JP2006341522A - 複合蒸着フィルム及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 プラスチックフィルム(A)の少なくとも片面に、ポリカルボン酸系重合体からなる層(B)、及び二価金属化合物を含む層(C)を順に形成してなる積層体の層(C)の面に、プライマー層(E)を介し、或いは介することなく、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、あるいはそれらの混合物を蒸着し、薄膜層(D)を形成したことを特徴とする複合蒸着フィルムおよびその製造方法。
【選択図】 なし
Description
しかしながら、近年、廃棄物処理の点から、パウチを構成する素材としてアルミニウム箔の比率の大きいレトルトパウチは分別の問題や、これに派生する容器包装リサイクル法による分類における廃棄性の容易な包装材料の開発、改良が求められている。
一方、酸素・水蒸気とも高いバリア性を有するフィルムとして、プラスチックフィルムの少なくとも片側に酸化アルミニウム、酸化ケイ素、あるいはそれら混合物からなる薄膜層を蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーディング法により形成したものが有用であることは特許文献2等により公知の事実である。しかし、このフィルムは可撓性が低いため屈曲により、あるいはレトルト処理などにより酸化アルミニウム、酸化ケイ素、あるいはそれら混合物からなる薄膜層にクラックが生じガスバリア性、特に酸素に対するバリア性が大きく低下する。
そのうちの一つは、特許文献1に記載されているように、プラスチックフィルムに、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、あるいはそれら混合物を蒸着した薄膜層を設けたものを使用する方法である。これにより、酸素・水蒸気に対してバリア性を有するフィルムを得ることができる。例えば、レトルトパウチの層構成として、プラスチックフィルム(例として二軸延伸ポリエステルフィルム)//酸化アルミニウム、酸化ケイ素、あるいはそれら混合物を蒸着した薄膜層//ポリカルボン酸系重合体からなる層/多価金属化合物を含む層/接着剤(必須)/補強層(例として二軸延伸ナイロンフィルム)/接着剤(必須)/ポリオレフィン系熱可塑性フィルムからなるシール層(例として、未延伸ポリプロピレンフィルム)の積層構成(I)を挙げることができる。なお、各層間(「//」表記部位)に両者の密着性向上のため、接着剤層、プライマー層を設けることができる。
例えば、レトルトパウチの層構成として、プラスチックフィルム(例として二軸延伸ポリエステルフィルム)//ポリカルボン酸系重合体からなる層/多価金属化合物を含む層/接着剤層(必須)/酸化アルミニウム、酸化ケイ素、あるいはそれら混合物を蒸着した薄膜層/接着剤(必須)/補強層(例として二軸延伸ナイロン)/接着剤(必須)/ポリオレフィン系熱可塑性フィルムからなるシール層(例として、未延伸ポリプロピレンフィルム)の積層構成(II)を挙げることができる。なお、各層間(「//」表記部位)に両者の密着性向上のため、それぞれ、接着剤層、プライマー層(E)を設けることができる。
1−1.特許文献1に係わる積層構成(I)、すなわち、プラスチックフィルムに酸化アルミニウム、酸化ケイ素、あるいはそれら混合物を蒸着した薄膜層を形成した後に、ポリカルボン酸系重合体からなる層、その面上に多価金属化合物を含む層を形成する方法では、薄膜層上に、必要に応じて接着剤層を設けた後、ポリカルボン酸系重合体からなる層、その面上に多価金属化合物を含む層を形成する工程で、蒸着した薄膜層は可撓性が低いため、クラックを生じ、目標とするガスバリア性が得られないことがあった。
即ち本発明の第1は、プラスチックフィルム(A)の少なくとも片面に、ポリカルボン酸系重合体からなる層(B)、及び二価金属化合物を含む層(C)を順に形成してなる積層体の層(C)の面に、プライマー層(E)を介し、或いは介することなく、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、あるいはそれらの混合物を蒸着し、薄膜層(D)を形成した複合蒸着フィルムを提供する。本発明の第2は、プラスチックフィルム(A)が延伸されている前記第1の発明の複合蒸着フィルムを提供する。本発明の第3は、層(C)の面に、プライマー層(E)を介し、薄膜層(D)を形成した前記第1又は第2の発明の複合蒸着フィルムを提供する。本発明の第4は、ポリカルボン酸系重合体からなる層(B)のポリカルボン酸系重合体が、アクリル酸、マレイン酸、メタクリル酸の中から選ばれる少なくとも一種の重合性単量体からなる単独重合体、共重合体および/またはそれらの混合物である前記第1〜第3のいずれかの発明の複合蒸着フィルムを提供する。
