JP2002046649A - カウルパネル・フロントバルクヘッド構造 - Google Patents
カウルパネル・フロントバルクヘッド構造Info
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Abstract
虞れがなく、簡素な構造ながら確実に歩行者への傷害値
を低減させることができるカウルパネル・フロントバル
クヘッド構造を提供することを目的とする。 【解決手段】 カウルトップガーニッシュ2の前部を形
成するフロントパネル3の下端部6を下方に延長しフロ
ントバルクヘッド4上面8に対して結合するとともに、
前記フロントパネルに対して斜め上前方からの所定値以
上の力の作用時に離脱可能に構成されたことを特徴とす
るもので、万一の衝突による歩行者の頭部によってボン
ネット5の後部に所定値以上の衝撃力が加わった場合に
は、支持部9を経て伝達された衝撃力により、カウルト
ップガーニッシュ2におけるフロントパネル3の下端部
6がフロントバルクヘッド4の上面8の取付部から容易
に脱落する。
Description
ロントガラスの前方に配置されボンネット後端部を支持
するカウルトップガーニッシュと該カウルトップガーニ
ッシュを取着するフロントバルクヘッドを備えるカウル
パネル・フロントバルクヘッド構造に関する。
前方に配置されボンネット後端部を支持して雨水の樋部
材を構成するカウルパネルすなわちカウルトップガーニ
ッシュは、第1従来例として示す図10のような構造を
している。図10に示すものは特許第2976528号
公報に開示されたもので、これを簡単に説明すると第1
の部材109と第2の部材111とカウルトップパネル
105とで閉断面構造を形成し、第1の部材109によ
りウインドウシールドパネル101を支持した構造によ
り、ウインドウシールドパネル101に衝撃力がかかっ
た場合、前記閉断面構造が変形することで、衝撃エネル
ギーを効率よく吸収することができる。
字形を呈していることから、変形が容易に行われ、急激
な衝撃荷重の発生が防止される。さらに、より大きな衝
撃力がウインドウシールドパネル101に加わった場合
は、第1の部材109と第2の部材111の差込み部1
13、被差込み部111cによる係合が外れ、第1の部
材109の変形を促進するため、この点でもピーク荷重
の発生を防止できる。加えて、正面衝突によりカウルボ
ックス103が変形した場合、差込み部113、被差込
み部111cが外れ、ウインドウシールドパネル101
と第2の部材111との接着が維持されて、カウルボッ
クス103の変形に起因したウインドウシールドの変形
を招くことがなく、安全性を向上させることができる。
1への上方からの衝撃は歩行者との衝突事故が発生した
場合に加わるものであり、前記第1の部材109の変形
の促進は、歩行者に与える衝撃力を軽減する上からも不
可欠な構成となっている。しかしながら、前記第1従来
例のものでは、ウインドウシールドパネル101すなわ
ちフロントガラスに対して歩行者からの衝撃力が加わっ
た場合であり、婦女子等の体格のやや小さな歩行者等の
頭部からの衝撃は、通常、ボンネットの後部に加えられ
ることが多い。
合には、第2従来例として示す図11のような構造のも
のが採用されている。これは「’98〜’99ニューテ
クノロジー・オブ・ザ・イヤー(自動車工学5月号臨時
増刊Vol48、No7第23〜30頁)」に収録され
た(株)本田技術研究所による論文「歩行者傷害軽減ボ
ディ」に紹介されたもので、フロントガラス31の前方
に配置されボンネット35後端部をシール部材39を介
して支持するカウルトップガーニッシュ32と該カウル
トップガーニッシュ32を取着するフロントバルクヘッ
ド34を備える。シール部材39を含めて支持部は比較
的変形し易く構成され、カウルトップガーニッシュ32
のフロントパネルは樹脂製とされる。フロントバルクヘ
ッド34の後部に接続されるダッシュボードアッパ40
は折れ易い構造をしており、傷害値を低下できる。
うな従来のカウルパネル・フロントバルクヘッド構造で
は、ボンネット35の後部に加わる歩行者の頭部等から
の衝撃を吸収するためにフロントバルクヘッド34の縦
壁を短くして、カウルトップガーニッシュ32のフロン
トパネルを長くし変形し易い低剛性部材にて構成するこ
とによって、ボンネット35に対する保持力が低下し、
通常走行時にボンネット35とカウルトップガーニッシ
