JP2002067237A - 透明積層フィルム及び包装容器 - Google Patents

透明積層フィルム及び包装容器

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JP2002067237A JP2000254144A JP2000254144A JP2002067237A JP 2002067237 A JP2002067237 A JP 2002067237A JP 2000254144 A JP2000254144 A JP 2000254144A JP 2000254144 A JP2000254144 A JP 2000254144A JP 2002067237 A JP2002067237 A JP 2002067237A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強度、ガスバリヤー性及び透明性に優れると
ともに、印刷、製袋等の2次加工あるいはレトルト処理
やボイル処理等の加熱殺菌処理が行われる場合であって
もこれらの特性を高水準に維持する耐久性を有してお
り、長期にわたって被包装物の品質劣化を十分に防止す
ることが可能な包装材料、並びにその包装材料を用いた
包装容器を提供すること。 【解決手段】 第一の高分子フィルム2aの少なくとも
一方の面に、ポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーとポリ
アルコールとの混合物から形成されるコーティング層3
が積層されている第一の複合フィルム4と、第二の高分
子フィルム2b上に無機材料からなる薄膜5が積層され
ている第二の複合フィルム6と、第三の高分子フィルム
2bと、を備えており、第一の複合フィルム2a、第二
の複合フィルム2b及び第三の高分子フィルム2cが互
いに接着剤層7a、7bを介して積層されていることを
特徴とする透明積層フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は透明積層フィルム及
び包装容器に関するものであり、詳しくは、ボイル殺菌
処理やレトルト殺菌処理等の加熱殺菌処理が行われると
ともに防湿性が必要とされる食品包装、医薬品包装等の
分野に有用な透明積層フィルム、並びにそれを用いた包
装容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】包装材料には、内容物の品質劣化を防止
する機能が要求されるが、中でも、内容物が変質、腐敗
しやすい食品包装、医薬品包装等の分野では、移送や保
管の際に外的もしくは内容物からの衝撃を受けても破損
しない強度を有するとともに、内容物の品質劣化の要因
となる酸素や水蒸気等に対してバリヤー性に優れている
ことが求められる。そのため、このような分野の包装材
料としては、金属箔に高分子フィルムがラミネートされ
た積層フィルムが使用されている。
【0003】しかしながら、金属箔を含む積層フィルム
は不透明であるため、これを食品包装体や医薬品包装体
等の包装材料として用いた場合には、包装体の製造工程
において包装後の内容物の品質の管理や検査が困難であ
る。また、このように内容物の状態が確認できないこと
は、消費者が不安を抱く等購買意欲の低下の原因にもな
り得る。
【0004】そこで、強度、ガスバリヤー性及び透明性
を備える包装用材料として種々のものが提案されてお
り、その一つとして、透明な高分子フィルム基材上に金
属、金属酸化物、非金属無機物、非金属無機酸化物等の
無機材料を蒸着した蒸着膜を備える透明積層フィルムが
特開平10−25357号公報、特開平10−1018
25号公報、特開平11−300879号公報、特開2
000−127300号公報等に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、食品
包装や医薬品包装の分野では、包装体内部の衛生性を高
めるために、包装体の製造工程においてレトルト処理や
ボイル処理といった加熱殺菌処理が広く行われている。
例えば、レトルト食品包装体の場合は、食品を包装容器
に充填して密封した後、高圧釜中、100℃以上の温度
で加熱殺菌処理が施される。レトルト方式としては熱水
貯湯式、熱水シャワー式、スチーム式などが知られてお
り、中でも安定した処理を目的として熱水貯湯式や熱水
シャワー式が好ましく用いられている。ところが、この
ような包装体の包装材料に上記従来の透明積層フィルム
を用いると、加熱殺菌処理によって透明積層フィルムが
劣化してガスバリヤー性が低下してしまい、長期間保存
した場合に内容物の品質劣化が十分に防止されないとい
う問題が生じる。
【0006】また、蒸着膜を備える上記従来の透明積層
フィルムは一般的に延伸や屈曲に対する耐久性に劣り、
印刷、製袋等の2次加工を施す際に蒸着膜が破壊されて
本来のガスバリヤー性が損なわれやすいという欠点を有
している。
【0007】本発明は上記従来技術の有する課題に鑑み
てなされたものであり、強度、ガスバリヤー性及び透明
性に優れるとともに、印刷、製袋等の2次加工あるいは
レトルト処理やボイル処理等の加熱殺菌処理が行われる
場合であってもこれらの特性を高水準に維持する耐久性
を有しており、長期にわたって被包装物の品質劣化を十
分に防止することが可能な包装材料、並びにその包装材
料を用いた包装容器を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、先ず、高分子フィ
ルム基材上に無機蒸着膜を積層し、さらにその上にポリ
アルコール系化合物とポリカルボン酸又はその部分中和
物との混合物から形成されるコーティング層を積層する
ことによって、強度、ガスバリヤー性及び透明性がバラ
ンスよく得られることを見出し、このような構成を有す
る複合蒸着フィルムを特許第2832876号公報、特
許第2918456号公報、特開平9−193306号
公報、特開平9−193307号公報において開示して
いる。
【0009】しかしながら、このような積層フィルムで
