JP3882885B2 - 排ガス浄化用触媒 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、排ガス浄化用触媒に関し、特に、排ガス浄化性能および耐久性に優れた排ガス浄化用触媒に関する。
【0002】
【関連する背景技術】
リーンバーンエンジンや筒内噴射式エンジン等の希薄燃焼式エンジンは、燃費特性や排ガス特性の向上のため、所定運転域では理論空燃比よりも燃料希薄側のリーン空燃比で運転される。リーン空燃比運転が行われる間は、排ガス中のNOx(窒素酸化物)を三元触媒によって十分に浄化することができないことから、酸化雰囲気において排ガス中のNOxを吸蔵するNOx触媒を装備し、この触媒に吸蔵されたNOxを還元雰囲気でN2(窒素)に還元させることにより、大気へのNOx排出量を低減させることが知られている。この種の吸蔵型リーンNOx触媒において、例えば特開平9−85093号公報に記載のように、カリウム(K)をNOx吸蔵剤として添加してNOx吸蔵性能を向上するようにしたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、吸蔵剤、例えばカリウムを添加したNOx触媒を長時間にわたって高温下におくと、触媒にクラックが発生することがあり、NOx触媒の耐久性低下の原因になっている。
NOx触媒におけるクラック発生の原因を究明するべく、本発明者らは、ハニカム型のコージライト担体に担持した触媒層にカリウムを吸蔵剤として添加してなるNOx触媒を製造し、このNOx触媒を装備したエンジンの台上試験ならびにこの種のエンジンを搭載した車両の走行試験を行った。台上試験や実車走行試験では、NOx触媒が相当な時間にわたって650°C以上という高温に曝されるような条件でエンジンや車両を運転した。そして、運転終了後にNOx触媒の切断面における元素分析をEPMA法(電子線プローブ微小部分分析法)により実施し、触媒のコージライト( Mg2Al4Si5O18)層中にカリウム、マグネシウム、アルミニウム、珪素及び酸素の化合物KMg4Al9Si9O36やカリウム、アルミニウム、珪素及び酸素の化合物KAlSiO4が存在することを確認した。
【0004】
上記の実験によれば、NOx触媒が高温に曝されると、触媒層(ウオッシュコート)に添加されたカリウムがコージライト担体内に浸透し、高温雰囲気下においてカリウムがコージライトと反応して上記の化合物を形成するものと考えられる。ここで、カリウムの化合物はその水溶性が高く且つその融点が低いことからコージライト担体へカリウムが浸透し易いと解される。そして、コージライトと熱膨張率を異にする化合物がコージライト担体中に形成されると、触媒使用中および使用前後における触媒温度の変化に伴ってコージライト担体にクラックが発生してNOx触媒の強度が低下することになる。
【0005】
上述のように、カリウム等を吸蔵剤として含むNOx触媒は酸化雰囲気下で使用される。この酸化雰囲気では、吸蔵剤と排ガス中の窒素成分や硫黄成分との化学反応により吸蔵剤の硝酸塩や硫酸塩が形成され、NOx吸蔵能力が低下する。この場合、NOx触媒まわりに還元雰囲気を形成して硝酸塩や硫酸塩を分解することにより吸蔵能力を回復可能であるが、この様な対策を講じても、NOx触媒を高温下で長時間使用すると浄化性能が低下することがある。
【0006】
本発明者が行った下記実験の結果からみて、浄化性能低下原因の一つは、高温下において吸蔵剤がNOx触媒から徐々に蒸発、飛散して触媒内の吸蔵剤のかなりの部分が消失することにあると考えられる。即ち、本発明者は、カリウムを吸蔵剤として含む触媒層をコージライト担体に担持してなるNOx触媒を製作し、未使用のNOx触媒におけるカリウム含有率をXRF法(蛍光X線分光分析法)で求め、次に、この触媒を高温下で長時間(例えば850°Cで32時間)にわたって使用した後に触媒のカリウム含有率を求め、さらに、使用前後におけるカリウム含有率の差を当初のカリウム含有率で除してカリウム消失量を求めた。この結果、カリウム消失量は数十%ないし50%に及ぶことが分かった(図4を参照)。
