JP2002064384A - デルタシグマ変調器、デジタル信号処理装置及び方法 - Google Patents

デルタシグマ変調器、デジタル信号処理装置及び方法

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JP2002064384A
JP2002064384A JP2000251498A JP2000251498A JP2002064384A JP 2002064384 A JP2002064384 A JP 2002064384A JP 2000251498 A JP2000251498 A JP 2000251498A JP 2000251498 A JP2000251498 A JP 2000251498A JP 2002064384 A JP2002064384 A JP 2002064384A
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Shigeo Tagami
繁男 田上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 切り替えノイズを全く発生することなく、Δ
Σ変調器の次数を問わず、0データ入力時のΔΣ変調器
の出力パルス列自体が常に決まった形と位相のミュート
パターンへと変化するデジタル信号処理装置を提供す
る。 【解決手段】 インターフェース(I/F)部3は、端
子2を介して入力された入力データをデジタル信号処理
装置1内で扱えるデータにする。デジタル補間フィルタ
4は、I/F部3を介した上記入力データ間の補間を行
う。ΔΣ変調器6は、デジタル補間フィルタ4からのフ
ィルタリング出力にΔΣ変調処理を施す。波形整形器7
は、ΔΣ変調器6の変調出力の波形を整形する。LPF
8は、波形整形器7からの波形整形出力を適度に減衰し
滑らかなアナログオーディオ信号を端子9に出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1ビット音楽信用
のデジタル信号処理装置及び、16ビット、20ビット
又は24ビット等のマルチビットのオーディオデジタル
データにデルタシグマ(ΔΣ)変調を施して、1ビット
又は数ビットのデータを出力するデジタル信号処理装置
及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】1ビットのΔΣ変調器は、入力デジタル
データに応じた1と0のパルス列を出力する。このため
入力データがプラスの大きな値のときは1のパルスが多
く出力され、マイナスの大きな値のときは0が多く出力
される。同様に入力データが0のときは1と0のパルス
の数がトータルでは丁度半々になる。なお、ここで用い
られる“0”はデジタル信号上の表現であり、実際には
“−1”の意味である。
【0003】このパルス列で完全な無音を作るには、当
該パルス列が、例えば「101010・・」又は図9に
示すように「11001100・・という」デューティ
比50%の固定パターンか、又はある単位数あたりで1
と0の数が等しく、同じパターンの繰り返しである必要
がある。
【0004】この単位数あたりで「1」と「0」の符号
発生頻度が等しく、かつ同じパターンが繰り返すような
パルス列からなる信号は、図10に示す様に、例えば数
百kHz以上の帯域に1〜2本のスペクトラムが立つだ
けで、これよりも低い帯域においてはレベルが理論的に
−∞dBとなる。このような信号をミュートパターンと
呼ぶことにする。
【0005】通常のΔΣ変調器は、入力信号が0になれ
ばトータルとしてのパルス出力は1と0が半々である
が、ΔΣ変調の性質により個々の出力は固定パターンに
ならず図11に示す様なランダムに近いパルス列にな
る。この図11に示すようなランダムに近いパルス列の
信号は、高い周波数帯域にノイズを多く持ち、図12に
示す様なスペクトラムを持つものとなる。このため、入
力データが例えば無音のオーディオデータ(「0」が連
続するオーディオデータ、以下、無音データとよぶ。)
であっても、1ビットD/Aコンバータの出力パルス列
から生成されるオーディオ信号は、可聴帯域のノイズレ
ベルが理論的に皆無にならない。すなわち、当該オーデ
ィオ信号は、その理論的なノイズと高周波ノイズやジッ
タとの相互作用などによって、S/Nが低下したものと
なってしまう。
【0006】よってこの理論的なノイズによってS/N
が低下することを防ぐため、出力信号を強制的にミュー
トパターンに切り替える方法が存在するが、もともと無
音データ入力であっても連続している出力パルス列を、
図13の(a)に示すように、いきなり無関係なミュー
トパターンに切り替えるようになってしまうため、その
切り替え部で不連続点が発生してしまう。このため、当
該図13の(a)に示すような出力パルス列を波形整形
し、さらにローパスフィルタを介して生成したアナログ
音声信号には、上記不連続点に起因する図13の(b)
に示すような「プチ」というノイズを発生してしまって
いた。
【0007】また、この不連続点に起因する切り替えノ
イズを低減する技術として、例えば特開平8−1864
97号公報には、出力パルスの積分値を監視してタイミ
ングを合わせ込み、影響の少ないところで切り替えるよ
うな技術が開示されている。ただし、この場合も切り替
えノイズを皆無にするのは困難であり、また、操作も複
雑で規模も大きくなった。
【0008】また、本件出願人が特開平9−30745
2号公報により開示したように、ΔΣ変調器にミュート
パターンを入力し、積分器の残りの値を制御してΔΣ変
調器の出力そのものをミュートパターンに近いものに
し、ΔΣ変調器出力がミュートパターンと一致した時点
で切り替えるという手法も存在するが、切り替えノイズ
はほんの僅かに発生して完全に無いわけではない。
【0009】また、本件出願人が特願平11−0315
49号にて出願したように、ΔΣ変調器の出力そのもの
が固定パターンへと変化する手法も存在するが、ΔΣ変
調器の次数が偶数に限られることや、ミュートパターン
の形や位相がその都度異なってしまうという欠点があっ
た。
【0010】また、以上に説明した1ビットのΔΣ変調
器とは別に、量子化器を複数ビットのものと置き換える
ことでΔΣ方式のD/A変換処理には、入力デジタルデ
ータをオーバーサンプリングしてからΔΣ変調を用いて
少数ビットのデータに変換するタイプのΔΣ変調器もあ
る。上記1ビットのΔΣ変調器により出力された信号
(1ビット)は波形整形すればアナログ出力信号となる
が、複数ビットの場合はさらに少数ビットD/A変換を
行うことでアナログ出力信号となる。なお、実際には高
周波ノイズを適度に除去するローパスフィルタが挿入さ
れる。
【0011】図14には、入力データを少数ビットのデ
ータに変換するタイプのΔΣ変調器を用いて、マルチビ
ットオーディオデータをD/A変換処理するデジタル信
号処理装置70の従来の具体例を示す。このデジタル信
号処理装置70において、入力データ71は、入力デー
タインターフェース(I/F)72に供給され、当該D
/A変換処理装置内で扱えるデータにされてから信号処
理部73に供給される。信号処理部73はアッテネーシ
ョン、バスブースト、イコライズ等の信号処理を上記デ
ータに施して得た信号処理データ74をデジタル補間フ
ィルタ75に供給する。デジタル補間フィルタ75は信
号処理データ74をオーバーサンプリングし、その出力
76をΔΣ変調器77に供給する。ΔΣ変調器77は上
記オーバーサンプリング出力76を少数ビットのデータ
78に変換し、少数ビットD/A変換器79に供給す
る。少数ビットD/A変換器79は、数ビットになった
データをアナログ信号80に変換し、ローパスフィルタ
(LPF)81に供給する。LPF81は上記アナログ
信号の高域ノイズを適度に減衰し滑らかなアナログ信号
82を出力する。
【0012】このD/A変換器79による少数ビットの
D/A変換では、抵抗やスイッチドキャパシタをローテ
ーションさせて重み付けするダイナミックエレメントマ
ッチング方式やPWM変換方式などが用いられる。PW
M変換の場合、例えばΔΣ変調の出力が3ビット(±