あっても、レトルト処理やボイル処理等の加熱処理によ
って無機蒸着膜とコーティング層との間に剥離が生じる
等、耐久性の点で十分なものではなかった。
【0010】そこで、本発明者らはさらに鋭意研究を重
ねた結果、ポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーとポリア
ルコールとの混合物から形成されるコーティング層と無
機材料からなる薄膜とをそれぞれ別個の高分子フィルム
上に積層して別個の複合フィルムを作製し、さらにこれ
らの2つの複合フィルムと別の高分子フィルムとを接着
剤層を介して積層した場合に上記課題が解決されること
を見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】すなわち、本発明の透明積層フィルムは、
第一の高分子フィルムの少なくとも一方の面に、ポリ
(メタ)アクリル酸系ポリマーとポリアルコールとの混
合物から形成されるコーティング層が積層されている第
一の複合フィルムと、第二の高分子フィルム上に無機材
料からなる薄膜が積層されている第二の複合フィルム
と、第三の高分子フィルムと、を備えており、前記第一
の複合フィルム、前記第二の複合フィルム及び前記第三
の高分子フィルムが互いに接着剤層を介して積層されて
いることを特徴とするものである。
【0012】また、本発明の包装容器は、上記本発明の
透明積層フィルムを備えることを特徴とするものであ
る。
【0013】本発明によれば、ポリ(メタ)アクリル酸
系ポリマーとポリアルコールとの混合物から形成される
コーティング層と無機材料からなる薄膜とをそれぞれ別
個の高分子フィルム(第一の高分子フィルム又は第二の
高分子フィルム)上に積層して第一の複合フィルム及び
第二の複合フィルムとし、さらにこれら2つの複合フィ
ルムと第三の高分子フィルムとを互いに接着剤層を介し
て積層することによって、強度、ガスバリヤー性及び透
明性が高水準でバランスよく満たされるとともに、延伸
や屈曲に対する耐久性と耐熱性との双方が同時に高めら
れる。したがって、印刷、製袋等の2次加工やレトルト
処理、ボイル処理等の加熱殺菌処理が行われる場合であ
っても、強度、ガスバリヤー防止性及び透明性の全てが
十分に高水準に維持されて、長期にわたって被包装物の
品質劣化を十分に防止することが可能となる。
【0014】ここで、本発明の積層フィルムは、第一の
高分子フィルムの少なくとも一方の面に、ポリ(メタ)
アクリル酸系ポリマーとポリアルコールとの混合物から
形成されるコーティング層が積層されている第一の複合
フィルムと、第二の高分子フィルム上に無機材料からな
る薄膜が積層されている第二の複合フィルムと、第三の
高分子フィルムと、前記第一の複合フィルムと前記第二
の複合フィルムとを接着する第一の接着剤層と、前記第
二の複合フィルムと前記第三の高分子フィルムとを接着
する第二の接着剤層と、を備えることが好ましい。
【0015】また、本発明の透明積層フィルムにおいて
は、厚みが15〜3000μmであり、且つ120℃で
30分間加熱処理を行った後の40℃、90%RHにお
ける透湿度が5g/m2・day以下であることが好ま
しい。なお、ここでいう加熱処理とは、静置式(貯湯
式)のレトルト殺菌処理をいう。
【0016】さらに、本発明の透明積層フィルムにおい
ては、厚みが15〜3000μmであり、且つ10%延
伸後の40℃、90%RHにおける透湿度が5g/m2
・day以下であることが好ましい。なお、ここでいう
10%延伸後の40℃、90%RHにおける透湿度と
は、透明積層フィルムを長辺200mm×短辺150m
mの形状の試料とし、試料の長辺方向に500mm/m
inの速度で10%延伸して30秒間保持した後の40
℃、90%RHにおける透湿度[g/m2・day]を
いう。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、場合により図面を参照しつ
つ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付する
こととする。
【0018】本発明の透明積層フィルムは、第一の高分
子フィルムの少なくとも一方の面に、ポリ(メタ)アク
リル酸系ポリマーとポリアルコールとの混合物から形成
されるコーティング層が積層されている第一の複合フィ
ルムと、第二の高分子フィルム上に無機材料からなる薄
膜が積層されている第二の複合フィルムと、第三の高分
子フィルムと、を備えており、前記第一の複合フィル
ム、前記第二の複合フィルム及び前記第三の高分子フィ
ルムが互いに接着剤層を介して積層されていることを特
徴とするものである。
【0019】ここで、本発明の透明積層フィルムの好適
な一実施形態を図1に示す。図1において、透明積層フ
ィルム1は、第一の高分子フィルム2aの一方の面上に
ポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーとポリアルコールと
の混合物から形成されるコーティング層3が積層された
第一の複合フィルム4と、第二の高分子フィルム2b上
に無機材料からなる薄膜5が積層された第二の複合フィ
ルム6と、第三の高分子フィルム2cと、第一の複合フ
ィルム4と第二の複合フィルム6とを接着する第一の接
着剤層7aと、第二の複合フィルム6と第三の高分子フ
ィルム2cとを接着する第二の接着剤層7bと、を備え
ている。
【0020】本発明においては、第一の複合フィルム、
第二の複合フィルム及び第三の高分子フィルムの積層の
順序は特に制限されないが、その積層構造は、好ましく
は図1に示すように、第一の複合フィルムと、第二の複
合フィルムと、第三の高分子フィルムと、第一の複合フ
ィルムと第二の複合フィルムとを接着する第一の接着剤
層と、第二の複合フィルムと第三の高分子フィルムとを
接着する第二の接着剤層と、を備えるものであることが
好ましい。透明積層フィルムがこのような積層構造を有
する場合には、強度、ガスバリヤー性及び耐久性がより
向上する傾向にある。
