JP2004276449A - ウィンナ用包材およびそれを使用した包装用袋 - Google Patents
ウィンナ用包材およびそれを使用した包装用袋 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004276449A JP2004276449A JP2003071870A JP2003071870A JP2004276449A JP 2004276449 A JP2004276449 A JP 2004276449A JP 2003071870 A JP2003071870 A JP 2003071870A JP 2003071870 A JP2003071870 A JP 2003071870A JP 2004276449 A JP2004276449 A JP 2004276449A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- resin
- winner
- layer
- inorganic oxide
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Chemical Vapour Deposition (AREA)
- Bag Frames (AREA)
- Wrappers (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Physical Vapour Deposition (AREA)
Abstract
【課題】強度等を有し、かつ、耐熱性、防湿性、ヒートシール性、耐ピンホール性、耐突き刺し性、透明性等に優れ、更に、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するバリア性に優れ、その内容物の充填包装適性、保存適性等を有し、更にまた、使用後に焼却廃棄処理する際に有害物質等を発生することなく、廃棄処理適性、環境適性等に極めて優れたウィンナ用包材およびそれを使用したウィンナ充填包装用袋を提供することである。
【解決手段】基材フィルムの一方の面に、無機酸化物の蒸着膜を設け、更に、該無機酸化物の蒸着膜の上に、少なくとも、プライマー剤層、接着剤層およびヒートシール性樹脂層を順次に積層したことを特徴とするウィンナ用包材およびそれを使用したウィンナ充填包装用袋に関するものである。
【選択図】 図1
【解決手段】基材フィルムの一方の面に、無機酸化物の蒸着膜を設け、更に、該無機酸化物の蒸着膜の上に、少なくとも、プライマー剤層、接着剤層およびヒートシール性樹脂層を順次に積層したことを特徴とするウィンナ用包材およびそれを使用したウィンナ充填包装用袋に関するものである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウィンナ用包材およびそれを使用したウィンナ充填包装用袋に関し、更に詳しくは、強度等を有し、かつ、耐熱性、防湿性、ヒートシール性、耐ピンホール性、耐突き刺し性、透明性等に優れ、更に、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するバリア性に優れ、その内容物の充填包装適性、保存適性等を有し、また、使用後に焼却廃棄処理する際に有害物質等を発生することなく、廃棄処理適性、環境適性等に極めて優れたウィンナ用包材およびそれを使用したウィンナ充填包装用袋に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ウィンナは、通常、その数個ないし十数個のウィンナを、軟包装用袋内に充填包装して包装製品を製造している。
而して、上記のウィンナを充填包装する包装用材料としては、防湿性等に優れ、特に、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するガスバリア性に優れていることが必要であるとされ、通常、ポリ塩化ビニリデン系樹脂の単層フィルムを使用して積層した積層材、ポリ塩化ビニリデン系樹脂を使用した共押出フィルム等を使用して積層した積層材、あるいは、ポリ塩化ビニリデン系樹脂組成物によるコートフィルムを使用して積層した積層材等が使用され、これらを製袋して、種々の形態からなるウィンナを充填包装する軟包装用袋が製造されている(例えば、特許文献1参照。)。
その他、バリア性素材として、エチレンービニルアルコール共重合体フィルムを使用し、これを他のプラスチックフィルム等と積層して積層材を製造し、次いで、これを製袋して、種々の形態からなるウィンナを充填包装する軟包装用袋も製造されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特公昭6−52786号公報
【特許文献1】
特開平6−340044号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように、バリア性素材として、ポリ塩化ビニリデン系樹脂を使用したウィンナを充填包装する軟包装用袋においては、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するガスバリア性において、所期の効果を有するものであるが、軟包装用袋を包装用容器として使用後、これをゴミとして廃棄処理する場合、例えば、焼却処理等により廃棄処理すると、塩素原子を含有していることから、焼却廃棄時に、例えば、ダイオキシン等の有毒ガス等を発生する原因となり、人体等への影響が懸念されるために、廃棄処理適性に欠けると共に環境破壊等の問題を引き起し、環境適性等にも欠けるという問題点がある。
また、バリア性素材として、上記のエチレンービニルアルコール共重合体フィルムを使用したウィンナを充填包装する軟包装用袋においては、絶乾状態においては、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するガスバリア性において、所期の効果を有するものの、湿潤状態においては、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するガスバリア性は、著しく低下し、もはや、その使用に耐え得ないものであるという問題点がある。
そこで本発明は、強度等を有し、かつ、耐熱性、防湿性、ヒートシール性、耐ピンホール性、耐突き刺し性、透明性等に優れ、更に、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するバリア性に優れ、その内容物の充填包装適性、保存適性等を有し、更にまた、使用後に焼却廃棄処理する際に有害物質等を発生することなく、廃棄処理適性、環境適性等に極めて優れたウィンナ用包材およびそれを使用したウィンナ充填包装用袋を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記のような問題点を解決すべく種々研究した結果、バリア性素材として、基材フィルムの一方の面に、酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜を設けた構成からなるバリア性フィルムに着目し、まず、該バリア性フィルムを構成する酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜の上に、更に、少なくとも、プライマー剤層、溶融押出樹脂層またはラミネ−ト用接着剤層等からなる接着剤層、および、ヒートシール性樹脂層を順次に積層して積層材を製造し、而して、該積層材をウィンナ用包材として使用し、まず、該ウィンナ用包材を構成する積層材を、そのヒートシール性樹脂層の面を対向させて重ね合わせ、次いで、その外周周辺の端部をヒ−トシ−ルしてシ−ル層を形成し、例えば、二方ないし三方シール型、または、自立性型もしくはカゼット型等のプラスチック製軟包装用袋等からなる袋状容器本体を製造し、次に、上記の袋状容器本体の一辺の開口部から、ウィンナを数個ないし十数個充填し、しかる後、上記の開口部をヒ−トシール等により密閉してウィンナを充填包装した包装体を製造したところ、強度等を有し、かつ、耐熱性、防湿性、ヒートシール性、耐ピンホール性、耐突き刺し性、透明性等に優れ、更に、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するバリア性に優れ、その内容物の充填包装適性、保存適性等を有し、更にまた、使用後に焼却廃棄処理する際に有害物質等を発生することなく、廃棄処理適性、環境適性等に極めて優れたウィンナ用包材およびそれを使用したウィンナ充填包装用袋を製造し得ることを見出して本発明を完成したものである。
【0006】
すなわち、本発明は、基材フィルムの一方の面に、無機酸化物の蒸着膜を設け、更に、該無機酸化物の蒸着膜の上に、少なくとも、プライマー剤層、接着剤層およびヒートシール性樹脂層を順次に積層したことを特徴とするウィンナ用包材およびそれを使用したウィンナ充填包装用袋に関するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
上記の本発明ににかかるウィンナ用包材およびそれを使用したウィンナ充填包装用袋について以下に図面等を用いて更に詳しく説明する。
図1および図2は、本発明にかかるウィンナ用包材についてその層構成の一二例を示す概略的断面図であり、図3は、図1に示す本発明にかかるウィンナ用包材を使用して製袋してなる軟包装用袋等からなる本発明にかかるウィンナ充填包装用袋についてその一例を示す槻略的斜視図であり、図4は、図3に示すかる軟包装用袋等からなる本発明にかかるウィンナ充填包装用袋内にウィンナを充填包装したウィンナ包装体についてその一例を示す概略的斜視図である。
【0008】
まず、本発明にかかるウィンナ用包材Aは、図1に示すように、基材フィルム1の一方の面に、無機酸化物の蒸着膜2を設け、更に、該無機酸化物の蒸着膜2の上に、少なくとも、プライマー剤層3、接着剤層4およびヒートシール性樹脂層5を順次に積層した構成を基本構造とするものである。
而して、本発明にかかるウィンナ用包材について、別の例を挙げると、図2に示すように、上記の図1に示す本発明にかかるウィンナ用包材Aにおいて、接着剤層4とヒ−トシール性樹脂層5との間に、更に、強度を有し、耐突き刺し性に優れた樹脂のフィルム6を積層した構成からなる本発明にかかるウィンナ用包材A1 を例示することができる。
なお、上記の図2中、符号1、2、3等は、前述の図1に示す符号と同じ意味を表す。
上記の例示は、本発明にかかるウィンナ用包材についてその一二例を例示するものであり、本発明はこれによって限定されるものではない。
例えば、図示しないが、上記の本発明にかかるウィンナ用包材において、無機酸化膜の蒸着膜としては、同種ないし異種からなる2層以上の無機酸化物の蒸着膜を重層して構成することができるものである。
また、図示しないが、上記の本発明にかかるウィンナ用包材においては、プライマ−剤層と接着剤層との間に、例えば、文字、図形、記号、絵柄、その他等からなる所望の印刷模様層を設けることができるものである。
更に、本発明においては、必要ならば、その包装目的、充填包装方式、貯蔵、保管、流通方式、その他等により、更に他の基材を任意に積層することができるものである。
【0009】
次に、本発明において、上記の本発明にかかるウィンナ用包材を使用して製袋した本発明にかかるウィンナ充填包装用袋およびそれにウィンナを充填包装したウィンナ包装体について上記の図1に示す本発明にかかるウィンナ用包材Aを使用する場合を例示して説明すると、まず、図3に示すように、例えば、上記の図1に示す本発明にかかるウィンナ用包材Aを使用し、該ウィンナ用包材Aを二つ折にしてそのヒートシール性樹脂層5、5の面を対向させて重ね合わせ、次いで、その外周周辺の端部をヒ−トシールして、縦シール部11、底部シ−ル部12等を形成すると共にその上方の端部に開口部13を形成して、例えば、ピロ−型の軟包装用袋14からなる本発明にかかるウィンナ充填包装用袋Bを製袋する。
次いで、本発明においては、図4に示すように、上記で製袋した図3に示すピロ−型の軟包装用袋14からなる本発明にかかるウィンナ充填包装用袋Bの開口部13からウィンナ15の所定の量、例えば、数個ないし十数個を充填し、しかる後、その開口部13をヒートシールして上方シール部16を形成し、その開口部13を密閉して、本発明にかかるウィンナ用包材Aを使用して製袋した本発明にかかるウィンナ充填包装用袋Bを使用し、これにウィンナ15を充填包装したウィンナ包装体Cを製造することができるものである。
【0010】
上記において、例えば、図示しないが、ウィンナ包装に特有な包装として、ウィンナを充填包装した包装用袋の上部をバンド等で結わえた巾着部を有する巾着包装体を製造することもできるものであり、而して、この場合においても、その巾着部のバリア性が劣化せずに、極めて良好なウィンナ包装体を製造し得ることができるものである。
また、上記において、ウィンナを充填包装する前に、本発明にかかるウィンナ充填包装用袋内を窒素ガス等の不活性ガスで置換し、その後ウィンナを充填包装してウィンナ包装体を製造することもができる。
上記の例示は、本発明にかかるウィンナ用包材を使用して製袋した本発明にかかるウィンナ充填包装用袋を使用し、これにウィンナを充填包装したウィンナ包装体についてその一例を例示するものであり、本発明はこれによって限定されるものではない。
例えば、本発明においては、図示しないが、上記の図2に示す本発明にかかるウィンナ用包材を使用し、上記と同様にして上記と同様に、本発明にかかるウィンナ用包材を使用して製袋した本発明にかかるウィンナ充填包装用袋、ウィンナ包装体等を製造することができるものである。
また、本発明においては、図示しないが、上記の軟包装用袋からなる本発明にかかるウィンナ充填包装用袋の形態としては、上記のようにピロ−型の軟包装用袋からなる本発明にかかるウィンナ充填包装用袋の代りに、例えば、二方シ−ル型、三方シール型、ガセットシール型、あるいは、自立性型、その他等の任意の形態からなる軟包装用袋からなる本発明にかかるウィンナ充填包装用袋を製袋することができ、また、これを使用して任意の形態からなるウィンナ包装体を製造することができるものである。
【0011】
次に、本発明において、上記の本発明にかかるウィンナ用包材、ウィンナ充填包装用袋等を構成する材料、その製造法等について説明すると、まず、本発明にかかるウィンナ用包材、ウィンナ充填包装用袋等を構成する基材フィルムとしては、これに無機酸化物の蒸着膜を設けることから、機械的、物理的、化学的、その他等において優れた性質を有し、特に、強度を有して強靱であり、かつ、耐熱性を有する樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。
具体的には、本発明において、基材フィルムとしては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリルル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンナフタレ−ト等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリ−ルフタレ−ト系樹脂、シリコ−ン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエ−テルスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタ−ル系樹脂、セルロ−ス系樹脂、その他等の各種の樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。
なお、本発明においては、特に、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、または、ポリアミド系樹脂のフィルムないしシ−トを使用することが好ましいものである。
【0012】
本発明において、上記の各種の樹脂のフィルムないしシ−トとしては、例えば、上記の各種の樹脂の1種ないしそれ以上を使用し、押出法、キャスト成形法、Tダイ法、切削法、インフレ−ション法、その他等の製膜化法を用いて、上記の各種の樹脂を単独で製膜化する方法、あるいは、2種以上の各種の樹脂を使用して多層共押し出し製膜化する方法、更には、2種以上の樹脂を使用し、製膜化する前に混合して製膜化する方法等により、各種の樹脂のフィルムないしシ−トを製造し、更に、要すれば、例えば、テンタ−方式、あるいは、チュ−ブラ−方式等を利用して1軸ないし2軸方向に延伸してなる各種の樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。
本発明において、各種の樹脂のフィルムないしシ−トの膜厚としては、6〜100μm位、より好ましくは、9〜50μm位が望ましい。
【0013】
なお、上記の各種の樹脂の1種ないしそれ以上を使用し、その製膜化に際して、例えば、フィルムの加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度、その他等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤等を添加することができ、その添加量としては、極く微量から数十%まで、その目的に応じて、任意に添加することができる。
上記において、一般的な添加剤としては、例えば、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、帯電防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、染料、顔料等の着色剤、その他等を使用することができ、更には、改質用樹脂等も使用することがてきる。
【0014】
また、本発明において、上記の各種の樹脂のフィルムないしシ−トの表面には、後述する無機酸化物の蒸着膜との密接着性等を向上させるために、必要に応じて、予め、所望の表面処理層を設けることができるものである。
本発明において、上記の表面処理層としては、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス若しくは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロ−放電処理、化学薬品等を用いて処理する酸化処理、その他等の前処理を任意に施し、例えば、コロナ処理層、オゾン処理層、プラズマ処理層、酸化処理層、その他等を形成して設けることができる。
上記の表面前処理は、各種の樹脂のフィルムないしシ−トと後述する無機酸化物の蒸着膜との密接着性等を改善するための方法として実施するものであるが、上記の密接着性を改善する方法として、その他、例えば、各種の樹脂のフィルムないしシ−トの表面に、予め、プライマ−コ−ト剤層、アンダ−コ−ト剤層、アンカ−コ−ト剤層、接着剤層、あるいは、蒸着アンカ−コ−ト剤層等を任意に形成して、表面処理層とすることもできる。
上記の前処理のコ−ト剤層としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノ−ル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエチレンあるいはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂あるいはその共重合体ないし変性樹脂、セルロ−ス系樹脂、その他等をビヒクルの主成分とする樹脂組成物を使用することができる。
【0015】
次に、本発明において、本発明にかかるウィンナ用包材、ウィンナ充填包装用袋等を構成する無機酸化物の蒸着膜について説明すると、かかる無機酸化物の蒸着膜としては、例えば、化学気相成長法、または、物理気相成長法、あるいは、その両者を併用して、無機酸化物の蒸着膜の1層からなる単層膜あるいは2層以上からなる多層膜または複合膜を形成して製造することができるものである。
【0016】
本発明において、上記の化学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜について更に詳しく説明すると、かかる化学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜としては、例えば、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)等を用いて無機酸化物の蒸着膜を形成することができる。
本発明においては、具体的には、基材フィルムの一方の面に、有機珪素化合物等の蒸着用モノマ−ガスを原料とし、キャリヤ−ガスとして、アルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガスを使用し、更に、酸素供給ガスとして、酸素ガス等を使用し、低温プラズマ発生装置等を利用する低温プラズマ化学気相成長法を用いて酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成することができる。
上記において、低温プラズマ発生装置としては、例えば、高周波プラズマ、パルス波プラズマ、マイクロ波プラズマ等の発生装置を使用することがてき、而して、本発明においては、高活性の安定したプラズマを得るためには、高周波プラズマ方式による発生装置を使用することが望ましい。
【0017】
具体的に、上記の低温プラズマ化学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜の形成法についてその一例を例示して説明すると、図5は、上記のプラズマ化学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜の形成法についてその概要を示す低温プラズマ化学気相成長装置の概略的構成図である。
上記の図5に示すように、本発明においては、プラズマ化学気相成長装置21の真空チャンバ−22内に配置された巻き出しロ−ル23から基材フィルム1を繰り出し、更に、該基材フィルム1を、補助ロ−ル24を介して所定の速度で冷却・電極ドラム25周面上に搬送する。
