JP3739226B2 - 排ガス浄化用触媒及び排ガス浄化方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は排ガス浄化用触媒とその触媒を用いた排ガス浄化方法に関し、詳しくはNOx の浄化性能をより高めた耐久性の高い排ガス浄化用触媒とそれを用いた排ガス浄化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球環境保護の観点から、自動車などの内燃機関から排出される排ガス中の二酸化炭素(CO2 )が問題にされている。そこで温室効果ガスであるCO2 を低減するために、酸素過剰雰囲気下において希薄燃焼させる、いわゆるリーンバーンが有望視されている。このリーンバーンにおいては、燃料の使用量が低減でき、排ガスとして排出されるCO2 量を低減することができる。
【0003】
ところで、従来の三元触媒は、空燃比が理論空燃比(ストイキ)において排ガス中の一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx )を同時に酸化・還元し、浄化するものである。しかし、前記三元触媒はリーンバーン時の排ガスの酸素過剰雰囲気下においてはNOx の還元除去に対しては十分な浄化性能を示さない。このため酸素過剰雰囲気下においてもNOx を浄化しうる触媒及び浄化システムの開発が望まれている。
【0004】
そこで本願出願人は先にアルカリ土類金属と白金(Pt)をアルミナなどの多孔質担体に担持した排ガス浄化用触媒を提案した(特開平5-317625号公報)。この触媒によれば、空燃比をリーン側からパルス状にストイキまたはリッチ側となるように制御することにより、リーン側でNOx がアルカリ土類金属に吸蔵され、それがストイキまたはリッチ側でHCやCOなどの還元性成分と反応して浄化されるため、リーンバーンにおいてもNOx を効率良く浄化することができる。
【0005】
上記したNOx 吸蔵還元型の触媒におけるNOx の浄化反応は、排ガス中のNOを酸化してNOx とする第1ステップと、NOx 吸蔵材上にNOx を吸蔵ずる第2ステップと、NOx 吸蔵材から放出されたNOx を触媒上で還元する第3ステップとからなることがわかっている。
ところが上記のNOx 吸蔵還元型の触媒においては、高温の排ガス中で使用するとNOx 浄化能が徐々に劣化することがわかっている。そしてこの触媒の熱劣化の要因の一つは、高温のリーン雰囲気においてPtに粒成長が生じ、触媒活性点の減少により上記第1ステップと第3ステップの反応性が低下することにあると考えられている。
【0006】
一方、リーン雰囲気における粒成長が生じにくい触媒貴金属としてRhが知られているが、Rhの酸化活性はPtには及ばない。そこでPtとRhを併用することが想起されるが、PtとRhとを共存担持するとRhによってPtの酸化活性が阻害され、NOx 浄化能が低下するという不具合がある。
そこで特開平10-356号公報には、アルミナ、ジルコニアなどにRhを担持した第1粉末と、アルミナなどにPtとNOx 吸蔵材とを担持した第2粉末を混在してなる排ガス浄化用触媒が開示されている。この触媒では、PtとRhは分離して担持されつつ近接して存在しているので、Ptの酸化活性の低下を防止しつつ粒成長を抑制することができる。またRhとNOx 吸蔵材も分離されているため、RhとNOx 吸蔵材との相性の悪さが解消され、それぞれの特性が十分に発現される。
【0007】
またRhにより排ガス中の水とCOから水素が生成され、この水素をNOx の還元及び硫黄被毒を受けたNOx 吸蔵材の復活に利用することができる。これによりNOx 浄化能が一層向上し、耐久性も向上する。
さらに第1粉末の担体にジルコニアを用いれば、Rhとジルコニアの相性が良いため、Rhの作用が一層高まりNOx 浄化能をさらに向上させることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところがジルコニアにRhを担持した触媒では、ジルコニアの耐熱性が低いために高温排ガス中での使用により比表面積が低下し、担持されているRhには粒成長が生じる。したがって水素の生成量が低下し、またPtの粒成長抑制作用も低下するため、NOx 浄化能が徐々に低下し耐久性が低いという不具合がある。