【0021】第一の複合フィルム4を構成する第一の高
分子フィルム2aとしては、結晶融点(JIS K−7
121)又はビカット軟化点(JIS K−7206)
が通常100〜380℃、好ましくは150〜380
℃、より好ましくは180〜380℃のものが用いられ
る。また、第一の高分子フィルム2aの厚みは、透明
性、柔軟性及び経済性の観点から好ましくは5〜900
μmであり、より好ましくは5〜800μmである。こ
のような高分子フィルムの材料としては、具体的には、
ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ナイロン6
・66共重合体、ナイロン6・12共重合体等のポリア
ミド;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエ
チレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタ
レート(PBT)等のポリエステル;ポリエチレン、ポ
リプロピレン等のポリオレフィン、等が挙げられるが、
これらの中でも、ポリアミド又はPETを用いることが
より好ましい。これらの材料を用いると透明積層フィル
ムにおいてより高い耐熱性が得られる傾向にある。
【0022】第一の複合フィルム4を構成するコーティ
ング層3は、前述の通り、ポリ(メタ)アクリル酸系ポ
リマーとポリアルコールとの混合物から形成されるもの
である。
【0023】ここで、本発明において使用されるポリ
(メタ)アクリル酸系ポリマーとしては、具体的には、
アクリル酸単独重合体又はその部分中和物、メタクリル
酸単独重合体又はその部分中和物、アクリル酸とメタク
リル酸との共重合体又はその部分中和物、及びこれらの
混合物等が挙げられる。このようなポリ(メタ)アクリ
ル酸系ポリマーの数平均分子量は特に制限されないが、
ハンドリングの点から好ましくは1000〜40000
00であり、さらに好ましくは2000〜250000
以下である。また、前記部分中和物としては、ポリ(メ
タ)アクリル酸のカルボキシル基を水酸化ナトリウム、
水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸
化物で部分的に中和したものが挙げられる。
【0024】また、本発明において使用されるポリアル
コールとは、分子内に2個以上の水酸基を有する低分子
化合物からアルコール系重合体までを含み、ポリビニル
アルコール(PVA)や糖類及び澱粉類を含むものであ
る。前記分子内に2個以上の水酸基を有する低分子化合
物としては、グリセリン、エチレングリコール、プロピ
レングリコール、1,3−プロパンジオール、ペンタエ
リスリトール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール等が挙げられる。また、PVAはケン化度
が通常95%以上、好ましくは98%以上であり、平均
重合度が300〜1500である。さらに、ポリ(メ
タ)アクリル酸系ポリマーとの相溶性の観点から、ポリ
ビニルアルコールを主成分とするポリ(メタ)アクリル
酸との共重合体を用いることもできる。糖類としては、
単糖類、オリゴ糖類及び多糖類が挙げられる。これらの
糖類には、特開平7−165942号公報に記載のソル
ビトール、マンニトール、ズルシトール、キシリトー
ル、エリトリトール等の糖アルコールや各種置換体・誘
導体なども含まれる。これらの糖類は、水及びアルコー
ル、あるいは水とアルコールとの混合溶剤に溶解性を示
すものが好ましい。澱粉類は前記多糖類に含まれるが、
本発明において使用される澱粉類としては、小麦澱粉、
トウモロコシ澱粉、モチトウモロコシ澱粉、馬鈴薯澱
粉、タピオカ澱粉、米澱粉、甘藷澱粉、サゴ澱粉等の生
澱粉(未変性澱粉)の他、各種の加工澱粉が挙げられ
る。加工澱粉としては、物理的変性澱粉、酵素変性澱
粉、化学分解変性澱粉、化学変性澱粉、澱粉類にモノマ
ーをグラフト重合したグラフト澱粉等が挙げられる。こ
れらの澱粉類の中でも、例えば、馬鈴薯澱粉を酸で加水
分解した水に可溶性の加工澱粉が好ましい。さらに好ま
しくは、澱粉の末端基(アルデヒド基)を水酸基に置換
することにより得られる糖アルコール類である。澱粉類
は、含水物であってもよい。また、これらの澱粉類は、
それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用
することができる。
【0025】上記のポリ(メタ)アクリル酸ポリマー及
びポリアルコールは、水、アルコール等の溶媒中で混合
された後、各成分を水に溶解させる方法、各成分の水溶
液を混合する方法、ポリアルコール水溶液中で(メタ)
アクリル酸モノマーを重合させた後、所望によりアルカ
リで中和する方法等により混合された均一な溶液として
積層体の製造に使用される。ここで、前記溶液中のポリ
(メタ)アクリル酸系ポリマーとポリアルコールとの割
合は、重量比で99:1〜20:80であることが好ま
しく、95:5〜40:60であることがより好まし
く、95:5〜50:50であることが更に好ましい。
なお、上記の方法においては、水やアルコール、アルコ
ール水溶液等を溶媒として用いることができる。また、
必要に応じて、前記溶液に柔軟剤、可塑剤、熱安定化剤
等を添加してもよい。
【0026】なお、ポリ(メタ)アクリル酸系ポリマー
とポリアルコールとの混合物を用いて第一の高分子フィ
ルム2a上にコーティング層3を積層させる方法につい
ては特に制限はなく、従来より公知の方法を使用するこ
とができる。具体的には、流延法等により第一の高分子
フィルム2a上に前記混合物を塗工し、乾燥して被膜を
形成させる方法(溶液流延法);エキストルーダーを用
いて吐出圧力をかけながら前記混合物を第一の高分子フ
ィルム2a上に膜状に流延して塗工し、更に回転ドラム
又はベルト上で乾燥させる方法(押出法)、等が挙げら
れる。このようにして得られるコーティング層の膜厚
は、好ましくは0.01〜100μmであり、より好ま
しくは0.1〜50μmであり、さらに好ましくは0.