而して、本発明においては、ガス供給装置26、27および、原料揮発供給装置28等から酸素ガス、不活性ガス、有機珪素化合物等の蒸着用モノマ−ガス、その他等を供給し、それらからなる蒸着用混合ガス組成物を調整しなから原料供給ノズル29を通して真空チャンバ−22内に該蒸着用混合ガス組成物を導入し、そして、上記の冷却・電極ドラム25周面上に搬送された基材フィルム1の上に、グロ−放電プラズマ30によってプラズマを発生させ、これを照射して、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を製膜化する。
本発明においては、その際に、冷却・電極ドラム25は、真空チャンバ−22の外に配置されている電源31から所定の電力が印加されており、また、冷却・電極ドラム25の近傍には、マグネット32を配置してプラズマの発生が促進されている。
次いで、上記で酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成した基材フィルム1は、補助ロ−ル33を介して巻き取りロ−ル34に巻き取って、本発明にかかるプラズマ化学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜を形成することができるものである。
なお、図中、35は、真空ポンプを表す。
上記の例示は、その一例を例示するものであり、これによって本発明は限定されるものではないことは言うまでもないことである。
図示しないが、本発明においては、無機酸化物の蒸着膜としては、無機酸化物の蒸着膜の1層だけではなく、2層あるいはそれ以上を積層した多層膜の状態でもよく、また、使用する材料も1種または2種以上の混合物で使用し、また、異種の材質で混合した無機酸化物の蒸着膜を構成することもできる。
【0018】
上記において、真空チャンバ−内を真空ポンプにより減圧し、真空度1×10−1〜1×10−8Torr位、好ましくは、真空度1×10−3〜1×10−7Torr位に調製することが望ましいものである。
また、原料揮発供給装置においては、原料である有機珪素化合物を揮発させ、ガス供給装置から供給される酸素ガス、不活性ガス等と混合させ、この混合ガスを原料供給ノズルを介して真空チャンバ−内に導入されるものである。
この場合、混合ガス中の有機珪素化合物の含有量は、1〜40%位、酸素ガスの含有量は、10〜70%位、不活性ガスの含有量は、10〜60%位の範囲とすることができ、例えば、有機珪素化合物と酸素ガスと不活性ガスとの混合比を1:6:5〜1:17:14程度とすることができる。
一方、冷却・電極ドラムには、電源から所定の電圧が印加されているため、真空チャンバ−内の原料供給ノズルの開口部と冷却・電極ドラムとの近傍でグロ−放電プラズマが生成され、このグロ−放電プラズマは、混合ガスなかの1つ以上のガス成分から導出されるものであり、この状態において、基材フィルムを一定速度で搬送させ、グロ−放電プラブマによって、冷却・電極ドラム周面上の基材フィルムの上に、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成することができるものである。
なお、このときの真空チャンバ−内の真空度は、1×10−1〜1×10−4Torr位、好ましくは、真空度1×10−1〜1×10−2Torr位に調製することが望ましく、また、基材フィルムの搬送速度は、10〜300m/分位、好ましくは、50〜150m/分位に調製することが望ましいものである。
【0019】
また、上記のプラズマ化学気相成長装置において、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜の形成は、基材フィルムの上に、プラズマ化した原料ガスを酸素ガスで酸化しながらSiOX の形で薄膜状に形成されるので、当該形成される酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜は、緻密で、隙間の少ない、可撓性に富む連続層となるものであり、従って、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜のバリア性は、従来の真空蒸着法等によって形成される酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜と比較してはるかに高いものとなり、薄い膜厚で十分なバリア性を得ることができるものである。
また、本発明においては、SiOX プラズマにより基材フィルムの表面が、清浄化され、基材フィルムの表面に、極性基やフリ−ラジカル等が発生するので、形成される酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜と基材フィルムとの密接着性が高いものとなるという利点を有するものである。
更に、上記のように酸化珪素等の無機酸化物の連続膜の形成時の真空度は、1×10−1〜1×10−4Torr位、好ましくは、1×10−1〜1×10−2Torr位に調製することから、従来の真空蒸着法により酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成する時の真空度、1×10−4〜1×10−5Torr位に比較して低真空度であることから、基材フィルムを原反交換時の真空状態設定時間を短くすることができ、真空度を安定しやすく、製膜プロセスが安定するものである。
【0020】
本発明において、有機珪素化合物等の蒸着モノマ−ガスを使用して形成される酸化珪素の蒸着膜は、有機珪素化合物等の蒸着モノマ−ガスと酸素ガス等とが化学反応し、その反応生成物が、基材フィルムの一方の面に密接着し、緻密な、柔軟性等に富む薄膜を形成するものであり、通常、一般式SiOX (ただし、Xは、0〜2の数を表す)で表される酸化珪素を主体とする連続状の薄膜である。
而して、上記の酸化珪素の蒸着膜としては、透明性、バリア性等の点から、一般式SiOX (ただし、Xは、1.3〜1.9の数を表す。)で表される酸化珪素の蒸着膜を主体とする薄膜であることが好ましいものである。
上記において、Xの値は、蒸着モノマ−ガスと酸素ガスのモル比、プラズマのエネルギ−等により変化するが、一般的に、Xの値が小さくなればガス透過度は小さくなるが、膜自身が黄色性を帯び、透明性が悪くなる。
【0021】
また、上記の酸化珪素の蒸着膜は、酸化珪素を主体とし、これに、更に、炭素、水素、珪素または酸素の1種類、または、その2種類以上の元素からなる化合物を少なくとも1種類を化学結合等により含有する蒸着膜からなることを特徴とするものである。
例えば、C−H結合を有する化合物、Si−H結合を有する化合物、または、炭素単位がグラファイト状、ダイヤモンド状、フラ−レン状等になっている場合、更に、原料の有機珪素化合物やそれらの誘導体を化学結合等によって含有する場合があるものである。
具体例を挙げると、CH3 部位を持つハイドロカ−ボン、SiH3 シリル、SiH2 シリレン等のハイドロシリカ、SiH2 OHシラノ−ル等の水酸基誘導体等を挙げることができる。
上記以外でも、蒸着過程の条件等を変化させることにより、酸化珪素の蒸着膜中に含有される化合物の種類、量等を変化させることができる。
而して、上記の化合物が、酸化珪素の蒸着膜中に含有する含有量としては、0.1〜50%位、好ましくは、5〜20%位が望ましいものである。
上記において、含有率が、0.1%未満であると、酸化珪素の蒸着膜の耐衝撃性、延展性、柔軟性等が不十分となり、曲げなとにより、擦り傷、クラック等が発生し易く、高いバリア性を安定して維持することが困難になり、また、50%を越えると、バリア性が低下して好ましくないものである。
更に、本発明においては、酸化珪素の蒸着膜において、上記の化合物の含有量が、酸化珪素の蒸着膜の表面から深さ方向に向かって減少させることが好ましく、これにより、酸化珪素の蒸着膜の表面においては、上記の化合物等により耐衝撃性等を高められ、他方、基材フィルムとの界面においては、上記の化合物の含有量が少ないために、基材フィルムと酸化珪素の蒸着膜との密接着性が強固なものとなるという利点を有するものである。
【0022】
而して、本発明において、上記の酸化珪素の蒸着膜について、例えば、X線光電子分光装置(Xray Photoelectron Spectroscopy、XPS)、二次イオン質量分析装置(Secondary Ion Mass Spectroscopy、SIMS)等の表面分析装置を用い、深さ方向にイオンエッチングする等して分析する方法を利用して、酸化珪素の蒸着膜の元素分析を行うことより、上記のような物性を確認することができる。
また、本発明において、上記の酸化珪素の蒸着膜の膜厚としては、膜厚50Å〜4000Å位であることが望ましく、具体的には、その膜厚としては、100〜1000Å位が望ましく、而して、上記において、1000Å、更には、4000Åより厚くなると、その膜にクラック等が発生し易くなるので好ましくなく、また、100Å、更には、50Å未満であると、バリア性の効果を奏することが困難になることから好ましくないものである。
上記のおいて、その膜厚は、例えば、株式会社理学製の蛍光X線分析装置(機種名、RIX2000型)を用いて、ファンダメンタルパラメ−タ−法で測定することができる。
また、上記において、上記の酸化珪素の蒸着膜の膜厚を変更する手段としては、蒸着膜の体積速度を大きくすること、すなわち、モノマ−ガスと酸素ガス量を多くする方法や蒸着する速度を遅くする方法等によって行うことができる。
【0023】
次に、上記において、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成する有機珪素化合物等の蒸着用モノマ−ガスとしては、例えば、1.1.3.3−テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ビニルトリメチルシラン、メチルトリメチルシラン、ヘキサメチルジシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、ジエチルシラン、プロピルシラン、フェニルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、その他等を使用することができる。
本発明において、上記のような有機珪素化合物の中でも、1.1.3.3−テトラメチルジシロキサン、または、ヘキサメチルジシロキサンを原料として使用することが、その取り扱い性、形成された連続膜の特性等から、特に、好ましい原料である。
また、上記において、不活性ガスとしては、例えば、アルゴンガス、ヘリウムガス等を使用することができる。
【0024】
本発明において、上記の物理気相成長法による無機酸化物の蒸着膜について更に詳しく説明すると、かかる物理気相成長法による無機酸化物の蒸着膜としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレ−ティング法、イオンクラスタ−ビ−ム法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法、PVD法)を用いて無機酸化物の蒸着膜を形成することができる。
本発明において、具体的には、金属の酸化物を原料とし、これを加熱して蒸気化し、これを基材フィルムの一方の上に蒸着する真空蒸着法、または、原料として金属または金属の酸化物を使用し、酸素を導入して酸化させて基材フィルムの一方の上に蒸着する酸化反応蒸着法、更に酸化反応をプラズマで助成するプラズマ助成式の酸化反応蒸着法等を用いて蒸着膜を形成することができる。
上記において、蒸着材料の加熱方式としては、例えば、抵抗加熱方式、高周波誘導加熱方式、エレクトロンビ−ム加熱方式(EB)等にて行うことができる。
【0025】
本発明において、物理気相成長法による無機酸化物の薄膜膜を形成する方法について、その具体例を挙げると、図6は、巻き取り式真空蒸着装置の一例を示す概略的構成図である。
図6に示すように、巻き取り式真空蒸着装置41の真空チャンバ−42の中で、巻き出しロ−ル43から繰り出す基材フィルム1は、ガイドロ−ル44、45を介して、冷却したコ−ティングドラム46に案内される。
而して、上記の冷却したコ−ティングドラム46上に案内された基材フィルム1の上に、るつぼ47で熱せられた蒸着源48、例えば、金属アルミニウム、あるいは、酸化アルミニウム等を蒸発させ、更に、必要ならば、酸素ガス吹出口49より酸素ガス等を噴出し、これを供給しながら、マスク50、50を介して、例えば、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜を成膜化し、次いで、上記において、例えば、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜を形成した基材フィルム1を、ガイドロ−ル51、52を介して送り出し、巻き取りロ−ル53に巻き取ることによって、本発明にかかる物理気相成長法による無機酸化物の蒸着膜を形成することができる。
なお、本発明においては、上記のような巻き取り式真空蒸着装置を用いて、まず、第1層の無機酸化物の蒸着膜を形成し、次いで、同様にして、該無機酸化物の蒸着膜の上に、更に、無機酸化物の蒸着膜を形成するか、あるいは、上記のような巻き取り式真空蒸着装置を用いて、これを2連に連接し、連続的に、無機酸化物の蒸着膜を形成することにより、2層以上の多層膜からなる無機酸化物の蒸着膜を形成することができる。
【0026】
上記において、無機酸化物の蒸着膜としては、基本的に金属の酸化物を蒸着した薄膜であれば使用可能であり、例えば、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトリウム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)等の金属の酸化物の蒸着膜を使用することができる。
而して、好ましいものとしては、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)等の金属の酸化物の蒸着膜を挙げることができる。
而して、上記の金属の酸化物の蒸着膜は、ケイ素酸化物、アルミニウム酸化物、マグネシウム酸化物等のように金属酸化物として呼ぶことができ、その表記は、例えば、SiOX 、AlOX 、MgOX 等のようにMOX (ただし、式中、Mは、金属元素を表し、Xの値は、金属元素によってそれぞれ範囲がことなる。)で表される。
また、上記のXの値の範囲としては、ケイ素(Si)は、0〜2、アルミニウム(Al)は、0〜1.5、マグネシウム(Mg)は、0〜1、カルシウム(Ca)は、0〜1、カリウム(K)は、0〜0.5、スズ(Sn)は、0〜2、ナトリウム(Na)は、0〜0.5、ホウ素(B)は、0〜1、5、チタン(Ti)は、0〜2、鉛(Pb)は、0〜1、ジルコニウム(Zr)は0〜2、イットリウム(Y)は、0〜1.5の範囲の値をとることができる。
上記において、X=0の場合、完全な金属であり、透明ではなく全く使用することができない、また、Xの範囲の上限は、完全に酸化した値である。
本発明において、一般的に、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)以外は、使用される例に乏しく、ケイ素(Si)は、1.0〜2.0、アルミニウム(Al)は、0.5〜1.5の範囲の値のものを使用することができる。
本発明において、上記のような無機酸化物の蒸着膜の膜厚としては、使用する金属、または金属の酸化物の種類等によって異なるが、例えば、50〜2000Å位、好ましくは、100〜1000Å位の範囲内で任意に選択して形成することが望ましい。
また、本発明においては、無機酸化物の蒸着膜としては、使用する金属、または金属の酸化物としては、1種または2種以上の混合物で使用し、異種の材質で混合した無機酸化物の蒸着膜を構成することもできる。
【0027】
ところで、本発明において、本発明にかかる積層材、包装用袋等を構成する無機酸化物の蒸着膜として、例えば、物理気相成長法と化学気相成長法の両者を併用して異種の無機酸化物の蒸着膜の2層以上からなる複合膜を形成して使用することもできるものである。
而して、上記の異種の無機酸化物の蒸着膜の2層以上からなる複合膜としては、まず、基材フィルムの上に、化学気相成長法により、緻密で、柔軟性に富み、比較的にクラックの発生を防止し得る無機酸化物の蒸着膜を設け、次いで、該無機酸化物の蒸着膜の上に、物理気相成長法による無機酸化物の蒸着膜を設けて、2層以上からなる複合膜からなる無機酸化物の蒸着膜を構成することが望ましいものである。
勿論、本発明においては、上記とは逆くに、基材フィルムの上に、先に、物理気相成長法により、無機酸化物の蒸着膜を設け、次に、化学気相成長法により、緻密で、柔軟性に富み、比較的にクラックの発生を防止し得る無機酸化物の蒸着膜を設けて、2層以上からなる複合膜からなる無機酸化物の蒸着膜を構成することもできるものである。
【0028】
次に、本発明において、本発明にかかるウィンナ用包材、ウィンナ充填包装用袋等を構成するプライマー剤層について説明すると、かかるプライマー剤層としては、まず、ポリウレタン系樹脂またはポリエステル系樹脂をビヒクルの主成分とし、該ポリウレタン系樹脂またはポリエステル系樹脂1〜30重量%に対し、シランカップリング剤0.05〜10重量%位、好ましくは、0.1重量%〜5重量%位、充填剤0.1〜20重量%位、好ましくは、1〜10重量%位の割合で添加し、更に、必要ならば、安定剤、硬化剤、架橋剤、滑剤、紫外線吸収剤、その他等の添加剤を任意に添加し、溶媒、希釈剤等を加えて充分に混合して樹脂組成物を調製する。
而して、上記で調製した樹脂組成物を使用し、これを、例えば、ロ−ルコ−ト、グラビアコ−ト、ナイフコ−ト、デップコ−ト、スプレイコ−ト、その他のコ−ティング法等により、前述の基材フィルムの一方の面に設けた無機酸化物の蒸着膜の上にコ−ティングし、しかる後、コ−ティング膜を乾燥させて溶媒、希釈剤等を除去し、更に、要すれば、エ−ジング処理等を行って、本発明にかかるプライマ−剤層を形成することができる。
なお、本発明において、プライマ−剤層の膜厚としては、例えば、0.1g/m2 〜2.0g/m2 (乾燥状態)位が望ましい。
而して、本発明においては、上記のようなプライマ−剤層により、無機酸化物の蒸着膜と接着剤層、印刷模様層、ヒ−トシ−ル製樹脂層等との密接着性等を向上させると共にプライマ−剤層の伸長度を向上させ、例えば、ラミネ−ト加工、あるいは、製函加工等の後加工適性を向上させ、後加工時における無機酸化物の蒸着膜のクラック等の発生を防止するものである。
【0029】
上記において、樹脂組成物を構成するポリウレタン系樹脂としては、例えば、多官能イソシアネ−トとヒドロキシル基含有化合物との反応により得られるポリウレタン系樹脂を使用することができる。
具体的には、例えば、トリレンジイソシアナ−ト、ジフェニルメタンジイソシアナ−ト、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアナ−ト等の芳香族ポリイソシアナ−ト、あるいは、ヘキサメチレンジイソシアナ−ト、キシリレンジイソシアナ−ト等の脂肪族ポリイソシアナ−ト等の多官能イソシアネ−トと、ポリエ−テルポリオ−ル、ポリエステルポリオ−ル、ポリアクリレ−トポリオ−ル、その他等のヒドロキシル基含有化合物との反応により得られる一液ないし二液硬化型のポリウレタン系樹脂を使用することができる。
而して、本発明において、上記のようなポリウレタン系樹脂を使用することにより、無機酸化物の蒸着膜と接着剤層、印刷模様層、ヒ−トシ−ル性樹脂層等との密接着性等を向上させると共にプライマ−剤層の伸長度を向上させ、例えば、ラミネ−ト加工、あるいは、製函加工等の後加工適性を向上させ、後加工時における無機酸化物の蒸着膜のクラック等の発生を防止するものである。
【0030】
また、上記において、樹脂組成物を構成するポリエステル系樹脂としては、例えば、例えば、テレフタル酸等のベンゼン核を基本骨格とする芳香族飽和ジカルボン酸の一種またはそれ以上と、飽和二価アルコ−ルの一種またはそれ以上との重縮合により生成する熱可塑性のポリエステル系樹脂を使用することができる。
上記において、ベンゼン核を基本骨格とする芳香族飽和ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ジフェニルエ−テル−4、4−ジカルボン酸、その他等を使用することができる。
また、上記において、飽和二価アルコ−ルとしては、エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、トリメチレングリコ−ル、テトラメチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、ポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル、ヘキサメチレングリコ−ル、ドデカメチレングリコ−ル、ネオペンチルグリコ−ル等の脂肪族グリコ−ル、シクロヘキサンジメタノ−ル等の脂環族グリコ−ル、2.2−ビス(4′−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ナフタレンジオ−ル、その他の芳香族ジオ−等を使用することができる。
【0031】
本発明において、ポリエステル系樹脂としては、具体的には、例えば、テレフタル酸とエチレングリコ−ルとの重縮合により生成する熱可塑性ポリエチレンテレフタレ−ト樹脂、テレフタル酸とテトラメチレングリコ−ルとの重縮合により生成する熱可塑性ポリブチレンテレフタレ−ト樹脂、テレフタル酸と1、4−シクロヘキサンジメタノ−ルとの重縮合により生成する熱可塑性ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレ−ト樹脂、テレフタル酸とイソフタル酸とエチレングリコ−ルとの共重縮合により生成する熱可塑性ポリエチレンテレフタレ−ト樹脂、テレフタル酸とエチレングリコ−ルと1、4−シクロヘキサンジメタノ−ルとの共重縮合により生成する熱可塑性ポリエチレンテレフタレ−ト樹脂、テレフタル酸とイソフタル酸とエチレングリコ−ルとプロピレングリコ−ルとの共重縮合により生成する熱可塑性ポリエチレンテレフタレ−ト樹脂、ポリエステルポリオ−ル樹脂、その他等を使用することができる。
なお、本発明においては、上記のようなベンゼン核を基本骨格とする飽和芳香族ジカルボン酸に、更に、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン酸等の脂肪族飽和ジカルボン酸の一種ないしそれ以上を添加して共重縮合することもでき、その使用量としては、ベンゼン核を基本骨格とする芳香族飽和ジカルボン酸に対し、1〜10重量%位を添加して使用することが好ましい。
