。好ましくは、酸性物質は吸蔵剤と
の反応性を考慮して選択され、また、吸蔵剤ブロック層
はゼオライトから構成される。
第1実施形態による排ガス浄化用触媒を説明する。本実
施形態の排ガス浄化用触媒は、多数のセルからなるハニ
カム(モノリス)型のコージライト担体を有する触媒と
して構成されている。図1は本実施形態の排ガス浄化用
触媒に形成された一つのセルの四半部を示し、コージラ
イト担体10のセルは例えば四角形状に形成されてい
る。コージライト担体10は、例えば、アルミナ源の粉
末、シリカ源の粉末およびマグネシア源の粉末を、アル
ミナ、シリカ、マグネシアの割合がコージライト組成に
なるように混合したものを水に分散させ、その固形分を
ハニカム状に成形し、このハニカム成形体を焼成したも
のである。
蔵触媒層をなす吸蔵触媒層20が形成され、この吸蔵触
媒層20の表面には吸蔵剤ブロック層30が形成され、
さらに吸蔵剤ブロック層30の表面には三元触媒層40
が形成されている。以下に述べるように、吸蔵触媒層2
0は主にNOx吸蔵作用を奏し、三元触媒層40は主に
三元触媒作用を奏し、吸蔵剤ブロック層30は、吸蔵触
媒層20中の吸蔵剤が三元触媒層40側に移動するのを
抑制する抑制層としての機能を奏する。
て形成される。先ず、プラチナ(Pt)などの貴金属、
カリウム(K)やバリウム(Ba)などのアルカリ金属
やアルカリ土類金属などの吸蔵剤、及びゼオライトなど
の酸性質材料などを含むスラリーを調製する。次いで、
コージライト担体10を上記のスラリー中に浸漬し、こ
れを乾燥後に焼成する。これにより、貴金属と吸蔵剤と
を含有した吸蔵触媒層20中に、影響抑止材料として酸
性質材料50が混合される。
あるが、これらに限らず、アルカリ金属またはアルカリ
土類金属であれば如何なるものであってもよい。本実施
形態では良好なNOx吸蔵性能を確保するために、図8
の特性に基づいて吸蔵触媒層20に十分な量の吸蔵剤が
添加されている。また、吸蔵剤の固定を目的とした酸性
質材料50としては、図2に示すようなIV、V、VI
族の遷移元素或いはIV、V、VI族の典型元素(S
i、P、S、V、Cr、As、Nb、Mo、Wなど)
で、アルカリ金属またはアルカリ土類金属との親和性が
大きいものが好ましい(図2は、例えばカリウムとの親
和性を示す)。吸蔵剤との反応性をも考慮すると、吸蔵
剤がカリウムである場合、酸性質材料50は珪素(S
i)やタングステン(W)が好ましく、また、NOxと
吸蔵剤との反応性を阻害しない材料がよい。
化チタン(TiO2)の少なくとも一方を含むものが望
ましく、例えば複合酸化物であるゼオライトは、カチオ
ン交換能により吸蔵剤(本実施形態ではカリウム)を固
定する能力に優れる。吸蔵触媒層20内を移動する吸蔵
剤は、高温の水蒸気存在下においてイオン化された状態
になることがあり、図3に模式的に示すように、吸蔵
剤、例えばカリウムは、ゼオライトの酸点のカチオン交
換能によりイオンとして固定される。ゼオライトのカチ
オン交換能はSiO2/AlO2比に反比例し、耐熱性は
この比に比例する。即ち、SiO2/AlO2比を小とし
た場合、アルミナ量の増加に伴って酸点が増加するため
吸蔵剤の固定作用を強化できるが、耐熱性の低いアルミ
ナの分解を引き起こして酸性質材料50自体の耐熱性が
損なわれるため、これらの吸蔵剤の固定作用と耐熱性を
勘案した上で、上記比を設定することが好ましい。ま
た、酸性質材料50は天然品及び合成品の何れでもよい
が、物理的吸着面積を大きくとれる高比表面積のものが
望ましい。
下のようにして、吸蔵触媒層20の表面に形成される。
先ず、ゼオライト構成成分を含むスラリーを調製し、こ
のスラリー中に吸蔵触媒層20を形成済みのコージライ
ト担体10を浸漬する。その後、コージライト担体10