1.5,±1.0,±0.5,0)とすると、図15に
示す様にパルスの長さを変えてこれを表現する。単純に
パルス幅を変えるタイプや、補助関係にある二つのPW
M信号の差動をとるタイプなど様々な方法があるが、ど
れもΔΣ変調器出力が0の場合、パルスのHとLの長さ
はほぼ同じになる。
【0013】このため、上記デジタル信号処理装置への
入力が0になると、この装置からの出力であるアナログ
出力信号も同じ電圧が一定か、もしくはデューティー比
50%のパルスが続くものと考えられるが、実際には通
常のΔΣ変調器は積分器とフィードバックを持つため入
力信号が0になっても出力信号は0固定にはならず、0
の他に+0.5や−1.0といった値がランダムに出力
されて高い周波数にノイズを多く持つ図16に示すよう
なスペクトラムの信号となる。これにより入力が0であ
っても可聴帯域の理論的なノイズレベルは皆無にはなら
ない。
【0014】この無音時のノイズレベルをより下げるた
めに、デジタルデータが一定時間0であることを検出し
て(以下0検出という)ΔΣ変調器出力を強制的に0に
切り替えるタイプのD/A変換処理装置が存在するが、
もともと無音データ入力であっても連続している出力パ
ルス列を、いきなり無関係な0固定に切り替えるために
不連続が生じ、図17に示すように無音へ切り替わる瞬
間に「プチ」というノイズを発生してしまっていた。
【0015】また通常のΔΣ変調器は、入力信号が0に
なるとその時点で積分器に残っていた端数データ(ΔΣ
変調器のフィードバック信号のLSBよりも小さい桁の
データ)が次段で積分されてフィードバックがかかるこ
とによってある周期で同じ計算が延々と繰り返され、周
期的な動作ノイズを発生する。この動作ノイズは電源グ
ランドやICのサブ基板等を介して信号ラインに混入し
てしまい、絶対的なレベルは小さいものの「ピー」と人
工的なノイズとして聞こえるため耳につきやすい。以
下、この周期的なノイズをアイドリングノイズと呼ぶ。
図18にはアイドリングノイズの具体例を示す。
【0016】アイドリングノイズはΔΣ変調器の入力に
DCデータを足し込むことで、動作ノイズが多少分散し
たり周波数が可聴帯域外に出たりと、ある程度軽減する
ことができる。しかしDCデータによってアナログ出力
にオフセットがつくことに不都合がある場合もあり、ま
たアイドリングノイズが可聴帯域から完全に無くならな
い場合もある。
【0017】しかも少数ビットD/A変換の前に、信号
処理部において音楽の低域や高域のレベルをコントロー
ルするイコライズ等の信号処理を行うと、フィードバッ
ク及び語長の有限性などから入力信号が0であっても信
号処理経路に何かしらの端数が残ってしまう場合があ
り、これがDCデータとなってアイドリングノイズが発
生したり変化する場合がある。
【0018】また、0検出時にΔΣ変調器出力を変更す
ることなく、外部のライン出力をトランジスタ等でグラ
ンドとショートさせてS/N比を向上させる方法が一般
的であるが、部品点数が増える上、アイドリングノイズ
は出力信号だけでなく電源やグランド等を通して各部に
回り込むためこれを完全に無くすことは難しい。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、0
データ入力時には切り替えノイズを発生することなく、
ミュートパターンを出力することのできるデルタシグマ
変調器の提供を目的とする。
【0020】本発明は、切り替えノイズを全く発生する
ことなく、ΔΣ変調器の次数を問わず、0データ入力時
のΔΣ変調器の出力パルス列自体が常に決まった形と位
相のミュートパターンへと変化するデジタル信号処理装
置及び方法の提供を目的とする。
【0021】また、本発明は、切り替えノイズを全く発
生することなく、イコライザ等の信号処理如何に影響さ
れず、0データ入力時に、ミュートパターンを出力する
ことのできるデルタシグマ変調器の提供を目的とする。
【0022】また、本発明は、簡単な構造で、切り替え
ノイズを全く発生することなく、イコライザ等の信号処
理如何に影響されず、0データ入力時のΔΣ変調器の出
力データ及び演算を固定し、S/Nを向上させるととも
にアイドリングノイズの発生も防ぐことのできるデジタ
ル信号処理装置及び方法の提供を目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明に係るデルタシグ
マ変調器は、上記課題を解決するために、複数個の積分
器を備えたデルタシグマ変調器において、所定の周期で
繰り返す信号が入力されたときには、上記複数個の積分
器の内の所定数の積分器に所定のデータを足し込むこと
で出力ビット列を所定の周期で繰り返す信号にする。
【0024】本発明に係るデジタル信号処理装置は、上
記課題を解決するために、多ビットの入力データにオー
バーサンプリングとデルタシグマ変調を施して高速1ビ
ットデータを得るデジタル信号処理装置において、複数
個の積分器を備え、その内の所定数の積分器の内の少な
くとも一つの積分器には、端数を除去する端数除去手段
を設け、この端数除去手段により上記少なくとも一つの
積分器出力に第1の所定のデータを足し込むと共に、上
記所定数の積分器の内の別の積分器に第2の所定のデー
タを足し込むデルタシグマ変調手段と、入力データが一
定期間ゼロデータが続くデータであることを検出するゼ
ロ検出手段とを備え、上記ゼロ検出手段にて上記入力デ
ータが一定期間ゼロデータの続くデータであることを検
出したとき、上記デルタシグマ変調手段は、所定の周期
で繰り返す信号に対して、上記端数除去手段を使って上
記第1の所定のデータを足し込んで下位ビットを0と
し、上記所定数の積分器の内の別の積分器に上記第2の
所定のデータを足し込んで所定のタイミングにおいて積
分器の値を0とする。
【0025】本発明に係るデジタル信号処理方法は、上
記課題を解決するために、多ビットの入力データにオー
バーサンプリングとデルタシグマ変調を施して高速1ビ
ットデータを得るデジタル信号処理方法において、複数
個の積分器の内の所定数の積分器の少なくとも一つの積
分器に発生する、端数を除去する端数除去工程を設け、
この端数除去工程により上記少なくとも一つの積分器出
力に第1の所定のデータを足し込むと共に、上記所定数
の積分器の内の別の積分器に第2の所定のデータを足し
込むデルタシグマ変調工程と、入力データが一定期間ゼ
ロデータが続くデータであることを検出するゼロ検出工
程とを備え、上記ゼロ検出工程にて上記入力データが一
定期間ゼロデータが続くデータであることを検出したと
き、上記デルタシグマ変調工程は、所定の周期で繰り返
す信号に対して、上記端数除去工程を使って上記第1の
所定のデータを足し込んで下位ビットを0とし、上記所
定数の積分器の内の別の積分器に上記第2の所定のデー
タを足し込んで所定のタイミングにおいて積分器の値を
0とする。
【0026】本発明に係るデルタシグマ変調器は、上記
課題を解決するために、複数個の積分器を備えたデルタ
シグマ変調器において、複数ビットの量子化手段と、上
記複数個の積分器の内の所定数の積分器に所定のデータ
を足し込むことで上記量子化手段の出力ビット列を適当
な値に固定する。
【0027】本発明に係るデジタル信号処理装置は、上
記課題を解決するために、多ビットの入力データにオー
バーサンプリングとデルタシグマ変調を施して少数ビッ
トデータを得るデジタル信号処理装置において、複数個
の積分器と複数ビットの量子化手段を備え、上記複数個
の積分器の内の所定数の積分器の内の少なくとも一つの
積分器には、端数を除去する端数除去手段を設けてなる
デルタシグマ変調手段と、入力データが一定期間ゼロデ
ータが続くデータであることを検出するゼロ検出手段と
を備え、上記ゼロ検出手段にて上記入力データが一定期
間ゼロデータが続くデータであることを検出したときに
は、上記デルタシグマ変調手段の上記端数除去手段によ
り積分器出力に所定のデータを足し込んで下位ビットを
0とし、上記量子化手段の出力ビット列を適当な値に固
定する。
【0028】本発明に係るデジタル信号処理方法は、上
記課題を解決するために、多ビットの入力データにオー
バーサンプリングとデルタシグマ変調を施して少数ビッ
