JPH09193306A - 積層フィルム及び電子部品用包装袋 - Google Patents

積層フィルム及び電子部品用包装袋

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JPH09193306A
JPH09193306A JP8030000A JP3000096A JPH09193306A JP H09193306 A JPH09193306 A JP H09193306A JP 8030000 A JP8030000 A JP 8030000A JP 3000096 A JP3000096 A JP 3000096A JP H09193306 A JPH09193306 A JP H09193306A
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JP
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film
laminated
vapor deposition
layer
thickness
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JP8030000A
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English (en)
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Tomoaki Sato
智明 佐藤
Hiroyuki Oba
弘行 大場
Hideaki Tanaka
英明 田中
Tomohisa Hasegawa
智久 長谷川
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Kureha Corp
Original Assignee
Kureha Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 強度、防湿性、透明性などに優れ、電子部品
を湿気や静電気から保護するための包装材料として好適
な積層フィルム、及び包装袋。 【解決手段】 積層フィルムであって、(1)最外層が
延伸ナイロンフィルム(A)または蒸着フィルム(B)
であり、(2)最内層がヒートシール層(D)であり、
(3)蒸着フィルム(B)が、透明な高分子フィルム基
材b1の少なくとも一方の面上に、透明な無機蒸着膜b
2が形成され、(4)ガスバリヤー層(C)が、透明な
高分子フィルム基材c1の少なくとも一方の面上に、透
明な無機蒸着膜c2を介して、ポリビニルアルコールと
ポリカルボン酸またはその部分中和物とを含有する混合
物の塗膜を熱処理してなる耐水性フィルムc3が形成さ
れた複合蒸着フィルム(C1)を少なくとも1層含むガ
スバリヤー層である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層フィルムに関
し、更に詳しくは、強度、防湿性、透明性などに優れた
積層フィルムに関する。本発明の積層フィルムは、半導
体デバイスなどの電子部品を湿気や静電気から保護する
ための包装用フィルム、更に具体的には、電子部品用包
装袋(電子部品収納容器用包装袋を含む)の用途に、特
に好適である。
【0002】
【従来の技術】電子機器の高性能化、小型化が進むにつ
れて、主要電子部品であるIC(集積回路)、LSI
(大規模集積回路)、VLSI(超大規模集積回路)な
どの半導体デバイスの小型化、薄型化、及びリードの狭
ピッチ化や微細化が進んでいる。このため、半導体デバ
イスは、外部からの荷重や湿度、静電気などの影響を受
けやすくなっている。したがって、半導体デバイスなど
の精密電子部品を包装するための包装材に対しても、従
来より高精度で保護性に優れた構造のものが求められて
いる。
【0003】電子部品は、製造されてから実装されるま
での間に、機械的、電気的特性が劣化しないように様々
な包装手段により保護されている。電子部品は、流通経
路において、荷重、振動、衝撃、温度、湿度、有害ガ
ス、静電気などの攻撃を受けると、リードの変形、ハン
ダ付け性の劣化、静電気破壊などが発生する。そこで、
個々の電子部品は、通常、トレー(パレットとも呼
ぶ)、マガジン(チューブ、スティックまたはスリーブ
とも呼ぶ)、リールなどに収納(個装)され、外部から
の荷重、振動、衝撃などから保護されている。これらの
トレー、マガジン、リール等は、組立工程におけるハン
ドリング治具としても使用できるように、それぞれの構
造が工夫されている。
【0004】更に、これらのトレー等は、防湿のため、
個々に、あるは複数個をまとめて、包装袋に収納され、
出荷されるのが一般的である。エポキシ樹脂等のレジン
で封止されたLSIを湿気のある雰囲気中に放置する
と、レジンが吸湿する。表面実装型LSIパッケージ
は、一般に赤外線リフローでプリント配線板にハンダ付
けされるが、その際、パッケージは200〜240℃程
度に加熱されるため、レジンが吸湿した状態でハンダ付
けを行うと、パッケージ内部の水分が気化膨張して内圧
が高まり、リフロークラックが発生する。そのため、例
えば、トレー包装では、半導体デバイスなどの電子部品
は、製造後、機器に実装されるまでの間、外部からの荷
重や振動等から保護しかつ取り扱いを容易にするため
に、各電子部品を1個ずつ収納するためのポケットを多
数設けたプラスチック製のトレーにまとめて収納され
る。このトレーは、通常、複数枚重ねたものを1パック
(例えば、11枚重ねた約2kgの1パック)として、
防湿性の包装袋に収納され、出荷されている。
【0005】電子部品用の包装袋には、市場における保
管状況などからみて、少なくとも1〜2年程度の防湿効
果の持続性が求められている。また、包装袋には、静電