を乾燥・焼成すると、吸蔵触媒層20の表面にゼオライ
トからなる吸蔵剤ブロック層30が形成される。
オン交換能を備える酸点を有し、上記吸蔵触媒層20で
も述べたように、ゼオライトは吸蔵剤を固定する能力に
優れる。吸蔵触媒層20から吸蔵剤ブロック層30側に
移動する吸蔵剤は、高温の水蒸気存在下においてイオン
化されると、ゼオライトの酸点のカチオン交換能により
イオンとして固定される。また、吸蔵剤ブロック層30
は三次元網目状構造をもち、高い比表面積を有する。カ
リウムは、このような構造の吸蔵剤ブロック層30上で
高分散されるので、三元触媒層40へ浸入し難くなる。
型、X型、モルデナイト、フェリエライトなどの種々の
タイプのゼオライトを用いて構成可能である。この際、
吸着HC種との構造関連性を考慮して、排ガス組成に適
合するタイプのゼオライトが選択される。また、上記吸
蔵触媒層20でも述べたように、ゼオライトのカチオン
交換能はSiO2/AlO2比に反比例し、耐熱性はこの
比に比例することから、吸蔵剤の固定作用と耐熱性を勘
案した上で、上記比を設定することが好ましい。
うにして、吸蔵剤ブロック層30の表面に形成される。
先ず、プラチナ(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウ
ム(Rh)などの貴金属、及び酸性質材料を含むスラリ
ーを調製し、このスラリー中に、吸蔵触媒層20及び吸
蔵剤ブロック層30を形成済みのコージライト担体10
を浸漬する。その後、コージライト担体10を乾燥・焼
成すると、吸蔵剤ブロック層30の表面に、影響抑止材
料として酸性質材料60が混合された三元触媒層40が
形成される。そして、本実施形態では良好な三元性能を
確保するために、図8の特性に基づいて三元触媒層40
には吸蔵剤は一切添加されていない。
る吸蔵剤が有する非常に高い電子供与性を抑制して安定
物質に反応させる材料を含む。一般にはシリカ(SiO
2)やタングステン(W)などが挙げられるが、特にリ
ン(P)のようにアルカリと強い反応を起こす材料が望
ましい。そして、このように構成された触媒において、
吸蔵触媒層20に含まれたカリウムやバリウムなどの吸
蔵剤は、ゼオライトなどの酸性質材料50により奏され
るカチオン交換能により吸蔵触媒層20中に固定されて
いる。この固定作用により、吸蔵剤の高温下での蒸発・
飛散、及びコージライト担体10側への移動による反応
消費が防止されると共に、吸蔵剤の三元触媒層40側へ
の移動も抑制されている。
移動抑制にはゼオライトからなる吸蔵剤ブロック層30
も貢献し、仮に吸蔵剤が吸蔵触媒層20から離脱したと
しても、吸蔵剤ブロック層30中において、吸蔵剤は酸
点のカチオン交換能によりイオンとして固定されると共
に、高い比表面積を有する吸蔵剤ブロック層30中で高
分散されるため、結果として三元触媒層40に到達し難
くなる。
料、及び吸蔵剤ブロック層30による移動抑制作用にも
関わらず、万一、吸蔵剤が三元触媒層40に到達した場
合、三元触媒層40中の酸性質材料との反応により吸蔵
剤は安定した物質に変換されて無害化される。例えば、
吸蔵触媒層20中に吸蔵剤としてカリウムが添加され、
三元触媒層40中に酸性質材料としてリンが添加されて
いる場合、三元触媒層40に移動したカリウムはリンと
反応してリン酸カリウムに変換される。
り、電子供与性は全く有さず、且つ、三元触媒層の貴金
属活性面上で移動する性質も有さない。従って、仮に三
元触媒層40上に吸蔵触媒層20からの吸蔵剤が到達し
たとしても、この吸蔵剤による悪影響、例えば、吸蔵剤
が有する電子供与性により貴金属上へのCO,HCの吸
着作用が弱化されたり、吸蔵剤が貴金属活性面上を移動
して表面を覆ってしまうなどの悪影響が未然に防止され