トデータを得るデジタル信号処理方法において、複数個
の積分器と複数ビットの量子化工程を備え、所定の積分
器の内の少なくとも一つの積分器には、端数を除去する
端数除去工程を設けてなるデルタシグマ変調工程と、入
力データが一定期間ゼロデータが続くデータであること
を検出するゼロ検出工程とを備え、上記ゼロ検出工程に
て上記入力データが一定期間ゼロデータが続くデータで
あることを検出したときには、上記デルタシグマ変調工
程の上記端数除去工程により積分器出力に所定のデータ
を足し込んで下位ビットを0とし、上記量子化工程の出
力ビット列を適当な値に固定する。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明のいくつかの実施の
形態について図面を参照しながら説明する。先ず、第1
の実施の形態について図1〜図4を参照しながら説明す
る。この第1の実施の形態は、16ビット、20ビット
又は24ビット等のマルチビットのオーディオデジタル
データ(入力データ)にデルタシグマ(ΔΣ)変調を施
して1ビットデータを出力するデジタル信号処理装置1
である。
【0030】このデジタル信号処理装置1は、図1に示
すように、端子2を介して入力された上記入力データを
当該デジタル信号処理装置1内で扱えるデータにするイ
ンターフェース(I/F)部3と、このI/F部3を介
した上記入力データ間の補間を行うデジタル補間フィル
タ4と、このデジタル補間フィルタ4からのフィルタリ
ング出力にΔΣ変調処理を施すΔΣ変調器5と、このΔ
Σ変調器5の変調出力の波形を整形する波形整形器7
と、この波形整形器7からの波形整形出力を適度に減衰
し滑らかなアナログオーディオ信号を端子9に出力する
LPF8とを備える。
【0031】また、このデジタル信号処理装置1は、上
記I/F部3を介した上記入力データから「0」の連続
を検出するゼロ検出器10と、ゼロ検出器10からの検
出結果に基づいてΔΣ変調器5の出力を常に決まった形
と位相のミュートパターンに変化させるシステムコント
ローラ11とを備える。
【0032】次に、このデジタル信号処理装置1の動作
を概略的に説明する。端子2から供給された上記入力デ
ータは、I/F部3を介してデジタル補間フィルタ4及
びゼロ検出器10に供給される。
【0033】ゼロ検出器10は、上記入力データとして
ある一定時間以上“0”のデータが続くことを検出した
とき、その入力データが無音データであるとみなして、
検出信号12を「1」にし(検出フラグに「1」を立て
る」)、一方、上記入力データが“0”のデータでなく
なったならば即座に検出信号12を「0」に戻す。この
ゼロ検出器10からの検出信号12はシステムコントロ
ーラ11に入力する。
【0034】デジタル補間フィルタ4は、I/F3を介
した上記入力データのデータとデータ間を適当に補間
し、サンプリング周波数を例えば入力データの64倍の
レートに変換する。
【0035】ΔΣ変調器5は、デジタル補間フィルタ4
によるオーバーサンプリングと同じレート(上記入力デ
ータの64倍のレート)の周波数で動作し、マルチビッ
トの上記補間されたデータを1ビットに変換する(すな
わち再量子化を行う)。このとき、当該1ビットに変換
する際に発生する再量子化ノイズを、高い周波数に集中
させることで可聴帯域のS/Nをある程度確保する。こ
のΔΣ変調器5の具体的構成及び動作は後述する。この
ΔΣ変調器5からの1ビットデータ13は、波形整形器
7に入力する。
【0036】波形整形器7は、ΔΣ変調器5からの1ビ
ットデータ13を、いわゆるリターンゼロ波形等に変形
し、例えば別電源で生成されたクロック或いはジッタの
少ないクロックでアナログ特性が良好となるように波形
整形する。この波形整形器7の出力信号14は、LPF
8を通過することで、滑らかなアナログ波形となされ
る。
【0037】次に、ΔΣ変調器5の詳細について説明す
る。ΔΣ変調器5は、図2に示すように、複数個の積分
器(この実施の形態では第1段目から第4段目までの5
個の積分器20〜24)と、各積分器20〜24の前に
あって後述する量子化器30からの量子化データが各積
分器20〜24への入力としてフィードバックされる演
算器25〜29と、第1段目から第4段目までの各積分
器20〜23の各出力にそれぞれ1/16、1/8、1
/4、1/2という係数を乗算してシフトするシフト器
32、33、34、35と、積分器20〜24による積
分後のデータを再量子化する量子化器30と、量子化器
30の出力データを上記演算器25〜29を介して各積
分器20〜24にフィードバックするフィードバック経
路31とを備えている。
【0038】また、このΔΣ変調器5は、図1に示した
システムコントローラ11からミュート係数が供給され
るミュート係数乗算器36と、このミュート係数乗算器
36に供給するミュートパターンをデコードするミュー
トパターンデコーダ37と、このミュートパターンデコ
ーダ37及び後述する制御回路44に0〜7までのカウ
ント値39を供給する3ビットのカウンタ38と、この
カウント値39と、上記システムコントローラ11から
のミュート制御信号40と、第1段目の積分器20の加
算出力41と、2段目積分器21の加算出力42と、3
段目積分器22の加算出力43とが供給されて、DC加
算信号45を3段目積分器22に、またマスク信号46
を4段目積分器23に供給する制御回路44とを備えて
いる。
【0039】カウンタ38は、1サンプル毎にカウント
アップし、0,1,2・・・6,7,0,1・・・と単
純に7までカウントアップを繰り返す。ミュートパター
ンデコーダ37は、カウント値39を受けて次の表1に
示すように、1,0,0,1,0,1,1,0という信
号をデコードする。これにより、“1001011
0”,“10010110”という信号が繰り返すミュ
ートパターンが生成される。
【0040】
【表1】
【0041】また、このΔΣ変調器5は、図1に示した
デジタル補間フィルタ4を介した入力データとミュート
係数乗算器36からの乗算器出力とを加算する演算器1
9を入力側に備えている。
【0042】第1段目の積分器20は、上記演算器25
の演算出力が一方の端子に供給される演算器51と、こ
の演算器51の演算出力を遅延する遅延器52と、この
遅延器52の遅延出力の端数を除去して演算器51の他
方の端子に戻す端数除去回路53とを備えている。ここ
で、演算器51の出力は制御回路44に第1の加算出力
41として供給されている。
【0043】第2段目の積分器21は、上記演算器26
の演算出力が一方の端子に供給される演算器54と、こ
の演算器54の演算出力を遅延する遅延器55と、この
遅延器55の遅延出力の端数を除去して演算器54の他
方の端子に戻す端数除去回路56とを備えている。ここ
で、演算器54の出力は制御回路44に第2の加算出力
42として供給されている。
【0044】第3段目の積分器22は、上記演算器27
の演算出力が一方の端子に供給される演算器57と、こ
の演算器57の演算出力を遅延して上記演算器57の他
方の端子に戻す遅延器58とを備えている。演算器57
はさらに他の端子を備え、制御回路44から上記DC加
算信号45が供給される。ここで、演算器57の出力は
制御回路44に第3の加算出力43として供給されてい
る。
【0045】第4段目の積分器23は、上記演算器28
の演算出力が一方の端子に供給される演算器59と、こ
の演算器59の演算出力と上記制御回路44から供給さ
れるマスク信号46との論理積を求める論理積ゲート6
0と、この論理積ゲート60の出力を遅延して上記演算
器59の他方の端子に戻す遅延器61とを備えている。
【0046】第5段目の積分器24は、上記演算器29
の演算出力が一方の端子に供給される演算器62と、こ
の演算器62の演算出力を遅延して上記演算器62の他
方の端子に戻す遅延器63とを備えている。
【0047】第1段目の積分器20で積分されたデータ
は、シフト器32にて1/16にシフトされた後、第2
段目の積分器21に入力する。以下同様に、第2段目の
積分器21で積分されたデータはシフト器33にて1/
8にシフトされた後、第3段目の積分器22に入力し、
この第3段目の積分器22で積分されたデータはシフト
