JP2002075050A - プロトン伝導性膜とそれより得られるプロトン伝導性フィルム - Google Patents

プロトン伝導性膜とそれより得られるプロトン伝導性フィルム

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JP2002075050A JP2000264312A JP2000264312A JP2002075050A JP 2002075050 A JP2002075050 A JP 2002075050A JP 2000264312 A JP2000264312 A JP 2000264312A JP 2000264312 A JP2000264312 A JP 2000264312A JP 2002075050 A JP2002075050 A JP 2002075050A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】脂肪族炭化水素重合体からなり、高プロトン伝
導性を有する膜、それを熱処理して得られるプロトン伝
導性フィルム及びそれらの製造方法を提供する。 【解決手段】本発明によれば、脂肪族炭化水素重合体多
孔質膜と、この多孔質膜の空孔内に担持させたスルホン
酸基を有するポリマーとからなることを特徴とするプロ
トン伝導性膜が提供される。また、本発明によれば、こ
のプロトン伝導性膜を加熱し、溶融及び/又は収縮させ
て、その空孔を閉塞してなるプロトン伝導性フィルムが
提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プロトン伝導性膜とそ
れより得られるプロトン伝導性フィルムとそれらの製造
方法、更には、そのプロトン伝導性フィルムをプロトン
交換膜として用いてなる燃料電池に関する。本発明によ
るこのようなプロトン伝導性膜とプロトン伝導性フィル
ムはいずれも高いプロトン伝導性を有し、イオン交換膜
や燃料電池用固体高分子電解質等に好適に用いることが
できる。
【0002】
【従来の技術】従来、プロトン伝導性膜は、イオン交換
膜や湿度センサー等の用途に用いられているが、近年、
固体高分子型燃料電池における固体電解質膜としての用
途においても注目を集めている。例えば、デュポン社の
ナフィオン(登録商標)を代表とするスルホン酸基含有
フッ素樹脂膜は、電気自動車や分散型電源用燃料電池に
おける固体電解質としての利用が検討されているが、従
来より知られているこれらのフッ素樹脂系プロトン伝導
性膜は、価格が非常に高いという欠点がある。プロトン
伝導性膜を燃料電池等の新たな用途において実用化を図
るには、プロトン伝導性を高く、しかも、価格を低くす
ることが不可欠である。
【0003】そこで、従来、空孔を有する多孔質膜に電
解質ポリマーを担持させて、プロトン伝導性膜を得る方
法が種々提案されている。例えば、特開平9−1946
09号公報には、フッ素樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ
プロピレン樹脂等の疎水性樹脂からなる多孔質膜の空孔
内に同じく疎水性ポリマーの溶液を含浸させ、乾燥させ
て、上記ポリマーを多孔質膜に担持させた後、このポリ
マーにスルホン酸基、プロトン化アミノ基、カルボキシ
ル基等のイオン交換基を導入し、かくして、イオン交換
膜を製造する方法が提案されている。
【0004】一般に、多孔質膜にプロトン伝導性を付与
するためには、膜内にプロトン発生源又は輸送サイトを
有することが必要であり、スルホン酸基はその代表例で
ある。スルホン酸基は、プロトン酸として十分な強さを
有しており、解離度が高く、有効なプロトン発生源又は
輸送サイトとして作用する。
【0005】従って、多孔質膜をスルホン化処理すれ
ば、それだけでも、温度25℃、相対湿度50%の条件
下において、10-4S/cm程度のプロトン伝導性を有
せしめることができる。他方、スルホン酸基に代えて、
多孔質膜にカルボキシル基を導入しても、上記のように
高いプロトン伝導性を得ることはできない。即ち、多孔
質膜のスルホン化は、単に、多孔質膜を親水性として、
電解質溶液の含浸を容易とするのみならず、最終的な目
的である多孔質膜のプロトン伝導性自体をも改善するこ
とができ、かくして、その他の親水化処理とは異なる効
果を有するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、多孔質
膜のスルホン化のこのような特徴に着目して、ポリオレ
フィン樹脂のような脂肪族炭化水素重合体をスルホン化
した樹脂からなる多孔質膜を基材とし、これに更にスル
ホン酸基を有するポリマーを担持させることによって、
高いプロトン伝導性を有し、電解質膜として有用な脂肪
族炭化水素重合体膜を得ることができ、更に、このよう
なプロトン伝導性膜の有する空孔を閉塞することによっ
て、プロトン伝導性の有孔又は無孔フィルムを得ること
ができることを見出して、本発明に至ったものである。
【0007】従って、本発明は、脂肪族炭化水素重合体
からなり、高プロトン伝導性を有する膜、それを熱処理
して得られるプロトン伝導性フィルム、それらの製造方
法、更に、上記プロトン伝導性の無孔膜又は無孔フィル
ムをプロトン交換膜として用いてなる燃料電池を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、脂肪族
炭化水素重合体多孔質膜と、この多孔質膜の空孔内に担