1〜25μmであり、さらにより好ましくは0.1〜1
5μmであり、特に好ましくは0.1〜5μmである。
コーティング層の厚みがそれぞれ前記下限値未満である
と、酸素ガスに対するガスバリヤー性が低下する傾向に
ある。他方、コーティング層又は第一の複合フィルム全
体の厚みが前記上限値を超えると、透明性や柔軟性が不
十分となる傾向にある。
【0027】本発明においては、図1に示すように、第
一の複合フィルム4の第一の高分子フィルム2a側の面
と第二の複合フィルム6の薄膜5側の面とが接着剤層7
aを介して当接し、第一の複合フィルム4のコーティン
グ層3が透明積層フィルム1の表面に配置されているこ
とが好ましい。透明積層フィルムの積層構造を上記のよ
うにすると、水蒸気及び酸素に対するガスバリヤー性が
向上する傾向にある。
【0028】なお、第一の複合フィルム4のコーティン
グ層3側の面と第二の複合フィルム6の薄膜5側の面と
が接着剤層7aを介して当接するように配置させる場合
は、コーティング層3上にマグネシウム、亜鉛又はこれ
らの酸化物もしくはこれらの酸化物の粒子が分散された
樹脂を添加することが好ましい。コーティング層3上に
これらの金属、金属酸化物を添加すると耐熱性が向上す
る傾向にある。なお、コーティング層への金属又は金属
酸化物の添加方法としては、特開平10−128923
号公報、特開平10−237180号公報、特開200
0−931号公報等に記載されている従来より公知の方
法を用いることができる。
【0029】第二の複合フィルム6は、前述の通り第二
の高分子フィルム2b上に無機材料からなる薄膜5を積
層して得られるものである。本発明において使用される
無機材料としては、具体的には、ケイ素、アルミニウ
ム、チタン、ジルコニウム、スズ、亜鉛、マグネシウ
ム、インジウムを含有する酸化物、窒化物、フッ化物、
硫化物等が挙げられるが、ケイ素酸化物(SiOx;x
=1〜2)、アルミニウム(Al)、アルミニウム酸化
物(Al23)及び酸窒化ケイ素(SiOxy;x=
0.6〜0.8、y=0.7〜0.9)は水蒸気バリヤ
−性に優れる点で好ましく、中でも、ケイ素酸化物はな
お、これらの化合物は単体であってもよく、2種以上の
化合物からなる複合物であってもよい。
【0030】また、第二の高分子フィルム2bとして
は、結晶融点(JIS K−7121)又はビカット軟
化点(JIS K−7206)が通常100〜380
℃、好ましくは150〜380℃、より好ましくは18
0〜380℃のものが用いられる。また、第二の高分子
フィルム2bの厚みは、透明性、柔軟性及び経済性の観
点から好ましくは5〜1000μmであり、より好まし
くは10〜100μmである。このような高分子フィル
ムの材料としては、上記第一の高分子フィルム2aの説
明において例示されたポリアミド、ポリエステル、ポリ
オレフィン等が挙げられるが、これらの中でも延伸PE
Tフィルム又は延伸ナイロン(ONy)フィルムを用い
ることが好ましい。特に、薄膜の無機材料としての酸化
硅素と、第二の高分子フィルムとしてのONyフィルム
と、を組み合わせて用いると、バランスのとれた強度と
柔軟性とが得られるので好ましい。
【0031】上記の無機材料を第二の高分子フィルム2
b上に形成する方法としては蒸着法があり、蒸着法とし
ては、物理的蒸着法(PVD)、化学的蒸着法(CV
D)のうちのいずれであってもよく、具体的には、真空
蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、
イオンビームミキシング法、プラズマCVD法、レーザ
ーCVD法、MO−CVD法、熱CVD法等が挙げられ
るが、物理的蒸着法を用いることが好ましく、中でも真
空蒸着法を用いることが特に好ましい。なお、本発明の
効果を本質的に妨げない限りにおいて、必要に応じて、
第二の高分子フィルムと薄膜との間に密着強度を高める
ための層(アンカーコート層)を設けてもよく、また、
薄膜が第二の高分子フィルムと当接する側の面と反対側
の面上に薄膜を保護するための層(トップコート層)を
設けてもよい。このようにして得られる第二の複合フィ
ルム6において、薄膜5の膜厚は好ましくは5〜300
nm、より好ましくは5〜150nm、さらに好ましく
は5〜100nmである。薄膜の厚さが前記下限値未満
であると水蒸気に対するガスバリヤー性(防湿性)が不
十分となる傾向にあり、他方、前記上限値を超えると透
明性が不十分となる傾向にある。
【0032】第三の高分子フィルム2cは、本発明の透
明積層フィルムにおいてヒートシール層として機能す
る。このような高分子フィルムの材料としては、具体的
には、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレ
ン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−α−オ
レフィン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エ
チレン−アルキルアクリレート共重合体、アイオノマー
樹脂、シングルサイト触媒によって重合されたエチレン
系共重合体、ポリプロピレン等が挙げられる。本発明に
かかる第三の高分子フィルムの厚みは、好ましくは5〜
1000μmであり、より好ましくは5〜200μmで