【0007】
そこで、本発明は、吸蔵剤の消失による排ガス浄化性能の悪化度合いを大幅に低減可能な排ガス浄化用触媒を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、請求項1の発明では、担体と触媒層とを含み、該触媒層にアルカリ金属及びアルカリ土類金属からなる群から選択される少なくとも一つを吸蔵剤として添加してなる排ガス浄化用触媒において、触媒層中に、ゼオライトを混合させると共に、触媒層と担体との間に、シリカからなり吸蔵剤の担体側への移動を抑制する抑制層を形成したものである。
ゼオライトはカチオン交換能により吸蔵剤を固定する能力に優れているので、触媒層内を移動する吸蔵剤は、ゼオライトの酸点のカチオン交換能によりイオンとして固定される(図2を参照)。また、ゼオライトは三次元網目状構造をもって高い比表面積を有するため、吸蔵剤はゼオライト上で高分散化され、吸蔵剤に対する固定作用は一層強固なものとなる。また、ゼオライトはHC吸着能(より一般的には還元物質吸着能)に優れ、リーン運転時に排ガスに含まれる僅かなHCはゼオライト上に吸着されるため、このHCによって吸蔵剤の硝酸塩や硫酸塩の分解が促進され、結果として触媒のNOx吸蔵性能の回復に寄与する。
本発明において、触媒層中に混合させるゼオライトとして、MFI型、Y型、X型、モルデナイト、フェリエライト、β(ベータ)等の種々のタイプのゼオライトを使用可能であるが、吸着HC種との構造関連性を考慮して、排ガス組成に適合するものを選択することが好ましい。
また、ゼオライトのカチオン交換能及び耐熱性能は、ゼオライトの組成成分に依存する。即ち、カチオン交換能はゼオライトでのSiO 2 /AlO 2 比に反比例し、耐熱性はこの比に比例する。従って、例えば、上記の比をできるだけ大きくすることにより、触媒の耐熱性向上を図ることができる。また、上記の比を小さくすることにより、触媒の高温下での長時間運転に伴う吸蔵剤の消失量を低減して吸蔵性能を維持できる。
【0009】
一方、抑制層を構成するシリカは酸性度が非常に高く、これに対して触媒層中のカリウムやバリウム等の吸蔵剤は、アルカリ金属或いはアルカリ土類金属であるため、触媒層中から抑制層側に移動した吸蔵剤は抑制層により反応固定される。これにより、吸蔵剤の蒸発・飛散や吸蔵剤の担体内への浸透による消失が防止され、且つ、吸蔵剤の担体内への浸透に起因するクラックの発生が防止される。
請求項2の発明は、アルカリ金属やアルカリ土類金属からなる吸蔵剤が添加された第2触媒層を触媒層(以下、第1触媒層と称する)の外面に形成したことを特徴とする。
【0010】
一般に、吸蔵剤を添加した触媒層を有する排ガス浄化用触媒では、被吸蔵物質たとえば窒素酸化物が触媒の貴金属の酸化作用の下で硝酸塩として触媒内に固定されるが、吸蔵剤を構成するアルカリ金属やアルカリ土類金属はその電子供与性が強く、貴金属の酸化性能を低下させるように作用する。この点、本発明では第1触媒層にゼオライトが混合されているので、第2触媒層内の吸蔵剤が第1触媒層側へ移動し易く、吸蔵剤が第1触媒層内に集まって第1触媒層内の吸蔵剤の量が多くなる一方、第2触媒層内の吸蔵剤の量は少なくなる。すなわち、第1及び第2触媒層を全体としてみたとき全触媒層内に吸蔵剤の濃淡分布が生じる。この様に、第2触媒層内の吸蔵剤の量が少なくなると、第2触媒層内の吸蔵剤によって第2触媒層の貴金属の酸化作用が弱化される度合が小さくなり、触媒層全体とくに第2触媒層では貴金属により所要の酸化作用が奏され、排ガス浄化用触媒の吸蔵・浄化能力が高レベルに維持される。
