JP4556084B2 - 排ガス浄化用触媒 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は内燃機関からの排ガスを浄化する排ガス浄化用触媒に関し、詳しくは希薄燃焼内燃機関からの排ガス中のHC(炭化水素)及びNOx (窒素酸化物)を効率よく除去できる排ガス浄化用触媒に関する。本発明の排ガス浄化用触媒は、天然ガス、LPGなどを燃料とするガスエンジンあるいはガスヒートポンプ(GHP)などからの排ガスの浄化に用いてきわめて有効である。
【0002】
【従来の技術】
近年、希薄燃焼ガソリンエンジンからの排ガスを浄化する触媒として、NOx 吸蔵還元型触媒が実用化されている。このNOx 吸蔵還元型触媒は、アルカリ金属、アルカリ土類金属などのNOx 吸蔵材と貴金属をアルミナ( Al2O3)などの多孔質担体に担持したものである。このNOx 吸蔵還元型触媒では、空燃比を燃料リーン側からパルス状に燃料ストイキ〜リッチ側となるように制御することにより、リーン側ではNOx がNOx 吸蔵材に吸蔵される。そして吸蔵されたNOx はストイキ〜リッチ側で放出され、貴金属の触媒作用によりHCやCOなどの還元性成分と反応して浄化される。したがって、リーン側においてもNOx の排出が抑制されるので、全体として高いNOx 浄化能が発現する。
【0003】
ところが排ガス中には、燃料中に含まれる硫黄(S)が燃焼して生成したSO2 が含まれ、それが酸素過剰雰囲気中で貴金属により酸化されてSO3 となる。そしてこれが排ガス中に含まれる水蒸気により容易に硫酸となり、これらがNOx 吸蔵材と反応して亜硫酸塩や硫酸塩が生成し、これによりNOx 吸蔵材が被毒劣化することが明らかとなった。この現象は硫黄被毒と称されている。また、 Al2O3などの多孔質担体はSOx を吸着しやすいという性質があることから、上記硫黄被毒が促進されるという問題があった。そして、このようにNOx 吸蔵材が亜硫酸塩や硫酸塩となると、もはやNOx を吸蔵することができなくなり、その結果上記触媒では、耐久後のNOx 浄化能が低下するという不具合があった。
【0004】
そこで特開平 8-99034号公報には、TiO2−Al2O3 ,ZrO2−Al2O3 及びSiO2−Al2O3 から選ばれる少なくとも1種の複合担体を用いることが提案されている。また特開平9-926号公報には、 TiO2-Al2O3-ZrO2複合酸化物を担体とする排ガス浄化用触媒が開示されている。TiO2などは Al2O3に比べて酸性度が大きいため、SOx との親和性が低くなる結果、NOx 吸蔵材の硫黄被毒を抑制することが可能となる。またTiO2及びZrO2を Al2O3と複合酸化物とすることにより、硫黄被毒が抑制されるとともに、耐熱性が向上する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の排ガス浄化用触媒は、ガソリンエンジンなどからの排ガスを浄化する場合にはきわめて効果が高い。一方、GHPなどの燃料中の硫黄濃度は、ガソリンなどに比べて低く数PPMである。したがって硫黄被毒劣化の進行は遅いものの、排ガス温度が 300〜 500℃と低温であるために、硫黄被毒を受けたNOx 吸蔵材の分解が困難となる。そのため硫黄被毒が徐々に蓄積し、特開2000−279766号公報に開示の触媒では性能低下が大きいという問題がある。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、GHPなどの排ガス中のNOx を効率よく直接還元除去でき、かつ硫黄被毒が抑制されたNOx 吸蔵還元型の排ガス浄化用触媒とすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の一つの排ガス浄化用触媒の特徴は、酸化物担体にアルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類元素から選ばれる少なくとも1種のNOx 吸蔵材と貴金属とを担持してなり、排ガス雰囲気が酸素過剰のリーン雰囲気でNOx 吸蔵材にNOx を吸蔵し、排ガス雰囲気をストイキ〜還元成分過剰のリッチ雰囲気に変化させてNOx 吸蔵材に吸蔵されたNOx を放出させて還元するNOx 吸蔵還元型の排ガス浄化用触媒であって、酸化物担体には、 Al 2 O 3 及びZrO 2 の少なくとも一種が含まれ、TiO2-Al2O3-ZrO2複合酸化物が70重量%以上含まれ、 TiO2-Al2O3-ZrO2複合酸化物にはTiO2が50〜90重量%含まれていることにある。
