JP2002034489A - 油アゲの製造法 - Google Patents
油アゲの製造法Info
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Abstract
一な油アゲの安定な製造方法を提供することを目的とす
る。 【解決手段】 過熱水蒸気を用いて油アゲ生地の膨化を
行ない、その後常法のフライ工程を行ない固定すること
で上記課題を解決する。
Description
関する。
アゲ生地)を90〜120℃の油中で生地中の水分を気
化させることによって膨化させ、しかる後に150〜2
00℃の油中にて表面を硬化させ膨化状態を固定するこ
とによって調製される。しかし、この従来の方法ではフ
ライ工程に多量の油を必要とし、かつまた、油アゲ生地
の水分が高いため、高温でのフライ油の加水分解が促進
される結果、酸価の上昇が早く、頻繁にフライ油の交換
を行なう必要を生じるなどの欠点があった。また、従来
の油アゲは油の含有量が高く、多くの場合調理時に油抜
き処理を必要とするがある等の欠点があった。油アゲ製
造においてフライ工程を省略する方法としては、特公昭
60−43106に大豆蛋白等を主原料として豆腐製造
工程を経ずして生地を調製し、この生地を油に浸漬する
か生地表面を油で被覆した状態でマイクロ波加熱して生
地を膨化させた後フライによって硬化するか、マイクロ
波加熱を継続して硬化させて油アゲ様食品を得る方法
が、また、特開平4−8262に油で被覆した油アゲ生
地を遠赤外線照射によって加熱し、油アゲを得る方法が
提示されている。しかし、これらマイクロ波や遠赤外線
を用いる方法ではアゲ生地の表面の乾燥硬化が生地の膨
化工程においてもおこるため、生地の膨化が不足したり
不均一になるなど、良好な品質の製品を得る事が難し
い。とくに、マイクロ波照射による加熱では油アゲ生地
自体が発熱する為、温度のコントロールを行なうことが
難しく、安定な製造が困難である。
のフライ油を使用せず、膨化が均一かつ充分な油アゲの
製造法を提供することにある。
的を達成する為に鋭意検討を行った結果、過熱水蒸気を
用いて油アゲ生地の膨化を行ない、その後常法のフライ
工程を行ない膨化油アゲ生地の固定することにより、生
地の均一膨化にすぐれた油アゲを安定して製造すること
ができることを見出し、本発明を完成するに至った。す
なわち、本発明は常法によって得られた油アゲ生地を2
00〜300℃望ましくは240℃〜280℃に調整さ
れた過熱水蒸気中に置き、油アゲ生地が充分な膨化を示
した後、すみやかに、150℃〜200℃望ましくは1
60〜180℃の油中に移し、生地表面を硬化させるこ
とによって膨化状態を固定することを特徴とする油アゲ
の製造法を要旨とするものである。
は、通常の油アゲ製造に用いられるものをそのまま用い
ることができ、原料には通常の丸大豆のほか、脱脂大
豆、皮むき大豆フレーク等を用いることができる。これ
らの大豆原料を適度に水に膨潤させ、丸大豆の場合は加
水しつつ磨砕し、脱脂大豆あるいは皮むき大豆フレーク
の場合は加水攪拌して、呉汁を得る。この呉汁を適度に
煮沸し、戻し水を加えるかまたは加えずしてオカラと分
離し、豆乳を得る。これらの一連の過程には豆腐油アゲ
製造用として知られる器具設備のどんなものを用いても
良い。得られた豆乳は60℃〜80℃の温度帯で凝固剤
と混合攪拌されて凝固物を得る。この際の凝固剤として
は、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウ
ム、硫酸マグネシウム等、油アゲ製造に用いられる凝固
剤をそれぞれ単独でまたは混合して用いることができ
る。得られた凝固物は、型箱あるいは連続成型機にて圧
搾脱水され、豆腐生地となる。豆腐生地は適当な大きさ
に切断され、油アゲ生地として用いられる。本願におけ
る膨化工程は、油アゲ生地を過熱水蒸気を導入できる装
置中に置いて行う。過熱水蒸気を導入できる装置中に置
かれた油アゲ生地に、200℃〜300℃望ましくは2
40℃〜280℃の過熱水蒸気を作用させる。このと
き、過熱水蒸気の温度が200℃未満の場合は生地中の
水分の気化がゆっくりとしか起こらずに膨化に時間がか
かりかつ膨化も不十分となり、300℃を越えると生地
表面の硬化が起こって膨化を阻害する。通常の油アゲの
製造工程においては、フライにおける生地の膨化工程の
フライ油温が製品の膨化割合に大きな影響を与え、この
フライ油温を厳密に管理し安定化させることが安定した
製品を得る為に重要であるが、本発明の場合もこの生地
の膨化工程における過熱水蒸気の温度を厳密に管理する
ことが安定した製品を得る為には重要である。ここにお
いて過熱水蒸気とは水管ボイラーや貫流ボイラーなどを
用いて発生せしめた飽和水蒸気を減圧したり、及び/ま
たは二次加熱することによって得ることができる。ここ
において大気圧以下もしくは以上の過熱水蒸気を用いる
と設備が複雑になるので大気圧の過熱水蒸気を用いるこ
とが好ましい。また、飽和水蒸気の二次加熱は公知のい