【0011】
また、請求項2の発明では、第1触媒層の外面に形成される第2触媒層内の吸蔵剤の量が少なくなるため、第2触媒層ひいては全触媒層からの吸蔵剤の飛散が抑制され、触媒の吸蔵・浄化能力が維持される。
更に、請求項2の発明では、第2触媒層により第1触媒層及び抑制層が高温の排ガスから保護されるので、第1触媒層や抑制層の熱劣化が防止され、触媒全体の耐久性が向上する。
【0012】
請求項3の発明は、吸蔵剤が添加された第2触媒層を触媒層(以下、第1触媒層と称する)と抑制層との間に形成したことを特徴とする。
請求項3の発明においても、第1触媒層側に吸蔵剤が集まるので、触媒層全体とくに第2触媒層では貴金属の酸化作用が吸蔵剤により弱化されにくくなり、排ガス浄化用触媒の吸蔵・浄化能力が高レベルに維持される。
【0013】
また、吸蔵剤が添加された触媒層を含む排ガス浄化用触媒では、既述のように吸蔵剤と排ガス中の窒素成分や硫黄成分との化学反応による硝酸塩や硫酸塩の生成に起因して低下した触媒の吸蔵能力を回復するべく排ガス空燃比が間欠的にリッチ化されるが、触媒の深層部に生成した硝酸塩や硫酸塩の還元にはリッチ化期間を長くしたりリッチ化度合を大きくする必要がある。この点、請求項3の発明では、ゼオライトを添加してなる第1触媒層を設けた触媒外面側に吸蔵剤が集まるので、硝酸塩や硫酸塩の生成個所も触媒外面側に偏在して排ガスに接触し易くなる。従って、吸蔵能力の回復に要する排ガスのリッチ化期間が短くなり、またリッチ化度合を小さくすることができ、その分、燃費の悪化が抑制される。
【0022】
また、請求項4の発明では、吸蔵剤にカリウムを含み、担体を多孔質担体としたものである。このように吸蔵剤としてカリウムを添加すると、触媒層中のゼオライトとシリカからなる抑制層とによって吸蔵剤の移動が良好に抑制され、蒸発、飛散による吸蔵剤の消失、ひいては触媒の排ガス性能の低下が好適に防止される。また、多孔質担体の使用により、排ガスの圧力損失が低下するとともに、排ガスが触媒層に良好に接触して排ガス浄化が良好に行われる。一方、多孔質担体を有する触媒では、高温の水蒸気を含む排ガスの流通がよくなって吸蔵剤の移動や蒸発、飛散が生じ易くなるが、本発明では触媒層中のゼオライト及び抑制層によってこれが防止される。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施形態による排気ガス浄化触媒を説明する。
本実施形態の排気ガス浄化触媒は、多数のセルからなる多孔質ハニカム(モノリス)型のコージライト担体を有するNOx触媒として構成されている。図1は本実施形態の排ガス浄化用触媒に適用されたコージライト担体の一つのセルの四半部を示し、コージライト担体10のセルは、例えば四角形状に形成されている。コージライト担体10は、例えば、アルミナ源の粉末、シリカ源の粉末およびマグネシア源の粉末を、アルミナ、シリカ、マグネシアの割合がコージライト組成になるように混合したものを水に分散させ、その固形分をハニカム状に成形し、このハニカム成形体を焼成したものである。
【0024】
コージライト担体10の表面は抑制層20により被覆され、抑制層20の表面には触媒層30が担持されている。抑制層20はシリカ(SiO2)を主成分として形成されている。また、触媒層30は、プラチナ(Pt)等の貴金属、カリウム(K)やバリウム(Ba)等のNOx吸蔵剤と共に、酸性質材料40としてゼオライトが細かく分散した状態で混合されている。
【0025】