【0010】
本発明のもう一つの排ガス浄化用触媒の特徴は、酸化物担体にアルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類元素から選ばれる少なくとも1種のNOx 吸蔵材と貴金属とを担持してなり、排ガス雰囲気が酸素過剰のリーン雰囲気でNOx 吸蔵材にNOx を吸蔵し、排ガス雰囲気をストイキ〜還元成分過剰のリッチ雰囲気に変化させてNOx 吸蔵材に吸蔵されたNOx を放出させて還元するNOx 吸蔵還元型の排ガス浄化用触媒であって、酸化物担体には、TiO2が50重量%以上90重量%以下の割合で含まれた TiO2-Al2O3-ZrO2複合酸化物よりなる第1担体と、TiO2が5重量%以上50重量%未満の割合で含まれた TiO2-Al2O3-ZrO2複合酸化物よりなる第2担体とが含まれていることにある。
【0011】
酸化物担体には Al2O3及びZrO2の少なくとも一種が含まれ、第1担体及び第2担体とが合計で70重量%以上含まれていることが望ましい。
【0012】
さらにもう一つの本発明の排ガス浄化用触媒の特徴は、酸化物担体にアルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類元素から選ばれる少なくとも1種のNOx 吸蔵材と貴金属とを担持してなり、排ガス雰囲気が酸素過剰のリーン雰囲気でNOx 吸蔵材にNOx を吸蔵し、排ガス雰囲気をストイキ〜還元成分過剰のリッチ雰囲気に変化させてNOx 吸蔵材に吸蔵されたNOx を放出させて還元するNOx 吸蔵還元型の排ガス浄化用触媒であって、TiO2が50重量%以上90重量%以下の割合で含まれた TiO2-Al2O3-ZrO2複合酸化物よりなる第1担体を含む酸化物担体をもつ第1触媒と、TiO2が5重量%以上50重量%未満の割合で含まれた TiO2-Al2O3-ZrO2複合酸化物よりなる第2担体を含む酸化物担体をもつ第2触媒とを組み合わせてなることにある。
【0013】
第1触媒及び第2触媒の少なくとも一方の酸化物担体には Al2O3及びZrO2の少なくとも一種が含まれ、 Al2O3及びZrO2の少なくとも一種が含まれる第1触媒及び第2触媒の少なくとも一方の酸化物担体には第1担体と第2担体の少なくとも一方が70重量%以上含まれていることが望ましい。
【0014】
上記した本発明の排ガス浄化用触媒において、貴金属は触媒1リットル当たり3〜12g含まれ、NOx 吸蔵材は触媒1リットル当たり 0.4〜 1.2モル含まれていることが望ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の一つの触媒では、 TiO2-Al2O3-ZrO2複合酸化物が70重量%以上含まれた酸化物担体を用い、 TiO2-Al2O3-ZrO2複合酸化物にはTiO2が50〜90重量%含まれている。このような酸化物担体を用いることにより、酸性度が高くなってSOx との親和性が低くなる結果、NOx 吸蔵材の硫黄被毒を抑制することができる。また貴金属とNOx 吸蔵材との相互作用が減少するため貴金属によるNO酸化能が向上し、GHPなどの排ガスの温度域である 300〜 400℃において高いNOx 浄化活性と硫黄被毒抑制作用を示す。 TiO2-Al2O3-ZrO2複合酸化物が70重量%未満であると、酸性度向上の効果が得られない。
【0016】