持させたスルホン酸基を有するポリマーとからなること
を特徴とするプロトン伝導性膜が提供される。
【0009】また、本発明によれば、このプロトン伝導
性膜を加熱し、溶融させ、その空孔を閉塞してなるプロ
トン伝導性フィルムが提供される。
【0010】更に、本発明によれば、脂肪族炭化水素重
合体多孔質膜の空孔内に、スルホン酸基を有するポリマ
ーを担持させることを特徴とするプロトン伝導性多孔質
膜の製造方法が提供される。
【0011】また、本発明によれば、このプロトン伝導
性多孔質膜を加熱し、溶融させ、上記空孔を閉塞するこ
とを特徴とするプロトン伝導性フィルムの製造方法が提
供される。
【0012】以上のほか、本発明によれば、前記プロト
ン伝導性フィルムをプロトン交換膜として用いてなるこ
とを特徴とする燃料電池が提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明において、プロトン伝導性
膜は、多孔質膜(有孔膜)と無孔膜を含み、このような
プロトン伝導性膜を加熱し、溶融及び/又は収縮させ
て、その空孔の少なくとも一部を閉塞したものをプロト
ン伝導性フィルムといい、プロトン伝導性フィルムもま
た、有孔フィルムと無孔フィルムを含むものとする。
【0014】本発明において、スルホン酸基を有する脂
肪族炭化水素重合体多孔質膜は、脂肪族不飽和炭化水
素、例えば、α−オレフィンや共役ジエンの単独重合体
又は共重合体からなり、分子中にスルホン酸基を有する
ものであり、上記単独重合体又は共重合体は、その水添
物も含むものとする。
【0015】このようなスルホン酸基を有する脂肪族炭
化水素重合体多孔質膜は、(1)スルホン酸基を有する
脂肪族炭化水素重合体やそのブレンドから製膜すること
によって得ることができ、また、(2)脂肪族炭化水素
重合体やそのブレンドを多孔質膜に製膜した後に、適宜
の手段によってこの多孔質膜をスルホン化することによ
っても得ることができる。しかし、スルホン酸基を有す
る脂肪族炭化水素重合体を得ることが困難な場合もある
ことや、多孔質膜に製膜した後にスルホン化する方法に
よれば、スルホン酸基が膜内の空孔の界面に生成して、
プロトン伝導性に有効に貢献する等の利点を考慮すれ
ば、後者の方法によるのが好ましい。
【0016】上記脂肪族炭化水素重合体の具体例とし
て、例えば、エチレン、プロピレン等のα−オレフィ
ン、ノルボルネン等の脂環式不飽和炭化水素、ブタジエ
ン、イソプレン等の共役ジエン等の(共)重合体、即
ち、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂や、また、
エチレン−プロピレンゴム、ブタジエンゴム、イソプレ
ンゴム、ブチルゴム、ノルボルネンゴム等のエラストマ
ーやこれらの水添物を挙げることができる。これらの重
合体は、単独で用いてもよく、また、2種以上を併用し
てもよい。本発明によれば、これらのなかでも、ポリオ
レフィン樹脂が好ましく、特に、高強度多孔質膜を得る
ことができ、また、スルホン化による強度低下を引き起
こし難い点から、重量平均分子量50万以上、好ましく
は、100万以上の超高分子量ポリエチレン樹脂が好ま
しく用いられる。
【0017】脂肪族炭化水素重合体やそのブレンドを多
孔質膜に製膜した後にスルホン化して、スルホン酸基を
有する脂肪族炭化水素重合体多孔質膜を得るには、脂肪
族炭化水素重合体やそのブレンドを乾式製膜法、湿式製
膜法等、従来より知られている方法にて多孔質膜に製膜
し、これをスルホン化することによって得ることができ
る。また、多孔質膜の製造の途中で、必要に応じて、延
伸等の処理を行なってもよい。
【0018】多孔質膜をスルホン化する手段としては、
例えば、三酸化硫黄錯体やクロルスルホン酸等のスルホ
ン化剤を用いたり、また、多孔質膜に液相にてスルホン
酸モノマーをグラフト重合してもよいが、本発明によれ
ば、多孔質膜を気相にて三酸化硫黄ガスでスルホン化す
るのが特に好ましい。このような多孔質膜の気相スルホ
ン化は、多孔質膜を形成する脂肪族炭化水素重合体中の
C−H結合へのSO3挿入反応であり、これによってス
ルホン酸基(−SO3 H)を多孔質膜に導入する。
【0019】このような多孔質膜の気相スルホン化を行
なうには、例えば、ロール状シートの繰り出し機構、引
き取り機構、シート導入窓、導出窓と、三酸化硫黄の貯
蔵槽からの三酸化硫黄ガスと乾燥空気とを混合して導入
するための導入口とを備えた密閉式ステンレス製反応容
器を用いるのが好ましい。更に、この反応容器には、三
酸化硫黄ガスを反応容器から回収するための装置を有せ
しめると共に、ブロワーにて三酸化硫黄ガスを上記反応
容器と配管との間を循環させることができるものである
ことが好ましい。
【0020】このような装置を用いて、多孔質膜を気相
スルホン化するには、上記三酸化硫黄の貯蔵槽を適宜温
度(例えば、40℃)に加熱し、γ型三酸化硫黄ガスを
発生させ、これと乾燥空気とを混合して、適宜の三酸化
硫黄ガス濃度を有する混合気体を得、これをブロワーに
て上記反応容器に送入し、他方、上記繰り出し機構にて
多孔質膜の連続シートを所定の速度で反応容器内を通過
させて、所定の時間、所定の温度で多孔質膜を三酸化硫
黄ガスに接触させればよい。ここに、上記多孔質膜のシ
ートの送り速度、三酸化硫黄ガスの濃度、反応容器内の
温度等を制御することによって、多孔質膜のスルホン化
の程度を調整することができる。
【0021】多孔質膜のシートの送り速度は、通常、0.