【0009】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、PtとRhとを分離して担持するとともに、Rhを担持した粉末の耐久性を向上させてNOx 浄化能の耐久性をさらに向上させることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する請求項1に記載の排ガス浄化用触媒の特徴は、酸素過剰のリーン雰囲気において NO x 吸蔵材に NO x を吸蔵し、一時的にストイキ〜リッチ雰囲気に変化させることにより NO x 吸蔵材から放出される NO x を還元して除去する排ガス浄化用触媒であって、 MOx・nAl203 (元素Mはアルカリ土類金属)で表される複合酸化物にRhを担持した第1粉末と、多孔質担体粒子にアルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類元素から選ばれるNOx 吸蔵材とPtとを担持した第2粉末とが混在してなることにある。
【0011】
MOx・nAl203で表される複合酸化物の元素Mは、 Mg であることが特に望ましい。
また上記排ガス浄化用触媒を用いた請求項3に記載の排ガス浄化方法の特徴は、 MOx・nAl203 (元素Mはアルカリ土類金属)で表される複合酸化物にロジウムを担持した第1粉末と、多孔質担体粒子にアルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類元素から選ばれるNOx 吸蔵材と白金とを担持した第2粉末とが混在してなる触媒を排ガス中に配置し、酸素過剰のリーン雰囲気においてNOx 吸蔵材にNOx を吸蔵し、一時的にストイキ〜リッチ雰囲気に変化させることによりNOx 吸蔵材から放出されるNOx を還元して除去することにある。
【0012】
そして上記排ガス浄化方法において、排ガスは空燃比(A/F)が18以上のリーン雰囲気で運転される内燃機関からの排ガスであることが望ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の排ガス浄化用触媒では、 MOx・nAl203で表される複合酸化物にRhを担持した第1粉末を用いている。 MOx・nAl203で表される複合酸化物はそれ自体耐熱性が高く、高比表面積のものが比較的得やすいため、触媒担体としての必要条件を備えている。これにより MOx・nAl203にRhを担持した第1粉末は、ジルコニアにRhを担持した従来の第1粉末とほぼ同等の触媒性能を有するとともに、耐熱性が格段に向上する。
【0014】
また後述の試験例に示すように、 MOx・nAl203にRhを担持した第1粉末は、ジルコニアにRhを担持した従来の第1粉末に比べて初期の水素生成量は低いものの、高温で長時間使用後の水素生成量が逆に高くなることが明らかとなった。
したがって本発明の排ガス浄化用触媒では、高温での使用後にもRhが高分散でかつ第2粉末に担持されたPtと近接しつつ分離して担持されているため、第2粉末に担持されたPtの酸化活性の低下が防止され、第2粉末に担持されたPtの粒成長も防止される。さらに第1粉末は高温での使用後にも高い水素生成活性を示す。これらの相乗効果により、本発明の排ガス浄化用触媒は高温での使用後にも高いNOx 浄化能を示し、耐久性にきわめて優れている。
【0015】
MOx・nAl2O3を構成する元素Mとしては、アルカリ土類金属が好ましく用いられる。アルカリ土類金属の中でもMg、Ca、Sr及びBaが好ましく、Mgが最も好ましい。 MgO・nAl2O3で表される複合酸化物は、比表面積が大きく耐熱性にも特に優れている。なお MgO・nAl2O3で表される複合酸化物は、n=1のとき MgO・Al2O3 と表記され、これは一般にスピネルと呼ばれている。
【0016】
MgO・nAl2O3で表される複合酸化物において、nが1未満のときには、Mgの Al2O3への固溶限界を超えるため、熱履歴を受けると MgOと MgO・Al2O3 との2相系となる。このように複合酸化物中に遊離の MgOが存在すると、担体としての耐熱性が低下するため好ましくない。一方、nが1を超えると MgO・xAl2O3と、yAl2O3(1<x、x+y=n)の2相系になる。nが大きくなるにつれて比表面積が大きくなる傾向があるが、 Al2O3相の割合が増えるにつれてNOx 吸蔵材元素との反応が生じやすくなりNOx 吸蔵能が低下する。したがって MgO・nAl2O3で表される複合酸化物において、nの範囲としては0.5≦n≦1.5が好ましく、さらに高温の排ガスのような熱負荷に対してはn=1近傍が最も好ましい。