かなる方法でも良い。例えば、重油・軽油・灯油などの
石油やLPG・都市ガスなどの燃料を燃焼せしめて得た
高温ガスを熱源にして、熱交換器を利用して間接加熱し
たり、または熱交換器を用いず飽和水蒸気と高温ガスを
直接混合すれば過熱水蒸気を得ることができる。また導
電性の物質に直流・低周波の交流・高周波の交流電流を
流したり、誘電体にマイクロ波か高周波、赤外線などの
電磁波を照射することにより物質を発熱せしめ、その高
温物体と飽和蒸気を接触せしめることによって過熱水蒸
気を得ることができる。ここにおいて飽和水蒸気自身も
誘電体であるので、上記電磁波による加熱は直接加熱す
ることも可能である。さらに、これら方法は組み合せて
用いても良い。あるいはまた、色調や風味などを調整す
る目的で酵素分圧を制御しても良い。本願におけるフラ
イとは、過熱水蒸気加熱により膨化させた油アゲ生地を
油中で加熱することを指す。フライの温度は特に限定さ
れるものではないが、好ましくは150℃〜200℃、
さらに好ましくは160℃〜180℃である。フライに
より油アゲ生地の表面が硬化し、膨化が固定される。こ
のとき油の温度が150℃以下であると硬化が不十分で
あるためフライ後に冷却されると製品が著しく縮んで商
品価値が低くなる。また200℃を越えると硬化が進み
過ぎて食感が固くなり焦げも生じて商品価値が低くなる
とともに、フライ油の熱酸化による劣化が速くなり好ま
しくない。また過熱水蒸気加熱の後、膨化油アゲ生地の
フライを行うまでの工程は連続して行うことが望まし
い。
定した膨化を示し、最終的にからし工程でフライを行な
うため、外観上は従来の油アゲとほとんど変り無く良好
な嗜好性を示し、しかも、使用する油の量は従来のほぼ
半分ですむという特徴を有している。また、このように
して得られた油アゲは、浮力がかからない状態で生地の
膨化を行うためにいわゆる「浮かせアゲ」のような内部
の豆腐層がつまった組織となる。この油アゲをいわゆる
「沈めアゲ」のようなスポンジ状の製品とするために
は、フライによる生地の膨化状態の固定(からし工程)
が終了した後すみやかにマイクロ波を照射して豆腐層の
水分を気化させ、製品を膨化させればよい。以下に実施
例を示す。
浸漬したのち水を切り、元の大豆の重量の7倍量の水を
加えて磨砕し、直接加熱式の連続煮釜で100℃まで煮
沸し直ちに元の大豆の3倍量の水を加えた。得られた煮
呉をすみやかにスクリュープレスを用いてオカラと分離
し、120メッシュの篩を通して微細なオカラを除去し
て豆乳を得た。豆乳の温度が75℃となった時点で豆乳
量の0.25%相当量の塩化マグネシウムを添加混合し
蛋白を凝固させた。得られた凝固物はすみやかに型箱に
移し、徐々にプレスして脱水し、厚さ約8mmの豆腐生
地を得た。この豆腐生地を45×45mmにカットし、
260℃の過熱水蒸気を作用させた。作用開始後4分間
で約80mm角にまで膨化させた後、油温を180℃に
調整したフライヤーで4分間処理することにより表面を
硬化させた。得られた油アゲ10枚のサイズは平均80
×80mmであり、生地に対する伸び率(面積比)は
3.16倍であった。またこの油アゲの水分含量は5
1.1%であった。この油アゲは、浮かせアゲ風のつま
った豆腐層ときめの細かい表皮をもち、油アゲらしい好
ましい風味を有していた。
カットし、260℃の過熱水蒸気を作用させた。作用開
始後4分間で約80mm角にまで膨化させた後、油温を
180℃に調整したフライヤーで4分間処理することに
より表面を硬化させた。生地を油中から取り出した後す
みやかに出力500Wのマイクロ波オーブンに入れてマ
イクロ波を15秒照射して油アゲを得た。このようにし
て得られた油アゲ10枚のサイズは平均81×81mm
であり、生地に対する伸び率(面積比)は3.24倍で
あった。またこの油アゲの水分含量は37.8%であっ
た。この油アゲは、沈めアゲ風のスポンジ状の豆腐層と
きめの細かい表皮をもち、油アゲらしい好ましい風味を
有していた。
ライ油を必要としていた。今回、生地の膨化工程に過熱
水蒸気を用いる事により、使用するフライ油の量をはぼ
半分に減少させることができ、しかも、マイクロ波を組
合せる事によって、浮かせアゲ、沈めアゲのどちらのタ
イプのアゲでも同等の生産性で製造する事ができ、油ア
ゲの製造を有利に進める事ができるようになった。
Claims (2)
- 【請求項1】 過熱水蒸気加熱を用いることを特徴とす
る油アゲの製造法。 - 【請求項2】 油アゲ生地を過熱水蒸気加熱により膨化
させた後、フライし、しかる後マイクロ波を照射するこ
とを特徴とする油アゲの製造法。
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JP2000225578A JP4173946B2 (ja) | 2000-07-26 | 2000-07-26 | 油アゲの製造法 |
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