ュ32間のシール性の低下やボンネット35の振動が発
生し易くなる虞れが生じる他、カウルトップガーニッシ
ュ32のフロントパネル下端部とフロントバルクヘッド
34の上端部との間の接続部については、カウル内の雨
水がエンジンルーム内に侵入するのを防止するため、ス
ポンジ等の防水手段を介設する必要があった。
パネル・フロントバルクヘッド構造の課題を解決して、
剛性に優れて、走行中のボンネット振動等の虞れがな
く、簡素な構造ながら確実に歩行者への傷害値を低減さ
せることができるカウルパネル・フロントバルクヘッド
構造を提供することを目的とする。
ントガラスの前方に配置され、該フロントガラスとボン
ネット後端部との間を閉塞するカウルトップガーニッシ
ュと該カウルトップガーニッシュを取着するフロントバ
ルクヘッドを備えるカウルパネル・フロントバルクヘッ
ド構造において、前記カウルトップガーニッシュの前部
を形成するフロントパネルの下端部を下方に延長しフロ
ントバルクヘッド上面に対して結合するとともに、前記
フロントパネルに対して斜め上前方からの所定値以上の
力の作用時に離脱可能に構成されたことを特徴とするも
のである。また、前記カウルトップガーニッシュにおけ
るフロントパネルの下端部を二又フランジに形成すると
ともに、フロントバルクヘッド上面を前記二又フランジ
に整合する形状に形成したことを特徴とするものであ
る。また、前記二又フランジの一方を前記ボンネット後
端部の支持方向に傾斜させたことを特徴とするものであ
る。また、前記カウルトップガーニッシュにおけるフロ
ントパネルから二又フランジの一方の裏面にかけてリブ
を形成したことを特徴とするものである。また、前記二
又フランジの他方およびこれを支持するフロントバルク
ヘッド上面をフロントガラス延長面と略平行に構成した
ことを特徴とするものである。また、前記二又フランジ
の他方の付け根にノッチを形成したことを特徴とするも
のである。また、クリップ止め等による前記フロントバ
ルクヘッド上面への二又フランジの他方の取付部に切欠
きを形成したことを特徴とするものである。また、前記
二又フランジの他方とフロントバルクヘッド上面との取
付部が一体ピンと長孔により構成されたことを特徴とす
るものである。また、クリップ止めあるいは一体ピンを
設けたフロントパネルを支持するフロントバルクヘッド
上面の取付部に切欠きを形成したことを特徴とするもの
である。また、フロントバルクヘッド前面部の高さより
フロントパネルの高さを大としたことを特徴とするもの
で、通常走行中は比較的高い剛性にてボンネットの後端
部との間のシール部材の押圧を確実にするとともに、万
一、歩行者による所定値以上の衝撃をボンネットの後部
に受けた場合には、カウルトップガーニッシュにおける
フロントパネルの下端部がフロントバルクヘッド上面に
対して離脱して、歩行者への傷害値を低減することが可
能となる他、ボンネットの許容変位量を大きくすること
ができる。
バルクヘッド構造の実施の形態を図面に基づいて説明す
る。図1は本発明のカウルパネル・フロントバルクヘッ
ド構造の第1実施の形態を示し、要部断面図およびフロ
ントバルクヘッドへのカウルパネルの取付部の平面図で
ある。本発明は、フロントガラス1の下端縁をシール部
材11を介して装着して前方に配置され、ボンネット5
の後端部にシール部材9を押圧するとともに、フロント
ガラス1とボンネットの間を閉塞するカウルトップガー
ニッシュ2と、該カウルトップガーニッシュ2を取着す
るフロントバルクヘッド4を備えるカウルパネル・フロ
ントバルクヘッド構造において、前記カウルトップガー
ニッシュ2におけるフロントパネル3の下端部6をフロ
ントバルクヘッド4の上面8に対して所定値以上の力の
作用時に離脱可能に構成されたことを特徴とする。
端部6とフロントバルクヘッド4の上面8とはクリップ
7により所定の締結力により取り付けられるもので、フ
ロントパネル3の下端部6側には、フロントパネル3の
下部後方への脱落を可能とする切欠き10が形成されて
いる。なお、ボンネット5上面を後方に流れる雨水やフ
ロントガラス1を落下してきた雨水はカウルトップガー
ニッシュ2に穿設された多数の雨水抜孔19から樋部材
を構成するカウル内を通って車体側部から排水される。
符号15は後述するところの補強用のリブを示す。
衝突により歩行者の頭部がボンネット5の後部に衝撃を
与えた場合には、支持部であるシール部材9を経て伝達