気による電子部品の破壊や品質の低下を防ぐために、帯
電防止性を有することが求められている。したがって、
従来より、電子部品用包装袋として、アルミニウム等の
金属箔をラミネートした複合材が使用されている。この
ような複合材として、例えば、特願昭58−64963
号公報には、ヒートシール性を有するプラスチックフィ
ルムの内面に金属薄膜の層を設けてなる電子部品包装用
袋が提案されている。
【0006】しかしながら、従来の金属箔をラミネート
した複合材を用いた電子部品用包装袋は、静電気からの
保護に関して効果があるものの、突き刺し強度の点で不
十分なものであった。すなわち、従来の包装袋は、例え
ば、トレーの包装や梱包時、あるいは袋詰めして移送す
る際に、トレー底部のエッジ等でアルミニウム箔層が切
断したり、場合によっては、外部からの衝撃を受けたと
きに、トレーや外部の突起により破袋することがある。
このように、包装袋の突き刺し強度が不十分であると、
移送や保管時に破袋する確率が高く、電子部品の防湿流
通に対する信頼性が損なわれ、その結果、包装袋から取
り出した電子部品を実装前に加熱乾燥する工程を導入す
る必要がある。
【0007】これに対して、金属箔を挟んで一方の側に
例えば未延伸ナイロンフィルムを、他方の側には例えば
延伸ナイロンフィルムを押出ラミネーションにより積層
し、更に、いずれか一方に熱シール材層を積層した構造
の電子部品包装用積層フィルムが提案されている(特開
平7−76375号公報)。この積層フィルムによれ
ば、各層の厚みをそれほど厚くしなくても、突き刺し耐
性に優れかつ実用的な電子部品用包装袋を作製すること
ができる。
【0008】しかし、アルミニウム箔などの金属箔は、
防湿性や帯電防止性に優れているものの、不透明である
ため、金属箔をラミネートした複合材からなる包装袋を
用いると、包装後の内容物を確認することができない。
近年、電子部品は、自動化工程において取り扱われるこ
とが多くなっており、センサーやCCDカメラなどによ
り管理、検査できることが求められているが、不透明な
包装袋は、内容物の識別が困難であるという問題を有し
ている。また、金属箔は、通常、厚さ5〜15μm程度
の金属層であるため、その複合材をプラスチックと同様
に焼却すると、金属箔が焼却炉中に不燃物として残存す
る。したがって、金属箔は、透明性や廃棄物の焼却問題
等の観点から、その代替品が求められている。
【0009】最近、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸
化アルミニウムなどの金属酸化物を用いて、真空蒸着
法、プラズマ蒸着法、スパッタリング法などにより、高
分子フィルム上に透明な蒸着膜を形成した蒸着フィルム
が注目されている。また、高分子フィルム上に、アルミ
ニウム、銅、銀、錫、亜鉛等の金属を、真空蒸着法、プ
ラズマ蒸着法、スパッタリング法などにより、15nm
以下の薄膜に形成することにより、透明性を損なうこと
なく導電性を付与することも提案されている。これらの
透明な無機蒸着フィルムは、通常、単独で用いられるの
ではなく、各種樹脂層と積層して用いられている、しか
しながら、透明な蒸着フィルムは、透明で防湿性がある
ものの、包装や梱包時にトレーのエッジ等で蒸着薄層に
クラックが入り、防湿性が低下するといった欠点を持っ
ている。また、透明な無機蒸着フィルムは、防湿性が十
分ではない。電子部品の包装では、乾燥状態を維持する
ために、真空包装できることが求められているが、その
ために、包装袋には、真空包装時と包装後の耐ピンホー
ル強度(耐突き刺し強度)に優れていることが要求され
ている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、強
度、防湿性、透明性などに優れた積層フィルムを提供す
ることにある。また、本発明の目的は、半導体デバイス
などの電子部品を湿気や静電気から保護するための包装
材料として好適な積層フィルムを提供することにある。
本発明の他の目的は、電子部品を収納したトレー、マガ
ジン、リール等の電子部品収納容器を防湿性包装袋で包
装する作業や該包装袋をさらに箱詰めして移送する際な
どに、トレーのエッジ等により包装袋が破損して防湿性
が低下するのが抑制され、実用性に優れた精密電子部品
収納容器用包装袋として好適な包装袋を提供することに
ある。
【0011】更に、本発明の目的は、厚い金属箔を使用
せずに、プラスチックを主体とした透明性を有するフィ
ルムをラミネートして製袋することにより、焼却問題を
大幅に改善でき、半導体デバイス等の精密電子部品用包
装に適した包装材料を提供することにある。本発明者ら
は、前記従来技術の問題点を克服するために鋭意研究し
た結果、プラスチックを主体とする透明な各種フィルム
により、強度層、導電層、ガスバリヤー層、ヒートシー
ル層などを組み合わせて積層することにより、半導体デ
バイス等の精密電子部品用包装に適した包装材料の得ら
れることを見出し、その知見に基づいて本発明を完成す
るに至った。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、延伸ナ
イロンフィルム(A)、蒸着フィルム(B)、少なくと
も1層の複合蒸着フィルムを含むガスバリヤー層
(C)、及びヒートシール層(D)がそれぞれ接着剤層
を介して積層されてなる積層フィルムであって、(1)
最外層が延伸ナイロンフィルム(A)または蒸着フィル
ム(B)であり、(2)最内層がヒートシール層(D)
であり、(3)蒸着フィルム(B)が、透明な高分子フ
ィルム基材b1の少なくとも一方の面上に、透明な無機
蒸着膜b2が形成された蒸着フィルムであり、そして、
(4)ガスバリヤー層(C)が、透明な高分子フィルム
基材c1の少なくとも一方の面上に、透明な無機蒸着膜
c2を介して、ポリビニルアルコールとポリカルボン酸