1〜10m/分の範囲から選ばれ、三酸化硫黄ガス濃度
は、通常、10〜60体積%の範囲から選ばれ、反応容
器内の温度は、通常、室温から90℃の範囲で選ばれ
る。多孔質膜のシートの送り速度が遅いほど、三酸化硫
黄ガス濃度が高いほど、また、反応容器内の温度が高い
ほど、多孔質膜はより高度にスルホン化される。多孔質
膜のスルホン化の程度と生産性を考慮して、最適の条件
が選ばれる。
【0022】多孔質膜の内部まで均一に気相スルホン化
を行なうには、多孔質膜は、通常、20〜80%の範囲
の空孔率を有することが好ましく、特に、30〜75%
の範囲の空孔率を有することが好ましい。多孔質膜の空
孔率が20%よりも小さいときは、膜内部のスルホン化
が十分でなく、他方、多孔質膜の空孔率が80%よりも
大きいときは、多孔質膜の強度が不十分であって、取り
扱いに不便であり、また、スルホン化して得られる多孔
質膜も、実用的な強度が十分でない。
【0023】このようにして、多孔質膜を気相スルホン
化した後、得られたスルホン化多孔質膜を水、アルコー
ル、エーテル等で洗浄して、上記スルホン化処理工程に
て付着した硫酸を除去した後、フラスコ燃焼法及びイオ
ンクロマトグラフィーにて硫黄含有量を測定すれば、こ
れに基づいて、多孔質膜の有するスルホン酸基含有量を
求めることができる。
【0024】本発明において、スルホン酸基を有する脂
肪族炭化水素重合体多孔質膜の空孔率は、通常、20〜
80%の範囲であり、好ましくは、30〜75%の範囲
である。空孔率が20%よりも小さいときは、このよう
な多孔質膜にスルホン酸基を有するポリマー溶液を含浸
させても、高いプロトン伝導性膜を得ることができず、
他方、空孔率が80%よりも大きいときは、得られるプ
ロトン伝導性膜が強度において不十分であるので、取扱
いに困難が伴う。また、スルホン酸基を有する多孔質膜
の空孔の平均孔径は、これに担持させるスルホン酸基を
有するポリマー溶液が多孔質膜中に保持されれば、特
に、限定されるものではないが、通常、0.001〜10
0μmの範囲であり、好ましくは、0.005〜10μm
の範囲である。更に、多孔質膜の厚みも、特に、限定さ
れるものではないが、通常、1mm以下であり、好まし
くは、5〜500μmの範囲である。
【0025】本発明によれば、スルホン酸基を有する脂
肪族炭化水素重合体多孔質膜のスルホン酸基含有量は、
0.01〜5.0ミリ当量/gの範囲にあることが好まし
く、特に、0.05〜4.0ミリ当量/gの範囲にあること
が好ましい。多孔質膜のスルホン酸基含有量が0.01ミ
リ当量/gよりも小さいときは、そのスルホン酸基を有
する多孔質膜の親水性が尚、十分ではないので、多孔質
膜にスルホン酸基を有するポリマー溶液を含浸させ難
い。しかし、多孔質膜のスルホン酸基含有量が5.0ミリ
当量/gよりも大きいときは、得られるスルホン化多孔
質膜が脆くなる等、機械的性質が損なわれる。
【0026】本発明によるプロトン伝導性膜は、このよ
うなスルホン酸基を有する脂肪族炭化水素重合体多孔質
膜と、この多孔質膜の有する空孔内に担持させたスルホ
ン酸基を有するポリマーとからなるものであり、上記ス
ルホン酸基を有する脂肪族炭化水素重合体多孔質膜の空
孔内に、上記スルホン酸基を有するポリマーを溶媒に溶
解させた溶液を含浸させた後、上記多孔質膜から上記溶
媒を除去することによって得ることができる。
【0027】また、このようなプロトン伝導性膜を加熱
し、溶融させ、多孔質膜の有する空孔の一部又は全部を
閉塞することによって、プロトン伝導性フィルム、好ま
しくは、プロトン伝導性無孔フィルムを得ることができ
る。
【0028】本発明によれば、このようなプロトン伝導
性膜又はプロトン伝導性無孔フィルムにおいて、上記ス
ルホン酸基を有する脂肪族炭化水素重合体多孔質膜は、
その表面の一部又は全部が上記スルホン酸基を有するポ
リマーで被覆されていてもよい。
【0029】上記スルホン酸基を有するポリマーとして
は、例えば、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、
2−アクリルアミドプロパンスルホン酸等のスルホン酸
基を有するビニルモノマーの(共)重合体のほか、フェ
ノールスルホン酸、ナフトールスルホン酸等のフェノー
ルスルホン酸類やトルエンスルホン酸、ナフタレンスル
ホン酸等のアリールスルホン酸類とホルムアルデヒドと
の縮合樹脂を挙げることができる。特に、上記フェノー
ルスルホン酸類とホルムアルデヒドとの縮合によって得
られるフェノールスルホン酸ノボラック樹脂を好ましい
一例として挙げることができる。
【0030】また、上記スルホン酸基を有するポリマー
の具体例として、エラストマーのようなポリマーをスル
ホン化して、そのポリマー中にスルホン酸基を有せしめ
たスルホン化エラストマーを挙げることができる。上記
エラストマーとして、例えば、ブタジエンゴム、イソプ
レンゴム、シンジオタクチックポリブタジエンゴム、ノ
ルボルネンゴム等やこれらの(部分)水添物を挙げるこ
とができ、従って、上記スルホン化エラストマーの具体
例として、例えば、スルホン化ポリイソプレン、スルホ
ン化ポリブタジエン、スルホン化シンジオタクチックポ
リブタジエン、スルホン化ノルボルネン等やこれらの
(部分)水添物を挙げることができる。
【0031】これらのスルホン酸基を有するポリマー
は、単独で用いてもよく、また、2種以上を併用しても
よい。
【0032】本発明によれば、上述したようなスルホン
酸基を有するポリマーを適宜の溶媒に溶解させて溶液と
し、この溶液を前述したようなスルホン酸基を有する多
孔質膜に含浸させることによって、スルホン酸基を有す
るポリマー溶液を効率よく、均一に多孔質膜の空孔内に
充填して、担持させることができ、この後、上記溶媒を
多孔質膜から除去することによって、本発明によるプロ
トン伝導性膜を得ることができる。ここに、プロトン伝
導性膜は通気性を有する多孔質であってもよく、また、
通気性のない無孔膜であってもよい。
【0033】上記スルホン酸基を有するポリマーを溶解
させるための溶媒としては、このスルホン酸基を有する
ポリマーを溶解させると共に、上記スルホン酸基を有す
る多孔質膜との親和性が高いものであればよい。
