JP3821343B2 - 排ガス浄化装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車の排気系などに用いられる排ガス浄化装置に関し、詳しくは幅広い温度域で排ガス中のNOx を吸蔵還元して浄化できる排ガス浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より自動車の排ガス浄化用触媒として、理論空燃比(ストイキ)において排ガス中のCO及びHCの酸化とNOx の還元とを同時に行って浄化する三元触媒が用いられている。このような三元触媒としては、例えばコーディエライトなどからなる耐熱性基材にγ−アルミナからなる多孔質担体層を形成し、その多孔質担体層に白金(Pt)、ロジウム(Rh)などの貴金属を担持させたものが広く知られている。
【0003】
一方、近年、地球環境保護の観点から、自動車などの内燃機関から排出される排ガス中の二酸化炭素(CO2 )が問題とされ、その解決策として酸素過剰雰囲気において希薄燃焼させるいわゆるリーンバーンが有望視されている。このリーンバーンにおいては、燃料の使用量が低減され、その燃焼排ガスであるCO2 の発生を抑制することができる。
【0004】
これに対し、従来の三元触媒は、空燃比が理論空燃比(ストイキ)において排ガス中のCO,HC,NOx を同時に酸化・還元し浄化するものであって、リーンバーン時の排ガスの酸素過剰雰囲気下においては、NOx の還元除去に対して充分な浄化性能を示さない。このため、酸素過剰雰囲気下においてもNOx を効率よく浄化しうる触媒及び浄化システムの開発が望まれていた。
【0005】
そこでリーンバーンにおいて、常時は酸素過剰のリーン条件で燃焼させ、一時的にストイキ〜リッチ条件とすることにより排ガスを還元雰囲気としてNOx を還元浄化するシステムが開発された。そしてこのシステムに最適な、リーン雰囲気でNOx を吸蔵し、ストイキ〜リッチ雰囲気で吸蔵されたNOx を放出するNOx 吸蔵材を用いたNOx 吸蔵還元型の排ガス浄化用触媒が開発されている。
【0006】
このNOx の吸蔵・放出作用をもつNOx 吸蔵材としては、アルカリ土類金属、アルカリ金属及び希土類元素が知られ、例えば特開平5-317652号公報には、Baなどのアルカリ土類金属とPtをアルミナなどの多孔質担体に担持したNOx 吸蔵還元型触媒が提案されている。また特開平 6-31139号公報には、Kなどのアルカリ金属とPtをアルミナなどの多孔質担体に担持したNOx 吸蔵還元型触媒が提案されている。さらに特開平5-168860号公報には、Laなどの希土類元素とPtをアルミナなどの多孔質担体に担持したNOx 吸蔵還元型触媒が提案されている。
【0007】
これらのNOx 吸蔵還元型触媒を用いれば、空燃比をリーン側からパルス状にストイキ〜リッチ側となるように制御することにより、リーン側ではNOx がNOx 吸蔵材に吸蔵され、それがストイキ又はリッチ側で放出されてHCやCOなどの還元性成分と反応して浄化されるため、リーンバーンエンジンからの排ガスであってもNOx を効率良く浄化することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところがNOx 吸蔵還元型触媒は、排ガス温度が特に 300℃未満の低温域におけるNOx 吸蔵能が不充分であり、低温域になるほどNOx 吸蔵能が低下するという不具合がある。そのため始動時や冷間時などの排ガスが低温域にある場合には、 300〜 400℃の中温域に比べてNOx 浄化能が低下するという問題があった。
【0009】