本発明の第8は、薄膜層(D)の面に補強層(F)及びポリオレフィン系熱可塑性樹脂からなるヒートシール層(G)を順に積層する前記第7の発明の複合蒸着フィルムの製造方法を提供する。本発明の第9は、プラスチックフィルム(A)が延伸されている前記第7又は第8の発明の複合蒸着フィルムの製造方法を提供する。
また、プラスチックフィルム(A)には、周知の種々の添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、紫外線防止剤、可塑剤、滑剤などが使用されていてもよい。プラスチックフィルム(A)の厚さは、特に制限を受けるものではないが、ポリカルボン酸系重合体からなる層(B)、二価金属化合物を含む層(C)が順に積層され、層(C)の面に、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、あるいはそれら混合物を蒸着した薄膜層(D)を形成する場合の加工性や、他の層を積層すること、更に包装適性等を考慮すると、実用的には3〜200μm、更には用途によって6〜50μmとすることが好ましく、量産性を考慮すれば連続的に各層を形成できるように連続状長尺フイルムであることが望ましい。
本発明に係わるポリカルボン酸系重合体層(B)を構成する重合体として、ポリカルボン酸系重合体以外にもフィルムのガスバリア性、高温水蒸気や熱水に対する耐性を損なわない範囲で他の重合体を混合して用いることが可能であるが、ポリカルボン酸系重合体のみを単独で用いることが好ましい。
ポリカルボン酸系重合体(b)を水に溶解して10重量%の水溶液を調製する。次に調製した溶液をバーコーターを用いて、プラスチックからなる基材上にコーティング、乾燥することにより、厚さ1μmのポリカルボン酸系重合体層が形成されたコーティングフィルムを作製する。得られたコーティングフィルムを乾燥したときの30℃、相対湿度0%における酸素透過度を測定する。ここでプラスチック基材として、その酸素透過度が既知の任意のプラスチックフィルムを用いる。そして、得られたポリカルボン酸系重合体のコーティングフィルムの酸素透過度が基材として用いたプラスチックフィルム単独の酸素透過度に対して、10分の1以下であれば、その酸素透過度の測定値が、ほぼポリカルボン酸系重合体の層単独の酸素透過度と見なすことができる。
有機珪素化合物としては、例えば、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ビニルトリメチルシラン、メチルトリメチルシラン、ヘキサメチルジシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、ジエチルシラン、プロピルシラン、フェニルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、その他等を使用することができる。
有機珪素化合物の中でも、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、または、ヘキサメチルジシロキサンを原料として使用することが、その取り扱い性、形成された蒸着膜の特性等から、特に、好ましい原料である。また、低温プラズマ発生装置としては、例えば、高周波プラズマ、パルス波プラズマ、マイクロ波プラズマ等の発生装置を使用することができ、而して、本発明においては、高活性の安定したプラズマを得るためには、高周波プラズマ方式による発生装置を使用することが望ましい。
プライマー剤は、ポリオール、イソシアネート化合物であり、必要に応じシランカップリング剤を添加することができる。イソシアネート化合物は、アクリルポリオールなどのポリオールと反応してできるウレタン結合により、二価金属化合物を含む層(C)と酸化アルミニウム、酸化ケイ素、あるいはそれら混合物を蒸着した薄膜層(D)との密着性を高めるために添加されるもので、主に架橋剤もしくは硬化剤として作用し、種類としては芳香族系のトリレンジイソシアネート(TDI)やジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、脂肪族系のキシレンジイソシアネート(XDI)やヘキサレンジイソシアネート(HMDI)などのモノマー類と、これらの重合体、誘導体が用いられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