またはその部分中和物とを95:5〜10:90の重量
割合で含有する混合物の塗膜を熱処理してなる耐水性フ
ィルムc3が形成された複合蒸着フィルム(C1)を少
なくとも1層含むガスバリヤー層であることを特徴とす
る積層フィルムが提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳述する。延伸ナイロンフィルム(A) 延伸ナイロンフィルム(ONyフィルム)としては、例
えば、ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−6・
66共重合体、ナイロン6・12共重合体、ナイロンM
XD−6などのナイロン(ポリアミド)の一軸または二
軸延伸フィルムを挙げることができる。延伸ナイロンフ
ィルムは、本発明の積層フィルムにおいて、強度付与層
として機能する。したがって、延伸ナイロンフィルムと
しては、JAS法(日本農林規格におけるレトルト食品
包装材料規格)に従い、23℃、60%相対湿度(R
H)で測定した突き刺し強度が、通常、8〜25N、好
ましくは10〜15Nの範囲内にあることが望ましい。
また、延伸ナイロンフィルム(A)は、蒸着フィルム
(B)に隣接して積層される場合には、該蒸着フィルム
(B)の無機蒸着膜b2の保護層としても機能する。延
伸ナイロンフィルム(A)が最外層に配置される場合に
は、印刷層にもなる。
【0014】蒸着フィルム(B) 蒸着フィルム(B)は、透明な高分子フィルム基材b1
の少なくとも一方の面上に、透明な無機蒸着膜b2が形
成された蒸着フィルムである。透明な高分子フィルム基
材b1としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート
(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、
ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステ
ル;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィ
ン;ナイロン−6、ナイロン−66等のポリアミド;ポ
リイミド等から形成されたフィルムである。これらのフ
ィルムは、未延伸フィルムまたは延伸フィルムであり、
これらの中でも延伸PETフィルムやONyフィルムが
好ましい。
【0015】これらの透明な高分子フィルム基材b1の
少なくとも一方の面上に、アルミニウム、銅、銀、錫、
亜鉛等の金属を、真空蒸着法、プラズマ蒸着法、スパッ
タリング法などにより、15nm以下の薄膜(透明な無
機蒸着膜b2)に形成(ハーフ蒸着)することにより、
高分子フィルム基材b1の透明性を維持したまま、蒸着
面の表面抵抗値(23℃、60%RHで測定)を、通
常、101〜108Ω/□、好ましくは102〜106Ω/
□の範囲内に調整して、蒸着フィルム(B)を導電性付
与層として機能させることが望ましい。
【0016】また、アルミニウム(Al)などの無機蒸
着膜b2は、全光線透過率(T%)が、通常、20〜9
5%、好ましくは20〜85%、より好ましくは25〜
75%となるような厚さに形成することが望ましい。T
%が20%未満であると内容物の識別が困難になり、9
5%を越えると、導電性付与層の金属膜厚が薄くなり過
ぎて導電性能が低下する。無機蒸着膜b2の厚さは、通
常、15nm以下、好ましくは10nm以下、より好ま
しくは8nm以下である。
【0017】蒸着フィルム(B)の合計厚さは、通常、
10〜25μmである。これらの蒸着フィルム(B)の
中でも、A1ハーフ蒸着延伸PETフィルム、A1ハー
フ蒸着ONyなどが特に好ましい。なお、Alハーフ蒸
着の場合、T%は、通常、30〜40%程度の半透明と
なる。したがって、蒸着フィルム(B)は、透明ないし
は半透明の金属蒸着膜が形成されたフィルムであること
が好ましい。つまり、透明な無機蒸着膜b2には、半透
明なものも含まれる。
【0018】ガスバリヤー層(C) ガスバリヤー層(C)は、透明な高分子フィルム基材c
1の少なくとも一方の面上に、透明な無機蒸着膜c2を
介して、ポリビニルアルコール(PVA)とポリカルボ
ン酸またはその部分中和物とを95:5〜10:90の
重量割合で含有する混合物の塗膜を熱処理してなる耐水
性フィルムc3が形成された複合蒸着フィルム(C
)を少なくとも1層含む層であり、積層フィルムに
おいて、主として防湿性付与層として機能するものであ
る。
【0019】透明な高分子フィルム基材c1としては、
例えば、ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−1
2、ナイロン−6・66共重合体、ナイロン6・12共
重合体などのポリアミド、PET、PBT、PENなど
のポリエステル、ポリプロピレン、ポリ4−メチルペン
テン−1などのポリオレフィン、ポリフェニレンサルフ
ァイドなどの高分子材料から形成されたフィルムを挙げ
ることができる。これらのフィルムは、未延伸フィルム
または延伸フィルムである。
【0020】高分子フィルム基材c1は、耐水性フィル
ム製造時の熱処理条件に耐える程度の耐熱性を有するも
のが好ましい。耐熱性を有する高分子フィルム基材c1
としては、結晶融点(JIS K−7121)またはビ
カット軟化点(JIS K−7206)が通常100〜
380℃、好ましくは150〜380℃、より好ましく
は180〜380℃であるものが望ましい。前記高分子
フィルムの中でも、ポリアミド、PET、PENなどの
結晶融点またはビカット軟化点が180℃以上の耐熱性
フィルムが特に好ましい。
【0021】蒸着源として用いられる無機材料として
は、アルミニウム(Al)、アルミニウム酸化物(Al
23)、ケイ素酸化物(SiOx;x=1〜2)、酸窒
化ケイ素(SiOxy;x=0.6〜0.8、y=0.