器34にて1/4にシフトされた後、第4段目の積分器
23に入力し、この第4段目の積分器23で積分された
データはシフト器35で1/2にシフトされた後、第5
段目の積分器24に入力する。この第5段目の積分器2
4の出力は、量子化器30にて再量子化され、ΔΣ変調
器5からの1ビットデータ13として図1の波形整形器
7に供給されると共に、フィードバック経路31から各
演算器25〜29を介して各段の積分器20〜24にフ
ィードバックされる。
【0048】第1段目の積分器20へのフィードバック
データは、減算信号として演算器25に入力し、この演
算器25から第1段目の積分器20の演算器51へ送ら
れる。また、第2段目の積分器21へのフィードバック
データは、減算信号として演算器26に入力し、この演
算器26から第2段目の積分器21の演算器54へ送ら
れる。また、第3段目の積分器22へのフィードバック
データは、減算信号として演算器27に入力し、この演
算器27から第3段目の積分器22の演算器57へ送ら
れる。また、第4段目の積分器23へのフィードバック
データは、減算信号として演算器28に入力し、この演
算器28から第4段目の積分器23の演算器59へ送ら
れる。また、第5段目の積分器24へのフィードバック
データは、減算信号として演算器29に入力し、この演
算器29から第5段目の積分器24の演算器62へ送ら
れる。
【0049】第1段目の積分器20において、演算器5
1には端数除去回路53からの信号が加算信号として供
給される。また、第2段目の積分器21において、演算
器54には端数除去回路54からの信号が加算信号とし
て供給される。
【0050】端数除去回路53には、第1段目の積分器
20の遅延器52からのデータが入力され、上記図1の
システムコントローラ11から供給されるミュート制御
信号40に応じて、第1段目の積分器20での積分処理
時に端数が徐々に無くなるように極めて小さいDC成分
を発生し、演算器51に加算信号として送る。また、端
数除去回路56には、第2段目の積分器21の遅延器5
5からのデータが入力され、上記ミュート制御信号40
に応じて、第2段目の積分器21での積分処理時に端数
が徐々に無くなるように極めて小さいDC成分を発生
し、演算器54に加算信号として送る。また、この第2
段目の積分器21内部の端数除去回路56は、この第2
段目の積分器21にて端数除去が終了したら、2段目端
数除去終了フラグ64を制御回路44に送る。
【0051】第3の積分器22の演算器57には、演算
器27で上記フィードバックデータが演算されたデータ
と、遅延器58からのデータ、さらに制御回路44から
DC加算信号45が供給される。そして、この演算器5
7は第3の加算出力43を制御回路44に供給する。
【0052】第4の積分器23に設けられた論理積ゲー
ト60には、制御回路44からマスク信号46が供給さ
れる。論理積ゲート60には、演算器59からの演算出
力も供給されている。この論理積ゲート60のゲート出
力は遅延器61により遅延されて積分結果として出力さ
れるとともに演算器59に戻される。
【0053】次に、上記デジタル信号処理装置1の動作
の詳細について、入力データが通常の音楽データである
ときと、無音データであるときに分けて説明する。先
ず、入力データが通常の音楽データであるとき、ゼロ検
出器10は上記入力データからある一定時間以上の
“0”のデータの連続を検出できないので、上記検出信
号12は「0」のままである。このため、システムコン
トローラ11は、ΔΣ変調器5に供給するミュート係数
を0とする。したがって、ΔΣ変調器5には加算器19
を介して音楽データである入力データのみが供給され
る。このとき、システムコントローラ11は、ミュート
制御信号40も0としており、第1段目積分器20の端
数除去回路53と、第2段目積分器21の端数除去回路
56はスルーとなっている。また、制御回路44は、ミ
ュート制御信号40が0であるので、第3段目積分器2
2に供給すべきDC加算信号45を0とする。このと
き、制御回路44は、第4段目積分器23に供給するマ
スク信号46を1とする。すると、第4段目積分器23
の論理積ゲート60はスルーとなる。
【0054】5段の積分器20〜24とフィードバック
経路31と量子化器30の動作により、ΔΣ変調器5は
量子化ノイズを高い周波数に集中させ、入力データを1
ビットに変換して1ビット出力信号13として出力す
る。この1ビット信号は波形整形器7で波形整形され、
LPF8を通ることで滑らかなアナログオーディオ波形
となる。また、ΔΣ変調器5からそのまま別の信号処理
回路に入力すれば1ビットのデジタルデータとして使用
できる。
【0055】次に、無音時であるときについて説明す
る。入力データとしてある一定時間以上“0”が連続す
るデータが入力された場合、ゼロ検出器10では、当該
入力データの“0”が連続するデータを無音データとみ
なす。そして、検出信号12を「1」にする(検出フラ
グに「1」をたてる)。すると、システムコントローラ
11は、ミュート係数18を徐々に大きくする。ミュー
ト係数18が1.0となると、ΔΣ変調器5への入力は
ミュートパターンのみとなる。これは、入力データとし
てある一定時間以上“0”が連続するデータが入力され
た場合、デジタル補間フィルタ4から出力されてΔΣ変
調器5へ入力されるデータは“0”になり、演算器19
を介して入力されるのはミュートパターンのみとなるた
めである。なお、ミュートパタンの“0”は数値的には
“−1”の意味であるため、ミュート乗算器36の出力
は実際には1,−1,−1,1,−1,1,1,−1・
・という信号になる。またこのときのシステムコントロ
ーラ11はミュート制御信号40を“1”とする。
【0056】この状態のとき、第1段目積分器20には
ミュートパターンの信号±1.0とフィードバック経路
31からのフィードバックデータ(±1.0を値をとる
信号)の加算した値(2,0,−2のいずれか)がその
上位ビットにのみ入力される。このため、第1の積分器
20の下位ビット(2.0より小さい重みのビット)に
は何も足されないためいつまでも同じ値が残り続ける。
この動かない下位ビットの値を“端数”と呼ぶ。この端
数は、後段の積分器で積分されΔΣ変調器出力のビット
列の出方に影響する。
【0057】このようなことから、ΔΣ変調器5の第1
段目積分器20内の端数除去回路53は、システムコン
トローラ11からのミュート制御信号40が“1”であ
る場合に第1段目積分器20の端数を検出し、端数が徐
々に無くなるように極めて小さいDCを演算器51を使
って第1段目積分器20に足し込む。小さいDCが繰り
返し積分されることで、繰り上がりが起きてやがて端数
は0になる。端数が0になると端数除去回路53は微少
なDCを足し込むことをやめる。
【0058】第1段目積分器20の端数除去が終わった
ら、同様に第2段目積分器21においても端数除去回路
56にて端数を除去する。第2段目積分器21には±
1.0のフィードバックデータ及び第1段目積分器20
の積分値を1/16にシフトした信号が入力されるた
め、動く信号の最小ステップは1/16である。よって
1/16より小さい重みのビットは動かない端数として
これより小さい値が0となるように第2段目積分器21
にのみ微小なDCが端数除去回路56により加算され
る。この第2段目積分器21の端数除去が終了すると、
端数除去回路56は2段目端数除去終了フラグ64を
“1”として制御回路44に送る。
【0059】制御回路44は、システムコントローラ1
1からのミュート制御信号40と上記2段目端数除去終
了フラグ64がともに“1”となると、カウンタ38か
らのカウント値39が“7”のタイミングのときのみ第
1段目積分器20の加算出力41と、第2段目積分器2
1の加算出力42を監視する。端数がなくなっていれ
ば、第1段目積分器20の加算出力41と、第2段目積
分器21の加算出力42はカウント値39が“7”のタ
イミングで0となる。そして、これらが共に0であった
場合、制御回路44は第3段目積分器22の加算出力4
3の値をみてこれが0でなければDC加算信号45に適
当なDCを加算する。ここでは、上記第1段目積分器2