而して、本発明において、上記のようなポリエステル系樹脂を使用することにより、無機酸化物の蒸着膜と接着剤層、印刷模様層、ヒ−トシ−ル製樹脂層等との密接着性等を向上させると共にプライマ−剤層の伸長度を向上させ、例えば、ラミネ−ト加工、あるいは、製函加工等の後加工適性を向上させ、後加工時における無機酸化物の蒸着膜のクラック等の発生を防止するものである。
【0032】
次にまた、上記において、樹脂組成物を構成するシランカップリング剤としては、二元反応性を有する有機官能性シランモノマ−類を使用することができ、例えば、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルシリコ−ンの水溶液等の1種ないしそれ以上を使用することができる。
【0033】
上記のようなシランカップリング剤は、その分子の一端にある官能基、通常、クロロ、アルコキシ、または、アセトキシ基等が加水分解し、シラノ−ル基(SiOH)を形成し、これが、無機酸化物の蒸着膜を構成する金属、あるいは、無機酸化物の蒸着膜の表面上の活性な基、例えば、水酸基等の官能基と何らかの作用により、例えば、脱水縮合反応等の反応を起こして、無機酸化物の蒸着膜の表面上にシランカップリング剤が共有結合等で修飾され、更に、シラノ−ル基自体の無機酸化物の蒸着膜の表面に吸着や水素結合等により強固な結合を形成する。
他方、シランカップリング剤の他端にあるビニル、メタクリロキシ、アミノ、エポキシ、あるいは、メルカプト等の有機官能基が、そのシランカップリング剤の薄膜の上に形成される、例えば、接着剤層、印刷模様層、ヒ−トシ−ル性樹脂層、その他の層等を構成する物質と反応して強固な結合を形成し、更に、上記の接着剤層等を介して、ヒ−トシ−ル性樹脂層等が強固に密接着して、そのラミネ−ト強度を高め、このようにして、本発明においては、ラミネ−ト強度の高い強固な積層構造を形成可能とするものである。
本発明においては、シランカップリング剤が有する無機性と有機性とを利用し、無機酸化物の蒸着膜と、接着剤層、その他等の層を介して、ヒ−トシ−ル性樹脂層、その他等との密接着性を向上させ、これにより、そのラミネ−ト強度等を高めるものである。
【0034】
次に、本発明において、上記の樹脂組成物を構成する充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナホワイト、シリカ、タルク、ガラスフリット、樹脂粉末、その他等のものを使用することができる。
而して、上記の充填剤は、樹脂組成物液の粘度等を調製し、そのコ−ティング適性を向上させると共にバインダ−樹脂としてのポリウレタン系樹脂またはポリエステル系樹脂とシランカップリング剤を介して結合し、コ−ティング膜の凝集力を向上させるものである。
【0035】
なお、本発明においては、上記のプライマ−剤層としては、上記のポリウレタン系樹脂またはボリエステル系樹脂をビヒクルの主成分とする樹脂組成物によるコ−ティング膜からなるプライマ−剤層の他に、更に、例えば、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノ−ル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエチレンアルイハポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂あるいはその共重合体ないし変性樹脂、セルロ−ス系樹脂、その他等をビヒクルの主成分とする樹脂組成物を使用してプライマ−剤層を形成することができる。
なお、本発明においては、例えば、ロ−ルコ−ト、グラビアロ−ルコ−ト、キスコ−ト、その他等のコ−ティング法を用いてコ−ティングしてプライマ−コ−ト剤層を形成することができ、而して、そのコ−ティング量としては、0.1〜10g/m2 (乾燥状態)位が望ましい。
而して、本発明において、プライマ−剤層としては、上記のポリウレン系樹脂またはポリエステル系樹脂をビヒクルの主成分とする樹脂組成物によるプライマ−剤層を使用することが最も有効なものである。
【0036】
次に、本発明において、本発明にかかるウィンナ用包材、ウィンナ充填包装用袋等を構成する接着剤層について説明すると、かかる接着剤層としては、例えば溶融押出樹脂層またはラミネ−ト用接着剤層等からなるものである。
上記の溶融押出樹脂層としては、熱によって溶融し、Tダイ等から押出可能な熱可塑性樹脂、具体的には、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、メタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体、ポリプロピレ、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマ−、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、フマ−ル酸、その他等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂、その他等のヒ−トシ−ル性樹脂の1種ないし2種以上を使用し、これをTダイ押出機等を用いて、上記のプライマ−剤層の上に溶融押出して形成することができる。
その膜厚としては、無機酸化物の蒸着膜等に与えるダメ−ジ等を考慮して、約2〜100μm位が好ましいものである。
【0037】
次にまた、上記のラミネ−ト用接着剤層を構成するラミネ−ト用接着剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル系接着剤、アクリル酸のエチル、ブチル、2−エチルヘキシルエステル等のホモポリマ−、あるいは、これらとメタクリル酸メチル、アクリロニトリル、スチレン等との共重合体等からなるポリアクリル酸エステル系接着剤、シアノアクリレ−ト系接着剤、エチレンと酢酸ビニル、アクリル酸エチル、アクリル酸、メタクリル酸等のモノマ−との共重合体等からなるエチレン共重合体系接着剤、ポリエチレン系樹脂あるいはポリプロピレン系樹脂等からなるポリオレフィン系接着剤、セルロ−ス系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリイミド系接着剤、尿素樹脂またはメラミン樹脂等からなるアミノ樹脂系接着剤、フェノ−ル樹脂系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤、反応型(メタ)アクリル系接着剤、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレンゴム等からなるゴム系接着剤、シリコ−ン系接着剤、アルカリ金属シリケ−ト、低融点ガラス等からなる無機系接着剤、その他等の接着剤を使用することがてきる。
上記の接着剤の組成系は、水性型、溶液型、エマルジョン型、分散型等のいずれの組成物形態でもよく、また、その性状は、フィルム・シ−ト状、粉末状、固形状等のいずれの形態でもよく、更に、接着機構については、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型等のいずれの形態でもよいものである。
而して、上記の接着剤は、例えば、ロ−ルコ−ト法、グラビアロ−ルコ−ト法、キスコ−ト法、その他等のコ−ト法、あるいは、印刷法等によって、ラミネ−ト用接着剤層を形成することができ、そのコ−ティング量としては、0.1〜10g/m2 (乾燥状態)位が望ましい。
【0038】
なお、上記の溶融押出樹脂層を使用する場合、より強固な接着強度を得るために、例えば、アンカ−コ−ト剤等の接着助剤等を使用し、そのアンカ−コ−ト剤層を介して、積層することができる。
上記のアンカ−コ−ト剤としては、例えば、アルキルチタネ−ト等の有機チタン系、イソシアネ−ト系、ポリエチレンイミン系、ポリプタジエン系、その他等の水性ないし油性の各種のアンカ−コ−ト剤を使用することができる。
上記のアンカ−コ−ト剤は、例えば、ロ−ルコ−ト、グラビアロ−ルコ−ト、キスコ−ト、その他等のコ−ティング法を用いてコ−ティングすることができ、そのコ−ティング量としては、0.1〜5g/m2 (乾燥状態)位が望ましい。
【0039】
次に、本発明において、本発明にかかるウィンナ用包材、ウィンナ充填包装用袋等を構成するヒ−トシ−ル性樹脂層について説明すると、かかるヒ−トシ−ル性樹脂層としては、熱によって溶融し相互に融着し得る熱可塑性樹脂、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、メタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体、ポリプロピレ、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマ−、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、フマ−ル酸、その他等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂、その他等の1種ないし2種以上を使用し、それを製膜化してなる単層ないし多層のフィルムないしシ−トを使用し、これを、前述の溶融押出樹脂層あるいはラミネ−ト用接着剤からなる接着剤層を介して積層して、ヒ−トシ−ル性樹脂層を形成することができる。
而して、本発明においては、上記のヒ−トシ−ル性樹脂層の厚さとしては、熱によって溶融し相互に融着し得る必要最低限の厚さであればよく、厚すぎると、薄層化、減量化等の目的を達成することが困難になり、更には、コストを上昇するとい欠点もあり、逆に、薄すぎると、上記のヒ−トシ−ル性能等が低下し、製袋等に支障をきたすことがあるので好ましくないものである。
本発明においては、上記のような理由から、樹脂のフィルムないしシ−トの膜厚としては、約10μm〜110μmの範囲内位が最も望ましいものである。
【0040】
ところで、本発明においては、上記のような樹脂のフィルムないしシートの中でも、特に、線状低密度ポリエチレンによる樹脂のフィルムないしシートを使用することが好ましいものである。
すなわち、上記の線状低密度ポリエチレンによる樹脂のフィルムないしシートは、粘着性を有することから破断の伝搬が少なく耐衝撃性を向上させるという利点があるものであり、また、内層は常時内容物に接触していることから、耐環境ストレスクラッキング性の劣化を防止するためにも有効なものである。
また、本発明においては、線状低密度ポリエチレンに、他の樹脂をブレンドすることもでき、例えば、エチレンープチン共重合体等をブレンドすることにより、若干、耐熱性に劣り高温環境下ではシール安定性が劣化する傾向があるものの、引き裂き性が向上し、易開封性に寄与するという利点がある。
【0041】′
更に、本発明において、上記のようなヒ一トシール性樹脂層を構成する樹脂のフィルムないしシートの中でも、更に、メタロセン触媒を用いて重合したエチレンーα・オレフイン共重合体のフィルムないしシートを同様に使用することが好ましいものである。
本発明において、前述のとおり、ヒ−トシ−ル性樹脂層としては、熱によって溶融し相互に融着し得る熱可塑性樹脂、具体的には、低密度ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂を使用して構成するものであるが、その場合には、低密度ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂層によるシ−ル温度が、320℃〜350℃位であり、極めて高いシ−ル温度を必要とするものである。
そのため、本発明においては、低温シ−ル性を有するメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体に着目し、それによるヒ−トシ−ル性樹脂層を形成すると、250℃〜300℃位の低温シ−ルを可能とし、ピンホ−ルの発生を防止し、シ−ル不良、液漏れ等を回避し得るという利点を有する。
更に、メタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体は、粘着性を有することから破断の伝搬が少なく耐衝撃性を向上させるという利点があるものであり、また、最内層は常時内容物に接触していることから、耐環境ストレスクラッキング性の劣化を防止するためにも有効なものである。
また、本発明においては、メタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体に他の樹脂をブレンドすることもでき、例えば、エチレン−ブテン共重合体等をブレンドすることにより、若干、耐熱性に劣り高温環境下ではシ−ル安定性が劣化する傾向があるものの、引き裂き性が向上し、易開封性に寄与するという利点がある。
本発明において、特に、メタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体層からなるヒ−トシ−ル性樹脂層を使用する場合には、低温ヒ−トシ−ル性が可能であるという利点を有するものである。
【0042】
上記のメタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体としては、例えば、二塩化ジルコノセンとメチルアルモキサンの組み合わせによる触媒等のメタロセン錯体とアルモキサンとの組み合わせによる触媒、すなわち、メタロセン触媒を使用して、エチレンとα・オレフィンとを共重合してなるエチレン−α・オレフィン共重合体を使用することができる。
上記のメタロセン触媒は、現行の触媒が、活性点が不均一でマルチサイト触媒と呼ばれているのに対し、活性点が均一であることからシングルサイト触媒とも呼ばれているものである(以下、メタロセン触媒は、シングルサイト触媒と同等の意味である。)。
具体的には、メタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体としては、三菱化学株式会社製の商品名「カ−ネル」、三井石油化学工業株式会社製の商品名「エボリュ−」、米国、エクソン・ケミカル(EXXON CHEMICAL)社製の商品名「エクザクト(EXACT)」、米国、ダウ・ケミカル(DOW CHEMICAL)社製の商品名「アフィニティ−(AFFINITY)、商品名「エンゲ−ジ(ENGAGE)」等のメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α−オレフィン共重合体を使用することができる。
而して、本発明において、上記のようなメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体層からなるヒ−トシ−ル性樹脂層の膜厚としては、10μmないし110μm位、好ましくは、20μmないし50μm位が望ましい。
【0043】
次に、本発明において、本発明にかかるウィンナ用包材、ウィンナ充填包装用袋等を構成する印刷模様層について説明すると、かかる印刷模様層としては、例えば、通常のインキビヒクルの1種ないし2種以上を主成分とし、これに、必要ならば、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、硬化剤、架橋剤、滑剤、帯電防止剤、充填剤、その他等の添加剤の1種ないし2種以上を任意に添加し、更に、染料・顔料等の着色剤を添加し、溶媒、希釈剤等で充分に混練してインキ組成物を調整し、次いで、該インキ組成物を使用し、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、スクリ−ン印刷、転写印刷、フレキソ印刷、その他等の印刷方式を使用し、上記の無機酸化物の蒸着膜の上に設けたプライマ−剤層の上に、例えば、文字、図形、記号、模様、その他等からなる所望の印刷模様を印刷して、本発明にかかる印刷模様層を形成することができるものである。
なお、本発明において、印刷模様層としては、上記のようなプライマ−剤層の上に設ける他に、本発明にかかるウィンナ用包材を構成するいずれかの基材に任意に設けることができるものである。
【0044】
上記において、インキビヒクルとしては、公知のもの、例えば、あまに油、きり油、大豆油、炭化水素油、ロジン、ロジンエステル、ロジン変性樹脂、シェラック、アルキッド樹脂、フェノ−ル系樹脂、マレイン酸樹脂、天然樹脂、炭化水素樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルブチラ−ル樹脂、アクリルまたはメタクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アミノアルキッド系樹脂、ニトロセルロ−ス、エチルセルロ−ス、塩化ゴム、環化ゴム、その他等の1種ないし2種以上を使用することができる。
【0045】
次に、本発明において、本発明にかかるウィンナ用包材、ウィンナ充填包装用袋等を構成する強度を有し、耐突き刺し性等に優れた樹脂のフィルムについて説明すると、かかる樹脂のフィルムとしては、機械的、物理的、化学的、その他等において優れた強度を有し、耐突き刺し性等に優れ、その他、耐熱性、防湿性、耐ピンホール性、透明性、その他等に優れた樹脂のフィルムないしシートを使用することができる。
具体的には、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアラミド系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、フッ素系樹脂、その他等の強靭な樹脂のフィルムないしシートを使用することができる。
而して、本発明においては、上記の樹脂のフィルムないしシートを使用し、これを、例えば、前述の溶融押出樹脂層あるいはラミネ−ト用接着剤層等からなる接着剤層を使用して、これを介して、溶融押出ラミネ−ト法あるいはドライラミネ−ト法等により、接着剤層とヒートシール性樹脂層との層間に積層することができるものである。
上記において、上記の樹脂のフィルムないしシートとしては、未延伸フィルム、あるいは、一軸方向または二軸方向に延伸した延伸フィルム等のいずれのものでも使用することができる。
また、本発明において、その樹脂フィルムないし、シ−トの厚さとしては強度、耐突き刺し性、その他等について、必要最低限に保持され得る厚さであればよく、厚すぎると、コストを上昇するとい欠点もあり、逆に、薄すぎると、強度、耐突き刺し性、その他等が抵下して好ましくないものである。
本発明においては、上記のような理由から、約10μm〜100μm位、好ましくは、約12μm〜50μm位が最も望ましい。
【0046】
なお、本発明において、上記のような強度を有し、耐突き刺し性等に優れた樹脂のフィルムは、前述の図2に示すように、接着剤層とヒ−トシール性樹脂層との間に積層した構成に代えて、図示しないが、前述の図1に示す本発明にかかるウィンナ用包材において、無機酸化物の蒸着膜を設けた基材フィルムの基材フィルムの面に、耐突き刺し性に優れた樹脂のフィルムを積層して、本発明にかかるウィンナ用包材を構成することもできるものである。
すなわち、本発明においては、基材フィルムの一方の面に、無機酸化物の蒸着膜を設け、更に、上記の基材フィルムの面に、強度を有し、耐突き刺し性等に優れた樹脂のフィルムを積層し、他方、上記の無機酸化物の蒸着膜の上に、少なくとも、プライマー剤層、接着剤層およびヒートシール性樹脂層を順次に積層した構成からなるウィンナ用包材およびそれを使用したウィンナ充填包装用袋等を製造することもできるものである。
上記の構成は、いわゆる、無機酸化物の蒸着膜を設けた基材フィルムを中使いする形態からなるウィンナ用包材およびそれを使用したウィンナ充填包装用袋に係るものである。
【0047】
ところで、通常、包装用袋は、物理的にも化学的にも過酷な条件におかれることから、包装用袋を構成する積層材には、厳しい包装適性が要求され、変形防止強度、落下衝撃強度、耐ピンホール性、耐熱性、密封性、品質保全性、作業性、衛生性、その他等の種々の条件が要求され、このために、本発明においては、上記のような材料の他に、上記のような諸条件を充足するその他の材料を任意に使用することができ、具体的には、例えば、偲密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンープロピレン共重合体、エチレンー酢酸ピニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレンーアクリル酸エチル共重合体、エチレンーアクリル酸またはメタクリル酸共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリブテン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、塩化ビニルー塩化ビニリデン共重合体、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリアクリルニトリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリルースチレン共重合体(AS系樹脂)、アクリロニトリループタジェンースチレン共重合体(ABS系樹脂)、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレンー酢酸ビニル共重合体のケン化物、フッ素系樹脂、ジェン系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ニトロセルロース、その他等の公知の樹脂のフィルムないしシートを任意に選択して使用することができる。
その他、例えば、合成紙等も使用することができる。
本発明において、上記のフィルムないしシートは、未延伸、一軸ないし二軸 向に延伸されたもの等のいずれのものでも使用することができる。
また、その厚さは、任意であるが、数μm から300 μm 位の範囲から選択して用することができる。
更に、本発明においては、フィルムないしシートとしては、押し出し成膜、インフレーション成膜、コーティング膜等のいずれの性状の膜でもよい。
【0048】