された衝撃力により、フロントバルクヘッド4の上面8
からカウルトップガーニッシュ2におけるフロントパネ
ル3の下端部6がクリップ7による締結力から開放され
て下部後方へ容易に脱落し、歩行者への傷害を最小限に
留めることができる。したがって、カウルトップガーニ
ッシュ2およびそのフロントパネル3の剛性を何ら犠牲
にすることなく(高い剛性のままで)歩行者からの衝撃
を和らげて傷害値を低減させることができるので、高い
剛性のフロントパネル3によりボンネット5後端部に対
してシール部材9を確実に支持して、走行中の振動を抑
制するとともに音漏れや漏水等の虞れもない。
ルクヘッド構造の第2実施の形態を示し、図2(A)は
要部断面図、図2(B)および図2(C)はフロントバ
ルクヘッドからのカウルトップガーニッシュにおけるフ
ロントパネルの脱落過程を示す図である。本実施の形態
では、図2(A)に示すように、カウルトップガーニッ
シュ2におけるフロントパネル3の下端部を二又フラン
ジ6−1、6−2に形成するとともに、フロントバルク
ヘッド4の上面8を前記二又フランジ6−1、6−2に
整合する形状に形成したことを特徴とする。前記二又フ
ランジは、フロントバルクヘッド4の上面8に取り付け
られる取付フランジ6−2と、フロントバルクヘッド4
の起立壁面に沿うシールフランジ6−1に分岐され、取
付フランジ6−2の前端部は折曲端部12とされてフロ
ントバルクヘッド4の上面8と取付フランジ6−2との
締結力すなわち脱落強度を補助する。
よりフロントバルクヘッド4の上面8に対してカウルト
ップガーニッシュ2におけるフロントパネル3の下端部
が安定して高い剛性にて保持されるので、通常の走行時
にボンネット5を確実に支持して、走行中の振動等の虞
れもない。かくして、図2(B)に示すように、矢印の
ようなボンネット5からの衝撃を受けると、クリップ等
によるフロントバルクヘッド4の上面8への取付フラン
ジ6−2の締結が解かれて、図2(C)に示すようにカ
ウルトップガーニッシュ2が下部後方へ脱して、歩行者
への傷害を最小限に留めることができる。前記二又フラ
ンジの一方のシールフランジ6−1はフロントバルクヘ
ッド4の起立壁面に沿って延設されているため、樋部材
を構成するカウル内を流れる雨水がエンジンルーム内に
侵入することを防止するシール部材として作用するばか
りでなく、フロントパネル3の脱落が前記起立壁面に沿
ってガイドされて円滑になされる。
ルクヘッド構造の第3実施の形態を示し、図3(A)は
要部断面図、図3(B)はフロントバルクヘッドからの
カウルトップガーニッシュにおけるフロントパネルの脱
落過程図、図3(C)は荷重分布図である。本実施の形
態では、図3(A)に示すように、二又フランジの一方
のシールフランジ6−1を前記ボンネット5後端部の支
持方向(シール部材9と略平行)に傾斜させたことを特
徴とする。したがって、図3(C)のように、フロント
バルクヘッド4の上面8の対応する部分は傾斜面13に
形成され、通常走行時には、ボンネット5の荷重はやや
広角に形成された二又フランジ6−1、6−2によって
安定して確実に保持される。万一の衝突により歩行者の
頭部がボンネット5の後部に衝撃を与えた場合には、支
持部であるシール部材9を経て伝達された衝撃力によ
り、クリップ等によるフロントバルクヘッド4の上面8
への取付フランジ6−2の締結が解かれる際に、シール
フランジ6−1と傾斜面13との間の摩擦力による衝撃
緩和力も適度に作用して、図3(B)に示すように適切
に脱落する。しかも、シールフランジ6−1はボンネッ
ト5後端部の支持方向に沿っているので、剛性高く強度
を大きくすることができる。
ルクヘッド構造の第4実施の形態を示し、要部断面図で
ある。本実施の形態では、カウルトップガーニッシュ2
におけるフロントパネル3から二又フランジの一方であ
るシールフランジ6−1の裏面にかけてリブ15を形成
したことを特徴とする。このように構成したので、フロ
ントパネル3からシールフランジ6−1の裏面にかけて
の剛性をアップすることができて、通常走行時のボンネ
ット5の保持力を確実に高めることを可能にする。
ルクヘッド構造の第5実施の形態を示し、図5(A)は
要部断面図、図5(B)は艤装工程図、図5(C)は荷
重分布図である。本実施の形態では、二又フランジの他
方である取付フランジ6−2およびこれを支持するフロ