あり、さらに好ましくは10〜100μmである。
【0033】本発明においては、第一の複合フィルム4
と第二の複合フィルム6とは第一の接着剤層7aによ
り、第二の複合フィルム6と第三の高分子フィルム2c
とは第二の接着剤層7bにより、それぞれ接着されてい
ることが好ましい。これらの隣接するフィルム(基材)
を接着する方法としては、ドライラミネーション法、押
し出しラミネーション法(共押し出しラミネーション法
を含む)、パウダーコートラミネーション法等が挙げら
れ、使用される接着剤は接着方法によって適宜選択され
る。
【0034】ドライラミネーション法において使用され
る接着剤としては、溶剤型ラミネート接着剤、水性ラミ
ネート接着剤、無溶剤型ラミネート接着剤等が挙げられ
るが、耐熱性の観点から溶剤型ラミネート接着剤を用い
ることが好ましく、中でも、水酸基(−OH)を有する
主剤とイソシアネート基(−NCO)を有する硬化剤と
を混合して得られる2液反応型のポリウレタン系(イソ
シアネート系)接着剤を用いることが特に好ましい。ポ
リウレタン系接着剤の主剤としては、水酸基を有するポ
リエステル、ポリエーテル、ウレタン変性ポリオール等
が挙げられるが、これらの中でもポリエステルを用いる
ことは耐熱性の点で好ましい。他方、硬化剤としては、
ヘキサメチレン次イソシアネート(HMDI)、イソホ
ロンジイソシアネート(IPDI)、キシリレンジイソ
シアネート(XDI)を用いることが好ましい。
【0035】押し出しラミネーション法において使用さ
れる接着剤としては、無水マレイン酸変性ポリプロピレ
ン等の酸変性ポリマーが挙げられる。また、押し出しラ
ミネーション法の中でも、積層後に被着材の融点以上の
温度で熱処理を行うECL(Extrusion Co
ating Lamination)法が好ましい。
【0036】パウダーコートラミネーション法において
使用される接着剤としては、粉体の無水マレイン酸変性
ポリプロピレン等の酸変性ポリマーが挙げられる。ま
た、パウダーコートラミネーション法の中でも、粉体の
接着剤(酸変性ポリマー)を被着材に静電塗布し、高周
波誘導加熱を利用して被着材を加熱して、接着剤の溶融
後に被着材を熱ロールで圧着するPCL(Powder
Coating Lamination)法が好まし
い。
【0037】このようにして得られる第一及び第二の接
着剤層の膜厚は、好ましくは0.1〜50μmであり、
より好ましくは0.3〜30μmであり、さらに好まし
くは0.5〜10μmであることが好ましい。接着剤層
の膜厚が前記下限値未満であると、透明積層フィルムの
延伸及び屈曲に対する耐久性や耐熱性が不十分となる傾
向にある。他方、接着剤層の膜厚が前記上限値を超える
と、透明性や柔軟性が不十分となる傾向にある。
【0038】上記の構成を有する本発明の透明積層フィ
ルムにおいて、透明積層フィルム全体の厚みは、好まし
くは15〜3000μmであり、より好ましくは25〜
500μmであり、さらに好ましくは50〜150μm
である。透明積層フィルム全体の厚みが前記上限値を超
えると、透明性が不十分となるとともに製袋等の加工性
が低下する傾向にあり、他方、前記下限値未満の場合は
強度、ガスバリヤー性、耐久性といった特性が不十分と
なる傾向にある。
【0039】また、本発明の透明積層フィルムにおいて
は、120℃で30分間加熱処理を行った後の40℃、
90%RHにおける透湿度は5g/m2・day以下で
あることが好ましく、3g/m2・day以下であるこ
とがより好ましい。上記の加熱処理後の透湿度が前記上
限値を超えると、レトルト処理やボイル処理等の加熱殺
菌処理が行われる包装体の材料として用いた場合に十分
な長期保存性が得られない傾向にある。同様の理由によ
り、上記の加熱処理を行った後の30℃、80%RHに
おける酸素ガス透過度は5cm3/m2・day・atm
以下であることが好ましく、1cm3/m2・day・a
tm以下であることがより好ましい。
【0040】さらに、本発明の透明積層フィルムにおい
ては、10%延伸後の40℃、90%RHにおける透湿
度が5g/m2・day以下であることが好ましく、4
g/m2・day以下であることがより好ましい。上記
の延伸を行った後の透湿度が前記上限値を超えると、印
刷や製袋等の2次加工が行われる包装体の材料として用
いた場合に十分な長期保存性が得られない傾向にある。
同様の理由により、10%延伸後の30℃、80%RH
における酸素ガス透過度は5cm3/m2・day・at
m以下であることが好ましく、1cm3/m2・day・
atm以下であることがより好ましい。
【0041】本発明の透明積層フィルムは、強度、ガス
バリヤー性及び透明性に優れ、且つ印刷、製袋等の2次
加工やレトルト処理、ボイル処理等の加熱殺菌処理等が
行われる場合であってもこれらの特性が高水準に維持さ
れる十分に高い耐久性を有するものであり、3方シール
袋、4方シール袋、自立袋、ピロー袋等の形状に加工し
たりそのまま容器蓋材として使用したりすることがで
き、包装容器の材料として幅広い分野で好適に使用され
る。中でも、本発明の透明積層フィルムを食品包装容器
の材料として用いることは、従来の金属箔ラミネートフ
ィルム製レトルト食品用容器や缶詰容器が有する優れた
長期保存性と、従来の透明フィルム製包装容器が有する