また排ガス温度が 400℃以上の高温域においてもNOx 吸蔵能が低下し、300〜 400℃の中温域に比べてNOx 浄化能が低下するという問題がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、低温域から高温域まで安定して高いNOx 浄化能を有する排ガス浄化装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する請求項1に記載の排ガス浄化装置の特徴は、多孔質担体に貴金属とCs を除くアルカリ金属のみから選ばれる少なくとも一種のNOx 吸蔵材とを担持してなり高温域でNOx を吸蔵還元する高温型NOx 吸蔵還元触媒と、多孔質担体に貴金属とNOx 吸蔵材とを担持してなり低温域でNOx を吸蔵還元する低温型NOx 吸蔵還元触媒と、からなり、高温型 NO x 吸蔵還元触媒を排ガス流の上流側に配置し、低温型 NO x 吸蔵還元触媒を高温型 NO x 吸蔵還元触媒の下流側に配置してなることにある。
【0011】
また請求項2に記載の排ガス浄化装置の特徴は、請求項1に記載の排ガス浄化装置において、低温型 NO x 吸蔵還元触媒のNOx 吸蔵材はアルカリ土類金属及びランタンから選ばれる少なくとも一種であることにある。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、NOx 吸蔵還元触媒に用いられる種々のNOx 吸蔵材の酸素過剰雰囲気下におけるNOx 吸蔵挙動について鋭意研究した結果、NOx 吸蔵材の種類によってNOx を吸蔵する温度ウィンドウが異なることを見出した。例えばK,Naなどのアルカリ金属は 400〜 600℃の酸素過剰雰囲気下においてNOx を効率よく吸蔵し、例えばBa,Srなどのアルカリ土類金属やLaは 250〜 400℃の酸素過剰雰囲気下においてNOx を効率よく吸蔵することが明らかとなった。本発明はこの発見に基づいてなされたものである。
【0013】
なおNOx 吸蔵材の種類によってNOx 吸蔵の温度ウィンドウが異なる理由は明らかではないが、多孔質担体の酸塩基度や貴金属の種類との組合せの影響によるものであろうと考えられている。
すなわち本発明の排ガス浄化装置では、高温型NOx 吸蔵還元触媒と低温型NOx 吸蔵還元触媒とを用いている。したがって低温域の排ガスがこの排ガス浄化装置を通過する際には、NOx は低温型NOx 吸蔵還元触媒に吸蔵され、高温域の排ガスがこの排ガス浄化装置を通過する際には、NOx は高温型NOx 吸蔵還元触媒に吸蔵されるため、低温域から高温域まで幅広い温度ウィンドウでNOx を吸蔵することができる。これによりNOx 浄化性能が大幅に向上する。
【0014】
高温型NOx 吸蔵還元触媒と低温型NOx 吸蔵還元触媒の配置順序は、排ガス流の上流側に高温型NOx 吸蔵還元触媒を配置し、下流側に低温型NOx 吸蔵還元触媒を配置する。すなわち、排ガス浄化装置に流入する排ガスは、上流側ほど高温であるので、高温型NOx 吸蔵還元触媒を上流側に配置するのが有利である。また高温型NOx 吸蔵還元触媒で吸蔵しきれなかったNOx を、下流側の低温型NOx 吸蔵還元触媒で吸蔵することができる場合もある。
【0015】
高温型NOx 吸蔵還元触媒と低温型NOx 吸蔵還元触媒とは、間隔を隔てて直列に配置してもよいし、間隔がないように接して配置してもよいが、どちらかといえば間隔を隔てて配置することが好ましい。両触媒の間で排ガスの流れが乱れるため、下流側のNOx 吸蔵還元触媒に流入する排ガスの温度分布が中心部から外周部にかけて均一となり、安定した浄化性能が得られるからである。
【0016】
また高温型NOx 吸蔵還元触媒の上流側に、あるいは低温型NOx 吸蔵還元触媒の下流側に、さらに三元触媒を配置してもよい。高温型NOx 吸蔵還元触媒の上流側に三元触媒を配置すれば、三元触媒における反応熱で排ガス温度が上昇するので、高温型NOx 吸蔵還元触媒又は低温型NOx 吸蔵還元触媒におけるNOx 吸蔵能が向上する場合がある。また低温型NOx 吸蔵還元触媒の下流側に三元触媒を配置すれば、低温型NOx 吸蔵還元触媒で浄化しきれなかったHC,CO及びNOx を三元触媒で浄化することができ浄化性能が一層向上する。