ントバルクヘッド4の上面8をフロントガラス1の延長
面と略平行に構成したことを特徴とする。このように構
成したことにより、図5(B)に示すように、カウルト
ップガーニッシュ2をフロントガラス1とフロントバル
クヘッド4との間に装着して艤装する際に、矢印のよう
にフロントガラス1の延長方向に取り付けることが容易
となり、作業が楽になる他、カウルトップガーニッシュ
2の溝部20にてフロントガラス1の下縁を保持するよ
うに構成することができるので、従来のようなクリップ
を廃止することができる。また、図5(C)に示すよう
に、通常走行時にはシール部材を、ボンネット5の荷重
に対して略直角に形成された二又フランジ6−1、6−
2によって安定して確実に保持することもできる。
ルクヘッド構造の第6実施の形態を示し、図6(A)〜
(C)は各変形例の要部断面図、図6(D)はフロント
パネルの脱落状態図である。本実施の形態では、前記二
又フランジの他方である取付フランジ6−2の付け根に
ノッチ16を形成したことを特徴とする。図6(A)の
ものは図2の実施の形態のものに、図6(B)のものは
図3、4の実施の形態のものに、図6(C)のものは図
5の実施の形態のものにそれぞれ適用したものである。
このように構成したことにより、図6(D)に示すよう
に、フロントバルクヘッド4の上面8と傾斜面13に対
して確実且つ高い剛性にて保持される一対の取付フラン
ジ6−2およびシールフランジ6−1のひとつである取
付フランジ6−2側に形成されたノッチの存在により、
歩行者の頭部等からの衝撃を受けて曲がり易くなり、傷
害値を適宜選定して低下制御させることが可能となる。
ルクヘッド構造の第7実施の形態を示し、図7(A)は
要部断面およびフロントバルクヘッドへのカウルパネル
の取付部の平面図、図7(B)はフロントパネルの脱落
状態図である。本実施の形態では、クリップ7止め等
(ビス止めでもよい)による前記フロントバルクヘッド
4上面への二又フランジの他方6−2の取付部に切欠き
10を形成したことを特徴とする。このように構成した
ことにより、図7(B)に示すように、歩行者の頭部等
からの衝撃を受けたカウルトップガーニッシュ2のフロ
ントパネル3が、何ら破壊されることなくクリップ7止
め等による摩擦締結から開放されて矢印のように脱落す
ることが許容される。
ルクヘッド構造の第8実施の形態を示し、要部断面図お
よびフロントバルクヘッドの上面の斜視図である。本実
施の形態では、前記二又フランジの他方である取付フラ
ンジ6−2とフロントバルクヘッド4の上面8との取付
部が一体ピン17と長孔18により構成されたことを特
徴とする。このように構成したことにより、取付フラン
ジ6−2に一体に設けられた一体ピン17を、フロント
バルクヘッド4の上面8に穿設された長孔18に締り嵌
め等により所定の摩擦力にて取り付ける等により、歩行
者の頭部等からの衝撃を受けたカウルトップガーニッシ
ュ2のフロントパネル3が、何ら破壊されることなく一
体ピン17による摩擦締結等から開放されて長孔18の
範囲内を移動して衝撃を和らげることができる。
ルクヘッド構造の第9実施の形態を示し、要部断面図お
よびフロントバルクヘッドの上面の斜視図である。本実
施の形態では、クリップ止めあるいは一体ピン17を設
けたフロントパネル3を支持するフロントバルクヘッド
4の上面13の取付部に切欠き21を形成したことを特
徴とする。このように構成したことにより、フロントバ
ルクヘッド4の上面13が前述した実施の形態のものと
逆向きに構成された場合に、該上面13に形成された切
欠き21の存在によって、歩行者の頭部等からの衝撃を
受けたカウルトップガーニッシュ2のフロントパネル3
およびフロントバルクヘッド4の上面13が、何ら破壊
されることなくクリップ7止めあるいは一体ピン17等
による摩擦締結から開放されて脱落することが許容され
る。
してきたが、本発明の趣旨の範囲内で、カウルトップガ
ーニッシュの形状、形式および材質およびそのフロント
ガラスへの装着形態ならびにシール部材によるボンネッ
トの支持形態、フロントバルクヘッドの形状、形式およ
びそのカウルトップガーニッシュとの取着形態(クリッ
プ、取付ビス、一体ピンによる切欠きや長孔との摩擦等
による取付形態に限らず、接触面間での微細凹凸面の形
成等)、カウルトップガーニッシュにおけるフロントパ
ネル下部の二又フランジの各傾斜角度、フランジにおけ
るノッチの形状、位置等については適宜選定できるもの