さらに、ポリオールと必要に応じて添加できるシランカップリング剤の配合比は、重量比で1/1から1000/1の範囲であることが好ましく、より好ましくは2/1から100/1の範囲にあることである。プライマー層(E)を形成するためのプライマー剤調液法としては、ポリオールに必要に応じてシランカップリング剤を混合し、溶媒及び希釈剤を加えた後、イソシアネート化合物を混合して調製する。また、前記プライマー剤には各種添加剤、例えば、3級アミン、イミダゾール誘導体、カルボン酸の金属塩化合物、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩等の硬化促進剤や、フェノール系、硫黄系、ホスファイト系等の酸化防止剤、レベリング剤、流動調整剤、触媒、架橋反応促進剤、充填剤等を添加することも可能である。プライマー層(E)の形成方法としては、例えばグラビアコート法、ロールコート法などの周知のコーティング方式を用い、二価金属化合物を含む層(C)の上にプライマー剤をコーティングし、その後コーティング膜を乾燥し、溶媒等を除去して、硬化させることによって得ることができる。
シランカップリング剤の例としては、任意の有機官能基を含むシランカップリング剤を用いることができ、例えばビニルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、グリシドオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメトキシシラン等のシランカップリング剤あるいは加水分解物の1種又は2種以上を用いることができる。さらに、これらシランカップリング剤のうち、ポリオールの水酸基又はイソシアネート化合物のイソシアネート基と反応する官能基を有するものが特に好ましい。例えば、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシランのようなイソシアネート基を含むもの、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシランのようなメルカプト基を含むもの、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、n−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−フェニルアミノプロピルトリメトキシシランのようなアミノ基を含むものがある。さらに、γ−グリシドオキシプロピルトリメトキシシランやβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のようにエポキシ基を含むもの、ビニルトリメトキシシラン、ビニル(β−メトキシエトキシ)シラン等のようなシランカップリング剤にアルコール等を付加し、水酸基等を付加したものでもよく、これら1種又は2種以上を用いることができる。
透明バリアレトルトパウチに充填し、密封するのに特に適する食品の例としては、カレー、シチューなどのレトルト食品、味噌等の調味料、こんにゃく、ちくわ、蒲鉾等の練り製品、ハム、ソーセージ等の燻製製品、ミートボール、ハンバーグ等の調理済み食品、水産加工製品、漬物、佃煮、嗜好品等の液状ないし粘体状の飲食品である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下評価方法について説明する。
試料フィルムからの製袋品作製方法及びレトルト処理方法
本発明で得られた複合蒸着フィルムを130mm×170mmの大きさに2枚切り取り、ヒートシール層であるCPP層を相対向するように配置し、縦2辺、横1辺を10mm幅で熱圧着(条件200℃、2kg/cm2、0.5秒)してレトルトパウチを得た。このレトルトパウチに水100gを充填し、プレスシールを行い、半製品を製造した。
次いで、蒸気式のレトルト釜で、温度120℃、圧力2.1kgf/cm2・G、30分間のレトルト条件でレトルト殺菌を実施し、本発明の複合蒸着フィルムを用いた透明バリアレトルト処理包装体を得た。
得られたレトルト処理包装体を使用して、内容物(ミネラルウォーター)への臭気成分の影響に関する官能試験を行った。
パネラー15人により、上記レトルト処理済み包装体の水の臭味と、別に用意したアルミニウム箔を使用した従来品のレトルト処理包装体の水の臭味とを比較して、従来品よりも臭味が少ないと評価した人数を表に示した。