抑制層20は、例えば以下のようにして、コージライト担体10の表面に形成される。先ず、珪素化合物を含むスラリーを調製し、このスラリー中にコージライト担体10を浸漬する。その後、コージライト担体10を乾燥・焼成すると、コージライト担体10の表面にシリカを主成分とする抑制層20が形成される。また、触媒層30は、例えば以下のようにして、抑制層20の表面に形成される。先ず、プラチナ等の貴金属、カリウムやバリウム等のNOx吸蔵剤、ゼオライトからなる酸性質材料40を含むスラリーを調製し、このスラリー中に、上記のように抑制層20を形成後のコージライト担体10を浸漬する。その後、コージライト担体10を乾燥・焼成すると、抑制層20の表面に貴金属や吸蔵剤と共に酸性質材料40が混合された触媒層30が形成される。尚、吸蔵剤としては、カリウムやバリウムが代表的であるが、これらに限らず、アルカリ金属またはアルカリ土類金属であれば如何なるものであってもよい。
【0026】
以上のように構成されたNOx触媒は、例えば緩衝材を介してケースに収容され、希薄燃焼内燃機関の排気系に配置される。このNOx触媒によれば、リーン空燃比での機関運転中において、触媒層30に分散された吸蔵剤の作用下で排ガスのNOxが硝酸塩の形で吸蔵され、この硝酸塩はリッチ空燃比での機関運転中に吸蔵剤から放出されて、窒素に還元された後にNOx触媒から放出される。
【0027】
そして、このようなNOx触媒を装備した内燃機関を長時間運転すると、NOx触媒は長時間にわたって高温に晒される。この場合、カリウムが添加された触媒層30をコージライト担体10に単に担持させただけの従来のNOx触媒では、既に述べたように、カリウムのコージライト担体10内への浸透による反応消費や蒸発・飛散による消失で浄化性能が悪化する上に、浸透したカリウムがコージライト担体10内で化合物を生成してクラックを引き起こしてしまう。
【0028】
これに対して本実施形態の排ガス浄化用触媒では、ゼオライト等の酸性質材料40が奏するカチオン交換能や反応性により、触媒層30に含まれたカリウムやバリウム等の吸蔵剤を固定する作用が奏される上に、シリカを主成分とした抑制層20により、触媒層30からコージライト担体10側への吸蔵剤の移動を抑制する作用が奏されるため、上記した吸蔵剤の消失やクラックの発生等の不具合が防止される。
【0029】
以下に、それぞれの作用を詳述すると、酸性質材料40の主成分のゼオライトは複合酸化物であり、カチオン交換能により吸蔵剤(本実施形態ではカリウム)を固定する能力に優れる。触媒層30内を移動する吸蔵剤は、高温の水蒸気存在下においてイオン化された状態となることがあり、図2に模式的に示すように、吸蔵剤、例えばカリウムは、ゼオライトの酸点のカチオン交換能によりイオンとして固定される。また、ゼオライトは三次元網目状構造で高い比表面積を有し、このような構造のゼオライト上で吸蔵剤が高分散化されるので、吸蔵剤に対する固定作用は一層強固なものとなる。
【0030】
ここで、ゼオライトのカチオン交換能はSiO2/Al2O3比に反比例し、耐熱性はこの比に比例する。つまり、SiO2/Al2O3比を小とした場合、アルミナ量の増加に伴って酸点が増加するため吸蔵剤の固定作用を強化できるが、ゼオライトの脱アルミニウムを引き起こして酸性質材料40自体の耐熱性が損なわれるため、これらの吸蔵剤の固定作用と耐熱性を勘案した上で、上記比を設定することが好ましい。また、酸性質材料40は天然品及び合成品の何れでもよいが、物理的吸着面積を大きくとれる高比表面積のものが望ましい。ゼオライトと同様の作用を奏する材料としては二酸化チタン(TiO2)が挙げられ、ゼオライトに代えて二酸化チタンを触媒層30に混合させてもよい。
【0031】