る。以上の結果、吸蔵剤を含む吸蔵触媒層20とこれを
含まない三元触媒層40とを共通の担体10上に形成し
て、単一の触媒として構成可能となる。
での運転中にエンジンから排出された排ガス中のNOx
は、吸蔵触媒層30に分散された吸蔵剤の作用下で硝酸
塩の形で吸蔵される。また、リッチ空燃比での機関運転
中には吸蔵剤から硝酸塩が放出されて、三元触媒層40
の貴金属上でCOなどと反応して窒素に還元されて触媒
から放出される。
ていることから良好なNOx吸蔵性能を奏し、三元触媒
層40は吸蔵剤を一切添加されず、且つ上記のように吸
蔵剤の悪影響も防止されていることから良好な三元性能
を奏し、NOxの浄化が確実になされると共に、ストイ
キ運転やリッチ運転で発生するCO,HCも三元触媒層
40により確実に浄化される。よって、本実施形態の排
ガス浄化用触媒によれば、製造コストの安価な単一の触
媒として構成した上で、NOx吸蔵性能と三元性能とを
高次元で両立させることができるという優れた効果を奏
する。
浄化率を示しており、図中の破線で示す従来の触媒で
は、NOx吸蔵性能を優先させた(吸蔵剤の添加量を増
加させた)結果、NOx浄化率は良好であるものの十分
なTHC浄化率が得られないのに対し、実線で示す本実
施形態の触媒では、THCについても十分な浄化率が得
られることが確認された。
形態による排ガス浄化用触媒を説明する。図5に示すよ
うに、本実施形態の排ガス浄化用触媒は、第1実施形態
のものに比べて、吸蔵触媒層20と三元触媒層40の配
置を入れ換えた点が異なり、双方の層の構成成分を含め
て、その他の点については第1実施形態と同一構成とな
っている。
イト担体10上にリンなどの酸性質材料60を含む三元
触媒層40を形成し、次いで、三元触媒層40上にゼオ
ライトからなる吸蔵剤ブロック層30を形成し、その後
にアルカリ塩である吸蔵剤及びゼオライトなどの酸性質
材料50を含む吸蔵触媒層20を形成する。このように
構成された本実施形態の排ガス浄化用触媒においても、
第1実施形態のものと同様に、吸蔵触媒層20中の酸性
質材料50と吸蔵剤ブロック層30により、吸蔵触媒層
20の吸蔵剤が三元触媒層40に移動するのが抑制され
ると共に、三元触媒に到達した吸蔵剤が酸性質材料60
により安定した物質に変換されることから、三元触媒層
40には吸蔵剤による悪影響が一切及ばない。よって、
吸蔵剤を含む吸蔵触媒層20とこれを含まない三元触媒
層40とを共通の担体10上に形成して、製造コストの
安価な単一の触媒として構成した上で、NOx吸蔵性能
と三元性能とを高次元で両立させることができる。
形態による排ガス浄化用触媒を説明する。図6に示すよ
うに、本実施形態の排ガス浄化用触媒は、第1実施形態
のものに比べて、吸蔵剤ブロック層30を省略した点が
異なり、その他の点については第1実施形態と同一構成
となっている。
イト担体10上にアルカリ塩である吸蔵剤及びゼオライ
トなどの酸性質材料50を含む吸蔵触媒層20を形成
し、その後にリンなどの酸性質材料60を含む三元触媒
層40を形成する。このように構成された本実施形態の
排ガス浄化用触媒では、第1実施形態で述べた吸蔵剤ブ
ロック層30による吸蔵剤の移動抑制作用は得られない
ものの、吸蔵触媒層20中の酸性質材料50により吸蔵
剤が固定されており、且つ、三元触媒層40中の酸性質
材料60による吸蔵剤の変換作用も奏されることから、
三元触媒層40には吸蔵剤による悪影響が一切及ばな
い。よって、吸蔵剤を含む吸蔵触媒層20とこれを含ま
ない三元触媒層40とを共通の担体10上に形成して、
製造コストの安価な単一の触媒として構成した上で、N
Ox吸蔵性能と三元性能とを高次元で両立させることが
できる。
形態による排ガス浄化用触媒を説明する。図7に示すよ
うに、本実施形態の排ガス浄化用触媒は、第1実施形態