【0034】このように、スルホン酸基を有するポリマ
ー溶液をスルホン酸基を有する多孔質膜に含浸させるに
際して、この多孔質膜の空孔内に上記ポリマーを効率よ
く充填し、担持させるためには、上記スルホン酸基を有
するポリマー溶液の濃度は1重量%以上であることが好
ましく、特に、3重量%以上であることが好ましい。
【0035】上記溶媒の具体例としては、例えば、メタ
ノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール
類、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒド
ロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトニトリル
等のニトリル類、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、デカ
リン等の脂環族炭化水素類、トルエン等の芳香族炭化水
素等を挙げることができる。また、場合によっては、水
や、水と水溶性有機溶剤(例えば、上記アルコール類)
との混合溶媒も用いることができる。
【0036】本発明においては、上記スルホン酸基を有
する多孔質膜に上記スルホン酸基を有するポリマー溶液
を含浸させた後、多孔質膜から上記溶媒を除去するため
に、用いる溶媒は低沸点であることが好ましい。しか
し、スルホン酸基を有するポリマーとの親和性が高い非
プロトン性極性有機溶媒は、通常、沸点はそれほど低く
はないが、本発明において、上記スルホン酸基を有する
ポリマーのための溶媒として好ましく用いることができ
る。このような非プロトン性極性有機溶媒として、例え
ば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等の
アミド系溶媒を挙げることができる。
【0037】本発明において、これらの溶媒は、単独で
用いてもよく、また、2種以上を併用してもよい。
【0038】本発明によれば、スルホン酸基を有する多
孔質膜の空孔内にスルホン酸基を有するポリマーを担持
させるに際して、スルホン酸基を有する多孔質膜の空孔
をスルホン酸基を有するポリマーが充填する比率(充填
率)が低いときは、スルホン酸基を有する多孔質膜は、
通気性を有する多孔質膜のままであり、プロトン伝導性
の多孔質膜を得ることができる。他方、上記充填率が高
いときは、スルホン酸基を有する多孔質膜は、その空孔
が実質的に閉塞されて、通気性のないプロトン伝導性無
孔膜を得ることができる。一応の目安として、スルホン
酸基を有するポリマーによる多孔質膜の空孔の充填率が
80%以上であれば、多孔質膜の空孔が実質的に閉塞さ
れてなる通気性のないプロトン伝導性無孔膜を得ること
ができる。
【0039】更に、本発明によれば、このようにして得
られたプロトン伝導性膜を加熱、収縮させ、又は加熱、
溶融させる等の適宜の手段によって、プロトン伝導性膜
に残存する空孔の少なくとも一部を閉塞して、プロトン
伝導性有孔フィルムとすることができ、特に、好ましく
は、プロトン伝導性膜に残存する空孔の全部を閉塞し
て、通気性のないプロトン伝導性無孔フィルムを得るこ
とができる。
【0040】このように、スルホン酸基を有する脂肪族
炭化水素重合体多孔質膜の空孔に、スルホン酸基を有す
るポリマーを含有させてなるプロトン伝導性多孔質膜や
プロトン伝導性フィルムは、高いプロトン伝導性を有
し、特に、スルホン酸基を有するポリマーを高充填率で
多孔質膜に含有させてなる膜は、一層、高いプロトン伝
導性を有する。
【0041】本発明によるこのようなプロトン伝導性膜
又はフィルムが多孔性を保持しており、通気性が残って
いる場合には、このようなプロトン伝導性膜又はフィル
ムを燃料電池用セパレーターとして用いれば、ガスのク
ロスリークが起こりやすい等の問題がある。従って、こ
のような用途には、得られたプロトン伝導性膜を上述し
たように加熱、溶融させる等の適宜の手段によって、プ
ロトン伝導性膜に残存する空孔を閉塞することによっ
て、プロトン伝導性無孔フィルムとすることが好まし
い。
【0042】更に、本発明によれば、このようなプロト
ン伝導性フィルムにおいて、スルホン酸基を有するポリ
マーに架橋構造を有せしめることによって、プロトン伝
導性フィルムに耐水性を付与することができる。
【0043】本発明に従って、スルホン酸基を有する架
橋ポリマーを担持させたプロトン伝導性フィルムを得る
には、前述したように、例えば、スチレンスルホン酸、
ビニルスルホン酸、2−アクリルアミドプロパンスルホ
ン酸等のスルホン酸基を有するビニルモノマーの(共)
重合体によって、スルホン酸基を有するポリマーを得る
際に、共モノマー成分として、例えば、加熱によって反
応する官能基を有する加熱反応性ビニルモノマー、例え
ば、N−メチロールアクリルアミド、N−ブトキシメチ
ルアクリルアミド、グリシジルメタクリレート等のビニ
ルモノマーと、必要に応じて、その他のビニルモノマー
を用いて、上記スルホン酸基を有するビニルモノマーと
加熱反応性ビニルモノマーとその他のビニルモノマーの
共重合体を得、これを上述したようにして、多孔質膜に
担持させて、プロトン伝導性膜を得た後、このプロトン
伝導性膜を加熱して、上記加熱反応性ビニルモノマー成
分(と上記その他のビニルモノマー成分との反応)によ
って上記共重合体の間に架橋構造を形成させればよい。
【0044】例えば、加熱反応性ビニルモノマーとし
て、N−メチロールアクリルアミドを用いるときは、得
られる共重合体を加熱することによって、この共重合体
は、上記N−メチロールアクリルアミド成分の有する水
酸基の間で脱水縮合して架橋を形成する。
【0045】また、例えば、加熱反応性ビニルモノマー
として、N−ブトキシメチルアクリルアミドを用いる場
合には、このN−ブトキシメチルアクリルアミド成分を
含むスルホン酸基を有するポリマーとメラミンを適宜の
溶媒に溶解させて溶液とし、これを多孔質膜の空孔内に
担持させた後、乾燥させて、上記ポリマーとメラミンを
担持させたプロトン伝導性多孔質膜を得た後、これを加
熱して、2分子以上のポリマー鎖の有するN−ブトキシ
メチルアクリルアミド成分とメラミンのアミノ基との間
で脱ブタノールさせて、架橋構造を形成することができ