7〜0.9)などが挙げられるが、透明性の観点から、
ケイ素酸化物(SiOx)が特に好ましい。無機蒸着膜
c2の厚さは、通常、10〜300nm、好ましくは1
0〜150nm、より好ましくは10〜100nmであ
る。蒸着法としては、物理的蒸着法と化学的蒸着法のい
ずれでもよいが、物理的蒸着法の真空蒸着法が好まし
い。
【0022】透明な高分子フィルム基材c1の少なくと
も一方の面上に、透明な無機蒸着膜c2を形成し、その
無機蒸着膜c2の上に、PVAとポリカルボン酸または
その部分中和物とを95:5〜10:90の重量割合で
含有する混合物の溶液を塗工し、乾燥して皮膜を形成し
た後、該皮膜を100℃以上の温度で熱処理することに
より、耐水性フィルムc3を形成させる。本発明で使用
するPVAは、けん化度が通常95%以上、好ましくは
98%以上で、平均重合度が通常300〜2,500、
好ましくは300〜1,500のものである。
【0023】本発明で使用するポリカルボン酸は、分子
中に少なくとも2個のカルボキシル基を有するポリマー
であって、具体例としては、ポリアクリル酸、ポリメタ
クリル酸、アクリル酸−メタクリル酸共重合体、ポリマ
レイン酸、及びこれらの2種以上の混合物などが挙げら
れる。これらの中でも、アクリル酸またはメタクリル酸
のホモポリマー、及び両者のコポリマーが好ましく、更
には、アクリル酸のホモポリマー、及びアクリル酸が優
位量となるメタクリル酸とのコポリマーが、ガスバリヤ
ー性の点で特に好適である。ポリカルボン酸の数平均分
子量は、通常、2,000〜250,000である。
【0024】ポリカルボン酸の部分中和物は、ポリカル
ボン酸のカルボキシル基を、水酸化ナトリウム、水酸化
リチウム、水酸化カリウム、アンモニアなどのアルカリ
で部分的に中和して、カルボン酸塩とすることにより得
ることができる。ポリカルボン酸の部分中和物の中和度
は、ガスバリヤー性の観点から、0%を越え20%以下
の範囲であることが好ましく、1〜20%の範囲がより
好ましい。なお、中和度は、下記の式により求めること
ができる。 中和度=(A/B)×100(%) A:部分中和ポリカルボン酸1g中の中和されたカルボ
キシル基のモル数。 B:部分中和前のポリカルボン酸1g中のカルボキシル
基のモル数。 PVAとポリカルボン酸またはその部分中和物との混合
割合(重量割合)は、95:5〜10:90、好ましく
は90:10〜10:90、より好ましくは80:20
〜20:80であり、これらの範囲内において、良好な
ガスバリヤー性を得ることができる。
【0025】PVAとポリカルボン酸またはその部分中
和物との混合物は、一般に水溶液として使用する(濃度
5〜30重量%)。透明な高分子フィルム基材c1の少
なくとも一方の面上に形成された透明な無機蒸着膜c2
上に、前記水溶液を流延法などにより塗工し、乾燥して
皮膜を形成する。次いで、皮膜を100℃以上の温度で
熱処理する。熱処理温度は、100℃以上、好ましくは
100〜350℃、より好ましくは 160〜250℃
の範囲である。熱処理時間は、熱処理方法及び熱処理温
度に応じて適宜選択すればよい。皮膜は、熱処理により
耐水性を獲得し、水及び沸騰水に不溶性となる。
【0026】このようにして形成された耐水性フィルム
c3の厚みは、通常、0.1〜5μm、好ましくは0.