特に、本発明において、その他の基材としては、例えば、水蒸気、水等の透過を阻止するバリア性を有する低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンープロピレン共重合体等の樹脂のフィルムないしシート、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するバリア性を有するMXDナイロン6、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物等の樹脂のフィルムないしシート、樹脂に顔料等の着色剤を、その他、所望の添加剤を加えて混練してフィルム化してなる遮光性を有する各種の着色樹脂のフィルムないしシート等を使用することができる。
これらの材料は、一種ないしそれ以上を組み合わせて使用することができる。
また、上記のフィルムないしシートの厚さとしては、任意であるが、通常、5μm〜300μm位、更には、10μm〜100μm位が望ましい。
【0049】
本発明は、以上において説明したように、基材フィルムの一方の面に、無機酸化物の蒸着膜を設け、次いで、該無機酸化物の蒸着膜の上に、種々のコーティング法もしくは印刷法、あるいは、溶融押出ラミネ−ト法、ドライラミネート法、その他等の方法を用いて、少なくとも、プライマー剤層、接着剤層およびヒートシール性樹脂層を設け、更には、上記のプライマ−剤層の上に、印刷模様層、更に、接着剤層とヒ−トシール性樹脂層との間に、強度を有し、耐突き刺し性に優れた樹脂のフィルムを積層することにより、本発明にかかるウィンナ用包材を製造することができるものである。
【0050】
次に、本発明において、上記のような本発明にかかるウィンナ用包材を使用して製袋する軟包装用袋等からなる本発明にかかるウィンナ充填包装用袋について説明すると、かかる軟包装用袋等からなる本発明にかかるウィンナ充填包装用袋は、上記のような本発明にかかるウィンナ用包材を使用し、そのヒ−トシ−ル性樹脂層の面を対向して重ね合わせ、しかる後、その外周周辺の端部をヒ−トシ−ルしてシ−ル部を形成して、本発明にかかる軟包装用袋等からなるウィンナ充填包装用袋を製造することができる。
而して、その製袋方法としては、上記のような本発明にかかるウィンナ用包材を、折り曲げるかあるいは重ね合わせて、その内層の面を対向させ、更にその周辺端部を、例えば、側面シ−ル型、二方シ−ル型、三方シ−ル型、四方シ−ル型、封筒貼りシ−ル型、合掌貼りシ−ル型(ピロ−シ−ル型)、ひだ付シ−ル型、平底シ−ル型、角底シ−ル型、ガゼット型、その他等のヒ−トシ−ル形態によりヒ−トシ−ルして、本発明にかかる種々の形態からなる軟包装用袋等からなる本発明にかかるウィンナ充填包装用袋を製造することができる。
その他、例えば、自立性包装用袋(スタンディングパウチ)等も可能である。
上記において、ヒ−トシ−ルの方法としては、例えば、バ−シ−ル、回転ロ−ルシ−ル、ベルトシ−ル、インパルスシ−ル、高周波シ−ル、超音波シ−ル等の公知の方法で行うことができる。
【0051】
次に、本発明においては、上記で製造した本発明にかかる種々の形態からなるプラスチック性軟包装用袋等からなる本発明にかかるウィンナ充填包装用袋の開口部から、例えば、種々の形態からなるウィンナ等の内容物を充填し、しかる後、その開口部をヒ−トシ−ルして、本発明にかかるウィンナ用包材を使用して製袋した本発明にかかるウィンナ充填包装用袋を使用したウィンナ包装体を製造することができるものである。
【0052】
【実施例】
上記の本発明について実施例を挙げて更に具体的に説明する。
実施例1
(1).厚さ15μmの二軸延伸ナイロン6フィルムを使用し、これをプラズマ化学気相成長装置の送り出しロールに装着し、下記に示す条件で、上記の二軸延伸ナイロン6フィルムのコロナ処理面に、厚さ200Åの酸化珪素の蒸着膜を形成した。
(蒸着条件)
蒸着面;コロナ処理面
反応ガス混合比;ヘキサメチルジシロキサン:酸素ガス:ヘリウム=1.2:5.0:2.5(単位:slm)
到達圧力;5.0×10−5mbar
製膜圧力;7.0×10−2mbar
パワ−;35kW
ライン速度;300m/min
次に、上記で膜厚200Åの酸化珪素の蒸着膜を形成した直後に、その酸化珪素の蒸着膜面に、グロ−放電プラズマ発生装置を使用し、パワ−9kw、酸素ガス(O2 ):アルゴンガス(Ar)=7.0:2.5(単位:slm)からなる混合ガスを使用し、混合ガス圧6×10−2mbarで酸素/アルゴン混合ガスプラズマ処理を行って、酸化珪素の蒸着膜面の表面張力を54dyne/cm以上向上させたプラズマ処理面を形成した。
(2).次に、上記の(1)で形成した酸化珪素の蒸着膜のプラズマ処理面に、ポリウレタン系樹脂の初期縮合物に、エポキシ系のシランカップリング剤(8.0重量%)とブロッキング防止剤(1.0重量%)を添加し、十分に混練してなるプライマー剤組成物を使用し、これをグラビアロールコート法により、膜厚0.4g/m2 (乾燥状態)になるようにコーティングしてプライマー剤層を形成した。
次に、上記で形成したプライマー剤層を含む全面に、通常のグラビアインキ組成物を使用し、グラビア印刷方式により、文字、図形、記号、絵柄、その他等からなる所定の印刷模様を印刷して印刷模様層を形成した。
次に、上記で形成した印刷模様層を含む全面に、低密度ポリエチレン樹脂を使用し、これを、押出法により、膜厚15μmになるように押出し、溶融押出樹脂層からなる接着剤層を形成した。
次いで、上記で形成した接着剤層の面に、厚さ60μmの直鎖状低密度ポリエチレフィルムを、そのコロナ処理面を対向させて重ね合わせ、溶融押出ラミネ−トして、本発明にかかるウィンナ用包材を製造した。
(3).次に、上記で製造したウィンナ用包材の2枚を用意し、その直鎖状低密度ポリエチレンフィルムの面を対向して重ね合わせ、しかる後、その周辺の端部を合掌貼りシール(ピローシール)し、次いで、底部シ−ルして底部シール部を形成するとともに上方に開口部を有する合掌貼りシール型の軟包装用袋を製造した。
上記で製造した合掌貼りシール型の軟包装用袋内に、その開口部から、窒素ガスを吹き込んだ後、ウィンナを充填包装し、しかる後、その開口部をヒートシールして上方シール部を形成して、ウィンナ包装体からなる包装製品を製造した。
しかる後、袋上部をバンドで結わえることにより巾着包装袋を製造した。
上記で製造したウィンナ包装体からなる包装製品は、酸素ガス、水蒸気等に対するバリア性に優れ、また、ラミネート強度等に優れ、市場における流通に耐え、かつ、貯蔵保存等に優れているものであった。
【0053】
実施例2
(1).基材フィルムとして、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを使用し、これをプラズマ化学気相成長装置の送り出しロ−ルに装着し、次いで、これを繰り出して、下記に示す条件で、上記の二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムのコロナ処理面に、厚さ200Åの酸化珪素の蒸着膜を形成した。
(蒸着条件)
蒸着面;コロナ処理面
反応ガス混合比;ヘキサメチルジシロキサン:酸素ガス:ヘリウム=1:11:10(単位:slm)
真空チヤンバー内の真空度;5.2×10−6mbar
蒸着チヤンバー内の真空度;5.1×10−2mbar
冷却・電極ドラム供給電力;60w・分/m2
フィルムの搬送速度;90m/min
次に、上記で膜厚200Åの酸化珪素の蒸着膜を形成した直後に、その酸化珪素の蒸着膜面に、上記の実施例1と同様にしてプラズマ処理を行って、酸化珪素の蒸着膜面の表面張力を54dyne/cm以上向上させたプラズマ処理面を形成した。
(2).次に、上記の(1)で形成した酸化珪素の蒸着膜のプラズマ処理面に、実施例1と同様にして、プライマー剤層を形成した。
次に、上記で形成したプライマー剤層を含む全面に、上記の実施例1と同様して、通常のグラビアインキ組成物を使用し、グラビア印刷方式により、文字、図形、記号、絵柄、その他等からなる所定の印刷模様を印刷して印刷模様層を形成した後、その印刷模様層を含む全面に、2液硬化型のポリウレタン系ラミネート用接着剤を使用し、これをグラビアロールコート法により、膜厚4.0g/m2 (乾燥状態)になるようにコーティングしてラミネート用接着剤層を形成した。
(3).次に、上記の(1)で形成したラミネート用接着剤層の面に、厚さ15μmの2軸延伸ナイロン6フィルムを、そのコロナ処理面を対向させて重ね合わせ、しかる後、ドライラミネート積層した。
更に、上記で積層した厚さ15μmの2軸延伸ナイロン6フィルムの他方の面に、上記と同様に、2液硬化型のポリウレタン系ラミネート用接着剤を使用し、これをグラビアロールコート法により、膜厚4.0g/m2 (乾燥状態)になるようにコーティングしてラミネート用接着剤層を形成した。
次いで、上記で形成したラミネート用接着剤層の面に、厚さ30μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルムを、そのコロナ処理面を対向させて重ね合わせ、しかる後、その両者をドライラミネート積層して、本発明にかかるウィンナ用包材を製造した。
(4).次に、上記で製造したウィンナ用包材の2枚を用意し、その直鎖状低密度ポリエチレンフィルムの面を対向して重ね合わせ、しかる後、その周辺の端部を合掌貼りシール(ピローシール)し、次いで、底部をシ−ルして底部シール部を形成するとともに上方に開口部を有する合掌貼りシール型の軟包装用袋を製造した。
上記で製造した合掌貼りシール型の軟包装用袋内に、その開口部から、窒素ガスを吹き込み後、ウィンナを充填包装し、しかる後、その開口部をヒートシールして上方シール部を形成してウィンナ包装体からなる包装製品を製造した。
しかる後、袋上部をバンドで結わえることにより巾着包装袋を製造した。
上記で製造したウィンナ包装体からなる包装製品は、酸素ガス、水蒸気等に対するバリア性に優れ、また、ラミネート強度等に優れ、市場における流通に耐え、かつ、貯蔵保存等に優れているものであった。
【0054】
実施例3
(1).基材フィルムとして、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを使用し、まず、上記の2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを巻き取り式の真空蒸着装置の送り出しロ−ルにに装着し、次いで、これを繰り出し、その2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムのコロナ処理面に、アルミニウムを蒸着源に用いて、酸素ガスを供給しながら、エレクトロンビ−ム(EB)加熱方式による真空蒸着法により、下記の蒸着条件により、膜厚200Åの酸化アルミニウムの蒸着膜を形成した。
(蒸着条件)
蒸着チャンバ−内の真空度:2×10−4mbar
巻き取りチャンバ−内の真空度:2×10−2mbar
電子ビ−ム電力:25kW
フィルムの搬送速度:240m/分
蒸着面:コロナ処理面
次に、上記で厚さ200Åの酸化アルミニウムの蒸着膜を形成した直後に、その酸化アルミニウムの蒸着膜面に、上記の実施例1と同様にして、プラズマ処理面を形成した。
(2).次に、上記の(1)で形成した酸化アルミニウムの蒸着膜のプラズマ処理面に、ポリウレタン系樹脂の初期縮合物に、エポキシ系のシランカップリング剤(8.0重量%)とブロッキング防止剤(1.0重量%)を添加し、十分に混練してなるプライマー剤組成物を使用し、これをグラビアロールコート法により、膜厚0.4g/m2 (乾燥状態)になるようにコーティングしてプライマー剤層を形成した。
更に、上記で形成したプライマー層の面に、通常のグラビアインキ組成物を使用し、グラビア印刷方式により、文字、図形、記号、絵柄、その他等からなる所定の印刷模様を印刷して印刷模様層を形成した。
次に、上記で形成した印刷模様層を含む全面に、2液硬化型のポリウレタン系ラミネート用接着剤を使用し、これをグラビアロールコート法により、膜厚4.0g/m2 (乾燥状態)になるようにコーティングしてラミネート用接着剤層を形成した。
次いで、上記で形成したラミネート用接着剤層の面に、厚さ60μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルムを、そのコロナ処理面を対向させて重ね合わせ、しかる後、その両者をドライラミネート積層して、本発明にかかるウィンナ用包材を製造した。
(3).次に、上記で製造したウィンナ用包材の2枚を用意し、その直鎖状低密度ポリエチレンフィルムの面を対向して重ね合わせ、しかる後、その周辺の端部を合掌貼りシール(ピローシール)し、ついで底部シ−ルしてシール部を形成するとともに上方に開口部を有する合掌貼りシール型の軟包装用袋を製造した。
上記で製造した合掌貼りシール型の軟包装用袋内に、その開口部から、窒素ガスを吹き込み後、ウィンナを充填包装し、しかる後、その開口部をヒートシールして上方シール部を形成してウィンナ包装体からなる包装製品を製造した。
しかる後、袋上部をバンドで結わえることにより巾着包装袋を製造した。
上記で製造した餅包装体からなる包装製品は、酸素ガス、水蒸気等に対するバリア性に優れ、また、ラミネート強度等に優れ、市場における流通に耐え、かつ、貯蔵保存等に優れているものであった。
【0055】
実施例4
(1).基材フィルムとして、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを使用し、まず、上記の2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを巻き取り式の真空蒸着装置の送り出しロ−ルにに装着し、次いで、これを繰り出し、その2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムのコロナ処理面に、アルミニウムを蒸着源に用いて、酸素ガスを供給しながら、エレクトロンビ−ム(EB)加熱方式による真空蒸着法により、下記の蒸着条件により、膜厚200Åの酸化アルミニウムの蒸着膜を形成した。
(蒸着条件)
蒸着チャンバ−内の真空度:2×10−4mbar
巻き取りチャンバ−内の真空度:2×10−2mbar
電子ビ−ム電力:25kW
フィルムの搬送速度:240m/分
蒸着面:コロナ処理面
次に、上記で厚さ200Åの酸化アルミニウムの蒸着膜を形成した直後に、その酸化アルミニウムの蒸着膜面に、上記の実施例1と同様にして、プラズマ処理面を形成した。
(2).次に、上記の(1)で形成した酸化アルミニウムの蒸着膜のプラズマ処理面に、上記の実施例3と同様にして、プライマ−剤層、印刷模様層、および、ラミネート用接着剤層を形成した。
次いで、上記で形成したラミネート用接着剤層の面に、厚さ30μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルムを、そのコロナ処理面を対向させて重ね合わせ、しかる後、その両者をドライラミネート積層して、本発明にかかるウィンナ用包材を製造した。
(3).次に、上記で製造したウィンナ用包材の2枚を用意し、その直鎖状低密度ポリエチレンフィルムの面を対向して重ね合わせ、しかる後、その周辺の端部を合掌貼りシール(ピローシール)し、ついで底部シ−ルしてシール部を形成するとともに上方に開口部を有する合掌貼りシール型の軟包装用袋を製造した。
上記で製造した合掌貼りシール型の軟包装用袋内に、その開口部から、窒素ガスを吹き込み後、ウィンナを充填包装し、しかる後、その開口部をヒートシールして上方シール部を形成してウィンナ包装体からなる包装製品を製造した。
しかる後、袋上部をバンドで結わえることにより巾着包装袋を製造した。
上記で製造したウィンナ包装体からなる包装製品は、酸素ガス、水蒸気等に対するバリア性に優れ、また、ラミネート強度等に優れ、市場における流通に耐え、かつ、貯蔵保存等に優れているものであった。
【0056】
実験例
上記の実施例1〜4で製造したウィンナ用包材にづいて、酸素透過度、水蒸気透過度、および、保存試験を実施した。
(1).酸素透過度の測定
これは、温度23℃、湿度90%RHの条件で、米国、モコン(MOCON)社製の測定機〔機種名、オクストラン(OXTRAN)〕にて測定した。
(2).水蒸気透過度の測定
これは、温度40℃、湿度90%RHの条件で、米国、モコン(MOCON)社製の測定機〔機種名、パ−マトラン(PERMATRAN)〕にて測定した。
(3).保存試験
これは、ウィンナを充填したウィンナ包装体を温度40℃、湿度90%RHの条件で、一週間保存後外観の変化を観察した。
【0057】
(表1)
上記の表1において、酸素透過度の単位は、〔cc/m2 /day・23℃ 90%RH〕であり、水蒸気透過度の単位は、〔g/m2 /day・40℃・100%RH〕である。
【0058】
上記の表1に示す測定結果より明らかなように、本発明にかかるウィンナ用包材は、酸素バリア性、および、水蒸気バリア性等に優れ、また、保存試験においても優れているものであり、ウィンナ用包装材料として十分に使用に耐え得るものであった。
【0059】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明は、バリア性素材として、基材フィルムの一方の面に、酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜を設けた構成からなるバリア性フィルムに着目し、まず、該バリア性フィルムを構成する酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜の上に、更に、少なくとも、プライマー剤層、溶融押出樹脂層またはラミネ−ト用接着剤層等からなる接着剤層、および、ヒートシール性樹脂層を順次に積層して積層材を製造し、而して、該積層材をウィンナ用包材として使用し、まず、該ウィンナ用包材を構成する積層材を、そのヒートシール性樹脂層の面を対向させて重ね合わせ、次いで、その外周周辺の端部をヒ−トシ−ルしてシ−ル層を形成し、例えば、二方ないし三方シール型、または、自立性型もしくはカゼット型等のプラスチック製軟包装用袋等からなる袋状容器本体を製造し、次に、上記の袋状容器本体の一辺の開口部から、ウィンナを数個ないし十数個充填し、しかる後、上記の開口部をヒ−トシール等により密閉してウィンナを充填包装した包装体を製造して、強度等を有し、かつ、耐熱性、防湿性、ヒートシール性、耐ピンホール性、耐突き刺し性、透明性等に優れ、更に、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するバリア性に優れ、その内容物の充填包装適性、保存適性等を有し、更にまた、使用後に焼却廃棄処理する際に有害物質等を発生することなく、廃棄処理適性、環境適性等に極めて優れたウィンナ用包材およびそれを使用したウィンナ充填包装用袋を製造し得ることができるというものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるウィンナ用包材についてその一例の層構成の概略を示す概略的断面図である。
【図2】本発明にかかるウィンナ用包材についてその一例の層構成の概略を示す概略的断面図である。
【図3】図1に示す本発明にかかるウィンナ用包材を使用して製袋してなる軟包装用袋からなる本発明にかかるウィンナ充填包装用袋についてその一例を示す概略的斜視図である。
【図4】図3に示す本発明にかかるウィンナ用包材を使用して製袋してなる軟包装用袋からなる本発明にかかるウィンナ充填包装用袋にウィンナを充填包装したウィンナ包装体についてその一例を示す概略的斜視図である。
【図5】低温プラズマ化学蒸着装置の一例を示す概略的構成図である。
【図6】巻き取り式真空蒸着装置の一例を示す概略的構成図である。
【符号の説明】
A ウィンナ用包材
A1 ウィンナ用包材
B ウィンナ充填包装用袋
C ウィンナ包装体
1 基材フィルム
2 無機酸化物の蒸着膜
3 プライマー剤層
4 接着剤層
5 ヒートシール性樹脂層
6 樹脂のフィルム
11 縦シール部
12 底部シ−ル部
13 開口部
14 軟包装用袋
15 ウィンナ
16 上方シ−ル部
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウィンナ用包材およびそれを使用したウィンナ充填包装用袋に関し、更に詳しくは、強度等を有し、かつ、耐熱性、防湿性、ヒートシール性、耐ピンホール性、耐突き刺し性、透明性等に優れ、更に、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するバリア性に優れ、その内容物の充填包装適性、保存適性等を有し、また、使用後に焼却廃棄処理する際に有害物質等を発生することなく、廃棄処理適性、環境適性等に極めて優れたウィンナ用包材およびそれを使用したウィンナ充填包装用袋に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ウィンナは、通常、その数個ないし十数個のウィンナを、軟包装用袋内に充填包装して包装製品を製造している。
而して、上記のウィンナを充填包装する包装用材料としては、防湿性等に優れ、特に、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するガスバリア性に優れていることが必要であるとされ、通常、ポリ塩化ビニリデン系樹脂の単層フィルムを使用して積層した積層材、ポリ塩化ビニリデン系樹脂を使用した共押出フィルム等を使用して積層した積層材、あるいは、ポリ塩化ビニリデン系樹脂組成物によるコートフィルムを使用して積層した積層材等が使用され、これらを製袋して、種々の形態からなるウィンナを充填包装する軟包装用袋が製造されている(例えば、特許文献1参照。)。
その他、バリア性素材として、エチレンービニルアルコール共重合体フィルムを使用し、これを他のプラスチックフィルム等と積層して積層材を製造し、次いで、これを製袋して、種々の形態からなるウィンナを充填包装する軟包装用袋も製造されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特公昭6−52786号公報
【特許文献1】