また、酸性質材料40としては、図3に示すようなIV、V、VI族の遷移元素或いはIV、V、VI族の典型元素(Si、P、S、V、Cr、As、Nb、Mo、W等)で、アルカリ金属またはアルカリ土類金属との親和性が大きいものが好ましい(図3は、例えばカリウムとの親和性を示す)。吸蔵剤との反応性をも考慮すると、吸蔵剤がカリウムである場合、酸性質材料40はシリカやタングステン(W)が好ましく、また、NOxと吸蔵剤との反応性を阻害しない材料がよい。
【0032】
一方、シリカを主成分とした抑制層20は酸性度が非常に高く、これに対して触媒層30中のカリウムやバリウム等の吸蔵剤は、アルカリ金属或いはアルカリ土類金属である。このため、上記した酸性質材料40による固定作用にも拘わらず、吸蔵剤が触媒層30中から抑制層20側に移動したときには、抑制層20により吸蔵剤が反応固定され、その結果、吸蔵剤がコージライト担体10内に浸透する事態が防止される。以上の作用を奏する抑制層20としては、図3に基づいて説明した酸性質材料40と同様の要件が求められ、シリカに代えてタングステンを適用することもできる。
【0033】
また、吸蔵剤の移動を抑制する作用は、抑制層20を逆に塩基性度の高い材料、例えば二酸化チタン、或いはバリウム等のアルカリ金属や酸化バリウム(BaO)等の塩基材料等で形成することでも達成される。つまり、この場合には抑制層20が吸蔵剤と同一の性質を有することから、吸蔵剤が抑制層20に接近すると反発を受けて、コージライト担体10への誘導性が低下する。
【0034】
さらに、吸蔵剤の移動を抑制する作用は、抑制層20を例えばゼオライト等の比表面積の高い材料や、例えば硫酸バリウム(BaSO4)等の分子量が大きい安定塩基材料を主成分とする元素化合物、或いは結晶格子の小さい材料等で形成することでも達成される。例えば、ゼオライトを主成分として抑制層20を形成した場合、高比表面積の抑制層20内において吸蔵剤が高分散することから、コージライト担体10への浸透が防止される。また、上記のようにゼオライトは、カチオン交換能により吸蔵剤を固定する能力に優れるため、この作用によっても吸蔵剤の担体10への浸透が防止される。
【0035】
以上の結果、本実施形態の排ガス浄化用触媒によれば、吸蔵剤のコージライト担体10内への浸透による反応消費や蒸発・飛散を防止して、吸蔵剤の消失による浄化性能の悪化を抑制できると共に、コージライト担体10のクラックを未然に防止して耐久性を向上させることができる。
本発明者は以上の作用を確認すべく、本実施形態のNOx触媒と従来のNOx触媒を高温下で長時間使用する熱耐久試験を実施した後に、触媒層30のカリウム含有量を測定した。図4に左から2番目の矩形で示すように、最左方の矩形で示した従来のものに対して本実施形態のNOx触媒では、触媒層30内にかなりのカリウムが残存していることが確認された。さらに、熱耐久試験後のNOx浄化効率を比較すると、図5に三角形マークで示すように、丸マークで示した従来のものに対して本実施形態のNOx触媒では、触媒温度に拘わらずNOx浄化効率が全体として高く維持されることが確認された。
【0036】
一方、リーン運転時においても排ガスには僅かなHCが含まれるが、ゼオライトはHC等の還元物質を吸着する能力に優れることから、ゼオライト上に吸着されたHCによってNOx吸蔵剤の硝酸塩や硫酸塩の分解が促進される。つまり、リーン運転中においても、HC吸着能を有するゼオライトは排ガス中に含まれる僅かなHCを利用してNOx吸蔵剤の硝酸塩や硫酸塩を連続的に分解し、触媒のNOx吸蔵性能の回復に寄与する。尚、ゼオライトとしては、MFI型、Y型、X型、モルデナイト、フェリエナイト、β(ベータ)等の種々のタイプのゼオライトを使用可能であるが、吸着HC種との構造関連性を考慮し、排ガス組成に適合するものを選択すればよい。