一方、 TiO2-Al2O3-ZrO2複合酸化物におけるTiO2の量が50重量%未満であると、 300〜 400℃の低温域における硫黄被毒の抑制作用及び貴金属によるNO酸化能の向上はほとんど見られない。しかしながら TiO2-Al2O3-ZrO2複合酸化物中におけるTiO2の量を5重量%以上50重量%未満とすれば、酸化物担体の塩基度が高くなる結果、NOx 吸蔵材のNOx 保持能力が向上するという効果がある。またTiとNOx 吸蔵材との固相反応が抑制されるため、 400〜 500℃の高温域におけるNOx 浄化活性と硫黄被毒抑制作用が向上する。
【0017】
そして本発明の触媒では、TiO2が50重量%以上90重量%以下の割合で含まれた TiO2-Al2O3-ZrO2複合酸化物よりなる第1担体と、TiO2が5重量%以上50重量%未満の割合で含まれた TiO2-Al2O3-ZrO2複合酸化物よりなる第2担体とが含まれた酸化物担体を用いている。このように構成したことにより2種類の複合酸化物のそれぞれの効果が現れ、 300〜 500℃の全温度域で高いNOx 浄化活性と硫黄被毒抑制作用が発現する。なお、この触媒の場合には、第1担体と第2担体の合計量を酸化物担体の50重量%以上とすることが好ましく、70重量%以上とすることが特に望ましい。
【0018】
2種類の複合酸化物による上記効果を得るには、上記したように、それぞれの複合酸化物粉末どうしを混合して酸化物担体を構成することができる。また、第1担体を50重量%以上含む酸化物担体をもつ第1触媒と、第2担体を50重量%以上含む酸化物担体をもつ第2触媒とを組み合わせてもよい。第1触媒と第2触媒を組み合わせる場合、それぞれの触媒を並べて配置した形態、第1触媒層と第2触媒層を積層した形態などとすることができる。どちらの場合でも、その順序には制限がない。
【0019】
酸化物担体は、上記 TiO2-Al2O3-ZrO2複合酸化物に加えて、 Al2O3及びZrO2の少なくとも一種をさらに含むこともできる。このようにすれば、NOx 浄化活性がさらに向上する。ただし Al2O3及びZrO2の少なくとも一種をさらに含むことによって、酸化物担体の塩基度が高くなって硫黄被毒抑制作用が低下するようになるので、この場合には TiO2-Al2O3-ZrO2複合酸化物中のTiO2量を70重量%以上とすることが必要である。TiO2量が70重量%未満では酸性度が不十分となって、硫黄被毒が生じる場合があり耐久後のNOx 浄化活性が低下してしまう。また同じ理由により、 Al2O3及びZrO2の少なくとも一種の量は、酸化物担体中に50重量%以下とすることが望ましい。
【0020】
本発明において、 TiO2-Al2O3-ZrO2複合酸化物中の Al2O3量及びZrO2量は、TiO2量が上記範囲内にある限り特に制限されない。しかし Al2O3量が少ないとNOx 浄化活性及び耐熱性が低下し、ZrO2量が少ないと耐熱性及びNOx 吸蔵材との耐固相反応性が低下する傾向にある。したがって Al2O3は20〜50重量%、ZrO2は20〜50重量%の範囲とすることが望ましい。
【0021】
NOx 吸蔵材は、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類元素から選ばれる少なくとも1種であり、塩基度が高いアルカリ金属及びアルカリ土類金属の少なくとも一方を用いることが望ましい。アルカリ金属は高温域におけるNOx 吸蔵能が高く、アルカリ土類金属は低温域におけるNOx 吸蔵能が高いので、両者を併用することが好ましく中でもK及びBaを併用するとよい。このNOx 吸蔵材は、炭酸塩などの塩あるいは酸化物、水酸化物などの状態で担持されている。
【0022】
NOx 吸蔵材の担持量は、触媒1リットル当たり 0.4〜 1.2モル担持されていることが望ましい。この担持量はガソリンエンジン用のNOx 吸蔵還元型触媒に比べて多いが、GHPの排ガス中のNOx を浄化するためにはこのように多く担持する必要がある。なおNOx 吸蔵材の担持量が触媒1リットル当たり 1.2モルを超えると、貴金属がNOx 吸蔵材で覆われる現象が生じ、NOx 浄化活性が低下するようになる。
【0023】