る。
【0046】別の方法として、N−ブトキシメチルアク
リルアミド成分を含むスルホン酸基を有するポリマー
は、これを加熱することによって、例えば、一方のポリ
マー鎖のN−ブトキシメチルアクリルアミド成分のブト
キシ基と他方のポリマー鎖のアミド基窒素との間で脱ブ
タノール反応させることによっても、スルホン酸基を有
するポリマーに架橋を形成することができる。
【0047】更に、別の方法として、スルホン酸基を有
するポリマーを得る際に、共モノマー成分として、N−
ブトキシメチルアクリルアミドと共に、カルボキシル基
を有するビニルモノマー、例えば、アクリル酸やメタク
リル酸を用いて、共重合体を得、これを多孔質膜に担持
させて、プロトン伝導性膜を得た後、これを加熱すれ
ば、同様に、一方のポリマー鎖のN−ブトキシメチルア
クリルアミド成分のブトキシ基と他方のポリマー鎖のカ
ルボキシル基との間で脱ブタノール反応して、スルホン
酸基を有するポリマーに架橋を形成することができる。
【0048】また、グリシジルメタクリレートを加熱反
応性ビニルモノマーとして用いるときは、併せて、カル
ボキシル基を有するビニルモノマー、例えば、アクリル
酸やメタクリル酸を共モノマーとして用いて、得られる
共重合体中にグリシジルメタクリレート成分と共に(メ
タ)アクリル酸成分を有せしめ、そこで、得られる共重
合体を加熱して、共重合体中のグリシジル基と他の共重
合体中のカルボキシル基とを反応させれば、架橋を形成
させることができる。
【0049】また、グリシジルメタクリレートを加熱反
応性ビニルモノマーとして用いるときは、得られた共重
合体と多価カルボン酸、例えば、アジピン酸やテレフタ
ル酸の存在下に加熱することによって、上記共重合体に
そのグリシジル基によって多価カルボン酸と反応させ、
かくして、架橋構造を形成させることができる。
【0050】また、別の方法として、スルホン酸基を有
する多孔質膜にスルホン酸基を有するポリマーを担持さ
せてなるプロトン伝導性膜を上述したようにして得た
後、過酸化物等のラジカル発生剤、紫外線や電子線の照
射、架橋剤、オゾン等を利用して、スルホン酸基を有す
るポリマーを架橋させてもよい。
【0051】最も簡単な場合には、スルホン酸基を有す
る多孔質膜にスルホン酸基を有するポリマーを担持させ
てなるプロトン伝導性膜を上述したようにして得た後、
このプロトン伝導性膜を単に加熱することによっても、
スルホン酸基を有するポリマーを架橋させることができ
る。例えば、多孔質膜に前述したスルホン化ポリイソプ
レンやスルホン化ポリブタジエンのようなスルホン化エ
ラストマーを担持させたプロトン伝導性膜は、これを単
に加熱することによって、スルホン化エラストマー中の
二重結合に対する空気中の酸素による自動酸化(ラジカ
ル反応)によって、分子間が架橋されて、スルホン化架
橋エラストマーを形成する。
【0052】このように、スルホン化エラストマーが容
易にラジカル反応によって架橋する性質を利用すれば、
スルホン酸基を有する多孔質膜にも、同様に、単に、加
熱することによって、架橋構造を導入することができ
る。例えば、スルホン酸基を有する脂肪族炭化水素重合
体に上記スルホン化エラストマーをブレンドして用いれ
ばよい。また、脂肪族炭化水素重合体の製造の際に、例
えば、前記N−メチロールアクリルアミドのような加熱
反応性ビニルモノマーを共モノマーとして用いて得られ
る重合体は、これを加熱すれば、前述したようにして、
メチロール基間の脱水縮合によって、重合体間で架橋構
造が形成される。
【0053】他方、本発明によれば、スルホン酸基を有
する多孔質膜にスルホン酸基を有するポリマーを低充填
率にて含有させて、通気性を有するプロトン伝導性多孔
質膜を得、上記スルホン酸基を有するポリマーを架橋さ
せることによって、耐水性と通気性を有するプロトン伝
導性多孔質膜を得ることができる。
【0054】以上のようにして得られる本発明によるプ
ロトン伝導性膜(多孔質膜又は無孔膜)やプロトン伝導
性フィルム(有孔フィルム又は無孔フィルム)は、高い
プロトン伝導性を有すると共に、ハンドリング性にもす
ぐれており、特に、プロトン伝導性無孔フィルムは、燃
料電池用固体電解質膜として好適に用いることができ
る。
【0055】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。多孔質膜の気相スルホン化は、前述したようにして
行ない、反応容器内の多孔質膜のシートの送り速度、三
酸化硫黄ガスの濃度、反応容器内の温度等を制御して、
多孔質膜のスルホン化の程度を調整した。また、以下に
おいて、用いた多孔質膜の特性や、得られたスルホン化
多孔質膜の特性は、次のようにして評価した。特性の評
価に用いたスルホン化多孔質膜は、スルホン化処理時に
付着した硫酸を除去するため、水洗した後、エチルエー
テルにて3回以上洗浄し、その際、エーテル洗浄液がp
H試験紙を変色させなくなるまで洗浄した。
【0056】(多孔質膜又はフィルムの厚み)1/10
000シックネスゲージで測定した。 (多孔質膜の空孔率)多孔質膜の単位面積S(cm2
当たりの重量W(g)、平均厚みt(μm)及び密度d
(g/cm3 )から下式にて算出した。
【0057】 空孔率(%)=(1−(104 W/Std))×100 (スルホン化多孔質膜のスルホン酸基含有量) フラスコ燃焼法にてスルホン化多孔質膜を酸素ガス存在
下に燃焼させ、吸収液に吸収させ、硫黄をすべて硫酸に
変えた後、イオンクロマトグラフィーにより硫酸量を定
量し、これより硫黄含有量(S重量%)を測定した。こ
の硫黄含有量から次式に従ってスルホン酸基含有量を求
めた。
【0058】スルホン酸基含有量(ミリ当量/g)=1
0S(重量%)/32 測定された硫黄が、硫酸によるものでなく、スルホン酸
基に由来するものであることは、多孔質膜の赤外線吸収
スペクトル分析によって、1174cm-1付近と103
7cm-1付近に2つのピークがあり、887cm-1付近
にはピークがないことから確認することができる。 (赤外線吸収スペクトル)フーリエ変換IRスペクトロ
メーターFTS−40(Bio−Rad)を用い、多孔
質膜をそのまま試料として、ATR法によって表面の赤
外線吸収スペクトルの測定を行ない、また、顕微赤外法