【0017】
MOx・nAl2O3で表される複合酸化物の製造法としては、金属のアルコキシドなどを用いるゾルゲル法、例えば硝酸マグネシウムと硝酸アルミニウム等の混合水溶液とアンモニア水を用いる共沈法、例えば水酸化アルミニウムに酢酸マグネシウムを含浸し焼成する方法などが例示できる。
第1粉末におけるRhの担持量は、0.05〜10重量%とすることが好ましい。Rhの担持量がこの範囲より少ないと担持した効果が得られず、この範囲より多くなると効果が飽和するとともに、コストが高騰しPtの酸化活性が低下する場合もある。
【0018】
第2粉末に用いられる多孔質担体粒子としては、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、シリカ−アルミナなどの粉末を単体で、あるいは複数種類混合して用いることができる。また場合によっては、上記 MOx・nAl2O3を用いてもよい。
この多孔質担体粒子に担持されるPtの担持量は、0.05〜20重量%が好ましく、 0.1〜5重量%が特に好ましい。Ptの担持量がこの範囲より少ないと触媒活性が大幅に低下し、この範囲より多くなると効果が飽和するとともに、コストが高騰する。なお第2粉末には、Ptに加えてPdを担持してもよい。
【0019】
また多孔質担体粒子に担持されるNOx 吸蔵材としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類元素から選ばれる少なくとも一種が用いられる。アルカリ金属としては、Li、Na、K、Csが挙げられる。またアルカリ土類金属としてはMg、Ca、Sr、Baなどが挙げられる。また、希土類元素としてはSc、Y、La、Ce、Pr、Ndなどが例示される。中でもNOx 吸蔵能と安定性に優れたBa及びKの少なくとも一種を用いることが望ましい。
【0020】
第2粉末におけるNOx 吸蔵材の担持量は、多孔質担体粒子 100gに対して0.01〜2モルの範囲が望ましい。担持量が0.01モルより少ないとNOx 吸蔵能が小さくNOx の浄化性能が低下し、2モルを超えて含有してもNOx 吸蔵能が飽和すると同時にエミッションが増加する不具合が生じるので好ましくない。
第1粉末と第2粉末の混合割合は、RhとPtの重量比換算で、第1粉末:第2粉末=0.05:1〜1:1の範囲が好ましい。この範囲から外れると、Rh及びPtの過不足の場合と同様の不具合が発生するようになる。
【0021】
本発明の排ガス浄化用触媒は、成形によりペレット状として、あるいはセラッミクスや金属箔から形成されたハニカム形状の基材にコートして用いることができる。
そして本発明の排ガス浄化方法では、上記した本発明の排ガス浄化用触媒を排ガス中に配置し、酸素過剰のリーン雰囲気においてNOx 吸蔵材にNOx を吸蔵し、一時的にストイキ〜リッチ雰囲気に変化させることによりNOx 吸蔵材から放出されるNOx を還元して除去する。
【0022】
つまりリーン雰囲気においては、先ず主としてPt上で排ガス中のHC及びCOが酸化されるとともに、NOが酸化されてNO2 などのNOx となることによってNOx 吸蔵材への吸蔵が可能となりNOx 吸蔵材に吸蔵される。そして一時的にストイキ〜リッチ雰囲気となると、NOx 吸蔵材に吸蔵されていたNOx が放出され、Pt及びRh上で排ガス中のHC及びCOによって還元される。またRhにより水とCOから水素が生成し、それによってもNOx が還元される。
【0023】
また排ガス中のSO2 の酸化によって生じた硫酸がNOx 吸蔵材と反応して硫酸塩が生成する場合があるが、この硫酸塩は容易に分解せずNOx 吸蔵材のNOx 吸蔵能が消失してしまう。しかし生成した水素がこの硫酸塩を強力に還元するため、NOx 吸蔵材のNOx 吸蔵能が回復し耐久性が向上する。
排ガスのリーン雰囲気としては、空燃比(A/F)が18以上で燃焼された排ガス雰囲気とすることが好ましい。空燃比が18未満では、NOの酸化が生じにくくなるためNOx 吸蔵能も低下する。空燃比が18以上の雰囲気において本発明の排ガス浄化用触媒が最も効率よく作用し、高いNOx 浄化能が確保される。
【0024】
【実施例】
以下、試験例、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。