0の端数除去回路53や第2段目積分器21の端数除去
回路56で行ったような動くビットの下の桁にだけ微小
なDC加算を行うのではなく、ある時点で一番上の桁ま
で完全に0にするようなDC加算を行う。
【0060】そして、第3段目積分器22でのDC加算
処理が終了したら、制御回路44はカウント値39が
“7”のタイミングで加算出力41,42及び43の全
てを監視し、これらが全て0であった場合に、マスク信
号46を0にする。これによりこの瞬間第4段目積分器
23の値は強制的に0になる。
【0061】これで無音時の制御は終了し、第5段目積
分器24では何も行うことなく、ΔΣ変調器5の1ビッ
ト出力信号13は図4に示すように、数サンプル以内に
ミュートパターンへと変化する。すなわち、従来のよう
にランダムに近いパルス列を強制的に別のミュートパタ
ーンに切り替えるといった操作が無いため、図3の
(a)に示すように、連続しているパルス列に不連続点
が発生するようなことがない。したがって、このデジタ
ル信号処理装置1において、無音データが入力されてΔ
Σ変調器5の出力データ13がミュートパターンのパル
ス列に変化したとしても、図3の(b)に示すように、
当該パルス列を波形整形器7で波形整形してLPF8に
通した後のアナログオーディオ信号には、不連続点に起
因するノイズ(例えば「プチ」という音のノイズ)が発
生することはない。
【0062】なお、再び入力データが0でなくなり、音
がでる場合の動作は以下のようになる。入力データが0
でなくなる場合、図1に示したシステムコントローラ1
1はゼロ検出器10からの検出信号12が「0」となる
のを受けて、ミュート係数18を1.0から0.0に向
かって滑らかに変化させ、ミュート制御信号40を1か
ら0に戻す。すると、ΔΣ変調器5ではミュートパター
ンの固定動作が解除され、通常のランダムに近い1ビッ
トデータ列が出力される。
【0063】以上の動作を、図4のフローチャートを用
いてまとめて説明すると以下のようになる。先ず、シス
テムコントローラ11は、ゼロ検出器10から「1」の
検出信号12が供給されると、ミュート係数18を徐々
に大きくし、ミュート係数18を1.0として、ΔΣ変
調器5への入力をミュートパターンのみとする(ステッ
プS1)。
【0064】次に、ΔΣ変調器5内の第1段目(初段)
積分器20で端数除去回路53により端数が検出された
か否かを判断する(ステップS2)。ここで、端数があ
れば(NO)、ステップS3に進んで端数除去回路53
を使って端数が徐々に無くなるように極めて小さいDC
を演算器51を使って第1段目積分器20に足し込む。
小さいDCが繰り返し積分されることで、繰り上がりが
起きてやがて端数が0になると、端数除去回路53で微
少なDCを足し込むことをやめて、ステップS4に進
む。
【0065】ステップS4では、ΔΣ変調器5内の第2
段目積分器21で端数除去回路56により端数が検出さ
れたか否かを判断する。ここで、端数があれば(N
O)、ステップS5に進んで端数除去回路56を使って
端数が徐々に無くなるように極めて小さいDCを演算器
54を使って第2段目積分器21に足し込む。やがて端
数は0になると、端数除去回路56は2段目端数除去終
了フラグ64を“1”として制御回路44に送り、ステ
ップS6に進む。
【0066】ステップS6において、制御回路44は、
システムコントローラ11からのミュート制御信号40
と上記2段目端数除去終了フラグ64がともに“1”と
なったのを条件に、カウンタ38からのカウント値39
が“7”のタイミングのときのみ第1段目積分器20の
加算出力41と、第2段目積分器21の加算出力42を
監視し、これらが0であれば(YES)ステップS7に
進んで、第3段目積分器22の加算出力43が0である
か否かを判断する。
【0067】ステップS7にて上記加算出力43が0で
なければ(NO)ステップS8に進んで、制御回路44
は第3段目積分器22にDC加算信号45を用いて適当
なDCを加算する。そして、ステップS7にて上記加算
出力43が0であれば(YES)ステップS9に進む。
【0068】ステップS9にて制御回路44はカウント
値39が“7”のタイミングで加算出力41,42及び
43の全てを監視し、これらが全て0であれば(YE
S)、ステップS10に進んで、マスク信号46を0に
し、第4段目積分器23の値を強制的に0にする。
【0069】以上で無音時の制御は終了し、ΔΣ変調器
5の1ビット出力信号13はミュートパターンへと変化
する。これはランダムな出力を強制的にミュートパター
ンに切り替えるといった操作が無いため、出力がミュー
トパターンに変化してもノイズが出ることはない。
【0070】したがって、上記第1の実施の形態である
デジタル信号処理装置1は、比較的小規模な回路で全く
切り替えノイズを発生することなく、無音データ入力時
の1ビットΔΣ変調器の出力をミュートパターンにする
ことができる。これによりD/Aコンバータとして用い
る場合S/Nを向上させることができ、編集機として用
いる場合、曲間への移行をより滑らかに行うことができ
る。
【0071】なお、上述した第1の実施の形態のデジタ
ル信号処理装置1では、第3段目3積分器22は徐々に
0へと変化させ、第4段目積分器23はいきなり0に変
化させているが、これはΔΣ変調器は初段に近いほど出
力信号への影響が大きいためであり、仕様に合わせて4
段目積分器も徐々に0になるように変化させてもよい
し、3段目積分器をいきなり0にすることもできる。
【0072】また積分器の上記加算出力を0にする方法
は、0になるまでDCを加算する方法の他、ある時点で
の積分器の値を一旦記録し、その値を分割して減算する
ようにしてもよい。
【0073】また、デジタル信号処理装置1では5次の
ΔΣ変調器を用いたが、4次、6次或いは7次の変調器
を用いることも可能である。例えば、7次のΔΣ変調器
を用いる場合には、端数除去を第1段目と第2段目の積
分器で行い、第3段目から第5段目の積分器でDC加算
信号を加え、第6段目積分器で論理積ゲートを用いて一
気に0とする。
【0074】また、上記デジタル信号処理装置1内部の
ΔΣ変調器5に局部帰還構成を付加することも可能であ
る。例えば、第5段目積分器24の出力を図示しないシ
フト器を介して第4段目積分器23の入力に局部帰還経
路を使って負帰還するものである。この局部帰還経路に
よる動作は、一般にゼロシフトと呼ばれる。通常時は、
これにより可聴帯域内の量子化ノイズレベルを数dB下
げることができる。また無音時の操作として、局部帰還
をマスク又はフェードアウトさせる様に制御する。
【0075】また、上記第1の実施の形態では、量子化
として1ビット2値のものを用いたが、量子化器を複数
ビットのものと置き換えることで、複数ビットの量子化
のΔΣ変調器にも応用が可能である。この場合、複数ビ
ットで量子化値にゼロレベルの値が存在するため、ΔΣ
変調器の出力としてはミュートパターンの代わりに
「0」固定の信号を用いる。
【0076】以下、入力データを少数ビットのデータに
変換するタイプのΔΣ変調器を用いて、マルチビットオ
ーディオデータをD/A変換処理する、本発明の第2の
実施形態について図5〜図8を用いて説明する。図5に
示すように、このデジタル信号処理装置90は、例えば
20ビットのマルチビットオーディオデジタルデータ
(入力データ)を当該デジタル信号処理装置90内で扱
えるデータにするインターフェース(I/F)部92
と、このI/F部3を介した上記入力データに所定の信
号処理を施す信号処理回路93と、この信号処理回路9
3からの信号処理データに減衰処理を施すアッテネーシ
ョン94と、このアッテネーション94を介したデータ
間の補間を行うデジタル補間フィルタ95と、このデジ
タル補間フィルタ95からのフィルタリング出力96に
ΔΣ変調処理を施し例えば3ビットの信号を出力するΔ
Σ変調器97と、このΔΣ変調器97からの3ビット信
号出力98に3ビットD/A変換処理を施す3ビットD
/A変換器99と、この3ビットD/A変換器99から
のアナログ信号100の高域ノイズを適度に減衰し滑ら
かなアナログ信号102を出力するLPF101とを備
える。