2〜5μm、さらに好ましくは0.5〜3μm程度にす
る。例えば、高分子フィルム基材c1の厚みが12μ
m、無機蒸着膜c2の厚みが30〜50nm、耐水性フ
ィルムc3の厚みが2μmの場合に、複合蒸着フィルム
(C1)の温度40℃、90%RHにおける透湿度は、
通常、0.5g/m2・24h以下、好ましくは0.3
g/m2・24h以下、さらに好ましくは0.2g/m2
・24h以下となる。複合蒸着フィルム(C1)は、高
分子フィルム基材c1の片面に、透明な無機蒸着膜c2
を介して、耐水性フィルムc3を形成したものでよい
が、これらの層を両面に形成すると、カールを防止する
ことができる。複合蒸着フィルム(C1)の厚さは、通
常、10〜30μm程度である。
【0027】ガスバリヤー層(C)は、複合蒸着フィル
ム(C1)単層のみでもよいが、複数の複合蒸着フィル
ム(C1)を接着剤層を介して積層したものでもよい。
ただし、複数の複合蒸着フィルム(C1)を積層する場
合には、各複合蒸着フィルム(C1)間に、緩衝層とし
て、透明な高分子フィルムc4を介在させることが好ま
しい。例えば、ガスバリヤー層(C)が、複合蒸着フィ
ルム(C1)を2層含み、かつ、これら各複合蒸着フィ
ルム(C1)が、それぞれ接着剤層を介して、透明な高
分子フィルムc4の両面に積層された構造を有するもの
が好ましい。このような透明な高分子フィルムc4を介
在させると、積層フィルムから形成された電子部品用包
装袋が折り曲げられたり、衝撃を受けたりした時に、無
機蒸着膜c2や耐水性フィルムc3にクラックや切れめ
などが発生するのを防ぐ緩衝層として機能する。
【0028】透明な高分子フィルムc4としては、厚さ
が10〜50μmで、引張弾性率が0.3〜3GPa、
好ましくは0.3〜1GPaの弾性率のものが望まし
く、具体例としては、ポリアミド、ポリプロピレン、ポ
リエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノ
マー、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エチレン
−酢酸ビニル共重合体のけん化物などを挙げることがで
きる。なお、弾性率は、JIS K−7127に準拠
し、23℃、60%RHで、幅20mm、長さ100m
mの試料を引張速度10mm/分で試験し、1%の歪に
おける引張割線弾性率(1% secant modu
lus)を測定して求める。
【0029】図4〜6に、ガスバリヤー層(C)となる
か、あるいは該層中に含まれる複合蒸着フィルム
(C1)の積層構成の具体例を示す。図4は、耐水性フ
ィルムc3/無機蒸着膜c2/高分子フィルム基材c1
の積層構成、図5は、耐水性フィルムc3/無機蒸着膜
c2/高分子フィルム基材c1/無機蒸着膜c2/耐水
性フィルムc3の積層構成、図6は、緩衝層の高分子フ
ィルムc4を介して、それぞれ耐水性フィルムc3/無
機蒸着膜c2/高分子フィルム基材c1が積層された構
成のものを示す。
【0030】ヒートシール層(D) ヒートシール層を形成する材質としては、低密度ポリエ
チレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、エ
チレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アルキルアク
リレート共重合体、アイオノマー樹脂等の公知のものが
使用できる。ヒートシール層の厚さは、通常、10〜1
00μmであり、他の層の上に、押出しラミネーション
法やドライラミネート法などにより積層することが好ま
しい。また、ヒートシール層の外表面には、帯電防止剤
を塗布して、23℃、60%RHでの表面抵抗値を10
7〜1011Ω/□、典型的には109Ω/□程度に調整
し、帯電防止性を付与することが好ましい。
【0031】積層フィルム 本発明の積層フィルムは、延伸ナイロンフィルム
(A)、蒸着フィルム(B)、ガスバリヤー層(C)及
びヒートシール層(D)がそれぞれ接着剤層を介して積
層され、最外層が延伸ナイロンフィルム(A)または蒸
着フィルム(B)であり、最内層がヒートシール層
(D)であり、更に、好ましくは、最外層及び最内層の
各外表面に、帯電防止剤が塗布された構造を有するもの
である。また、積層に際し、必要であれば、本発明を阻
害しない範囲で各々のフィルムに対し濡れ性向上のため
の表面処理を行なってもよい。
【0032】図1〜3に、積層構成の具体例を示す(た
だし、接着剤層は省略)。図1に、(A)/(B)/
(C)/(D)の積層構成、図2に、(B)/(A)/
(C)/(D)の積層構成、図3に、(B)/(C)/
(A)/(D)の積層構成を示す。延伸ナイロンフィル
ム(A)は、最外層または中間のいずれかの層間に配置
することができる。導電性付与層となる蒸着フィルム
(B)は、延伸ナイロンフィルム(A)が最外層となる
時は、その直下に配置し、それ以外の場合には、最外層
に配置することが好ましい。接着剤の材質としては、ド
ライラミネーション等で通常用いられている樹脂でよ
く、例えば、ウレタン系接着剤;ポリエステル系接着
剤;アクリル系接着剤;エポキシ系接着剤;等を挙げる
ことができる。これらの樹脂は、それぞれ単独で、ある
いは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0033】内外層に塗布する帯電防止剤としては、帯
電防止処理によって、23℃、60%RHでの表面抵抗
値を107〜1011Ω/□、典型的には109Ω/□程度
に調整できるものを使用する。例えば、米ACL社製ス
タチサイドなどの界面活性剤型帯電防止剤が好ましい。