(試験例)
酢酸マグネシウム4水和物38重量部とアルミニウムイソプロポキシド72重量部及びイソプロピルアルコール 400重量部を混合(モル比でMg:Al=1:2)し、攪拌しながら80℃で約2時間還流した。そこへ60重量部の脱イオン水を滴下して加水分解を完結させ、さらに80℃で2時間還流を続け、その後放冷した。次にロータリーエバポレータを用いて湯浴上で溶媒を除去し、さらに室温で24時間自然乾燥させた後、大気中 850℃で5時間焼成し、 MgO・Al2O3 の組成の複合酸化物粉末を得た。この MgO・Al2O3 粉末に所定濃度の硝酸ロジウム水溶液の所定量を含浸させ、蒸発・乾固して、 120gのMgO・Al2O3 に 0.5gのRhを担持した。
【0025】
一方、ジルコニア粉末に所定濃度の硝酸ロジウム水溶液の所定量を含浸させ、蒸発・乾固して、 120gのジルコニアに 0.5gのRhを担持した。
得られたRh/ MgO・Al2O3 粉末とRh/ZrO2粉末をそれぞれストイキ〜リッチ雰囲気の排ガス中に配置し、生成するH2の量を測定した。結果を図1に示す。またRh/ MgO・Al2O3 粉末とRh/ZrO2粉末を 600℃の排ガス中に10時間晒す耐久試験を行い、その後上記と同様にして生成するH2の量を測定した。結果を図2に示す。
【0026】
図1及び図2より、Rh/ZrO2粉末のH2生成量は初期には多いものの、耐久試験を行うことにより約1/30にまで低下している。しかしRh/ MgO・Al2O3 粉末では、初期のH2生成量はRh/ZrO2粉末より少ないが、耐久試験による低下度合いは約1/6であり、耐久試験後のH2生成量はRh/ZrO2粉末より多くなっていることが明らかである。
【0027】
(実施例)
酢酸マグネシウム4水和物38重量部とアルミニウムイソプロポキシド72重量部及びイソプロピルアルコール 400重量部を混合(モル比でMg:Al=1:2)し、攪拌しながら80℃で約2時間還流した。そこへ60重量部の脱イオン水を滴下して加水分解を完結させ、さらに80℃で2時間還流を続け、その後放冷した。次にロータリーエバポレータを用いて湯浴上で溶媒を除去し、さらに室温で24時間自然乾燥させた後、大気中 850℃で5時間焼成し、 MgO・Al2O3 の組成の複合酸化物粉末を得た。
【0028】
この MgO・Al2O3 粉末50gを秤量し、所定濃度の硝酸ロジウム水溶液の所定量を含浸させ、蒸発・乾固して0.25gのRhを担持した第1粉末を調製した。
一方、アルミナ粉末 100gとチタニア粉末 100gとを混合して混合粉末とした。
そして第1粉末全量と、混合粉末全量と、アルミナゾル、純水及び28%アンモニア水を十分混合した後、アトライターでミリングしてスラリーを調製した。このスラリーに容量 1.3Lのコージェライト製ハニカム基材を浸漬し、引き上げて余分なスラリーを吹き払った後、乾燥・焼成してコート層を形成した。コート層はハニカム基材1L当たり 250g形成され、Rhはハニカム基材1L当たり0.25g担持された。
【0029】
次に、上記コート層をもつハニカム基材に所定濃度の酢酸バリウム水溶液中に浸漬し、引き上げて余分な液滴を吹き払って乾燥後、 500℃で3時間焼成してBaを担持した。次いで濃度 0.3モル/Lの炭酸アンモニウム水溶液に15分間浸漬し、引き上げて乾燥後 110℃で3時間焼成した。これによりBaは炭酸バリウムとなってコート層に均一に担持されている。なおBaの担持量は、ハニカム基材1L当たり 0.2モルである。
【0030】
Baが担持されたコート層をもつハニカム基材を、さらに所定濃度のジニトロジアンミン白金硝酸水溶液に浸漬し、引き上げて余分な液滴を吹き払い、 250℃で乾燥後 400℃で1時間焼成した。これによりハニカム基材1L当たり 2.0gのPtを担持した。
さらに、このコート層をもつハニカム基材を所定濃度の硝酸カリウム水溶液と所定濃度の硝酸リチウム水溶液に浸漬し、引き上げて余分な液滴を吹き払った後、 250℃で乾燥し 500℃で1時間焼成してKとLiをそれぞれ担持した。K及びLiは、ハニカム基材1L当たりそれぞれ 0.1モル担持された。
【0031】
こうして実施例の排ガス浄化用触媒が調製された。
(比較例)
MgO・Al2O3 粉末の代わりにジルコニア粉末を同量用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較例の排ガス浄化用触媒を調製した。各金属の担持量は実施例1と同一である。