【0077】また、このデジタル信号処理装置90は、
上記I/F部92を介した上記入力データから「0」の
連続を検出するゼロ検出器103と、ゼロ検出器103
からの検出信号104に基づいて1.0から0.0まで
小数点以下をカウントダウンするカウンタ105とを備
えている。
【0078】信号処理回路93は、アッテネーション、
バスブースト、イコライズ等のユーザの好みに応じた各
種信号処理を行うために、ROM/RAM、乗算器など
から構成されるDSPであり、アッテネーション94及
びデジタル補間フィルタ95も実際はこのDSP内で実
現されるが便宜的に分けて記述している。
【0079】次に、このデジタル信号処理装置90の動
作を概略的に説明する。上記入力データ91は、I/F
部92に入力され、信号処理回路93はこの入力データ
に対して各種信号処理を施す。アッテネーション94
は、信号処理回路93の中のアッテネーションとは別に
設けられたもので、ボリウムコントロールやソフトミュ
ートなどには使用されず通常スルーとなっている。
【0080】ゼロ検出器103は、上記入力データとし
てある一定時間以上“0”のデータが続くことを検出し
たとき、その入力データが無音データであるとみなし
て、検出信号104を「1」にし(検出フラグに「1」
を立てる」)、一方、上記入力データが“0”のデータ
でなくなったならば即座に検出信号104を「0」に戻
す。このゼロ検出器103からの検出信号104はカウ
ンタ105に入力する。
【0081】カウンタ105は、ゼロ検出器103から
の検出信号104が「1」のとき、1.0から0.0ま
で小数点以下をカウントダウンし、0.0までカウント
すると停止してカウント値が0.0であることを示すフ
ラグ106を“1”にしてΔΣ変調器97及びアッテネ
ーション94に供給する。また、カウンタ105は、ゼ
ロ検出回路103の検出信号104が「0」になると、
0.0から1.0までカウントアップする。
【0082】アッテネーション94は、カウンタ105
から供給されるフラグ106が“1”であると、係数を
0.0として、信号処理回路93の演算内容によって何
かしらの端数データが残ってしまっていたとしても滑ら
かに減衰してこれを0にする。
【0083】デジタル補間フィルタ95は、入力データ
のデータとデータ間を適当に補間し、サンプリング周波
数を例えば64倍のレートに変換する。このデジタル補
間フィルタ95は、フィードバックを持たないFIRで
構成される。
【0084】ΔΣ変調器97は、上記デジタル補間フィ
ルタ95によるオーバーサンプリングと同じ、64倍の
レートで動作し、多ビットの補間されたデータを数ビッ
ト(ここでは例として3ビット)に変換する。数ビット
に変換した際に発生する再量子化ノイズは積分とフィー
ドバックによって高い周波数に集中させることで可聴帯
域のS/Nをある程度確保する。
【0085】少数ビットD/A変換器99は、数ビット
となったデータをPWM変換などを用いてアナログに変
換し、LPF101が高域ノイズを適度に減衰させて滑
らかなアナログ出力信号が得られる。
【0086】次に、ΔΣ変調器97の詳細について説明
する。ΔΣ変調器97は、図6に示すように、3つの積
分器110〜112と、各積分器110〜112の前に
あって後述する量子化器116からの量子化データが各
積分器110〜112への入力としてフィードバックさ
れる演算器113〜115と、第1段目と第2段目の各
積分器110、111の各出力にそれぞれ1以下の適当
な係数を乗算してシフトするシフト器119、120
と、積分器110〜112による積分後のデータを再量
子化する量子化器116と、量子化器116の出力デー
タを上記演算器113〜115を介して各積分器110
〜112にフィードバックする遅延回路17及びフィー
ドバック経路118とを備えている。
【0087】ここで、量子化器116は、“0”という
出力を持つ、2ビット以上の量子化器である。ここでは
次数が3次のものを用いる。
【0088】第1段目の積分器110は、上記演算器1
13の演算出力が一方の端子に供給される演算器121
と、この演算器121の演算出力を遅延する遅延器12
2と、この遅延器122の遅延出力123の端数を除去
して演算器121の他方の端子に戻す端数除去回路12
4とを備えている。
【0089】第2段目の積分器111は、上記演算器1
14の演算出力が一方の端子に供給される演算器125
と、この演算器125の演算出力を遅延する遅延器12
6と、この遅延器126の遅延出力127の端数を除去
して演算器125の他方の端子に戻す端数除去回路12
8とを備えている。
【0090】第3段目の積分器112は、上記演算器1
15の演算出力が一方の端子に供給される演算器129
と、この演算器129の演算出力を遅延して上記演算器
129の他方の端子に戻す遅延器130とを備えてい
る。
【0091】シフト器119、120で第1段目と第2
段目の各積分器110、111の各出力にそれぞれ乗算
される1以下の適当な係数を、例えば1/4、1/2と
すると、第1段目の積分器110で積分されたデータ
は、シフト器119にて1/4にシフトされた後、第2
段目の積分器111に入力する。以下同様に、第2段目
の積分器111で積分されたデータはシフト器120に
て1/2にシフトされた後、第3段目の積分器112に
入力する。そして、この第3段目の積分器112の出力
は量子化器116で再量子化され、ΔΣ変調器97から
の3ビットデータ98として上記図5に示したD/A変
換器99に供給されると共に、遅延器117で遅延さ
れ、フィードバック経路118から各演算器113〜1
15を介して各段の積分器110〜112にフィードバ
ックされる。
【0092】第1段目の積分器110へのフィードバッ
クデータは、減算信号として演算器113に入力し、こ
の演算器113から第1段目の積分器110の演算器1
21へ送られる。また、第2段目の積分器111へのフ
ィードバックデータは、減算信号として演算器114に
入力し、この演算器114から第2段目の積分器111
の演算器125へ送られる。また、第3段目の積分器1
12へのフィードバックデータは、減算信号として演算
器115に入力し、この演算器115から第3段目の積
分器112の演算器129へ送られる。第1段目の積分
器110において、演算器121には端数除去回路12
4からの信号が加算信号として供給される。また、第2
段目の積分器111において、演算器125には端数除
去回路128からの信号が加算信号として供給される。
【0093】端数除去回路124には、第1段目の積分
器110の遅延器122からのデータが入力され、上記
図5のカウンタ105から供給されるフラグ106に応
じて、第1段目の積分器110での積分処理時に発生す
る端数を徐々に除去する。また、端数除去回路128に
は、第2段目の積分器111の遅延器126からのデー
タが入力され、上記フラグ106に応じて、第2段目の
積分器111での積分処理時に発生する端数を徐々に除
去する。これら端数除去回路124及び128の動作の
詳細については後述する。なお、端数除去回路124
は、第1積分器110における端数除去処理を終了する
と、1段目端数除去終了フラグ131を1にして端数除
去回路128に送る。
【0094】次に、上記デジタル信号処理装置90の動
作の詳細について、無音時の全体の動作、無音時のΔΣ
変調器の動作、無音から通常再生への復帰動作に分けて
説明する。
【0095】先ず、無音時であるときの全体の動作につ
いて説明する。入力データとしてある一定時間以上
“0”が連続するデータが入力された場合、図5のゼロ
検出器103では、当該入力データの“0”が連続する
データを無音データとみなす。そして、検出信号104
を「1」にする(検出フラグに「1」をたてる)。する
と、カウンタ105は、通常1.0である値を、0.0
まで少数点以下の小さな値でカウントダウンし、0.0
までカウントすると停止してカウント値が0.0である
ことを示すフラグ106を“1”にする。なお、このフ
ラグ106はΔΣ変調器97の第1段目積分器110及
び第2段目積分器11の端数除去回路124及び127
に入力される。また、アッテネーション94にも供給さ