帯電防止剤の層は、通常、0.01〜1μm程度であ
る。この帯電防止処理層の厚みが厚すぎると、例えば、
ヒートシール性が低下するなどの不都合を生じやすくな
る。本発明の積層フィルムは、全体の厚さが50〜28
0μm、好ましくは70〜200μmである。本発明の
積層フィルムは、包装材料として用いた場合、突起のあ
る内容物を真空包装するような過酷な包装にも耐え、半
導体デバイス等の電子部品収納容器包装に適している。
【0034】本発明の積層フィルムは、典型的には、次
のような特徴を有している。 透明性を有している。全光線透過率(T%)が20〜
95%である。 透湿度が小さい。透湿度が0.5g/m2・24h以
下である。 突刺し強度が強い。突き刺し強度値20N以上を得る
ことができる。 衝撃強度が強い。衝撃強度値230N以上を得ること
ができる。 導電層を有する。蒸着フィルム(B)の表面抵抗値
(23℃、60%RHで測定)101〜108Ω/□とす
ることができる。 帯電防止性を有する。帯電防止処理により、内外層の
表面抵抗値を107〜1011Ω/□の範囲に調整するこ
とができる。
【0035】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明に
ついてより具体的に説明する。なお、物性の測定法は、
次のとおりである。 <透明性>日本電色工業(株)製Σ80Color M
easuring Systemを用い、積層フィルム
の全光線透過率(T%)を測定した。 <透湿度>半導体デバイス等の電子部品収納容器用包装
袋としての実用評価を行うため、折り返し三方シールに
より、大きさ250mm×500mmの包装袋を製袋
し、真空成形機MULUTIVACを用いて、半導体デ
バイス等の電子部品収納トレーを内容物とし真空包装し
た。そして、トレー底下部の突起部が当たる場所を含ん
だ周辺の面積50cm2に関し、真空包装前後での透湿
度の測定を行なった。測定機器はModern Con
trol社製PERMATRAN−W 3/31型で、
測定条件は40℃、90%RHである。 <突き刺し強度>JAS法(日本農林規格におけるレト
ルト食品包装材料規格)に従い、23℃、60%RHで
測定した。具体的には、リング内径44mmφの中空台
にセットした積層フィルムの中心に向かって、先端曲率
半径0.5mmの突き刺し治具により、速度50mm/
分で内層側から外層側への突き刺しを行なった。 <衝撃強度>ASTM D3763に準拠し、23℃、
60%RHで、リング内径25.4mmφの中空台にセ
ットした積層フィルムの中心に向かって、打ち抜き速度
333cm/秒で内層側から外層側への打ち抜きを行な
った。 <表面抵抗>測定方法:MONROE ELECTRO
NICS,INC.製、ポータブル測定器MODEL
262Aを用いた。平行電極を使用し、100Vの測定
電圧を用いた。表面抵抗(JIS K−6911)は、
試験片の二つの電極間に印加した直流電流を、表面層を
通って流れる電流で除した数値であり、シート抵抗とも
いう。単位は、Ωであるが、単なる抵抗と区別するため
にΩ/□で表す。
【0036】[実施例1]厚さ12μmの延伸PETフ
ィルムの片面に、ケイ素酸化物(SiOx)を真空蒸着
法により蒸着させて、透明な無機蒸着膜(厚さ30n
m)を形成させた。PVAとしてクラレ(株)製のポバ
ール105を用い、ポリアクリル酸(PAA)として、
和光純薬工業(株)製のPAA水溶液(25重量%)を
用いた。このPAA水溶液に、水酸化ナトリウムを加
え、中和度10%のPAA部分中和物(PAANa)を
調製した。PVAとPAANaを、PVA:PAANa
=30:70(重量%)の割合で含有する水溶液(濃度
10重量%)を、前記SiOx蒸着PETのSiOx
に、150℃で乾燥後の膜厚が2μmとなるように塗工
した。次いで、オーブン中で200℃で、15分間熱処
理した。このようにして、耐水性フィルムが形成された
複合蒸着フィルム(C1)を作製した。この複合蒸着フ
ィルム(C1)をガスバリヤー層(C)として用いた。
なお、この複合蒸着フィルム(C1)の40℃、90%
RHにおける透湿度は、0.2g/m2・24hであっ
た。
【0037】厚さ12μmの延伸PETフィルムの片面
に、アルミニウム(Al)薄層をT%で30%となるよ
うに、真空蒸着法により形成し、蒸着膜の厚さ5nmの
蒸着フィルムであるAlハーフ蒸着(H−Al)PET
(B)を得た。ドライラミネート時の接着剤としてウレ
タン系接着剤〔東洋モートン(株)製AD−953,C
AT−10〕を使用した。接着剤層の厚みは、2μmと
した。
【0038】先ず、厚さ15μmのONyフィルム
(A)〔ユニチカ(株)製エンブレムONBC:突き刺
し強度11N〕を前記蒸着フィルム(B)のA1面とド
ライラミネート法により積層した。次に、複合蒸着フィ
ルム(C1)の耐水性フィルム面と蒸着フィルム(B)
のPET面とをドライラミネート法により積層した。更
に、複合蒸着フィルム(C1)のPET面と、厚さ50
μmの低密度ポリエチレン(LDPE)フィルムをドラ
イラミネート法により積層した。最後に、最外層のON
yフィルムと最内層のLDPEフィルムの表面に、それ
ぞれ帯電防止剤を25nmの厚さに塗工した。得られた
積層フィルム(厚さ97μm)の透明性、突き刺し強
度、衝撃強度、真空包装前後の透湿度を評価した。積層
構成を表1(構成1)に、物性の測定結果を表2に示
す。なお、内外面の表面抵抗値は、109Ω/□であっ
た。
【0039】[実施例2]複合蒸着フィルム(C1)に
おけるSiOx蒸着PETのSiOx層の厚さが50nm