【0017】
高温型NOx 吸蔵還元触媒は、多孔質担体と、多孔質担体に担持された貴金属及びNOx 吸蔵材とから構成される。多孔質担体としては、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、ジルコニア、チタニア、ゼオライトなどを用いることができる。このうちの一種でもよいし複数種類を混合あるいは複合化して用いることもできる。
【0018】
この多孔質担体は、コーディエライトあるいは金属箔などから形成されたハニカム形状の基材にコートしたハニカム触媒として用いられるのが一般的であるが、ペレット状に形成してペレット触媒としてもよい。
また貴金属としては、Pt、Rh、Pd、Irなどが例示される。この貴金属の担持量は、ハニカム形状の基材1リットル当たり 0.1〜10gとすることが好ましい。これより少ないと浄化活性が不足し、これより多く担持しても効果が飽和するとともに高価となる。
【0019】
高温型NOx 吸蔵還元触媒において、多孔質担体に担持されるNOx 吸蔵材としては、Na ,K, Li , Rb , Frからなるアルカリ金属の少なくとも一種を用いる。これにより 400〜 600℃の高温域の酸素過剰雰囲気の排ガス中のNOx を効率よく吸蔵することができ、NOx 浄化能が向上する。このNOx 吸蔵材の担持量としては、ハニカム形状の基材1リットル当たり 0.1〜 0.5モルの範囲とするのが好ましい。これより少ないとNOx 吸蔵能が得られず、これより多く担持すると貴金属がNOx 吸蔵材で覆われて活性が低下するようになる。
【0020】
なおアルカリ金属は、排ガス中の SO2がさらに酸化されて生じる SO3と反応して硫酸塩となりやすいが、その反面硫酸塩の分解も容易であり硫黄被毒が生じにくい。したがって上流側の高温型NOx 吸蔵還元触媒にアルカリ金属を担持すれば、アルカリ金属が硫酸塩となることによって下流側の低温型NOx 吸蔵還元触媒の硫黄被毒が防止でき、かつアルカリ金属の硫酸塩は還元雰囲気で容易に還元されるため、生成した SO2はそのまま低温型NOx 吸蔵還元触媒を通過して排出されるとともにアルカリ金属はNOx 吸蔵能が復活する。これにより硫黄被毒が防止され、耐久性に優れた排ガス浄化装置となる。
【0021】
低温型NOx 吸蔵還元触媒も、多孔質担体と、多孔質担体に担持された貴金属及びNOx 吸蔵材とから構成される。多孔質担体としては、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、ジルコニア、チタニア、ゼオライトなどを用いることができる。このうちの一種でもよいし複数種類を混合あるいは複合化して用いることもできる。高温型NOx 吸蔵還元触媒に用いた多孔質担体と同種であってもよいし異種の多孔質担体を用いることもできる。
【0022】
この多孔質担体は、コーディエライトあるいは金属箔などから形成されたハニカム形状の基材にコートしたハニカム触媒として用いられるのが一般的であるが、ペレット状に形成してペレット触媒としてもよい。
また貴金属としては、Pt、Rh、Pd、Irなどが例示される。中でも活性の高いPtが特に好ましい。また貴金属の担持量は、ハニカム形状の基材1リットル当たり 0.1〜10gとすることが好ましい。これより少ないと浄化活性が不足し、これより多く担持しても効果が飽和するとともに高価となる。
【0023】
低温型NOx 吸蔵還元触媒において、多孔質担体に担持されるNOx 吸蔵材としては、Ba,Be,Mg,Ca,Srなどのアルカリ土類金属及びLaから選ばれる少なくとも一種を用いることが望ましい。これにより 250〜 450℃の低温域の酸素過剰雰囲気の排ガス中のNOx を効率よく吸蔵することができ、NOx 浄化能が向上する。このNOx 吸蔵材の担持量としては、ハニカム形状の基材1リットル当たり 0.1〜 0.5モルの範囲とするのが好ましい。これより少ないとNOx 吸蔵能が得られず、これより多く担持すると貴金属がNOx 吸蔵材で覆われて活性が低下するようになる。