れる。
【0096】これによりアッテネーション94の係数が
0.0となり、仮に信号処理回路93の演算内容によっ
て何かしらの端数データが残ってしまっていたとしても
端数データを滑らかに減衰してこれを0にすることがで
きる。その後段のデジタル補間フィルタ95は、フィー
ドバックを持たないFIRで構成されるためデータが残
ってしまうことはなく、ΔΣ変調器97には無音時は完
全な0データが入力される。
【0097】次に、無音時のΔΣ変調器の動作について
説明する。
【0098】無音時にはΔΣ変調器97には0データ
と、その状態を示すフラグ106が上述したように入力
される。このとき、ΔΣ変調器97の第1段目積分器1
10にはフィードバック経路118を介したフィードバ
ックデータの値、±1.5,±1.0,±0.5及び0
などの上位ビットにのみ値が入力されるため、0.5の
重みより下の、積分器の下位ビットは何も足されないた
めいつまでも同じ値が残り続ける。この動かない下位ビ
ットの値が端数である。この端数は第2段目積分器11
1で積分されてΔΣ変調器97の出力ビット列に影響す
る。
【0099】端数除去回路124は、フラグ106が1
である場合に第1段目積分器110の端数を検出し、端
数が徐々に無くなるように極めて小さいDCを第1段目
積分器110に演算器121を介して足し込む。小さい
DCが繰り返し積分されることで、繰り上がりがおきて
やがて端数は0になる。端数が0になると端数除去回路
124は1段目端数除去終了フラグ131を1にし、微
小なDCを足し込むことをやめる。
【0100】この1段目端数除去終了フラグ131が1
になったことを受けて、同様に端数除去回路128は第
2段目積分器111に演算器125を介して微小DCを
足し込んで端数を除去する。
【0101】第2段目積分器111での2段目の端数除
去が終わるとまもなく、ΔΣ変調器97の出力及びフィ
ードバックデータは0固定となる。入力信号96もフィ
ードバックデータも0である為、第1段目積分器110
及び第2段目積分器111は0固定のまま動かなくな
る。第3段目積分器112はある適当な端数を持ったま
ま、足し込むものがないので固定される。この第3段目
積分器112の端数は、これを積分するものがないので
何も動作に影響を与えない。
【0102】これによりΔΣ変調器97の出力は0固定
となって高域ノイズを発生しなくなる。これはランダム
は出力をいきなり0固定に切り替えるといった操作が無
いため、「プチ」というノイズがでることもない。
【0103】また、回路内の全てのデータラインは0又
は1に固定してしまい、ΔΣ変調器97は動作クロック
以外の成分のノイズを一切発生しなくなる。よって電源
やグランド等に現れる信号成分は、数MHz以降にのみ
存在し、無音時の低周波ノイズ及びアイドリングノイズ
は原理的に発生しない。図7にはデジタル信号処理装置
90への0データ入力時の出力スペクトラムの理論値を
示す。また、図8には出力波形の具体例を示す。
【0104】そして、無音から通常再生へ復帰したとき
の動作は以下のようになる。I/F部92への入力デー
タが0から音楽信号に変わると、ゼロ検出回路103の
検出信号104は“1”から“0”になる。すると、カ
ウンタ105のフラグ106も即座に“0”になり、カ
ウンタ105は0.0から1.0までカウントアップし
て1.0で停止する。
【0105】これにより通常の音楽再生が行える。なお
このアッテネーションの速度を決めるカウンタ105の
ステップ値は、通常のソフトミュートやフェードイン、
フェードアウトを行う場合のステップ値よりも大きめに
とることでアッテネーションの速度を速くし、音楽再生
時の冒頭が切れるのを防ぐことができる。
【0106】以上に説明したように、第2の実施の形態
となる、図5及び図6に示すデジタル信号処理装置90
は、小規模な回路で全く切り替えノイズを発生すること
なく無音データ入力時のΔΣ方式のD/A信号処理出力
を固定電圧やデューティ比50%の固定パルスにするこ
とができる。これによりS/N比を向上させることが可
能となる。
【0107】また、無音時にΔΣ変調器の演算が止まっ
てしまうことで、不自然なノイズであるアイドリングノ
イズの発生を皆無にでき、さらに無音時の消費電力を低
下させることができる。
【0108】また、上記第2の実施の形態は、D/Aコ
ンバータ単体に限らず、別の機能をもったICにD/A
コンバータを内蔵した場合も全く同様な手法で実現する
ことができる。
【0109】また、上記第2の実施の形態では、3次の
ΔΣ変調器を用いたが、端数除去回路を追加すれば次数
に関わらず実現することができる。
【0110】
【発明の効果】本発明によれば、切り替えノイズを全く
発生することなく、ΔΣ変調器の次数を問わず、0デー
タ入力時のΔΣ変調器の出力パルス列自体を常に決まっ
た形と位相のミュートパターンへと変化できる。
【0111】また、本発明によれば、簡単な構造で、切
り替えノイズを全く発生することなく、イコライザ等の
信号処理如何に影響されず、0データ入力時のΔΣ変調
器の出力データ及び演算を固定し、S/Nを向上させる
とともにアイドリングノイズの発生も防ぐことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態となるデジタル信号
処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】上記図1に示したデジタル信号処理装置に含ま
れるΔΣ変調器の回路図である。
【図3】上記図1に示したデジタル信号処理装置の出力
パルス列とローパスフィルタ通過後のアナログ波形信号
例を示す波形図である。
【図4】上記図1に示したデジタル信号処理装置の動作
を説明するためのフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施の形態となるデジタル信号
処理装置の構成を示すブロック図である。
【図6】上記図5に示したデジタル信号処理装置に含ま
れるΔΣ変調器の回路図である。
【図7】上記図5に示したデジタル信号処理装置に入力
されるデータが無音時の出力信号のノイズスペクトラム
である。
【図8】上記図5に示したデジタル信号処理装置の入力
データ無音時の出力波形図である。
【図9】ミュートパターンの一例を示す図である。
【図10】ミュートパタンのスペクトラムの一例を示す
図である。
【図11】通常の1ビットD/Aコンバータの出力パル
ス列の一例を示す図である。
【図12】通常の1ビットD/Aコンバータの再量子化
により発生する量子化ノイズの周波数特性を示す図であ
る。
【図13】通常の1ビットD/Aコンバータの出力パル
ス列を無音時に強制的にミュートパターンに切り替えた
場合の、パルス列とローパスフィルタ通過後のアナログ
波形信号例を示す波形図である。
【図14】入力データを少数ビットのデータに変換する
タイプのΔΣ変調器を用いて、マルチビットオーディオ
データをD/A変換処理するデジタル信号処理装置のブ
ロック図である。
【図15】PWM変換の具体例を示す図である。
【図16】従来の0データ入力時の出力スペクトラム
(理論値)図である。
【図17】出力を強制的に切り替えた場合の出力波形図
である。
【図18】アイドリングノイズのスペクトラム図であ
る。
【符号の説明】
1 デジタル信号処理装置、4 デジタル補間フィル
タ、5 ΔΣ変調器、10 ゼロ検出器、11 システ
ムコントローラ、20 第1段目積分器、21第2段目
積分器、22 第3段目積分器、23 第4段目積分
器、24 第5段目積分器、30 量子化器、36 ミ
ュート係数乗算器、37 ミュートパターンデコーダ、
38 カウンタ、44 制御回路、53 端数除去回
路、56 端数除去回路

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数個の積分器を備えたデルタシグマ変
    調器において、 所定の周期で繰り返す信号が入力されたときには、上記
    複数個の積分器の内の所定数の積分器に所定のデータを
    足し込んで所定の周期で繰り返す信号をビット列として
    出力することを特徴とするデルタシグマ変調器。