【0032】
(試験・評価)
上記した実施例と比較例の触媒を耐久試験装置にそれぞれ配置し、表1に示すリッチ及びリーン雰囲気の排ガスモデルガスを、入りガス温度 800℃で、リーン−リッチを1分−4分で切り替えながら5時間流通させた。
【0033】
【表1】
<浄化性能試験>
耐久試験後の触媒を常圧固定床流通反応装置に装着し、表2に示すリーン及びリッチの排ガスモデルを用いて、図3に示すリッチ前処理→リーン→リッチパルス→リーンの順に流通させ、その間の触媒出ガスをそれぞれ分析した。なお表2に示すリッチモデルガス及びリーンモデルガスの空燃比(A/F)は、それぞれ12,20である。
【0034】
【表2】
図3に太線で示したのが触媒入りガス中のNOx 量であり、下方の曲線が触媒出ガス中のNOx 量であって、時間の経過と共にNOx 吸蔵量が飽和するため、触媒出ガス中のNOx 量は触媒入りガス中のNOx 量に漸近する。そこでNOx 吸蔵量が飽和した時点でリッチスパイクを導入し、3秒間リッチ雰囲気にした後、再度リーン雰囲気とした。なお入りガス温度は 400℃である。
【0035】
そして図1に示す塗りつぶし部の面積から、飽和NOx 吸蔵量及びリッチスパイク後のNOx 吸蔵量をそれぞれ算出した。さらに耐久試験後の硫黄被毒量と及び10−15モードにおけるNOx エミッションを測定し、それぞれの結果を表3に示す。
(評価)
【0036】
【表3】
実施例の触媒は比較例に比べてNOx 吸蔵量が多く、NOx エミッションも少なく、耐久試験後にも高いNOx 浄化能が維持されていることがわかる。また硫黄被毒量が少ないことから、この優れた耐久性は硫黄被毒が抑制されたことによるものと考えられ、これは MgO・Al203 で表される複合酸化物にRhを担持した効果であることが明らかである。
【0037】
したがって本実施例の排ガス浄化用触媒及び排ガス浄化方法によれば、A/F=20〜30で運転されるリーンバーンエンジンからの排ガス中のNOx を効率よく浄化することができ、耐久後も高いNOx 浄化能を維持することができる。
【0038】
【発明の効果】
すなわち本発明の排ガス浄化用触媒及び排ガス浄化方法によれば、Rhを担持した粉末の耐久性が向上するため、NOx 浄化能の耐久性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験例における初期のH2生成量を示すグラフである。
【図2】試験例における耐久試験後のH2生成量を示すグラフである。
【図3】飽和NOx 吸蔵量とリッチスパイク後NOx 吸蔵量の評価法を説明する説明図である。
Claims (4)
- 酸素過剰のリーン雰囲気において NO x 吸蔵材に NO x を吸蔵し、一時的にストイキ〜リッチ雰囲気に変化させることにより NO x 吸蔵材から放出される NO x を還元して除去する排ガス浄化用触媒であって、
MOx・nAl203 (元素Mはアルカリ土類金属)で表される複合酸化物にロジウムを担持した第1粉末と、多孔質担体粒子にアルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類元素から選ばれるNOx 吸蔵材と白金とを担持した第2粉末とが混在してなることを特徴とする排ガス浄化用触媒。 - 前記元素Mはマグネシウムであることを特徴とする請求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
- MOx・nAl203 (元素Mはアルカリ土類金属)で表される複合酸化物にロジウムを担持した第1粉末と、多孔質担体粒子にアルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類元素から選ばれるNOx 吸蔵材と白金とを担持した第2粉末とが混在してなる触媒を排ガス中に配置し、酸素過剰のリーン雰囲気において該NOx 吸蔵材にNOx を吸蔵し、一時的にストイキ〜リッチ雰囲気に変化させることにより該NOx 吸蔵材から放出されるNOx を還元して除去することを特徴とする排ガス浄化方法。
- 前記排ガスは空燃比(A/F)が18以上のリーン雰囲気で運転される内燃機関からの排ガスであることを特徴とする請求項3に記載の排ガス浄化方法。
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