特開平6−340044号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように、バリア性素材として、ポリ塩化ビニリデン系樹脂を使用したウィンナを充填包装する軟包装用袋においては、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するガスバリア性において、所期の効果を有するものであるが、軟包装用袋を包装用容器として使用後、これをゴミとして廃棄処理する場合、例えば、焼却処理等により廃棄処理すると、塩素原子を含有していることから、焼却廃棄時に、例えば、ダイオキシン等の有毒ガス等を発生する原因となり、人体等への影響が懸念されるために、廃棄処理適性に欠けると共に環境破壊等の問題を引き起し、環境適性等にも欠けるという問題点がある。
また、バリア性素材として、上記のエチレンービニルアルコール共重合体フィルムを使用したウィンナを充填包装する軟包装用袋においては、絶乾状態においては、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するガスバリア性において、所期の効果を有するものの、湿潤状態においては、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するガスバリア性は、著しく低下し、もはや、その使用に耐え得ないものであるという問題点がある。
そこで本発明は、強度等を有し、かつ、耐熱性、防湿性、ヒートシール性、耐ピンホール性、耐突き刺し性、透明性等に優れ、更に、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するバリア性に優れ、その内容物の充填包装適性、保存適性等を有し、更にまた、使用後に焼却廃棄処理する際に有害物質等を発生することなく、廃棄処理適性、環境適性等に極めて優れたウィンナ用包材およびそれを使用したウィンナ充填包装用袋を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記のような問題点を解決すべく種々研究した結果、バリア性素材として、基材フィルムの一方の面に、酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜を設けた構成からなるバリア性フィルムに着目し、まず、該バリア性フィルムを構成する酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜の上に、更に、少なくとも、プライマー剤層、溶融押出樹脂層またはラミネ−ト用接着剤層等からなる接着剤層、および、ヒートシール性樹脂層を順次に積層して積層材を製造し、而して、該積層材をウィンナ用包材として使用し、まず、該ウィンナ用包材を構成する積層材を、そのヒートシール性樹脂層の面を対向させて重ね合わせ、次いで、その外周周辺の端部をヒ−トシ−ルしてシ−ル層を形成し、例えば、二方ないし三方シール型、または、自立性型もしくはカゼット型等のプラスチック製軟包装用袋等からなる袋状容器本体を製造し、次に、上記の袋状容器本体の一辺の開口部から、ウィンナを数個ないし十数個充填し、しかる後、上記の開口部をヒ−トシール等により密閉してウィンナを充填包装した包装体を製造したところ、強度等を有し、かつ、耐熱性、防湿性、ヒートシール性、耐ピンホール性、耐突き刺し性、透明性等に優れ、更に、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するバリア性に優れ、その内容物の充填包装適性、保存適性等を有し、更にまた、使用後に焼却廃棄処理する際に有害物質等を発生することなく、廃棄処理適性、環境適性等に極めて優れたウィンナ用包材およびそれを使用したウィンナ充填包装用袋を製造し得ることを見出して本発明を完成したものである。
【0006】
すなわち、本発明は、基材フィルムの一方の面に、無機酸化物の蒸着膜を設け、更に、該無機酸化物の蒸着膜の上に、少なくとも、プライマー剤層、接着剤層およびヒートシール性樹脂層を順次に積層したことを特徴とするウィンナ用包材およびそれを使用したウィンナ充填包装用袋に関するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
上記の本発明ににかかるウィンナ用包材およびそれを使用したウィンナ充填包装用袋について以下に図面等を用いて更に詳しく説明する。
図1および図2は、本発明にかかるウィンナ用包材についてその層構成の一二例を示す概略的断面図であり、図3は、図1に示す本発明にかかるウィンナ用包材を使用して製袋してなる軟包装用袋等からなる本発明にかかるウィンナ充填包装用袋についてその一例を示す槻略的斜視図であり、図4は、図3に示すかる軟包装用袋等からなる本発明にかかるウィンナ充填包装用袋内にウィンナを充填包装したウィンナ包装体についてその一例を示す概略的斜視図である。
【0008】
まず、本発明にかかるウィンナ用包材Aは、図1に示すように、基材フィルム1の一方の面に、無機酸化物の蒸着膜2を設け、更に、該無機酸化物の蒸着膜2の上に、少なくとも、プライマー剤層3、接着剤層4およびヒートシール性樹脂層5を順次に積層した構成を基本構造とするものである。
而して、本発明にかかるウィンナ用包材について、別の例を挙げると、図2に示すように、上記の図1に示す本発明にかかるウィンナ用包材Aにおいて、接着剤層4とヒ−トシール性樹脂層5との間に、更に、強度を有し、耐突き刺し性に優れた樹脂のフィルム6を積層した構成からなる本発明にかかるウィンナ用包材A1 を例示することができる。
なお、上記の図2中、符号1、2、3等は、前述の図1に示す符号と同じ意味を表す。
上記の例示は、本発明にかかるウィンナ用包材についてその一二例を例示するものであり、本発明はこれによって限定されるものではない。
例えば、図示しないが、上記の本発明にかかるウィンナ用包材において、無機酸化膜の蒸着膜としては、同種ないし異種からなる2層以上の無機酸化物の蒸着膜を重層して構成することができるものである。
また、図示しないが、上記の本発明にかかるウィンナ用包材においては、プライマ−剤層と接着剤層との間に、例えば、文字、図形、記号、絵柄、その他等からなる所望の印刷模様層を設けることができるものである。
更に、本発明においては、必要ならば、その包装目的、充填包装方式、貯蔵、保管、流通方式、その他等により、更に他の基材を任意に積層することができるものである。
【0009】
次に、本発明において、上記の本発明にかかるウィンナ用包材を使用して製袋した本発明にかかるウィンナ充填包装用袋およびそれにウィンナを充填包装したウィンナ包装体について上記の図1に示す本発明にかかるウィンナ用包材Aを使用する場合を例示して説明すると、まず、図3に示すように、例えば、上記の図1に示す本発明にかかるウィンナ用包材Aを使用し、該ウィンナ用包材Aを二つ折にしてそのヒートシール性樹脂層5、5の面を対向させて重ね合わせ、次いで、その外周周辺の端部をヒ−トシールして、縦シール部11、底部シ−ル部12等を形成すると共にその上方の端部に開口部13を形成して、例えば、ピロ−型の軟包装用袋14からなる本発明にかかるウィンナ充填包装用袋Bを製袋する。
次いで、本発明においては、図4に示すように、上記で製袋した図3に示すピロ−型の軟包装用袋14からなる本発明にかかるウィンナ充填包装用袋Bの開口部13からウィンナ15の所定の量、例えば、数個ないし十数個を充填し、しかる後、その開口部13をヒートシールして上方シール部16を形成し、その開口部13を密閉して、本発明にかかるウィンナ用包材Aを使用して製袋した本発明にかかるウィンナ充填包装用袋Bを使用し、これにウィンナ15を充填包装したウィンナ包装体Cを製造することができるものである。
【0010】
上記において、例えば、図示しないが、ウィンナ包装に特有な包装として、ウィンナを充填包装した包装用袋の上部をバンド等で結わえた巾着部を有する巾着包装体を製造することもできるものであり、而して、この場合においても、その巾着部のバリア性が劣化せずに、極めて良好なウィンナ包装体を製造し得ることができるものである。
また、上記において、ウィンナを充填包装する前に、本発明にかかるウィンナ充填包装用袋内を窒素ガス等の不活性ガスで置換し、その後ウィンナを充填包装してウィンナ包装体を製造することもができる。
上記の例示は、本発明にかかるウィンナ用包材を使用して製袋した本発明にかかるウィンナ充填包装用袋を使用し、これにウィンナを充填包装したウィンナ包装体についてその一例を例示するものであり、本発明はこれによって限定されるものではない。
例えば、本発明においては、図示しないが、上記の図2に示す本発明にかかるウィンナ用包材を使用し、上記と同様にして上記と同様に、本発明にかかるウィンナ用包材を使用して製袋した本発明にかかるウィンナ充填包装用袋、ウィンナ包装体等を製造することができるものである。
また、本発明においては、図示しないが、上記の軟包装用袋からなる本発明にかかるウィンナ充填包装用袋の形態としては、上記のようにピロ−型の軟包装用袋からなる本発明にかかるウィンナ充填包装用袋の代りに、例えば、二方シ−ル型、三方シール型、ガセットシール型、あるいは、自立性型、その他等の任意の形態からなる軟包装用袋からなる本発明にかかるウィンナ充填包装用袋を製袋することができ、また、これを使用して任意の形態からなるウィンナ包装体を製造することができるものである。
【0011】
次に、本発明において、上記の本発明にかかるウィンナ用包材、ウィンナ充填包装用袋等を構成する材料、その製造法等について説明すると、まず、本発明にかかるウィンナ用包材、ウィンナ充填包装用袋等を構成する基材フィルムとしては、これに無機酸化物の蒸着膜を設けることから、機械的、物理的、化学的、その他等において優れた性質を有し、特に、強度を有して強靱であり、かつ、耐熱性を有する樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。
具体的には、本発明において、基材フィルムとしては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリルル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンナフタレ−ト等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリ−ルフタレ−ト系樹脂、シリコ−ン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエ−テルスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタ−ル系樹脂、セルロ−ス系樹脂、その他等の各種の樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。
なお、本発明においては、特に、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、または、ポリアミド系樹脂のフィルムないしシ−トを使用することが好ましいものである。
【0012】
本発明において、上記の各種の樹脂のフィルムないしシ−トとしては、例えば、上記の各種の樹脂の1種ないしそれ以上を使用し、押出法、キャスト成形法、Tダイ法、切削法、インフレ−ション法、その他等の製膜化法を用いて、上記の各種の樹脂を単独で製膜化する方法、あるいは、2種以上の各種の樹脂を使用して多層共押し出し製膜化する方法、更には、2種以上の樹脂を使用し、製膜化する前に混合して製膜化する方法等により、各種の樹脂のフィルムないしシ−トを製造し、更に、要すれば、例えば、テンタ−方式、あるいは、チュ−ブラ−方式等を利用して1軸ないし2軸方向に延伸してなる各種の樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。
本発明において、各種の樹脂のフィルムないしシ−トの膜厚としては、6〜100μm位、より好ましくは、9〜50μm位が望ましい。
【0013】
なお、上記の各種の樹脂の1種ないしそれ以上を使用し、その製膜化に際して、例えば、フィルムの加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度、その他等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤等を添加することができ、その添加量としては、極く微量から数十%まで、その目的に応じて、任意に添加することができる。
上記において、一般的な添加剤としては、例えば、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、帯電防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、染料、顔料等の着色剤、その他等を使用することができ、更には、改質用樹脂等も使用することがてきる。
【0014】
また、本発明において、上記の各種の樹脂のフィルムないしシ−トの表面には、後述する無機酸化物の蒸着膜との密接着性等を向上させるために、必要に応じて、予め、所望の表面処理層を設けることができるものである。
本発明において、上記の表面処理層としては、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス若しくは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロ−放電処理、化学薬品等を用いて処理する酸化処理、その他等の前処理を任意に施し、例えば、コロナ処理層、オゾン処理層、プラズマ処理層、酸化処理層、その他等を形成して設けることができる。
上記の表面前処理は、各種の樹脂のフィルムないしシ−トと後述する無機酸化物の蒸着膜との密接着性等を改善するための方法として実施するものであるが、上記の密接着性を改善する方法として、その他、例えば、各種の樹脂のフィルムないしシ−トの表面に、予め、プライマ−コ−ト剤層、アンダ−コ−ト剤層、アンカ−コ−ト剤層、接着剤層、あるいは、蒸着アンカ−コ−ト剤層等を任意に形成して、表面処理層とすることもできる。
上記の前処理のコ−ト剤層としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノ−ル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエチレンあるいはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂あるいはその共重合体ないし変性樹脂、セルロ−ス系樹脂、その他等をビヒクルの主成分とする樹脂組成物を使用することができる。
【0015】
次に、本発明において、本発明にかかるウィンナ用包材、ウィンナ充填包装用袋等を構成する無機酸化物の蒸着膜について説明すると、かかる無機酸化物の蒸着膜としては、例えば、化学気相成長法、または、物理気相成長法、あるいは、その両者を併用して、無機酸化物の蒸着膜の1層からなる単層膜あるいは2層以上からなる多層膜または複合膜を形成して製造することができるものである。
【0016】
本発明において、上記の化学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜について更に詳しく説明すると、かかる化学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜としては、例えば、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)等を用いて無機酸化物の蒸着膜を形成することができる。
本発明においては、具体的には、基材フィルムの一方の面に、有機珪素化合物等の蒸着用モノマ−ガスを原料とし、キャリヤ−ガスとして、アルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガスを使用し、更に、酸素供給ガスとして、酸素ガス等を使用し、低温プラズマ発生装置等を利用する低温プラズマ化学気相成長法を用いて酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成することができる。
上記において、低温プラズマ発生装置としては、例えば、高周波プラズマ、パルス波プラズマ、マイクロ波プラズマ等の発生装置を使用することがてき、而して、本発明においては、高活性の安定したプラズマを得るためには、高周波プラズマ方式による発生装置を使用することが望ましい。
【0017】
具体的に、上記の低温プラズマ化学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜の形成法についてその一例を例示して説明すると、図5は、上記のプラズマ化学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜の形成法についてその概要を示す低温プラズマ化学気相成長装置の概略的構成図である。
上記の図5に示すように、本発明においては、プラズマ化学気相成長装置21の真空チャンバ−22内に配置された巻き出しロ−ル23から基材フィルム1を繰り出し、更に、該基材フィルム1を、補助ロ−ル24を介して所定の速度で冷却・電極ドラム25周面上に搬送する。
而して、本発明においては、ガス供給装置26、27および、原料揮発供給装置28等から酸素ガス、不活性ガス、有機珪素化合物等の蒸着用モノマ−ガス、その他等を供給し、それらからなる蒸着用混合ガス組成物を調整しなから原料供給ノズル29を通して真空チャンバ−22内に該蒸着用混合ガス組成物を導入し、そして、上記の冷却・電極ドラム25周面上に搬送された基材フィルム1の上に、グロ−放電プラズマ30によってプラズマを発生させ、これを照射して、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を製膜化する。
本発明においては、その際に、冷却・電極ドラム25は、真空チャンバ−22の外に配置されている電源31から所定の電力が印加されており、また、冷却・電極ドラム25の近傍には、マグネット32を配置してプラズマの発生が促進されている。
次いで、上記で酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成した基材フィルム1は、補助ロ−ル33を介して巻き取りロ−ル34に巻き取って、本発明にかかるプラズマ化学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜を形成することができるものである。
なお、図中、35は、真空ポンプを表す。
上記の例示は、その一例を例示するものであり、これによって本発明は限定されるものではないことは言うまでもないことである。
図示しないが、本発明においては、無機酸化物の蒸着膜としては、無機酸化物の蒸着膜の1層だけではなく、2層あるいはそれ以上を積層した多層膜の状態でもよく、また、使用する材料も1種または2種以上の混合物で使用し、また、異種の材質で混合した無機酸化物の蒸着膜を構成することもできる。
【0018】
上記において、真空チャンバ−内を真空ポンプにより減圧し、真空度1×10−1〜1×10−8Torr位、好ましくは、真空度1×10−3〜1×10−7Torr位に調製することが望ましいものである。
また、原料揮発供給装置においては、原料である有機珪素化合物を揮発させ、ガス供給装置から供給される酸素ガス、不活性ガス等と混合させ、この混合ガスを原料供給ノズルを介して真空チャンバ−内に導入されるものである。
この場合、混合ガス中の有機珪素化合物の含有量は、1〜40%位、酸素ガスの含有量は、10〜70%位、不活性ガスの含有量は、10〜60%位の範囲とすることができ、例えば、有機珪素化合物と酸素ガスと不活性ガスとの混合比を1:6:5〜1:17:14程度とすることができる。
一方、冷却・電極ドラムには、電源から所定の電圧が印加されているため、真空チャンバ−内の原料供給ノズルの開口部と冷却・電極ドラムとの近傍でグロ−放電プラズマが生成され、このグロ−放電プラズマは、混合ガスなかの1つ以上のガス成分から導出されるものであり、この状態において、基材フィルムを一定速度で搬送させ、グロ−放電プラブマによって、冷却・電極ドラム周面上の基材フィルムの上に、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成することができるものである。
なお、このときの真空チャンバ−内の真空度は、1×10−1〜1×10−4Torr位、好ましくは、真空度1×10−1〜1×10−2Torr位に調製することが望ましく、また、基材フィルムの搬送速度は、10〜300m/分位、好ましくは、50〜150m/分位に調製することが望ましいものである。
【0019】
また、上記のプラズマ化学気相成長装置において、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜の形成は、基材フィルムの上に、プラズマ化した原料ガスを酸素ガスで酸化しながらSiOX の形で薄膜状に形成されるので、当該形成される酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜は、緻密で、隙間の少ない、可撓性に富む連続層となるものであり、従って、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜のバリア性は、従来の真空蒸着法等によって形成される酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜と比較してはるかに高いものとなり、薄い膜厚で十分なバリア性を得ることができるものである。
また、本発明においては、SiOX プラズマにより基材フィルムの表面が、清浄化され、基材フィルムの表面に、極性基やフリ−ラジカル等が発生するので、形成される酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜と基材フィルムとの密接着性が高いものとなるという利点を有するものである。
更に、上記のように酸化珪素等の無機酸化物の連続膜の形成時の真空度は、1×10−1〜1×10−4Torr位、好ましくは、1×10−1〜1×10−2Torr位に調製することから、従来の真空蒸着法により酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成する時の真空度、1×10−4〜1×10−5Torr位に比較して低真空度であることから、基材フィルムを原反交換時の真空状態設定時間を短くすることができ、真空度を安定しやすく、製膜プロセスが安定するものである。
【0020】