従来品の構成は下記の通りで、製造方法は実施例1によるものと同様である。PET(12μm)/AD(3.5g/m2)/Al箔(9μm)/AD(3.5g/m2)/O−Ny(15μm)/AD(3.5g/m2)/CPP(60μm)
2.酸素透過度の測定方法
フィルムの酸素透過度は、Modern Contorol社製酸素透過試験器OXTRANTM2/20を用いて、温度30℃、相対湿度80%の条件下で測定した。測定方法は、JIS K−7126、B法(等圧法)、及びASTM D3985−81に準拠し、測定値は、単位cm3(STP)/(m2・day・MPa)で表記した。ここで(STP)は酸素の体積を規定するための標準条件(0℃、1気圧)を意味する。
3.水蒸気透過度の測定方法
フィルムの水蒸気透過度の測定はJIS K−7129−1992プラスチックフィルム及びシートの水蒸気透過試験方法(機器測定法)のB法(赤外線センサー法)に従い、Modern Control社製の水蒸気透過度試験器PERMATRAN−W 3/31型を用い、40℃、90%RHの条件で測定した。単位g/(m2・24h)で表記した。なお、特に断らない限りシール層を高湿度側に設定した。
下記構成の塗液1、2、3、4、5を調製した。塗液1は、プラスチックフィルム(A)とポリカルボン酸系重合体層(B)との接着性を向上させるための接着剤層を形成するための(アンカーコート;以下AC)塗液である。塗液2はポリカルボン酸系重合体として用いたポリアクリル酸塗液、塗液3は層(B)の面上に形成する二価金属化合物を含む層(C)を配するための酸化亜鉛含有樹脂塗液、塗液4はドライラミネートのための接着剤(以下AD)、塗液5は二価金属化合物を含む層(C)と酸化アルミニウム、酸化ケイ素、あるいはそれら混合物を蒸着した薄膜層(D)間の密着性を高めるためのプライマー層(E)である。
塗液1:三井武田ケミカル(株)製 AC剤
タケラックTMA−525、硬化剤:タケネートA−52、溶剤:酢酸エチル
(配合) A−525 5.0kg
A−52 0.6kg
酢酸エチル 94.4kg
合計 100kg (不揮発分濃度3wt%)
塗液2:東亞合成(株)製ポリアクリル酸:アロンTMA−10H、
溶剤:水、イソプロピルアルコール
(配合) アロンTMA−10H(25%水溶液) 12kg
イソプロピルアルコール 10kg
水 78kg
合計 100kg (不揮発分濃度3wt%)
ポリエステル系樹脂(ポリエステルポリオール);大日精化(株)製、NB−300(不揮発分17.5重量%)、
硬化剤;大日精化(株)製、ラミックBハードナー(イソシアネート)
(配合) MgO 12kg
NB−300 45.7kg
ラミックBハードナー 2.3kg
酢酸エチル 40.0kg
合計 100.0kg
(不揮発分濃度20wt%)
塗液4:三井武田ケミカル(株)製 接着剤
タケラックTMA−620、硬化剤:タケネートA−65、溶剤:酢酸エチル
(配合) A−620 50kg
A−52 3kg
酢酸エチル 47kg
合計 100kg (不揮発分濃度30wt%)
塗液5:プライマー剤
希釈溶媒中にγ−イソシアネートプロピルトリメチルシラン1重量部に対し、アクリルポリオールを20重量部を量りとり混合し、攪拌する。ついで、イソシアネート化合物としてトリイジルイソシアネート(以下TDIと略)をアクリルポリオールのOH基に対しNCO基が等量となるように加えた混合溶液を任意の濃度に希釈した。
塗液3を次の塗液6に変更した以外は、実施例1と同様にして表1に示した層構成の複合蒸着フィルムを得た。官能試験においては従来品であるアルミ箔構成と同等或いは、それより少ない臭味を示し、アルミ箔構成と同等あるいはそれ以下の酸素ガス及び水蒸気透過度を有する複合蒸着フィルムを得た。
塗液6:CaO;和光純薬(株)製、
ポリエステル系樹脂(ポリエステルポリオール);大日精化(株)製、NB−300(不揮発分17.5重量%)、
硬化剤;大日精化(株)製、ラミックBハードナー(イソシアネート)
(配合) CaO 12kg
NB−300 45.7kg
ラミックBハードナー 2.3kg
酢酸エチル 40.0kg
合計 100.0kg
(不揮発分濃度20wt%)
塗液3を次の塗液7に変更した以外は、実施例1と同様にして、表1に示した層構成の複合蒸着フィルムを得た。官能試験においては従来品であるアルミ箔構成と同等或いは、それより少ない臭味を示し、アルミ箔構成と同等あるいはそれ以下の酸素ガス及び水蒸気バリア性を有する複合蒸着フィルムを得た。
塗液7:住友大阪セメント(株)製超微粒子酸化亜鉛含有塗料ZR133、不揮発分33重量%(内訳:酸化亜鉛超微粒子18重量%、その他の不揮発分15重量%)、