である。
よれば、フロントガラスの前方に配置されボンネット後
端部を支持するカウルトップガーニッシュと該カウルト
ップガーニッシュを取着するフロントバルクヘッドを備
えるカウルパネル・フロントバルクヘッド構造におい
て、前記カウルトップガーニッシュにおけるフロントパ
ネルの下端部をフロントバルクヘッド上面に対して所定
値以上の力の作用時に離脱可能に構成されたことによ
り、万一の衝突による歩行者の頭部によってボンネット
の後部に所定値以上の衝撃力が加わった場合には、支持
部を経て伝達された衝撃力により、カウルトップガーニ
ッシュにおけるフロントパネルの下端部がフロントバル
クヘッドの上面の取付部から容易に脱落し、歩行者への
傷害を最小限に留めることができる上、カウルトップガ
ーニッシュおよびそのフロントパネルの剛性を何ら犠牲
にすることなく歩行者からの衝撃を和らげて傷害値を低
減させることができるので、高い剛性のフロントパネル
によりシール部材をボンネットに対して確実に支持し
て、走行中の振動を抑制するとともに、音漏れや漏水等
の虞れもない。
けるフロントパネルの下端部を二又フランジに形成する
とともに、フロントバルクヘッド上面を前記二又フラン
ジに整合する形状に形成した場合は、二又フランジの採
用によりフロントバルクヘッドの上面に対しフロントパ
ネルの下端部を安定して高い剛性にて保持でき、通常の
走行時にボンネットに対してシール部材を確実に支持し
て、走行中の振動等を抑制することができる。その上、
二又フランジの一方のシールフランジはフロントバルク
ヘッドの起立壁面に沿って延設されているため、樋部材
を構成するカウル内を流れる雨水がエンジンルーム内に
侵入することを防止するシール部材として作用するばか
りでなく、フロントパネルの脱落が円滑になされる。
ンネット後端部の支持方向に傾斜させた場合は、通常走
行時には、ボンネットの荷重はやや広角に形成された二
又フランジによって安定して確実に保持されるととも
に、ボンネット後端部の支持方向に沿ったフランジ部分
を、剛性高く強度を大きくすることができる。さらにま
た、前記カウルトップガーニッシュにおけるフロントパ
ネルから二又フランジの一方の裏面にかけてリブを形成
した場合は、フロントパネルから二又フランジの一方の
裏面にかけての剛性をアップすることができて、通常走
行時のボンネットに対するシール部材の保持力をさらに
確実に高めることを可能にする。また、前記二又フラン
ジの他方およびこれを支持するフロントバルクヘッド上
面をフロントガラス延長面と略平行に構成した倍は、カ
ウルトップガーニッシュをフロントガラスとフロントバ
ルクヘッドとの間に装着して艤装する際に、フロントガ
ラスの延長方向に取り付けることが容易となり、作業が
楽になる。
にノッチを形成した場合は、二又フランジの他方が歩行
者の頭部等からの衝撃を受けて曲がり易くなり、傷害値
を適宜選定して低下制御させることが可能となる。さら
にまた、クリップ止め等による前記フロントバルクヘッ
ド上面への二又フランジの他方の取付部に切欠きを形成
した場合は、歩行者の頭部等からの衝撃を受けたカウル
トップガーニッシュのフロントパネルが、何ら破壊され
ることなく摩擦締結から開放されて脱落することが許容
される。また、前記二又フランジの他方とフロントバル
クヘッド上面との取付部が一体ピンと長孔により構成さ
れた場合は、衝撃を受けたカウルトップガーニッシュの
フロントパネルが、何ら破壊されることなく一体ピンに
よる摩擦締結等から開放されて長孔の範囲内を移動して
衝撃を和らげることができる。
設けたフロントパネルを支持するフロントバルクヘッド
上面の取付部に切欠きを形成した場合は、フロントバル
クヘッドの上面が前述した実施の形態のものと逆向きに
構成された場合でも、該上面に形成された切欠きの存在
によって、歩行者の頭部等からの衝撃を受けたカウルト
ップガーニッシュのフロントパネルおよびフロントバル
クヘッドの上面が、何ら破壊されることなく脱落するこ
とが許容される。また、フロントバルクヘッド前面部の
高さよりフロントパネルの高さを大としたことにより、
ボンネットの許容変位量を大きくすることができる。こ
のように、本発明によれば、剛性に優れて、走行中のボ
ンネット振動を抑制するとともに、音漏れや漏水等の虞
れがなく、簡素な構造ながら確実に歩行者への傷害値を
低減させることができるカウルパネル・フロントバルク