本発明において、有機珪素化合物等の蒸着モノマ−ガスを使用して形成される酸化珪素の蒸着膜は、有機珪素化合物等の蒸着モノマ−ガスと酸素ガス等とが化学反応し、その反応生成物が、基材フィルムの一方の面に密接着し、緻密な、柔軟性等に富む薄膜を形成するものであり、通常、一般式SiOX (ただし、Xは、0〜2の数を表す)で表される酸化珪素を主体とする連続状の薄膜である。
而して、上記の酸化珪素の蒸着膜としては、透明性、バリア性等の点から、一般式SiOX (ただし、Xは、1.3〜1.9の数を表す。)で表される酸化珪素の蒸着膜を主体とする薄膜であることが好ましいものである。
上記において、Xの値は、蒸着モノマ−ガスと酸素ガスのモル比、プラズマのエネルギ−等により変化するが、一般的に、Xの値が小さくなればガス透過度は小さくなるが、膜自身が黄色性を帯び、透明性が悪くなる。
【0021】
また、上記の酸化珪素の蒸着膜は、酸化珪素を主体とし、これに、更に、炭素、水素、珪素または酸素の1種類、または、その2種類以上の元素からなる化合物を少なくとも1種類を化学結合等により含有する蒸着膜からなることを特徴とするものである。
例えば、C−H結合を有する化合物、Si−H結合を有する化合物、または、炭素単位がグラファイト状、ダイヤモンド状、フラ−レン状等になっている場合、更に、原料の有機珪素化合物やそれらの誘導体を化学結合等によって含有する場合があるものである。
具体例を挙げると、CH3 部位を持つハイドロカ−ボン、SiH3 シリル、SiH2 シリレン等のハイドロシリカ、SiH2 OHシラノ−ル等の水酸基誘導体等を挙げることができる。
上記以外でも、蒸着過程の条件等を変化させることにより、酸化珪素の蒸着膜中に含有される化合物の種類、量等を変化させることができる。
而して、上記の化合物が、酸化珪素の蒸着膜中に含有する含有量としては、0.1〜50%位、好ましくは、5〜20%位が望ましいものである。
上記において、含有率が、0.1%未満であると、酸化珪素の蒸着膜の耐衝撃性、延展性、柔軟性等が不十分となり、曲げなとにより、擦り傷、クラック等が発生し易く、高いバリア性を安定して維持することが困難になり、また、50%を越えると、バリア性が低下して好ましくないものである。
更に、本発明においては、酸化珪素の蒸着膜において、上記の化合物の含有量が、酸化珪素の蒸着膜の表面から深さ方向に向かって減少させることが好ましく、これにより、酸化珪素の蒸着膜の表面においては、上記の化合物等により耐衝撃性等を高められ、他方、基材フィルムとの界面においては、上記の化合物の含有量が少ないために、基材フィルムと酸化珪素の蒸着膜との密接着性が強固なものとなるという利点を有するものである。
【0022】
而して、本発明において、上記の酸化珪素の蒸着膜について、例えば、X線光電子分光装置(Xray Photoelectron Spectroscopy、XPS)、二次イオン質量分析装置(Secondary Ion Mass Spectroscopy、SIMS)等の表面分析装置を用い、深さ方向にイオンエッチングする等して分析する方法を利用して、酸化珪素の蒸着膜の元素分析を行うことより、上記のような物性を確認することができる。
また、本発明において、上記の酸化珪素の蒸着膜の膜厚としては、膜厚50Å〜4000Å位であることが望ましく、具体的には、その膜厚としては、100〜1000Å位が望ましく、而して、上記において、1000Å、更には、4000Åより厚くなると、その膜にクラック等が発生し易くなるので好ましくなく、また、100Å、更には、50Å未満であると、バリア性の効果を奏することが困難になることから好ましくないものである。
上記のおいて、その膜厚は、例えば、株式会社理学製の蛍光X線分析装置(機種名、RIX2000型)を用いて、ファンダメンタルパラメ−タ−法で測定することができる。
また、上記において、上記の酸化珪素の蒸着膜の膜厚を変更する手段としては、蒸着膜の体積速度を大きくすること、すなわち、モノマ−ガスと酸素ガス量を多くする方法や蒸着する速度を遅くする方法等によって行うことができる。
【0023】
次に、上記において、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成する有機珪素化合物等の蒸着用モノマ−ガスとしては、例えば、1.1.3.3−テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ビニルトリメチルシラン、メチルトリメチルシラン、ヘキサメチルジシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、ジエチルシラン、プロピルシラン、フェニルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、その他等を使用することができる。
本発明において、上記のような有機珪素化合物の中でも、1.1.3.3−テトラメチルジシロキサン、または、ヘキサメチルジシロキサンを原料として使用することが、その取り扱い性、形成された連続膜の特性等から、特に、好ましい原料である。
また、上記において、不活性ガスとしては、例えば、アルゴンガス、ヘリウムガス等を使用することができる。
【0024】
本発明において、上記の物理気相成長法による無機酸化物の蒸着膜について更に詳しく説明すると、かかる物理気相成長法による無機酸化物の蒸着膜としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレ−ティング法、イオンクラスタ−ビ−ム法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法、PVD法)を用いて無機酸化物の蒸着膜を形成することができる。
本発明において、具体的には、金属の酸化物を原料とし、これを加熱して蒸気化し、これを基材フィルムの一方の上に蒸着する真空蒸着法、または、原料として金属または金属の酸化物を使用し、酸素を導入して酸化させて基材フィルムの一方の上に蒸着する酸化反応蒸着法、更に酸化反応をプラズマで助成するプラズマ助成式の酸化反応蒸着法等を用いて蒸着膜を形成することができる。
上記において、蒸着材料の加熱方式としては、例えば、抵抗加熱方式、高周波誘導加熱方式、エレクトロンビ−ム加熱方式(EB)等にて行うことができる。
【0025】
本発明において、物理気相成長法による無機酸化物の薄膜膜を形成する方法について、その具体例を挙げると、図6は、巻き取り式真空蒸着装置の一例を示す概略的構成図である。
図6に示すように、巻き取り式真空蒸着装置41の真空チャンバ−42の中で、巻き出しロ−ル43から繰り出す基材フィルム1は、ガイドロ−ル44、45を介して、冷却したコ−ティングドラム46に案内される。
而して、上記の冷却したコ−ティングドラム46上に案内された基材フィルム1の上に、るつぼ47で熱せられた蒸着源48、例えば、金属アルミニウム、あるいは、酸化アルミニウム等を蒸発させ、更に、必要ならば、酸素ガス吹出口49より酸素ガス等を噴出し、これを供給しながら、マスク50、50を介して、例えば、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜を成膜化し、次いで、上記において、例えば、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜を形成した基材フィルム1を、ガイドロ−ル51、52を介して送り出し、巻き取りロ−ル53に巻き取ることによって、本発明にかかる物理気相成長法による無機酸化物の蒸着膜を形成することができる。
なお、本発明においては、上記のような巻き取り式真空蒸着装置を用いて、まず、第1層の無機酸化物の蒸着膜を形成し、次いで、同様にして、該無機酸化物の蒸着膜の上に、更に、無機酸化物の蒸着膜を形成するか、あるいは、上記のような巻き取り式真空蒸着装置を用いて、これを2連に連接し、連続的に、無機酸化物の蒸着膜を形成することにより、2層以上の多層膜からなる無機酸化物の蒸着膜を形成することができる。
【0026】
上記において、無機酸化物の蒸着膜としては、基本的に金属の酸化物を蒸着した薄膜であれば使用可能であり、例えば、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトリウム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)等の金属の酸化物の蒸着膜を使用することができる。
而して、好ましいものとしては、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)等の金属の酸化物の蒸着膜を挙げることができる。
而して、上記の金属の酸化物の蒸着膜は、ケイ素酸化物、アルミニウム酸化物、マグネシウム酸化物等のように金属酸化物として呼ぶことができ、その表記は、例えば、SiOX 、AlOX 、MgOX 等のようにMOX (ただし、式中、Mは、金属元素を表し、Xの値は、金属元素によってそれぞれ範囲がことなる。)で表される。
また、上記のXの値の範囲としては、ケイ素(Si)は、0〜2、アルミニウム(Al)は、0〜1.5、マグネシウム(Mg)は、0〜1、カルシウム(Ca)は、0〜1、カリウム(K)は、0〜0.5、スズ(Sn)は、0〜2、ナトリウム(Na)は、0〜0.5、ホウ素(B)は、0〜1、5、チタン(Ti)は、0〜2、鉛(Pb)は、0〜1、ジルコニウム(Zr)は0〜2、イットリウム(Y)は、0〜1.5の範囲の値をとることができる。
上記において、X=0の場合、完全な金属であり、透明ではなく全く使用することができない、また、Xの範囲の上限は、完全に酸化した値である。
本発明において、一般的に、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)以外は、使用される例に乏しく、ケイ素(Si)は、1.0〜2.0、アルミニウム(Al)は、0.5〜1.5の範囲の値のものを使用することができる。
本発明において、上記のような無機酸化物の蒸着膜の膜厚としては、使用する金属、または金属の酸化物の種類等によって異なるが、例えば、50〜2000Å位、好ましくは、100〜1000Å位の範囲内で任意に選択して形成することが望ましい。
また、本発明においては、無機酸化物の蒸着膜としては、使用する金属、または金属の酸化物としては、1種または2種以上の混合物で使用し、異種の材質で混合した無機酸化物の蒸着膜を構成することもできる。
【0027】
ところで、本発明において、本発明にかかる積層材、包装用袋等を構成する無機酸化物の蒸着膜として、例えば、物理気相成長法と化学気相成長法の両者を併用して異種の無機酸化物の蒸着膜の2層以上からなる複合膜を形成して使用することもできるものである。
而して、上記の異種の無機酸化物の蒸着膜の2層以上からなる複合膜としては、まず、基材フィルムの上に、化学気相成長法により、緻密で、柔軟性に富み、比較的にクラックの発生を防止し得る無機酸化物の蒸着膜を設け、次いで、該無機酸化物の蒸着膜の上に、物理気相成長法による無機酸化物の蒸着膜を設けて、2層以上からなる複合膜からなる無機酸化物の蒸着膜を構成することが望ましいものである。
勿論、本発明においては、上記とは逆くに、基材フィルムの上に、先に、物理気相成長法により、無機酸化物の蒸着膜を設け、次に、化学気相成長法により、緻密で、柔軟性に富み、比較的にクラックの発生を防止し得る無機酸化物の蒸着膜を設けて、2層以上からなる複合膜からなる無機酸化物の蒸着膜を構成することもできるものである。
【0028】
次に、本発明において、本発明にかかるウィンナ用包材、ウィンナ充填包装用袋等を構成するプライマー剤層について説明すると、かかるプライマー剤層としては、まず、ポリウレタン系樹脂またはポリエステル系樹脂をビヒクルの主成分とし、該ポリウレタン系樹脂またはポリエステル系樹脂1〜30重量%に対し、シランカップリング剤0.05〜10重量%位、好ましくは、0.1重量%〜5重量%位、充填剤0.1〜20重量%位、好ましくは、1〜10重量%位の割合で添加し、更に、必要ならば、安定剤、硬化剤、架橋剤、滑剤、紫外線吸収剤、その他等の添加剤を任意に添加し、溶媒、希釈剤等を加えて充分に混合して樹脂組成物を調製する。
而して、上記で調製した樹脂組成物を使用し、これを、例えば、ロ−ルコ−ト、グラビアコ−ト、ナイフコ−ト、デップコ−ト、スプレイコ−ト、その他のコ−ティング法等により、前述の基材フィルムの一方の面に設けた無機酸化物の蒸着膜の上にコ−ティングし、しかる後、コ−ティング膜を乾燥させて溶媒、希釈剤等を除去し、更に、要すれば、エ−ジング処理等を行って、本発明にかかるプライマ−剤層を形成することができる。
なお、本発明において、プライマ−剤層の膜厚としては、例えば、0.1g/m2 〜2.0g/m2 (乾燥状態)位が望ましい。
而して、本発明においては、上記のようなプライマ−剤層により、無機酸化物の蒸着膜と接着剤層、印刷模様層、ヒ−トシ−ル製樹脂層等との密接着性等を向上させると共にプライマ−剤層の伸長度を向上させ、例えば、ラミネ−ト加工、あるいは、製函加工等の後加工適性を向上させ、後加工時における無機酸化物の蒸着膜のクラック等の発生を防止するものである。
【0029】
上記において、樹脂組成物を構成するポリウレタン系樹脂としては、例えば、多官能イソシアネ−トとヒドロキシル基含有化合物との反応により得られるポリウレタン系樹脂を使用することができる。
具体的には、例えば、トリレンジイソシアナ−ト、ジフェニルメタンジイソシアナ−ト、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアナ−ト等の芳香族ポリイソシアナ−ト、あるいは、ヘキサメチレンジイソシアナ−ト、キシリレンジイソシアナ−ト等の脂肪族ポリイソシアナ−ト等の多官能イソシアネ−トと、ポリエ−テルポリオ−ル、ポリエステルポリオ−ル、ポリアクリレ−トポリオ−ル、その他等のヒドロキシル基含有化合物との反応により得られる一液ないし二液硬化型のポリウレタン系樹脂を使用することができる。
而して、本発明において、上記のようなポリウレタン系樹脂を使用することにより、無機酸化物の蒸着膜と接着剤層、印刷模様層、ヒ−トシ−ル性樹脂層等との密接着性等を向上させると共にプライマ−剤層の伸長度を向上させ、例えば、ラミネ−ト加工、あるいは、製函加工等の後加工適性を向上させ、後加工時における無機酸化物の蒸着膜のクラック等の発生を防止するものである。
【0030】
また、上記において、樹脂組成物を構成するポリエステル系樹脂としては、例えば、例えば、テレフタル酸等のベンゼン核を基本骨格とする芳香族飽和ジカルボン酸の一種またはそれ以上と、飽和二価アルコ−ルの一種またはそれ以上との重縮合により生成する熱可塑性のポリエステル系樹脂を使用することができる。
上記において、ベンゼン核を基本骨格とする芳香族飽和ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ジフェニルエ−テル−4、4−ジカルボン酸、その他等を使用することができる。
また、上記において、飽和二価アルコ−ルとしては、エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、トリメチレングリコ−ル、テトラメチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、ポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル、ヘキサメチレングリコ−ル、ドデカメチレングリコ−ル、ネオペンチルグリコ−ル等の脂肪族グリコ−ル、シクロヘキサンジメタノ−ル等の脂環族グリコ−ル、2.2−ビス(4′−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ナフタレンジオ−ル、その他の芳香族ジオ−等を使用することができる。
【0031】
本発明において、ポリエステル系樹脂としては、具体的には、例えば、テレフタル酸とエチレングリコ−ルとの重縮合により生成する熱可塑性ポリエチレンテレフタレ−ト樹脂、テレフタル酸とテトラメチレングリコ−ルとの重縮合により生成する熱可塑性ポリブチレンテレフタレ−ト樹脂、テレフタル酸と1、4−シクロヘキサンジメタノ−ルとの重縮合により生成する熱可塑性ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレ−ト樹脂、テレフタル酸とイソフタル酸とエチレングリコ−ルとの共重縮合により生成する熱可塑性ポリエチレンテレフタレ−ト樹脂、テレフタル酸とエチレングリコ−ルと1、4−シクロヘキサンジメタノ−ルとの共重縮合により生成する熱可塑性ポリエチレンテレフタレ−ト樹脂、テレフタル酸とイソフタル酸とエチレングリコ−ルとプロピレングリコ−ルとの共重縮合により生成する熱可塑性ポリエチレンテレフタレ−ト樹脂、ポリエステルポリオ−ル樹脂、その他等を使用することができる。
なお、本発明においては、上記のようなベンゼン核を基本骨格とする飽和芳香族ジカルボン酸に、更に、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン酸等の脂肪族飽和ジカルボン酸の一種ないしそれ以上を添加して共重縮合することもでき、その使用量としては、ベンゼン核を基本骨格とする芳香族飽和ジカルボン酸に対し、1〜10重量%位を添加して使用することが好ましい。
而して、本発明において、上記のようなポリエステル系樹脂を使用することにより、無機酸化物の蒸着膜と接着剤層、印刷模様層、ヒ−トシ−ル製樹脂層等との密接着性等を向上させると共にプライマ−剤層の伸長度を向上させ、例えば、ラミネ−ト加工、あるいは、製函加工等の後加工適性を向上させ、後加工時における無機酸化物の蒸着膜のクラック等の発生を防止するものである。
【0032】
次にまた、上記において、樹脂組成物を構成するシランカップリング剤としては、二元反応性を有する有機官能性シランモノマ−類を使用することができ、例えば、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルシリコ−ンの水溶液等の1種ないしそれ以上を使用することができる。
【0033】
上記のようなシランカップリング剤は、その分子の一端にある官能基、通常、クロロ、アルコキシ、または、アセトキシ基等が加水分解し、シラノ−ル基(SiOH)を形成し、これが、無機酸化物の蒸着膜を構成する金属、あるいは、無機酸化物の蒸着膜の表面上の活性な基、例えば、水酸基等の官能基と何らかの作用により、例えば、脱水縮合反応等の反応を起こして、無機酸化物の蒸着膜の表面上にシランカップリング剤が共有結合等で修飾され、更に、シラノ−ル基自体の無機酸化物の蒸着膜の表面に吸着や水素結合等により強固な結合を形成する。
他方、シランカップリング剤の他端にあるビニル、メタクリロキシ、アミノ、エポキシ、あるいは、メルカプト等の有機官能基が、そのシランカップリング剤の薄膜の上に形成される、例えば、接着剤層、印刷模様層、ヒ−トシ−ル性樹脂層、その他の層等を構成する物質と反応して強固な結合を形成し、更に、上記の接着剤層等を介して、ヒ−トシ−ル性樹脂層等が強固に密接着して、そのラミネ−ト強度を高め、このようにして、本発明においては、ラミネ−ト強度の高い強固な積層構造を形成可能とするものである。
本発明においては、シランカップリング剤が有する無機性と有機性とを利用し、無機酸化物の蒸着膜と、接着剤層、その他等の層を介して、ヒ−トシ−ル性樹脂層、その他等との密接着性を向上させ、これにより、そのラミネ−ト強度等を高めるものである。
【0034】
次に、本発明において、上記の樹脂組成物を構成する充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナホワイト、シリカ、タルク、ガラスフリット、樹脂粉末、その他等のものを使用することができる。
而して、上記の充填剤は、樹脂組成物液の粘度等を調製し、そのコ−ティング適性を向上させると共にバインダ−樹脂としてのポリウレタン系樹脂またはポリエステル系樹脂とシランカップリング剤を介して結合し、コ−ティング膜の凝集力を向上させるものである。
【0035】
なお、本発明においては、上記のプライマ−剤層としては、上記のポリウレタン系樹脂またはボリエステル系樹脂をビヒクルの主成分とする樹脂組成物によるコ−ティング膜からなるプライマ−剤層の他に、更に、例えば、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノ−ル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエチレンアルイハポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂あるいはその共重合体ないし変性樹脂、セルロ−ス系樹脂、その他等をビヒクルの主成分とする樹脂組成物を使用してプライマ−剤層を形成することができる。
なお、本発明においては、例えば、ロ−ルコ−ト、グラビアロ−ルコ−ト、キスコ−ト、その他等のコ−ティング法を用いてコ−ティングしてプライマ−コ−ト剤層を形成することができ、而して、そのコ−ティング量としては、0.1〜10g/m2 (乾燥状態)位が望ましい。
而して、本発明において、プライマ−剤層としては、上記のポリウレン系樹脂またはポリエステル系樹脂をビヒクルの主成分とする樹脂組成物によるプライマ−剤層を使用することが最も有効なものである。
【0036】
次に、本発明において、本発明にかかるウィンナ用包材、ウィンナ充填包装用袋等を構成する接着剤層について説明すると、かかる接着剤層としては、例えば溶融押出樹脂層またはラミネ−ト用接着剤層等からなるものである。
上記の溶融押出樹脂層としては、熱によって溶融し、Tダイ等から押出可能な熱可塑性樹脂、具体的には、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、メタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体、ポリプロピレ、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマ−、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、フマ−ル酸、その他等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂、その他等のヒ−トシ−ル性樹脂の1種ないし2種以上を使用し、これをTダイ押出機等を用いて、上記のプライマ−剤層の上に溶融押出して形成することができる。