【0037】
また、NOx触媒の浄化能力を低下させる物質としてイオウ成分による硫酸塩があるが、本発明の排ガス浄化用触媒では、触媒層30内にカリウム等のNOx吸蔵剤を分散して保持しておくことができるので、このような硫酸塩の成長を抑制することもできる。
以上で第1実施形態の説明を終えるが、この実施態様に係る排ガス浄化用触媒は種々に変形可能である。例えば、第1実施形態では、酸性質材料40が触媒層30中に比較的細かく分散するように混合したが、例えば、図6に示すように、ある程度大きな粒子或いはブロック(塊)であっても良い。
【0038】
以下、本発明の第2実施形態による排ガス浄化用触媒を説明する。
本実施形態の触媒は、その触媒層の貴金属の酸化作用ひいては触媒のNOx吸蔵・浄化能力を良好に維持すると共に触媒の耐久性を向上することを企図したものであり、第1実施形態のもの(図1)と基本構成が同一であるが、図7に示すように、触媒層(以下、第1触媒層という)30の外面に第2触媒層50を形成した点で第1実施形態のものと構成を異にする。
【0039】
図7を参照して簡略に説明すれば、排ガス浄化用触媒は、コージライト担体10と、その表面を被覆する抑制層20と、この抑制層20の表面に担持され且つ酸性質材料40が添加された第1触媒層30と、その表面に形成された第2触媒層50とからなる。担体10、抑制層20及び第1触媒層30の構成は第1実施形態のものと同一であるので、説明を省略する。第2触媒層50は、プラチナなどの貴金属とカリウムやバリウム等のNOx吸蔵剤との混合物からなるもので、酸性質材料40を含まない点で第1触媒層30と相違している。
【0040】
上記構成の排ガス浄化用触媒は、第1実施形態の場合と同様の手順で抑制層20及び第1触媒層30を順次形成したコージライト担体10を貴金属及びNOx吸蔵剤を含むスラリー中に浸漬し、次に、これを乾燥・焼成することにより製造される。
既述のように、電子供与性の強いNOx吸蔵剤によって貴金属の酸化性能が低下して触媒のNOx吸蔵・浄化性能の悪化原因になるが、本実施形態の触媒の触媒層は、酸性質材料40を含む第1触媒層30と、その外面に形成され且つ酸性質材料を含まない第2触媒層50とから構成され、第2触媒層50内のNOx吸蔵剤が第1触媒層30側へ移動し易くなっているため、吸蔵剤が第1触媒層30内に集まって第2触媒層50内の吸蔵剤の量は少なくなる。この結果、第2触媒層50の貴金属の酸化作用が第2触媒層50内の吸蔵剤により弱化され難くなり、触媒層全体とくに第2触媒層50での貴金属の酸化作用ひいては触媒の吸蔵・浄化能力が高レベルに維持される。また、第2触媒層50内の吸蔵剤の量が少なくなるため、第2触媒層50からの吸蔵剤の飛散が抑制され、触媒の吸蔵能力が維持される。更に、第2触媒層50により第1触媒層30及び抑制層20が高温の排ガスから保護されるので、第1触媒層30に混合される酸性質材料40や抑制層20の構成材料としてゼオライトやチタン酸化物などの耐熱性の低い材料を用いた場合にも第1触媒層30や抑制層20の熱劣化が防止され、触媒全体の耐久性が向上する。
【0041】
本実施形態の排ガス浄化用触媒についても第1実施形態の場合と同様の熱耐久試験を行った。試験結果によれば、図4に左から3番目の矩形で示すように、本実施形態に係る触媒の、熱耐久試験後における第1及び第2触媒層30、50内のカリウム含有量は従来のものよりも多く、また、図5に四角形マークで示すように、熱耐久試験後のNOx浄化率についても触媒温度全域にわたって改善されることが分かった。
【0042】
次に、本発明の第3実施形態による排ガス浄化用触媒を説明する。