また貴金属としては、Pt,Rh,Pd,Ir,Ruなどが利用できるが、NOの酸化活性が高いPtが特に好ましい。この貴金属の担持量は、触媒1リットル当たり3〜12gとするのが望ましい。貴金属の担持量もガソリンエンジン用のNOx 吸蔵還元型触媒に比べて多いが、GHPの排ガス中のNOx を浄化するためにはこのように多く担持する必要がある。なお貴金属の担持量がこの範囲より少ないとNOx 浄化活性が低く、この範囲より多く担持しても活性が飽和するとともにコストが上昇する。
【0024】
さらに本発明の排ガス浄化用触媒には、RhをZrO2に担持したRh/ZrO2を含むことも好ましい。このRh/ZrO2は水性ガスシフト反応及び水蒸気改質反応の活性が高く、排ガス中の成分からH2を生成する。したがって生成したH2により、NOx 浄化活性及び硫黄被毒抑制作用が一層向上する。
【0025】
本発明の排ガス浄化用触媒は、排ガス雰囲気が酸素過剰のリーン雰囲気とストイキ〜還元成分過剰のリッチ雰囲気とに交互に変化させるシステムで用いられる。そしてリーン雰囲気では排ガス中のNOが酸化されてNOx 吸蔵材に吸蔵され、リッチ雰囲気においてNOx 吸蔵材に吸蔵されたNOx が放出されて還元除去される。
リーン雰囲気の時間は1〜10分、リッチ雰囲気の時間は 0.5〜10秒程度とするのが好ましい。
【0026】
ところでGHPなどは、排ガス温度が 300〜 500℃となる定常運転が主である。しかしながら本発明の排ガス浄化用触媒を用いる場合には、温度を 550〜 650℃としたリッチ雰囲気制御をすることが望ましい。このように制御することにより、硫黄被毒したNOx 吸蔵材の分解が促進されるため、NOx 吸蔵材のNOx 吸蔵能を回復させることができる。
【0027】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。
【0028】
(複合酸化物Aの調製)
四塩化チタン,硝酸ジルコニル及び硝酸アルミニウムを、TiO2, Al2O3,ZrO2としての重量比でTiO2: Al2O3:ZrO2=9:5:1となるように、水中で撹拌混合して混合水溶液を調製した。
【0029】
上記混合水溶液に中和剤としてアンモニアを添加し、共沈法によって沈殿物を得た。この沈殿物を 400℃で5時間仮焼し、さらに 600℃で5時間焼成して TiO2-Al2O3-ZrO2複合酸化物Aを得た。
【0030】
(複合酸化物Bの調製)
四塩化チタン,硝酸ジルコニル及び硝酸アルミニウムを、TiO2, Al2O3,ZrO2としての重量比でTiO2: Al2O3:ZrO2=18:5:2となるように、水中で撹拌混合して混合水溶液を調製した。
【0031】
上記混合水溶液に中和剤としてアンモニアを添加し、共沈法によって沈殿物を得た。この沈殿物を 400℃で5時間仮焼し、さらに 600℃で5時間焼成して TiO2-Al2O3-ZrO2複合酸化物Bを得た。
【0032】
(複合酸化物Cの調製)
四塩化チタン,硝酸ジルコニル及び硝酸アルミニウムを、TiO2, Al2O3,ZrO2としての重量比でTiO2: Al2O3:ZrO2=3:10:7となるように、水中で撹拌混合して混合水溶液を調製した。
【0033】
上記混合水溶液に中和剤としてアンモニアを添加し、共沈法によって沈殿物を得た。この沈殿物を 400℃で5時間仮焼し、さらに 600℃で5時間焼成して TiO2-Al2O3-ZrO2複合酸化物Cを得た。
【0034】
(実施例1)
上記複合酸化物Aの粉末 200重量部と、Rhが1重量%担持されたZrO2粉末 50重量部を混合し、アルミナバインダ及び水を加えてスラリーを調製した。このスラリーを35ccのハニカム基材テストピースにコートし、 500℃で1時間焼成してコート層を形成した。コート層はハニカム基材1Lあたり 250g形成された。
【0035】
次にコート層をもつハニカム基材をジニトロジアンミン白金水溶液に浸漬し、Ptを選択吸着担持した。そして大気中にて 300℃で3時間焼成した。Ptの担持量は、ハニカム基材1Lあたり5gである。
【0036】
さらに酢酸カリウム水溶液と酢酸バリウム水溶液を用い、吸水担持法によりKとBaを担持した。そして大気中にて 300℃で3時間焼成した。K及びBaの担持量は、ハニカム基材1LあたりKが 0.6モル、Baが 0.1モルである。