透明性と、を同時に得られる点で特に好ましい。また、
本発明の透明積層フィルムを輸液容器等の医薬品包装の
包装材料に用いた場合にも、十分に高い衛生性及び十分
に高い長期保存性が得られるので好ましい。
【0042】本発明の透明積層フィルムが使用される被
包装物としての食品としては、具体的には、あん、ナッ
ツ類、ニンジン水煮、大豆水煮、マッシュルーム水煮、
サトイモ水煮、ジャガイモ水煮、タケノコ水煮、サワー
クラウト水煮、ゴボウ水煮、ホールコーン水煮、ポテ
ト、シイタケ、グリーンピース、スイートコーン、大
豆、アスパラガス、小豆等の穀類、野菜又はそれらの加
工品;ミカン、リンゴ、ブドウ、モモ、ナシ、カキ、ク
リ、果汁、野菜ジュース、果実シラップ漬、ジャム類等
の果実又は果実加工品;日本茶、紅茶、コーヒー等の嗜
好品;ハム、ソーセージ、肉、卵等の畜産物又は畜産加
工品;焼き魚、煮魚、カマボコ、海苔等の水産物又は水
産加工品;ゼリー等の菓子類;漬け物等の発酵食品;焼
き肉のたれ、めんつゆ;カレー、シチュー、釜飯の素、
野菜水煮、ミートソース、マーボ豆腐の素、ソース、ハ
ンバーグ、惣菜、スープ類等の調理加工食品;もち、飲
料、ペットフード、つりえさ等が挙げられる。
【0043】ここで、本発明の包装容器を用いた包装体
の一例として、魚加工品包装体を図2に示す。図2にお
いて、包装容器8は、図1に示した透明積層フィルム1
を含む包装材料を袋状に形成して構成される。具体的に
は、先ず、長方形状の包装材料9の端部を接合(以下、
接合部9aという)して筒状体とし、その一方の開口部
を接合(以下、接合部9bという)して袋状にする。続
いて、他方の開口部から魚加工品100を挿入して内部
を脱気しつつ当該他方の開口部を接合(以下、接合部9
cという)した後、レトルト加熱処理(加熱・殺菌処
理)を行って包装体が構成される。このように、接合部
9a、9b、9cがそれぞれ接合されることにより、袋
状包装容器8が魚加工品100を密封包装して包装体と
なる。
【0044】ここで、包装材料9は、前述の通り本発明
の透明積層フィルムを含むものであるが、本発明におい
ては、包装材料の全てが本発明の透明積層フィルムであ
ることが好ましい。また、本発明の包装容器の大きさ
は、魚加工品100等の被包装物の大きさや量に応じて
様々な大きさをとり得るが、例えば、50〜150gに
スライスされた総量50〜200gの魚加工品を密封包
装する場合は、縦15〜25cm、横10〜15cm
(内寸)の大きさのものが使用される。
【0045】なお、図2には示していないが、本発明の
包装容器をジュースや飲料等の用途に用いる場合は、口
栓やストロー差込口等のスパウトを設けることもでき
る。
【0046】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を
より具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら
限定されるものではない。
【0047】実施例1 (第一の複合フィルムの作製)ポリアクリル酸(和光純
薬工業(株)製、固形分:25重量%、30℃における
溶液粘度:8〜12Pa・s、数平均分子量:1.5×
105)を水で希釈して10重量%ポリアクリル酸水溶
液とした後、ポリアクリル酸のカルボキシル基のモル数
に対して中和度が10%となるように、水酸化ナトリウ
ムを添加してポリアクリル酸の部分中和物の水溶液を調
製した。
【0048】一方、糖類として可溶性澱粉(和光純薬工
業(株)製)を用い、10重量%澱粉水溶液を調製し
た。
【0049】このようにして得られた部分中和ポリアク
リル酸水溶液と澱粉水溶液とを、重量比(固形分比)が
70:30となるように混合し、混合物の濃度が10重
量%である水溶液を得た。
【0050】この水溶液を透明な延伸ポリエチレンテレ
フタレート(PET)フィルム(厚み:12μm)上に
塗布し、ドライヤーを用いて水を蒸発し、乾燥被膜(膜
厚:1μm)を成膜した。さらに、これを230℃の熱
風で1分間処理して、延伸PETフィルム上にコーティ
ング層が積層された第一の複合フィルム(厚み:13μ
m)を得た。
【0051】(透明積層フィルムの作製)このようにし
て得られた第一の複合フィルムの延伸PETフィルムの
側に接着剤(東洋モートン社製、主剤:TM−590、
硬化剤:CAT−56、主剤/硬化剤比(重量比):1
00/16)を塗布し、さらに、第二の複合フィルムと
してのシリカ蒸着延伸ナイロン(ONy)フィルム(シ
リカ蒸着膜の膜厚:80nm、第二の複合フィルム全体
の厚み:15μm)を、シリカ蒸着膜の側が接着剤層に
当接するようにドライラミネートした。
【0052】さらに、上記の第二の複合フィルムのON
yフィルムの側に接着剤(東洋モートン社製、主剤:T
M−590、硬化剤:CAT−56、主剤/硬化剤比
(重量比):100/16)を塗工し、未延伸ポリプロ
ピレン(CPP)フィルム(厚み:60μm)をドライ
ラミネートした。その後、40℃で5日間エージングし
て、目的の透明積層フィルムを得た。
【0053】実施例2 実施例1におけるCPPフィルムの代わりに厚みが10
0μmのCPPフィルムを用いたこと以外は実施例1と
同様にして、透明積層フィルムを作製した。
【0054】実施例3 第二の複合フィルムとして、実施例2におけるシリカ蒸