によって断面の赤外線吸収スペクトルの測定を行なっ
た。
【0059】(プロトン伝導度)ヒューレットパッカー
ド社LCRメーターHP4284Aを用いて、白金電極
間に所定厚みの1cm角の試料を挟み、温度25℃、相
対湿度50%の条件下で、複素インピーダンス法にて測
定し、虚数部の抵抗値ゼロに外挿したときの実数部の抵
抗値を用いて、プロトン伝導度を求めた。 (充填率)多孔質膜の体積V(cm3 )、空孔率Φ
(%)、スルホン酸基を有するポリマーの重量M(g)
及びそのポリマーの密度d(g/cm3 )から下式にて
算出した。
【0060】充填率(%)=104 M/VΦd (プロトン伝導性無孔フィルムの燃料電池用固体電解質
膜としての性能評価)表面に白金触媒を担持させたカー
ボンペーパーからなる多孔質電極の間にプロトン伝導性
無孔フィルムを挟み、ホットプレスにて接合、一体化し
て膜電極接合体とし、これを(株)東陽テクニカ製燃料
電池評価装置の付属燃料電池セルにおける膜電極接合体
として用いて、燃料電池を作動させ、電流−電圧特性を
測定することによって評価した。
【0061】実施例1 (超高分子量ポリエチレン樹脂多孔質膜の調製)重量平
均分子量200万の超高分子量ポリエチレン樹脂(融点
136℃)15重量部と流動パラフィン(凝固点−15
℃、40℃における動粘度59cst)85重量部とを
スラリー状に均一に混合し、これを二軸混練機にて16
0℃で約5分間、溶解混錬して、超高分子量ポリエチレ
ン樹脂と溶媒(流動パラフィン)との混錬物を得た。こ
の混錬物を急冷しながら、厚さ5mmのゲル状シートに
成形した。
【0062】次いで、このシートを約120℃の温度で
厚みが1mmになるまで熱プレスで圧延した後、n−ヘ
プタンに浸漬し、脱溶媒した。次いで、このように脱溶
媒したシートを約125℃の温度で縦横3×3倍に同時
二軸延伸して、膜厚110μm、空孔率73%、平均孔
径0.14μmの多孔質膜Nを得た。
【0063】(多孔質膜の気相スルホン化)次いで、こ
の多孔質膜Nをステンレス製密閉反応容器内に導き、三
酸化硫黄ガス濃度20体積%の条件下、60℃で10分
間、気相スルホン化処理を行なって、スルホン酸基含有
量1.5ミリ当量/g、膜厚104μm、空孔率68%、
平均孔径0.15μmのスルホン化多孔質膜Sを得た。
【0064】(ポリスチレンスルホン酸溶液の調製)市
販のポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩(東ソー
(株)製ポリナスPS−50、スルホン酸基含有量5.4
ミリ当量/g、分子量約500000)の水溶液を強酸
性型イオン交換樹脂(ダウケミカル製ダウエックス50
WX12)を用いてイオン交換して、酸型ポリスチレン
スルホン酸とした。次に、ロータリーエバポレータを用
い、減圧下にこのポリスチレンスルホン酸水溶液を濃縮
し、回収した後、改めてメタノールに溶解させて、10
重量%濃度のポリスチレンスルホン酸溶液Aを得た。こ
の溶液Aを更にメタノールで希釈して、5重量%濃度の
ポリスチレンスルホン酸溶液Bを得た。
【0065】(スルホン化多孔質膜へのポリスチレンス
ルホン酸溶液の含浸)上記スルホン化多孔質膜Sを上記
5重量%濃度のポリスチレンスルホン酸溶液Bに1分間
浸漬して、この溶液を上記多孔質膜に含浸させた後、5
分間風乾し、更に、5分間冷風で乾燥して、充填率20
%でポリスチレンスルホン酸を含有する膜厚95μmの
プロトン伝導性多孔質膜2を得た。
【0066】別に、上記スルホン化多孔質膜Sを上記1
0重量%濃度のポリスチレンスルホン酸溶液Aに2分間
浸漬して、この溶液を上記多孔質膜に含浸させた後、5
分間風乾し、更に、5分間冷風で乾燥した。この後、こ
のように処理した多孔質膜を再度、上記10重量%濃度
のポリスチレンスルホン酸溶液Aに30秒間浸漬した
後、5分間風乾し、更に、5分間冷風で乾燥して、充填
率85%でポリスチレンスルホン酸を含有する膜厚90
μmの通気性のないプロトン伝導性無孔膜1を得た。
【0067】(プロトン伝導度の測定)このようにして
得られたプロトン伝導性多孔質膜2とプロトン伝導性無
孔膜1をそれぞれ温度25℃、相対湿度50%の環境に
24時間放置した後、プロトン伝導度を測定した。その
結果、プロトン伝導性多孔質膜2の伝導度は1×10-3
S/cmであり、プロトン伝導性無孔膜1の伝導度は7
×10-3S/cmであった。
【0068】実施例2 厚み80μmのスペーサを用いて、実施例1で得たプロ
トン伝導性多孔質膜2を150℃で3分間、熱プレス
し、多孔質膜を溶融、収縮させて、多孔質膜の空孔を閉
塞して、膜厚83μmの通気性のないプロトン伝導性無
孔フィルム3を得た。このプロトン伝導性無孔フィルム
3を温度25℃、相対湿度50%の環境に24時間放置
した後、プロトン伝導度を測定した結果、伝導度は2×
10-3S/cmであった。
【0069】実施例3 (フェノールスルホン酸ノボラック樹脂溶液の調製)市
販のフェノールスルホン酸ノボラック樹脂水溶液(小西
化学工業(株)製EX0220−1、スルホン酸基含有
量5.4ミリ当量/g、分子量約16000)をロータリ
ーエバポレータを用いて減圧下に濃縮して、フェノール
スルホン酸ノボラック樹脂を回収した後、これをメタノ
ールに溶解させて、40重量%濃度の溶液Cを得た。
【0070】(スルホン化多孔質膜へのフェノールスル
ホン酸ノボラック樹脂溶液の含浸)実施例1で得たスル
ホン化多孔質膜Sを上記40重量%濃度のフェノールス
ルホン酸ノボラック樹脂溶液Cに1分間浸漬して、この
溶液を上記多孔質膜に含浸させた後、5分間風乾し、更
に、5分間冷風で乾燥して、充填率80%でフェノール
スルホン酸ノボラック樹脂を含有する膜厚95μmのプ
ロトン伝導性多孔質膜4を得た。
【0071】(プロトン伝導度の測定)このようにして
得プロトン伝導性多孔質膜4を温度25℃、相対湿度5
0%の環境に24時間放置した後、プロトン伝導度を測
定した。その結果、伝導度は4×10-2S/cmであっ
た。
【0072】実施例4 (スルホン化ポリイソプレンゴムの調製)市販のスルホ
ン化ポリイソプレンゴムのナトリウム塩(日本合成ゴム
(株)製ダイナフローK106、スルホン酸基含有量6.