本実施形態の触媒は、第2実施形態のものと同様、触媒層の貴金属の酸化作用の維持ならびに触媒の耐久性向上を企図して第1触媒層に加えて第2触媒層を設けたものであるが、両触媒層の配置位置が第2実施形態のものと異なる。
すなわち、本実施形態の排ガス浄化用触媒は、図8に示すように、コージライト担体10と、担体10の表面を被覆する抑制層20と、抑制層20の表面に形成され且つ酸性質材料を含まない第2触媒層50と、第2触媒層50の表面に形成され且つ酸性質材料40を含む第1触媒層30とを備える。すなわち、第2触媒層50は、抑制層20と第1触媒層30との間に設けられている。
【0043】
上記構成の排ガス浄化用触媒の製造では、第1実施形態の場合と同様の手順で抑制層20を形成したコージライト担体10を貴金属及びNOx吸蔵剤を含むスラリー中に浸漬し、次にこれを乾燥・焼成して抑制層20及び第2触媒層50を形成した担体10を得る。そして、これを、貴金属、NOx吸蔵剤及び酸性質材料40を含むスラリー中に浸漬した後で乾燥・焼成し、これにより抑制層20、第2触媒層50及び第1触媒層30が形成された排ガス浄化用触媒を得る。
【0044】
この様にして得た排ガス浄化用触媒においても、第2実施形態の場合と同様、第1触媒層30側に吸蔵剤が集まるので、触媒層全体とくに第2触媒層50では貴金属の酸化作用が吸蔵剤により弱化されにくくなり、排ガス浄化用触媒の吸蔵・浄化能力が高レベルに維持される。そして、本実施形態においても、触媒のNOx吸蔵・浄化性能が、吸蔵剤と排ガス中の窒素成分や硫黄成分との化学反応による硝酸塩や硫酸塩の生成に起因して劣化した場合にはその回復を図るべく排ガス空燃比がリッチ化されるが、本実施形態の触媒では、吸蔵剤が第1触媒層30側すなわち触媒の外面側に集まって硝酸塩や硫酸塩の生成個所も触媒外面側に偏在して排ガスに接触し易くなるので、排ガスのリッチ化期間を短くしたりリッチ化度合を小さくした場合にも触媒の吸蔵・浄化能力を十分に回復させることができる。すなわち、排ガスのリッチ化に伴う燃費の悪化が抑制される。
【0045】
本実施形態の触媒についての熱耐久試験結果によれば、図4に左から4番目の矩形で示すように熱耐久試験後のカリウム含有量は多く、また、図5に逆三角形マークで示すように熱耐久試験後のNOx浄化率も高いレベルに維持されている。
以上で本発明の実施態様の説明を終えるが、本発明は上記第1ないし第3実施態様に限定されず、種々に変形可能である。
【0046】
例えば、第1ないし第3実施形態では、ハニカム型コージライト担体10を多孔質担体として用いたが、本発明は、コージライト以外の材料からなる担体を備えた排ガス浄化用触媒にも適用可能である。メタル担体を用いた場合には、担体へのNOx吸蔵剤の浸透は殆ど問題にはならないが、吸蔵剤の飛散を防止する効果が得られ、触媒の排ガス浄化性能の低下が防止される。また、ハニカム型コージライト担体を用いる場合、コージライト担体のセルは四角形状のものに限定されず、例えば三角形状や六角形状のものでも良い。そして、第2及び第3実施形態についても、第1実施形態の変形例(図6)場合と同様、第1触媒層30に塊状の酸性質材料40を混合するようにしても良い。
【0047】
【発明の効果】
本発明の請求項1の排ガス浄化用触媒によれば、触媒層中に吸蔵剤と親和性が高いゼオライトを混合させると共に、触媒層と担体との間にシリカからなり吸蔵剤の移動を抑制する抑制層を形成したため、ゼオライトのカチオン交換能と高い比表面積によって触媒層中の吸蔵剤を効果的に固定すると共に、酸性度が高いシリカにより触媒層から移動してくる吸蔵剤を反応固定させるため、吸蔵剤の消失による浄化性能の悪化、及び吸蔵剤の担体内への浸透による耐久性の低下を未然に防止することができる。
【0048】