のものに比べて、三元触媒層40中の酸性質材料60を
省略した点が異なり、その他の点については第1実施形
態と同一構成となっている。
イト担体10上にアルカリ塩である吸蔵剤及びゼオライ
トなどの酸性質材料50を含む吸蔵触媒層20を形成
し、次いで、吸蔵触媒層20上にゼオライトからなる吸
蔵剤ブロック層30を形成し、その後に三元触媒層40
を形成する。三元触媒層40の形成時に適用するスラリ
ーとしては、第1実施形態と異なり、リンなどの酸性質
材料60が混入されていないものを使用する。
浄化用触媒では、第1実施形態で述べた三元触媒層40
中の酸性質材料60による吸蔵剤の変換作用は得られな
いものの、吸蔵触媒層20中の酸性質材料50と吸蔵剤
ブロック層30により、吸蔵触媒層20の吸蔵剤が三元
触媒層40に移動するのが抑制されることから、三元触
媒層40には吸蔵剤による悪影響が一切及ばない。よっ
て、吸蔵剤を含む吸蔵触媒層20とこれを含まない三元
触媒層40とを共通の担体10上に形成して、製造コス
トの安価な単一の触媒として構成した上で、NOx吸蔵
性能と三元性能とを高次元で両立させることができる。
形態による排ガス浄化用触媒を説明する。図10に示す
ように、本実施形態の排ガス浄化用触媒は、第1実施形
態のものに比べて、吸蔵触媒層20及び三元触媒層40
中への影響抑止材料(酸性質材料50、60)の添加を
省略した点が異なり、その他の点については第1実施形
態とほぼ同一構成となっている。
イト担体10上にアルカリ塩である吸蔵剤を含む吸蔵触
媒層20を形成し、次いで、吸蔵触媒層20上にゼオラ
イトからなる吸蔵剤ブロック層30を形成し、その後に
三元触媒層40を形成する。第1実施形態の場合と異な
り、吸蔵触媒層20および三元触媒層の形成には酸性質
材料50や60が添加されていないスラリーが用いられ
る。
浄化用触媒では、第1実施形態で述べた吸蔵触媒層20
及び三元触媒層40中の酸性質材料50、60による作
用は得られないものの、吸蔵触媒層20から三元触媒層
40への吸蔵剤の移動が吸蔵剤ブロック層30により抑
制されることから、三元触媒層40には吸蔵剤による悪
影響が及ばない。本実施形態の吸蔵剤ブロック層30
は、吸蔵触媒層20及び三元触媒層40のいずれにも酸
性質材料50、60などの影響抑止材料を添加しない場
合であっても、三元触媒層40に対する吸蔵剤の影響を
十分に抑止できるような吸蔵剤移動抑制作用を奏するも
のとなっている。例えば、吸蔵剤ブロック層30は、そ
の様な抑制作用を奏し得るような層厚を有している。す
なわち、吸蔵剤ブロック層30は、吸蔵剤の三元触媒層
への影響を抑止する影響抑止材料が添加された影響抑止
層を構成している。この触媒は、上述の如く吸蔵触媒層
20と三元触媒層40とを共通の担体10上に形成した
ものであり、NOx吸蔵性能と三元性能との双方に優
れ、また排気系への搭載性に優れる。
は上記第1ないし第5実施形態に限るものではない。例
えば、第1の実施形態に対して吸蔵触媒層20中の酸性
質材料50を省略したり、第2実施形態に対して吸蔵触
媒層20中の酸性質材料50、または三元触媒層40中
の酸性質材料60、または吸蔵剤ブロック層30を省略
したり、第3実施形態に対して吸蔵触媒層20中の酸性
質材料50、または三元触媒層40中の酸性質材料60
を省略したりしてもよい。更に、第5実施形態での吸蔵
触媒層20および三元触媒層40の配置を入れ替えて、
三元触媒層40を担体10と吸蔵剤ブロック層30との
間に形成すると共に吸蔵触媒層20を吸蔵剤ブロック層
30の表面に形成しても良い。また、吸蔵剤ブロック層
30に代えて、吸蔵剤の三元触媒層40への影響を抑止
する影響抑止材料が添加された影響抑止層を形成しても
良い。
ジライト担体10を担体として用いたが、本発明は、コ