【0024】
なお、NOx 吸蔵材としてアルカリ金属を用いると、触媒の三元活性が低下することがわかっている。したがってアルカリ金属を担持した高温型NOx 吸蔵還元触媒では、三元活性が低下する。しかし下流側に配置された低温型NOx 吸蔵還元触媒にはアルカリ金属が担持しないようにすれば、下流側の低温型NOx 吸蔵還元触媒で三元活性が確保されるため、排ガス浄化装置全体としても三元活性を確保することができる。
【0025】
高温型NOx 吸蔵還元触媒及び低温型NOx 吸蔵還元触媒の少なくとも一方には、セリアなどの酸素吸蔵放出材を含むことも好ましい。これによりリーン雰囲気とストイキ〜リッチ雰囲気との酸素濃度差が縮小されるため、三元活性が発現し浄化性能が一層向上する。
本発明の排ガス浄化装置において、高温型NOx 吸蔵還元触媒と低温型NOx 吸蔵還元触媒との構成比率は特に制限されないが、それぞれの容積比で、高温型NOx 吸蔵還元触媒:低温型NOx 吸蔵還元触媒=1:20〜20:1の範囲とするのが好ましい。またコストの増大を防ぐためには、排ガス浄化装置全体として従来のNOx 吸蔵還元触媒とほぼ同量の貴金属担持量となるように構成するのが好ましい。
【0026】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
図1に本実施例の排ガス浄化装置を示す。この排ガス浄化装置は、一つの触媒コンバータ1内の排ガス流の上流側に高温型NOx 吸蔵還元触媒2が配置され、その下流側に低温型NOx 吸蔵還元触媒3が配置されている。高温型NOx 吸蔵還元触媒2と低温型NOx 吸蔵還元触媒3とは、約5mmの間隔を隔てて直列に配置されている。以下、高温型NOx 吸蔵還元触媒2と低温型NOx 吸蔵還元触媒3の製造方法を説明し、それぞれの触媒の構成の詳細な説明に代える。
【0027】
<高温型NOx 吸蔵還元触媒2の調製>
ジルコニア粉末に、所定濃度の硝酸ロジウム水溶液を含浸させ、濾過・乾燥してRhを 0.5重量%担持したRh/ZrO2粉末を調製した。
次にこのRh/ZrO2粉末 250gと、活性 Al2O3粉末 500gと、TiO2粉末 500gと、CeO2粉末 100gと、硝酸アルミニウム水溶液及び水を混合してスラリーを調製した。このスラリー中にコーディエライト製ハニカム基材(容積1L)を浸漬し、引き上げて余分なスラリーを吹き払った後 250℃で1時間乾燥し、 500℃で1時間焼成してコート層を形成した。コート層はハニカム基材1Lに対して 250g形成された。
【0028】
得られた担体を所定濃度のジニトロジアンミン白金硝酸水溶液に浸漬し、引き上げて余分な液滴を吹き払い 250℃で1時間乾燥してPtを担持した。Ptの担持量はハニカム基材1Lに対して 2.0gである。続いて所定濃度の硝酸カリウム水溶液の所定量をコート層に吸水させ、 250℃で1時間乾燥後 500℃で1時間焼成してKを担持して、高温型NOx 吸蔵還元触媒2を調製した。Kの担持量はハニカム基材1Lに対して 0.3モルである。
【0029】
<低温型NOx 吸蔵還元触媒の調製>
硝酸カリウム水溶液の代わりに酢酸バリウム水溶液を用いたこと以外は上記と同様にして、低温型NOx 吸蔵還元触媒3を調製した。Rh及びPtの担持量は高温型NOx 吸蔵還元触媒2と同一であり、Baはハニカム基材1Lに対して 0.3モル担持されている。
【0030】
<排ガス浄化装置の形成>
上記高温型NOx 吸蔵還元触媒2と低温型NOx 吸蔵還元触媒3を、高温型NOx 吸蔵還元触媒2が排ガス流の上流側に低温型NOx 吸蔵還元触媒3がその下流側になるように、約5mmの間隔を開けて触媒コンバータ1内に配置し、本実施例の排ガス浄化装置を形成した。
【0031】
<試験>