0ミリ当量/g、分子量約50000)の水溶液を強酸
性型イオン交換樹脂(ダウケミカル製ダウエックス50
WX12)を用いてイオン交換して、酸型スルホン化ポ
リイソプレンとした。次に、ロータリーエバポレータを
用い、減圧下にこのスルホン化ポリイソプレン水溶液を
濃縮して、スルホン化ポリイソプレンを回収した後、メ
タノールに溶解させて、20重量%濃度のスルホン化ポ
リイソプレンのメタノール溶液Dを得た。
【0073】(スルホン化多孔質膜へのスルホン化ポリ
イソプレン溶液の含浸)上記スルホン化多孔質膜Sを上
記20重量%濃度のスルホン化ポリイソプレン溶液Dに
2分間浸漬して、この溶液を上記多孔質膜に含浸させた
後、5分間風乾し、更に、5分間冷風で乾燥した。この
後、このように処理した多孔質膜を再度、前記20重量
%濃度のスルホン化ポリイソプレン溶液Dに30秒間浸
漬した後、5分間風乾し、更に、5分間冷風で乾燥し
て、表面がスルホン化ポリイソプレンの層で被覆され、
充填率90%でスルホン化ポリイソプレンを含有する膜
厚90μmの通気性のないプロトン伝導性無孔膜5を得
た。
【0074】(スルホン化ポリイソプレンの架橋処理)
このようにして得たプロトン伝導性無孔膜5を枠に固定
し、空気中、120℃で60分間加熱して、スルホン化
ポリイソプレンの架橋処理を行なって、架橋スルホン化
ポリイソプレンを含有する膜厚85μmのプロトン伝導
性無孔膜6を得た。この無孔膜6は、常温で24時間、
水に浸漬しても、膜からの溶出物は実質的にみられなか
った。
【0075】(プロトン伝導度の測定)このようにして
得たプロトン伝導性無孔膜6を温度25℃、相対湿度5
0%の環境に24時間放置した後、プロトン伝導度を測
定した。その結果、伝導度は9×10-3S/cmであっ
た。
【0076】他方、上記プロトン伝導性無孔膜5を常温
で24時間、水に浸漬した後、5分間風乾し、更に、5
分間冷風で乾燥し、これを温度25℃、相対湿度50%
の環境に24時間放置した後、プロトン伝導度を測定し
た。その結果、伝導度は1×10-1S/cmであった。
【0077】比較例1 (ポリスチレン溶液の調製)ポリスチレン(分子量約5
00000)をトルエンに溶解させて、5重量%濃度の
ポリスチレンのトルエン溶液Eを得た。
【0078】(スルホン化多孔質膜へのポリスチレンン
溶液の含浸)実施例1において得た多孔質膜Nを上記ポ
リスチレンン溶液Eに2分間浸漬して、溶液Eを多孔質
膜に含浸させた後、5分間風乾し、更に、5分間冷風で
乾燥した。この後、このように処理した多孔質膜を再
度、上記ポリスチレンン溶液Eに30秒間浸漬した後、
5分間風乾し、更に、5分間冷風で乾燥した。このよう
な浸漬、乾燥を更に2回繰り返して、充填率92%でポ
リスチレンを含有する膜厚90μmの通気性のない無孔
膜を得た。
【0079】(フィルムの気相スルホン化)上記無孔膜
をステンレス製密閉反応容器内に導き、三酸化硫黄ガス
濃度20体積%の条件下、60℃で30分間、気相スル
ホン化処理を行なった。しかし、得られたスルホン化膜
の断面の蛍光X線分析を行なったところ、表面から10
μm以上深い内部は殆どスルホン化されていないことが
確認された。
【0080】(プロトン伝導度の測定)このようにして
得たスルホン化膜を温度25℃、相対湿度50%の環境
に24時間放置した後、プロトン伝導度を測定した。そ
の結果、伝導度は10-6S/cm以下であって、プロト
ン伝導性は実質的にもたなかった。
【0081】比較例2 (スルホン化多孔質膜へのポリスチレン溶液の含浸)実
施例1において得た多孔質膜Nに、処理時間を90分と
した以外は実施例1と同様の気相スルホン化を行なっ
て、スルホン酸基含有量5.7ミリ当量/g、膜厚92μ
m、空孔率57%、平均孔径0.1μmの多孔質膜を得
た。しかし、このスルホン化多孔質膜は、強度が極めて
小さく、手で引っ張るだけで破断した。従って、このス
ルホン化多孔質膜に前記ポリスチレンスルホン酸溶液A
を含浸させても、強度の低さを補うことができず、実用
的な強度を有するフィルムを得ることができなかった。
【0082】比較例3 実施例1において得た多孔質膜Nに前記ポリスチレンス
ルホン酸溶液Bを2分間含浸し、この溶液を多孔質膜に
含浸させた後、5分間風乾したが、多孔質膜に均一に含
浸することができなかった。
【0083】実施例5 (2−アクリルアミドプロパンスルホン酸/4−ヒドロ
キシブチルビニルエーテル/N−メチロールアクリルア
ミド三元共重合体の調製)300mL容量のセパラブル
フラスコにイソプロピルアルコール164gとイオン交
換水16gを仕込み、これに2−アクリルアミドプロパ
ンスルホン酸27.9g、4−ヒドロキシブチルビニルエ
ーテル9.4g及びN−メチロールアクリルアミド5.45
gを加え、攪拌下に溶解させた。次に、得られた溶液中
に窒素ガスを10分間吹き込み、溶存酸素を除去した
後、窒素気流下、60℃の湯浴上で攪拌しながら加熱
し、これに2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニト
リル)0.335gのイソプロピルアルコール(6.7g)
溶液を加えた。
【0084】攪拌を続けたところ、溶液の粘度は徐々に
上昇した。4.5時間重合を行なった後、得られた三元共
重合体の溶液Fを取出し、これをガラス製密閉容器中に
保存した。
【0085】(多孔質膜への上記三元共重合体溶液Fの
含浸)実施例1で得られたスルホン化多孔質膜Sを上記
三元共重合体の溶液Fに1分間浸漬して、多孔質膜に三
元共重合体溶液Fを含浸させた後、5分間風乾し、更
に、5分間、冷風で乾燥して、上記三元共重合体の充填
率86%、膜厚99μmのプロトン伝導性無孔膜7を得
た。
【0086】(N−メチロールアクリルアミド成分を含
む三元共重合体の架橋処理)上記プロトン伝導性無孔膜
7をステンレス製の枠に固定し、110℃で10分間加
熱して、上記三元共重合体中のN−メチロールアクリル
アミド成分の間で脱水、架橋構造を形成させ、かくし
て、スルホン酸基を有するポリマーが架橋構造を有する
プロトン伝導性無孔膜8を得た。この無孔膜8は、常温