  2. 【請求項2】 上記所定数の積分器の内の少なくとも一
    つの積分器には、端数を除去する端数除去手段を設け、
    この端数除去手段により積分器出力に第1の所定のデー
    タを足し込んで下位ビットを0とし、上記所定数の積分
    器の内の別の積分器に第2の所定のデータを足し込んで
    所定のタイミングにおいて積分器の値を0とすることを
    特徴とする請求項1記載のデルタシグマ変調器。
  3. 【請求項3】 上記所定数の積分器の内の二つの積分器
    に、端数除去手段を設け、これら二つの端数除去手段に
    よる各積分器の端数除去が終了してから、上記所定の周
    期で繰り返す信号の最後のタイミングで、上記二つの積
    分器の出力を監視し、ともに0となったら、上記別の積
    分器に第2の所定のデータを足し込んで積分器の値を0
    とすることを特徴とする請求項2記載のデルタシグマ変
    調器。
  4. 【請求項4】 上記所定の周期で繰り返す信号は、0と
    1の発生頻度が等しい信号であることを特徴とする請求
    項1記載のデルタシグマ変調器。
  5. 【請求項5】 上記所定の周期で繰り返す信号は、最後
    を0とするミュートパターンであることを特徴とする請
    求項3記載のデルタシグマ変調器。
  6. 【請求項6】 多ビットの入力データにオーバーサンプ
    リングとデルタシグマ変調を施して高速1ビットデータ
    を得るデジタル信号処理装置において、 複数個の積分器を備え、その内の所定数の積分器の内の
    少なくとも一つの積分器には、端数を除去する端数除去
    手段を設け、この端数除去手段により上記少なくとも一
    つの積分器出力に第1の所定のデータを足し込むと共
    に、上記所定数の積分器の内の別の積分器に第2の所定
    のデータを足し込むデルタシグマ変調手段と、 入力データが一定期間ゼロデータが続くデータであるこ
    とを検出するゼロ検出手段とを備え、 上記ゼロ検出手段にて上記入力データが一定期間ゼロデ
    ータの続くデータであることを検出したとき、上記デル
    タシグマ変調手段は、所定の周期で繰り返す信号に対し
    て、上記端数除去手段を使って上記第1の所定のデータ
    を足し込んで下位ビットを0とし、上記所定数の積分器
    の内の別の積分器に上記第2の所定のデータを足し込ん
    で所定のタイミングにおいて積分器の値を0とすること
    を特徴とするデジタル信号処理装置。
  7. 【請求項7】 上記ゼロ検出手段にて上記入力データが
    一定期間ゼロデータが続くデータであることを検出した
    ときには、上記デルタシグマ変調手段の上記所定数の積
    分器の端数除去手段に制御信号を供給して端数の除去を
    行わせることを特徴とする請求項6記載のデジタル信号
    処理装置。
  8. 【請求項8】 上記所定の積分器の内の二つの積分器
    に、端数除去手段を設け、これら二つの端数除去手段に
    よる各積分器の端数除去が終了してから、上記所定の周
    期で繰り返す信号の最後のタイミングで、上記二つの積
    分器の出力を監視し、ともに0となったら、上記別の所
    定の積分器に第2の所定のデータを足し込んで積分器の
    値を0とすることを特徴とする請求項6記載のデジタル
    信号処理装置。
  9. 【請求項9】 多ビットの入力データにオーバーサンプ
    リングとデルタシグマ変調を施して高速1ビットデータ
    を得るデジタル信号処理方法において、 複数個の積分器の内の所定数の積分器の少なくとも一つ
    の積分器に発生する、端数を除去する端数除去工程を設
    け、この端数除去工程により上記少なくとも一つの積分
    器出力に第1の所定のデータを足し込むと共に、上記所
    定数の積分器の内の別の積分器に第2の所定のデータを
    足し込むデルタシグマ変調工程と、 入力データが一定期間ゼロデータが続くデータであるこ
    とを検出するゼロ検出工程とを備え、 上記ゼロ検出工程にて上記入力データが一定期間ゼロデ
    ータが続くデータであることを検出したとき、上記デル
    タシグマ変調工程は、所定の周期で繰り返す信号に対し
    て、上記端数除去工程を使って上記第1の所定のデータ
    を足し込んで下位ビットを0とし、上記所定数の積分器
    の内の別の積分器に上記第2の所定のデータを足し込ん
    で所定のタイミングにおいて積分器の値を0とすること
    を特徴とするデジタル信号処理方法。
  10. 【請求項10】 複数個の積分器を備えたデルタシグマ
    変調器において、 複数ビットの量子化手段と、 上記複数個の積分器の内の所定数の積分器に所定のデー
    タを足し込むことで上記量子化手段の出力ビット列を適
    当な値に固定することを特徴とするデルタシグマ変調
    器。
  11. 【請求項11】 上記所定数の積分器の内の少なくとも
    一つの積分器には、端数を除去する端数除去手段を設
    け、この端数除去手段により積分器出力に所定のデータ
    を足し込んで下位ビットを0とすることを特徴とする請
    求項10記載のデルタシグマ変調器。
  12. 【請求項12】 上記所定数の積分器の内の二つの積分
    器に、端数除去手段を設け、第1の端数除去手段による
    前段の積分器の端数除去が終了してから、第2の端数除
    去手段により次段の積分器の端数を除去することを特徴
    とする請求項11記載のデルタシグマ変調器。
  13. 【請求項13】 多ビットの入力データにオーバーサン
    プリングとデルタシグマ変調を施して少数ビットデータ
    を得るデジタル信号処理装置において、 複数個の積分器と複数ビットの量子化手段を備え、上記
    複数個の積分器の内の所定数の積分器の内の少なくとも
    一つの積分器には、端数を除去する端数除去手段を設け
    てなるデルタシグマ変調手段と、 入力データが一定期間ゼロデータが続くデータであるこ
    とを検出するゼロ検出手段とを備え、 上記ゼロ検出手段にて上記入力データが一定期間ゼロデ
    ータが続くデータであることを検出したときには、上記
    デルタシグマ変調手段の上記端数除去手段により積分器
    出力に所定のデータを足し込んで下位ビットを0とし、
    上記量子化手段の出力ビット列を適当な値に固定するこ
    とを特徴とするデジタル信号処理装置。
  14. 【請求項14】 上記所定数の積分器の内の二つの積分
    器に、端数除去手段を設け、第1の端数除去手段による
    前段の積分器の端数除去が終了してから、第2の端数除
    去手段により次段の積分器の端数を除去することを特徴
    とする請求項13記載のデジタル信号処理装置。
  15. 【請求項15】 補間演算及び音量調整以外の信号処理
    を行う信号処理手段を有し、入力信号無音データのとき
    には上記信号処理手段以降に減衰処理を行うことを特徴
    とする請求項13記載のデジタル信号処理装置。
  16. 【請求項16】 多ビットの入力データにオーバーサン
    プリングとデルタシグマ変調を施して少数ビットデータ
    を得るデジタル信号処理方法において、 複数個の積分器と複数ビットの量子化工程を備え、所定
    の積分器の内の少なくとも一つの積分器には、端数を除
    去する端数除去工程を設けてなるデルタシグマ変調工程
    と、 入力データが一定期間ゼロデータが続くデータであるこ
    とを検出するゼロ検出工程とを備え、 上記ゼロ検出工程にて上記入力データが一定期間ゼロデ
    ータが続くデータであることを検出したときには、上記
    デルタシグマ変調工程の上記端数除去工程により積分器
    出力に所定のデータを足し込んで下位ビットを0とし、
    上記量子化工程の出力ビット列を適当な値に固定するこ
    とを特徴とするデジタル信号処理方法。
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