この排ガス浄化装置を 1.8Lのリーンバーンエンジンの排気系に取り付け、市街地走行を模擬したパターンで促進耐久試験を行った後、10−15モードエミッションを測定した。そのNOx 浄化率を表1に示す。なお10−15モードでは、排ガス温度は 250〜 500℃の間で大きく変動している。
【0032】
(実施例2)
実施例1と同様にして高温型NOx 吸蔵還元触媒を調製した。
また硝酸カリウム水溶液の代わりに酢酸ストロンチウム水溶液を用いたこと以外は実施例1の高温型NOx 吸蔵還元触媒の製造方法と同様にして、低温型NOx 吸蔵還元触媒を調製した。Rh及びPtの担持量は実施例1の低温型NOx 吸蔵還元触媒と同一であり、Srはハニカム基材1Lに対して 0.3モル担持されている。
【0033】
そして高温型NOx 吸蔵還元触媒と低温型NOx 吸蔵還元触媒を、実施例1と同様に触媒コンバータ1内に配置して本実施例の排ガス浄化装置を形成した。そして実施例1と同様にしてNOx 浄化率を測定し、結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1と同様にして高温型NOx 吸蔵還元触媒を調製した。
【0034】
また硝酸カリウム水溶液の代わりに硝酸ランタン水溶液を用いたこと以外は実施例1の高温型NOx 吸蔵還元触媒の製造方法と同様にして、低温型NOx 吸蔵還元触媒を調製した。Rh及びPtの担持量は実施例1の低温型NOx 吸蔵還元触媒と同一であり、Laはハニカム基材1Lに対して 0.3モル担持されている。
そして高温型NOx 吸蔵還元触媒と低温型NOx 吸蔵還元触媒を、実施例1と同様に触媒コンバータ1内に配置して本実施例の排ガス浄化装置を形成した。そして実施例1と同様にしてNOx 浄化率を測定し、結果を表1に示す。
【0035】
(実施例4)
硝酸カリウム水溶液の代わりに酢酸ナトリウム水溶液を用いたこと以外は実施例1の高温型NOx 吸蔵還元触媒の製造方法と同様にして、高温型NOx 吸蔵還元触媒を調製した。Rh及びPtの担持量は実施例1の高温型NOx 吸蔵還元触媒と同一であり、Naはハニカム基材1Lに対して 0.3モル担持されている。
【0036】
また実施例1と同様にして低温型NOx 吸蔵還元触媒を調製した。
そして高温型NOx 吸蔵還元触媒と低温型NOx 吸蔵還元触媒を、実施例1と同様に触媒コンバータ1内に配置して本実施例の排ガス浄化装置を形成した。そして実施例1と同様にしてNOx 浄化率を測定し、結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例4の高温型NOx 吸蔵還元触媒(Na担持)と実施例2の低温型NOx 吸蔵還元触媒(Sr担持)を用い、実施例1と同様に触媒コンバータ1内に配置して本実施例の排ガス浄化装置を形成した。そして実施例1と同様にしてNOx 浄化率を測定し、結果を表1に示す。
【0037】
(実施例6)
実施例4の高温型NOx 吸蔵還元触媒(Na担持)と実施例3の低温型NOx 吸蔵還元触媒(La担持)を用い、実施例1と同様に触媒コンバータ1内に配置して本実施例の排ガス浄化装置を形成した。そして実施例1と同様にしてNOx 浄化率を測定し、結果を表1に示す。
【0038】
(実施例7)
Kの担持量を 0.1モル/Lとしたこと以外は実施例1と同様にして高温型NOx 吸蔵還元触媒を調製し、Baの担持量を 0.1モル/Lとしたこと以外は実施例1と同様にして低温型NOx 吸蔵還元触媒を調製した。そして実施例1と同様に触媒コンバータ1内に配置して本実施例の排ガス浄化装置を形成し、同様にしてNOx 浄化率を測定した結果を表1に示す。
【0039】
(実施例8)
Kの担持量を 0.5モル/Lとしたこと以外は実施例1と同様にして高温型NOx 吸蔵還元触媒を調製し、Baの担持量を 0.5モル/Lとしたこと以外は実施例1と同様にして低温型NOx 吸蔵還元触媒を調製した。そして実施例1と同様に触媒コンバータ1内に配置して本実施例の排ガス浄化装置を形成し、同様にしてNOx 浄化率を測定した結果を表1に示す。