着ONyフィルムの代わりにアルミナ蒸着PETフィル
ム(アルミナ蒸着膜の膜厚:10nm、第二の複合フィ
ルム全体の厚み:12μm)を用いたこと以外は実施例
2と同様にして、透明積層フィルムを作製した。
【0055】実施例4 第二の複合フィルムとして、実施例2におけるシリカ蒸
着ONyフィルムの代わりにシリカ蒸着PETフィルム
(シリカ蒸着膜の膜厚:50nm、第二の複合フィルム
全体の厚み:12μm)を用いたこと以外は実施例2と
同様にして、透明積層フィルムを作製した。
【0056】実施例5 (第一の複合フィルムの作製)実施例1で用いた部分中
和ポリアクリル酸と澱粉とを含む水溶液を透明な二軸延
伸ナイロンフィルム(厚み:15μm)上に塗工し、ド
ライヤーを用いて水を蒸発させ、乾燥被膜(膜厚:1μ
m)を成膜し、さらにこのフィルムを180℃のオーブ
ン中で15分間処理してコーティング層を形成した。
【0057】一方、酸化亜鉛とポリエステル系樹脂とが
重量比1.5/1で配合された酸化亜鉛含有樹脂が分散
された懸濁液を、卓上コーター(RK Print−C
oat Instruments社製、K303 PR
OOFER)を用いて上記のコーティング層上にメイヤ
ーバーで塗工し、目的の第一の複合フィルムを得た。
【0058】(透明積層フィルムの作製)このようにし
て得られた第一の複合フィルムの酸化亜鉛含有樹脂塗工
面と、実施例3で用いたものと同様のアルミナ蒸着PE
Tフィルムの蒸着膜と、が接着剤層を介して互いに当接
するように積層したこと以外は実施例1と同様にして、
目的の透明積層フィルムを作製した。
【0059】実施例6 (第一の複合フィルムの作製)実施例1で用いた部分中
和ポリアクリル酸と澱粉とを含む水溶液を透明な延伸P
ETフィルム(厚み:12μm)上に塗布し、ドライヤ
ーを用いて水を蒸発させ、乾燥被膜(膜厚:1μm)を
成膜し、さらにこのフィルムを230℃の熱風で1分間
熱処理してコーティング層を形成した。
【0060】一方、酸化亜鉛とポリエステル系樹脂とが
重量比1.5/1で配合された酸化亜鉛含有樹を分散さ
せた懸濁液を、実施例5と同様の方法で、樹脂塗工厚み
0.2μmとなるように上記のコーティング層上に塗工
し、目的の第一の複合フィルムを得た。
【0061】(透明積層フィルムの作製)このようにし
て得られた第一の複合フィルムの酸化亜鉛含有樹脂塗工
面と、実施例1で用いたものと同様のシリカ蒸着ONy
フィルムの蒸着膜とが、接着剤層を介して互いに当接す
るように積層したこと以外は実施例1と同様にして、目
的の透明積層フィルムを作製した。
【0062】比較例1 実施例1のシリカ蒸着ONyフィルムの代わりにONy
フィルム(厚み:15μm)を用いたこと以外は実施例
1と同様にして、透明積層フィルムを作製した。
【0063】比較例2 実施例1の第一の複合フィルムの代わりに実施例3で用
いたものと同様のアルミナ蒸着PETフィルム(厚み:
12μm)を用い、アルミナ蒸着膜と接着剤層とが当接
するように積層したこと以外は実施例1と同様にして、
透明積層フィルムを作製した。
【0064】比較例3 (第一の複合フィルムの作製)実施例4で用いたものと
同様のシリカ蒸着PETフィルムの蒸着膜上に、実施例
1で用いた部分中和ポリアクリル酸と澱粉とを含む水溶
液を塗布し、ドライヤーを用いて水を蒸発させ、乾燥被
膜(厚み:1μm)を成膜し、実施例1と同様の熱処理
を行って第一の複合フィルムを得た。
【0065】(透明積層フィルムの作製)このようにし
て得られた第一の複合フィルムと実施例1と同様のCP
Pフィルムとを、接着剤層を介して互いに当接するよう
に積層したこと以外は実施例1と同様にして、透明積層
フィルムを作製した。
【0066】比較例4 実施例1の第一の複合フィルムを用いずに、シリカ蒸着
ONyフィルムとCPPフィルムとを、シリカ蒸着膜と
接着剤層とが互いに当接するように積層したこと以外は
実施例1と同様にして、透明積層フィルムを得た。
【0067】このようにして得られた実施例1〜6及び
比較例1〜4の透明積層フィルムの積層構造及びフィル
ム全体の厚みを表1に示す。
【0068】
【表1】
【0069】(レトルト処理における耐熱性試験)次
に、実施例1〜6及び比較例1〜4の各透明積層フィル
ムを用いて包装容器を作製した。すなわち、透明包装フ
ィルムをCPPフィルム面同士が当接するように2つ折
りにし、3片について200℃、2kgf/cm2で1
秒間のヒートシール処理を行い、3方シール袋(外寸:
130mm×180mm、ヒートシール幅:12mm)
を作製した。
【0070】さらに、このようにして得られた3方シー
ル袋に水100gを充填し、開口部について上記と同様
のヒートシール処理を行って4方シール袋(外寸:13
0mm×180mm、ヒートシール幅:12mm)と
し、包装体を得た。
【0071】このようにして得られた包装体について、
市販のレトルト処理装置(日阪製作所製、商品名:フレ
ーバーエース)を用いて120℃で30分のレトルト処
理を行い、透湿度及び酸素透過度を測定した。各包装体
のレトルト処理前及びレトルト処理後の透湿度、酸素透
過度を表2に示す。
【0072】(延伸に対する耐久性試験)実施例1〜6
及び比較例1〜4の各透明積層フィルムを長辺200m