その膜厚としては、無機酸化物の蒸着膜等に与えるダメ−ジ等を考慮して、約2〜100μm位が好ましいものである。
【0037】
次にまた、上記のラミネ−ト用接着剤層を構成するラミネ−ト用接着剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル系接着剤、アクリル酸のエチル、ブチル、2−エチルヘキシルエステル等のホモポリマ−、あるいは、これらとメタクリル酸メチル、アクリロニトリル、スチレン等との共重合体等からなるポリアクリル酸エステル系接着剤、シアノアクリレ−ト系接着剤、エチレンと酢酸ビニル、アクリル酸エチル、アクリル酸、メタクリル酸等のモノマ−との共重合体等からなるエチレン共重合体系接着剤、ポリエチレン系樹脂あるいはポリプロピレン系樹脂等からなるポリオレフィン系接着剤、セルロ−ス系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリイミド系接着剤、尿素樹脂またはメラミン樹脂等からなるアミノ樹脂系接着剤、フェノ−ル樹脂系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤、反応型(メタ)アクリル系接着剤、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレンゴム等からなるゴム系接着剤、シリコ−ン系接着剤、アルカリ金属シリケ−ト、低融点ガラス等からなる無機系接着剤、その他等の接着剤を使用することがてきる。
上記の接着剤の組成系は、水性型、溶液型、エマルジョン型、分散型等のいずれの組成物形態でもよく、また、その性状は、フィルム・シ−ト状、粉末状、固形状等のいずれの形態でもよく、更に、接着機構については、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型等のいずれの形態でもよいものである。
而して、上記の接着剤は、例えば、ロ−ルコ−ト法、グラビアロ−ルコ−ト法、キスコ−ト法、その他等のコ−ト法、あるいは、印刷法等によって、ラミネ−ト用接着剤層を形成することができ、そのコ−ティング量としては、0.1〜10g/m2 (乾燥状態)位が望ましい。
【0038】
なお、上記の溶融押出樹脂層を使用する場合、より強固な接着強度を得るために、例えば、アンカ−コ−ト剤等の接着助剤等を使用し、そのアンカ−コ−ト剤層を介して、積層することができる。
上記のアンカ−コ−ト剤としては、例えば、アルキルチタネ−ト等の有機チタン系、イソシアネ−ト系、ポリエチレンイミン系、ポリプタジエン系、その他等の水性ないし油性の各種のアンカ−コ−ト剤を使用することができる。
上記のアンカ−コ−ト剤は、例えば、ロ−ルコ−ト、グラビアロ−ルコ−ト、キスコ−ト、その他等のコ−ティング法を用いてコ−ティングすることができ、そのコ−ティング量としては、0.1〜5g/m2 (乾燥状態)位が望ましい。
【0039】
次に、本発明において、本発明にかかるウィンナ用包材、ウィンナ充填包装用袋等を構成するヒ−トシ−ル性樹脂層について説明すると、かかるヒ−トシ−ル性樹脂層としては、熱によって溶融し相互に融着し得る熱可塑性樹脂、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、メタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体、ポリプロピレ、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマ−、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、フマ−ル酸、その他等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂、その他等の1種ないし2種以上を使用し、それを製膜化してなる単層ないし多層のフィルムないしシ−トを使用し、これを、前述の溶融押出樹脂層あるいはラミネ−ト用接着剤からなる接着剤層を介して積層して、ヒ−トシ−ル性樹脂層を形成することができる。
而して、本発明においては、上記のヒ−トシ−ル性樹脂層の厚さとしては、熱によって溶融し相互に融着し得る必要最低限の厚さであればよく、厚すぎると、薄層化、減量化等の目的を達成することが困難になり、更には、コストを上昇するとい欠点もあり、逆に、薄すぎると、上記のヒ−トシ−ル性能等が低下し、製袋等に支障をきたすことがあるので好ましくないものである。
本発明においては、上記のような理由から、樹脂のフィルムないしシ−トの膜厚としては、約10μm〜110μmの範囲内位が最も望ましいものである。
【0040】
ところで、本発明においては、上記のような樹脂のフィルムないしシートの中でも、特に、線状低密度ポリエチレンによる樹脂のフィルムないしシートを使用することが好ましいものである。
すなわち、上記の線状低密度ポリエチレンによる樹脂のフィルムないしシートは、粘着性を有することから破断の伝搬が少なく耐衝撃性を向上させるという利点があるものであり、また、内層は常時内容物に接触していることから、耐環境ストレスクラッキング性の劣化を防止するためにも有効なものである。
また、本発明においては、線状低密度ポリエチレンに、他の樹脂をブレンドすることもでき、例えば、エチレンープチン共重合体等をブレンドすることにより、若干、耐熱性に劣り高温環境下ではシール安定性が劣化する傾向があるものの、引き裂き性が向上し、易開封性に寄与するという利点がある。
【0041】′
更に、本発明において、上記のようなヒ一トシール性樹脂層を構成する樹脂のフィルムないしシートの中でも、更に、メタロセン触媒を用いて重合したエチレンーα・オレフイン共重合体のフィルムないしシートを同様に使用することが好ましいものである。
本発明において、前述のとおり、ヒ−トシ−ル性樹脂層としては、熱によって溶融し相互に融着し得る熱可塑性樹脂、具体的には、低密度ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂を使用して構成するものであるが、その場合には、低密度ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂層によるシ−ル温度が、320℃〜350℃位であり、極めて高いシ−ル温度を必要とするものである。
そのため、本発明においては、低温シ−ル性を有するメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体に着目し、それによるヒ−トシ−ル性樹脂層を形成すると、250℃〜300℃位の低温シ−ルを可能とし、ピンホ−ルの発生を防止し、シ−ル不良、液漏れ等を回避し得るという利点を有する。
更に、メタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体は、粘着性を有することから破断の伝搬が少なく耐衝撃性を向上させるという利点があるものであり、また、最内層は常時内容物に接触していることから、耐環境ストレスクラッキング性の劣化を防止するためにも有効なものである。
また、本発明においては、メタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体に他の樹脂をブレンドすることもでき、例えば、エチレン−ブテン共重合体等をブレンドすることにより、若干、耐熱性に劣り高温環境下ではシ−ル安定性が劣化する傾向があるものの、引き裂き性が向上し、易開封性に寄与するという利点がある。
本発明において、特に、メタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体層からなるヒ−トシ−ル性樹脂層を使用する場合には、低温ヒ−トシ−ル性が可能であるという利点を有するものである。
【0042】
上記のメタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体としては、例えば、二塩化ジルコノセンとメチルアルモキサンの組み合わせによる触媒等のメタロセン錯体とアルモキサンとの組み合わせによる触媒、すなわち、メタロセン触媒を使用して、エチレンとα・オレフィンとを共重合してなるエチレン−α・オレフィン共重合体を使用することができる。
上記のメタロセン触媒は、現行の触媒が、活性点が不均一でマルチサイト触媒と呼ばれているのに対し、活性点が均一であることからシングルサイト触媒とも呼ばれているものである(以下、メタロセン触媒は、シングルサイト触媒と同等の意味である。)。
具体的には、メタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体としては、三菱化学株式会社製の商品名「カ−ネル」、三井石油化学工業株式会社製の商品名「エボリュ−」、米国、エクソン・ケミカル(EXXON CHEMICAL)社製の商品名「エクザクト(EXACT)」、米国、ダウ・ケミカル(DOW CHEMICAL)社製の商品名「アフィニティ−(AFFINITY)、商品名「エンゲ−ジ(ENGAGE)」等のメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α−オレフィン共重合体を使用することができる。
而して、本発明において、上記のようなメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体層からなるヒ−トシ−ル性樹脂層の膜厚としては、10μmないし110μm位、好ましくは、20μmないし50μm位が望ましい。
【0043】
次に、本発明において、本発明にかかるウィンナ用包材、ウィンナ充填包装用袋等を構成する印刷模様層について説明すると、かかる印刷模様層としては、例えば、通常のインキビヒクルの1種ないし2種以上を主成分とし、これに、必要ならば、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、硬化剤、架橋剤、滑剤、帯電防止剤、充填剤、その他等の添加剤の1種ないし2種以上を任意に添加し、更に、染料・顔料等の着色剤を添加し、溶媒、希釈剤等で充分に混練してインキ組成物を調整し、次いで、該インキ組成物を使用し、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、スクリ−ン印刷、転写印刷、フレキソ印刷、その他等の印刷方式を使用し、上記の無機酸化物の蒸着膜の上に設けたプライマ−剤層の上に、例えば、文字、図形、記号、模様、その他等からなる所望の印刷模様を印刷して、本発明にかかる印刷模様層を形成することができるものである。
なお、本発明において、印刷模様層としては、上記のようなプライマ−剤層の上に設ける他に、本発明にかかるウィンナ用包材を構成するいずれかの基材に任意に設けることができるものである。
【0044】
上記において、インキビヒクルとしては、公知のもの、例えば、あまに油、きり油、大豆油、炭化水素油、ロジン、ロジンエステル、ロジン変性樹脂、シェラック、アルキッド樹脂、フェノ−ル系樹脂、マレイン酸樹脂、天然樹脂、炭化水素樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルブチラ−ル樹脂、アクリルまたはメタクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アミノアルキッド系樹脂、ニトロセルロ−ス、エチルセルロ−ス、塩化ゴム、環化ゴム、その他等の1種ないし2種以上を使用することができる。
【0045】
次に、本発明において、本発明にかかるウィンナ用包材、ウィンナ充填包装用袋等を構成する強度を有し、耐突き刺し性等に優れた樹脂のフィルムについて説明すると、かかる樹脂のフィルムとしては、機械的、物理的、化学的、その他等において優れた強度を有し、耐突き刺し性等に優れ、その他、耐熱性、防湿性、耐ピンホール性、透明性、その他等に優れた樹脂のフィルムないしシートを使用することができる。
具体的には、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアラミド系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、フッ素系樹脂、その他等の強靭な樹脂のフィルムないしシートを使用することができる。
而して、本発明においては、上記の樹脂のフィルムないしシートを使用し、これを、例えば、前述の溶融押出樹脂層あるいはラミネ−ト用接着剤層等からなる接着剤層を使用して、これを介して、溶融押出ラミネ−ト法あるいはドライラミネ−ト法等により、接着剤層とヒートシール性樹脂層との層間に積層することができるものである。
上記において、上記の樹脂のフィルムないしシートとしては、未延伸フィルム、あるいは、一軸方向または二軸方向に延伸した延伸フィルム等のいずれのものでも使用することができる。
また、本発明において、その樹脂フィルムないし、シ−トの厚さとしては強度、耐突き刺し性、その他等について、必要最低限に保持され得る厚さであればよく、厚すぎると、コストを上昇するとい欠点もあり、逆に、薄すぎると、強度、耐突き刺し性、その他等が抵下して好ましくないものである。
本発明においては、上記のような理由から、約10μm〜100μm位、好ましくは、約12μm〜50μm位が最も望ましい。
【0046】
なお、本発明において、上記のような強度を有し、耐突き刺し性等に優れた樹脂のフィルムは、前述の図2に示すように、接着剤層とヒ−トシール性樹脂層との間に積層した構成に代えて、図示しないが、前述の図1に示す本発明にかかるウィンナ用包材において、無機酸化物の蒸着膜を設けた基材フィルムの基材フィルムの面に、耐突き刺し性に優れた樹脂のフィルムを積層して、本発明にかかるウィンナ用包材を構成することもできるものである。
すなわち、本発明においては、基材フィルムの一方の面に、無機酸化物の蒸着膜を設け、更に、上記の基材フィルムの面に、強度を有し、耐突き刺し性等に優れた樹脂のフィルムを積層し、他方、上記の無機酸化物の蒸着膜の上に、少なくとも、プライマー剤層、接着剤層およびヒートシール性樹脂層を順次に積層した構成からなるウィンナ用包材およびそれを使用したウィンナ充填包装用袋等を製造することもできるものである。
上記の構成は、いわゆる、無機酸化物の蒸着膜を設けた基材フィルムを中使いする形態からなるウィンナ用包材およびそれを使用したウィンナ充填包装用袋に係るものである。
【0047】
ところで、通常、包装用袋は、物理的にも化学的にも過酷な条件におかれることから、包装用袋を構成する積層材には、厳しい包装適性が要求され、変形防止強度、落下衝撃強度、耐ピンホール性、耐熱性、密封性、品質保全性、作業性、衛生性、その他等の種々の条件が要求され、このために、本発明においては、上記のような材料の他に、上記のような諸条件を充足するその他の材料を任意に使用することができ、具体的には、例えば、偲密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンープロピレン共重合体、エチレンー酢酸ピニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレンーアクリル酸エチル共重合体、エチレンーアクリル酸またはメタクリル酸共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリブテン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、塩化ビニルー塩化ビニリデン共重合体、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリアクリルニトリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリルースチレン共重合体(AS系樹脂)、アクリロニトリループタジェンースチレン共重合体(ABS系樹脂)、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレンー酢酸ビニル共重合体のケン化物、フッ素系樹脂、ジェン系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ニトロセルロース、その他等の公知の樹脂のフィルムないしシートを任意に選択して使用することができる。
その他、例えば、合成紙等も使用することができる。
本発明において、上記のフィルムないしシートは、未延伸、一軸ないし二軸 向に延伸されたもの等のいずれのものでも使用することができる。
また、その厚さは、任意であるが、数μm から300 μm 位の範囲から選択して用することができる。
更に、本発明においては、フィルムないしシートとしては、押し出し成膜、インフレーション成膜、コーティング膜等のいずれの性状の膜でもよい。
【0048】
特に、本発明において、その他の基材としては、例えば、水蒸気、水等の透過を阻止するバリア性を有する低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンープロピレン共重合体等の樹脂のフィルムないしシート、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するバリア性を有するMXDナイロン6、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物等の樹脂のフィルムないしシート、樹脂に顔料等の着色剤を、その他、所望の添加剤を加えて混練してフィルム化してなる遮光性を有する各種の着色樹脂のフィルムないしシート等を使用することができる。
これらの材料は、一種ないしそれ以上を組み合わせて使用することができる。
また、上記のフィルムないしシートの厚さとしては、任意であるが、通常、5μm〜300μm位、更には、10μm〜100μm位が望ましい。
【0049】
本発明は、以上において説明したように、基材フィルムの一方の面に、無機酸化物の蒸着膜を設け、次いで、該無機酸化物の蒸着膜の上に、種々のコーティング法もしくは印刷法、あるいは、溶融押出ラミネ−ト法、ドライラミネート法、その他等の方法を用いて、少なくとも、プライマー剤層、接着剤層およびヒートシール性樹脂層を設け、更には、上記のプライマ−剤層の上に、印刷模様層、更に、接着剤層とヒ−トシール性樹脂層との間に、強度を有し、耐突き刺し性に優れた樹脂のフィルムを積層することにより、本発明にかかるウィンナ用包材を製造することができるものである。
【0050】
次に、本発明において、上記のような本発明にかかるウィンナ用包材を使用して製袋する軟包装用袋等からなる本発明にかかるウィンナ充填包装用袋について説明すると、かかる軟包装用袋等からなる本発明にかかるウィンナ充填包装用袋は、上記のような本発明にかかるウィンナ用包材を使用し、そのヒ−トシ−ル性樹脂層の面を対向して重ね合わせ、しかる後、その外周周辺の端部をヒ−トシ−ルしてシ−ル部を形成して、本発明にかかる軟包装用袋等からなるウィンナ充填包装用袋を製造することができる。
而して、その製袋方法としては、上記のような本発明にかかるウィンナ用包材を、折り曲げるかあるいは重ね合わせて、その内層の面を対向させ、更にその周辺端部を、例えば、側面シ−ル型、二方シ−ル型、三方シ−ル型、四方シ−ル型、封筒貼りシ−ル型、合掌貼りシ−ル型(ピロ−シ−ル型)、ひだ付シ−ル型、平底シ−ル型、角底シ−ル型、ガゼット型、その他等のヒ−トシ−ル形態によりヒ−トシ−ルして、本発明にかかる種々の形態からなる軟包装用袋等からなる本発明にかかるウィンナ充填包装用袋を製造することができる。
その他、例えば、自立性包装用袋(スタンディングパウチ)等も可能である。
上記において、ヒ−トシ−ルの方法としては、例えば、バ−シ−ル、回転ロ−ルシ−ル、ベルトシ−ル、インパルスシ−ル、高周波シ−ル、超音波シ−ル等の公知の方法で行うことができる。
【0051】
次に、本発明においては、上記で製造した本発明にかかる種々の形態からなるプラスチック性軟包装用袋等からなる本発明にかかるウィンナ充填包装用袋の開口部から、例えば、種々の形態からなるウィンナ等の内容物を充填し、しかる後、その開口部をヒ−トシ−ルして、本発明にかかるウィンナ用包材を使用して製袋した本発明にかかるウィンナ充填包装用袋を使用したウィンナ包装体を製造することができるものである。
【0052】
【実施例】
上記の本発明について実施例を挙げて更に具体的に説明する。
実施例1
(1).厚さ15μmの二軸延伸ナイロン6フィルムを使用し、これをプラズマ化学気相成長装置の送り出しロールに装着し、下記に示す条件で、上記の二軸延伸ナイロン6フィルムのコロナ処理面に、厚さ200Åの酸化珪素の蒸着膜を形成した。
(蒸着条件)
蒸着面;コロナ処理面
反応ガス混合比;ヘキサメチルジシロキサン:酸素ガス:ヘリウム=1.2:5.0:2.5(単位:slm)
到達圧力;5.0×10−5mbar
製膜圧力;7.0×10−2mbar
パワ−;35kW
ライン速度;300m/min
次に、上記で膜厚200Åの酸化珪素の蒸着膜を形成した直後に、その酸化珪素の蒸着膜面に、グロ−放電プラズマ発生装置を使用し、パワ−9kw、酸素ガス(O2 ):アルゴンガス(Ar)=7.0:2.5(単位:slm)からなる混合ガスを使用し、混合ガス圧6×10−2mbarで酸素/アルゴン混合ガスプラズマ処理を行って、酸化珪素の蒸着膜面の表面張力を54dyne/cm以上向上させたプラズマ処理面を形成した。
(2).次に、上記の(1)で形成した酸化珪素の蒸着膜のプラズマ処理面に、ポリウレタン系樹脂の初期縮合物に、エポキシ系のシランカップリング剤(8.0重量%)とブロッキング防止剤(1.0重量%)を添加し、十分に混練してなるプライマー剤組成物を使用し、これをグラビアロールコート法により、膜厚0.4g/m2 (乾燥状態)になるようにコーティングしてプライマー剤層を形成した。
次に、上記で形成したプライマー剤層を含む全面に、通常のグラビアインキ組成物を使用し、グラビア印刷方式により、文字、図形、記号、絵柄、その他等からなる所定の印刷模様を印刷して印刷模様層を形成した。
次に、上記で形成した印刷模様層を含む全面に、低密度ポリエチレン樹脂を使用し、これを、押出法により、膜厚15μmになるように押出し、溶融押出樹脂層からなる接着剤層を形成した。