【0040】
(比較例1)
実施例1と同様にして調製されたコート層をもつ担体を所定濃度のジニトロジアンミン白金硝酸水溶液に浸漬し、引き上げて余分な液滴を吹き払い 250℃で1時間乾燥してPtを担持した。Ptの担持量はハニカム基材1Lに対して 4.0gである。続いて所定濃度の酢酸カリウム水溶液と酢酸バリウム水溶液の所定量をそれぞれ吸水させ、それぞれ 250℃で1時間乾燥後 500℃で1時間焼成してK及びBaを担持した。K及びBaの担持量は、ハニカム基材1Lに対してそれぞれ 0.3モルである。
【0041】
得られたNOx 吸蔵還元触媒を所定の触媒コンバータ内に配置し、実施例1と同様にしてNOx 浄化率を測定した。結果を表1に示す。
(比較例2)
K及びBaをそれぞれ 0.1モル/L担持したこと以外は比較例1と同様にしてNOx 吸蔵還元触媒を調製した。これを所定の触媒コンバータ内に配置し、実施例1と同様にしてNOx 浄化率を測定した。結果を表1に示す。
【0042】
(比較例3)
K及びBaをそれぞれ 0.5モル/L担持したこと以外は比較例1と同様にしてNOx 吸蔵還元触媒を調製した。これを所定の触媒コンバータ内に配置し、実施例1と同様にしてNOx 浄化率を測定した。結果を表1に示す。
(評価)
【0043】
【表1】
表1より、各実施例の排ガス浄化装置は比較例に比べて耐久試験後のNOx 浄化性能が大幅に向上していることがわかり、耐久性にも優れている。これは高温型NOx 吸蔵還元触媒を排ガス流の上流側に配置し、低温型NOx 吸蔵還元触媒をその下流側に配置したことに起因していることが明らかである。また表には示していないが、HC及びCOの浄化率も高い値を示していた。
【0044】
なお、上記実施例及び比較例では、高温型NOx 吸蔵還元触媒と低温型NOx 吸蔵還元触媒とを一つの触媒コンバータ内に間隔を隔てて配置したが、図2に示すように間隔がなく両触媒が接した構造としてもよい。また図3に示すように、高温型NOx 吸蔵還元触媒と低温型NOx 吸蔵還元触媒とをそれぞれ触媒コンバータ内に配置して、その二つの触媒コンバータを直列に連結することもできる。
【0045】
【発明の効果】
すなわち本発明の排ガス浄化装置によれば、低温域から高温域まで安定して高いNOx 吸蔵能を確保できるため、10−15モード走行時におけるNOx 浄化率が格段に向上する。
また硫黄被毒が抑制されるため耐久性に優れ、長期間安定した浄化性能が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の排ガス浄化装置の構成を示す説明断面図である。
【図2】本発明の一実施例の排ガス浄化装置の他の態様を示す説明断面図である。
【図3】本発明の一実施例の排ガス浄化装置の他の態様を示す説明断面図である。
【符号の説明】
1:触媒コンバータ 2:高温型NOx 吸蔵還元触媒
3:低温型NO x 吸蔵還元触媒
Claims (2)
- 多孔質担体に貴金属とCs を除くアルカリ金属のみから選ばれる少なくとも一種のNOx 吸蔵材とを担持してなり高温域でNOx を吸蔵還元する高温型NOx 吸蔵還元触媒と、
多孔質担体に貴金属とNOx 吸蔵材とを担持してなり低温域でNOx を吸蔵還元する低温型NOx 吸蔵還元触媒と、からなり、
該高温型 NO x 吸蔵還元触媒を排ガス流の上流側に配置し、該低温型 NO x 吸蔵還元触媒を該高温型 NO x 吸蔵還元触媒の下流側に配置してなることを特徴とする排ガス浄化装置。 - 前記低温型 NO x 吸蔵還元触媒の前記 NO x 吸蔵材はアルカリ土類金属及びランタンから選ばれる少なくとも一種である請求項1に記載の排ガス浄化装置。
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