ヘッド構造が提供される。
構造の第1実施の形態を示し、要部断面図およびフロン
トバルクヘッドへのカウルパネルの取付部の平面図であ
る。
構造の第2実施の形態を示す図である。
構造の第3実施の形態を示す図である。
構造の第4実施の形態を示す図である。
構造の第5実施の形態を示す図である。
構造の第6実施の形態を示す図である。
構造の第7実施の形態を示す図である。
構造の第8実施の形態を示す図である。
構造の第9実施の形態を示ず図である。
ヘッド構造の断面図である。
ヘッド構造の断面図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 フロントガラスの前方に配置され、該フ
ロントガラスとボンネット後端部との間を閉塞するカウ
ルトップガーニッシュと該カウルトップガーニッシュを
取着するフロントバルクヘッドを備えるカウルパネル・
フロントバルクヘッド構造において、前記カウルトップ
ガーニッシュの前部を形成するフロントパネルの下端部
を下方に延長しフロントバルクヘッド上面に対して結合
するとともに、前記フロントパネルに対して斜め上前方
からの所定値以上の力の作用時に離脱可能に構成された
ことを特徴とするカウルパネル・フロントバルクヘッド
構造。 - 【請求項2】 前記カウルトップガーニッシュにおける
フロントパネルの下端部を二又フランジに形成するとと
もに、フロントバルクヘッド上面を前記二又フランジに
整合する形状に形成したことを特徴とする請求項1に記
載のカウルパネル・フロントバルクヘッド構造。 - 【請求項3】 前記二又フランジの一方を前記ボンネッ
ト後端部の支持方向に傾斜させたことを特徴とする請求
項2に記載のカウルパネル・フロントバルクヘッド構
造。 - 【請求項4】 前記カウルトップガーニッシュにおける
フロントパネルから二又フランジの一方の裏面にかけて
リブを形成したことを特徴とする請求項3に記載のカウ
ルパネル・フロントバルクヘッド構造。 - 【請求項5】 前記二又フランジの他方およびこれを支
持するフロントバルクヘッド上面をフロントガラス延長
面と略平行に構成したことを特徴とする請求項2ないし
4のいずれかに記載のカウルパネル・フロントバルクヘ
ッド構造。 - 【請求項6】 前記二又フランジの他方の付け根にノッ
チを形成したことを特徴とする請求項2ないし5のいず
れかに記載のカウルパネル・フロントバルクヘッド構
造。 - 【請求項7】 クリップ止め等による前記フロントバル
クヘッド上面への二又フランジの他方の取付部に切欠き
を形成したことを特徴とする請求項1ないし6のいずれ
かに記載のカウルパネル・フロントバルクヘッド構造。 - 【請求項8】 前記二又フランジの他方とフロントバル
クヘッド上面との取付部が一体ピンと長孔により構成さ
れたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記
載のカウルパネル・フロントバルクヘッド構造。 - 【請求項9】 クリップ止めあるいは一体ピンを設けた
フロントパネルを支持するフロントバルクヘッド上面の
取付部に切欠きを形成したことを特徴とする請求項1、
5、6のいずれかに記載のカウルパネル・フロントバル
クヘッド構造。 - 【請求項10】 フロントバルクヘッド前面部の高さよ
りフロントパネルの高さを大としたことを特徴とする請
求項1ないし9のいずれかに記載のカウルパネル・フロ
ントバルクヘッド構造。
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JP2000233857A JP4651788B2 (ja) | 2000-08-02 | 2000-08-02 | カウルパネル・フロントバルクヘッド構造 |
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JP2000233857A JP4651788B2 (ja) | 2000-08-02 | 2000-08-02 | カウルパネル・フロントバルクヘッド構造 |
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JP2002046649A true JP2002046649A (ja) | 2002-02-12 |
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