次いで、上記で形成した接着剤層の面に、厚さ60μmの直鎖状低密度ポリエチレフィルムを、そのコロナ処理面を対向させて重ね合わせ、溶融押出ラミネ−トして、本発明にかかるウィンナ用包材を製造した。
(3).次に、上記で製造したウィンナ用包材の2枚を用意し、その直鎖状低密度ポリエチレンフィルムの面を対向して重ね合わせ、しかる後、その周辺の端部を合掌貼りシール(ピローシール)し、次いで、底部シ−ルして底部シール部を形成するとともに上方に開口部を有する合掌貼りシール型の軟包装用袋を製造した。
上記で製造した合掌貼りシール型の軟包装用袋内に、その開口部から、窒素ガスを吹き込んだ後、ウィンナを充填包装し、しかる後、その開口部をヒートシールして上方シール部を形成して、ウィンナ包装体からなる包装製品を製造した。
しかる後、袋上部をバンドで結わえることにより巾着包装袋を製造した。
上記で製造したウィンナ包装体からなる包装製品は、酸素ガス、水蒸気等に対するバリア性に優れ、また、ラミネート強度等に優れ、市場における流通に耐え、かつ、貯蔵保存等に優れているものであった。
【0053】
実施例2
(1).基材フィルムとして、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを使用し、これをプラズマ化学気相成長装置の送り出しロ−ルに装着し、次いで、これを繰り出して、下記に示す条件で、上記の二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムのコロナ処理面に、厚さ200Åの酸化珪素の蒸着膜を形成した。
(蒸着条件)
蒸着面;コロナ処理面
反応ガス混合比;ヘキサメチルジシロキサン:酸素ガス:ヘリウム=1:11:10(単位:slm)
真空チヤンバー内の真空度;5.2×10−6mbar
蒸着チヤンバー内の真空度;5.1×10−2mbar
冷却・電極ドラム供給電力;60w・分/m2
フィルムの搬送速度;90m/min
次に、上記で膜厚200Åの酸化珪素の蒸着膜を形成した直後に、その酸化珪素の蒸着膜面に、上記の実施例1と同様にしてプラズマ処理を行って、酸化珪素の蒸着膜面の表面張力を54dyne/cm以上向上させたプラズマ処理面を形成した。
(2).次に、上記の(1)で形成した酸化珪素の蒸着膜のプラズマ処理面に、実施例1と同様にして、プライマー剤層を形成した。
次に、上記で形成したプライマー剤層を含む全面に、上記の実施例1と同様して、通常のグラビアインキ組成物を使用し、グラビア印刷方式により、文字、図形、記号、絵柄、その他等からなる所定の印刷模様を印刷して印刷模様層を形成した後、その印刷模様層を含む全面に、2液硬化型のポリウレタン系ラミネート用接着剤を使用し、これをグラビアロールコート法により、膜厚4.0g/m2 (乾燥状態)になるようにコーティングしてラミネート用接着剤層を形成した。
(3).次に、上記の(1)で形成したラミネート用接着剤層の面に、厚さ15μmの2軸延伸ナイロン6フィルムを、そのコロナ処理面を対向させて重ね合わせ、しかる後、ドライラミネート積層した。
更に、上記で積層した厚さ15μmの2軸延伸ナイロン6フィルムの他方の面に、上記と同様に、2液硬化型のポリウレタン系ラミネート用接着剤を使用し、これをグラビアロールコート法により、膜厚4.0g/m2 (乾燥状態)になるようにコーティングしてラミネート用接着剤層を形成した。
次いで、上記で形成したラミネート用接着剤層の面に、厚さ30μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルムを、そのコロナ処理面を対向させて重ね合わせ、しかる後、その両者をドライラミネート積層して、本発明にかかるウィンナ用包材を製造した。
(4).次に、上記で製造したウィンナ用包材の2枚を用意し、その直鎖状低密度ポリエチレンフィルムの面を対向して重ね合わせ、しかる後、その周辺の端部を合掌貼りシール(ピローシール)し、次いで、底部をシ−ルして底部シール部を形成するとともに上方に開口部を有する合掌貼りシール型の軟包装用袋を製造した。
上記で製造した合掌貼りシール型の軟包装用袋内に、その開口部から、窒素ガスを吹き込み後、ウィンナを充填包装し、しかる後、その開口部をヒートシールして上方シール部を形成してウィンナ包装体からなる包装製品を製造した。
しかる後、袋上部をバンドで結わえることにより巾着包装袋を製造した。
上記で製造したウィンナ包装体からなる包装製品は、酸素ガス、水蒸気等に対するバリア性に優れ、また、ラミネート強度等に優れ、市場における流通に耐え、かつ、貯蔵保存等に優れているものであった。
【0054】
実施例3
(1).基材フィルムとして、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを使用し、まず、上記の2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを巻き取り式の真空蒸着装置の送り出しロ−ルにに装着し、次いで、これを繰り出し、その2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムのコロナ処理面に、アルミニウムを蒸着源に用いて、酸素ガスを供給しながら、エレクトロンビ−ム(EB)加熱方式による真空蒸着法により、下記の蒸着条件により、膜厚200Åの酸化アルミニウムの蒸着膜を形成した。
(蒸着条件)
蒸着チャンバ−内の真空度:2×10−4mbar
巻き取りチャンバ−内の真空度:2×10−2mbar
電子ビ−ム電力:25kW
フィルムの搬送速度:240m/分
蒸着面:コロナ処理面
次に、上記で厚さ200Åの酸化アルミニウムの蒸着膜を形成した直後に、その酸化アルミニウムの蒸着膜面に、上記の実施例1と同様にして、プラズマ処理面を形成した。
(2).次に、上記の(1)で形成した酸化アルミニウムの蒸着膜のプラズマ処理面に、ポリウレタン系樹脂の初期縮合物に、エポキシ系のシランカップリング剤(8.0重量%)とブロッキング防止剤(1.0重量%)を添加し、十分に混練してなるプライマー剤組成物を使用し、これをグラビアロールコート法により、膜厚0.4g/m2 (乾燥状態)になるようにコーティングしてプライマー剤層を形成した。
更に、上記で形成したプライマー層の面に、通常のグラビアインキ組成物を使用し、グラビア印刷方式により、文字、図形、記号、絵柄、その他等からなる所定の印刷模様を印刷して印刷模様層を形成した。
次に、上記で形成した印刷模様層を含む全面に、2液硬化型のポリウレタン系ラミネート用接着剤を使用し、これをグラビアロールコート法により、膜厚4.0g/m2 (乾燥状態)になるようにコーティングしてラミネート用接着剤層を形成した。
次いで、上記で形成したラミネート用接着剤層の面に、厚さ60μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルムを、そのコロナ処理面を対向させて重ね合わせ、しかる後、その両者をドライラミネート積層して、本発明にかかるウィンナ用包材を製造した。
(3).次に、上記で製造したウィンナ用包材の2枚を用意し、その直鎖状低密度ポリエチレンフィルムの面を対向して重ね合わせ、しかる後、その周辺の端部を合掌貼りシール(ピローシール)し、ついで底部シ−ルしてシール部を形成するとともに上方に開口部を有する合掌貼りシール型の軟包装用袋を製造した。
上記で製造した合掌貼りシール型の軟包装用袋内に、その開口部から、窒素ガスを吹き込み後、ウィンナを充填包装し、しかる後、その開口部をヒートシールして上方シール部を形成してウィンナ包装体からなる包装製品を製造した。
しかる後、袋上部をバンドで結わえることにより巾着包装袋を製造した。
上記で製造した餅包装体からなる包装製品は、酸素ガス、水蒸気等に対するバリア性に優れ、また、ラミネート強度等に優れ、市場における流通に耐え、かつ、貯蔵保存等に優れているものであった。
【0055】
実施例4
(1).基材フィルムとして、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを使用し、まず、上記の2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを巻き取り式の真空蒸着装置の送り出しロ−ルにに装着し、次いで、これを繰り出し、その2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムのコロナ処理面に、アルミニウムを蒸着源に用いて、酸素ガスを供給しながら、エレクトロンビ−ム(EB)加熱方式による真空蒸着法により、下記の蒸着条件により、膜厚200Åの酸化アルミニウムの蒸着膜を形成した。
(蒸着条件)
蒸着チャンバ−内の真空度:2×10−4mbar
巻き取りチャンバ−内の真空度:2×10−2mbar
電子ビ−ム電力:25kW
フィルムの搬送速度:240m/分
蒸着面:コロナ処理面
次に、上記で厚さ200Åの酸化アルミニウムの蒸着膜を形成した直後に、その酸化アルミニウムの蒸着膜面に、上記の実施例1と同様にして、プラズマ処理面を形成した。
(2).次に、上記の(1)で形成した酸化アルミニウムの蒸着膜のプラズマ処理面に、上記の実施例3と同様にして、プライマ−剤層、印刷模様層、および、ラミネート用接着剤層を形成した。
次いで、上記で形成したラミネート用接着剤層の面に、厚さ30μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルムを、そのコロナ処理面を対向させて重ね合わせ、しかる後、その両者をドライラミネート積層して、本発明にかかるウィンナ用包材を製造した。
(3).次に、上記で製造したウィンナ用包材の2枚を用意し、その直鎖状低密度ポリエチレンフィルムの面を対向して重ね合わせ、しかる後、その周辺の端部を合掌貼りシール(ピローシール)し、ついで底部シ−ルしてシール部を形成するとともに上方に開口部を有する合掌貼りシール型の軟包装用袋を製造した。
上記で製造した合掌貼りシール型の軟包装用袋内に、その開口部から、窒素ガスを吹き込み後、ウィンナを充填包装し、しかる後、その開口部をヒートシールして上方シール部を形成してウィンナ包装体からなる包装製品を製造した。
しかる後、袋上部をバンドで結わえることにより巾着包装袋を製造した。
上記で製造したウィンナ包装体からなる包装製品は、酸素ガス、水蒸気等に対するバリア性に優れ、また、ラミネート強度等に優れ、市場における流通に耐え、かつ、貯蔵保存等に優れているものであった。
【0056】
実験例
上記の実施例1〜4で製造したウィンナ用包材にづいて、酸素透過度、水蒸気透過度、および、保存試験を実施した。
(1).酸素透過度の測定
これは、温度23℃、湿度90%RHの条件で、米国、モコン(MOCON)社製の測定機〔機種名、オクストラン(OXTRAN)〕にて測定した。
(2).水蒸気透過度の測定
これは、温度40℃、湿度90%RHの条件で、米国、モコン(MOCON)社製の測定機〔機種名、パ−マトラン(PERMATRAN)〕にて測定した。
(3).保存試験
これは、ウィンナを充填したウィンナ包装体を温度40℃、湿度90%RHの条件で、一週間保存後外観の変化を観察した。
【0057】
(表1)
上記の表1において、酸素透過度の単位は、〔cc/m2 /day・23℃ 90%RH〕であり、水蒸気透過度の単位は、〔g/m2 /day・40℃・100%RH〕である。
【0058】
上記の表1に示す測定結果より明らかなように、本発明にかかるウィンナ用包材は、酸素バリア性、および、水蒸気バリア性等に優れ、また、保存試験においても優れているものであり、ウィンナ用包装材料として十分に使用に耐え得るものであった。
【0059】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明は、バリア性素材として、基材フィルムの一方の面に、酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜を設けた構成からなるバリア性フィルムに着目し、まず、該バリア性フィルムを構成する酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜の上に、更に、少なくとも、プライマー剤層、溶融押出樹脂層またはラミネ−ト用接着剤層等からなる接着剤層、および、ヒートシール性樹脂層を順次に積層して積層材を製造し、而して、該積層材をウィンナ用包材として使用し、まず、該ウィンナ用包材を構成する積層材を、そのヒートシール性樹脂層の面を対向させて重ね合わせ、次いで、その外周周辺の端部をヒ−トシ−ルしてシ−ル層を形成し、例えば、二方ないし三方シール型、または、自立性型もしくはカゼット型等のプラスチック製軟包装用袋等からなる袋状容器本体を製造し、次に、上記の袋状容器本体の一辺の開口部から、ウィンナを数個ないし十数個充填し、しかる後、上記の開口部をヒ−トシール等により密閉してウィンナを充填包装した包装体を製造して、強度等を有し、かつ、耐熱性、防湿性、ヒートシール性、耐ピンホール性、耐突き刺し性、透明性等に優れ、更に、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するバリア性に優れ、その内容物の充填包装適性、保存適性等を有し、更にまた、使用後に焼却廃棄処理する際に有害物質等を発生することなく、廃棄処理適性、環境適性等に極めて優れたウィンナ用包材およびそれを使用したウィンナ充填包装用袋を製造し得ることができるというものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるウィンナ用包材についてその一例の層構成の概略を示す概略的断面図である。
【図2】本発明にかかるウィンナ用包材についてその一例の層構成の概略を示す概略的断面図である。
【図3】図1に示す本発明にかかるウィンナ用包材を使用して製袋してなる軟包装用袋からなる本発明にかかるウィンナ充填包装用袋についてその一例を示す概略的斜視図である。
【図4】図3に示す本発明にかかるウィンナ用包材を使用して製袋してなる軟包装用袋からなる本発明にかかるウィンナ充填包装用袋にウィンナを充填包装したウィンナ包装体についてその一例を示す概略的斜視図である。
【図5】低温プラズマ化学蒸着装置の一例を示す概略的構成図である。
【図6】巻き取り式真空蒸着装置の一例を示す概略的構成図である。
【符号の説明】
A ウィンナ用包材
A1 ウィンナ用包材
B ウィンナ充填包装用袋
C ウィンナ包装体
1 基材フィルム
2 無機酸化物の蒸着膜
3 プライマー剤層
4 接着剤層
5 ヒートシール性樹脂層
6 樹脂のフィルム
11 縦シール部
12 底部シ−ル部
13 開口部
14 軟包装用袋
15 ウィンナ
16 上方シ−ル部
Claims (11)
- 基材フィルムの一方の面に、無機酸化物の蒸着膜を設け、更に、該無機酸化物の蒸着膜の上に、少なくとも、プライマー剤層、接着剤層およびヒートシール性樹脂層を順次に積層したことを特徴とするウィンナ用包材。
- 基材フィルムが、2軸延伸ポリエステル系樹脂フィルム、2軸延伸ポリアミド系樹脂フィルム、または、2軸延伸ポリオレフイン系樹脂フィルからなることを特徴とする上記の請求項1に記載するウィンナ用包材。
- 無機酸化物の蒸着膜が、化学気相成長法または物理気相成長法による無機酸化物の蒸着膜からなることを特徴とする上記の請求項1〜2のいずれか1項に記載するウィンナ用包材。
- 無機酸化物の蒸着膜が、化学気相成長法による酸化珪素の蒸着膜からなることを特徴とする上記の請求項1〜3のいずれか1項に記載するウィンナ用包材。
- 無機酸化物の蒸着膜が、物理気相成長法による酸化アルミニウムの蒸着膜からなることを特徴とする上記の請求項1〜3のいずれか1項に記載するウィンナ用包材。
- プライマー剤層が、ポリウレタン系樹脂またはポリエステル系樹脂をビヒクルの主成分とする樹脂組成物によるコーティング層からなることを特徴とする上記の請求項1〜5のいずれか1項に記載するウィンナ用包材。
- 接着剤層が、溶融押出樹脂層またはラミネ−ト用接着剤層からなることを特徴とする上記の請求項1〜6のいずれか1項に記載するウィンナ用包材。
- ヒートシール性樹脂層が、ポリオレフイン系樹脂層からなることを特徴とする上記の請求項1〜7のいずれか1項に記載するウィンナ用包材。
- プライマ−剤層と接着剤層との間に、印刷模様層を設けることを特徴とする上記の請求項1〜8のいずれか1項に記載するウィンナ用包材。
- 接着剤層とヒートシール性樹脂層との間に、強度を有し、耐突き刺し性に優れた樹脂フィルムを積層することを特徴とする上記の請求項1〜9のいずれか1項に記載するウィンナ用包材。
- 基材フィルムの一方の面に、無機酸化物の蒸着膜を設け、更に、該無機酸化物の蒸着膜の上に、少なくとも、プライマー剤層、接着剤層およびヒートシール性樹脂層を順次に積層したウィンナ用包材を使用し、そのヒ−トシ−ル性樹脂層の面を対向させて重ね合わせ、更に、その外周周辺の端部をヒ−トシ−ルしてシ−ル層を形成して製袋したことを特徴とするウィンナ充填包装用袋。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003071870A JP2004276449A (ja) | 2003-03-17 | 2003-03-17 | ウィンナ用包材およびそれを使用した包装用袋 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003071870A JP2004276449A (ja) | 2003-03-17 | 2003-03-17 | ウィンナ用包材およびそれを使用した包装用袋 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004276449A true JP2004276449A (ja) | 2004-10-07 |
Family
ID=33288204
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003071870A Pending JP2004276449A (ja) | 2003-03-17 | 2003-03-17 | ウィンナ用包材およびそれを使用した包装用袋 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004276449A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006341522A (ja) * | 2005-06-09 | 2006-12-21 | Kureha Corp | 複合蒸着フィルム及びその製造方法 |
JP2007001225A (ja) * | 2005-06-27 | 2007-01-11 | Toppan Printing Co Ltd | 積層体 |
-
2003
- 2003-03-17 JP JP2003071870A patent/JP2004276449A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006341522A (ja) * | 2005-06-09 | 2006-12-21 | Kureha Corp | 複合蒸着フィルム及びその製造方法 |
JP2007001225A (ja) * | 2005-06-27 | 2007-01-11 | Toppan Printing Co Ltd | 積層体 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2006192858A (ja) | バリア性フィルム | |
JP4549880B2 (ja) | 透明ガスバリア性積層体 | |
JP2007075368A (ja) | 輸液バッグ用外装袋 | |
JP4743354B2 (ja) | 積層材およびそれを使用した包装用容器 | |
JP4774587B2 (ja) | ケミカルカイロ用外袋構成包材およびそれを使用したケミカルカイロ用外袋 | |
JP2002370749A (ja) | 自立性袋 | |
JP4402414B2 (ja) | 積層材およびそれを使用した液体充填包装用小袋 | |
JP4402412B2 (ja) | 積層材およびそれを使用した包装用袋 | |
JP2005096275A (ja) | バリア性フィルム | |
JP2006224408A (ja) | バリア性フィルム | |
JP4357912B2 (ja) | バリア性フィルム | |
JP2007075363A (ja) | 輸液バッグ用外装袋 | |
JP2004160815A (ja) | 積層材およびそれを使用した包装用袋 | |
JP4522506B2 (ja) | 積層材およびそれを使用した包装用容器 | |
JP2008179104A (ja) | バリア性フィルム | |
JP4736145B2 (ja) | 積層材およびそれを使用した包装用容器 | |
JP4357913B2 (ja) | バリア性フィルム | |
JP4043799B2 (ja) | 軟包装袋 | |
JP3998950B2 (ja) | 餅用個装包材びそれを使用した餅個装包装体 | |
JP2002210858A (ja) | レトルト用パウチ | |
JP4743353B2 (ja) | 積層材およびそれを使用した包装用容器 | |
JP2004276449A (ja) | ウィンナ用包材およびそれを使用した包装用袋 | |
JP2002308285A (ja) | レトルト用パウチ | |
JP2002019003A (ja) | 無菌米飯充填容器用蓋材およびそれを使用した無菌包装米飯 | |
JP2008179102A (ja) | バリア性フィルム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060227 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20080730 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080805 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090304 |