となるように蒸着したこと以外は、実施例1と同様にし
て積層フィルム(厚さ97μm)を作製し、次いで、両
面に帯電防止剤を塗布した。積層構成を表1(構成2)
に、物性の測定結果を表2に示す。なお、内外面の表面
抵抗値は、109Ω/□であった。
【0040】[実施例3]ONyフィルム(A)の積層
位置を、蒸着フィルム(B)のPET面と複合蒸着フィ
ルム(C1)の耐水性フィルム面との間にしたこと以外
は、実施例1と同様にして積層フィルム(厚さ97μ
m)を作製し、次いで、両面に帯電防止剤を塗布した。
積層構成を表1(構成3)に、物性の測定結果を表2に
示す。なお、内外面の表面抵抗値は、109Ω/□であ
った。
【0041】[実施例4]ONyフィルム(A)の積層
位置を、複合蒸着フィルム(C1)のPET面とLDP
Eフィルムとの間にしたこと以外は、実施例1と同様に
して積層フィルム(厚さ97μm)を作製し、次いで、
両面に帯電防止剤を塗布した。積層構成を表1(構成
4)に、物性の測定結果を表2に示す。なお、内外面の
表面抵抗値は、109Ω/□であった。
【0042】[実施例5]延伸PETの両面に、SiO
x蒸着膜を介して、PVAとPAANaとの混合物から
なる耐水性フィルムを形成した複合蒸着フィルム
(C1)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして積
層フィルム(厚さ99μm)を作製し、次いで、両面に
帯電防止剤を塗布した。積層構成を表1(構成5)に、
物性の測定結果を表2に示す。なお、内外面の表面抵抗
値は、109Ω/□であった。
【0043】[実施例6]実施例1で作製した複合蒸着
フィルム(C1)2枚を、耐水性フィルム面で、緩衝層
となる厚さ20μmの未延伸ナイロンフィルム〔CNy
フィルム;東レ合成フィルム(株)製レイファンNO〕
とドライラミネートしたものをガスバリヤー層(C)と
したこと以外は、実施例1と同様にして積層フィルム
(厚さ135μm)を作製し、次いで、両面に帯電防止
剤を塗布した。積層構成を表1(構成6)に、物性の測
定結果を表2に示す。なお、内外面の表面抵抗値は、1
9Ω/□であった。
【0044】[比較例1]厚さ25μmのONyフィル
ムと、厚さ7μmのAl箔と、厚さ40μmのLDPE
フィルムの3層を押出し、接着剤としてLDPEを用い
てラミネーション法により貼り合わせて112μmの積
層フィルムを得た。次いで、両面に帯電防止剤を塗布し
た。積層構成を表1(構成11)に、物性の測定結果を
表2に示す。なお、内外面の表面抵抗値は、109Ω/
□であった。
【0045】[比較例2]厚さ15μmのONyフィル
ムと、厚さ7μmのAl箔と、厚さ25μmのCNyフ
ィルムと、厚さ50μmのLDPEフィルムの4層を押
出し、接着剤としてLDPEを用いてラミネーション法
により貼り合わせて147μmの積層フィルムを得た。
次いで、両面に帯電防止剤を塗布した。積層構成を表1
(構成12)に、物性の測定結果を表2に示す。なお、
内外面の表面抵抗値は、109Ω/□であった。
【0046】[比較例3]複合蒸着フィルム(C1)の
代わりに、SiOx蒸着延伸PETを用いたこと以外
は、実施例1と同様にして積層フィルム(厚さ95μ
m)を作製し、次いで、両面に帯電防止剤を塗布した。
積層構成を表1(構成13)に、物性の測定結果を表2
に示す。なお、内外面の表面抵抗値は、109Ω/□で
あった。
【0047】[比較例4]前記蒸着フィルム(B)のA
l面と、厚さ15μmのONyフィルム(A)をドライ
ラミネート法により積層した。次に、CNyフィルムの
両面に、SiOx層の厚さが30nmとなるように蒸着
したSiOx蒸着PETの蒸着面をドライラミネート法
により積層した。更に、一方のSiOx蒸着PETのP
ET面と、蒸着フィルム(B)のPET面をドライラミ
ネート法により積層し、もう一方のSiOx蒸着PET
のPET面と、厚さ50μmのLDPEフィルムをドラ
イラミネート法により積層し積層フィルム(厚さ131
μm)を作製した。次いで、両面に帯電防止剤を塗布し
た。積層構成を表1(構成14)に、物性の測定結果を
表2に示す。なお、内外面の表面抵抗値は、109Ω/
□であった。
【0048】[比較例5]ONyフィルム(A)を積層
しなかったこと以外は、実施例1と同様にして積層フィ
ルム(厚さ80μm)を作製し、次いで、両面に帯電防
止剤を塗布した。積層構成を表1(構成15)に、物性
の測定結果を表2に示す。なお、内外面の表面抵抗値
は、109Ω/□であった。
【0049】[比較例6]ONyフィルム(A)を積層
しなかったこと以外は、実施例6と同様にして積層フィ
ルム(厚さ118μm)を作製し、次いで、両面に帯電
防止剤を塗布した。積層構成を表1(構成16)に、物
性の測定結果を表2に示す。なお、内外面の表面抵抗値
は、109Ω/□であった。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、強度、防湿性、透明性
などに優れた積層フィルムが提供される。本発明の積層
フィルムは、半導体デバイスなどの電子部品を湿気や静
電気から保護するための包装材料として好適である。ま
た、本発明の積層フィルムは、電子部品を収納したトレ
ー等の電子部品収納容器を防湿性包装袋で包装する作業
や該包装袋をさらに箱詰めして移送する際などに、トレ
ーのエッジ等により包装袋が破損して防湿性が低下する
のが抑制され、実用性に優れた精密電子部品収納容器用
包装袋として好適な包装袋を作製するための包装材料と
して特に好適である。本発明の積層フィルムや包装袋
は、厚い金属箔を使用していないので、焼却問題を大幅