硬化剤:大日本インキ化学工業(株)製イソシアネートプレポリマーDN980、
溶剤:トルエン及びメチルエチルケトン
(配合) ZR133 60kg
DN980 3kg
トルエン 23kg
MEK 6kg
IPA 8kg
合計 100kg
(不揮発分濃度20wt%)
薄膜層(D)を、AlOxからSiOxに代えた以外、実施例3と同様にして表1に示した層構成の複合蒸着フィルムを得た。官能試験においては従来品であるアルミ箔構成と同等或いは、それより少ない臭味を示し、アルミ箔構成と同等あるいはそれ以下の酸素ガス及び水蒸気透過度を有する複合蒸着フィルムを得た。
(実施例5)
薄膜層(D)を、AlOxからAlOx/SiOxの混合物に代えた以外、実施例3と同様にして表1に示した層構成の複合蒸着フィルムを得た。官能試験においては従来品であるアルミ箔構成と同等或いは、それより少ない臭味を示し、アルミ箔構成と同等あるいはそれ以下の酸素ガス及び水蒸気透過度を有する複合蒸着フィルムを得た。
(実施例6)
ZnO含有ポリウレタン面上に、塗液5を塗工しなかった(プライマー層(E)を設けなかった)こと以外、実施例3と同様にして表1に示した層構成の複合蒸着フィルムを得た。
プラスチックフィルム(A)を二軸延伸ポリエチレンフィルムから二軸延伸ナイロンフィルム(O−Ny:ユニチカ(株)製エンブレムONMBTM、厚さ15μm)に、補強層(F)を二軸延伸ナイロンフィルムから二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET:東レ(株)製ルミラーTMP60、厚さ12μm、内面コロナ処理)に代えたこと以外、実施例3と同様にして表1に示した層構成の複合蒸着フィルムを得た。
(実施例8)
薄膜層(D)を、AlOxからSiOxに代えた以外、実施例7と同様にして表1に示した層構成の複合蒸着フィルムを得た。
薄膜層(D)を、AlOxからAlOxとSiOxの混合物に代えた以外、実施例7と同様にして表1に示した層構成の複合蒸着フィルムを得た。
(実施例10)
ZnO含有ポリウレタン面上に、塗液5を塗工しなかった(プライマー層(E)を設けなかった)こと以外、実施例7と同様にして表1に示した層構成の複合蒸着フィルムを得た。
補強層(F)である二軸延伸ナイロンフィルムを用いなかったこと以外、実施例3と同様にして表1に示した層構成の複合蒸着フィルムを得た。
(実施例12)
補強層(F)である二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いなかったこと以外、実施例7と同様にして表1に示した層構成の複合蒸着フィルムを得た。
二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(A)(PET:東レ(株)製ルミラーTMP60、厚さ12μm、内面コロナ処理)に、プライマー層(E)を設けた後、プライマー層(E)上に電子線加熱方式による真空蒸着装置により、金属アルミニウムを蒸発させ、そこに酸素ガスを導入し、厚さ20×10-3μmの酸化アルミ薄膜層(D)を形成した。次いで、薄膜層(D)の上に塗液1、2、7をこの順番で多色刷りグラビア印刷機を用いて、順次塗工、乾燥した後、50℃で50時間エージングを行った。その後、二軸延伸ナイロンフィルム(O−Ny:ユニチカ(株)製エンブレムONMBTM、厚さ15μm)の補強層(F)を、さらに、補強層(F)の上に、未延伸ポリプロピレンフィルム(CPP:昭和電工(株)製アロマーTMET−20、厚さ60μm)のヒートシール層(G)を実施例1と同様な方法でドライラミネートした。こうして、PET(12μm)/プライマー層(0.1g/m2)/AlOx薄膜層(0.02g/m2)/AC(0.2g/m2)/PAA(0.3g/m2)/ZnO含有ポリウレタン(ZnOとして0.5g/m2)/AD(3.5g/m2)/O−Ny(15μm)/AD(3.5g/m2)/CPP(60μm)の層構成の複合蒸着フィルムを得た。