また、請求項2の排ガス浄化用触媒によれば、吸蔵剤が添加された第2触媒層を触媒層(第1触媒層)の外面に形成したので、吸蔵剤による貴金属の酸化作用の弱化を抑制すると共に触媒からの吸蔵剤の飛散を防止して触媒の吸蔵・浄化能力を維持することができ、また、第1触媒層及び抑制層を第2触媒層により高温の排ガスから保護して触媒の耐久性を向上できる。
【0049】
請求項3の排ガス浄化用触媒によれば、吸蔵剤が添加された第2触媒を触媒層(第1触媒層)と抑制層との間に形成したので、吸蔵剤による貴金属の酸化作用の弱化の防止ひいては触媒の吸蔵・浄化性能の維持を図れ、また、触媒性能を回復するための排ガスのリッチ化を短時間かつ低いリッチ化度合で行うことができ、リッチ化に伴う燃費悪化を軽減可能である。
【0052】
また、請求項4の排ガス浄化用触媒によれば、吸蔵剤にカリウムを含み、担体を多孔質担体としたため、カリウムによる吸蔵能力の向上及び多孔質担体による排ガス浄化性能の向上を図りつつ、触媒層中のゼオライト及び抑制層により、多孔質担体を用いた場合に起こり易い吸蔵剤の移動を良好に抑制し、吸蔵剤の担体内への浸透による反応消費や蒸発・飛散を防止して、吸蔵剤の消失による浄化性能の悪化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の排ガス浄化用触媒に適用されたコージライト担体の一つのセルの四半部を示す部分拡大断面図である。
【図2】ゼオライトのカチオン交換能によるカリウム固定作用を示す模式図である。
【図3】酸性質材料とカリウムとの親和性を示す説明図である。
【図4】熱耐久試験後の触媒層内のカリウム含有量を示す説明図である。
【図5】熱耐久試験後のNOx触媒の浄化効率を示す説明図である。
【図6】本発明の第1実施形態の変形例に係る排ガス浄化用触媒の一つのシェルの四半部を示す部分拡大断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る排ガス浄化用触媒の一つのシェルの四半部を示す部分拡大断面図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係る排ガス浄化用触媒の一つのシェルの四半部を示す部分拡大断面図である。
【符号の説明】
10 コージライト担体
20 抑制層
30 触媒層(第1触媒層)
40 酸性質材料
50 第2触媒層
Claims (4)
- 担体と触媒層とを含み、該触媒層にアルカリ金属及びアルカリ土類金属からなる群から選択される少なくとも一つを吸蔵剤として添加してなる排ガス浄化用触媒において、
上記触媒層中に、ゼオライトを混合させると共に、該触媒層と上記担体との間に、シリカからなり上記吸蔵剤の担体側への移動を抑制する抑制層を形成したことを特徴とする排ガス浄化用触媒。 - アルカリ金属及びアルカリ土類金属からなる群から選択される少なくとも一つを吸蔵剤として添加してなる第2触媒層を上記触媒層の外面に形成したことを特徴とする請求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
- アルカリ金属及びアルカリ土類金属からなる群から選択される少なくとも一つを吸蔵剤として添加してなる第2触媒層を上記触媒層と上記抑制層との間に形成したことを特徴とする請求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
- 上記吸蔵剤はカリウムを含み、上記担体は多孔質担体からなることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の排ガス浄化用触媒。
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