【0037】
こうして実施例1の排ガス浄化用触媒を調製した。
【0038】
(実施例2)
複合酸化物Aの粉末 200重量部に代えて、複合酸化物Bの粉末 167重量部と Al2O3粉末33重量部との混合粉末を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例2の排ガス浄化用触媒を調製した。
【0039】
(参考例1)
複合酸化物Aの粉末 200重量部に代えて、複合酸化物Cの粉末 200重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、参考例1の排ガス浄化用触媒を調製した。
【0040】
(実施例3)
複合酸化物Aの粉末 200重量部に代えて、複合酸化物Aの粉末 100重量部と複合酸化物Cの粉末 100重量部との混合粉末を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例3の排ガス浄化用触媒を調製した。
【0041】
(比較例1)
複合酸化物Aの粉末 200重量部に代えて、 Al2O3粉末 100重量部とTiO2粉末 100重量部との混合粉末を用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較例1の排ガス浄化用触媒を調製した。
【0042】
(比較例2)
複合酸化物Aの粉末 200重量部に代えて、 Al2O3粉末 100重量部とTiO2粉末 100重量部との混合粉末を用いたこと以外は実施例1と同様にしてコート層を形成した。そしてハニカム基材1LあたりPtを2g、Kを 0.1モル、Baを 0.2モル担持したこと以外は実施例1と同様にして、比較例2の排ガス浄化用触媒を調製した。
【0043】
<試験・評価>
実施例、参考例及び比較例の各触媒の構成をまとめて表1に示す。
【0044】
実施例、参考例及び比較例の各触媒を評価装置にそれぞれ配置し、表2に示すモデルガスを用い、Leanガス46秒とRichガス2秒を交互に繰り返して流しながら、入りガス温度 300℃、 400℃及び 500℃の各条件で出ガス中のNOx 濃度をそれぞれ測定した。そして入りガス中のNOx 濃度との比較によりNOx 排出率(%)を測定し、結果を初期として表4に示す。
【0045】
また各触媒を評価装置に配置し、表3に示すモデルガスを図1のパターンで流通させる耐久試験を行った。この耐久試験後の各触媒について、上記と同様にしてNOx 排出率を測定し、結果を耐久後として表4に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】
【表4】
【0050】
表4より、実施例1〜2の触媒は比較例1の触媒に比べて 300〜 400℃におけるNOx 排出率が特に低く、参考例1の触媒は比較例1の触媒に比べて 400〜 500℃におけるNOx 排出率が特に低いことがわかる。また実施例3の触媒は、 300〜 500℃の全域で初期及び耐久後ともに比較例1よりNOx 排出率が低い。
【0051】
すなわち各実施例の触媒は、炭化水素を含まないモデルガスを用いてもNOx を効率よく浄化することができる。また各実施例の触媒は、比較例1に比べて硫黄被毒が抑制されていることが明らかである。
【0052】
そして実施例どうしを比較すると、実施例1及び実施例2の触媒は耐久後の 300〜 400℃におけるNOx 排出率が低いのに対し、実施例3の触媒は耐久後の 400〜 500℃におけるNOx 排出率が低い。そして実施例1と実施例3を組み合わせた実施例4の触媒では、 300〜 500℃の全範囲で耐久後のNOx 排出率が低くなっていることがわかる。
【0053】
つまり、 TiO2-Al2O3-ZrO2複合酸化物中のTiO2量の異なる2種類の酸化物担体を用いることが特に好ましいことが明らかである。
【0054】
【発明の効果】