m×短辺150mmの形状とし、長辺方向に引っ張り速
度500mm/minで10%延伸し、30秒間保持し
た後、透湿度及び酸素透過度を測定した。得られた結果
を表2に示す。
【0073】
【表2】
【0074】表2に示すように、実施例1〜6の透明積
層フィルムを用いた場合は、レトルト処理後、延伸後の
いずれにおいても水蒸気及び酸素に対して十分に高いガ
スバリヤー性を有していることが確認された。
【0075】これに対して、比較例1の透明積層フィル
ムは初期から透湿度が高く、比較例2、4の透明積層フ
ィルムを用いた場合はレトルト処理後や延伸後に透湿度
と酸素透過度との双方が増加した。また、比較例3の透
明積層フィルムを用いた場合はレトルト処理によってシ
リカ蒸着膜とPETとの間が剥離するデラミネーション
現象が生じた。
【0076】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
強度、ガスバリヤー性及び透明性に優れるとともに、印
刷、製袋等の2次加工あるいはレトルト処理やボイル処
理等の加熱殺菌処理が行われる場合であってもこれらの
特性を高水準に維持する耐久性を有しており、長期にわ
たって被包装物の品質劣化を十分に防止することが可能
な包装材料、並びにその包装材料を用いた包装容器を得
ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の透明積層フィルムの好適な一実施形態
を示す模式断面図である。
【図2】本発明の包装容器を用いたレトルト食品包装体
の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…透明積層フィルム、2a、2b、2c…高分子フィ
ルム、3…コーティング層、4…第一の複合フィルム、
5…薄膜、6…第二の複合フィルム、7a、7b…接着
剤層、8…包装容器、9…包装材料、9a、9b、9c
…接合部、100…魚加工品。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大場 弘行 茨城県新治郡玉里村大字上玉里18−13 呉 羽化学工業株式会社樹脂加工技術センター 内 Fターム(参考) 3E086 AB01 AD01 BA04 BA15 BB02 BB05 BB22 BB41 BB85 CA01 CA28 4F100 AA00C AA20 AJ07 AK01A AK01D AK07 AK21B AK25B AK42 AK46 AL05B AT00D BA03 BA04 BA05 BA07 BA10A BA10E CB00 CC00B DA01 EH66 EJ38 EJ42E GB16 JA20E JD02 JD04 JL01 JM02C JN01 JN01E YY00C

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一の高分子フィルムの少なくとも一方
    の面に、ポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーとポリアル
    コールとの混合物から形成されるコーティング層が積層
    されている第一の複合フィルムと、 第二の高分子フィルム上に無機材料からなる薄膜が積層
    されている第二の複合フィルムと、 第三の高分子フィルムと、を備えており、 前記第一の複合フィルム、前記第二の複合フィルム及び
    前記第三の高分子フィルムが互いに接着剤層を介して積
    層されていることを特徴とする透明積層フィルム。
  2. 【請求項2】 第一の高分子フィルムの少なくとも一方
    の面に、ポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーとポリアル
    コールとの混合物から形成されるコーティング層が積層
    されている第一の複合フィルムと、 第二の高分子フィルム上に無機材料からなる薄膜が積層
    されている第二の複合フィルムと、 第三の高分子フィルムと、 前記第一の複合フィルムと前記第二の複合フィルムとを
    接着する第一の接着剤層と、 前記第二の複合フィルムと前記第三の高分子フィルムと
    を接着する第二の接着剤層と、を備えることを特徴とす
    る、請求項1に記載の透明積層フィルム。
  3. 【請求項3】 厚みが15〜3000μmであり、且つ
    120℃で30分間加熱処理を行った後の40℃、90
    %RHにおける透湿度が5g/m2・day以下である
    ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の透明積層フ
    ィルム。
  4. 【請求項4】 厚みが15〜3000μmであり、且つ
    10%延伸後の40℃、90%RHにおける透湿度が5
    g/m2・day以下であることを特徴とする、請求項
    1〜3のうちのいずれか一項に記載の透明積層フィル
    ム。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のうちのいずれか一項に記
    載の透明積層フィルムを備えることを特徴とする包装容
    器。
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