で24時間、水に浸漬しても、膜からの溶出物は実質的
に認められなかった。
【0087】(プロトン伝導度の測定)上記プロトン伝
導性無孔膜8を温度25℃、相対湿度50%に調整した
環境下に24時間放置した後、プロトン伝導度を測定し
たところ、6.0×10-4S/cmであった。
【0088】実施例6 白金触媒を表面に担持させたカーボンペーパー2枚の間
に実施例4で得たプロトン伝導性膜6を挟み、得られた
積層物をホットプレスで加圧接合して、膜電極接合体を
形成した。
【0089】(株)東陽テクニカ製燃料電池評価装置を
用いて、上記膜電極接合体の燃料電池特性を評価した。
背圧弁は絞らず、圧力は常圧にて行なった。加湿器温度
は水素側80℃、酸素側70℃とし、燃料電池セル温度
は70℃とした。Tafel法にて電流−電圧(I−
V)曲線を得たところ、ナフィオン(登録商標)117
膜とほぼ同等の電流−電圧(I−V)曲線を得ることが
できた。即ち、本発明によるプロトン伝導性無孔膜は、
ナフィオン(登録商標)117膜と同等の燃料電池特性
を有する。
【0090】
【発明の効果】以上のように、スルホン酸基を有する多
孔質膜の空孔に、スルホン酸基を有するポリマーを担持
させてなる本発明によるプロトン伝導性膜は、高いプロ
トン伝導性を有する。特に、本発明によれば、プロトン
伝導性多孔質膜の空孔を閉塞することによって、プロト
ン伝導性無孔フィルムを得ることができ、この無孔フィ
ルムも、同様に、高い伝導性を有する。
【0091】更に、上記プロトン伝導性無孔膜又はフィ
ルムにおいて、スルホン酸基を有するポリマーに架橋構
造を有せしめることによって、そのプロトン伝導性無孔
膜又はフィルムに耐水性を与えることができ、このよう
に、耐水性にすぐれるプロトン伝導性無孔膜又はフィル
ムは、従来のナフィオン(登録商標)を代表とするスル
ホン酸基含有フッ素樹脂膜に比べて、価格面では、格段
に低廉でありながら、性能面では、同等のプロトン伝導
性を有し、燃料電池用固体電解質として好適に用いるこ
とができ、燃料電池システムのコスト低減に大きく寄与
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01M 8/10 H01M 8/10 // C08L 23:00 C08L 23:00 Fターム(参考) 4F074 CD04 CE04 CE15 CE17 CE19 CE45 CE93 CE98 DA49 5G301 CA30 CD01 5H026 AA06 BB01 BB03 BB10 CX04 CX05 EE02 EE05 EE18 HH05

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】0.01〜5.0ミリ当量/gのスルホン酸基
    を有する脂肪族炭化水素重合体多孔質膜と、この多孔質
    膜の空孔内に担持させたスルホン酸基を有するポリマー
    とからなることを特徴とするプロトン伝導性膜。
  2. 【請求項2】脂肪族炭化水素重合体多孔質膜がポリオレ
    フィン樹脂多孔質膜である請求項1に記載プロトン伝導
    性膜。
  3. 【請求項3】脂肪族炭化水素重合体多孔質膜が超高分子
    量ポリエチレン樹脂多孔質膜である請求項1に記載プロ
    トン伝導性膜。
  4. 【請求項4】スルホン酸基を有する脂肪族炭化水素重合
    体多孔質膜が脂肪族炭化水素重合体多孔質膜を気相スル
    ホン化してなるものである請求項1に記載のプロトン伝
    導性膜。
  5. 【請求項5】脂肪族炭化水素重合体が0.01〜5.0ミリ
    当量/gの範囲のスルホン酸基を有するものである請求
    項1から4のいずれかに記載のプロトン伝導性膜。
  6. 【請求項6】スルホン酸基を有するポリマーが架橋構造
    を有するものである請求項1に記載のプロトン伝導性
    膜。
  7. 【請求項7】請求項1から6のいずれかに記載のプロト
    ン伝導性膜を加熱、溶融させ、プロトン伝導性膜の有す
    る空孔を閉塞してなるプロトン伝導性フィルム。
  8. 【請求項8】スルホン酸基を有するポリマーが架橋構造
    を有するものである請求項7に記載のプロトン伝導性フ
    ィルム。
  9. 【請求項9】脂肪族炭化水素重合体多孔質膜の空孔内
    に、スルホン酸基を有するポリマーを溶媒に溶解させた
    溶液を担持させた後、上記多孔質膜から上記溶媒を除去
    することを特徴とするプロトン伝導性膜の製造方法。
  10. 【請求項10】脂肪族炭化水素重合体多孔質膜の空孔内
    に、スルホン酸基を有するポリマーを溶媒に溶解させた
    溶液を担持させた後、上記多孔質膜から上記溶媒を除去
    して、プロトン伝導性膜を得、次に、このプロトン伝導
    性膜を加熱し、溶融させ、上記多孔質膜の有する空孔を
    閉塞することを特徴とするプロトン伝導性フィルムの製
    造方法。
  11. 【請求項11】脂肪族炭化水素重合体多孔質膜の空孔内
    にスルホン化エラストマーを担持させて、プロトン伝導
    性フィルムを得た後、このプロトン伝導性フィルムを加
    熱し、スルホン化エラストマーを架橋させることを特徴
    とするプロトン伝導性フィルムの製造方法。
  12. 【請求項12】脂肪族炭化水素重合体多孔質膜の空孔内
    に、スルホン酸基を有するビニルモノマーと加熱により
    反応する官能基を有する加熱反応性ビニルモノマーとの
    共重合体を担持させて、プロトン伝導性膜を得、次に、
    このプロトン伝導性膜を加熱して、上記共重合体中の上
    記加熱反応性ビニルモノマー成分によって上記共重合体
    を架橋させることを特徴とするプロトン伝導性膜の製造
    方法。
  13. 【請求項13】請求項7又は8に記載のプロトン伝導性
    フィルムをプロトン交換膜として用いてなることを特徴
    とする燃料電池。
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