すなわち本発明の排ガス浄化用触媒によれば、天然ガス、LPGなどを燃料とするガスエンジンあるいはガスヒートポンプ(GHP)などからの排ガス中のNOx を効率よく浄化することができ、硫黄被毒が抑制されているので耐久後もNOx を効率よく浄化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例における耐久試験パターンを示す説明図である。
Claims (7)
- 酸化物担体にアルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類元素から選ばれる少なくとも1種のNOx 吸蔵材と貴金属とを担持してなり、排ガス雰囲気が酸素過剰のリーン雰囲気で該NOx 吸蔵材にNOx を吸蔵し、排ガス雰囲気をストイキ〜還元成分過剰のリッチ雰囲気に変化させて該NOx 吸蔵材に吸蔵されたNOx を放出させて還元するNOx 吸蔵還元型の排ガス浄化用触媒であって、
該酸化物担体には、 Al 2 O 3 及びZrO 2 の少なくとも一種が含まれ、TiO2-Al2O3-ZrO2複合酸化物が70重量%以上含まれ、
該 TiO2-Al2O3-ZrO2複合酸化物にはTiO2が50〜90重量%含まれていることを特徴とする排ガス浄化用触媒。 - 酸化物担体にアルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類元素から選ばれる少なくとも1種のNOx 吸蔵材と貴金属とを担持してなり、排ガス雰囲気が酸素過剰のリーン雰囲気で該NOx 吸蔵材にNOx を吸蔵し、排ガス雰囲気をストイキ〜還元成分過剰のリッチ雰囲気に変化させて該NOx 吸蔵材に吸蔵されたNOx を放出させて還元するNOx 吸蔵還元型の排ガス浄化用触媒であって、
該酸化物担体には、TiO2が50重量%以上90重量%以下の割合で含まれた TiO2-Al2O3-ZrO2複合酸化物よりなる第1担体と、TiO2が5重量%以上50重量%未満の割合で含まれた TiO2-Al2O3-ZrO2複合酸化物よりなる第2担体とが含まれていることを特徴とする排ガス浄化用触媒。 - 前記酸化物担体には Al2O3及びZrO2の少なくとも一種が含まれ、前記第1担体及び前記第2担体とが合計で70重量%以上含まれていることを特徴とする請求項2に記載の排ガス浄化用触媒。
- 酸化物担体にアルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類元素から選ばれる少なくとも1種のNOx 吸蔵材と貴金属とを担持してなり、排ガス雰囲気が酸素過剰のリーン雰囲気で該NOx 吸蔵材にNOx を吸蔵し、排ガス雰囲気をストイキ〜還元成分過剰のリッチ雰囲気に変化させて該NOx 吸蔵材に吸蔵されたNOx を放出させて還元するNOx 吸蔵還元型の排ガス浄化用触媒であって、
TiO2が50重量%以上90重量%以下の割合で含まれた TiO2-Al2O3-ZrO2複合酸化物よりなる第1担体を含む酸化物担体をもつ第1触媒と、TiO2が5重量%以上50重量%未満の割合で含まれた TiO2-Al2O3-ZrO2複合酸化物よりなる第2担体を含む酸化物担体をもつ第2触媒とを組み合わせてなることを特徴とする排ガス浄化用触媒。 - 前記第1触媒及び前記第2触媒の少なくとも一方の酸化物担体には Al2O3及びZrO2の少なくとも一種が含まれ、 Al2O3及びZrO2の少なくとも一種が含まれる前記第1触媒及び前記第2触媒の少なくとも一方の酸化物担体には前記第1担体と前記第2担体の少なくとも一方が70重量%以上含まれていることを特徴とする請求項4に記載の排ガス浄化用触媒。
- 前記貴金属は触媒1リットル当たり3〜12g含まれ、前記NOx 吸蔵材は触媒1リットル当たり 0.4〜 1.2モル含まれていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の排ガス浄化用触媒。
- 天然ガス、LPGなどを燃料とするガスエンジンあるいはガスヒートポンプ(GHP)などからの排ガスの浄化に用いられることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の排ガス浄化用触媒。
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