二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET:東レ(株)製ルミラーTMP60、厚さ12μm、内面コロナ処理)に、プライマー層(E)を設けた後、プライマー層(E)上に電子線加熱方式による真空蒸着装置により、金属アルミニウムを蒸発させ、そこに酸素ガスを導入し、厚さ20×10-3μmの酸化アルミ薄膜層(D)を形成した。次いで、薄膜層(D)の上に塗液7、2をこの順番で多色刷りグラビア印刷機を用いて、順次塗工、乾燥した後、50℃で50時間エージングを行った。その後、二軸延伸ナイロンフィルム(O−Ny:ユニチカ(株)製エンブレムONMBTM、厚さ15μm)の補強層(F)を、さらに、補強層(F)の上に、未延伸ポリプロピレンフィルム(CPP:昭和電工(株)製アロマーTMET−20、厚さ60μm)のヒートシール層(G)を実施例1と同様な方法でドライラミネートした。こうして、PET(12μm)/プライマー層(0.1g/m2)/AlOx薄膜層(0.02g/m2)/ZnO含有ポリウレタン(ZnOとして0.5g/m2)/PAA(0.3g/m2)/AD(3.5g/m2)/O−Ny(15μm)/AD(3.5g/m2)/CPP(60μm)の層構成の複合蒸着フィルムを得た。
比較例1と同様に薄膜層(D)にクラックが発生し、レトルト後に内容物の味が変化していた。
補強層(F)の二軸延伸ナイロンフィルムを用いなかったこと以外、比較例1と同様に行い表2に示した層構成の複合蒸着フィルムを得た。薄膜層(D)にクラックが発生し、レトルト後に内容物の味が変化していた。
(比較例4)
プライマー層(E)、酸化アルミ薄膜層(D)を設けなかったこと以外、実施例3と同様に行い表2に示した層構成の複合蒸着フィルムを得た。
水蒸気バリア性を有する酸化アルミ薄膜層がないため水蒸気透過度が高く、官能試験に影響があるPAA層、ZnO含有ポリウレタン層の低分子成分の移行を遮断する層(酸化アルミ薄膜層)がないため、レトルト処理後の味が変化していた。
補強層(F)の二軸延伸ナイロンフィルムを用いなかったこと以外、比較例4と同様に行い表2に示した層構成の複合蒸着フィルムを得た。比較例4と同様に、水蒸気透過度が高く、レトルト処理後の味が変化していた。
(比較例6)
塗液1、2、3を塗工しなかったこと以外、実施例1と同様に行い表2に示した層構成の複合蒸着フィルムを得た。
官能試験に影響があるPAA層、ZnO含有ポリウレタン層が存在しないため、官能試験は問題がなかった。しかし、可撓性の低い酸化アルミ薄膜のみがバリア層のためレトルト後に、酸素・水蒸気透過度が大きくなった。
(比較例7)
補強層(F)としての二軸延伸ナイロンフィルムを設けなかったこと以外、比較例6と同様に行い表2に示した層構成の複合蒸着フィルムを得た。
比較例6と同様に、酸素・水蒸気透過度が大きくなった。
Claims (9)
- プラスチックフィルム(A)の少なくとも片面に、ポリカルボン酸系重合体からなる層(B)、及び二価金属化合物を含む層(C)を順に形成してなる積層体の層(C)の面に、プライマー層(E)を介し、或いは介することなく、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、あるいはそれらの混合物を蒸着し、薄膜層(D)を形成したことを特徴とする複合蒸着フィルム。
- プラスチックフィルム(A)が延伸されている請求項1記載の複合蒸着フィルム。
- 層(C)の面に、プライマー層(E)を介し、薄膜層(D)を形成した請求項1又は2記載の複合蒸着フィルム。
- ポリカルボン酸系重合体からなる層(B)のポリカルボン酸系重合体が、アクリル酸、マレイン酸、メタクリル酸の中から選ばれる少なくとも一種の重合性単量体からなる単独重合体、共重合体および/またはそれらの混合物である請求項1〜3のいずれかに記載の複合蒸着フィルム。
- 二価金属化合物を含む層(C)が樹脂を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の複合蒸着フィルム。
- 薄膜層(D)に補強層(F)を介してポリオレフィン系熱可塑性樹脂からなるヒートシール層(G)が積層された請求項1〜5のいずれかに記載の複合蒸着フィルム。
- プラスチックフィルム(A)の少なくとも片面に、ポリカルボン酸系重合体からなる層(B)、二価金属化合物を含む層(C)を順に塗工してなる積層体の層(C)の面に、プライマー層(E)を塗工し、或いは塗工することなく、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、あるいはそれら混合物を蒸着し、薄膜層(D)を形成させる複合蒸着フィルムの製造方法。
- 薄膜層(D)の面に補強層(F)及びポリオレフィン系熱可塑性樹脂からなるヒートシール層(G)を順に積層する請求項7記載の複合蒸着フィルムの製造方法。
- プラスチックフィルム(A)が延伸されている請求項7又は8記載の複合蒸着フィルムの製造方法。
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