ージライト以外の材料からなる担体を備えた排ガス浄化
用触媒にも適用可能であり、例えば、メタル担体を用い
た場合でも同様の作用効果が得られる。また、ハニカム
型コージライト担体を用いる場合、コージライト担体の
セルは四角形状のものに限定されず、例えば三角形状や
六角形状のものでもよい。
ガス浄化用触媒によれば、担体に吸蔵触媒層と三元触媒
層とを重合して形成し、吸蔵触媒層または三元触媒層の
少なくとも一方に影響抑止材料を添加したため、吸蔵触
媒層に添加された吸蔵剤の三元触媒層への影響が抑止さ
れ、その結果、搭載の自由度が高い単一の触媒として構
成した上で、NOx吸蔵性能と三元性能とを高次元で両
立させることができる。
によれば、吸蔵剤が三元触媒層に移動するのが影響抑止
材料により抑制されるため、吸蔵剤による影響を抑止で
きる。さらに、請求項3の発明の排ガス浄化用触媒によ
れば、三元触媒層に到達した吸蔵剤が影響抑止材料と反
応して安定物質に変換されるため、吸蔵剤による影響を
抑止できる。
によれば、吸蔵触媒層と三元触媒層との間に形成した吸
蔵剤ブロック層により、吸蔵剤の三元触媒層への移動が
抑制されるため、吸蔵剤による影響を抑止できる。ま
た、請求項5の発明に係る排ガス浄化用触媒は、担体に
それぞれ担持されたNOx吸蔵触媒層と三元触媒層との
間に影響抑止層を形成したので、吸蔵剤が三元触媒層に
及ぼす影響を抑止できる。
一つのセルの四半部を示す部分拡大断面図である。
である。
定作用を示す模式図である。
説明図である。
一つのセルの四半部を示す部分拡大断面図である。
一つのセルの四半部を示す部分拡大断面図である。
一つのセルの四半部を示す部分拡大断面図である。
Ox浄化率とTHC浄化率を示す説明図である。
x浄化率とTHC浄化率を示す説明図である。
た一つのセルの四半部を示す部分拡大断面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 担体にNOx吸蔵触媒層と三元触媒層と
を有すると共に、該NOx吸蔵触媒層にアルカリ金属及
びアルカリ土類金属からなる群から選択される少なくと
も一つを吸蔵剤として添加し、上記NOx吸蔵触媒層ま
たは三元触媒層の少なくとも一方に、上記吸蔵剤の三元
触媒層への影響を抑止する影響抑止材料を添加したこと
を特徴とする排ガス浄化用触媒。 - 【請求項2】 上記影響抑止材料は、上記吸蔵剤の三元
触媒層への移動を抑制する材料であることを特徴とする
請求項1に記載の排ガス浄化用触媒。 - 【請求項3】 上記影響抑止材料は、上記三元触媒層に
到達した上記吸蔵剤と反応して安定物質に変換する材料
であることを特徴とする請求項1に記載の排ガス浄化用
触媒。 - 【請求項4】 上記NOx吸蔵触媒層と上記三元触媒層
との間に、上記吸蔵剤の三元触媒層への移動を抑制する
吸蔵剤ブロック層を形成したことを特徴とする請求項1
乃至3の何れかに記載の排ガス浄化用触媒。 - 【請求項5】 担体にNOx吸蔵触媒層と三元触媒層と
を有すると共に、該NOx吸蔵触媒層にアルカリ金属及
びアルカリ土類金属からなる群から選択される少なくと
も一つを吸蔵剤として添加し、上記NOx吸蔵触媒層と
上記三元触媒層との間に、上記吸蔵剤の上記三元触媒層
への影響を抑止する影響抑止材料が添加された影響抑止
層を形成したことを特徴とする排ガス浄化用触媒。
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- 2001-02-19 JP JP2001042270A patent/JP3882884B2/ja not_active Expired - Lifetime
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