に改善することができる。更に、包装袋が透明であるの
で、例えば、シリカゲルなどの乾燥剤をインジケーター
として内容物とともに包装すれば、包装袋を開封せず
に、内容物の吸湿の程度をチェックすることが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層フィルムの積層構成の一具体例を
示す断面図である。
【図2】本発明の積層フィルムの積層構成の一具体例を
示す断面図である。
【図3】本発明の積層フィルムの積層構成の一具体例を
示す断面図である。
【図4】複合蒸着フィルムの積層構成の一具体例を示す
断面図である。
【図5】複合蒸着フィルムの積層構成の一具体例を示す
断面図である。
【図6】2枚の複合蒸着フィルムを緩衝層となる高分子
フィルムの両面に積層された積層構成の一具体例を示す
断面図である。
【符号の説明】
A:延伸ナイロンフィルム B:蒸着フィルム C:ガスバリヤー層 D:ヒートシール層 c1:高分子フィルム基材 c2:無機蒸着膜 c3:耐水性フィルム c4:高分子フィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/28 102 B32B 27/28 102 27/30 27/30 C 102 102 27/32 27/32 C 27/34 27/34 B65D 30/02 B65D 30/02 65/40 65/40 A 85/86 C23C 14/10 C23C 14/10 C08J 7/04 CFGB // C08J 7/04 CFG 0333−3E B65D 85/38 D

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 延伸ナイロンフィルム(A)、蒸着フィ
    ルム(B)、少なくとも1層の複合蒸着フィルムを含む
    ガスバリヤー層(C)、及びヒートシール層(D)がそ
    れぞれ接着剤層を介して積層されてなる積層フィルムで
    あって、(1)最外層が延伸ナイロンフィルム(A)ま
    たは蒸着フィルム(B)であり、(2)最内層がヒート
    シール層(D)であり、(3)蒸着フィルム(B)が、
    透明な高分子フィルム基材b1の少なくとも一方の面上
    に、透明な無機蒸着膜b2が形成された蒸着フィルムで
    あり、そして、(4)ガスバリヤー層(C)が、透明な
    高分子フィルム基材c1の少なくとも一方の面上に、透
    明な無機蒸着膜c2を介して、ポリビニルアルコールと
    ポリカルボン酸またはその部分中和物とを95:5〜1
    0:90の重量割合で含有する混合物の塗膜を熱処理し
    てなる耐水性フィルムc3が形成された複合蒸着フィル
    ム(C1)を少なくとも1層含むガスバリヤー層である
    ことを特徴とする積層フィルム。
  2. 【請求項2】 最外層及び最内層の各外表面に、帯電防
    止剤が更に塗布されている請求項1記載の積層フィル
    ム。
  3. 【請求項3】 延伸ナイロンフィルム(A)の厚さが1
    0〜30μmで、蒸着フィルム(B)の厚さが10〜2
    5μmで、複合蒸着フィルム(C1)の厚さが10〜3
    0μmで、ヒートシール層(D)の厚さが10〜100
    μmで、かつ全体の厚さが50〜280μmである請求
    項1または2記載の積層フィルム。
  4. 【請求項4】 延伸ナイロンフィルム(A)の突き刺し
    強度が8〜25Nである請求項1ないし3のいずれか1
    項に記載の積層フィルム。
  5. 【請求項5】 ガスバリヤー層(C)が、複合蒸着フィ
    ルム(C1)を1層含むものである請求項1ないし4の
    いずれか1項に記載の積層フィルム。
  6. 【請求項6】 ガスバリヤー層(C)が、複合蒸着フィ
    ルム(C1)を2層含むものである請求項1ないし4の
    いずれか1項に記載の積層フィルム。
  7. 【請求項7】 ガスバリヤー層(C)が、複合蒸着フィ
    ルム(C1)を2層含み、かつ、これら各複合蒸着フィ
    ルム(C1)が、それぞれ接着剤層を介して透明な高分
    子フィルムc4の両面に積層された構造を有するもので
    ある請求項6記載の積層フィルム。
  8. 【請求項8】 透明な高分子フィルムc4が、厚さが1
    0〜50μmで、引張弾性率が0.3〜3GPaである
    請求項7記載の積層フィルム。
  9. 【請求項9】 透明な高分子フィルムc4が、ポリアミ
    ド、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビ
    ニル共重合体、アイオノマー、ポリ塩化ビニル、ポリ塩
    化ビニリデン、エチレン−酢酸ビニル共重合体のけん化
    物からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂から形
    成されたフィルムである請求項7記載の積層フィルム。
  10. 【請求項10】 積層フィルムの全光線透過率が20〜
    95%である請求項1ないし9のいずれか1項に記載の
    積層フィルム。
  11. 【請求項11】 電子部品包装用フィルムである請求項
    1ないし10のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  12. 【請求項12】 請求項1ないし11のいずれか1項に
    記載の積層フィルムからなる電子部品用包装袋。
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